JPH06346067A - 石炭ガス化炉 - Google Patents

石炭ガス化炉

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JPH06346067A
JPH06346067A JP14023793A JP14023793A JPH06346067A JP H06346067 A JPH06346067 A JP H06346067A JP 14023793 A JP14023793 A JP 14023793A JP 14023793 A JP14023793 A JP 14023793A JP H06346067 A JPH06346067 A JP H06346067A
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重義 中村
Hiroshi Fukui
寛 福井
Eiji Kida
栄次 木田
Shuichi Matsuoka
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長時間にわたって安定に操業し、一運転寿命
あるいは一運転時間を顕著に延長可能とした噴流床式ガ
ス化炉を得る。 【構成】 石炭と酸素等のガス化剤を高温で反応させ、
ガス成分を取り出し口2から、石炭の灰分を溶融スラグ
としてスラグタップ3からスラグ冷却室6に落下させ系
外へ排出させる方式の石炭ガス化炉において、ガス化室
内環境に露出する部位に構成される部材、例えばスラグ
タップ部材3あるいは必要に応じて配置される熱電対5
の保護管5aの全部又は一部を、実質的にIrで成形す
るかまたはIrで被覆する。炉内環境温度に耐えうるも
のであればIr合金も使用できる。 【効果】 石炭ガス化炉内の雰囲気に置かれる部材、例
えば熱電対保護管やスラグタップ部材のようなガス化室
内の主要構成部材の耐用性および耐用寿命の顕著な増大
がもたらされる。また非冷却式のスラグタップを構成す
ることができるので、スラグの冷却固化によるスラグ排
出孔の閉塞性が軽減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業状の利用分野】本発明は、噴流床石炭ガス化炉の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭をクリーンでかつ取扱いやすい流体
燃料に転換して利用しようとする、いわゆる石炭転換利
用の一環として、石炭のガス化技術開発が現在活発に推
進されている。中でも、石炭の灰分を溶融スラグとして
生成ガスから分離し、炉外へ排出させることを特徴とす
るガス化法は別名スラッギングガス化とも呼ばれ、特に
噴流床式ガス化法は高能率で灰処理などの環境対応性に
優れているため、現在種々の形式の石炭ガス化炉が提案
され、開発されつつある。
【0003】スラッギング炉においては、石炭と酸素等
のガス化剤を高温で反応させ、一酸化炭素(CO)およ
び水素(H2 )等の有用なガスを生成するとともに、石
炭の灰分は溶融させ、流動性を有する液状スラグとして
ガス化室外へ排出できるようにガス化室内の反応が制御
される。したがって、スラッギング炉の操業温度は一般
に極めて高く、灰分の融点が高い石炭をガス化する場合
は、ガス化室内の雰囲気温度が1500℃を越えること
もまれではない。また、ガス化室内はCOおよびH2
主成分とする還元性の粗ガスおよび多成分の酸化物から
なる石炭灰の溶融物である石炭スラグを主体とし、チャ
ーおよび未溶融ないし半溶融の石炭灰(アッシュ)等の
粉体、アルカリ金属元素およびSiOのような蒸気圧の
高い物質の蒸気、硫化水素や塩化水素などが高温下で共
存し、場合によっては高速でそれらの物質が噴流する環
境であるため、材料に対する腐食/損耗作用は一般的に
極めて大きい。
【0004】このような高温かつ腐食性の高い環境の下
で、何らかの対策なしに支障なく長期の使用に耐えるガ
ス化室の構成材料は現状では存在しない。そこで、灰の
