JPH06340452A - 静電容量型センサの製造方法 - Google Patents

静電容量型センサの製造方法

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JPH06340452A
JPH06340452A JP12904093A JP12904093A JPH06340452A JP H06340452 A JPH06340452 A JP H06340452A JP 12904093 A JP12904093 A JP 12904093A JP 12904093 A JP12904093 A JP 12904093A JP H06340452 A JPH06340452 A JP H06340452A
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Japan
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fixed electrode
glass member
silicon
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movable portion
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JP12904093A
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English (en)
Inventor
Keiichi Shimaoka
敬一 島岡
Osamu Tabata
修 田畑
Masahito Kimura
雅人 木村
Hirobumi Funabashi
博文 船橋
Motohiro Fujiyoshi
基弘 藤吉
Susumu Sugiyama
進 杉山
Toshiaki Nakagawa
稔章 中川
Yasuaki Tsurumi
康昭 鶴見
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリコン構造体とガラス部材に形成された固
定電極とを陽極接合時に接続して、両部材間の静電気力
の発生を防止し、シリコン可動部と固定電極とに形成さ
れる間隙を狭くすることにより、高感度な静電容量型加
速度センサを得る。 【構成】 シリコン構造体70の表面の絶縁膜72上に
形成した可動電極出力端子73と固定電極出力端子74
とを接続する接続配線75を形成し、ガラス部材80に
形成した固定電極リード84とシリコン構造体70に形
成した固定電極出力端子リード78とがシリコン構造体
70上にガラス部材80を載置することにより接合領域
内で当接する。これによりガラス部材80の固定電極8
2とシリコン構造体70は電気的に接続され、陽極接合
時に両部材70、82が同電位となり静電気力の発生を
防ぐことができる。陽極接合後は可動電極出力端子73
と固定電極出力端子74とを接続した接続配線75を切
断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電容量型センサの製造
方法、特に陽極接合法を用いた製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陽極接合技術のセンサへの応用として
は、例えば静電容量型加速度センサが知られている。図
7、図8に静電容量型加速度センサにおける陽極接合方
法が示されている。ヒータ1の表面上に設けた陽極電極
板40上にエッチング加工により形成された薄肉の梁部
20a及びおもり部20bから成るシリコン可動部20
を具備したシリコン構造体10を載置し、このシリコン
構造体10の接合面10aには固定電極21を備えたガ
ラス部材30が載置され、この上端面には陰極電極板5
0が当接される。前記おもり部20bはシリコンの電気
的特性を利用し、可動電極として機能する。前記ガラス
部材30の接合面30a側にはシリコン可動部20を覆
うように所望の深さの座ぐり加工が施されており、前記
固定電極21はこの座ぐり加工面31にシリコン可動部
20に対向するように形成されている。前記シリコン構
造体10の表面には絶縁膜11が形成され、陽極接合領
域の外側の絶縁膜11上に固定電極出力端子13および
可動電極出力端子12が形成されている。可動電極出力
