JPH0634688Y2 - 試薬用ピペット装置 - Google Patents

試薬用ピペット装置

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JPH0634688Y2
JPH0634688Y2 JP5126692U JP5126692U JPH0634688Y2 JP H0634688 Y2 JPH0634688 Y2 JP H0634688Y2 JP 5126692 U JP5126692 U JP 5126692U JP 5126692 U JP5126692 U JP 5126692U JP H0634688 Y2 JPH0634688 Y2 JP H0634688Y2
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JP
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reagent
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pipette
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heat source
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JP5126692U
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Inventor
孝一 若竹
Original Assignee
株式会社ニッテク
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、生化学的分析や免疫
学的分析を行う自動分析装置の試薬用ピペット装置に係
り、特に、試薬の加熱を迅速に行なうことができる試薬
用ピペット装置に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】周知のように、生化学的分析や
免疫学的分析を行う自動分析装置においては、自動分析
装置が設置される温度環境や季節によって温度環境か大
きくことなることから、安定した測定結果を得るため
に、検体と試薬との化学反応を恒温状態(略37℃位)
で行う必要がある。
【0003】このような目的から上記自動分析において
は、測定項目に対応する試薬を、その供給時に略37℃
の温度で添加することが測定精度を一定に保つという見
地から要求され、従来より種々の加熱手段が提案されて
いる。
【0004】しかしながら、上記従来の試薬加熱手段に
あっては、ピペットに吸引された所要量の試薬を反応容
器内に添加した後、恒温浴槽等によって上記試薬と検体
とを37℃の温度まで加熱するように構成されているも
のが殆どであり、このため、温度の立ち上りスピートが
遅く、自動分析のスビート化を妨げる要因となっている
等の問題を有していた。
【0005】また、従来の試薬加熱手段の中には、定常
的に一定温度まで加熱する手段を採用しているものもあ
るが、このような定常的な加熱手段で試薬を加熱した場
合にも、自動分析装置か設置される温度環境や季節によ
る温度環境変化の影響を受けて加熱しすぎたりする場合
も多く、信頼性のある分析精度が得られにくい、という
問題を有していた。
【0006】この考案は、かかる現状に鑑み創案された
ものであって、その目的とするところは、試薬を吸引し
て反応容器内に吐出するまでの間に、測定項目に対応す
る吸引された試薬を恒温状態まで正確に急速加熱するよ
うに構成することで、外的温度環境に左右されずに、検
体と試薬との化学反応を一定化することができる試薬用
ピペット装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この考案にあっては、試薬用ピペット装置を、ピペ
ットを保持するピペットアームと、該ピペットアームを
試薬吸引位置から試薬吐出位置まで移動させる手段と、
上記ピペットに配設された試薬温度検知手段と、上記連
通接続されたチューブと、該チューブに接続されたポン
プと、上記チューブの中途に介設され、かつ、上記ピペ
ットアームに取付けられた電子熱源体と、上記試薬温度
検知手段によって測定された試薬吸引前の試薬温度情報
と予め入力された試薬の吸引速度情報に基き上記電子熱
源体の発熱量を制御する熱制御装置と、上記電子熱源体
の上部に配設され、かつ、上記電子熱源体によって所定
温度まで加熱された試薬を一定温度に加熱保温する保温
ユニットと、から構成してなり、上記試薬の加熱保温
は、上記ピペットが試薬を吸引してから試薬を吐出する
までの間に行なわれるように加熱制御されることを特徴
とするものである。
【0008】
【作用】それ故、この考案に係る試薬用ピペット装置に
あっては、先ず、予めポンプによる試薬の吸引スピード
情報を熱制御装置に入力しておき、試薬容器内の試薬の
温度情報をピペットに配設された試薬温度検知手段によ