溶融温度が低くない石炭のガス化を可能にした形式のス
ラッギング炉では、ガス化室の炉壁や炉床耐火材の非稼
働面側を冷却して材料温度を低下させた耐火ライニング
水冷壁とすることによって、炉の高温操業を可能にする
方法が採用されることが多い。
【0005】一方、スラッギング炉においてスラグをガ
ス化反応室の外へ流下/排出させるための開口部(以
下、スラグタップという)は、スラグの冷却固化による
スラグタップ孔の閉塞が起こらないように高温に維持さ
れなければならず、同時にスラグタップ構成部材として
は腐食性が強いガスや溶融スラグ等の侵食作用に耐える
ように部材を構成する必要がある。
【0006】スラグタップには、耐火煉瓦等のセラミッ
クス系材料で構成する非冷却式スラグタップ、前記耐火
ライニング水冷壁と同様の構成にした耐火ライニング水
冷式スラグタップ、あるいは特開昭56−47488号
公報に開示されているような水冷管付き金属鋳物製スラ
グタップ、あるいは該冷却式スラグタップをガス化室内
の高温部に持ち上げ、スラグプールを形成させることに
よってスラグ流下に必要な温度を維持しようとしたスラ
グタップ、あるいはこれらのスラグタップを加熱するた
めのバーナと組み合わせて構成したスラグタップ、ある
いは特開昭62−236891号公報で開示されている
自己加熱式ともいえるスラグタップなどが知られてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする技術課題】これらのスラグタ
ップの構成において、耐火煉瓦等のセラミックス系材料
を用いて非冷却式スラグタップを構成する場合は、タッ
プ孔は冷却されにくいので安定したスラグの流下・排出
というスラッギング炉における最も重要な機能の一つを
円滑化する上で効果がある。その反面、耐火煉瓦等のセ
ラミックス系材料は高温のプロセス雰囲気による消耗あ
るいは溶融石炭スラグの浸透・侵食・エロージョン作用
により過酷な損耗環境におかれ、部材寿命を長期にわた
って維持することが困難であり、ガス化室の補修サイク
ルを短くするという欠点がある。
【0008】一方、スラグタップ部材の寿命を維持する
ため、何らかの冷却手段を設けた方式のスラグタップに
おいては、ガス化室内の反応熱もしくは補助バーナによ
るスラグタップの加熱と、強制冷却手段によるスラグタ
ップの温度降下のバランスを維持することが必ずしも容
易でなく、ガス化室内の反応条件の変動に伴ってスラグ
タップが閉塞しやすいという欠点がある。
【0009】また、この種の石炭ガス化炉における部分
酸化ガス化法は、供給されたガス化剤と石炭との割合に
よって結果的にガス化温度が定まるというのが特徴であ
り、ガス化室内の温度測定は石炭ガス化炉の操業におい
て必ずしも必須の要件ではないが、スラグタップ近傍や
ガス取り出し口などガス化室内部要所の温度を知ること
により、ガス化の状況やスラグの流動性などを的確に把
握することが可能となる。したがって、ガス化室内の温
度を適切に測定し得ることは、石炭の種類に応じて最適
なガス化条件を選択しもしくは炉の安定な操業を継続す
る目的において非常に好都合である。
【0010】ガス化室内の温度を感度よく計測するため
には、一般的には、シースで覆われた高温タイプの熱電
対を保護管を介してガス化室内に突き出し、室内の雰囲
気に十分触れさせる必要がある。熱電対保護管の材料に
ついては、特公平2−46549号公報で開示されたセ
ラミックス系材料の提案、あるいは文献(R.Y.Young:
"Recent Developments in High Pressure, Entrained F
low Slagging Gasification of Coal", 8th Intern. Co
nf. on Coal Gasification, Liquefaction andConversi
on to Electricity, または DOE Report No.ET/14705-1
3)に記載されているモリブデン基材の表面を酸化クロ
