JPH06346373A - 吸血害虫忌避剤の合成繊維への加工方法 - Google Patents

吸血害虫忌避剤の合成繊維への加工方法

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JPH06346373A
JPH06346373A JP5159965A JP15996593A JPH06346373A JP H06346373 A JPH06346373 A JP H06346373A JP 5159965 A JP5159965 A JP 5159965A JP 15996593 A JP15996593 A JP 15996593A JP H06346373 A JPH06346373 A JP H06346373A
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blood
repellent
resin
fiber
hollow
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JP5159965A
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Ryuzo Fujita
龍三 藤田
Masafumi Tsuruoka
理文 鶴岡
Mitsuru Yokota
充 横田
Tomoaki Hario
智明 針生
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Daiwa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Daiwa Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蚊,ブユ,ヌカカ,ダニ,アブなどの害虫に
よる刺咬、不快感、皮膚炎、昆虫アレルギーなどの被害
を防止するため、衣類に忌避剤を処理し、長期間効力の
持続できる加工方法を提供することを目的とする。 【構成】 中空繊維を吸血害虫の忌避剤で処理して繊維
製品とするか、または中空繊維よりなる繊維製品を吸血
害虫の忌避剤で処理する。また、この処理に当たり、吸
血害虫の忌避剤と共に、ポリエステル樹脂,エポキシ樹
脂,アルキレン樹脂,グアナミン樹脂,ポリウレタン樹
脂,尿素樹脂のいずれかと架橋剤を併用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸血害虫に対し忌避性
を有する化合物の合成繊維への加工方法に関する。さら
に詳しくは、該合成繊維が中空形状の繊維またはその繊
維製品である吸血害虫忌避剤の合成繊維への加工方法に
関する。
【0002】中空繊維の利用によって忌避効果の持続性
が飛躍的に向上する。さらに、耐洗濯性に優れた処理が
可能で、長期間の忌避効果が期待できる加工方法であ
る。
【0003】
【従来の技術】人体の皮膚より刺咬によって吸血する
蚊、ブユ、ヌカカなどの害虫から、その被害を少なくす
るために広く応用されていた方法は、忌避剤を皮膚の露
出部に直接塗布する方法が取られていたが、防除できる
持続時間が非常に短いものであった。さらに、大きな欠
点として、皮膚上に塗布するために皮膚の違和感のある
ことと、皮膚より吸収される使用薬剤の毒性の問題が取
り上げられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】吸血害虫によって媒介
される疾病は、世界的にも非常に多い。その分布の広
さ、罹病患者数も多く、死に至る重症な疾病も少なくな
い。例えば、蚊によって媒介されるマラリア、黄熱、デ
ング熱、日本脳炎、フィラリア病等は、今日でもなお、
熱帯、亜熱帯地方で、最も重要な伝染病に数えられてい
る。
【0005】日本における一般的な吸血害虫としては、
屋内では蚊、ダニ、ノミ、南京虫などである。屋外では
ハエ、蚊、ブユ、ヌカカ、アブなどがあげられるが、最
近は、環境の改善などにより著しく減少したものもい
る。これら吸血害虫による被害としては、刺咬、不快
感、皮膚炎、昆虫アレルギーなどがあげられる。
【0006】このような吸血害虫による被害も、都会地
においては下水道の普及整備、環境の改善によって非常
に減少した。さらに、家屋構造が以前のように開放的で
はなく気密性に優れたものになった上、網戸などの防御
対策が普及したこともあって、人体への直接被害は驚く
ほど少なくなり、都会地では蚊帳の必要性も殆どなくな
った。しかし一方、都会地においても公園など、池や樹
木のあるところや農村あるいは農村隣接地においては、
