JPH06347794A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH06347794A
JPH06347794A JP13708193A JP13708193A JPH06347794A JP H06347794 A JPH06347794 A JP H06347794A JP 13708193 A JP13708193 A JP 13708193A JP 13708193 A JP13708193 A JP 13708193A JP H06347794 A JPH06347794 A JP H06347794A
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JP
Japan
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liquid crystal
alignment
viewing angle
layer
substrate
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP13708193A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Koike
善郎 小池
Takashi Tsuyuki
俊 露木
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
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Publication of JPH06347794A publication Critical patent/JPH06347794A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1337Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers
    • G02F1/133753Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers with different alignment orientations or pretilt angles on a same surface, e.g. for grey scale or improved viewing angle

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  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶表示装置に関し、視角特性を改善する。 【構成】 液晶表示装置の画素中に液晶の配向状態が異
なる3つの微小領域を形成する。この3つの微小領域
を、ツイストネマチック液晶における上視角、左視角、
右視角特性を有する微小領域、または、下視角、左視
角、右視角特性を有する微小領域、または、左まわりの
左視角、右視角および右まわりの上視角または下視角特
性を有する微小領域、または、右まわりの左視角、右視
角および左まわりの上視角または下視角特性を有する微
小領域によって構成する。左視角、右視角および上視角
または下視角領域(A,B,C)が、液晶を挟む一対の
基板2,6上の電極3,7の上に設けられた配向膜4,
8を、低プレチルト角配向膜41,42 と高プレチルト
角配向膜81 ,82 を組み合わせ、また、高プレチルト
角配向膜81 ,82 同士を組み合わせることによって形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶の配向状態が微小
な領域で異なる視角特性を改善した液晶表示装置に関す
る。
【0002】一般に、液晶表示装置は、一対の対向する
透明な基板の間に液晶を充填した液晶パネルから構成さ
れ、両基板の外側に偏光の透過軸が直交するように偏光
板を設けてノーマリホワイトモードの表示を実現し、あ
るいは、透過軸が平行するように偏光板を設けてノーマ
リブラックモードの表示を実現する。
【0003】そして、近年、一方のガラス基板の内側に
は共通電極および配向膜が設けられ、他方の基板の内側
には複数の画素電極と、この画素電極に電圧を選択的に
印加するためのアクティブマトリクス回路および配向膜
が設けられており、複数の画素電極に選択的に電圧を印
加して透過率を変化することによって二次元表示を行う
ものが上方処理装置等の表示装置として使用されるよう
になっている。
【0004】液晶表示パネルにはツイストネマチック型
の液晶がよく用いられるが、液晶の分子の長軸方向が基
板に形成された配向膜のラビング方向と平行に延び、両
基板の配向膜のラビング方向は相互にほぼ垂直させてい
るため、液晶の分子は一方の基板から他方の基板に向か
うにつれて螺旋上にツイストする。また、液晶の配向
は、上記の配向膜をラビングすることに代えて、配向膜
を斜め蒸着によって形成することによっても支配するこ
とができる。
【0005】この液晶表示パネルに電圧を印加しないと
きは、液晶表示パネルを構成する液晶セル中の液晶の分
子は初期のツイストおよびプレチルトを維持した状態に
あり、入射光は、一つの基板から他の基板に向けて、液
晶のツイストに沿って旋回しながら進み、液晶セルから
出射され、ノーマリホワイトモードの液晶表示パネルで
は白表示が得られる。
【0006】液晶表示セルに電圧を印加すると、液晶が
立ち上がるため、液晶の複屈折作用が弱く、上記の光の
旋回作用が弱くなって、出射側の偏光板の偏光の透過軸
から外れるため、入射光が液晶セルを透過しにくくな
り、黒表示が得られるようになる。このようにして、各
液晶セルへの印加電圧を制御して、全体でコントラスト
のある二次元画像を形成する。
【0007】上記の場合、液晶セルに電圧を印加すると
液晶の分子はプレチルトの位置から立ち上がるが、実際
には、電圧を印加したときに全ての液晶の分子が同じ角
度で立ち上がるのではなく、基板の配向膜の近くに位置
する液晶の分子は配向膜に規制されて僅かしか立ち上が
らず、両基板の中間部に位置する液晶の分子が最も大き
く立ち上がる。従って、電圧を印加した時に黒表示を形