って検知して熱制御装置に入力し、熱制御装置では、こ
れらの情報に対応する前記電子熱源体の発熱量に対応す
る電圧を、上記電子熱源体に印加することで、ピペット
に吸引された試薬を正確、かつ、急速に37℃の温度で
供給するように構成される。
【0009】
【実施例】以下、添付図面に示す一実旗例に基きこの考
案を詳細に説明する。
【0010】図1に示すように、この実施例に係る試薬
用ピペット装置Aは、試薬容器内の試薬を所要量吸引す
るピペット1と、上記ピペット1に連通接続されてなる
伝熱性のチューブ2と、このチューブ2に接続された計
量ポンプ3と、上記チューブ2の中途に介設された電子
冷却ユニットBの内部に配設されてなる電子熱源体4
と、この電子熱源体4により加熱された試薬を37℃の
温度に保温する保温ユニットCと、上記電子冷却ユニッ
トB及び保温ユニットCを所定の温度雰囲気に制御する
熱制御装置5と、上記ピペット1を保持するピペットア
ーム6と、このピペットアーム6を回動させるモータ
(図示せず)と、から構成されている。
【0011】ピペット1は、生化学的分析や免疫学的分
析等の自動分析過程において、所定の試薬容器内から測
定項目に対応する試薬を所要量吸引し、他の容器へと排
出するように作用するもので、中空注射針状に形成され
ていると共に、その下端部には温度センサー(図示せ
ず)が配設されている。
【0012】この温度センサーは、試薬容器(図示せ
ず)内の試薬の温度を、該試薬を吸引するときに測温回
路10で検知し、この検知信号を前記熱制御装置5へと
入力するように構成されている。
【0013】一方、上記ピペット1に連通接続されるチ
ューブ2は、電子熱源体4が配設された電子冷却ユニッ
トBと保温ユニットC内でらせん状に巻かれて構成され
ていると共に、該チューブ2の上端部は、図1に示すよ
うに、前記計量ポンプ3に連通接続されている。尚、図
1中、符号15は、前記チューブ2の中途に開設された
切り換えバルブであり、16は洗浄水タンクである。
【0014】電子熱源体4は、公知のペルチェ素子で構
成されており、断熱材料で断面コ字状に形成された前記
電子冷却ユニットBのケース20内に配設されている。
【0015】このケース20内には、前記電子熱源体4
の他に、チューブ2のらせん部2aと、放熱フィン21
と、ファン22が内蔵されている。
【0016】ペルチェ素子は、周知のように、基本的に
は、2つの異なった材質で形成されたN型半導体とP型
半導体とを金属で接合し、電源から直流電流を印加する
と、上記一の金属で接合された部分では吸熱効果によっ
て低温となり、また、他の金属により接合された部分
は、発熱効果によって高温となるペルチェ効果を奏する
素子であり、直流電流の向きを換えることで、上記発熱
効果と吸熱効果を反対に制御することができる。
【0017】この電子熱源体4は、温度制御回路11に
よりその印加電圧が可変されて、吸引された試薬を一定
温度(略37℃)に加熱するように制御される。
【0018】熱制御装置5は、上記電子熱源体4を前記
発熱モード或は吸熱モードのいずれかのモードに切り換
え制御し、かつ吸引された試薬の温度を検知してこれを
所定の温度に制御するものである。
【0019】即ち、熱制御装置5による試薬の加熱制御
は、次のようにして行われる。
【0020】まず、試薬容器内の試薬の温度情報は、測
温回路10を経て熱制御装置5入力される。
【0021】一方、前記計量ポンプ3による試薬の吸引
量は、ピストンロッドの下降量により相対的に計測する
ことができるため、該ピストンロットをパルスモータ1
3で駆動制御し、パルスモータ制御回路14で上記パル
スモータ13のパルスの印加スピードをカウントして前
記熱制御装置5に入力しておく。
【0022】これに対し熱制御装置5には、前記らせん
部2a内を流れる試薬を、略37℃の温度まで加熱する
ために必要な供給電圧値が、上記パルスの印加スピード
と測温回路10からの温度情報との対応により予め求め
られて入力されている。例えば、試薬容器内の試薬温度
がn℃の場合には、電子熱源体4にEVの電流を印
加し、試薬容器内の試薬温度がn℃の場合には、電子
熱源体4にEVの電流を印加するように、対応データ
信号が熱制御装置5に入力されている。
【0023】保温ユニットCは、前記電子冷却ユニット
Bの上部に配設されており、断熱材料で構成されたケー
ス30内に、ニクロム線などの発熱体31と前記チュー
ブ2のらせん部2bが内蔵されており、上記発熱体31
は、前記熱制御装置5により制御される温調回路12に
より、上記らせん部2b内に滞留する試薬を、正確に3
7℃の温度に保温するように制御される。
【0024】次に、上記実施例に係る試薬用ピペット装
置により、吸引した試薬を37℃の温度で吐出するまで
の工程を説明する。
【0025】先ず、ピペット1が試薬容器内に挿入され
ると、ピペット1の下端部に配設された温度センサー
が、試薬吸引作業が開始される前に試薬の温度を検知
し、この温度情報は、熱制御装置5へと入力される。
