JPH0635040U - 緊急駆動機構付き昇降装置 - Google Patents

緊急駆動機構付き昇降装置

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JPH0635040U
JPH0635040U JP7811992U JP7811992U JPH0635040U JP H0635040 U JPH0635040 U JP H0635040U JP 7811992 U JP7811992 U JP 7811992U JP 7811992 U JP7811992 U JP 7811992U JP H0635040 U JPH0635040 U JP H0635040U
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hydraulic
hydraulic cylinder
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JP7811992U
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忠彦 鈴木
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日本リフト株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗客乗降の際はプラットホームを階段状、車
椅子の場合はプラットホームを平板状として車椅子を円
滑に乗降させ得るようにし、しかも緊急時の動作の信頼
性や安全性に配慮する。 【構成】 プラットホーム18を昇降駆動するための昇
降用シリンダ21と、プラットホーム18を階段状とし
た格納状態から平板状の展開状態に及び展開状態から格
納状態にするための展開・格納用シリンダ41と、プラ
ットホーム18先端側に連結された車止め兼用先端プレ
ート19を起伏させる起伏用シリンダ62とを備えてい
る。そして、各シリンダに作動油を供給する主パワーユ
ニット80及び主電源81とは別に、緊急時に各シリン
ダに作動油を供給する補助パワーユニット82及び補助
電源83を設けて、信頼性や安全性を向上させている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、バス等の乗用車両の乗降口に装着されて、プラットホームの昇降動 作により車椅子等の乗降の便宜を図るための昇降装置に係り、とくに緊急時の動 作の信頼性を改善した緊急駆動機構付き昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、バス等の乗用車両に、車椅子昇降装置を設ける場合には、車両に乗客が 乗降するための乗降口とは別に開口部を設け、この開口部に車椅子昇降装置を設 けるようにしていた。これは、従来の車椅子昇降装置が、単に平板状のプラット ホームを昇降させるものであるため、通常の乗客の乗降には利用できない構造の ものであったからである。
【0003】 このため、車椅子昇降装置を格納したときに車両室内の空間容積がせまくなり 、また開口部に通路を必要とするために、室内の通路、座席が機能上不便な配置 となっていた。
【0004】 この点を改善するものとして、本出願人より乗客の乗降の際にはプラットホー ムを階段状とし、車椅子等の場合にはプラットホームを平板状の展開状態として 車椅子等を円滑に乗降させるようにした昇降装置が提案されている。この場合、 プラットホームの昇降や、プラットホームを階段状から平板状に展開する動作及 びその逆の格納動作は油圧シリンダで行うのであるが、油圧源のパワーユニット やこれに電力を供給する電源(車載のバッテリー)が故障した場合には、プラッ トホームを階段状に格納することができなくなり、乗用車両の乗降口を閉めるこ とができなくなる問題がある。このため、手動油圧ポンプや手動弁を併設し、パ ワーユニットとは別系統の油圧ホースで直接昇降用油圧シリンダに作動油を供給 したり、展開・格納用油圧シリンダ内の作動油をパワーユニット側の油タンクに 手動弁を介し戻したりして、緊急時のプラットホームの格納を実行できるように していた。この場合、パワーユニットとは別系統の油圧ホースを用いるのは、パ ワーユニットに接続された油圧回路には各油圧シリンダの作動油の供給のオン、 オフ等の為に電磁弁が挿入されており、電源故障時は該電磁弁が操作不能となる からである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、緊急時に手動油圧ポンプ及び手動弁を用いる構成は、操作性が悪く 、また手動油圧ポンプや手動弁と油圧シリンダとを接続する油圧ホースが破損し た場合には重大事故となる恐れがあった。