端子12はその下の絶縁膜11の一部に接続孔14を形
成し、シリコン構造体10と接続される。次に、前記シ
リコン構造体10の接合領域10aの一部に固定電極出
力接続端子13bが形成される。この固定電極出力接続
端子13bは固定電極出力端子リード13により前記固
定電極出力端子13と接続される。そして、前記ガラス
部材30の接合面30aには固定電極接続端子21bが
形成されており、この固定電極接続端子21bは固定電
極21と固定電極リード21aにより接続されている。
前記固定電極出力接続端子13bと前記固定電極接続端
子21bは前記シリコン構造体10の接合面10aと前
記ガラス部材30の接合面30aを位置合わせし、載置
することにより当接するように配置する。このシリコン
構造体10とガラス部材30との陽極接合はヒータ1に
より両接合部材10、30を約400℃に加熱昇温し、
電源60から両電極板40、50に所望の電圧、例えば
800Vの電圧を印加することによりシリコン構造体1
0とガラス部材30は互いに接合面10a、30aにて
陽極接合される。
【0003】このような静電容量型加速度センサの加速
度検出原理は以下のごとくである。すなわち、加速度印
加によりシリコン構造体10の可動電極として機能する
おもり部20bが変位し、この変位をおもり部20bと
ガラス部材30の固定電極21との間の静電容量の変化
として加速度を検出する。従って、静電容量型加速度セ
ンサにおいては可動電極として機能するおもり部20b
と固定電極21との間隙を微小にすればわずかな変位も
静電容量の変化として検知することができ、高感度化を
図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記接
合方法においてガラス部材30の固定電極21および座
ぐり加工面31と対向するシリコン可動部20とには陽
極接合時の電圧印加により静電気力が発生し、間隙寸法
によってはシリコン可動部20が静電気力により固定電
極21に引き付けられ変位し、固定電極21に接触して
固着されることがあった。また、座ぐり加工面31が露
出している部分は接合されてしまうこともあった。従っ
て、従来の接合方法では静電気力によって生じるシリコ
ン可動部20の変位よりもシリコン可動部20と固定電
極21との間隙を広くする必要があり、高感度なセンサ
を製作することが困難であった。
【0005】本発明はこのような従来の課題に鑑み成さ
れたものであり、その目的はシリコン可動部と固定電極
を備えたガラス部材とが固着あるいは接合されることな
く、シリコン可動部周囲の接合領域のみを陽極接合さ
せ、これによりおもり部20bと固定電極21との間隙
の微小化を可能として高感度の静電容量型センサを得る
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、請求項1記載の静電容量型センサの製造
方法は、可動部が形成された第1部材と前記可動部に対
向する位置に固定電極が形成された第2部材を加熱及び
電圧印加により陽極接合して前記可動部と固定電極との
間に静電容量を形成する静電容量型センサの製造方法で
あって、陽極接合時には前記固定電極と前記可動部とを
電気的に接続して前記第1部材と前記第2部材の前記固
定電極以外の領域とを陽極接合し、前記陽極接合後は前
記固定電極と前記可動部との電気的接続を切断すること
を特徴とする。
【0007】さらに、請求項2記載の静電容量型センサ
の製造方法は、可動部が形成された第1部材と前記可動
部に対向する位置に第1固定電極が形成された第2部材
及び前記可動部に対向する位置に第2固定電極が形成さ
れた第3部材を加熱及び電圧印加により陽極接合して前
記可動部と第1固定電極、及び前記可動部と前記第2固
定電極との間に静電容量を形成する静電容量型センサの
製造方法であって、陽極接合時には前記第1固定電極と
前記可動部、及び前記第2固定電極と前記可動部とを電
気的に接続して前記第1部材と前記第2部材の前記第1
固定電極以外の領域とを陽極接合するとともに、前記第
1部材と前記第3部材の前記第2固定電極以外の領域と
を陽極接合し、前記陽極接合後は前記第1固定電極と前
記可動部との電気的接続、及び前記第2固定電極と前記
可動部との電気的接続を切断することを特徴とする。
【0008】このように、本発明はシリコン可動部を具
備したシリコン構造体と静電容量検出用の固定電極を具