成するのに寄与するのは、主として両基板の中間部に位
置する液晶の分子の挙動である。
【0008】液晶の分子は棒状であり、屈折率の異方性
を有するため、その長軸に平行に偏光が入射した場合
と、垂直に入射した場合では、複屈折の効果が異なる。
そして、電圧を印加した時に液晶の分子は基板の表面に
垂直になるまで立ち上がるのではなく、基板の表面に対
してある程度の角度までしか立ち上がらない。従って、
電圧を印加して液晶の分子が基板の表面に対してある角
度まで立ち上がった時、観視者が画面をみる方向によっ
て、液晶の分子の長軸方向との位置関係が異なり、観視
者の位置によっては、光の透過率の差が得られる黒表示
の程度、すなわち、画像の明暗のコントラストが低下す
る。これは、液晶表示装置の視角特性として、特に情報
処理装置の表示装置において問題視されている。
【0009】この問題を解決するため、先に、液晶の微
小な領域毎に液晶の分子のツイスト方向を異ならせるこ
と、あるいは、1画素内で液晶の分子の配向方向の異な
る2つの液晶配向領域を形成して、異なる視角特性の液
晶配向領域の視角特性を合成することによって、全体と
しての視角特性を改善することが提案されている(特願
平4−16669号明細書参照)。
【0010】
【従来の技術】図8は、従来の2つの配向状態の液晶領
域を有する液晶表示装置の説明図であり、(A)は断面
を示し、(B)はその配向処理の概略を示している。こ
の図において110は液晶パネル、116は下基板、1
18は上基板、119はカラーフィルタ層、120は液
晶、121はITOの共通電極、122は下基板の配向
膜、124は画素電極、126は上基板の配向膜、15
1は下層側の配向剤層、153は上層側の配向剤層、1
22a,126aは矢印である。
【0011】従来の2つの配向状態の液晶領域を有する
液晶表示装置の液晶パネル110においては、図8
(A)に示されているように、内面にカラーフィルタ層
119、ITOの共通電極121および下基板の配向膜
122が設けられた透明なガラス基板である下基板11
6と、内面に画素電極124および上基板の配向膜12
6が設けられた上基板118の間にツイストネマチック
型の液晶120が充填されている。
【0012】そして、下基板116と上基板118の外
側には、図示されていないが、ノーマリホワイトモード
のときに透過軸が垂直になるように、また、ノーマリブ
ラックモードのときには透過軸が平行になるように偏光
板が設けられている。
【0013】また、上基板118に設けられた画素電極
124はアクティブマトリクス回路の薄膜トランジスタ
(TFT)を介してデータバスラインに接続され、この
TFTのゲートにゲートバスラインによってタイミング
信号が印加され、このタイミング信号にしたがって、デ
ータバスラインに印加される画像信号等のデータ信号が
画素電極に印加される。
【0014】この液晶表示装置を、光源からの光が下方
からこの液晶表示パネル110に入射し、観視者は上方
から液晶パネル110に表示された画像をみるものと仮
定して、さらに詳細に説明する。
【0015】この液晶表示パネル110においては、こ
の図に示されているように、下基板の配向膜122およ
び上基板の配向膜126は、それぞれ積層して形成され
た下層側の配向剤層151と上層側の配向剤層153か
らなり、上層側の配向剤層153が一つの微小な領域に
対応する開口部を有するようにパターニングされ、上層
側の配向剤層153と下層側の配向剤層151が同時に
ラビングされ、それによってある微小な領域における下
基板の配向膜122および上基板の配向膜126の各々
に接する液晶の分子が、隣接する微小な領域における下
基板の配向膜122および上基板の配向膜126の各々
に接する液晶の分子の配向方向が同じであり、プレチル
ト角が異なるようになっている。
【0016】この図では、下基板の配向膜122の上層
側の配向剤層153から露出した下層側の配向剤層15
1と、上基板の配向膜126の上層側の配向剤層153
とで微小な領域Aを形成し、また、この微小な領域Aに
隣接して、下基板の配向膜122の上層側の配向剤層1
53と、上基板の配向膜126の上層側の配向剤層15
3から露出した下層側の配向剤層151とで微小な領域
Bを形成している。
【0017】この図において、微小な領域A,Bの液晶
120の分子がツイストしていく様子が示されており、
液晶の分子はこの図の平面に対して手前側に見えている
端部に丸印を付けて示されている。微小な領域Aにおい
ては、下基板の配向膜122の下側配向剤層151に接
する液晶の分子は、右奥から左手前に向かう配向方向に
なっており、かつ、角度α2 でプレチルトしている。中
間部の液晶の分子は図の平面とほぼ平行な配向方向にな
っており、上基板の配向膜126の上層側の配向剤層1
53に接する液晶の分子は、左奥から右手前に向かう配
向方向になっており、かつ、角度α1 でプレチルトして
いる。この場合、角度α1 の方が角度α2 よりも大きい
ものとして説明するが、α1とα2 の大小関係が逆の場
合も同様の効果を生じる。
【0018】一方、微小な領域Bにおいては、下基板の
配向膜122の上層側の配向剤層153に接する液晶の
分子は、右奥から左手前に向かう配向方向になってお
り、かつ、角度α1 でプレチルトしている。中間部の液
晶の分子はこの図の平面とほぼ平行な配向方向になって
おり、上基板の配向膜126の下層側の配向剤層151
に接する液晶の分子は、左奥から右手前に向かう配向方
向になっており、かつ、角度α2 でプレチルトしてい
る。この場合も角度α1 の方が角度α2 より大きいもの
として説明する。
【0019】例えば、上基板の配向膜126についてみ
ると、微小な領域Aにおける上基板の配向膜126の上
層側の配向剤層153に接する液晶の分子は、左奥から
右手前に向かう方向になっており、かつ、角度α1 でプ
レチルトしている。そして、微小な領域Bにおける上基
板の配向膜126の下層側の配向剤層151に接する液
晶の分子は左奥から右手前に向かう配向方向になってお
り、かつ、角度α2 でプレチルトしている。すなわち、
上基板118については、微小な領域A,Bにおいて上
基板118の上基板の配向膜126に接する液晶の分子
はともに左奥から右手前に向かう配向方向になっている
