JPH0635120U

JPH0635120U - 強化型組立容器用部材及び強化型組立容器

Info

Publication number: JPH0635120U
Application number: JP078091U
Authority: JP
Inventors: 新境野
Original assignee: 第一合成株式会社
Priority date: 1992-10-15
Filing date: 1992-10-15
Publication date: 1994-05-10

Abstract

(57)【要約】【目的】強度的に優れかつプラスチックコンテナ−と同
等の役割、性能を保持する強化型組立容器を提供する。【構成】４枚の側板及び底板を有する組立容器におい
て、上部各辺に上部フレーム部材を、上部各頂点に上部
コーナー部材を、下部各辺に下部フレーム部材を、底面
の各頂点に下部コーナー部材を、側面の各稜部にアング
ル部材を、設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、産業界に広く使用されている業務用の合成樹脂物流容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

合成樹脂板材による強化型組立容器（以下「強化型容器」と言う。）は、産業界に広く使用されている業務用の合成樹脂物流容器である。今日、これら物流容器は、工場、倉庫、流通と、需要は、定着しており、更に利用範囲は、拡大している。一般的に業務用合成樹脂物流容器は、一体射出成型品（以下「プラスチックコンテナー」と言う。）及び合成樹脂板材による組立容器（以下「合板組立容器」と言う。）に分類される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

産業用物流容器に於いての合板組立容器の市場占有率は５％程度にすぎないがこれは性能面で合板組立容器がプラスチックコンテナーに次の諸点で劣るためである。１．座屈強度２．側面、底部の各稜及び稜角の強度合板組立容器は、一体射出成型品に比べ補助的支柱（以下リブと云う）を取り入れることが出来ない構造的理由にこれらの問題が生ずる原因があった。３．上部嵌合受部の強度従来の容器上部の構造断面は、基本的に図９（Ａ）（Ｂ）のようになっている。プラスチックコンテナーでは内外（図の矢印方向）への変形運動が非常に少ないのに対し、合板組立容器では内外（図の矢印方向）への変形運動が大きい。変形運動は強度に影響し、従来の合板組立容器の場合の様に大きな変形運動がやがて破損につながる可能性を持つ。４．容器同士の積重ね段払い斜め方向よりのスライド積重ねの際の円滑さプラスチックコンテナーは図８（Ａ）に示すように、基本構造で容器の上部はフラット形状になっておりこの点からは最良の条件（形状）と言える。板材による組立容器は、同図（Ｂ）に示すような構造になっており、段差があって段払いや斜め方向よりのスライド積重は難がある。要は、図（Ａ）の様に上部全体をフラットな形状に製作しない限り解決しない。

【０００４】他方で、合板組立容器とプラスチックコンテナーとの製品価格面での比較は、一般的に次のようになる。（大きさ容量）（プラスチックコンテナー）（合板組立容器）６０〜７０リットル以下安い高い６０〜７０リットル以上高い安い製品価格は以上の様になるが、プラスチックコンテナー新規製作の場合、絶対条件として金型費用を必要とするという問題がある。例えば、一般産業用容器としての金型予算費用は、次の通り高額なものになる。約７０リットル容量の大きさの場合＝約１６，０００，０００円約９０リットル容量の大きさの場合＝約１９，０００，０００円従って、これらの高額な費用を投資して強化型容器との対比による経済計算が見合う需要は、９０リットル容量以上の容器を条件とするならば極く稀れである。さらに、産業界は、既に多品種少量生産の環境にあり、物流経費高騰の問題から容器に対する寸法値への要求は厳しいものになっている。本考案は、以上の問題点を解決し、プラスチックコンテナーと同等の役割性能を保持する強化型組立容器を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、以上の課題を解決するため、ほぼ９０度で交わる２側面を有し、該側面に凹部を設けた強化型組立容器用フレーム部材、強化型組立容器の側面を銜え込む２側面を有し、該側面の一方又は双方に中空部を設けた強化型組立容器用フレーム部材、ほぼ９０度に曲がった角部を持つ平面形状の両端にフレーム部材との接続部を有し、前記角部の内側に強化用部を設けた強化型組立容器用コーナー部材、互いにほぼ９０度で交わる３平面を有し、該各平面の端部にフレーム部材又はアングル部材の凹部と係合する爪を設けた強化型組立容器用の下部コーナー部材を用意したものである。

【０００６】また、側板１１、１２、１３、１４及び底板１５を有する組立容器において、上部各辺に上部フレーム部材を、上部各頂点に上部コーナー部材を下部各辺に下部フレーム部材を、底面の各頂点に下部コーナー部材を、側面の各稜部にアングル部材を設けた強化型組立容器とすると好適である。さらに、上記強化型組立容器において、アングル部材として請求項１記載のフレーム部材を、下部フレーム部材として請求項１記載のフレーム部材を、上部フレーム部材として請求項２記載のフレーム部材を、上部コーナー部材として請求項３記載のコーナー部材を、下部コーナー部材として請求項４記載のコーナー部材を用いるとよい。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図を用いて説明する。本実施例の強化型組立容器は図２に示すように、側板１１、１２、１３、１４及び底板１５を有し、これらを上部フレーム２１、２２、２３、２４、上部コーナー３１、３２、３３、３４、稜角部のアングル部材６１、６２、６３（図示しない）、６４、下部フレーム５１、５２、５３（図示しない）、５４（同）、下部コーナー４１、４２、４３（図示しない）、４４で接続、補強した構造となっている。

