JPH06339798A - 粉末成形用金型 - Google Patents

粉末成形用金型

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JPH06339798A
JPH06339798A JP12965293A JP12965293A JPH06339798A JP H06339798 A JPH06339798 A JP H06339798A JP 12965293 A JP12965293 A JP 12965293A JP 12965293 A JP12965293 A JP 12965293A JP H06339798 A JPH06339798 A JP H06339798A
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JP
Japan
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material powder
die
punch
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JP12965293A
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Masatoshi Kumakura
正敏 熊倉
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パンチに原料粉末が付着するのを防ぐ。 【構成】 パンチ63,64における原料粉末への接触面を
円錐状のテーパー面66,68,70,71,73,75やトーラス
面67,69,72,74で構成する。これにより、前記接触面
から水平面すなわちパンチ63,64による加圧方向と直交
する面をなくす。最終製品で水平面が必要な場合、この
水平面は、粉末成形工程後の矯正工程において形成でき
る。 【効果】 原料粉末の加圧、圧縮時、前記接触面の傾斜
のために、原料粉末には、接触面に沿う方向への力が加
わる。その結果、原料粉末は、接触面に対して擦れを生
じる。そのため、原料粉末がパンチに付着した状態は続
かない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結軸受などとなる圧
粉体を成形する粉末成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、粉末冶金により製造される軸受
1の一例を示している。この軸受1は、ほぼ円環状にな
っているが、軸方向を上下方向にして図示している。こ
の軸受1の軸受孔をなす内周面2は、前記軸方向と平行
であるが、上下両端部に面取り部3,4を有している。
また、軸受1の外周面5も、前記軸方向と平行である
が、下端部にテーパー面6を有しているとともに、上端
部に面取り部7を有している。また、軸受1の下端面
は、その内周部8が外周部9よりも高く位置している
が、これら内周部8および外周部9は、テーパー状段差
面10を介して繋がっている。そして、下端面内周部8お
よび下端面外周部9は、いずれも前記軸方向と直交して
いる。さらに、軸受1の上端面も、その内周部11が外周
部12よりも高く位置しているが、これら内周部11および
外周部12は、テーパー状段差面13を介して繋がってい
る。そして、上端面内周部11および上端面外周部12は、
いずれも前記軸方向と直交している。
【0003】また、図9は、粉末冶金により製造される
軸受21の他の例を示している。この軸受21は、ほぼ円筒
状になっているが、軸方向を上下方向にして図示してい
る。この軸受21の軸受孔をなす内周面22は、前記軸方向
と平行であるが、上下両端部に面取り部23,24を有して
いる。また、軸受21の外周面25も、前記軸方向と平行で
あるが、上下両端部に面取り部26,27を有している。さ
らに、軸受21の下端面28および上端面29は、前記軸方向
と直交している。
【0004】このような軸受の製造に際しては、まず、
原料粉末を粉末成形プレスにより加圧して圧縮し、圧粉
体を成形する。ついで、この圧粉体を焼結炉により加熱
して焼結する。ついで、この焼結体を矯正プレスにより
再圧縮して矯正し、所定の寸法、形状に仕上げる。
【0005】つぎに、図8に示す軸受1の製造に用いら
