JPH0635647B2 - 加工性の優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

加工性の優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、熱延鋼板を原板として、冷間圧延することな
しに溶融亜鉛めっきを施して製造する溶融亜鉛めっき鋼
板の製造に係り、より詳細には、引張強さが38〜50
kgf/mm2の溶融亜鉛めっき鋼板(例えば、JISにおけ
る自動車構造用熱延鋼板に相当するもの)において、よ
り高いプレス加工性、具体的には、低い降伏点、高い伸
び及び伸びフランジ性が要求される場合には好適な加工
性の優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するもの
である。
(従来の技術) 近年、自動車等の車体或いはその構造部材には溶融亜鉛
めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板が多く使用され
るようになってきた。これらの用途では、形状が複雑で
あるため、プレス加工時に鋼板が厳しい加工を受けるこ
とから、成形性の優れた溶融亜鉛めっき鋼板が要求され
ることになる。
従来、このような用途に供される合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の製造法としては、熱延鋼帯を冷間圧延に付した
後、そのまま或いは再結晶焼鈍を施した後、連続合金化
溶融亜鉛めっきライン(以下、「亜鉛めっきライン」と
称す)に通板して浸漬めっき及び合金化処理を行う、い
わゆる冷延鋼板を原板とした鋼板の製造法が通常の方法
である。
しかし、最近では、需要家側からコストダウンの要請が
強まり、加工性に優れ且つ安価な溶融亜鉛めっき鋼板や
合金化溶融亜鉛めっき鋼板が求められている。このた
め、冷延鋼板を原板とすることに代えて、熱延後酸洗す
るが、冷間圧延やこれに続く再結晶焼鈍を施すことな
く、直接亜鉛めっきラインは通板する方法、すなわち、
製造工程の一部を省略して製造コストを低減する方法が
検討され、一部で実用化されている。
しかし、従来、熱延鋼板を冷間圧延することなく直接亜
鉛めっきラインへ通板して得られる熱延原板溶融亜鉛め
っき鋼板は、板厚が3.2mm以上の比較的板厚の厚い鋼
とか、或いは加工性がそれ程厳しくない用途に限られて
使用されているにすぎず、板厚が薄く且つ加工性の優れ
た熱延原板溶融亜鉛めっき鋼板はこれまであまり製造さ
れていない。
そこで、このように板厚が薄く且つ加工性の優れた熱延
原板溶融亜鉛めっき鋼板及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の製造法については種々改善が試みられているが、未だ
有効な方法が見い出されていない。
(発明が解決しようとする課題) 一般に、溶融亜鉛めっき鋼板を製造するには、亜鉛めっ
きラインにおいて、まず酸化雰囲気中で加熱均熱され、
次いでめっき層の密着性を高めるために溶融亜鉛温度
(460℃)程度に還元雰囲気中で保持した後、溶融亜
鉛めっき浴中に浸漬される。この場合、加熱均熱過程で
は、再結晶焼鈍或いは軟質化を目的として、約700〜
850℃に保持されるのが通例である。更に製品の塗装
密着性を目的として合金化処理を行う場合には、溶融亜
鉛めっき後、更に鋼帯は約500〜700℃に加熱され
る。上記溶融めっきラインは冷延鋼板を対象に設備設計
されたものであり、対象鋼板の昇温ラインを含んでいる
から、元々加工組織が残っておらず、したがって焼鈍を
行う必要のない熱延鋼板であっても、設備稼働上必然的
に昇温を受けることとなる。
なお、格別の観点から見た場合においても亜鉛めっきの