【０００８】以下、各部材について図を用いて詳しく説明する。リブ付座屈強化型アングル部材６１等は凹部６１１、６１２を設けた形状にして座屈強度を高めるようにした。凹部は、従来のプラスチックコンテナーにおけるリブの役割を有する。強化上部フレーム部材２１等は、変形、歪みを防ぐ形状にして、プラスチックコンテナー以上の強度を確保した。強化上部コーナー部材３１等は、強化上部フレーム部材の中空部２１１との接続及びリブ付座屈強化型アングル部材との接続を簡単にできる形状にした（差込むだけの作業でよい。）。強化下部コーナー部材４１等は、稜角の強化による保護及びリブ付座屈強化型アングル部材との接合を簡単にした。特に爪部はアングル部材を表裏で２ケ所づつ挟み込み、ハズレ防止になる。

【０００９】座屈強度の問題の解決のため、最も負担のかかる上部コーナーから下部コーナー（４角）に次の処置を取った。先づ、縦方向の稜角部にリブ付座屈強化アングル部材を取付け、容器上部には強化上部コーナー部材、容器下部には強化下部コーナー部材を取付けることによりプラスチックコンテナーと同等の強度を確保できた。この対策により側面の稜（４ケ所）の強度は、必然的に確保出来た。底部の稜（４ケ所）、稜角の処置は、上記強化下部コーナー部材（各稜角取付けのもの）間にリブ付座屈強化型アングル部材を取付けることにより、プラスチックコンテナーと同等の強度を得た。上部嵌合受部の強度の問題の解決のため、強化上部フレーム部材に中空部２１１を設け、更に側板の板材を折り曲げ二重構造にすることにより抜群の効果がありプラスチックコンテナー以上の強度を確保できた（図９（Ｃ））。本実施例では、図５に示す様にフラット形状を完成させた。図の様にコーナー部材をフレーム部材にジョイントする方式になっている。接合部同士の高さを水平にする事により、プラスチックコンテナーと同じ全体的にフラットな形状が確保出来た。強化型容器は、一般的な合板組立容器より３０％程度高いコストになる。しかし、対プラスチックコンテナーとは、約９０リットル容量が分岐点となり、大容量ほど低コストになる。

【００１０】以上は、本考案の一実施例を示したものであり、本考案の実施例はこれに限らない。各部材の形状等は請求項記載の要件を満たす限り任意で良い。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の強化型組立容器用部材及び強化型組立容器によれば、容器の自由な寸法値で製作できる特長を生かす事により、低コストで強度に優れた組立容器を提供することができ、幅広い需要に応えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例の稜部の斜視図

【図２】同、全体の斜視図

【図３】同、上部フレーム部材の断面図

【図４】同、稜部に使用するフレーム部材の断面図

【図５】同、上部コーナー部材と上部フレーム部材の
接続部の斜視図

【図６】同、上部コーナー部材の背面図

【図７】同、下部コーナー部材の斜視図

【図８】（Ａ）従来のプラスチックコンテナーの斜視図（Ｂ）従来の合板組立容器の斜視図（Ｃ）同、コーナー部分の断面図

【図９】（Ａ）従来のプラスチックコンテナーの上部フ
レーム部分の断面図（Ｂ）従来の合板組立容器の上部フレーム部分の断面図（Ｃ）本考案の１実施例の上部フレーム部分の断面図

【符号の説明】

１１側板１２側板１３側板１４側板１５底板２１上部フレーム部材２１１中空部２１２上部フレーム部材側板２１３上部フレーム部材側板２２上部フレーム部材２３上部フレーム部材２４上部フレーム部材３１上部コーナー部材３１１接続部３１２受け部分３１３穴３１４凸部３２上部コーナー部材３３上部コーナー部材３４上部コーナー部材４１下部コーナー部材４１１爪４１２爪４２下部コーナー部材４３下部コーナー部材４４下部コーナー部材５１下部フレーム部材５２下部フレーム部材５３下部フレーム部材５４下部フレーム部材６１アングル部材６１１凹部６１２凹部６２アングル部材６３アングル部材６４アングル部材

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ほぼ９０度で交わる２側面を有し、該側
面に凹部を設けた強化型組立容器用フレーム部材
【請求項２】強化型組立容器の側面を銜え込む２側面
を有し、該側面の一方又は双方に中空部を設けた強化型
組立容器用フレーム部材
【請求項３】ほぼ９０度に曲がった角部を持つ平面形
状の両端にフレーム部材との接続部を有し、前記角部の
内側に強化用部を設けた強化型組立容器用コーナー部材
【請求項４】互いにほぼ９０度で交わる３平面を有
し、該各平面の端部にフレーム部材又はアングル部材の
凹部と係合する爪を設けた強化型組立容器用下部コーナ
ー部材
【請求項５】側板（１１、１２、１３、１４）及び底
板（１５）を有する組立容器において、上部各辺に上部
フレーム部材を、上部各頂点に上部コーナー部材を、下
部各辺に下部フレーム部材を、底面の各頂点に下部コー
ナー部材を、側面の各稜部にアングル部材を設けた強化
型組立容器
【請求項６】アングル部材として請求項１記載のフレ
ーム部材を、下部フレーム部材として請求項１記載のフ
レーム部材を、上部フレーム部材として請求項２記載の
フレーム部材を、上部コーナー部材として請求項３記載
のコーナー部材を、下部コーナー部材として請求項４記
載のコーナー部材を用いた請求項６記載の強化型組立容
器