【0026】一方、試薬容器内に挿入されたピペット1
は、同容器内の試薬を所要量吸引する。この吸引作動
は、前記計量ポンプ3により行われるが、該ポンプ3の
吸引作動は、熱制御装置5とパルスモータ制御回路14
により駆動制御されるパルスモータ13により、化学反
応に必要な量が正確に吸引される。
【0027】このようにしてパルスモータ13により吸
引された試薬は、電子冷却ユニットBのらせん部2a内
へと流入する。
【0028】また、前記ピペット1による試薬の吸引作
業が開始されると、前記熱制御装置5は、前記温度セン
サーからの温度情報に対応する電子熱源体4への供給電
圧値を選択し、該指令信号を前記温度制御回路11へと
入力し、電子熱源体4は、図2中仮想線で示すように、
供給電圧値に基き発熱する。これにより、前記らせん部
2a内に流入した試薬は、図2中実線で示すように、略
37℃位の温度まて急速加熱される。
【0029】このようにして、電子熱源体4により略3
7℃位の温度まで急速加熱された試薬は、その後、前記
保温ユニットCのらせん部2b内へと送られ、熱制御装
置5と温調回路12によって制御される発熱体31によ
り、正確に37℃の温度で保温される。この保温作業
は、前記ピペット1が前記吸引位置から吐出位置へと移
送される間に行われる。
【0030】一方、試薬が保温ユニットCへと圧送され
保温されている間に、電子冷却ユニットBでは、電子熱
源体4が37℃以上の温度まで加熱されていることか
ら、電子熱源体4を吸熱モートに切り換える作業が行わ
れる。この切り換え制御は、前記熱制御装置5と温度制
御回路11により行われ、この切り換え作業により前記
らせん部2aは、正確に37℃の温度雰囲気となるまで
急速冷却される。
【0031】この後、ピペット1が試薬吐出位置に到達
すると、前記計量ポンプ3による試薬吐出作業が行わ
れ、試薬は正確に37℃の温度で吐出される。
【0032】以上の作業が全て終了すると、ピペット1
及びチューブ2内には洗浄水が流され、この後、図2に
示すように、電子熱源体4は再び37℃以上の温度まで
加熱され、以後前記手順に従い試薬の温度制御が行われ
る。
【0033】尚、上記実施例では、電子熱源体4による
加熱・冷却のタイミンクを、ピペットの動作に関連させ
て切り換え制御する場合を例にとり説明したが、この考
案にあっては、これに限定されるものではなく、時間分
割により制御するように構成することもできる。
【0034】
【考案の効果】この考案に係る試薬用ピペット装置は、
以上説明したように、試薬を吸引して反応容器内に吐出
するまでの極めて短い時間内に、測定項目に対応する吸
引された試薬を恒温状態まで正確に急速加熱することが
でき、しかも、該温度制御は、ポンプによる試薬の吸引
スピードと試薬容器内の試薬の温度情報に基いて、熱制
御装置が、これらの情報に対応する前記電子熱源体の発
熱量に対応する電圧を自動的に選択して上記電子熱源体
に印加するように構成したので、検体と試薬の化学反応
を一定化して測定精度に対する信頼性を大幅に向上させ
ることができ等、幾多の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例に係る試薬用ピペット装置
の概略的な構成を示す正面図である。
【図2】同装置による試薬と電子熱源体の温度の推移を
示すグラフ図である。
【符号の説明】
A 試薬用ピペット装置 B 電子冷却ユニット C 保温ユニット 1 ピペット 2 チューブ 3 ポンプ 4 電子熱源体 5 熱制御装置 6 ピペットアーム

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピペットを保持するピペットアームと、
    このピペットアームを試薬吸引位置から試薬吐出位置ま
    で移動させる手段と、上記ピペットに配設された試薬温
    度検知手段と、上記連通接続されたチューブと、このチ
    ューブに接続されたポンプと、上記チューブの中途に介
    設され、かつ、上記ピペットアームに取り付けられた電
    子熱源体と、上記試薬温度検知手段によって測定された
    試薬吸引前の試薬温度情報と予め入力された試薬の吸引
    速度情報に基き上記電子熱源体の発熱量を制御する熱制
    御装置と、上記電子熱源体の上部に配設され、かつ、上
    記電子熱源体によって所定温度まで加熱された試薬を一
    定温度に加熱保温する保温ユニットと、から構成されて
    なり、上記試薬の加熱保温は、上記ピペットが試薬を吸
    引してから試薬を吐出するまでの間に行なわれるように
    加熱制御されることを特徴とする試薬用ピペット装置。
JP5126692U 1992-06-11 1992-06-11 試薬用ピペット装置 Expired - Lifetime JPH0634688Y2 (ja)

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