密着性を確保するには亜鉛の溶融温度(約460℃)以
上に予熱しておく必要もあり、更に合金化処理を行う場
合にも良好な塗装密着性及びめっき層の加工性を得るた
めに亜鉛めっき中の鉄濃度を適正な値に制御しなければ
ならず、このためにも約550℃以上の鋼帯の加熱が必
要であり、いずれにせよ、原板の再加熱処理は不可避の
プロセスとなっている。
しかるに、0.02〜0.15%程度のCを有し、かつ
原子量論的にCの原子量以上にTi、Nb等の炭化物形
成元素を含まない鋼に、上記のような熱処理を施すと、
熱延巻取り徒の徐冷過程で充分に析出したセメンタイト
中のCが昇温によって再固溶するという現象が生じる。
このように再固溶したCは、溶融亜鉛めっきラインの後
半においては急速冷却が行われるために充分にセメンタ
イトとして析出できず、製品段階では溶融亜鉛めっきラ
イン通板前(以下、「熱延まま」という)に比べ、鋼中
に固溶するCの量が増える。このため、熱延ままと溶融
亜鉛めっき後の特性を比較すると、降状点が上昇し、伸
びが低下する傾向にある。当然ながら、上記のような引
張特性の変化の大きさは鋼中のC量、めっきラインでの
加熱温度により左右され、特にC量については、鋼中の
C量を低減し、Ti、Nb等の炭化物形成元素により鋼
中のCを熱延段階でTiC、NbC等で析出させ、これ
ら炭化物がめっきラインでの加熱温度で再び固溶しなけ
ればめっき処理前後の引張特性の変化は小さくなるので
あるが、この場合、鋼中に固溶するCが殆どないため結
晶粒界の強度が弱くなる結果、成形加工後に衝撃荷重が
加わったり、或いは低温での変形を行ったりしたときに
脆性破壊(粒界破壊)を生ずる、いわゆる「縦割れ」が
発生するおそれがあり、C量を低減することは好ましく
ない。
一方、38〜50kgf/mm2程度の引張強さを有する溶融
亜鉛めっき鋼板では、自動車足回り部品等でプレス加工
される際に伸びフランジ性が最も重要な特性の1つとな
る。この伸びフランジ性を向上せしめる方法としては、
用途が異なるが、例えば、特開昭61−48520号に
は、0.010〜0.120%のCを含有する鋼を用
い、Ar点以上の熱間圧延後、3段階の冷却を行うこ
とにより、伸びフランジ性(穴拡げ性)を向上させるこ
とが示されている。しかしながら、この提案は、熱延鋼
板に関するものであり、前述のような溶融亜鉛めっきラ
イン通板による材質の変動については何ら考慮されてい
ない。例えば、熱延鋼板を原板とする場合には再結晶焼
鈍を行う必要がないため、この場合におけるめっき前の
均熱(通常550〜600℃程度の低温で行われる)に
対して伸びフランジ性のほか、引張特性がどのように変
動するかは不明である。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになさ
れたものであって、高い伸びフランジ性、優れた引張特
性を有する溶融亜鉛めっき鋼板を冷間圧延を施すことな
く製造できる方法を提供することを目的とするものであ
る。
(課題を解決するための手段 前記目的を達成するため、本発明者は、まず、鋼の成分
組成について検討した。その結果、伸びフランジ性は特
にCが0.08%以下で大幅に向上することを見出し
た。ししながら、前述したように熱延鋼板を原板とする
場合は再結晶焼鈍を行う必要がないため、めっき前の均
熱は通常550〜600℃程度の低温で行われ、この様
な条件で前記の0.08%以下のC量の鋼板に溶融亜鉛
めっきを行うと、伸びフランジ性のほか、もう1つの重
要視すべき特性である引張特性が大幅に劣化することが
判明した。
そこで、鋼の成分組成、製造プロセス条件等について更
に鋭意研究を重ねた結果、C量を従来より低減し、更に
適正な熱延条件(特に巻取り温度)と、溶融亜鉛めっき
ラインでの加熱温度の組み合わせにより、高い伸びフラ