れる従来の粉末成形用金型の一例について、図10およ
び図11を参照しながら説明する。この金型は、図11
に示すように、金型部材として、ダイ31、コアロッド3
2、下パンチ33および上パンチ34を有している。ダイ31
は、圧粉体1a(図10に鎖線で図示)の外周面を形成す
るものであり、円筒状になっていて、内周面が鉛直な円
柱面になっている。コアロッド32は、ダイ31に対して固
定しており、このダイ31内に同軸的に位置している。そ
して、コアロッド32の外周面は、鉛直な円柱面になって
おり、圧粉体1aの内周面を形成するものである。下パン
チ33は、円筒状になっていて、前記ダイ31とコアロッド
32との間に下方から上下摺動自在に嵌合しており、圧粉
体1aの下面を形成するものである。上パンチ34は、前記
ダイ31とコアロッド32との間に上方から挿脱自在にかつ
上下摺動自在に嵌合し、圧粉体1aの上面を形成するもの
である。そして、図10に示すように、下パンチ33の上
面には、軸受1の面取り部3、下端面内周部8、テーパ
ー状段差面10、下端面外周部9およびテーパー面6にそ
れぞれ対応する内周部テーパー面36、内周部水平面37、
中間部テーパー面38、外周部水平面39および外周部テー
パー面40が形成されている。一方、上パンチ34の下面に
は、軸受1の面取り部4、上端面内周部11、テーパー状
段差面13、上端面外周部12および面取り部7にそれぞれ
対応する内周部テーパー面41、内周部水平面42、中間部
テーパー面43、外周部水平面44および外周部テーパー面
45が形成されている。なお、このように軸受1の上下面
と下パンチ33の上面および上パンチ34の下面とは、ほぼ
対応する形状にはなっている。
【0006】そして、粉末成形に際しては、ダイ31から
上パンチ34が抜けた状態で、図示していないフィーダー
からダイ31内に原料粉末が充填される。ついで、上パン
チ34がダイ31内に嵌合し、このダイ31内で原料粉末が両
パンチ33,34により鉛直方向において加圧、圧縮され
て、圧粉体1aが成形される。
【0007】また、図12には、図9に示す軸受21の製
造に用いられる従来の粉末成形用金型の一例を示してあ
る。やはり下パンチ51が圧粉体21a の上面を形成し、上
パンチ52が圧粉体21a の下面を形成するものであり、下
パンチ51の上面には、軸受21の面取り部23、下端面28お
よび面取り部26にそれぞれ対応する内周部テーパー面5
3、中間部水平面54および外周部テーパー面55が形成さ
れている。一方、上パンチ52の下面には、軸受21の面取
り部24、上端面29および面取り部27にそれぞれ対応する
内周部テーパー面56、中間部水平面57および外周部テー
パー面58が形成されている。
【0008】ところで、前記従来の粉末成形用金型にお
いては、圧縮後の抜き出しに際して圧粉体がパンチ33,
34,51,52から離れるとき、これらパンチ33,34,51,
52に原料粉末が付着しやすい。なお、観察の結果、パン
チ33,34,51,52において特に原料粉末が付着しやすい
のは、水平面37,39,42,44,54,57すなわちパンチ3
3,34,51,52による加圧方向と直交する面であること
が明らかになった。とにかく、パンチ33,34,51,52に
原料粉末が付着した分、圧粉体1a,21a の対応する部分
には凹みが生じることになる。この凹みは、製造される
軸受1,21が不良品となる原因になる。そして、パンチ
33,34,51,52への原料粉末の付着が増えていくと、も
はや規定の圧粉体1a,21a ができなくなり、成形の続行
が不可能となる。成形を続行するには、パンチ33,34,
51,52に付着した原料粉末を随時取り除かなければなら
ないが、頻繁に原料粉末を除去しなければならないので
は、成形能率が低下する。
【0009】前述のような金型への原料粉末の付着の原
因は、いくつか考えられる。前記軸受の製造に用いる原
料粉末がグラファイト(炭素)を多く含むこと、微粉の
影響、圧粉密度が高いこと、強度を高めるために原料粉
末に潤滑剤を入れていないこと、偏析や型面粗度による
微粉末のはまり込み(接合)である。金型への原料粉末
の付着を防ぐために、従来よりさまざまな試みがなされ
てきたが、原料粉末の金型への付着を防止する有効な手