ム(Cr2 3 )で被覆して形成した熱電対保護管など
が知られている。保護管は、その部材に要求される機能
から自明のように、冷却等の手段で材料温度を低くして
用いることができないため、ガス化室内の高温かつ高腐
食性のガスやスラグに直撃され、また非常に急激な温度
変化に曝されるために、一般的には極めて短い寿命しか
有しないという問題があり、耐用寿命を大幅に改善した
石炭ガス化炉用熱電対保護管が求められている。
【0011】本発明の目的は、スラッギング石炭ガス化
炉におけるこれらの課題を解決することにある。すなわ
ち、ガス化室に設けられたスラグ排出孔(スラグタッ
プ)はスラグの冷却固化により閉塞しやすいこと、その
解決手段として閉塞を生じにくくするためにスラグタッ
プ部材を冷却しないようにしたタイプの石炭ガス化炉に
おいてはスラグタップなどガス化室内の主要構成部材が
比較的短時間のうちに損耗しやすいこと、また、ガス化
室内に設置された熱電対保護管が一般に短寿命であるた
めにガス化室内におけるガス化反応の状況把握が困難と
なり、ひいてはガス化室内の過昇温に伴う諸々の障害も
しくは温度が低下しすぎてスラグタップの閉塞に至るこ
と、などの障害のために総じて石炭ガス化炉を長時間に
わたって安定に操業しにくいというスラッギング石炭ガ
ス化炉における操作上あるいは装置上の課題を解決し、
石炭ガス化炉操業における一運転寿命あるいは一運転時
間を顕著に延長するのに好適なスラッギング式石炭ガス
化炉の新規な構成を提案することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の諸
問題を解決しかつ目的を達成するために多くの研究と実
験を継続して行った。その過程において、先ずスラッギ
ング石炭ガス化炉のガス化室内の主要部材に高融点金属
であるIrの適用を着想した。文献(石黒登ほか:工業
レアメタル,No.91,1987,p.50 など)によれば、Irは
融点が2447℃で比較的難加工性の白金属元素であ
り、高温での化学的安定性については、酸化性雰囲気で
揮発性酸化物を形成し緩やかに消耗すること、黒鉛や特
定の金属元素と反応せず、工業的には石油化学における
反応触媒および酸化物単結晶作製用溶解坩堝材などに賞
用されているなどが知られている。しかし今日まで強還
元性かつ強腐食性の高温ガス溶融石炭スラグが渦巻くガ
ス化室内の環境におけるIrの耐用の可能性については
全く知られていない。そこで本発明者らは、上記の目的
を達成すべく、Irのガス化環境における耐用性もしく
は耐腐食性について以下に記すような実験を行った。
【0013】〔実験I:実験室的模擬環境下での腐食試
験〕より広い環境条件でのIrの耐用性評価を目的とし
て、模擬環境での腐食試験を実施した。実験要領は次の
通りである。噴流床石炭ガス化炉内の主たる環境を模擬
するため、純度が99.9%級のIr試験片(寸法:1
0mm×20mm×1mm)を、Cr2 3 を主成分と
する耐火物でサンドイッチ状にはさんだセットを白金ま
たは黒鉛坩堝内に置き、坩堝内の空隙部を太平洋炭の灰
(重量:約20g)で充填した。Ir試験片を耐火物で
サンドイッチしたのは、ガス化室のライニング材として
通常耐火物が使用されており、耐火物成分とIrとの反
応を調べる必要があったためである。
【0014】石炭灰の充填量は、灰が加熱溶融したとき
坩堝内でIr試験片および耐火物試料のサンドイッチが
共に溶融スラグと雰囲気ガスの両者に触れるように配慮
して決めた。この坩堝を外熱式管状電気炉内に設置し、
空気、窒素、もしくは一酸化炭素ガスを12リットル/
h流しながら1650℃ないし1600℃に5時間加熱
保持した。表1は、実験した4組の試験条件の組合せお
よび試験結果としてのIr試験片の状況を示す。
【0015】
【表1】
【0016】同表に示すPo2 は、実験に用いた雰囲気
ガスの種類と純度または加熱試験が終了した後に坩堝内
に析出もしくは残存した物質を基に熱力学的検討により
推定した値である。同表に示すように実験番号1および