備したガラス部材との陽極接合において、シリコン構造
体の表面上の絶縁膜上に形成した可動電極端子と固定電
極出力端子とを電気的に接続し、ガラス部材側に形成し
た固定電極端子とシリコン構造体側に形成した固定電極
出力端子とがシリコン構造体上にガラス部材を載置する
ことにより接合領域内で当接させる。これによりガラス
部材の固定電極とシリコン構造体は電気的に接続され、
陽極接合時に両部材が同電位となり静電気力の発生を防
ぐことができる。従って、シリコン可動部とガラス部材
の固定電極とに微小な間隙を形成することができ、高感
度な静電容量型加速度センサの製作が可能となる。な
お、陽極接合後は可動電極端子と固定電極出力端子とを
接続した接続配線はシリコン構造体を分割除去すると同
時に切断され、シリコン構造体とガラス部材の固定電極
とを電気的に分離する。これにより、加速度印加によっ
て変位するシリコン可動部とガラス部材の固定電極との
静電容量変化をそれぞれに接続された固定電極端子と可
動電極端子を用いて検出することにより加速度の計測が
可能となる。
【0009】以下に本発明の陽極接合方法をさらに具体
的に説明する。
【0010】図1には本発明に係る基本的な接合方法を
表す平面図が示されており、図2には、その断面説明図
が示されている。
【0011】エッチング加工により形成された薄肉の梁
部71aおよびおもり部71bから成るシリコン可動部
71を具備したシリコン構造体70の表面全域に必要に
応じ所望の厚さの絶縁膜72が被覆形成される。前記シ
リコン構造体70の接合領域70a外側の前記絶縁膜7
2表面に可動電極出力端子73および固定電極出力端子
74が形成される。そして、両電極出力端子73、74
を接続する接続配線75が形成される。前記可動電極出
力端子73はその下の前記絶縁膜72の一部に接続孔7
6を形成し、前記シリコン構造体70と接続される。そ
して、前記シリコン構造体70の接合領域70aの一部
に固定電極出力接続端子77が形成される。この固定電
極出力接続端子77は固定電極出力端子リード78によ
り前記固定電極出力端子74と接続される。
【0012】前記シリコン構造体70と陽極接合するガ
ラス部材80の接合面80a側には前記シリコン構造体
70のシリコン可動部71を覆うように所望の深さの座
ぐり加工が施されており、シリコン可動部71に対向す
るように前記加工面には固定電極82が形成されてい
る。そして、前記ガラス部材80の接合面80a側には
固定電極接続端子85が形成されており、この固定電極
接続端子85は固定電極82と固定電極リード84によ
り接続されている。前記固定電極出力接続端子77と前
記固定電極接続端子85は前記シリコン構造体70の接
合面70aと前記ガラス部材80の接合面80aを位置
合わせし、載置することにより当接するように配置す
る。
【0013】本発明に係る接合部材は以上の構成からな
り、次に陽極接合方法について説明する。
【0014】図2において、ヒータ100の表面上に設
けた陽極電極板110上にシリコン構造体70を載置
し、このシリコン構造体70上にガラス部材80を前記
シリコン構造体70の接合領域に位置合わせし、載置す
る。この際に固定電極出力接続端子77と固定電極接続
端子85とが当接され、前記シリコン構造体70と固定
電極82が接続される。次に、前記ガラス部材80の上
端面には陰極電極板120が当接される。そして、前記
シリコン構造体70とガラス部材80をヒータ100に
より両接合部材70、80を約400℃に加熱昇温し、
電源130から両電極板110、120に所望の電圧、
例えば800Vの電圧を印加することによりシリコン構
造体70とガラス部材80は互いに接合面70a、80
aにて陽極接合される。
【0015】図3には陽極接合後の加工を表す平面図が
示されている。陽極接合後は可動電極出力端子73と固
定電極出力端子74とを接続した接続配線75は分割部
150からシリコン構造体70を分割除去すると同時に
切断され、前記シリコン構造体70とガラス部材80の
固定電極82とを電気的に分離する。これにより、加速
度印加によって変位するシリコン可動部71とガラス部
材80の固定電極82との静電容量変化をそれぞれに接
続された固定電極出力端子74と可動電極出力端子73
を用いて検出することにより加速度の計測が可能とな
る。
【0016】従来例との比較 本発明の静電容量型センサの製造方法の特徴を、従来例
