JPH06351270A - 超音波モータ制御装置 - Google Patents

超音波モータ制御装置

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JPH06351270A
JPH06351270A JP5134604A JP13460493A JPH06351270A JP H06351270 A JPH06351270 A JP H06351270A JP 5134604 A JP5134604 A JP 5134604A JP 13460493 A JP13460493 A JP 13460493A JP H06351270 A JPH06351270 A JP H06351270A
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ultrasonic motor
disturbance
characteristic
control
loop
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JP5134604A
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English (en)
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Reiji Mitarai
礼治 御手洗
Hiroaki Takeishi
洋明 武石
Isao Iwai
功 岩井
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Canon Inc
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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/0005Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing non-specific motion; Details common to machines covered by H02N2/02 - H02N2/16
    • H02N2/0075Electrical details, e.g. drive or control circuits or methods
    • H02N2/008Means for controlling vibration frequency or phase, e.g. for resonance tracking

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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外乱抑圧特性の付与と同時に目標値追従性の
向上を実現する超音波モータ制御装置を提供する。 【構成】 超音波モータと被駆動体とからなる機構を制
御対象とし、制御対象10への操作入力量と制御対象の
状態量とから制御対象の非線形特性及び特性変動による
擾乱成分を推定して負帰還を与える内側ループと、該内
側ループに位置特性補償器を前置しこれらを位置情報負
帰還で閉じた外側ループとからなり、該内側ループにお
いては操作量負帰還について低減通過フィルターをまた
情報量帰還について位相進み遅れ補償フィルターを有
し、両者の出力値の比較により擾乱成分の推定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非線形特性を有する運動
制御系の位置制御あるいは速度制御を改善する制御方法
に係わり、特に進行波型等の超音波モータを用いた運動
制御系において見られるような不感帯特性や特性変動を
有する系に対して、制御性能を向上させ且つこれを一定
に維持することのできる制御装置の実現に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】以下での全ての超音波モータの制御系構
成の前提として、制御演算出力と駆動回路との間の接続
に関する構成を説明する。図2にその接続構成例を示し
ている。これは超音波モータ制御系に対して線形制御理
論を適用するための前準備であり、スピード可変操作量
と方向変更操作とを統合し、実数入力空間の単一操作量
とするための基本手段を表している。図2における信号
変換器がこの機能を意味しており、代表的なスピード変
更の変数である振動振幅、駆動周波数による操作方法が
それぞれ図2の(a)、図2の(b)に対応している。
何れも操作量、即ち制御特性補償演算の出力値、の符号
に対応して、駆動回路内の2相発振器の位相差を±90
度の何れかに切り替えを行う構成である。操作量の絶対
値は、(a)に示す方式の場合は振動振幅指令として、