が、プレチルト角度がα1 とα2 とで異なっている。こ
の関係は下基板の配向膜122についても同じである。
【0020】図8(B)には、微小な領域A,Bの配向
状態を概要を示している。微小な領域Aにおいては、上
基板の配向膜126の上層側の配向材層153の配向方
向が破線の矢印126aで示されており、上に説明した
ように、この上基板118側の液晶の分子が大きい角度
α1 でプレチルトする。また、微小な領域Bにおいて
は、下基板の配向膜122の上層側の配向材層153の
配向方向が実線の矢印122aで示されており、この下
基板116側の分子が大きい角度α1 でプレチルトす
る。
【0021】このように、微小な領域A,Bにおいて、
液晶の分子が対向する基板のうちの一方の基板116
(118)側で大きい角度α1 でプレチルトし、他方の
基板118(116)の側では小さい角度α2 でプレチ
ルトしている場合に、電圧を印加すると、中間部の液晶
の分子は図8(A)に矢印で示されるようにプレチルト
角度の大きい方向に立ち上がる。したがって、微小な領
域Aにおいては、液晶の立ち上がりは破線の矢印126
aで示された上基板118の配向処理に従うものとな
り、微小な領域Bにおいては、液晶の立ち上がりは実線
の矢印122aで示された下基板116の配向処理に従
うものとなる。
【0022】従って、画素電極124に電圧を印加した
とき、微小な領域AとBの中央部の液晶の分子は逆方向
に立ち上がることになり、微小な領域AとBの良視角方
向は図8(B)に太線矢印で示されているように、上方
と下方の方向になるため、この視角特性を合成すること
によって、上下方向の良視角範囲を拡大して視角特性を
改善することができる。
【0023】図9は、従来の2つの配向状態の液晶領域
を有する液晶表示装置の配向処理説明図であり、(A)
〜(C)は各段階を示している。この図において、11
8は上基板、124は画素電極、126は上基板の配向
膜、130はゲートバスライン、151は下層側の配向
剤層、153は上層側の配向剤層、155はレジスト、
157はラビングローラである。
【0024】この図は、下層側の配向剤層151と上層
側の配向剤層153からなる上基板の配向膜126の形
成工程を示している。下基板の配向膜122も同様の工
程によって配向することができる。この図によって、従
来の2つの配向状態の液晶領域を有する液晶表示装置の
配向処理方法を説明する。
【0025】第1工程(図9(A)参照) 上基板118の画素電極124およびゲートバスライン
130等の上から、SiO2 /TiO2 等の無機系ポリ
アミック酸型ポリイミド(PI)、UV硬化型PI、可
溶性UV硬化型PI等の耐薬品性が高い低プレチルト材
料の配向剤からなる厚さ500Åの下層側の配向剤層1
51、および、イミド化率100%のポリイミド等の有
機系の高プレチルト配向剤からなる厚さ500Åの上層
側配向剤層153をそれぞれ全面的に塗布する。
【0026】第2工程(図9(B)参照) レジスト155をマスクとして上層側の配向剤層153
をエッチングによりパターニングする。レジスト155
は市販のポジ型フォトレジストを使用し、アルカリ性の
現像液(エッチング液)を用いる。ポリイミドの上層側
の配向剤層153はアルカリ性のエッチング液によって
容易に溶けるが、下層側の配向剤層151はエッチング
液に溶けない。
【0027】第34工程(図9(C)参照) レジスト155を剥離した後に、下層側の配向剤層15
1および上層側の配向剤層153を同時にラビングす
る。ラビングは繊維等のラビング材を付けたラビングロ
ーラ157を上基板の配向膜126の上で矢印の方向に
回転させながら進めることによって行われる。
【0028】この工程によって、上層側の配向剤層15
3、および上層側の配向剤層153から露出した下層側
の配向剤層151は同じ方向にラビングされる。しか
し、液晶の分子が上層側の配向剤層153に接している
か、あるいは下層側の配向剤層151に接しているかに
よって、プレチルトの角度は異なる。この例では、上層
側の配向剤層153に接している液晶の分子は角度が約
4度(α1 )までプレチルトし、下層側の配向材層15
1に接している液晶の分子は角度が約1度程度(α2
までプレチルトする。また、上記の説明では、上層側の
配向材層153をエッチングによりパターニングした
が、上層側の配向材層153を印刷等により形成しても
よい。
【0029】また、配向膜を2層にしなくても、なんら
かの方法、例えば紫外線を部分的に照射する等の方法に
より、プレチルトを部分的に変えることができる。ま
た、画素電極共通電極等の透明電極を下層配向膜として
利用し、上層配向膜としてポリイミドを塗布し、パター
ニングし、ラビングすることもできる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来技術におい
ては、隣接する微小な領域の液晶の配向状態を変え、そ
れらの視角特性を合成することによって、2方向の良視
角範囲を拡大して視角特性を改善することができる。し
かし、さらに視角特性を改善するためには隣接する3以
上、望ましくは4以上の微小な領域の液晶の配向状態を
変えて、さらに広範囲の視角特性を改善することが必要
であり、それを実現するための簡便な配向状態制御方法
を確立することが強く望まれている。本発明は、画素中
に3種の液晶の配向状態の微小な領域を有する3分割液
晶表示パネルを用い、視角特性をさらに改善した液晶表
示装置を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる液晶表示
装置においては、上記の目的を達成するため、画素中に
液晶の配向状態が異なる3つの微小領域を有する構成を
採用した。
【0032】この場合、画素中の液晶の配向状態が異な
る3つの微小領域を、ツイストネマチック液晶における
上視角、左視角、右視角特性を有する微小領域、また
は、下視角、左視角、右視角特性を有する微小領域とす
ることができる。
【0033】また、この場合、画素中の液晶状態が異な
る3つの微小領域を、左まわりの左視角、右視角および
右まわりの上または下視角特性を有する微小領域、また
は、右まわりの左視角、右視角および左まわりの上視角
または下視角特性を有する微小領域とすることができ
