JPH06347051A

JPH06347051A - 室内暖房方法及び室内暖房用パネルユニット

Info

Publication number: JPH06347051A
Application number: JP13825193A
Authority: JP
Inventors: Sachiko Hayashi; 幸子林
Original assignee: Dairin Shoji KK
Current assignee: Dairin Shoji KK
Priority date: 1993-06-10
Filing date: 1993-06-10
Publication date: 1994-12-20

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】遠赤外線領域の波長のエネルギーを主体とし
て放射する面状発熱体を用いて、少ない消費エネルギー
でもって室内を効率よく暖房すると共に、輻射熱により
室内全域の温度を均一に上昇させることにより、頭寒足
温式の身体にやさしい暖房を可能にする。【構成】床体２上に根太４ａを配設し、根太上に、面
状発熱体支持盤７と、支持盤上に配設した炭素繊維と天
然パルプを主材とし且つ遠赤外線領域の波長のエネルギ
ーを主として放射する面状発熱体８と、面状発熱体の上
面に配設した蓋板９とから成る暖房用パネルユニット１
を支持固定し、床面内に埋込み配設した面状発熱体から
の輻射エネルギーにより暖房する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は一般住宅や事務所等の室
内暖房方法と、これに利用する暖房用パネルユニットの
改良に関するものであり、所謂炭素繊維放射体から成る
面状発熱体を用い、遠赤外線領域の波長を主成分とする
放射エネルギーにより人体を選択的に輻射加熱するよう
にした室内暖房方法並びに暖房用パネルユニットに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】室内の暖房には、所謂温風暖房が広く利
用されている。しかし、当該温風暖房は設備費が比較的
嵩むうえ、騒音の発生、室内空気の乾燥や病原菌の発生
による人体への悪影響等の問題が不可避であり、老人や
病人等の身体的弱者にとっては望ましい暖房でない。

【０００３】一方、上記温風暖房に於ける諸問題を解決
するものとして、高温熱媒の流路を備えたパネル型ヒー
タやシーズヒータを備えたパネル型ヒータを床面内へ埋
込み配設し、当該パネル型ヒータを熱源として伝熱若し
くは対流により室内空気を加熱するようにした暖房方法
が開発されている。

【０００４】ところが、前記パネル型ヒータによる暖房
方法は、熱源からの伝熱若しくは対流によって室内空気
を加熱し、この加熱空気によって人体等を間接的に加温
するものであるため、暖房効率（熱効率）が極めて悪い
という難点がある。

【０００５】また、前記パネル型ヒータによる暖房方法
では、加熱空気が自然対流をするため、室内の上部ほど
高温になると共に下部の温度が上昇し難く、室内温度が
不均一になると云う難点がある。尚、室内温度を均一化
するために攪拌装置等を設けた場合には、設備費が一層
嵩むと云う難点がある。

【０００６】更に、従前のパネル型ヒータは、放熱板に
よって熱拡散を図ることにより面状発熱体に近づけられ
てはいるものの、基本的には線状ヒータの集合体である
ため、熱源としてのエネルギー分布に斑があるうえ、熱
媒流路の閉塞やシーズヒータの断線等が生じ易く、耐用
年数が比較的短いと云う難点がある。

【０００７】加えて、従前のパネル型ヒータは、放熱板
の裏面に熱媒流路やシーズヒータを取り付けた構成にな
っているため、厚さ寸法が相当大きくなる。その結果、
床面の高さ寸法を大きくしなければならないうえ、床面
内への設置工事に多くの手数を要すると云う問題があ
る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従前のパネ
ル型ヒータを用いた室内暖房に於ける上述の如き問題、
即ち暖房効率（熱効率）が低く、省エネルギーが図り
難いこと、室内の高所ほど温度が上昇し、室内温度分
布が不均一になること、熱媒流路の閉塞等を生じ易
く、保守管理に手数がかかること、パネル型ヒータの
厚さ寸法が大きいため、床の厚さ寸法が大きくなると共
に床構造が複雑化し、設置に手数がかかること等の問題
を一挙に解決せんとするものであり、少ない消費電力で
もって室内温度を均一に上昇させることができると共
に、構造が簡単で床面や壁面へも容易に配設することが
でき、人体に最も適した所謂頭寒足温型の「穏やかな暖
房」を可能とした室内暖房方法と、これに利用する室内
暖房用パネルユニットを提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、炭素繊維放射
体製の面状発熱体を室内の床面や壁面の表層部へ埋込み
敷設し、面状発熱体からの輻射エネルギーにより人体等
を加温することを基本とするものである。即ち、本件方
法発明は、面状発熱体支持盤７と、当該支持盤７上に配
設した炭素繊維と天然パルプを主材とし且つ遠赤外線領
域の波長のエネルギーを主として放射する面状発熱体８
と、当該面状発熱体８の上面に配設した蓋板９とから成
る暖房用パネルユニット１を、床面２上に設けた根太４
ａ上若しくは壁体３上に設けた取付支持材４ｂ上に支持
固定し、前記面状発熱体８からの輻射エネルギーにより
暖房することを発明の基本構成とするものである。