2、すなわちPo2 >10-4atmの雰囲気では、Ir
試験片は試験前と同様の金属光沢を保持しており、重量
の増減もしくは腐食物の生成など、損傷の兆候は皆無で
あった。実験番号3では、Ir試験片の表面にやや緑色
を帯びた黒色の付着物が認められたものの、付着物除去
後のIr試験片に外観上の異常は殆ど認められなかっ
た。その反面、耐火物の部分的な溶損があり、黒鉛坩堝
の内壁に金属状の薄い皮膜がマクロ的にほぼ連続して形
成していた。分析調査の結果、試験片内部にIr以外の
元素は検出されず、Ir試験片表面の付着物は大部分が
Cr2 3 であること、坩堝内壁の薄膜状析出物はCr
236 とCr7 3 で、坩堝内に残存していたスラグは
試験前のスラグ組成に耐火物から溶出したCr2 3
少量のZrO2 を含み、鉄酸化物はFeに還元されるこ
となくスラグ成分として存在していることが分かった。
【0017】以上の結果は次のように考察される。低酸
素分圧雰囲気下でのCr2 3 の融点低下、スラグへの
溶融、溶融スラグ中のCr2 3 と黒鉛(C)の反応に
よるクロム炭化物(Crx y )の形成/坩堝内壁への
析出。一方、系に存在する物質の中で最も解離しやすい
鉄酸化物を還元するほど雰囲気の酸素分圧は低下してお
らず、したがってPo2 は10-8atm以上であったと
推定される。また、クロム炭化物が形成する一方、炭化
鉄(Fe3 C)が検出されないのは、FeOに対して多
量のCr2 3 が存在したためと考えられる。
【0018】実験番号4では、セットしたIr試験片と
耐火物試料は元の形状を殆どとどめず、白灰色を帯びた
非金属状の反応物が坩堝から吹きこぼれ、坩堝底には同
様の反応物と共に溶融凝固したメタル相が、また吹きこ
ぼれた非金属状反応物の中にもメタル相が存在した。こ
れは、試験環境の還元性が過大なために生じたもので、
坩堝内の酸化物から還元生成した金属元素とIrとが相
互に合金化、低融点化し、あるいは金属間化合物/炭化
物を形成したものである。いずれにしても、実験番号4
のような強還元環境で多種類の酸化物が共存する条件で
は、その形状を維持することが必要な部材へのIrの適
用は望めないと推察されるが、今日多様されている実機
としてのスラッキング炉においてはこのような強還元環
境下で運転されることはない。
【0019】〔実験II:実プラント試験〕上記の実験室
的模擬環境下での腐食試験によりIrの有効性を認識で
きたので、次に本発明者らは実プラントでの試験を行っ
た。以下にそれを記す。Irの純度が99.9%級の板
状試験片(寸法:5mm×95mm×1mm、質量:約
11g)2枚を実プラントガス化室内の環境で暴露試験
した。その内の1枚(TP No.1)は、ガス化室の
耐火物製炉床面に接触させて設置した。この部位はプラ
ントのガス化試験運転の間、主として溶融石炭スラグが
試験片の表面を流れる環境である。他の試験片(TP
No.2)は、ガス化室の耐火ライニング水冷壁に設け
られた熱電対保護管取り付け部に、試験片の一端約40
mmを差し込む形で設置した。したがって、TP N
o.2は試験片長さのおよそ55mmがガス化室内のガ
スとスラグ/チャーが飛散する雰囲気環境である。
【0020】暴露試験におけるプラントのガス化試験運
転条件は圧力:30atm、試験時間累計:100時間
強、石炭投入量累計:120t強であった。なお、プラ
ントの運転中、各試験片が曝された環境温度の詳細は特
定できないが、TP No.2と抱き合わせて設置され
たセラミックス製保護管付き熱電対による測定値によれ
ば、短時間ではあるが最高1750℃の温度が検出され
ている。プラント運転終了後に各試験片を採取した。そ
れらの耐用/損傷状況の詳細調査結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】同表に記載の通り、試験片表面を主にスラ
グが流れたと推定されるTP No.1の試験片は、金属光
沢を有しているものの、炉床に接した面が一部溶融状を