また(b)に示す方式の場合は駆動周波数指令として駆
動回路に入力される。但し、(b)に示す方式において
は、駆動周波数とモータ速度との関係が機械系共振特性
に支配され非線形となるため、適当な定義域を定めて逆
関数の形状となるように信号変換器は考慮されている。
以上のような手段を用いることによって制御対象への入
力変数は実数として扱え符号変化、即ち動作方向の切り
替えも含めて見かけ上、線形且つ連続に扱うことができ
る。
【0003】従来技術を代表とするものを図3に示す。
速度制御ループと位置制御ループの単純ネスト構成を取
っており、従来のAC/DCサーボと同様といえる。
【0004】被駆動体と超音波モータ及びその駆動回路
とからなる制御対象10は、その特性を図示するならば
凡そ、非線形関数11と線形の伝達関数12で代表でき
る。本系の特徴は非線形部分にあり、これは制御伝達経
路上の不感帯特性を表したものである。ここで云う不感
帯とは、操作入力に対して出力が得られない領域を意味
しており、現象としては低速域でのロストモーションと
して現れる特性である。超音波モータでは、摩擦駆動原
理に基づいているため機構のバックラッシュ等とは異な
りモータ本体が有しているもので、駆動・制御手段の立
場から克服されるべき点である。
【0005】内側の速度帰還ループでは速度補償器7と
して積分特性を持つものを採用し、例えばPI(比例項
プラス積分項)演算で、制御対象の持つ非線形成分や環
境からの外乱に対処する構成である。位置制御を行う場
合は、更にその外側に位置補償器6を設けて位置信号の
帰還ループで閉じる構成となる。
【0006】このような従来技術での問題点は位置決め
応答特性において指摘される。図4に代表的なステップ
応答波形を示す。図4の(a)が従来技術での波形であ
り、図4の(b)は後述の本発明の一実施例によるもの
である。従来系では、立ち上がり初期において、むだ時
間が現れ、これが原因で応答性が極めて低下している。
このむだ時間は、操作量が不感帯を脱出するまでに要す
る、積分変数の成長時間に関するものである。
【0007】更に、従来系では立ち上がり勾配が小さ
く、実速度が上げられない様子が観察できる。これは、
制御系設計として考慮できない外乱や非線形性のため安
定性確保が難しく、補償器ゲインが上げられないことに
よっている。
【0008】以上のように従来制御構成では、少なくと
も目標値追従特性において難点があり、整定時間を大幅
に短縮することはできない。外乱抑圧特性については、
従来系では配慮されていないので、その性能については
望むべくもない。
【0009】従来技術では何故これを改善できないかを
次に説明する。その論点は、対象が非線形であるにも係
わらず1自由度の線形補償で対処しようとすることにあ
る。伝統的に多用されている図3の構成は積分演算を有
するため、不感帯によって生じる制御偏差を積分動作に
よって、少なくとも定常的には除去する効果はある。し
かしこの構成における速度補償器7の積分レートの設定
には、伝達関数の位相特性からくる限界が低いところに
あり高速化を図れるものではなかった。一般に図3の構
成での速度補償器7は、速度ループの安定化、特に目標
値入力から制御量出力までの前向き特性の改善を目的と
して(これを制御系の1自由度設計という)、線形成分
G(s)のみに基づいてパラメータ設定がなされるもの
である。非線形成分や外乱を考慮しての設定ができない
ことに難点があった。
【0010】一方、不感帯の影響による応答性能の低下
という問題に限定するならば、簡易な方法として非線形
関数による手段がある。図1に示す非線形要素8を図3
において速度補償器7と不感帯特性11の間に設置する
構成である。これは不感帯の存在する操作量の零点にお
いて一定値のバイアスを与えるものであり、符号を考慮
しておりスピードの増す方向に加えるものである。この
手段により、理屈上は完全な補償が達成されるはずであ
る。
【0011】しかし、実際では要素11の不感帯幅は空
間的(回転型モータにおいてはロータ角度、リニア型モ
ータにおいてはストローク上のムーバ位置に関して)、
時間的に変動するため、固定補償量での対応では新たな
問題が現れる。
【0012】要素8と11との関係から明かであるが、
8でのバイアス値は要素11の不感幅を超える設定は厳
に許されない。これを破ると、系は自励系となるからで
ある。従ってバイアス値の設定値は不感帯幅の最少値以
下という条件が必要となる。通常の超音波モータでは不
感幅のばらつきは、回転型で10パーセント程度、リニ
ア型では20乃至30パーセントに及んでいる。更に、
経時的変動、個体差や接続する負荷の変動を考えると、
マージンを持たせた消極的なバイアス値の設定とならざ
るを得ず、大きな効果を発揮させることができなかっ
た。
【0013】勿論、確定的環境下での使用と十分な個体
調整が可能という条件の基では、上記手段によってもあ