未だにその被害は減少していない。
【0007】吸血害虫による被害としては、単に吸血さ
れるだけではない。蚊、ブユ等の雌は産卵のために吸血
が絶対必要な条件である。吸血するのは人間だけではな
くペット、家畜類、野性動物など殆どの動物が被害をう
けている。
【0008】蚊を例にとって見ると、蚊の吸血による被
害は刺されるだけでなく、刺された部位の痒さによって
夜間は安眠もできず、鶏は産卵率が低下したり、乳牛は
乳の出にも影響するほか、体力の消耗も激しい。吸血に
よるこの他の被害としては、伝染病の媒介があげられ
る。
【0009】蚊の種類は非常に多いが、一つの種類の蚊
が宿す病原菌は、大体において一種であるとされてい
る。これら多数の蚊が産卵する場所としては、必ず水の
あるところに限られている。この水源は至る所に存在す
るので、蚊の発生を未然に防ぐと云うことは至難なわざ
といわざるをえない。
【0010】蚊の種類としては、アカイエカ、コガタア
カイエカ、ヒトスジシマカ、ヤマトヤブカ、トウゴウヤ
ブカ、キンイロヤブカなどが良く知られている。蚊が人
体に接近するのは、呼吸で吐き出される炭酸ガスによる
感知、あるいは皮膚から出るカプロン酸などのような低
級脂肪酸の臭気に誘引されるようである。
【0011】蚊の発生を阻止するためには、蚊の幼虫で
あるボウフラの発生源としての水たまりをなくさなけれ
ばならない。蚊は、池、田その他、湿地帯をはじめ、雨
の降るたびにできる水溜りや空き缶等に溜った水中にも
産卵し、ボウフラが発生するので、これを完全に撲滅す
るのは容易ではない。蚊は完全変態であり、卵から発生
したボウフラが、蚊となって再び産卵するまでの期間が
約20日と短いものである。
【0012】蚊の撲滅法として一般的な方法は、屋外で
は殺虫剤の散布、室内では薬剤の燻煙、殺虫剤エアゾー
ルの散布、蚊とり線香などである。また、農作業や山林
における作業者や魚釣り、ゴルフなどを行うときは一時
的ではあるが、衣類から露出した皮膚に忌避剤を塗布し
て吸血昆虫を防御する方法が行われている。
【0013】ブユという吸血昆虫は、都会に住む者には
馴染の薄い昆虫であるが、水のきれいな山間地帯に多く
生息している。ブユは、人畜に対して多数が激しく襲い
かかり主として下肢部分から吸血する。
【0014】ブユは、ゴルフ場あるいは観光地において
も被害が大きく、夕暮時には川端にじっと立っていられ
ないほどである。吸血された場合は単に発赤、丘疹ぐら
いであるが、雑菌の感染を受けて重症になることもあ
る。ブユの種類はかなり多い。ブユは、わが国での発生
も多い。ブユの人に対して特に攻撃的な種類は、アオキ
ツメトゲブユ、ヒメアシマダラブユ、ニッポンヤマブ
ユ、オオブユなどで渓流、小川、灌漑用水路などに多く
発生する。
【0015】ブユの駆除は、幼虫の発生域に殺虫剤を投
入して殺す方法が最も一般的である。また、忌避剤を皮
膚に直接塗布することや、紐状にした綿布に火をつける
燻煙法である程度の効果は認められるが、忌避剤では効
力の持続時間あるいは皮膚の違和感など、今後解決しな
ければならない諸問題が残されている。
【0016】本発明は、上記の問題点がないように衣類
に忌避剤を処理し、長期間効力の持続できる加工方法を
提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、蚊、ブユなど
の吸血害虫の忌避剤の使用方法に関するものであるが、
従来のように忌避剤を皮膚の露出部に直接塗布する方法
ではなく、着用する衣類に加工して吸血害虫の忌避を行
う方法である。しかし、繊維の表面に処理することで
は、忌避効果の持続性に問題があった。特に、パンティ
ストッキングのように薄い生地のものでは、その効果の
持続性に問題があった。
【0018】この持続時間の改良方法として、合成繊
維、特にポリエステル繊維、ナイロン繊維で中空形状を
施した繊維に加工する方法である。中空繊維は最近ポリ
エステル、ナイロン繊維素材に機能性を持たせるため研
究が盛んに行われている。その一つに、中空にすること
によって衣料の軽量化、保温性、保湿性、吸水性、吸汗
性、乾燥性の向上、光沢を良好にするなどの改良が進め
られている。このような改良によって、天然繊維にない
特性を伸ばし、天然繊維に劣っていた欠点を補うこと
で、さらに優れた長所を付与することが可能になった。
【0019】このような中空加工は、紡糸の時に行う方
法と、編物、織物にした後の染色工程において、繊維の
中心部を溶かし出し中空形状にする方法などである。中
空の形状は、マカロニ型、C型、スリット型などであ
る。また、中空の形も丸型、三角、菱形断面等である