ンジ性と優れた引張特性を兼ね備えた溶融亜鉛めっき鋼
板が得られることを知見し、ここに本発明をなしたもの
である。
すなわち、本発明に係る加工性の優れた溶融亜鉛めっき
鋼板の製造方法は、C:0.02〜0.08%、Mn:
0.60〜1.60%及びS:0.009%以下を含む
鋼を、Ar点以上の温度で熱間圧延後、600℃以下
の巻取温度でコイル状に巻取り、次いで冷間圧延をせず
に、溶融亜鉛めっきを施すに際し、溶融亜鉛めっき前の
鋼帯の加熱温度が650℃以上750℃以下であること
を特徴とするものである。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
(作用) まず、本発明の重要な要素であるC、Mn量及び巻取温
度、溶融亜鉛めっき条件について、実験結果に基き説明
する。
実験では、C:0.01〜0.12%、Mn:0.68
〜1.90%及びS:0.009以下を含有する鋼を溶
製し、鋳型に鋳込み、スラブとした。これらのスラブに
Ar点以上で板厚2.00mmまで熱間圧延を施し、4
00〜650℃の温度で巻取った。得られた熱延鋼板
を、溶融亜鉛めっきを施すに際し、溶融亜鉛めっき前の
加熱温度を500〜800℃の範囲で変化させた。
熱延まま及び溶融亜鉛めっき後の各鋼板より、圧延方向
にJIS5号試験片及び穴拡げ試験用サンプルを採取
し、伸びフランジ性と引張特性を評価した。なお、穴拡
げ試験は、打ち抜きにて8mm径の穴あけ後、先端角60
゜の円錐ポンチにより穴拡げ加工を行い、最も大きな亀
裂が板厚を貫通したときの径(D、mm)を調べ、穴拡が
り限(λ)を以下のように求め、この値により伸びフラ
ンジ性を評価した。
(1)C量 まず、本発明において重要な構成因子であるC量につい
てて説明する。
上記実験結果の一例を第1図及び第2図に示す。なお、
これらの図の場合、溶融亜鉛めっき前加熱を650〜7
00℃で行った。
第1図はほぼ同一の強度を有する鋼板の穴拡がり限を示
したものである。第1図より、穴拡がり限はC量の低下
と共に向上することがわかる。これは、第3図の顕微鏡
写真(巻取温度500℃)に示すように、C量の低下に
より粒界に存在する硬い第2相が小さく、かつ少なくな
るため、フェライトと第2相間で発生するボイドが小さ
く、かつこれらが連結しにくくなり、穴拡げ試験での亀
裂の発生及び成長が抑えられたためと考えられる。
したがって、優れた伸びフランジ性を得るためには、C
量は0.08%以下、好ましくは0.06%以下である
ことが必要である。
但し、C量があまりに低いと、第2図のC:0.01%
鋼の例に示したように、同一Mn量で比較した場合及び
同一強度で比較した場合、いずれにおいても、C:0.
03%、0.05%の各鋼に比べて引張強度と伸びバラ
ンスが低下する。これはC量が低いために溶融亜鉛めっ
きでの加熱時にセメンタイト中のCが全て固溶してしま
い、更にその後の急冷時にフェライト中のCの過飽和度
が低く、セメンタイトとしての析出が遅く、製品の鋼中
の固溶C量が多くなり、伸びが低下するためと考えられ
る。
したがって、このような伸びの低下を抑制するために
は、C量は0.02%以上とすることが必要である。
よって、C量は0.02〜0.08%の範囲とする。
(2)Mn量 Mnは鋼の強化元素として有効である。本発明において
は、主な強化元素は、CとMnであるため、所望の強度
(38kgf/mm2)を得るためには0.60%以上のMn
が必要である。
一方、上記実験結果を示す第4図からわかるように、穴
拡がり限は、Mn量が1.60%以下の範囲では殆ど低
下しない。すなわち、この範囲ではMnの添加により穴
拡がり限を低下させることなく、鋼を強化することがで
きる。これは、第3図の顕微鏡写真に示すように、M
n:1.92%鋼では第2相の量が多くなっており、こ