呈し硝子状の付着物が固着していた。試験片の比較的健
全な部分、溶融状を呈していた部分および付着物につい
てエネルギー分散型X線分析(以後EDXという)およ
びX線回折(以後XRDという)等による分析調査を行
った。その結果、溶融状を呈した部位のIrにはFeが
合金化していること、健全部からはIr以外の成分は検
出されず、付着物は石炭スラグの固化物もしくは炉床耐
火物(主成分:Cr23)の破片であることが同定され
た。また、Irを含んだ腐食物の生成は試験片のどの部
分からも見いだせなかった。
【0023】IrへのFeの合金化ならびに一部溶融状
外観の形成については次のように考察される。暴露試験
が行われたプラントの運転状況を調べた結果、運転中の
ごく限られた時間ではあるが、ガス化室内からスラグが
排出されず、この間溶融スラグがガス化室内に蓄積され
た時間帯があること、石炭が高温でガス化される環境下
では石炭スラグ中の酸化鉄は恐らくはFeOであり、ス
ラグ成分の中でも最も還元されやすい酸化物であるこ
と、FeOの平衡解離圧(酸素分圧:Po2 で表す)と
ガス化室内における雰囲気ガスの平衡解離圧は、160
0℃においておおよそ同等のレベル(Po2 ≒10-8
tm)にあることから、スラグがガス化室内に蓄積滞留
している間に雰囲気ガスがFeOを還元し、Feを生成
する可能性がある。Ir−Fe系の相平衡状態図(Asses
sed Fe-Ir Phase Diagram, in Binary AlloyPhase Diag
rams: ed by T.B.Massalski, et al,1 (1986), 1072, A
SM )によれば、純Irの融点は2447℃であるのに
対し、Feの合金化によるIr−Fe合金の溶融温度の
低下は急激で、Ir−25%Feでおよそ1800℃、
Ir−70%Feでは1600℃程度であることが示さ
れている。
【0024】次に、TP No.2の表面には黒褐色で
剥離しやすい付着物が観察された。調査の結果、この付
着物は石炭スラグが固着したものであり、Irを全く含
んでいないことが判明した。また、付着物を除去した後
の試験片の質量は試験前と変わらなかった。以上の考察
により炉床暴露試験片の損傷原因はほぼ説明される。ま
た炉壁暴露試験片の健全性を併せて考慮することで、ス
ラグが絶え間なく流下してくるガス化室炉床の環境であ
っても、ガス化室内の気相が主体となる環境でも、スラ
グを滞留させない限りIrはその高融点を保ち、また、
スラグや耐火物成分と反応して腐食等の損傷を被る危惧
は少ないと結論される。
【0025】以上に述べたフィールドテストおよび実験
室的環境での模擬試験により、噴流床ガス化室の環境で
Irが極めて優れた耐用性を有することが実証された。
そして、上記でのIrのガス化環境での優れた耐用性は
不可避的な不純物の含有を許容したいわば実質的な純I
rにおけるものであるが、ここに述べたIrの耐用性は
Ir−Rh合金、Ir−Re合金のような高融点を持つ
Ir合金、またはIr−Pt合金のように成分比によっ
ては2000℃程度以上の融点を持ち得るIr合金のよ
うな場合であっても、同様に示されるであろうことは当
該技術分野の者にとっては当然に予期できることであ
る。Ptは40重量%以下(好ましくは1〜20%)が
好ましく、Rh及びReは全率固溶体を作り、いずれの
組成でも2000℃以上の融点を有する。合金化するこ
とによって強度の高いものが得られる。Rh及びReは
いずれも40%以下、特に1〜20%が好ましい。
【0026】本発明は上記のような実験と経験により得
られた知見に基づくものであり、基本的に、石炭と酸素
等のガス化剤を高温で反応させ、石炭の灰分を溶融スラ
グ化してガス化室の外へ排出させる方式の石炭ガス化炉
において、ガス化室内環境に露出する部位に構成される
部材の全部又は一部を、実質的にIrでまたはIrで被
覆して構成することによって達成される。
【0027】石炭ガス化炉内の雰囲気温度以上の融点を