る。
【0034】また、この場合、画素中の液晶状態が異な
る3つの微小領域を、液晶を挟む一対の基板上の電極の
上に設けられた配向膜の少なくとも一部を配向状態の境
界に対応してパターニングすることによって形成するこ
とができる。
【0035】また、この場合、左視角、右視角および上
視角または下視角領域を、液晶を挟む一対の基板上の電
極の上に設けられた配向膜の組み合わせを、低プレチル
ト角配向膜と高プレチルト角配向膜の組み合わせ、およ
び、高プレチルト角配向膜と高プレチルト角配向膜の組
み合わせによって形成することができる。
【0036】
【作用】本発明の液晶表示装置においては、視角特性を
改善するために、画素内にプレチルト角が高い領域とプ
レチルト角が低い領域を有する配向膜を形成することが
必要である。それを実現するために、特定の配向状態を
有することが望まれる領域の形状に対応させて、その方
向の配向状態を有する配向膜をパターニングし、あるい
は、特定の配向状態を有することが望まれる領域の形状
に対応させて、異なるラビング処理を施す。本発明の第
1形式の液晶表示装置においては2方向ラビング工程を
採用し、第2形式の液晶表示装置においては1方向ラビ
ング工程を採用する。
【0037】図1は、本発明の第1形式の液晶表示装置
の原理説明図であり、(A)は断面を示し、(B)は平
面を示している。この図において、1は液晶パネル、2
は下基板、3はITOの共通電極、4は下基板の配向
膜、41 ,81 は下層側の配向剤層、42 ,82 は上層
側の配向剤層、5は液晶、6は上基板、7は画素電極、
8は上基板の配向膜である。
【0038】本発明の第1形式の液晶表示装置において
は隣接する微小領域のプレチルト角を変える手段として
2方向ラビング工程を採用している。この方式の液晶パ
ネル1の製造工程においては、ITOの共通電極3を有
する下基板2の上に、下層側の配向剤層41 と上層側の
配向剤層42 からなる下基板の配向膜4を積層して形成
した後、上層側の配向剤層42 に対して第1のラビング
処理を施し、続いてレジストを用いて上層側の配向剤層
2 のパターニングを行い、このパターニングによって
形成された開口を通し、下層側の配向剤層41に対して
第2のラビング処理を施す。
【0039】また、画素電極7を有する上基板6の上
に、下層側の配向剤層81 と上層側の配向剤層82 から
なる上基板の配向膜8を積層して形成した後、上層側の
配向剤層82 に対して第1のラビング処理を施し、続い
てレジストを用いて上層側の配向剤層82 のパターニン
グを行い、このパターニングによって形成された開口を
通して、下層側の配向剤層81 に対して第2のラビング
処理を施す。
【0040】そして、ITOの共通電極3と下層側の配
向剤層41 と上層側の配向剤層42からなる下基板の配
向膜4を有する下基板2と、画素電極7と下層側の配向
剤層81 と上層側の配向剤層82 からなる上基板の配向
膜8を有する上基板6を、下基板の配向膜4の上層側の
配向剤層42 と上基板の配向膜8の上層側の配向剤層8
2 が一部重複し、下基板の配向膜4の下層側の配向剤層
1 と上基板の配向膜8の上層側の配向剤層82 が対向
する微小領域Aと、下基板の配向膜4の上層側の配向剤
層42 と上基板の配向膜8の上層側の配向剤層82 が対
向する微小領域Bと、下基板の配向膜4の上層側の配向
剤層42 と上基板の配向膜8の下層側の配向剤層81
形成されるように位置合わせし、相互間に間隙をもたせ
て平行に配置し、この間隙に液晶5を充填して液晶表示
パネルが完成される。
【0041】この場合、配向膜のプレチルト角に対する
制約は後述の第2形式の液晶表示装置におけるよりも弱
いが、耐薬品性についての条件として、下層側の配向剤
層4 1 ,81 が上層側の配向剤層42 ,82 をパターニ
ングする際に損傷を受けないことが必要である。また、
逆ツイストが混在し、液晶ドメインが混在することか
ら、液晶の螺旋ピッチは比較的長い物が必要になる。そ
して、螺旋の向きは、これは微小領域Cのプレチルト角
と微小領域Aまたは微小領域Bのプレチルト角の大小関
係に依存する。
【0042】例えば、この図において、下層側の配向剤
層41 ,81 のプレチルト角をP1、上層側の配向剤層
2 ,82 のプレチルト角をP2 とした場合、P1 <P
2 であれば、下基板2から上基板6に向かって左ツイス
ト(左回り)し易い液晶材料を用い、逆の場合は右ツイ
スト(右回り)し易い液晶材料を用いることが必要であ
る。
【0043】なぜならば、この図におけるラビングの方
向は全ての微小領域においてユニフォーム配向(歪みが
ない配向)に対応するため、ラビングによるツイスト能
力(プレチルト角)はプレチルト角が大きいほど強く、
プレチルト角が小さい領域で、液晶材料自体がもつ螺旋
能に逆らった方向にツイストさせることは、逆の場合に
比較してより困難であるからである。
【0044】図1(B)を参照して、この形式の液晶表
示パネルにおける微小領域の液晶の分子のツイストにつ
いて考える。なお、この図は、微小領域Aと、微小領域
Bと、微小領域Cを示し、その中に記載された実線の矢
印は下基板のラビング方向、破線の矢印は上基板のラビ
ング方向を示し、回転を示す矢印は液晶の分子が下基板
2から上基板6に向かってツイストする方向を示し、太
い矢印は電圧が印加されたときの良視角方向を示してい
る。
【0045】この液晶表示装置においては、微小領域A
においては下基板の配向膜4は左下から右上方向にラビ
ングされ、上基板の配向膜8は右下から左上の方向にラ
ビングされ、微小領域Bにおいては下基板の配向膜4は
右上から左下方向にラビングされ、上基板の配向膜8は
左上から右下の方向にラビングされ、微小領域Cにおい
ては下基板の配向膜4は右上から左下方向にラビングさ
れ、上基板の配向膜8は右下から左上の方向にラビング
され、上層側の配向剤層42 ,82 のプレチルト角P2
は、下層側の配向剤層41 ,81 のプレチルト角P1
り大きく、左螺旋能を有する液晶が用いられている。
【0046】微小領域Aについて 下基板の配向膜4は左下から右上方向にラビングされ、
上基板の配向膜8は右下から左上の方向にラビングされ
ており、上基板の配向膜8の上層側の配向剤層82 のプ