る程度の効果を発揮させられようが、量産品に対しては
もはやこのような条件を求めることはできない。この第
2の問題点を一般化して云うならば、パラメータの感度
の高い制御構成であるということである。制御特性の感
度は低いことが好ましく、低感度化は最新制御理論のメ
インテーマとも関連している重要な概念である。
【0014】そもそも、制御理論、特にフィードバック
制御一般を考えるにおいて、フィードバック構成の必要
性は制御対象に不確定性があるからといえる。これがな
ければフィードフォワードのみで足りてしまう。この不
確定成分には外乱入力、パラメータ変動、更には線形特
性からのずれ即ち非線形成分をも含めることができる。
図5にこの一般化外乱の考え方を示す。図5の(a)
は、入力外乱dと観測雑音nにさらされる環境におか
れ、更に特性変動Δを有する、一般制御対象(プラン
ト)の表現である。この等価表現が図5の(b)であ
り、一般化外乱として見なそうとするものである。特に
前述の不感帯特性を取り上げてみると、図5の(c)と
して考えることができ、これもまた等価外乱として見な
せるものである。従来の技術は、このような外乱を、積
極的に除去しようとする手段を具備していなかったこと
が本質的な問題点といえ、特に超音波モータ制御系にお
いては、これは欠くことのできない観点である。
【0015】
【発明が解決しようとしている課題】上記のように従来
の超音波モータ制御装置では、不感帯をはじめとする非
線形要素や、外乱入力に対して的確な制御手段が与えら
れておらず、即応性を付与することができなかった上、
一定の制御性能を維持することもできなかった。
【0016】本発明は上記従来技術の持つ課題を克服す
るためになされたもので、非線形性、パラメータ変動ま
で等価的外乱とみなしこれを除去する簡易な方法を提案
し、その結果、外乱抑圧特性の付与と同時に目標値追従
性の向上を実現する超音波モータ制御装置を提供するこ
とを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用】前述の一般化外
乱dの影響を小さくすることが目指すところである。そ
のためには、何らかの方法でdを知り、これを打ち消す
ような操作量uを変更する動作を実現することである。
即ち、dの推定演算と負帰還の構成である。但し、外乱
推定演算は推定器といえども閉ループ上の特性補償器と
なることから、dに求める周波数成分を考慮し、ループ
の安定化を図らなければならない。
【0018】先ず、外乱量を推定するための基本概念を
図6の(a)に表す。制御量xは、操作入力uのみに従
うべきものであるが、外乱dにより汚された量として観
測される。このxについて制御対象の伝達特性G(s)
の逆特性を作用させると、uとdの和の値が得られる。
操作量uは既知であるから、前記等価和信号からこれを
引けば、外乱dの推定値が求められる。但し、ここでは
簡単のため逆伝達関数は存在し、演算可能と仮定してい
る。逆伝達関数の実現不可能の場合は、実施例のひとつ
として後述する。
【0019】外乱が推定されたならば、基本的にはそれ
を操作量uに負帰還することで目指す手段は達成でき
る。これが図6の(b)に示す構成である。本図の帰還
パスには演算Q(s)を明記しているが、簡単には帯域
制限を用意するものでその意味あいは実施例にて触れ
る。
【0020】以上により外乱抑制ループの基本概念を説
明した。この制御ループを内側ループとして、その外側
に、速度制御または位置制御を目的としたループを組め
ばよい。もはや、補償器の設計はG(s)のみに基づい
て行えばよく、非線形性や外乱特性を考える必要はな
く、内側ループとは独立に調整が可能である。この意味
で2自由度制御系(目標値追従と外乱抑圧とを独立に調
整できる系)が構成できることになる。
【0021】
【実施例】本発明の一実施例を図1に示す。
【0022】本実施例は、超音波モータである制御対象
10に対して、前述の不感帯補償器8を前置し、この制
御対象10と不感帯補償器8からなる系を新たな制御対
象と見なす。この拡大系の入力と出力はそれぞれ操作量
uと速度vであるが、この間の伝達特性が線形、即ちG
(s)のみであることを理想とし、実系のG(s)に対
してのずれ分の影響を外乱と見なそうとするものであ
る。
【0023】内側ループの構成は、この拡大系の入出力
点u,vの2信号から外乱量を推定することを主体とし
ている。uに対してはフィルター4を、vに対してはフ
ィルター5を具備させる。これら2つのフィルター出力
値の差を取ることにより外乱推定はなされ、この推定外
乱量を制御対象入力点uに負帰還させる信号伝達構成で
ある。
【0024】外側ループはむしろ常套的な位置制御ルー
プである。ここでは位置補償器6はPIとして代表させ
ている。全体としては、位置制御を目的とする、簡易な
ケースとしての実施例を示したものである。
【0025】ここで、内側ループにある2つのフィルタ