段は見い出せなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
粉末成形用金型では、原料粉末が金型に付着しやすい問
題があった。特に原料粉末の付着が生じるのは、金型部
材における加圧方向と直交する面である。これに対し
て、金型に潤滑剤を随時噴きかけるようにすれば、原料
粉末の付着を防止できるが、潤滑剤を噴きかける作業は
たいへんで、生産性の低下を招く問題がある。
【0011】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、圧粉体の製造時に特別な作業をすること
なく、金型部材への原料粉末の付着を防止できる粉末成
形用金型を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、原料粉末を複数の金型部材により加圧し
て圧縮する粉末成形用金型において、前記金型部材の原
料粉末への接触面は、全て前記金型部材による加圧方向
と平行であるかあるいはこの加圧方向に対して傾斜した
方向性を有するものである。
【0013】
【作用】本発明の粉末成形用金型では、原料粉末を複数
の金型部材により加圧して圧縮することによって、圧粉
体を成形するが、金型部材の原料粉末への接触面が、全
て金型部材による加圧方向と平行であるかあるいはこの
加圧方向に対して傾斜した方向性を有しているので、前
記加圧に伴い、原料粉末には、前記接触面のほとんど全
ての位置において、この接触面に沿う方向への力が加わ
るとともに、その分、接触面と直交する方向の力は小さ
くなる。その結果、原料粉末が金型部材の接触面に対し
て滑りを生じ、これにより、原料粉末が金型部材に付着
した状態が続くことが防止される。例えば、かりに圧縮
完了後の加圧解除に伴い、金型部材に微量の原料粉末が
付着したとしても、次の成形時に、前記原料粉末の滑り
により、付着した原料粉末は金型部材からとれ、金型部
材における原料粉末の付着が成長していくことはない。
【0014】
【実施例】以下、本発明の第1実施例について、図1か
ら図4を参照しながら説明する。本第1実施例におい
て、製造されるのは、先に説明した図8に示す軸受1で
ある。まず、粉末成形用金型の構成を図1および図2に
基づいて説明する。この金型は、図2に示すように、金
型部材として、ダイ61、コアロッド62、下パンチ63およ
び上パンチ64を有している。それらの構成は、先に説明
した図11に示す金型と同様であり、ダイ61およびコア
ロッド62間で両パンチ63,64が鉛直方向において原料粉
末を加圧、圧縮し、圧粉体1b(図1に鎖線で図示)を成
形するものである。そして、図1に示すように、下パン
チ63における原料粉末への接触面である上面には、軸受
1の面取り部3、下端面内周部8、テーパー状段差面1
0、下端面外周部9およびテーパー面6にそれぞれ対応
する内周部テーパー面66、内周部トーラス面67、中間部
テーパー面68、外周部トーラス面69および外周部テーパ
ー面70が形成されている。一方、上パンチ64における原
料粉末への接触面である下面には、軸受1の面取り部
4、上端面内周部11、テーパー状段差面13、上端面外周
部12および面取り部7にそれぞれ対応する内周部テーパ
ー面71、内周部トーラス面72、中間部テーパー面73、外
周部トーラス面74および外周部テーパー面75が形成され
ている。ここで、テーパー面66,68,70,71,73,75
は、いずれも軸方向が鉛直な円錐面である。また、トー
ラス面67,69,72,74は、パンチ63,64の中心軸を通る
平面における断面形状が円弧状であって、その中間点を
通る鉛直線上に曲率中心が位置している。したがって、
下パンチ63の上面および上パンチ64の下面の各点の法線
方向は、トーラス面67,69,72,74の中間位置を除い
て、鉛直方向に対して傾斜している。トーラス面67,6
9,72,74の中間位置は、法線方向が鉛直であるが、円
周であり、したがって、法線方向が鉛直である面の面積
は実質的に0である。なお、内周部トーラス面67,72と
隣接する両テーパー面66,68,71,73との交線部分、お
よび、外周部トーラス面69,74と外周部テーパー面70,
75との交線部分は滑らかにしてある。一方、ダイ61およ
びコアロッド62における原料粉末への接触面は、鉛直な
円柱面であって、パンチ63,64による加圧方向と平行で