レチルト角P2 は、下基板の配向膜4の下層側の配向剤
層41 のプレチルト角P1 より大きくなって左ツイスト
の構造が形成され、左螺旋能を有する液晶を用いたこと
も相まって、液晶の分子は左ツイストする。
【0047】微小領域Bについて 下基板の配向膜4は右上から左下方向にラビングされ、
上基板の配向膜8は左上から右下の方向にラビングされ
ており、下基板の配向膜4の上層側の配向剤層42 のプ
レチルト角P2 は、上基板の配向膜8の下層側の配向剤
層81 のプレチルト角P1 より大きくなって左ツイスト
の構造が形成され、左螺旋能を有する液晶を用いたこと
も相まって、液晶の分子は左ツイストする。
【0048】微小領域Cについて 下基板の配向膜4は右上から左下方向にラビングされ、
上基板の配向膜8は右下から左上の方向にラビングされ
ており、下基板の配向膜4の上層側の配向剤層42 のプ
レチルト角P2 と、上基板の配向膜8の上層側の配向剤
層82 のプレチルト角P2 と同じになっている。このよ
うに、液晶に接する配向膜のプレチルト角が大きいと、
プレチルトの影響によって液晶を曲げる力が強くなるか
ら、左螺旋能を有する液晶を用いても、その液晶の分子
は歪みのない方向、すなわち、右ツイストすることにな
る。
【0049】前述のように、上記の構造を採用し、ラビ
ング方向を上記のように選定することによって、画素内
に3つの液晶の配向状態を有する液晶表示パネルを形成
することができ、最大コントラストが得られる視角が電
圧が印加されたときの液晶の分子を縦にみる方向が異な
るから、微小領域Aにおいては右視角特性、微小領域B
においては左視角特性、微小領域Cにおいては下視角特
性を良好にすることができ、この3方向の視角を合成す
ることによって広範囲にわたって良好な視角特性を実現
することができる。
【0050】なお、このように画素内の3つの微小領域
のラビング方向を変える方法としては、基板の上に1層
の配向膜を形成し、この配向膜をフォトレジストによっ
て所定の部分を覆った状態で第1の方向にラビングし、
新たなフォトレジストによって前記とは異なる部分を覆
った状態で第2の方向にラビングする方法、基板の上に
2層の配向膜を積層して形成し、上層の配向膜を第1の
方向にラビングした後に、この上層の配向膜をフォトレ
ジストを用いてパターニングし、フォトレジストをパタ
ーニングした上層の配向膜の上に残したままで、下層の
配向膜だけを第2の方向にラビングする方法等、従来か
ら知られている適宜の方法を採用することができる。
【0051】図2は、本発明の第2形式の液晶表示装置
の原理説明図であり、(A)は断面を示し、(B)は平
面を示している。この図において使用する符号は、図1
の符号と同じく、1は液晶パネル、2は下基板、3はI
TOの共通電極、4は下基板の配向膜、41 ,81 は下
層側の配向剤層、42 ,82 は上層側の配向剤層、5は
液晶、6は上基板、7は画素電極、8は上基板の配向膜
である。
【0052】本発明の第2形式の液晶表示装置において
は隣接する微小領域のプレチルト角を変える手段として
1方向ラビング工程を採用している。第2形式の液晶表
示装置自体の構造は第1形式と同じであり、プレチルト
角と液晶の分子のチルト角の関係等は格別異なるところ
はないから、以下、第2形式特有の点のみを説明する。
【0053】図2(A)に断面が示されるように、画素
電極7を有する上基板6の上に、下層側の配向剤層81
と上層側の配向剤層82 からなる上基板の配向膜8を積
層して形成した後、レジストを用いて上層側の配向剤層
2 のパターニングを行い、このパターニングによって
形成された開口部(下層)および上層配向膜に対してラ
ビング処理を施すため、ラビングの方向が第1形式の液
晶表示装置とは異なっている。
【0054】図2(B)を参照して、この形式の液晶表
示パネルにおける微小領域の液晶の分子のツイストにつ
いて考える。なお、この図は、微小領域Aと、微小領域
Bと、微小領域Cを示し、その中に記載された実線の矢
印は下基板のラビング方向、破線の矢印は上基板のラビ
ング方向を示し、回転を示す矢印は液晶の分子が下基板
2から上基板6に向かってツイストする方向を示し、太
い矢印は電圧が印加されたときの良視角方向を示してい
る。
【0055】この液晶表示装置においては、微小領域
A、微小領域B、微小領域Cにおいては、ともに、下基
板の配向膜4は左下から右上方向にラビングされ、上基
板の配向膜8は左上から右下の方向にラビングされ、上
層側の配向剤層42 ,82 のプレチルト角P2 は、下層
側の配向剤層41 ,81 のプレチルト角P1 より大き
く、左螺旋能を有する液晶が用いられている。
【0056】微小領域Aについて 下基板の配向膜4は左下から右上方向にラビングされ、
上基板の配向膜8は左上から右下の方向にラビングされ
ており、上基板の配向膜8の上層側の配向剤層82 のプ
レチルト角P2 は、下基板の配向膜4の下層側の配向剤
層41 のプレチルト角P1 より大きくなっているが、左
螺旋能を有する液晶を用いたことも相まって、液晶の分
子は左ツイストする。
【0057】微小領域Bについて 下基板の配向膜4は左下から右上方向にラビングされ、
上基板の配向膜8は左上から右下の方向にラビングされ
ており、下基板の配向膜4の上層側の配向剤層42 のプ
レチルト角P2 は、上基板の配向膜8の下層側の配向剤
層81 のプレチルト角P1 より大きくなっているが、左
螺旋能を有する液晶を用いたことも相まって、液晶の分
子は左ツイストする。
【0058】微小領域Cについて 下基板の配向膜4は左下から右上方向にラビングされ、
上基板の配向膜8は左上から右下の方向にラビングされ
ており、下基板の配向膜4の上層側の配向剤層42 のプ
レチルト角P2 と、上基板の配向膜8の上層側の配向剤
層82 のプレチルト角P2 と同じで、大きいから、プレ
チルトの影響によって液晶を曲げる力が強く、左螺旋能
を有する液晶を用いても、その液晶の分子は配向歪みに
伴う弾性エネルギーが小さい方向、すなわち、右回りで
ツイストする。この配向状態はラビング方向に従ったも
のであるため液晶の分子の螺旋能に逆らったツイスト変
形以外の歪みは少なくエネルギー的に安定となる。ただ
し、液晶の螺旋能を左右する液晶の分子のツイストピッ
チを適切に設定することが必要であり、このツイストピ