【0006】 本考案は、上記の点に鑑み、乗客の乗降の際にはプラットホームを階段状とし 、車椅子等の場合にはプラットホームを平板状の展開状態として車椅子等を円滑 に乗降させることができ、特別の開口部を別途設ける必要がなく、従って室内の 通路、座席を輸送機能を低下させることなく有効に配置でき、しかも緊急時の動 作の信頼性や安全性を配慮した緊急駆動機構付き昇降装置を提供することを目的 とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の緊急駆動機構付き昇降装置は、車両の乗 降口側に固定される本体フレームに対して昇降自在に設けられていて連結板と踏 み板とを順次連結してなるプラットホームと、該プラットホームを昇降駆動する ための昇降用油圧シリンダと、前記プラットホームの前記踏み板と連結板とを階 段状とした格納状態から平板状の展開状態に及び展開状態から格納状態にするた めの展開・格納用油圧シリンダと、前記前記プラットホームの先端側の踏み板に 連結された車止め兼用先端プレートを起伏させる起伏用油圧シリンダとを備え、 前記昇降用、展開・格納用及び起伏用の各油圧シリンダに作動油を供給する主パ ワーユニット及び該主パワーユニットに電力を供給する主電源とは別に、緊急時 に前記昇降用、展開・格納用及び起伏用の各油圧シリンダに作動油を供給する補 助パワーユニット及び該補助パワーユニットに電力を供給する補助電源を設ける とともに、緊急操作パネルにより該補助電源を用いて各油圧シリンダに接続した 油圧回路部を制御する構成としている。
【0008】
【作用】
本考案の昇降装置においては、プラットホームが連結板と踏み板とを順次連結 した構成となっている。そして、通常の乗客の乗降のときは、展開・格納用油圧 シリンダによりプラットホームを階段状とし、車椅子等の場合には連結板及び踏 み板を平板状にする。平板状のプラットホームは昇降用油圧シリンダで昇降駆動 するようにしている。また、前記前記プラットホームの先端側の踏み板には車止 め兼用先端プレートが連結されており、この起伏乃至回動は起伏用油圧シリンダ で行うようになっている。正常時は、主電源(車載バッテリー)から電力の供給 を受ける主パワーユニットからの作動油を各油圧シリンダに接続した各油圧回路 部に供給し、所要のプラットホームの展開、格納及び昇降、及び車止め兼用先端 プレートの起伏乃至回動を行う。主電源の電圧低下等で主パワーユニットが作動 不能となったり、主パワーユニット自体が故障した場合等の緊急時には、補助電 源(付加バッテリー)から電力の供給を受ける補助パワーユニットからの作動油 を各油圧シリンダに接続した各油圧回路部に供給し、緊急操作パネルからの指示 により所要のプラットホームの展開、格納及び昇降、及び車止め兼用先端プレー トの起伏乃至回動を行うことができる。
【0009】 本考案の場合、従来の手動ポンプや手動弁を用いる構成に比べ操作性が良く、 また補助電源を利用して各油圧回路部内の電磁弁も制御できるので、特別な油圧 ホースの配管は不要となり、ホース破損による重大事故の恐れはなくなる。
【0010】
【実施例】
以下、本考案に係る昇降装置の実施例を図面に従って説明する。
【0011】 図1は本考案に係る緊急駆動機構付き昇降装置の実施例の要部構成のブロック 図を示し、図2乃至図5は緊急駆動機構付き昇降装置の機械的な構成を示し、図 6は緊急駆動機構付き昇降装置におけるプラットホームの動作説明を示し、図7 は緊急駆動機構付き昇降装置の装着される車両としての乗合バスの1例を示す。
【0012】 図7のように、乗合バス1の側面には、乗降口2,3が設けられており、本考 案の緊急駆動機構付き昇降装置5は、例えば一方の乗降口2に装着される。