【００１０】また、本件室内暖房用パネルユニットに係
る発明は、下板３の上面に、木桟１４及び中板１５を配
設固定し、木桟１４と中板１５との間に配線等の収納空
間１６を形成すると共に中板１５の上面を面状発熱体支
持面１７として成る発熱体支持盤７と；当該発熱体支持
盤７上に配設した炭素繊維と天然パルプを主材とし且つ
遠赤外線領域の波長のエネルギーを主として放射する面
状発熱体８と；当該面状発熱体８の上面に配設した蓋板
９とを発明の基本構成とするものである。

【００１１】

【作用】床面や壁面の表層部内へ埋込み配設した面状発
熱体へ通電することにより、発熱体が６０℃〜８０℃の
温度に加熱され、波長が５〜１２μｍの所謂遠赤外線の
領域の波長を主体とする放射エネルギーが、室内空間へ
向けてほぼ均一な放射エネルギー密度で放射される。前
記発熱体から放射された遠赤外線領域の波長を有する放
射エネルギーは、人体内へ効率よく直接吸収され、これ
によって人体が加温される。また、人体等の熱吸収体の
ない空間領域に於いては、放射エネルギーは空気や室内
構造物内へ順次吸収され、これを加温する。

【００１２】前記面状発熱体の放熱量は４０〜７０Ｋｃ
ａｌ／ｈ，ｍ²程度に設定されており、且つ発熱体の温
度制御は、電子温度コントローラによるＯＮ−ＯＦＦ制
御により行われている。また、室内暖房用パネルユニッ
ト内には温度ヒューズ（１００℃）とサーモスタット
（６０℃）が夫々配設されており、床体等の温度が設定
値を越えると、発熱体への通電が遮断される。

【００１３】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図１は、本発明による室内暖房を実施した居室の
平面概要図であり、図２は、図１のＡ−Ａ視部分拡大断
面図、図３は、図２のＣ−Ｃ視に於ける床用の面状発熱
体支持盤の断面図、図４は図１のＢ−Ｂ視拡大断面図、
図５は、図４のＤ−Ｄ視に於ける壁用の面状発熱体支持
盤の断面図である。

【００１４】図１を参照して、居室Ｒは所謂特別養護老
人ホームの一人部屋であって、便所Ｔ、洗面所Ｗ、ベッ
ドＫ等が室内に設備されている。また、図１に於いて、
１は室内暖房用パネルユニット、１ａは床面の暖房パネ
ルユニット、１ｂは壁面の暖房パネルユニット、Ｃは温
度コントローラであり、６枚の床面暖房パネルユニット
１ａと２枚の壁面暖房パネルユニット１ｂにより室内暖
房が行われている。

【００１５】図２を参照して、床面暖房パネルユニット
１ａは建物の床体２を形成するスラブ上にコンクリート
ボンド５及び根太４ａを介設して配設されており、長さ
約８００〜１８２０ｍｍ、横幅約２５０〜３００ｍｍの
外形寸法に形成されている。即ち、前記床面暖房パネル
ユニット１ａは、根太４ａ上に配設した面状発熱体支持
盤７と、当該支持盤７上に配設した面状発熱体８と、面
状発熱体８の上面を覆う蓋板９とから形成されている。

【００１６】尚、図２において、１０はパネルユニット
１ａの外表面を覆う塩化ビニールミート（厚さ約３ｍ
ｍ）、１１はレベリング用モルタル、１２はサーモスタ
ット、１３，１４，１５は面状発熱体支持盤７を形成す
る下板、木桟、中板である。

【００１７】図３を参照して、前記面状発熱体支持盤７
は、厚さ約２ｍｍのベニヤ板製下板１３とその上に配設
した厚さ約１０ｍｍの木桟１４と厚さ約７ｍｍのベニヤ
板製中板１５とから形成されており、木桟１４の相互間
及び木桟１４と中板１５と間の間隙が、配線やサーモス
タット１２の収納用空間１６となっている。また、中板
１５の上面が面状発熱体支持面１７となっている。