ッチの値は、通常のツイステッドネマチック(TN)液
晶の場合より長い。
【0059】前述のように、上記の構造を採用し、ラビ
ング方向を上記のように選定することによって、画素内
に3つの液晶の配向状態を有する液晶表示パネルを形成
することができ、その結果、微小領域Aにおいては左視
角特性、微小領域Bにおいては右視角特性、微小領域C
においては上視角特性を良好にすることができ、この3
方向の視角を合成することによって広範囲にわたって良
好な視角特性を実現することができる。
【0060】この第2形式の液晶表示装置は、第1形式
の液晶表示装置をさらに改善したもので、基板上に形成
した2層の配向膜のうちの上層配向膜をフォトレジスト
を用いてパターニングし、フォトレジストを剥離した
後、上層側の配向剤層と下層側の配向剤層に1方向ラビ
ングを施し、工程を簡易化するものである。
【0061】上記の第1形式と第2形式の液晶表示装置
について説明したように、本特許によると、画素中を配
向状態が異なる3つの微小領域に分割した(配向3分
割)液晶表示装置を安定して形成することができ、その
結果、広範囲にわたって良好な視角特性を有する液晶表
示装置を提供することができる。
【0062】そして、本発明により、配向2分割の液晶
表示装置で問題であったノーマリホワイトモードでの
上下方向でのコントラストの急激な低下およびノーマ
リブラックモードでの正面における低いコントラストの
問題を解決し、配向分割方式の特徴をさらに引き出すこ
とが可能になる。さらに、各ドメインが逆ツイストの組
み合わせで隣接する部分では境界が常時黒線となるた
め、ノーマリホワイトモードで、ドメイン境界に生じる
ディスクリネーションラインによるコントラスト低下の
問題も無くなる。
【0063】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (第1実施例)図3は、第1実施例の液晶表示パネルの
説明図で(A)はTFT基板の平面を示し、(B)はC
F基板の平面を示している。この図(A)は、第1実施
例の液晶表示パネルのTFT基板の配向膜面を下にした
平面を示し、(B)は対向基板(カラーフィルタ(C
F)基板)の配向膜面を上にした平面を示している。こ
の図において、10はTFT基板、11は画素電極、1
2はソース電極、13はドレイン電極、14はゲート電
極、15はデータバスライン、16はゲートバスライ
ン、171 は下層側の配向剤層、172 は上層側の配向
剤層、20は対向基板、21は共通電極、221 は下層
側の配向剤層、222 は上層側の配向剤層である。
【0064】この液晶表示パネルにおいて、TFT基板
10は、透明基板の上にITO等の透明な画素電極11
が形成され、この画素電極11は、ソース電極12、ド
レイン電極13、ゲート電極14からなるTFTによっ
て画像信号等のデータ信号を供給するデータバスライン
15に接続され、このゲート電極14はゲートバスライ
ン16に接続され、適当なタイミングでデータ信号を画
素電極11に印加するようになっている。
【0065】そして、この画素電極11の上に、下層側
の配向剤層171 と上層側の配向剤層172 からなる2
層の配向膜が形成され、上層側の配向剤層172 をパタ
ーニングおよびラビングすることによって画素電極の上
側2/3程度の領域Dにおいては上層側の配向剤層17
2 が液晶に接し、画素電極の下側1/3程度の領域Eに
おいては下層側の配向剤層171 が液晶に接するように
する。
【0066】また、対向基板20は、透明基板の上にI
TO等の透明な共通電極21が形成され、その上に、下
層側の配向剤層221 と上層側の配向剤層222 からな
る2層の配向膜が形成され、上層側の配向剤層172
パターニングおよびラビングすることによって画素電極
の上側1/3程度の領域Fにおいては下層側の配向剤層
171 が液晶に接し、画素電極の下側2/3程度の領域
Gにおいては下層側の配向剤層172 が液晶に接するよ
うにする。
【0067】この場合、下層側の配向剤層をSiO2
無機材料、アクリル系樹脂等の耐薬品性の高い有機材
料、UV硬化型ポリイミド、ポリアミック酸型ポリイミ
ド、可溶性UV硬化型ポリイミド等で形成し、上層側の
配向剤層を、イミド化率100%のポリイミド(JAL
S246)等で形成した。ポリイミドのイミド化率を1
00%にするのは、TFT液晶パネルで重要になる電圧
保持特性を高めるためである。各層厚とも〜500Åと
し、ラビングは従来から知られている通常のTN液晶を
形成する条件で行った。ここで用いた各膜のプレチルト
角は、結晶回転法による測定結果から、〜1度(下層)
および〜8度(JALS246日本合成ゴム製)であっ
た。
【0068】この実施例において上記の配向状態を実現
するため、TFT基板10においては、透明な画素電極
11の上に、下層側の配向剤層171 と上層側の配向剤
層172 を積層して形成した後、まず上層側の配向剤層
172 の上に第1のラビングを実線で示す矢印方向に施
す。
【0069】次いで、レジストを用いて、上層側の配向
剤層172 をパターニングする。ポジ型レジストの現像
液は一般にアルカリ性を示し、可溶性ポリイミドはアル
カリ溶液に容易に溶けるため、レジストパターンの現像
工程で上層側の配向剤層172 であるポリイミドは容易
にエッチングされる。このようにして、形成した開口を
通して下層側の配向剤層171 に対して第2のラビング
を破線矢印方向に施す。
【0070】また、対向基板20においては、透明な共
通電極21の上に、下層側の配向剤層221 と上層側の
配向剤層222 を積層して形成した後、まず上層側の配
向剤層222 の上に第1のラビングを実線で示す矢印方
向に施す。
【0071】次いで、レジストを用いて、上層側の配向
剤層222 をパターニングして、形成した開口を通して
下層側の配向剤層221 に対して第2のラビングを破線
矢印方向に施す。次いで、レジストを剥離し、TFT基
板10と対向基板20を貼り合わせ、左螺旋の液晶材料
(ZL1−4792.カイラルS811添加)を注入
し、封止、両面の外側にノーマルホワイトモードで偏向
板を貼りつけ液晶表示パネルが完成する。
【0072】この実施例においては、TFT基板10の