れが穴拡がり限を低下させているものと考えられる。
したがって、優れた伸びフランジ性を得るためには、M
nは1.60%以下であることが必要である。
よって、Mn量は0.60〜1.60%の範囲とする。
(3)溶融亜鉛めっき条件 また、第4図より、巻取温度は550℃の方が穴拡がり
限は高いことが示されており、高い穴拡がり限を得るた
めには、巻取温度は低い方が望ましい。
一方、上記実験結果の一例を示す第4図は、巻取温度
(以下、「CT」と略称する)及び溶融亜鉛めっき前加
熱温度、(以下、「めっき前加熱温度」という)の影響
を示している。同図より、めっき前加熱温度が650℃
より低い場合及び750℃より高い場合には、いずれも
熱延ままに比べて伸びが大きく低下し、降伏点が高い。
しかしながら、めっき前加熱温度が650℃以上750
℃以下の範囲の場合では、いずれの鋼種もこの温度範囲
外で加熱した前述の場合に比べ、伸びが高く、降伏点を
低く、熱延ままの特性値に近づいている。この原因は必
ずしも明らかでないが、めっき前加熱温度が650〜7
50℃では加熱時のセメンタイト中のCの再固溶量が適
正であったため、後の急冷時のセメンタイトの析出が進
んだためと考えられる。
したがって、めっき前加熱温度は650〜750℃の範
囲とする。なお、溶融亜鉛めっきの他の条件は特には制
限されない。
(4)巻取温度 一方、巻取温度CTについては、第5図のC:0.05
%、Mn:0.80%鋼の例で示されるように、めっき
前加熱温度の影響がCTにより異なっている。すなわ
ち、めっき前加熱温度が700℃の場合、CTが低いほ
ど熱延ままの特性値に近くなり、かつこの場合CTが低
い方が強度と伸びのバランスはよい。したがって、より
優れた強度と伸びバランスを得るためには、CTは60
0℃以下が好ましい。更にこの場合、同一成分組成でよ
り高い強度が得られる。換言すれば、同一強度を得るた
めに、必要なMn量が少なくて済むため、製造コスト的
にも有利である。
(5)その他 次に本発明を構成するその他の各因子について説明す
る。
S Sは周知のように、その含有量が多いとMnS介在物が
増加し、穴拡げ率を低下させる。したがって、できる限
り低いことが好ましいが、本発明においては、0.00
9%以下にするとその悪影響が小さいため、0.009
%を上限とする。
熱延終了温度 オーステナイトとフェライト域だ熱延を行った場合、フ
ェライトが加工を受け、この部分はめっき前加熱によっ
て、加工されたフェライトとして残存或いは粗粒化し、
いずれの場合も伸びフランジ性が低下するため、熱延終
了温度はAr点以上とする。
なお、本発明では以上の点を必須構成要件とし、その他
の点は特に制限されるものではないが、例えば、鋼の強
度或いや鋼精錬時の脱酸を目的として、Si、Alを添
加することができ、また不可避的不純物として混在する
Pの影響もあるので、以下にこれらについて説明する。
Si: Siの含有量は0.2%以下であることが望ましい。含
有量が0.2%を超えると熱延段階で赤スケールが生じ
るおそれがあり、赤スケール模様は酸洗後も残るため、
めっき表面に縞状模様が浮き出て表面外観を劣化させ、
商品価値を著しく低下させる。更に赤スケールが発生し
た場合、スケール発生部分のめっき密着性が劣化するた
め、この観点からも、Si含有量は可及的に抑制するこ
とが望ましい。
Al: Alは鋼精錬時の脱酸剤として添加さる元素であるが、
その添加量が0.005%以下の場合には、脱酸が不充
分であり、逆に0.10%を超える場合には、脱酸の効
果が飽和し、製造コスト上不利ため、0.005%以
上、0.10%以下とするのが望ましい。
P: Pは強化元素として有効であるが、その含有量が0.0
3%を超える場合には、溶融亜鉛めっき後、合金化処理
を行う場合には合金化速度が著しく低下するため、0.