が、いずれも押しつぶれないように考案されている。中
空率は10〜50%以上のものまで研究されているが、
性能から見て20〜40%のものが大半を占めているよ
うである。
【0020】本発明は、ポリエステル、ナイロンに施さ
れた中空形状の内部に吸血害虫の忌避剤をマイクロカプ
セルあるいはエマルジョンとして加工することによっ
て、その薬剤の忌避効果を飛躍的に延長することが可能
になった。薬剤処理は中空内だけではなく、同時に外部
に加工することもできる。
【0021】本発明の忌避剤として使用できる薬剤は、
N,N−ジエチル−m−トルアミド(以下、ディートと
いう)にピレスロイド系殺虫剤の併用は効果的である。
例えば、3−(2,2−ジクロロエチニール)−2,2
−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(3−フェノキシ
フェニル)メチルエステル(以下、ペルメトリンとい
う)、2−ジメチル−3−(2−メチルプロペニル)シ
クロプロパンカルボン酸(3−フェノキシフェニル)メ
チルエステル(以下、フェノトリンという)などであ
る。
【0022】このほかの忌避剤としては、N,N−ジエ
チル−2−エトキシベンズアミド、N,N−ジプロピル
−2−ベンゾキシアセトアミド、イソブチル−4−メチ
ルカルボスチリル、N,N−ジプロピル−2−アセトキ
シベンズアミド、2−ブチル−2エチル−2,3−プロ
パンジオール、1,3−オクタン−ジオール、ジメチル
フタレート、ジブチルフタレート、1,3−ビス−ブト
キシ−2−イミドゾリドン、N,N−ジエチル−2−ク
ロロベンズアミド、安息香酸プロパンジオール、マレイ
ン酸ジイソブチル、インダロン(ブチル−3,4−ジヒ
ドロ−2,2−ジメチル−4−オキソ−2H−ピラン−
6−カルボキシレート)、メチル−6−n−ペンチル−
シクロヘキセン−1−カルボキシレート、シトロネラ
ル、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、n−ヘキ
シルトリエチレングリコールモノエーテルなどが吸血害
虫の忌避剤として有効で、使用に際して1種または2種
以上併用することができる。これら忌避剤以外として
は、ピレスロイドおよび合成ピレスロイド殺虫剤に対す
る効力増強剤として、ピペロニルブトキサイドおよびS
−421と呼ばれるオクタクロロージプロピルエーテル
を併用すれば、殺虫および忌避効力が増強される。特に
S−421はピレスロイド系殺虫剤、忌避剤としての効
力を増強する低毒性の優れた化合物である。また、保留
剤の併用、特にディートにはバニリンの併用が有効であ
って、さらに効果を延長することが可能である。
【0023】薬剤加工の他の方法として、樹脂と併用し
て熱処理して樹脂加工を施すことができる。この処理を
施せば、薬剤が洗濯時の水中に溶け出す量を著しく減少
させることが可能である。熱処理方法としては、特殊変
性ポリエステル水分散液と本発明による忌避剤あるいは
忌避剤に効力増強剤、保留剤を併用した薬液をポリエス
テル、ナイロン中空繊維に加工した後、熱処理を施せ
ば、忌避剤その他併用薬剤が繊維表面で樹脂加工される
ので耐洗濯回数が向上する。
【0024】忌避剤を繊維に固着させる方法において、
架橋剤と併用し熱処理することにより機能性を発揮する
ものとしてはポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキ
レン樹脂、グアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミ
ン樹脂、尿素樹脂などであり、忌避剤成分に対し樹脂分
として3〜5%使用する。薬剤処理時の絞り率は、薄手
の織物で30〜50%、厚手のものおよび綿、麻などは
70〜80%であるので、絞り率によって薬剤の濃度を
加減する必要がある。忌避剤の量はm2 当り0.01〜
0.5g、好ましくは0.03〜0.3gでよいが、厚
手のものは若干増量する。また、効力増強剤は忌避剤に
対してm2 当り2〜5倍量添加することによって、忌避
剤量は0.01〜0.1gと単独に比較し、かなり減量
することが可能になる。この減量は、薬剤の安全性をそ
れだけ軽減することになるので重要なことである。
【0025】耐洗濯効果は、家庭用自動洗濯機を使用
し、洗剤は粉末石鹸、液体洗剤、濃縮洗剤、酵素入り洗
剤で行なったが、どの洗剤でも50〜100回、条件に
よっては300回位の洗濯後においても約80%以上の
薬剤の残留が認められた。
【0026】この耐洗濯性は、普通の合成繊維そのまま
のものに処理したときはせいぜい50回が限度であるこ