領域Dと対向基板20の領域Fが重なる上側1/3程度
の微小領域が、先に説明した本発明の第1形式の原理の
微小領域Aと同様に左視角特性を有し、TFT基板10
の領域Dと対向基板20の領域Gが重なる中央の1/3
程度の微小領域が微小領域Cと同様に上視角特性を有
し、TFT基板10の領域Eと対向基板20の領域Gが
重なる下側1/3程度の微小領域が微小領域Bと同様に
右視角特性を有することになる。したがって、この3方
向の視角特性が合成されて広い範囲の視角特性を得るこ
とができる。
【0073】この実施例において、2層の配向膜を積層
し、上層をパターニングする方法を説明したが、上層側
の配向剤層膜として感光性のものを用い、これ自体をパ
ターニングすることができ、さらには上層側の配向剤層
を印刷法によって形成することができることはいうまで
もない。
【0074】(第2実施例)第1実施例においては、左
まわりの螺旋能を有する液晶材料を用いたが、右まわり
の螺旋能を有する液晶材料を用いることもでき、その場
合はラビング方向を第1実施例の場合と90°異なるも
のとすればよい。その結果生じる効果は、第1実施例の
場合と同様である。
【0075】図4は、第2実施例の液晶表示パネルの説
明図で(A)はTFT基板の平面を示し、(B)はCF
基板の平面を示している。この実施例の液晶表示パネル
は、用いる液晶の螺旋能とラビング方向の他は、第1実
施例と同様であるから、この実施例の液晶表示パネルの
構造の説明は第1実施例の説明に委ね、この実施例に特
有なラビング方向、液晶の分子の螺旋方向、視角特性に
ついて説明する。
【0076】この実施例において上記の配向状態を実現
するため、TFT基板10においては、透明な画素電極
11の上に、下層側の配向剤層171 と上層側の配向剤
層172 を積層して形成した後、まず上層側の配向剤層
172 の上に第1のラビングを実線で示す矢印方向に施
す。
【0077】次いで、レジストを用いて上層側の配向剤
層172 をパターニングし、このパターニングによって
開口を通して下層側の配向剤層171 に対して第2のラ
ビングを破線矢印方向に施す。
【0078】また、対向基板20においては、透明な共
通電極21の上に、下層側の配向剤層221 と上層側の
配向剤層222 を積層して形成した後、まず上層側の配
向剤層222 の上に第1のラビングを実線で示す矢印方
向に施す。
【0079】次いで、レジストを用いて、上層側の配向
剤層222 をパターニングし、このパターニングによっ
て形成された開口を通して下層側の配向剤層221 に対
して第2のラビングを破線矢印方向に施す。次いで、レ
ジストを剥離し、TFT基板10と対向基板20を貼り
合わせ、左まわりの螺旋能を有する液晶を注入し、封
止、両面の外側に偏向板を貼りつけ液晶表示パネルが完
成する。
【0080】この実施例においては、TFT基板10の
領域Dと対向基板20の領域Fが重なる上側1/3程度
の微小領域が、先に説明した本発明の第1形式の原理の
微小領域Aと同様に右視角特性を有し、TFT基板10
の領域Dと対向基板20の領域Gが重なる中央の1/3
程度の微小領域が微小領域Cを上下逆にしたものと同様
に上視角特性を有し、TFT基板10の領域Eと対向基
板20の領域Gが重なる下側1/3程度の微小領域が微
小領域Bと同様に左視角特性を有することになる。した
がって、上記の3方向の視角特性が合成されて広い範囲
の視角特性を得ることができる。
【0081】(第3実施例)図5は、第3実施例の液晶
表示パネルの説明図で(A)はTFT基板の平面を示
し、(B)はCF基板の平面を示している。この実施例
の液晶表示パネルは、ラビング方向の他は、第1実施例
と同様であるから、この実施例の液晶表示パネルの構造
の説明は第1実施例の説明に委ね、この実施例に特有な
ラビング方向、液晶の分子の螺旋方向、視角特性につい
て説明する。
【0082】この実施例において上記の配向状態を実現
するため、TFT基板10においては、透明な画素電極
11の上に、下層側の配向剤層171 と上層側の配向剤
層172 を積層して形成する。
【0083】次いで、レジストを用いて上層側の配向剤
層172 をパターニングし、このパターニングによって
開口を通して下層側の配向剤層171 に対してラビング
を破線および実線矢印方向に施す。
【0084】また、対向基板20においては、透明な共
通電極21の上に、下層側の配向剤層221 と上層側の
配向剤層222 を積層して形成した後、レジストを用い
て、上層側の配向剤層222 をパターニングし、このパ
ターニングによって形成された開口部および上層膜に対
してラビングを破線および実線矢印方向に施す。次い
で、レジストを剥離し、TFT基板10と対向基板20
を貼り合わせ、左まわりの螺旋能を有する液晶を注入
し、封止、両面の外側に偏向板を貼りつけ液晶表示パネ
ルが完成する。
【0085】この実施例においては、TFT基板10の
領域Dと対向基板20の領域Fが重なる上側1/3程度
の微小領域が、先に説明した本発明の第1形式の原理の
微小領域Bと同様に左視角特性を有し、TFT基板10
の領域Dと対向基板20の領域Gが重なる中央の1/3
程度の微小領域が上視角特性を有し、TFT基板10の
領域Eと対向基板20の領域Gが重なる下側1/3程度
の微小領域が微小領域Aと同様に右視角特性を有するこ
とになる。したがって、上記の3方向の視角特性が合成
されて広い範囲の視角特性を得ることができる。
【0086】図6は、本発明の液晶表示パネルの上下方
向の視角特性説明図である。この図において、横軸は上
下方向の視角を示し、縦軸はコントラスト比を示して、
各配向状態の微小領域の専有面積比A:B:C=1:
1:2とした場合の上下方向のコントラストの視角依存
性を示している。
【0087】従来の配向2分割の液晶表示パネルのコン
トラストの視角依存性を比較のため示されているが、本
発明の液晶表示パネルの視角特性が大幅に改善されてい
ることがわかる。
【0088】図7は、液晶表示パネルの左右上下方向の
視角特性説明図であり、(A),(B),(C)は各態
様の視角特性を示している。この図は、配向状態が異な
る微小領域の面積比と液晶表示パネルの左右上下方向の
視角特性の関係を示している。
【0089】図7(A)は、微小領域A,B,Cの面積