【００１８】前記面状発熱体８は、面状発熱体支持盤７
の中板１５の上方に敷設されており、１枚のユニットの
外形寸法は約６００〜８００ｍｍ×１００〜１２０ｍｍ
×０．３〜０．５ｍｍ（厚さ）に形成されている。

【００１９】即ち、当該面状発熱体８は、ＰＡＮ系炭素
繊維（ポリアクリルニトリル繊維に耐炎化処理を施して
安定化したあと、１２００〜１４００℃の不活性雰囲気
中で炭化焼成し、更に２１００〜２５００℃で不活性焼
成して黒鉛化繊維としたものであり、７〜８μｍのフィ
ラメントを複数本引き揃えて長繊維状に形成されてい
る。）の短片をこうぞ、みつまた、がんぴ等の天然パル
プ内へ分散させ、厚さ１００μｍ、巾１０００〜２００
０ｍｍ、坪量４０ｇ／ｍ²程度の和紙状に抄造したあ
と、その外表面に保護用のＰＥＴフィルム等をラミネー
トしたものである。

【００２０】当該面状発熱体８の電気的な体積固有抵抗
は、前記天然パルプと炭素繊維との混合率等によって変
化し、通常は１５〜３０×１０^-4Ω，ｃｍの値に設定さ
れている。また、面状発熱体８への電極の取付は、その
両側端縁部に銀ペーストを印刷し、これにリード線を取
付けることにより行われている。更に、面状発熱体８の
裏面側には裏面側への放射エネルギーを反射するための
鏡面材（図示省略）が固着されている。

【００２１】図６は、本発明で使用する面状発熱体８か
らの放射エネルギーの波長分布を示すものであり、表面
温度が１００，８℃のときの実測値Ｆを黒体（理論値）
Ｈとを対比して示したものである。図６からも明らかな
ように、当該面状発熱体８からの放射エネルギーは、波
長が６〜１２μｍの成分がその主要部を占めており、所
謂遠赤外線領域の波長を有する放射であることが確認さ
れている。

【００２２】図４は本発明の他の実施例を示すものであ
り、室内空間を形成する壁体３等に壁面暖房用パネルユ
ニット１ｂを埋込み配設したものである。図４を参照し
て、３は壁面を形成する壁体、４ｂは凹部に固着した取
付支持材、６は取付用ねじ、７は面状発熱体支持盤、８
は面状発熱体、９は蓋板、１０は長尺塩化ビニールシー
ト、１１はレベリング用モルタル、１２はサーモスタッ
ト、１６は配線等の収納空間、１７は面状発熱体支持
面、１８は見切、１９はプラスターボードである。

【００２３】即ち、壁面暖房用パネルユニット１ｂは、
壁体３上に取付支持材４ｂを介設して固定した面状発熱
体支持盤７と、当該支持盤７上に配設した面状発熱体８
と、面状発熱体８の上面を覆う蓋板９とから形成されて
いる。また、前記面状発熱体支持盤７は厚さ約２ｍｍの
下板１３と、厚さ約１０ｍｍの木桟１４と、厚さ約９ｍ
ｍの中板１５とから形成されている。

【００２４】尚、当該壁暖房用パネルユニット１ｂは高
さ２００〜３００ｍｍ、幅９００〜１８００ｍｍ程度の
外形寸法に形成されており、ベッド等の下方空間を通し
て放射エネルギーを室内中央部へ直接輻射せしめるため
に、壁体３の最下方に位置して横向きに取付支持されて
いる。

【００２５】

【発明の効果】本願方法発明に於いては、主として遠赤
外線領域の放射エネルギーを放射する炭素繊維と天然パ
ルプを主体とする面状発熱体を用いて暖房用パネルユニ
ットを形成し、当該暖房用パネルユニットを床面若しく
は壁面内へ埋込み配設する構成としている。その結果、
面状発熱体から放射されるエネルギーは、その大部分が
遠赤外線領域の輻射エネルギーとなり、人体へ選択的に
直接効率よく吸収されるため、従前の温風暖房や温水又
はシーズヒータを使用するパネル型ヒータ暖房に比較し
て熱効率が大幅に向上し、エネルギー消費量を３０〜５
０％程度削減することが可能となる。