ーについて説明する。出力値側に与えるフィルター5に
は、制御対象線形部分G(s)の逆特性を持たせてい
る。そして、2つのフィルター4,5内にあるQ(s)
は低域通過特性を持たせるもので、制御対象の帯域を超
える高周波成分を除去する為のものである。上記概念説
明ではQ(s)は2信号の比較結果値に作用させていた
が、演算の実現性を考慮して実際では本実施例の様に比
較点前位置に等価移動する必要がある。要素4,5は周
波数特性を有するフィルターであるが閉ループ内ではそ
れ以上の意味がある。近年の制御理論で云うロバスト安
定化(特性変動やノイズに対して安定性が確保されるこ
と)を意図するもので、内側ループの特性を規定する主
なる調整部分である。また、演算の実現性に関係して言
及するならば、フィルター5において規定されるもので
あるが、Q(s)の次数はG(s)の次数に等しいかそ
れ以上に定めるものとし、これにより純粋な微分演算は
回避され積分演算で実現可能となる。尚、ここでの演算
はデジタル演算に限定するものではなく、オペアンプ等
で行うアナログ演算であってもよい。
【0026】本構成では、内側ループは外乱抑圧特性
を、外側ループは位置指令値追従特性を、改善する役割
を持たせている。しかも、これら2つのループは特性上
相互干渉することがなく、各々独立に調整することがで
きる2自由度制御系を実現している。即ち、内側ループ
については非線形性や本来の外乱特性に着目してQ
(s)を設定すればよく、外側ループについては伝達関
数G(s)のみを対象として補償器6を設計すればよ
い。
【0027】また、非線形補償器8は、本発明において
は補助的な役割であり、内側の外乱補償ループを具備さ
せることにより、パラメータ感度が高いという欠点を補
うことができ、立ち上がり特性の改善に更に効果を発揮
させるものである。もはや要素8内のバイアス値の設定
に関する制限条件は必要なく、不感帯幅の代表値を設定
すればよい。
【0028】[他の実施例1]他の実施例として、内側
ループフィルターの構成方法が本質的に異なる場合を示
す。
【0029】前記実施例ではG(s)の逆伝達関数が実
現可能の条件の基で説明をした。図1でのフィルター5
には逆伝達関数を必要としている。一般の制御対象には
逆化不可能な伝達関数を持つものがある。この様な制御
対象のクラスは非最小位相系と呼ばれている。即ち、 G(s)=N(s)/D(s) (1) とすると、N(s)が不安定零(複素右半平面の根)を
持つ場合である。ここで、N(s),D(s)は、G
(s)が有理多項式であることから、分子、分母を整多
項式として表したもの。また、D(s)は暗黙のうえで
安定としている。ここでは1/N(s)が演算不能の場
合の回避方法に関する。
【0030】図7はその実現方法と実施例を示したもの
である。
【0031】プラント表現を(2)式で表す。
【0032】 v={N(s)/D(s)}(u+d) (2) 今、速度v,操作量uとから外乱dを、Nの逆を用いず
に推定しようとするものである。図7に従ったフィルタ
ー演算は、 y1=Q(s)D(s)v (3) y2=Q(s)N(s)u (4) である。これらの出力であるy1,y2を(5)式で比
較する。
【0033】 w=y1−y2 (5) =QD(N/D)(u+d)−QNu =QNd (6) この結果得られる(6)式としてのwは外乱dの推定値
とすることができる。但し、Qによって周波数特性QN
が所望の特性になるよう調整する必要がある。図7は、
結果として、信号伝達構成は図1と同じになるが、フィ
ルター4,5の内部の構成が異なり、対象とできる伝達
関数のクラスを拡大したものである。また、ここでは分
子多項式N(s)を一括して扱っているが、文脈上逆化
不可能の因子のみに限定して考えてもかまわない。その
場合、N(s)の安定因子はD(s)に含めて扱うこと
で同様の説明となる。
【0034】[他の実施例2]超音波モータではその内
部情報として振動振幅が検出できる場合がある。これは
振動体であるステータに振動検出用の圧電素子を具備し
たもので、その出力電圧として機械振動が観測できるも
のである。この振動の振幅量は、物理情報の流れとして
操作量から速度までの間に位置している。これを有効に
活用した実施例を図8に示す。本実施例では全ての線形
要素を一次系で代表させている。不感帯特性が振幅情報
qの前後の何れにあるかで2通りの構成方法が考えられ
る。即ち、図8の(a)は不感帯要素が振幅qから速度
v間に位置する場合で、図8の(b)は操作量uからq
の間に位置する場合である。例えば、前者は微小振動時
での摩擦力の損失が、後者はステータ加振器の静電容量
特性に関し微小電流での電圧損失が不感帯の主要因と考
えられるケースである。
【0035】結果として、振幅量という内部状態量のフ
ィードバック系となるのでより応答性の良い制御系とな
る。
