JPH0634175Y2 - 電動車の給電線の麈埃付着防止機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、集電子が給電線に接触して供給される電力に
より走行する電動車の給電線の塵埃付着防止機構に関す
る。

従来技術及びその課題 従来、電動車は、電動車に具えた集電子をレールに沿っ
て敷設した給電線に接触させ、駆動電力と制御信号を受
けながら走行するようになっている。

ところが、この給電線には、例えば、カーボン粉、鉄粉
及び油を含んだ塵埃が付着（堆積）し易く、一旦、この
ような塵埃が付着すると、電動車は駆動電力と制御信号
を確実に受けることができず、電動車の走行に支障を生
じるから、給電線は常時清浄にしておかなければならな
い。

そこで、第３図に示すように、走行車輪11とサイドロー
ラ12,12によってレールＲを走行する電動車10の側面に
具えたブラシ13,13の先端13aを給電線14に押付け、電動
車10の走行を利用して塵埃の付着を防止するようにした
ものがある。

ところが、このような構造においては、次の問題点を有
している。

単にブラシを取り付けているだけであるので、塵埃の
付着を完全に防止できない。

ブラシに付着した堆積物が、区間制御のため途中で切
断してある給電線を跨がって接触し、電動車が誤動作す
る可能性がある。

長期間使用していると、ブラシが摩耗し、堆積物の除
去が不確実になる。

なお、塵埃の付着を防止する他の方法として、掃除機と
同様な構造の吸引装置を用いて塵埃を吸い込む方法もあ
るが、この場合の吸引装置は大きな動力を必要とする問
題点があるとともに、吸い込んだ塵埃を収納する容器が
必要であるという問題点を有している。

課題を解決するための手段 本考案は、集電子が接触する給電線に対する空気吹きつ
け手段を電動車に具えるという構成により、前記課題を
解決したものである。

作用 本考案によれば、給電線に付着・堆積する可能性のある
塵埃は、空気吹きつけ手段から吹きつけられる空気によ
り確実に吹き飛ばされるとともに、一旦付着した塵埃も
吹き飛ばして、除去することができる。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

キャリヤ（電動車）20は、連結板21によって接続された
前部フレーム30と後部フレーム（図示省略）を有し、レ
ールＲ上を走行する。

なお、後部フレームは、前部フレーム30と略々同じ構造
であるので、図示は省略する。

前部フレーム30は、チエーン（又はベルト）31を介して
モータ32によって回転する駆動ローラ33と、８個のサイ
ドローラ34と、集電子35を有している。

レールＲは断面Ｉ字状をした長尺の部材で、側面Raに給
電線40が取付けてある。給電線40は、接触する集電子35
を介してキャリヤ20に駆動電力と制御信号を送るもので
ある。

給電線40のうち、制御信号を送る制御線41aは、制御が
異なる区間毎に切断されて区切られている。

連結板21には、空気吹きつけ手段であるブロアー50が具
えてある。ブロアー50は、空気を給電線40に吹きつける
ためのもので、インペラ（図示省略）を内在したブロア
ー管51と、モータ52で構成されている。ブロアー管51の
先端には空気の噴出方向を自由に変更できるようになっ
ている案内管53が、位置決めボルト54によって取付けら
れている。

次に、動作を説明する。

キャリヤ20は、給電線40に接触している集電子35により
送り込まれる駆動電力と制御信号によってモータ32が回
転させられ、駆動ローラ33によってレールＲ上を矢印Ａ
方向に走行する。このとき、ブロアー50のモータ52も回
転し、案内管52から吹き出る空気が給電線40に吹きつけ
られる。

従って、キャリヤ20の走行中は、常時空気が給電線40に
吹きつけられるの、給電線40に付着する可能性のある塵
埃は吹き飛ばされるとともに、一旦付着した塵埃も、固
くこびり付く前に噴出空気の力によって吹き飛ばされ
る。空気の塵埃を吹き飛ばす力は、勿論、適切に設定す
ることができる。なお、案内管52の内部に空気の噴出方
向を変えるように案内板を設けてもよいし、吹き飛ばさ
れた塵埃を、案内して受け入れるような構造物をフレー
ム30の下側に設けてもよい。

なお、以上のキャリヤ20は、駆動減にモータ32を使用し
ているが、レールＲの下面に二次側導体（図示省略）
を、連結板21に一次側電機子（図示省略）を取付けて構
成されるようなリニアモータを駆動源にしてもよい。

本考案による空気吹きつけ手段は、同一の給電線に依存
して稼働するすべての電動車に具える必要は必ずしもな
く、少なくとも１台に設けるようにすればよい。

考案の効果 以上の構成の本考案によれば、 空気を給電線に吹きつけて塵埃を吹き飛ばすので、塵
埃の付着防止が確実である。

給電線には、従来のブラシのように接触する要素が無
いので、制御区間毎に切断されている給電線間が導通状
態になることがない。

塵芥をを吹き飛ばすための動力は比較的小さいもので
よいから、省エネルギーとなり、低コストですむ。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の正面図、第２図は第１図の左
側面図、第３図は従来例の第１図に相当する図である。 20……キャリヤ（電動車） 35……集電子、40……給電線 50……ブロアー（空気吹きつけ手段）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】集電子が接触する給電線に対する空気吹き
   つけ手段を電動車に具えたことを特徴とする、 電動車の給電線の塵埃付着防止機構。