JPH0635882Y2 - スクータ型車両のサイドスタンド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案はスクータなどの二輪車にかゝり、特にスクータ
型車両のサイドスタンド装置に関する。

（従来の技術） 従来からスクータなどの比較的小型の二輪車には、停車
時に走行状態と同じ姿勢を保つために車両の片側にパー
キングスタンドが横方向に設けられ、停車時にはこのス
タンドを縦方向に回動して車両の姿勢を走行時の状態に
保てるようにしている。具体的には例えば第５図に示す
ように、車体ａの下部に設けられた第６図のようなパー
キングスタンドｂに足を引掛けるためのブラケットｃが
パーキングスタンドｂ本体に溶接されており、不使用時
つまり走行時はこのブラケットｃがステップフロアｄ側
に突出する形状となっている。

そして停車時にブラケットｃに足を掛けてパーキングス
タンドｂをピンｅを中心に回転させて接地させるもので
あり、不使用時は足でスタンドを蹴るとバネで元の状態
に復帰するようになっている。こうしたタイプのものが
現在ほとんど使用されている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら現状のこのようなタイプはブラケットｃに
足の踵部分が掛け難く、したがってパーキングスタンド
ｂが出しずらいものであり、ブラケットの形状によって
は車体のバンク角が小さくなるものもあり、しかもブラ
ケットは外観上、機能上から云ってもステップフロアの
側にあるのが常識とされていた。

本考案はこれに鑑み、ブラケットをステップフロアの一
部として形成し、ステップフロアの表面と同じ高さとし
かつ外側にはみだすことのないようにしたスクータ型の
車両のサイドスタンド装置を提供して、従来技術の持つ
欠点の解消を図ることを特徴としてなされたものであ
る。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため本考案は、スクータのステップ
フロアの一部分を上下動可能なパーキングスタンド引掛
け用ブラケットとして、上面、側面、および下面を有し
側面から内側に突出部を設けたカバー状に形成し、その
上面に凹凸を形成するとともに、パーキングスタンドと
の結合は該突出部に設けた長孔とパーキングスタンド側
の張り出し部に設けたネジ孔とをボルトなどの締結部材
により一体としたことを特徴とする。

（作用） 上記構成により、ブラケットの上面を踏み込んだとき下
降してこれと一体のパーキングスタンドを接地させるこ
とができる。

（実施例） 以下、本考案を第１図乃至第４図に示す実施例を参照し
て説明する。

本考案にかゝるスクータ型車両のサイドスタンド装置
は、スクータのステップフロア１の一部分を上下動可能
なパーキングスタンド引掛け用ブラケット３として、上
面、側面および下面を有し側面から内側に突出部４を設
けたカバー状に形成し、その上面に凹凸５を形成すると
ともに、パーキングスタンド２との結合は該突出部４に
設けた長孔６とパーキングスタンド２側の張り出し部７
に設けたネジ孔８とをボルトなどの締結部材９により一
体としたものである。

第３図は車体の一部であるステップフロア１で、レッグ
リア1aとレッグサイドカバー1bとに分解された状態を示
している。そしてレッグリア1aおよびレッグカバー1bの
後部の一部分がカットされた個所に本考案にかゝるブラ
ケット３がカットされた個所に合致するように取付けら
れるようになっている。

このブラケット３は１枚の板をほゞコ字状に曲げたもの
で、上面、側面、下面があり、側面のほぼ中間から上
面、下面と同方向に張り出した突出部４が形成されてい
る。

そして上面には滑らないように凹凸５が形成され、突出
部４には突出方向と同方向に２個の長孔６が設けられて
いる。

またパーキングスタンド２は従来構造と同様にピン10に
より車体に回動可能に支持されている。

したがってパーキングスタンド２を使用しないときは、
ブラケット３はステップフロア１と同高さに置かれ、使
用するときはブラケット３の上面を第１図矢印、および
第４図のように足の踵で踏み込むと、ブラケット３が垂
直に下降しても長孔６の分だけ横方向に移動できること
になり、パーキングスタンド２が回動して設置すること
になる。そしてパーキングスタンド２の折りたたみは、
図示しないバネにより従来装置と同様に行うことができ
る。

なお、ブラケット３の上面はステップフロア１面と同一
またはフロア１面より幾分高く設けてもよい。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、パーキングスタン
ドの引掛け用ブラケットがステップフロアの一部分とな
っているため、外観的にも良くなり、またブラケットの
上面が凹凸になっているので踵が引掛け易く、さらに引
掛け用ブラケットがフロア側にないためバンク角が多く
とれるなどの種々の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかゝるスクータ型車両のサイドスタン
ド装置の車体装着図、第２図は第１図の構成部品の分解
図、第３図は第１図のブラケットの取り付け関係を示す
斜視図、第４図は本考案のブラケットの上面の凹凸を示
す断面図、第５図は本考案が適用されるスクータの全体
図、第６図は従来のサイドスタンドを示す斜視図であ
る。 １…ステップフロア、1a…レッグリア、1b…レッグサイ
ドカバー、２…パーキングスタンド、３…ブラケット、
４…突出部、５…凹凸、６…長孔、７…張出し部、８…
ネジ孔、９…締結部材、10…ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スクータのステップフロアの一部分を上下
   動可能なパーキングスタンド引掛け用ブラケットとし
   て、上面、側面、および下面を有し側面から内側に突出
   部を設けたカバー状に形成し、その上面に凹凸を形成す
   るとともに、パーキングスタンドとの結合は該突出部に
   設けた長孔とパーキングスタンド側の張出し部に設けた
   ネジ孔とをボルトなどの締結部材により一体としたこと
   を特徴とするスクータ型車両のサイドスタンド装置。