が1:1:0の場合、すなわち、従来の配向分割を上
下、左右入れ換えた場合の視角特性を示している。左右
方向の視角特性は狭く、上下方向の視角特性は広いこと
がわかる。
【0090】図7(B)は、微小領域A,B,Cの面積
が1:1:2の場合、すなわち、本発明の一例の視角特
性を示している。左右方向の視角特性と、上下方向の視
角特性が広いことがわかる。
【0091】図7(C)は、微小領域A,B,Cの面積
が0:0:1の場合、すなわち、従来のTN液晶表示パ
ネルの視角特性を示している。左右方向の視角特性は広
いが、上下方向の視角特性が狭く、反転を生じることが
わかる。
【0092】この図から、上下方向の視角特性を改善す
るためには、上記微小領域A,B,Cの割合をCの割合
が低い方に変えればよく、逆に左右方向の視角特性を良
くするには、Cの割合を増やす方に変えればよいことが
わかる。さらに、上記のように微小領域A,B,Cの面
積比を変えることにより、横方向の視角特性が優れた液
晶表示パネルから上下方向の視角特性が優れた液晶表示
パネルまで任意に形成することができる。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
配向3分割液晶表示パネルを、本発明の発明者らが先に
提案した配向2分割液晶表示パネルの製造に用いた工程
と同様な工程によって製造することができ、液晶表示装
置の上下方向の視角特性を更に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1形式の液晶表示装置の原理説明図
であり、(A)は断面を示し、(B)は平面を示してい
る。
【図2】本発明の第2形式の液晶表示装置の原理説明図
であり、(A)は断面を示し、(B)は平面を示してい
る。
【図3】第1実施例の液晶表示パネルの説明図で(A)
はTFT基板の平面を示し、(B)はCF基板の平面を
示している。
【図4】第2実施例の液晶表示パネルの説明図で(A)
はTFT基板の平面を示し、(B)はCF基板の平面を
示している。
【図5】第3実施例の液晶表示パネルの説明図で(A)
はTFT基板の平面を示し、(B)はCF基板の平面を
示している。
【図6】本発明の液晶表示パネルの上下方向の視角特性
説明図である。
【図7】液晶表示パネルの左右上下方向の視角特性説明
図であり、(A),(B),(C)は各態様の視角特性
を示している。
【図8】従来の2つの配向状態の液晶領域を有する液晶
表示装置の説明図であり、(A)は断面を示し、(B)
はその配向処理の概略を示している。
【図9】従来の2つの配向状態の液晶領域を有する液晶
表示装置の配向処理説明図であり、(A)〜(C)は各
段階を示している。
【符号の説明】
1 液晶パネル 2 下基板 3 ITOの共通電極 4 下基板の配向膜 41 ,81 下層側の配向剤層 42 ,82 上層側の配向剤層 5 液晶 6 上基板 7 画素電極 8 上基板の配向膜 10 TFT基板 11 画素電極 12 ソース電極 13 ドレイン電極 14 ゲート電極 15 データバスライン 16 ゲートバスライン 171 下層側の配向剤層 172 上層側の配向剤層 20 対向基板 21 共通電極 221 下層側の配向剤層 222 上層側の配向剤層 110 液晶パネル 116 下基板 118 上基板 119 カラーフィルタ層 120 液晶 121 ITOの共通電極 122 下基板の配向膜 122a,126a 矢印 124 画素電極 126 上基板の配向膜 130 ゲートバスライン 151 下層側の配向剤層 153 上層側の配向剤層 155 レジスト 157 ラビングローラ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素中に液晶の配向状態が異なる3つの
    微小領域を有することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 画素中の液晶の配向状態が異なる3つの
    微小領域が、ツイストネマチック液晶における上視角、
    左視角、右視角特性を有することを特徴とする請求項1
    に記載された液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 画素中の液晶状態が異なる3つの微小領
    域が、ツイストネマチック液晶における下視角、左視
    角、右視角特性を有することを特徴とする請求項1に記
    載された液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 画素中の液晶状態が異なる3つの微小領
    域が、左まわりの左視角、右視角および右まわりの上ま
    たは下視角特性を有することを特徴とする請求項1に記
    載された液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 画素中の液晶状態が異なる3つの微小領
    域が、右まわりの左視角、右視角および左まわりの上視
    角または下視角特性を有することを特徴とする請求項1
    に記載された液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 画素中の液晶状態が異なる3つの微小領
    域が、液晶を挟む一対の基板上の電極の上に設けられた
    配向膜の少なくとも一部を配向状態の境界に対応してパ
    ターニングすることによって形成されていることを特徴
    とする請求項1に記載された液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 左視角、右視角および上視角または下視
    角領域が、液晶を挟む一対の基板上の電極の上に設けら
    れた配向膜の組み合わせを、低プレチルト角配向膜と高
    プレチルト角配向膜の組み合わせ、および、高プレチル
    ト角配向膜と高プレチルト角配向膜の組み合わせによっ
    て形成されていることを特徴とする請求項1に記載され
    た液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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