とからして納得できることである。
【0027】この耐洗濯性効果は、厚手の織物はともか
く、パンテイストッキングのように薄手のものに対する
効果を見ると、その効果が顕著に表れる。
【0028】本発明は、吸血昆虫忌避剤を主剤として中
空形状のポリエステル繊維またはナイロン繊維にエマル
ジョン、マイクロカプセルなどとして加工するのである
が、対照繊維製品は、一般衣類、パンテイストッキン
グ、ソックス、手袋、手拭、作業衣をはじめ、キャンピ
ング用品、登山用品、魚釣用衣類、ゴルフ用衣類、ある
いは農業関係者衣類、林業関係者衣類、および軍需関係
者用品や野外で使用する天幕、帽子、手拭などにも応用
して、その効果が期待できる。
【0029】忌避剤および効力増強剤は、単独またはこ
れらをキシレン、トルエン、アセトン、エタノール、グ
リコール、あるいはグリコールアルキルエーテルなどの
溶剤に溶解した後、非イオン界面活性剤、アニオン界面
活性剤を添加して水中で乳化分散させるか、またはこれ
らを用いてマイクロカプセル化して使用する。また、こ
れには各種樹脂エマルジョンまたは自己架橋型樹脂を併
用することができる。この他、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、塩化ベンザルコニウムをはじめ、一般の抗菌剤、防
黴剤あるいは消臭剤などを併用することもできる。
【0030】
【作用】本発明は、蚊、ブユ、ヌカカ、アブ、ダニなど
の吸血害虫の忌避剤を、中空率10〜50%を有するポ
リエステル繊維またはナイロン繊維の主として中空部に
加工することによって、忌避剤成分の効力を長期間保持
できるように加工する方法である。吸血害虫の忌避方法
は、これらの薬剤を加工した衣類を着用することによっ
て、吸血害虫による被害を防止する方法である。
【0031】中空部への加工は、忌避剤成分をエマルジ
ョンまたはマイクロカプセルとして使用する。忌避剤成
分には、その効果の持続性を向上させるために保留剤あ
るいは効力増強剤を併用する。また、洗濯による薬剤の
消滅を防止するために樹脂を併用して加工することもで
きる。
【0032】忌避剤として使用する薬剤は、忌避剤とし
て効果のあるディートおよびペルメトリン、フェノトリ
ンなどのピレスロイド系のものであるが、ピレスロイド
系の薬剤に対し特に優れた効力増強剤S−421の併用
は、忌避剤成分を大巾に減量することができる。これら
の薬剤を中空部に加工することによって、従来のような
繊維表面の加工と比較して、特に優れた耐洗濯性と効力
の持続性能を得ることができた。
【0033】
【実施例】以下、実施例によって詳細説明する。
【0034】(実施例1) (1)忌避剤を乳化分散させた液で中空糸ポリエステル布に対する加工 吸血害虫忌避剤処方 添加量(%) 薬 剤 名 No. 1 No. 2 オクタン1,3ジオール 35.0% − ディート − 35.0% オクチルフェノール E.O.10モル付加物 10.0 10.0 エチルグリコール 15.0 15.0 カチオン性ポリウレタン水分散液(30%) 40.0 40.0 計100.0% 100.0% ポリエステル中空糸を使用した布に対する加工 ポリエステル中空糸(中空率40%)を使用した織物
(ユニチカ(株)製品、中空率40%、商品名「エアフ
ロ」)を用いた。加工方法は、上記、吸血害虫忌避剤N
o.2を10%水に添加した処理液中に、ポリエステル
中空糸布を2分間浸漬した後、マングルで絞り率70%
に絞った。薬液を中空の中に完全に入れるため、この操
作を2回繰り返し行なった。乾燥は、80℃で5分間行
なった後、120℃で2分間、熱処理した。対照とし
て、普通のポリエステル繊維による同様な織物に同条件
で処理した。
【0035】この加工布をそれぞれ10回、30回、5
0回、100回、および300回洗濯を行ない、それぞ
れの布に付いてアカイエカ、ヒトスジシマカに対する忌
避効果に対する試験を行なった。試験は対照として、普
通のポリエステル布を用いて同様に行なった。忌避試験
結果を表1に示す。
【0036】
【表1】 (実施例2) (2)薬剤のマイクロカプセル剤をポリエステル中空糸布への加工 マイクロカプセル剤による忌避剤の処方 添加量(%) 薬 剤 名 No. 3 No. 4 オクタン1,3ジオールマイクロカプセル(40%) 10.0 − ディートマイクロカプセル (40%) − 10.0 アクリル樹脂分散液 (樹脂分45%) 8.0 8.0 オクチルフェノール E.O.10モル付加物 5.0 5.0 エチルグリコール 10.0 10.0 水 67.0 67.0 計 100.0 100.0 マイクロカプセル剤を用いた忌避薬剤のポリエステル中