【0013】 図2乃至図7のように、緊急駆動機構付き昇降装置5は、バスの乗降口2(乗 降口の上床面は2Aで示す)の下部位置に固定される本体フレーム10と、乗降 口2の両側に位置する如く本体フレーム10の水平部分に対して垂直にそれぞれ 立設固定された一対の固定ポスト11と、該固定ポスト11の中空角パイプ状ガ イド部12内に摺動自在にそれぞれ設けられた昇降ランナ13と、一方の昇降ラ ンナ13の下端部に固着されて前記固定ポスト11の外部に突出した外部連結部 材14Aと、他方の昇降ランナ13の下端部に固着されて前記固定ポスト11の 外部に突出したシリンダボックス兼用外部連結部材14Bと、それらの外部連結 部材14A,14B間を連結一体化するクロスメンバー15と、第1の連結板1 6A、第1の踏み板17A、第2の連結板16B及び第2の踏み板17Bをヒン ジを介し順次連結してなり、かつ前記クロスメンバー側に後端が枢着されたプラ ットホーム18と、該プラットホーム先端に起伏自在かつ回動自在に連結された 車止め兼用先端プレート19と、前記プラットホーム18を階段状とした格納状 態(折り曲げ状態)から平板状の展開状態に及び展開状態から格納状態にするた めの展開・格納用平行リンク機構20とを具備している。
【0014】 図2乃至図3に示す如く、固定ポスト11の内側上部には第1のシーブ23A がブラケット25で枢支され、昇降ランナ13を昇降駆動するための昇降用油圧 シリンダ21のシリンダ本体部は、固定ポスト11下部にピン29にて枢着され 、当該油圧シリンダ21のピストンロッドの先端部に第2のシーブ23Bが枢支 されている。前記昇降ランナ13にはナイロン等の樹脂製ローラー28が枢着さ れ、この結果固定ポスト11の中空角パイプ状ガイド部12の内面を前記ローラ ー28が接触しながら回転し、昇降ランナ13は円滑に昇降できるようになって いる。そして、止め具26を介し固定ポスト11上端に一端が固定されたワイヤ ロープ27が第2のシーブ23B、第1のシーブ23Aの順に巻き掛けられ、当 該ワイヤロープ他端が昇降ランナ13に固定されている。従って、図2のように 昇降用油圧シリンダ21のピストンロッドが縮動時には第1及び第2のシーブ2 3A,23B間の間隔が長く、昇降ランナ13は上昇位置となり、逆にピストン ロッド伸動時には第1及び第2のシーブ23A,23B間の間隔が短く、昇降ラ ンナ13は下降位置となる。前記中空角パイプ状ガイド部12の一側面には縦方 向スリット溝が形成されており、昇降ランナ13の一側縁は前記スリット溝を通 して前記中空角パイプ状ガイド部12の外部に突出しており、ここに図3の如く 外部連結部材14A,14Bが固着されている。
【0015】 図2乃至図3の如く一対のインナーポスト下端部間、すなわち外部連結部材1 4A,14B間に溶接で固着されたクロスメンバー15上には上板32が固着さ れ、該上板32に前記プラットホーム18の後端がヒンジを介して枢着されてい る。また、前記一対の外部連結部材14A,14Bにより前記クロスメンバー1 5の下方位置にメインシャフト33が枢支され、該メインシャフト33に展開・ 格納用平行リンク機構20の一方のリンクを成すメインアーム34が固着される とともに小アーム35が固着される。展開・格納用平行リンク機構20の他方の リンクを成すサブアーム36の一端部は前記外部連結部材14のブラケット部3 7にピン38で枢着される。
【0016】 展開・格納用平行リンク機構20は、メインアーム34と、サブアーム36と 、ローアーレーム40と、補助リンク45と、開閉補助部材46とを具備してお り、メインアーム34及びサブアーム36他端はそれぞれピン47,48でロー アーフレーム40に枢着されている。そして、前記プラットホーム18の第2の 踏み板17Bが該ローアーフレーム40上に取り付け固定されている。前記開閉 補助部材46は第1の踏み板17Aの折り曲げ及び展開を補助するためのもので 、メインアーム34の中間位置に枢着され、また該開閉補助部材46とローアー フレーム40間に前記補助リンク45が連結されている。該補助リンク45はメ インアーム34に平行なリンクを構成している。
【0017】 一方のシリンダボックス兼用外部連結部材14Bのシリンダボックス部分にて 展開・格納用油圧シリンダ41の本体部が枢支され、ピストンロッド先端部が前 記小アーム35先端部に連結(枢着)される。この結果、展開・格納用油圧シリン ダ41の伸動時にメインアーム34及びサブアーム36が垂下状態で、縮動時に 90度回動してメインアーム34及びサブアーム36が水平状態となる。従って 、展開・格納用油圧シリンダ41の縮動、伸動に伴い、ローアーフレーム40は 水平な状態を維持しつつ上昇もしくは下降する。