持つIr合金によっても目的は達成可能であり、例とし
て、Ir−Rh合金、Ir−Re合金、又はIr−Pt
合金であって融点が石炭ガス化炉内の雰囲気温度以上で
ある組成のものをあげることができる。石炭ガス化炉内
の雰囲気温度は1500℃〜1600℃程度であること
から、Ir−Pt合金の場合には融点が2000℃以上
である組成のものを用いることは好ましい態様である。
【0028】さらに、Ir又はIr合金で構成あるいは
被覆される部材はガス化室内環境に露出する部位に構成
される任意の部材であってよいが、実機の運転におい
て、熱電対保護管およびスラグタッブなど、ガス化室内
のガス/スラグ環境が過酷な部材へ適用することが好ま
しく、また、ガス化室のガス取り出し口のような噴流床
石炭ガス化炉において飛散スラグが付着しやすいガス流
路の構成部材として使用することも好ましい。特に、後
者の場合、部材がIrであることにより当該部位におけ
る部材温度の設定限界が大幅に広がり、かつ耐火ライニ
ング等の材料に比較してスラグが付着しにくいので、飛
散スラグの付着を軽減するためのプロセス上の施策の選
択範囲を広げるという新規な効果を期待できる。
【0029】
【実施例】以下、いくつかの実施例に基づき本発明をよ
り詳細に説明する。図1は本発明を適用した噴流床石炭
ガス化炉の一実施例の部分概念図である。石炭ガス化炉
は、ガス化室1と炉床部を介してその下方に位置するス
ラグ冷却室6とを有しており、前記ガス化室1はその上
部にガス取り出し口2を、また炉床部にはスラグ取り出
し口(スラグタップという)部材3を有している。また
ガス化室1の炉壁部位には石炭とガス化剤の供給バーナ
4、及びガス化室内の温度を検出する手段として熱電対
5が設置されており、該熱電対5は保護管5aにより保
護された状態でガス化室1内に突出している。なお、こ
の構成は従来知られた噴流床石炭ガス化炉の場合と同様
であり詳細な説明は行わない。
【0030】この実施例において、スラグタップ部材3
および該熱電対の保護管5aをIr製とした点において
従来のものと異なっている。この噴流床石炭ガス化炉に
おいても従来のものと同様に、バーナから供給される石
炭とガス化剤はガス化反応を伴いながら噴流してガス取
り出し口2から後流機器へ送られ、石炭中の灰分は溶融
スラグ化してスラグタップ部材3の部分を通りスラグ冷
却室6へ流下する。一方、熱電対5で検出される温度は
ガス化室内の温度監視、スラグ流下性の判定等に用いら
れる。
【0031】上記実施例においては、熱電対保護管5a
およびスラグタップ部材3を構成する部材はIr製であ
りガス化室1内の高温かつ高腐食性環境において実質的
な損耗が起こらないので、熱電対5による測温を長期に
わたりかつ安定して行うことができ、ガス化室1内の反
応の監視および制御を適切に行うことができる。また、
従来のようにスラグタップ部材3を延命するための冷却
が不要になるのでスラグタップの閉塞トラブルが顕著に
軽減され、石炭ガス化炉の運転操作が容易となり、長時
間連続運転を維持する上での障害が取り除かれる。
【0032】なお、上記の実施例において、熱電対保護
管5aおよびスラグタップ部材3を構成する部材をすべ
てIr製としているが、熱電対保護管5aおよびスラグ
タップ部材3がガス化室環境に曝される部分のみをIr
製としてもよく、またその部分をIr製の被覆材により
覆うようにしてもよい。後者の例を異なった形式の噴流
床石炭ガス化炉を適用した場合について、図2により説
明する。
【0033】図2に示される噴流床石炭ガス化炉は、炉
床部にスラグタップ部材3aに加えガス戻り口(ガスタ
ップ部材という)3bを設けた点、石炭とガス化剤の混
合流体が旋回するように噴出するバーナ4aおよび4b
をガス化室の高さ方向に2段に配置し、前記バーナのう
ち上段バーナ4aはガス化室高さ方向の1/2より上方
に、また下段バーナ4bはガス化室高さ方向の1/2よ
り下方にそれぞれ設け、かつ上段バーナから噴出される
混合流体の旋回円径を下段バーナから噴出される混合流