空糸布への加工方法 ポリエステル中空糸(ユニチカ(株)製品、中空率40
%「エアフロ」)による布を用いた。加工方法は、上記
マイクロカプセル剤を用いた忌避剤No.4の35%を
水に添加した処理液中に、ポリエステル中空布を2分間
浸漬した後、マングルで絞り率70%に絞った。この操
作を2回繰返し行なった。乾燥は、80℃で5分間行な
った後、120℃で2分間、熱処理した。
【0037】この加工布をそれぞれ10回、30回、5
0回、100回、および300回洗濯を行ない、それぞ
れの布についてアカイエカ、ヒトスジシマカに対する忌
避効力試験を行なった。試験は対照として、普通のポリ
エステル布を用いて同様に行なった。蚊に対する忌避試
験結果を表2に示す。
【0038】
【表2】 洗濯後の薬剤残量定量試験 処理方法 実験に使用する試験布は、一般のポリエステル布および
中空糸(中空率40%)を使用した布に忌避剤、効力増
強剤を配合した薬剤の水中分散液(薬剤No.1および
No.2)およびマイクロカプセル剤とした水中分散液
(No.3およびNo.4)を用いて、実施例1に示し
た方法で、それぞれの試験布に加工した。それらの加工
布は、加工後に熱処理、洗濯を行い、洗濯後の残存薬剤
量の分析を行なった。この結果を表3、表4に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】 洗濯試験 洗濯方法:JIS L0217−103に準じて行なっ
た。
【0041】洗濯回数:0回、10回、30回、50
回、100回、300回 処理布の付着薬剤量の分析方法 洗濯後の試験布を10×10cmに切り、アセトン約80
ml中に入れ、超音波振盪機で10分間抽出を行なっ
た。抽出後、抽出アセトン液を100mlのメスフラス
コに入れ、少量のアセトンで布を洗い、全量を100m
lとした。この液をガスクロマトグラフにより分析を行
なった。
【0042】分析方法 ガスクロマトグラフは8mg/100ml有効成分を含
む液を0.004ml注入した時、conc値が8.0
00になるように設定し、定量分析を行なった。
【0043】使用した機械と条件 装 置 GC−9a型 ガスクロマトグラフ
((株)島津製作所) 検 出 器 水素炎イオン化型検出器 分 離 管 G−columng −100((財)化学品検査
協会) length :20m film thichness :0.5 I.D. :1.2mm 分離管温度 初温 180℃ 2分後、1分間 10℃ 昇温 260℃ 5分間一定温度 気化室温度 280℃ キャリアー流速 毎分 40mlの間の一定量 水素流速 毎分 30〜50mlの間の一定量 空気流速 毎分 0.5〜0.7リットルの間の
一定量 蚊忌避効力試験 大阪府立公衆衛生研究所における試験方法に準じて行な
った。
【0044】蚊忌避試験に使用する加工布 実施例において加工した中空糸ポリエステル布および一
般ポリエステル布を直径約12cm、長さ約50cmで一方
を閉じ、筒状に縫製して腕に装着し、忌避試験に供し
た。
【0045】蚊忌避試験方法 アカイエカの場合は、約30×30×30cmの大きさの
蚊飼育用ケージに、供試蚊約100匹を放ち、暗い所で
活動する蚊であるので暗幕のなかで数時間放置した後、
30℃±2℃、湿度60〜70%の条件下で行なった。
【0046】ヒトスジシマカの場合は、約30×30×
30cmの大きさの蚊飼育用ケージに、供試蚊約100匹
を放ち、30℃±2℃、湿度60〜70%の条件下で行
なった。
【0047】モニターの人の腕に筒状に縫製した試料を
装着し、ケージの中に10分間暴露し、蚊に吸血させ
る。10分後に腕を出し、ケージごとポリ袋に入れた
後、クロロホルムで蚊を殺し、死亡を確認したならば、
蚊を回収した後、一匹づつ蚊の腹部を潰して吸血した蚊
の数を計算死、忌避率を求めた。
【0048】忌避試験に使用した蚊の種類と一回の試験
に使用した蚊の数 Culex pipens pallens(アカイエカ) 雌成虫
約100匹 Aedes albopictus (ヒトスジシマカ) 雌成虫
約100匹 パンテイストッキングに対する蚊忌避効力試験 50%中空を有するナイロン繊維で作られたパンテイス
トッキングに、実施例2において試作したマイクロカプ
セル剤とした忌避剤No.3およびNo.4処方の薬剤
の10,20,30%水分散液を使用して、同様な処理
を行なった。比較として、市販のナイロン製パンテイス
トッキングに同じ薬剤を処理した。処理方法は実施例2
に示した方法で行なった。蚊に対する忌避試験は、アカ