03%以下とするのが望ましい。
N: Nは本発明のように600℃以下の低い温度で巻取れば
鋼中に固溶し、耐時効性を劣化させる恐れがあり、特に
この観点からはN含有量が低い方が有利であるため、
0.0050%以下が望ましい。
その他: 溶融亜鉛めっき後の合金化処理に関しては、通常の処理
温度(500〜700℃)の範囲では引張特性、伸びフ
ランジ性に対し、殆ど影響を及ぼさないために特に限定
はされない。
次に本発明の一実施例をす。なお、本発明はこの実施例
のみに限定されるものではないことは云うまでもなく、
既述の各種基礎研究及び実験例のほか、他の態様も可能
である。
(実施例) 第1表に示す化学成分(wt%)を有する鋼を常法により
溶製し、転炉出鋼後、連続鋳造によりスラブとした。次
いで、板厚2mmまで第2表に示す熱延終了温度を熱間圧
延を施し、第2表に示す巻取温度でコイル状に巻取っ
た。得られた熱延コイルを酸洗した後、亜鉛めっきライ
ンにて第2表に示すめっき前加熱温度で加熱処理し、溶
融亜鉛めっき処理を施し、伸び率1.0%の調質圧延を
施した。
得られた溶融亜鉛めっき鋼板の諸特性(引張特性、伸
び、伸びフランジ性)を2表に併記する。なお、表中、
引張特性を該鋼板から圧延方向にJIS5号試験片を採
取し、引張試験を行った結果であり、伸びフランジ性は
前述の穴拡げ試験方法により評価した。
第2表より明らかなように、本発明であるNo.1、No.
6、No.9はいずれも強度と延性のバランスがよく、穴
拡がり限も高い。
これに対し、比較例のNo.2はC量が低すぎるため、本
発明例No.1に比べて伸びが劣る。
更に、比較例のNo.3〜No.5はそれぞれC、Mn、Sが
高すぎるため、穴拡がり限が本発明例No.1に比べて低
い。
また、比較例のNo.7は熱延終了温度が低すぎ、No.8で
巻取温度が高すぎるため、それぞれ強度と伸びのバラン
スが本発明例No.6にべて劣る。
また、比較例No.10はめっき前加熱温度が高すぎ、No.
11はこれが低すぎるため、本発明例No.9に比べて引
張強度と伸びのバランスが悪い。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、高い伸びフラン
ジ性と優れた引張特性を有する溶融亜鉛めっき鋼板を、
冷間圧延を施すことなく、製造することができるため、
製造コスト上有利であり、更に、厳しい伸びフランジ加
工や絞り加工にも耐え得るため、これらの用途にも適用
が可能となり、産業上有利な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は打ち抜き穴の穴拡がり限に及ぼすC量の影響を
示す図、 第2図はC、Mn量の異なる鋼の引張強さと伸びバラン
スを比較した図で、ほぼMn量を一定にした場合と、ほ
ぼ引張強さを一定した場合でC量の違いによる差を示し
ており、 第3図(a)、(b)、(c)は圧延方向断面での金属組織(ミ
クロ組織)の顕微鏡写真(倍率1000倍)で、C、M
n量の影響を示しており、黒い輪郭で囲まれた紐状の部
分がフェライト以外の組織(パーライト、ベイナイト、
マルテンサイト等)を表わしており、 第4図は打ち抜き穴の穴拡がり限に及ぼすMn量の影響
を示す図、 第5図は引張特性に及ぼす溶融亜鉛めっきラインでの加
熱温度の影響を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で(以下、同じ)、C:0.02〜
    0.08%、Mn:0.60〜1.60%及びS:0.
    009%以下を含む鋼を、Ar点以上の温度で熱間圧
    延後、600℃以下の巻取温度でコイル状に巻取り、次
    いで冷間圧延をせずに、溶融亜鉛めっきを施すに際し、
    溶融亜鉛めっき前の鋼帯の加熱温度が650℃以上75
    0℃以下であることを特徴とする加工性の優れた溶融亜
    鉛めっき鋼板の製造方法。
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