体の旋回円径よりも大きくし、さらにガス化室内の温度
を検出する手段として熱電対5を上段バーナ4aと下段
バーナ4bの間に配置した構成となっている。そして、
この実施例において、前記スラグタップ部材3aおよび
ガスタップ部材3bは耐火煉瓦で構成されており、熱電
対保護管5aはセラミック部材で構成されている。
【0034】この実施例において、前記熱電対保護管5
a、耐火煉瓦製のスラグタップ部材3aおよびガスタッ
プ部材3bのガス化室内の環境に触れる部分には板厚1
〜2mmのIr薄板で製作したキャップ7、8および9
でカバーして石炭ガス化炉を構成している。本実施例の
構成の下で、上下2段のバーナ4a、4bから供給され
る石炭とガス化剤の混合流体は旋回下降流を形成しなが
ら石炭のガス化反応が進む。高温ガスの一部はスラグタ
ップ部材3aからスラグ冷却室6へ、スラグ冷却室6か
らガスタップ部材3bを経てガス化室に戻るガス流れ系
を形成することにより、スラグタップが加熱され溶融石
炭スラグの排出が容易になる。ガス化ガスは最終的には
ガス取り出し口2から後流機器へ送られる。
【0035】本実施例を運転研究中の石炭ガス化プラン
トに適用した結果、セラミック製熱電対保護管5aの寿
命は従来20時間程度であったが、Ir製キャップ7の
寿命は少なくとも100時間以上に延命されてなお健全
であった。また、耐火煉瓦製スラグタップおよびガスタ
ップ部材のキャップ8と9は、高温ガス/スラグによる
損耗が外観的には皆無であり、耐火煉瓦製スラグタップ
部材3aおよび3bの損耗が生じなくなるという顕著な
効果が確認された。
【0036】図3は、本発明のさらに別の実施例を示す
石炭ガス化炉の部分概念図であり、図1に示した石炭ガ
ス化炉におけるガス化室1の上部のガス取り出し口2お
よびその下流側のガス流路配管部分21とをIr製部材
11で内張りする構成とすると共に、該内張り11をガ
ス取り出し口2部分から石炭ガス化室1内にいくぶん延
出させた構成としたものである。なお、10はガス冷却
手段であり水(スチーム)あるいは熱交換後の生成ガス
をガス流路配管部分21に噴出させる。
【0037】本実施例によれば、ガス取り出し口2およ
びその下流側のガス流路配管部分21を耐火ライニング
等の材料で構成する場合に比較して、寿命の長期化とと
もにガスに随伴される飛散スラグが流路系に付着しにく
く、流路が閉塞しにくいという効果がある。なお、上記
の例はあくまでも本発明による石炭ガス化炉のいくつか
の実施例であって、他に多くの変形例が存在する。例え
は、図1あるいは図3に示す形式の石炭ガス化炉におい
てその熱電対保護管5a、スラグタップ部材3をそれぞ
れセラミック製あるいは耐火煉瓦製とし、そのガス化室
内の環境に触れる部分に図2に説明したIr薄板製のキ
ャップを施してカバーする場合、また、図3において説
明したIr製の内張り11を持つ構成を図2に示す形式
の石炭ガス化炉に適用する場合であっても、本発明の目
的は達成可能であることは容易に理解されよう。また、
前記のように、実質的にIr製でなくても一定条件を満
足するIr合金製であってもやはり目的は達成可能であ
ることも容易に理解されよう。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、石炭ガス化炉内の雰囲
気に置かれる部材、例えば熱電対保護管やスラグタップ
部材のようなガス化室内の主要構成部材の耐用性および
耐用寿命の顕著な増大がもたらされるため、スラグの流
下状況等ガス化室内におけるガス化反応状況の正確な把
握ならびに石炭ガス化炉の最適制御への反映が可能にな
る。また非冷却式(言い換えれば断熱型)のスラグタッ
プを構成することができるので、スラグの冷却固化によ
るスラグ排出孔の閉塞性が軽減され、ガス化室内の過昇
温が不要になることによるガス化効率の向上が期待され
るなど、総じて石炭ガス化炉を長時間にわたって安定に
操業し、一運転寿命あるいは一運転時間を顕著に延長す