と比較して具体的に説明する。本発明によればシリコン
構造体70上の可動電極出力端子73と固定電極出力端
子74とを接続配線75により接続されている。そし
て、ガラス部材80を前記シリコン構造体70の接合領
域に位置合わせし、載置することにより固定電極出力接
続端子77と固定電極接続端子85とが当接され、前記
シリコン構造体70と前記ガラス部材80の固定電極と
が接続される。これにより、両部材70、80の陽極接
合時には前記シリコン構造体70と固定電極82とは電
気的に同電位となり静電気力の発生を防ぐことができ
る。従って、シリコン可動部71と固定電極82との間
に静電気力が発生する従来の陽極接合法を用いた製造方
法とは明らかに相違する。
【0017】
【実施例】第1実施例 図1、図2には本発明の静電容量型センサの製造方法の
好適な第1実施例が示されている。
【0018】本実施例の陽極接合方法においてシリコン
構造体70は単結晶シリコンを用いて形成されている。
この単結晶シリコン構造体70は水酸化カリウム(KOH
)水溶液を用いたエッチング加工により形成された薄
肉の梁部71aおよびおもり部71bから成るシリコン
可動部71を具備している。この単結晶シリコン構造体
70の表面全域には絶縁膜72としてシリコン酸化膜が
膜厚50nmに形成されている。そして、この絶縁膜72
の表面には可動電極出力端子73、固定電極出力端子7
4、接続配線75、固定電極出力接続端子77および固
定電極出力端子リード78が厚さ1μm のアルミニウム
膜を被覆して、これをフォトエッチングすることにより
形成される。なお、これらを形成する前に、あらかじめ
可動電極出力端子73の下の一部にはフォトエッチング
により絶縁膜72を単結晶シリコン構造体70に到達す
るよう開口した接続孔76が形成されており、可動電極
出力端子73および固定電極出力端子74を介して固定
電極出力接続端子77は単結晶シリコン構造体70と接
続される。
【0019】単結晶シリコン構造体70と陽極接合する
ガラス部材80は非晶質ガラスを用いて形成されてい
る。このガラス部材80の接合面80a側には単結晶シ
リコン構造体70のシリコン可動部71および固定電極
出力接続端子77を覆うように所望の深さの座ぐり加工
が施されている。更に、この座ぐり加工はガラス部材8
0の固定電極リード84および固定電極接続端子85の
形成領域にも行われている。実施例において、この座ぐ
り加工はフッ化水素溶液を用いてエッチング加工されて
いる。そして、シリコン可動部71に対向するように座
ぐり加工面81には固定電極82、固定電極リード8
4、固定電極接続端子85が厚さ50nmのチタン膜と厚
さ50nmのアルミニウム膜を被覆して、これをフォトエ
ッチングにより形成されている。なお、固定電極出力接
続端子77と固定電極接続端子85は単結晶シリコン構
造体70の接合面70aとガラス部材80の接合面80
aを位置合わせし、載置することにより当接するように
配置している。
【0020】実施例の陽極接合においては、ヒータ10
0の表面上に設けた陽極電極板110上に単結晶シリコ
ン構造体70を載置し、この単結晶シリコン構造体70
上にガラス部材80を載置し、それらの接合面70a、
80aを位置合わせする。この際の位置合わせはガラス
部材80の上方から光学顕微鏡を用いて行う。これによ
り固定電極出力接続端子77と固定電極接続端子85と
が当接され、単結晶シリコン構造体70と固定電極82
とが接続される。
【0021】次に、ガラス部材80の上端面には陰極電
極板120が当接される。そして、両接合部材70、8
0をヒータ100により約400℃に加熱昇温し、電源
130から両電極板110、120に800Vの電圧を
印加する。このとき、単結晶シリコン構造体70と固定
電極82は同電位であるため、静電気力の発生が防止で
き、シリコン可動部71が固定電極82に引き付けら
れ、固着される等の問題はなく、単結晶シリコン構造体
70とガラス部材80は互いに接合面70a、80aに
てのみ陽極接合される。
【0022】図3には陽極接合後の加工を表す平面図が
示されている。陽極接合後、可動電極出力端子73と固
定電極出力端子74とを接続した接続配線75は分割部
150からシリコン構造体70を分割除去すると同時に
切断され、前記シリコン構造体70とガラス部材80の