【0036】[他の実施例3]図9に示す実施例は、図
1の実施例に対して速度特性補償ループを追加具備する
もので、構成は複雑になるが更に高性能化が可能であ
る。
【0037】前記実施例では位置制御系としての2自由
度系であったが、本実施例では速度制御系として、外乱
制御手段(4,5)と速度制御手段(7)での2自由度
調整が可能となる。位置制御手段(6)は速度制御に依
存した調整となる。
【0038】[他の実施例4]図10は、図9の構成に
対して、外乱補償ループに速度信号は用いず、代わりに
振動振幅を利用した実施例である。この場合、駆動回路
からステータ振動発生機構までの内部系の動揺を抑える
ことに重点を置く構成である。ステータの持つ力学的共
振特性と駆動回路内の発振器、パワー増幅器や場合によ
ってはパルス変調器の非線形特性などが内側ループで閉
じられるため、超音波モータの特殊性とも云えるこの部
分の線形性を向上させる効果が得られる。
【0039】一方、その外側に置かれた可動体部分は、
よく知れた力学方程式としての特性でありむしろ踏襲的
な速度制御ループと位置制御ループとで容易に閉じるこ
とができ、所望の制御性能を狙える。
【0040】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、特に超音波
モータを用いた運動制御系に代表される、不感帯特性
や、変動性の特性を有する制御系において、フィードバ
ックによる外乱入力、非線形成分及び時変成分を抑圧で
き、目標値追従性能を向上させることができる。また、
構成が簡単で全てフィードバック制御で構成するためパ
ラメータ調整が容易で機差に対しての微調整は不要であ
るため、設計・製造・調整に係わる総合コストを縮小で
き、高性能な制御装置を安価に提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図。
【図2】原理を説明する前提となる制御器と駆動回路を
接続するための基本構成を示すブロック図。
【図3】従来例のブロック図。
【図4】ステップ応答波形上で制御特性の着目する点を
示した波形図。
【図5】一般外乱の概念を説明するブロック図。
【図6】一般外乱の推定と補償構成を示すブロック図。
【図7】他の実施例を示すブロック図。
【図8】他の実施例を示すブロック図。
【図9】他の実施例を示すブロック図。
【図10】他の実施例を示すブロック図。
【符号の説明】
1…操作量から振動振幅までの特性 2…振動振幅か
ら速度までの特性 3…積分 4,5…フィル
ター 6…位置補償器 7…速度補償器 8…不感帯補償器 10…制御対象 11…不感帯 12…線形特性

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波モータと被駆動体とからなる機構
    を制御対象とする運動制御系において、制御対象への操
    作入力量と制御対象の状態量とから制御対象の非線形特
    性及び特性変動による擾乱成分を推定して負帰還を与え
    る内側ループと、前記内側ループに位置特性補償器を前
    置しこれらを位置情報負帰還で閉じた外側ループとから
    なり、前記内側ループにおいては操作量帰還について低
    域通過フィルターをまた状態量帰還について位相進み遅
    れ補償フィルターを有し両者の出力値の比較により擾乱
    成分推定がなされる構成であることを特徴とする超音波
    モータ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、制御対象からの検出
    状態量は速度情報または超音波モータステータの振動振
    幅情報であることを特徴とする超音波モータ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、内側ループにおける
    状態量帰還における位相進み遅れ補償フィルターは制御
    対象の伝達関数の逆特性あるいはその部分特性が含まれ
    ることを特徴とする超音波モータ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、内側ループと外側ル
    ープとの間に更に速度制御を目的とする中間ループ及び
    速度補償器を有することを特徴とする超音波モータ制御
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、制御装置最終出力段
    には制御対象の不感帯幅に対応する動作方向を考慮した
    バイアス値が加算される構成であることを特徴とする超
    音波モータ制御装置。
JP5134604A 1993-06-04 1993-06-04 超音波モータ制御装置 Pending JPH06351270A (ja)

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