【0018】 図4乃至図5に車止め回動機構を示す。これらの図のように、前記プラットホ ーム18の先端縁には2個のヒンジを連結してなる2重ヒンジ機構を介して車止 め兼用先端プレート19が起伏自在かつ回動自在に連結されている。2個のヒン ジの軸53A,53Bの両側には三角形状側板54が嵌め込み固定され、軸53 Bの中間部には起伏用小アーム55が固着されている。この結果、三角形状側板 54は軸53Aを回転支点として回動でき、車止め兼用先端プレート19は軸5 3Bを回転支点として回動できるようになっている。ローアーフレーム40の内 側にはシリンダ取付用ブラケット60が固定され、車止め兼用先端プレート19 を起伏させるための起伏用複動油圧シリンダ62がそのシリンダ取付用ブラケッ ト60にピン61にて枢着されている。また、小アーム63がピン64でブラケ ット60に枢着され、この小アーム63の先端部に対して、起伏用複動油圧シリ ンダ62のピストンロッドの先端部と起伏用リンク65の一端とがピン66で枢 着される。また、第2の連結板16Bの裏面に固着されたブラケット67の端部 と前記三角形状側板54の端部とは回動用リンク68で連結されている。この結 果、車止め兼用先端プレート19は、図4のように起伏用複動油圧シリンダ62 が縮動状態でかつプラットホーム18が階段状に折れ曲がった状態では裏返し状 態で第2の踏み板17B上に重なる。また、図5のようにプラットホーム18が 平板状に展開した状態となると回動用リンク68で三角形状側板54が軸53A を支点として約90度回動させられる。このため、起伏用複動油圧シリンダ62 の伸縮動作に伴い車止め兼用先端プレート19は先端が下がった実線状態から車 止めとして起立した仮想線状態までの約100度の回動動作を軸53Bを支点と して行うことができる。
【0019】 図1は緊急駆動機構を示すブロック図であり、前記昇降用油圧シリンダ21、 展開・格納用油圧シリンダ41及び起伏用複動油圧シリンダ62に作動油を供給 するための油圧系統及び電気系統を示す。この図において、主パワーユニット8 0及び主パワーユニット80に電力を供給する主電源(車載バッテリー)81と は別に、緊急時に前記昇降用、展開・格納用及び起伏用の各油圧シリンダ21, 41,62に作動油を供給するための補助パワーユニット82及び補助パワーユ ニット82に電力を供給する補助電源(付加バッテリー)83が設けられている 。但し、油タンクは主パワーユニット80のものを共用する(補助パワーユニッ ト82は油タンク無し)。主パワーユニット80又は補助パワーユニット82か らの作動油は、作動油供給側配管84を介し昇降用油圧シリンダ21に接続され た昇降用油圧回路部85Aと、展開・格納用油圧シリンダ41に接続された展開 ・格納用油圧回路部85Bと、起伏用複動油圧シリンダ62に接続された起伏用 油圧回路部85Cに供給される。また、各油圧回路部85A,85B,85Cか らの作動油の戻りは作動油戻り用配管86を介し主パワーユニット80の油タン クに戻されるようになっている。
【0020】 前記昇降用油圧回路部85Aは、昇降用油圧シリンダ21への作動油の供給を オン、オフしたり又は作動油を主パワーユニット80側の油タンクに戻すための 電磁弁等を内蔵している。前記展開・格納用油圧回路部85Bは、展開・格納用 油圧シリンダ41への作動油の供給をオン、オフしたり又は作動油を主パワーユ ニット80側の油タンクに戻すための電磁弁等を内蔵している。起伏用油圧回路 部85Cは、起伏用複動油圧シリンダ62への作動油の供給及び戻しを切り換え るための電磁弁等を内蔵している。主電源81及び補助電源83は、充電分配器 87を介し充電源であるオールタネーター(例えば車両側発電機)88でそれぞ れ充電されるようになっている。
【0021】 なお、90は正常時に使用する主操作パネル、91は緊急時に使用する緊急操 作パネルである。主電源81の電圧低下等で主パワーユニット80が作動不能と なったり、主パワーユニット自体が故障した場合等の緊急時には、補助電源83 から電力の供給を受ける補助パワーユニット82からの作動油を各油圧シリンダ に接続した各油圧回路部に供給し、緊急操作パネル91からの指示により補助電 源83を利用して指定された油圧回路部内の電磁弁を作動させて所要のプラット ホーム18の展開、格納及び昇降、及び車止め兼用先端プレート19の起伏乃至 回動を行うことができる。