固定電極82とを電気的に分離する。これにより、加速
度印加によって変位するシリコン可動部71とガラス部
材80の固定電極82との静電容量変化をそれぞれに接
続された固定電極出力端子74と可動電極出力端子73
を用いて検出することにより加速度の計測が可能とな
る。
【0023】本実施例において、シリコン可動部71の
おもり部71bの寸法は3mm角、高さ300μm であ
る。また、梁部71aの1本の寸法は長さ670μm 、
幅250μm 、厚さ10μm であり、おもり部の両辺に
各2本、合計4本の梁を形成した。そして、ガラス部材
80の座ぐり加工深さは1μm である。以上の形状寸法
により、シリコン可動部70と固定電極82および座ぐ
り加工面81とが固着あるいは接合されることなく間隙
を維持したままシリコン可動部70周囲の接合領域のみ
を陽極接合できることは実験により確認された。このこ
とから、この第1実施例によればシリコン可動部71と
固定電極82との間隙を狭くでき、小型でかつ高感度な
静電容量型加速度センサが実現可能であることが理解で
きる。
【0024】第2実施例 次に、本発明の好適な第2実施例を説明する。なお、前
記第1実施例と対応する部材には同一符号を付し、その
説明は省略する。
【0025】図4には第2実施例の陽極接合方法を示す
平面説明図が示されており、図5にはその断面説明図が
示されている。シリコン構造体70には下部絶縁膜79
として、シリコン酸化膜が膜厚50nmに形成されてい
る。そして、この下部絶縁膜79の一部にはフォトエッ
チングにより下部絶縁膜79をシリコン構造体70に到
達するように開口した下部接続孔97が形成されてい
る。そして、この下部接続孔97には厚さ1μm のアル
ミニウム膜から成るシリコン接続端子98が形成されて
いる。
【0026】下部ガラス部材90の接合面90a側には
単結晶シリコン構造体70のシリコン可動部71および
固定電極出力接続端子77を覆うように所望の深さの座
ぐり加工が施されている。更に、この座ぐり加工は下部
ガラス部材90の下部固定電極リード93および下部接
続端子96の形成領域にも行われている。実施例におい
て、下部ガラス部材90は非晶質ガラスを用いて形成さ
れており、座ぐり加工はフッ化水素溶液を用いてエッチ
ング加工されている。そして、シリコン可動部71に対
向する座ぐり加工面91には下部固定電極82、下部固
定電極リード93、下部接続端子96が厚さ50nmのチ
タン膜と厚さ50nmのアルミニウム膜を被覆して、これ
をフォトエッチングにより形成されている。なお、下部
接続端子96は下部ガラス部材90の接合面90aと前
記単結晶シリコン構造体70の接合面70aを位置合わ
せし、載置することにより前記単結晶シリコン構造体7
0の裏面に形成したシリコン接続端子98に当接するよ
うに配置している。
【0027】実施例の陽極接合においては、ヒータ10
0の表面上に設けた下部陰極電極板150上に下部ガラ
ス部材90を載置し、この下部ガラス部材90の表面に
単結晶シリコン構造体70を載置し、それらの接合面9
0a、70aを位置合わせする。この際の位置合わせ方
法は両部材90、70の2つの角を合わせることに行
う。これにより下部接続端子96とシリコン接続端子9
8とが当接され、下部ガラス部材90と単結晶シリコン
構造体70とが接続される。次に、前記単結晶シリコン
構造体70上にガラス部材80を載置し、それらの接合
面70a、80aを位置合わせする。この際の位置合わ
せはガラス部材80の上方から光学顕微鏡を用いて行
う。これにより固定電極出力接続端子77と固定電極接
続端子85とが当接され、単結晶シリコン構造体70と
固定電極82とが接続される。
【0028】次に、ガラス部材80の上端面には陰極電
極板120が当接され、単結晶シリコン構造体70の可
動電極出力端子73上には陽極接続端子110が当接さ
れる。そして、3つの接合部材70、80、90をヒー
タ100により約400℃に加熱昇温し、電源130か
ら陽極電極板110と陰極電極板120、150に80
0Vの電圧を印加する。このとき、単結晶シリコン構造
体70と固定電極82および下部固定電極92は同電位
であるため、静電気力の発生が防止でき、シリコン可動
部71が固定電極82あるいは下部固定電極92に引き
付けられ、固着される等の問題はなく、単結晶シリコン
構造体70とガラス部材80は互いに接合面70a、8