【００２６】また、輻射熱を利用するため、室内温度の
上昇が極めて均等なものになり、従前の温風暖房のよう
に室内上部のみが高温になるようなことは全く起こらな
い。

【００２７】更に、本件方法発明に於いては、暖房用パ
ネルユニットを床スラブや壁体上へ根太若しくは取付支
持材を介して埋込み固設するだけでよく、据付若しくは
取付が極めて容易に行なえると共に、暖房用パネルユニ
ットそのものの厚さ寸法も極めて小さくすることがで
き、床面の仕上げ厚さを大幅に減少させることが可能と
なる。

【００２８】本願装置発明に於いては、暖房用パネルユ
ニットを、下板と木桟と中板とから成る面状発熱体支持
盤と、面状発熱体と、蓋板とから形成し、木桟と中板と
の間の空間部を配線等の収納空間とすると共に、中板の
上面側を面状発熱体の支持空間とする構成としている。
その結果、サーモスタットや温度コントロール用の接続
リード線等を前記収納空間内へ容易に収納することがで
きるうえ、木製板材を使用して主要部材が簡単に形成で
き、製造コストの大幅な引下げが可能となる。

【００２９】また、弾力性に富む面状発熱体を中板上面
の支持空間内へ収納すると共に、蓋板により上方から面
状発熱体を挾着支持する構成としているため、外部から
強い応力が加わった場合でも、面状発熱体支持盤と面状
発熱体の具備する弾力性によって外部応力を完全に吸収
することができ、暖房用パネルユニットに損傷を生ずる
ことが全く無い。本発明は上述の通り、優れた実用的効
用を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施した居室の平面概要図である。

【図２】図１のＡ−Ａ視部分拡大断面図である。

【図３】図２のＣ−Ｃ視に於ける床用の面状発熱体支持
盤の断面図である。

【図４】図１のＢ−Ｂ視拡大断面図である。

【図５】図４のＤ−Ｄ視に於ける壁用の面状発熱体支持
盤の断面図である。

【図６】面状発熱体の放射エネルギーの波長分布図であ
る。

【符号の簡単な説明】

Ｒは居室、Ｔは便所、Ｗは洗面所、Ｋはベッド、Ｃは温
度コントローラ、１は室内暖房用パネルユニット、２は
床体、３は壁体、４ａは根太、４ｂは取付支持材、５は
コンクリートボンド、６は取付用ねじ、７は面状発熱体
支持盤、８は面状発熱体、９は蓋板、１０は長尺塩化ビ
ニールシート、１１はレベリング用モルタル、１２はサ
ーモスタツト、１３は下板、１４は木桟、１５は中板、
１６は配線等の収納空間、１７は面状発熱体支持面、１
８は見切、１９はプラスターボード。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】床体（２）上に根太（４ａ）を配設し、
当該根太（４ａ）上に、面状発熱体支持盤（７）と、当
該支持盤（７）上に配設した炭素繊維と天然パルプを主
材とし且つ遠赤外線領域の波長のエネルギーを主として
放射する面状発熱体（８）と、当該面状発熱体（８）の
上面に配設した蓋板（９）とから成る暖房用パネルユニ
ット（１）を支持固定し、前記床面内に埋込み配設した
面状発熱体（８）からの輻射エネルギーにより暖房する
ことを特徴とする室内暖房方法。
【請求項２】壁体（３）上に取付支持材（４ｂ）を固
設し、当該取付支持材（４ｂ）上に、面状発熱体支持盤
（７）と、当該支持盤（７）上に配設した炭素繊維と天
然パルプを主材とし且つ遠赤外線領域の波長のエネルギ
ーを主として放射する面状発熱体（８）と、当該面状発
熱体（８）の上面に配設した蓋板（９）とから成る暖房
用パネルユニット（１）を支持固定し、前記壁面内に埋
込み配設した面状発熱体（８）からの輻射エネルギーに
より暖房することを特徴とする室内暖房方法。
【請求項３】下板（３）の上面に、木桟（１４）及び
中板（１５）を配設固定し、木桟（１４）と中板（１
５）との間に配線等の収納空間（１６）を形成すると共
に中板（１５）の上面を面状発熱体支持面（１７）とし
て成る発熱体支持盤（７）と；当該発熱体支持盤上に配
設した炭素繊維と天然パルプを主材とし且つ遠赤外線領
域の波長のエネルギーを主として放射する面状発熱体
（８）と；当該面状発熱体（８）の上面に配設した蓋板
（９）とから構成したことを特徴とする室内暖房用パネ
ルユニット。