【0022】 以上の実施例の構成において、まず正常時の動作説明を行う。緊急駆動機構付 き昇降装置5が図2及び図6の実線状態のとき、昇降用油圧シリンダ21のロッ ドは最も縮動した状態で昇降ランナ13は上昇限位置であり、クロスメンバー1 5上に固定した上板32上のゴム板39の上面は、乗降口2の上床面2Aと略一 致している。また、展開・格納用油圧シリンダ41は伸動状態、起伏用複動油圧 シリンダ62は縮動状態で、プラットホーム18は階段状に折れ曲がって格納状 態であり、第1の踏み板17Aの下面が開閉補助部材46で支えられ、第2の踏 み板17B下面はローアーフレーム40上に固着されることで支持されている。 また、車止め兼用先端プレート19は裏返し状態で第2の踏み板17Bに重なり 略水平となって踏み板として機能している。この状態では、プラットホーム18 の第1の踏み板17A及び車止め兼用先端プレート19裏面を利用して通常の乗 客の乗降ができる。
【0023】 車椅子等の昇降を実行する場合、プラットホーム18を階段状の折れ曲がった 格納状態から図6の仮想線Jの如く平板状の展開状態に駆動する。すなわち、主 操作パネル90からの指示で展開・格納用油圧回路部85Bを介して展開・格納 用油圧シリンダ41を作動(縮動)させ、展開・格納用平行リンク機構20によ りローアーフレーム40を上昇させて行く。このとき、メインアーム34及びサ ブアーム36は右回りに回動し、それらの上昇限位置ではロアーフレーム上のプ ラットホーム18は1枚の平板のごとく展開する。プラットホーム18を展開さ せた時、車止め兼用先端プレート19は回動用リンク68及び三角形状側板54 の作用で約90度回動して図6の仮想線Hのように起立状態となる。
【0024】 展開したプラットホーム18は、主操作パネル90からの指示で昇降用油圧回 路部85Aを介し昇降用油圧シリンダ21を図6のように伸動させることにより 、図6仮想線Lのローアーフレーム40の着地位置にまで下降させることができ る。
【0025】 車椅子等を地表に着地したプラットホーム18上に乗せるには、車止め兼用先 端プレート19が伏した状態となっている必要があるため、主操作パネル90か らの指示で起伏用油圧回路部85Cを介して車止め用複動油圧シリンダ62を伸 動させて車止め兼用先端プレート19の先端を図5実線の如く下げておく。この 状態で車椅子等をプラットホーム18上に移動させることができる。
【0026】 車椅子等を載せた状態でのプラットホーム18の上昇は、主操作パネル90か らの指示で起伏用油圧回路部85Cを介して(作動油の供給を切り換えて)起伏 用複動油圧シリンダ62を縮動させて車止め兼用先端プレート19を図5及び図 6の仮想線Mのように起立させ、プラットホーム18の展開状態及び車止め兼用 先端プレート19の起立状態を維持し、この状態にて昇降用油圧シリンダ21を 縮動させることにより行う。この結果、昇降ランナ13は固定ポスト11内を上 昇限位置にまで上昇し、プラットホーム18上と車両側の乗降口上床面2Aとが 同一高さになり、プラットホーム18から上床面2A上に車椅子等を移動させる ことができる。
【0027】 逆に、上昇限位置のプラットホーム18上に車両側から車椅子等を載せ、プラ ットホーム18を下降させることにより、地上に車椅子等を移すことができる。 そのプラットホーム18の下降動作の際、車止め兼用先端プレート19は起立し て車椅子等の転落を防止する。プラットホーム18の着地後、車止め兼用先端プ レート19の先端は図5実線のように下がり、車椅子等を地上側に移行させるこ とができる。
【0028】 車椅子等の昇降を終了した後、昇降ランナ13を上昇限位置に復帰させ、主操 作パネル90から展開・格納用油圧回路部85Bを介して展開・格納用油圧シリ ンダ41を伸動させれば、図2及び図6の実線の如く再びプラットホーム18は 階段状の格納状態となる。
【0029】 主電源81の電圧低下等で主パワーユニット80が作動不能となったり、主パ ワーユニット自体が故障した場合等の緊急時には、補助電源83から電力の供給 を受ける補助パワーユニット82からの作動油を、昇降用油圧回路部85Aを介 し昇降用油圧シリンダ21に、展開・格納用油圧回路部85Bを介し展開・格納 用油圧シリンダ41に、及び起伏用油圧回路部85Cを介し起伏用複動油圧シリ ンダ62に供給する。そして、主操作パネル90の代わりに緊急操作パネル91 を用い、該緊急操作パネル91の指示によりプラットホームの展開、格納及び昇 降、及び車止め兼用先端プレートの起伏乃至回動を主操作パネルの場合と同様に して行うことができる。この結果、緊急事態発生時のプラットホームの状態にか かわらず、最終的にプラットホームを階段状とした格納状態に復帰させることが できる。
【0030】 なお、各油圧回路部85A,85B,85C内の電磁弁は、補助電源83を利 用して緊急操作パネル91の指示通りに駆動可能であり、各油圧回路部は正常時 の場合と共用でき、手動ポンプの場合の如く別の油圧ホースを各油圧シリンダに 接続する必要はなく、油圧ホース破損に伴う重大事故の発生を回避できる。