0aにてのみ陽極接合され、単結晶シリコン構造体70
と下部ガラス部材90は互いに接合面70b、90aに
てのみ陽極接合される。
【0029】図6には陽極接合後の加工を表す平面説明
図が示されている。陽極接合後、可動電極出力端子73
と固定電極出力端子74とを接続した接続配線75は接
続配線分離部200をダイシングにより切断し、シリコ
ン構造体70とガラス部材80の固定電極82とを電気
的に分離する。更に、下部固定電極出力端子94と下部
接続端子96とを接続した下部接続配線95は下部接続
配線分離部300をダイシングにより切断し、シリコン
構造体70と下部ガラス部材90の下部固定電極92と
を電気的に分離する。これにより、加速度印加によって
変位するシリコン可動部71とガラス部材80の固定電
極82および下部ガラス部材90の下部固定電極92と
の静電容量変化をそれぞれに接続された可動電極出力端
子73と固定電極出力端子74および下部固定電極出力
端子94を用いて差動方式を用いて検出することにより
高感度な加速度の計測が可能となる。
【0030】本実施例において、シリコン可動部70の
おもり部71bの寸法は3mm角、高さ300μm であ
る。また、梁部71aの1本の寸法は長さ670μm 、
幅250μm 、厚さ10μm であり、おもり部の両辺に
各2本、合計4本の梁を形成した。そして、ガラス部材
80および下部ガラス部材90の座ぐり加工深さは1μ
m である。以上の形状寸法により、シリコン可動部70
と固定電極82、下部固定電極92および両ガラス部材
80、90の座ぐり加工面81、91とが固着あるいは
接合されることなく間隙を維持したままシリコン可動部
70周囲の表面および裏面の接合領域のみを陽極接合で
きることを実験により確認された。また、本静電容量型
加速度センサの構造において、シリコン可動部71と両
ガラス部材80、90の固定電極82、92との間隙が
座ぐり加工により精度よく制御できることから、定格以
上の加速度が印加された場合にシリコン可動部71がガ
ラス部材80の固定電極82あるいは下部固定電極92
に接触し、それ以上変位しない過負荷防止構造が可能と
なることが理解できる。前記形状寸法の実施例におい
て、±10G (1G =9. 8m /sec 2)の印加加速度
によりシリコン可動部71がガラス部材80の固定電極
82あるいは下部固定電極92に接触することが容量変
化信号から確認できた。
【0031】前記各実施例においてはシリコン構造体7
0に可動部71を形成した場合を例にとり説明した。し
かし、本発明はこれに限らず、ガラス部材80を加工し
て可動部71を形成しても、何等、本発明の効果が損な
われることはない。
【0032】また、前記各実施例においては静電容量型
加速度センサを例にとり説明したが、本発明はこれに限
らず、前記実施例の容量変化の検出方向に対して垂直方
向にシリコン可動部71を振動させる駆動源を設け、そ
の駆動方向に対して垂直軸に印加される角速度を検出す
る角速度センサ、更に、シリコン可動部71を薄肉のダ
イヤフラムにした静電容量型圧力センサにおいても、前
記実施例と同様な効果を得ることができる。
【0033】更に、前記各実施例においてはシリコン構
造体71に形成した接続配線75を陽極接合後にダイシ
ングにより切断する場合を例にとり説明したが、これ以
外にも、例えば、レーザーを用いてトリミングすること
も可能である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
陽極接合時にシリコン構造体とガラス部材の固定電極と
に静電気力が発生しないため、シリコン可動部と固定電
極との間隙を狭くすることができ、高感度な静電容量型
センサが製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す平面説明図である。
【図2】図1に示す陽極接合方法の断面概略説明図であ
る。
【図3】図1に示す第1実施例の陽極接合後の加工を示
す平面説明図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す平面説明図である。
【図5】図4に示す陽極接合方法の断面概略説明図であ
る。
【図6】図4に示す第2実施例の陽極接合後の加工を示
す平面説明図である。
【図7】従来の陽極接合方法の平面説明図である。
【図8】図7に示す陽極接合方法の断面概略説明図であ