イエカにより行なった。忌避試験結果を表5および表6
に示す。
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】 ブユに対する忌避効力試験方法 ゴルフ場周辺において農作業および雑草取り作業を行な
っている人たちの片方に加工済ナイロンソックスを、も
う一方には無加工ナイロンソックスを着用した後、各々
の作業を30分間行ない、ブユに刺された跡を観察し、
その数によって薬剤の効力を判定した。その忌避試験結
果を忌避剤No.1は表6、No.2は表7示す。
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】 ブユに対する忌避効力試験に使用した薬剤および加工方
法 ナイロン中空繊維(中空率50%)を使用して作ったソ
ックスを、1,3−オクタンジオールの40%マイクロ
カプセル化した水溶液10%とディートの40%マイク
ロカプセル化した水溶液8%に、それぞれアクリル樹脂
(樹脂濃度40%)10%を水に加えた水溶液に2分間
浸漬した後、マングルで水分80%に絞った。これを8
0℃で5分間、乾燥した後、120℃で3分間、熱処理
した。
【0053】 試験を行なったゴルフ場および試験実施日時 千葉県銚子市諸持町861 銚子カントリー倶楽部 平成4年8月10日(月曜日)天候 晴れ、 気温 3
1℃ 午後5時30分〜6時00分まで 実験に参加した人数 農作業 15名 草撮り作業 10名
【0054】
【発明の効果】蚊、ブユ、ヌカカ、アブ、ダニなど人体
の皮膚より直接吸血する害虫の被害は、単に血を吸われ
るだけでなく、伝染病を媒介されることも多い。例え
ば、蚊によって媒介されるマラリア、黄熱、デング熱、
日本脳炎、フィラリアなどは今日でも熱帯、亜熱帯地方
で最も多い伝染病に数えられている。これら吸血害虫の
吸血防止策として、殺虫剤の散布や燻煙法が広く行なわ
れているが、野外での実施は殆ど不可能である。野外で
は主として忌避剤を直接皮膚に塗布する方法が行なわれ
ていた。しかし、この方法では、効力時間が短いばかり
ではなく、皮膚に対する違和感も問題になる。本発明
は、忌避剤を中空形状を有するナイロン、ポリエステル
繊維製品に処理し、それを着用することによって、これ
らの害虫を忌避することができものであるが、特に、中
空率が10〜50%の中空率を持っている繊維に、忌避
剤をマイクロカプセル化した後、処理することで効果の
延長と耐洗濯性が飛躍的に向上する。さらに、薬剤に対
する効力増強剤の併用や繊維への固着性を向上させるた
めのポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、アルキレン樹脂およびこれら樹脂に対する架橋剤の
使用によって、期待以上の効果が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/564 23/10 23/12 // A01N 25/34 B 9159−4H D06M 101:30 D06M 15/55 15/564 7199−3B 21/00 F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空繊維を吸血害虫の忌避剤で処理して
    繊維製品とするか、または中空繊維よりなる繊維製品を
    吸血害虫の忌避剤で処理することを特徴とする吸血害虫
    忌避剤の合成繊維への加工方法。
  2. 【請求項2】 中空繊維を吸血害虫の忌避剤で処理して
    繊維製品とするか、または中空繊維よりなる繊維製品を
    吸着害虫の忌避剤で処理するに当り、吸血害虫の忌避剤
    と共に、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキレン
    樹脂、グアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂の
    いずれかと架橋剤を併用することを特徴とする吸血害虫
    忌避剤の合成繊維への加工方法。
  3. 【請求項3】 中空繊維がポリエステル、ナイロン等の
    合成繊維で、中空率10〜50%である請求項1または
    2記載の吸血害虫忌避剤の合成繊維への加工方法。
  4. 【請求項4】 吸血害虫の忌避剤である化合物がエマル
    ジョンまたはマイクロカプセル剤である請求項1ないし
    3のいずれかに記載の吸血害虫忌避剤の合成繊維への加
    工方法。
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