る効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による噴流床石炭ガス化炉の一実施例を
示す部分概念図。
【図2】本発明による噴流床石炭ガス化炉の他の実施例
を示す部分概念図。
【図3】本発明にわる噴流床石炭ガス化炉のさらに他の
実施例を示す部分概念図。
【符号の説明】
1…ガス化室、2…ガス取り出し口、3…スラグタッ
プ、4…バーナ、5…熱電対、5a…熱電対保護管、6
…スラグ冷却室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 重義 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 福井 寛 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 木田 栄次 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 松岡 秀一 千葉県袖ヶ浦市中袖3丁目1番地

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭と酸素等のガス化剤を高温で反応さ
    せ、石炭の灰分を溶融スラグ化してガス化室の外へ排出
    させる方式の石炭ガス化炉において、ガス化室内環境に
    露出する部位に構成される部材の全部又は一部が、実質
    的にIrまたはIrで被覆されて成ることを特徴とする
    石炭ガス化炉。
  2. 【請求項2】 石炭と酸素等のガス化剤を高温で反応さ
    せ、石炭の灰分を溶融スラグ化してガス化室の外へ排出
    させる方式の石炭ガス化炉において、ガス化室内環境に
    露出する部位に構成される部材の全部又は一部が、石炭
    ガス化炉内の雰囲気温度以上の融点を持つIr合金でま
    たは該合金で被覆されて成ることを特徴とする石炭ガス
    化炉。
  3. 【請求項3】 前記Ir合金は、Ir−Rh合金、Ir
    −Re合金、又はIr−Pt合金であって該合金の融点が
    石炭ガス化炉内の雰囲気温度以上の組成のものであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の石炭ガス化炉。
  4. 【請求項4】 前記Ir−Pt合金が2000℃以上の
    融点を持つ組成のものであることを特徴とする請求項3
    記載の石炭ガス化炉。
  5. 【請求項5】 前記ガス化室内環境に露出する部位に構
    成される部材が、ガスあるいは溶融スラグを流通させる
    ためのガス化室の開口部部材、またはガス化室内部に設
    置される熱電対保護管部材である請求項1ないし4いず
    れか記載の石炭ガス化炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012062376A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Babcock Hitachi Kk ガス化炉、ガス化炉の運転方法、及び石炭ガス化複合発電プラント
CN105176593A (zh) * 2015-10-09 2015-12-23 廊坊德基机械科技有限公司 一种用于气流床煤气化炉的防结焦控制系统及方法

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JP2012062376A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Babcock Hitachi Kk ガス化炉、ガス化炉の運転方法、及び石炭ガス化複合発電プラント
CN105176593A (zh) * 2015-10-09 2015-12-23 廊坊德基机械科技有限公司 一种用于气流床煤气化炉的防结焦控制系统及方法

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