る。
【符号の説明】
70 シリコン構造体 71 シリコン可動部 71a 梁部 71b おもり部 72 絶縁膜 73 可動電極出力端子 74 固定電極出力端子 75 接続配線 76 接続孔 77 固定電極出力接続端子 78 固定電極出力端子リード 80 ガラス部材 81 座ぐり加工面 82 固定電極 84 固定電極リード 85 固定電極接続端子 100 ヒータ 110 陽極電極板 120 陰極電極板 130 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 雅人 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 船橋 博文 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 藤吉 基弘 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 杉山 進 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 中川 稔章 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 鶴見 康昭 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動部が形成された第1部材と前記可動
    部に対向する位置に固定電極が形成された第2部材を加
    熱及び電圧印加により陽極接合して前記可動部と固定電
    極との間に静電容量を形成する静電容量型センサの製造
    方法であって、 陽極接合時には前記固定電極と前記可動部とを電気的に
    接続して前記第1部材と前記第2部材の前記固定電極以
    外の領域とを陽極接合し、 前記陽極接合後は前記固定電極と前記可動部との電気的
    接続を切断することを特徴とする静電容量型センサの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 可動部が形成された第1部材と前記可動
    部に対向する位置に第1固定電極が形成された第2部材
    及び前記可動部に対向する位置に第2固定電極が形成さ
    れた第3部材を加熱及び電圧印加により陽極接合して前
    記可動部と第1固定電極、及び前記可動部と前記第2固
    定電極との間に静電容量を形成する静電容量型センサの
    製造方法であって、 陽極接合時には前記第1固定電極と前記可動部、及び前
    記第2固定電極と前記可動部とを電気的に接続して前記
    第1部材と前記第2部材の前記第1固定電極以外の領域
    とを陽極接合するとともに、前記第1部材と前記第3部
    材の前記第2固定電極以外の領域とを陽極接合し、 前記陽極接合後は前記第1固定電極と前記可動部との電
    気的接続、及び前記第2固定電極と前記可動部との電気
    的接続を切断することを特徴とする静電容量型センサの
    製造方法。
JP12904093A 1993-05-31 1993-05-31 静電容量型センサの製造方法 Pending JPH06340452A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100355819B1 (ko) * 1996-06-26 2002-12-11 사단법인 고등기술연구원 연구조합 정전접합장치및그장치를이용한정전접합방법
US7799595B2 (en) 2005-01-14 2010-09-21 Panasonic Electric Works Co., Ltd. Semiconductor physical quantity sensor of electrostatic capacitance type and method for manufacturing the same

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KR100355819B1 (ko) * 1996-06-26 2002-12-11 사단법인 고등기술연구원 연구조합 정전접합장치및그장치를이용한정전접합방법
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