【0031】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、乗客の乗降の際にはプラットホームを 階段状の格納状態とし、車椅子等の場合にはプラットホームを平板状の展開状態 として使用でき、しかも緊急時には補助電源から電力供給を受ける補助パワーユ ニットを油圧源として利用することで、プラットホームを前記格納状態に復帰さ せることが可能な緊急駆動機構付き昇降装置を得ることができる。本考案の場合 、手動ポンプを緊急時の油圧源として用いるのに比べ、操作性が良好であり、正 常時の油圧回路を共用できるので、油圧ホース破損に伴う事故も回避でき、安全 性の向上をも図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る緊急駆動機構付き昇降装置の実施
例であって、油圧及び電気系統のブロック図である。
【図2】実施例においてプラットホームが階段状に格納
されたときの正断面図である。
【図3】同平面図である。
【図4】実施例における車止め回動機構であって車止め
兼用先端プレートが裏返しでプラットホームに重なった
状態を示す正断面図である。
【図5】同じく車止め兼用先端プレートが伏せた状態乃
至起立した状態を示す正面図である。
【図6】実施例におけるプラットホームの動作を説明す
るための正断面図である。
【図7】昇降装置を装着する乗降車両の一例としての乗
合バスを示す側面図である。
【符号の説明】
1 バス 2,3 乗降口 10 本体フレーム 11 固定ポスト 13 昇降ランナ 14A,14B 外部連結部材 15 クロスメンバー 18 プラットホーム 19 車止め兼用先端プレート 20 展開・格納用平行リンク機構 21 昇降用油圧シリンダ 23A,23B シーブ 27 ワイヤロープ 33 メインシャフト 34 メインアーム 36 サブアーム 40 ロアーフレーム 41 展開・格納用油圧シリンダ 62 起伏用複動油圧シリンダ 80 主パワーユニット 81 主電源 82 補助パワーユニット 83 補助電源 85A,85B,85C 油圧回路部 90 主操作パネル 91 緊急操作パネル

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の乗降口側に固定される本体フレー
    ムに対して昇降自在に設けられていて連結板と踏み板と
    を順次連結してなるプラットホームと、該プラットホー
    ムを昇降駆動するための昇降用油圧シリンダと、前記プ
    ラットホームの前記踏み板と連結板とを階段状とした格
    納状態から平板状の展開状態に及び展開状態から格納状
    態にするための展開・格納用油圧シリンダと、前記前記
    プラットホームの先端側の踏み板に連結された車止め兼
    用先端プレートを起伏させる起伏用油圧シリンダとを備
    え、 前記昇降用、展開・格納用及び起伏用の各油圧シリンダ
    に作動油を供給する主パワーユニット及び該主パワーユ
    ニットに電力を供給する主電源とは別に、緊急時に前記
    昇降用、展開・格納用及び起伏用の各油圧シリンダに作
    動油を供給する補助パワーユニット及び該補助パワーユ
    ニットに電力を供給する補助電源を設けるとともに、緊
    急操作パネルにより該補助電源を用いて各油圧シリンダ
    に接続した油圧回路部を制御することを特徴とする昇降
    装置。
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Citations (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6047242A (ja) * 1983-08-26 1985-03-14 Hitachi Ltd 情報記憶装置
JPH04169340A (ja) * 1990-10-31 1992-06-17 Nippon Rifuto Kk 昇降装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6047242A (ja) * 1983-08-26 1985-03-14 Hitachi Ltd 情報記憶装置
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