ある。
【0015】つぎに、同じ軸受1の製造に用いる矯正用
金型の構成を図3および図4に基づいて説明する。この
矯正用金型は、図4に示すように、ダイ81、コアロッド
82、下パンチ83および上パンチ84を有しているが、コア
ロッド82が上パンチ84に上下摺動自在に組み込まれてい
ることを除いて、前記粉末成形用金型と同様の構成を有
している。そして、下パンチ83の上面には、軸受1の下
端面内周部8、テーパー状段差面10および下端面外周部
9をそれぞれ形成する内周部水平面86、中間部テーパー
面87および外周部水平面88が形成されている。一方、上
パンチ84の下面には、軸受1の上端面内周部11、テーパ
ー状段差面13および下端面外周部12をそれぞれ形成する
内周部水平面89、中間部テーパー面90および外周部水平
面91が形成されている。なお、図3に示すように、ダイ
81の内周面には、軸受1のテーパー面6を形成するテー
パー状段差面92が形成されている。
【0016】つぎに、前記金型を用いた軸受1の製造方
法について説明する。まず粉末成形工程で、圧粉体1bが
成形される。この粉末成形工程においては、まずダイ61
から上パンチ64が抜けた状態で、フィーダーからダイ61
内に原料粉末が充填される。ついで、上パンチ64がダイ
61内に嵌合し、このダイ61とコアロッド62との間で、原
料粉末が両パンチ63,64により鉛直方向において加圧、
圧縮されて、圧粉体1bが成形される。その後、成形され
た圧粉体1bは、上パンチ64の上昇およびダイ61の下降に
伴い、ダイ61から抜き出される。つぎに、焼結工程で、
圧粉体1bが焼結炉により加熱されて焼結される。さら
に、この焼結体は、矯正工程に送られる。この矯正工程
においては、まず、ダイ81から上パンチ84およびコアロ
ッド82が上方へ抜けた状態で、下パンチ83上に焼結体が
搬入される。ついで、下パンチ83が下降して焼結体がダ
イ81内に入るとともに、上パンチ84およびコアロッド82
がダイ81および下パンチ83内に嵌合し、ダイ81とコアロ
ッド82との間で、両パンチ83,84により焼結体が圧縮さ
れて矯正され、図8に示すような所定の寸法、形状の軸
受1ができる。その後、軸受1は、パンチ83,84および
コアロッド82の上昇に伴い、ダイ81から抜き出される。
【0017】前記粉末成形工程では、ダイ61およびコア
ロッド62における原料粉末への接触面が鉛直になってい
るのみならず、下パンチ63の上面および上パンチ64の下
面も、その各点の法線方向が、トーラス面67,69,72,
74の中間の円周上の位置を除いて、鉛直方向に対して傾
斜しているので、パンチ63,64による加圧に伴い、原料
粉末には、ダイ61およびコアロッド62のみならず、下パ
ンチ63の上面および上パンチ64の下面のほとんど全ての
位置において、その面に沿う方向への力が加わることに
なる。その結果、原料粉末は、下パンチ63の上面および
上パンチ64の下面に対してその各位置において最大勾配
方向へ滑りを生じる。これとともに、パンチ63,64にお
ける原料粉末への接触面と直交する分力も小さくなる。
すなわち、パンチに63,64に原料粉末を付着させるよう
作用する力ももとより小さくなる。これらのことから、
原料粉末が下パンチ63の上面および上パンチ64の下面に
付着した状態が続くことが防止される。例えば、かりに
圧縮完了後の加圧解除に伴い、パンチ63,64に微量の原
料粉末が付着したとしても、次の成形時に、前述した原
料粉末の擦れにより、付着した原料粉末はパンチ63,64
からとれ、このパンチ63,64における原料粉末の付着が
成長していくことはない。こうして、不良品の発生はほ
とんどなくなった。
【0018】また、以上のようにパンチ63,64における
原料粉末への接触面の形状を改良したのみで、パンチ6
3,64への原料粉末の付着を防げるので、この付着防止
のために、圧粉体1bの製造時に特別な作業をするような
必要もなく、生産性を低下させずに済む。
【0019】なお、図8に示す軸受1のように、最終的
に軸方向と直交する面を有する製品でも、この軸方向と
直交する面は、矯正工程で形成でき、粉末成形工程の段
階では、圧粉体1bにおいて、軸方向すなわち加圧方向と
直交する面をなくすことができる。もちろん、圧粉体1b
の形状、寸法は、矯正により最終製品の形状、寸法を出
せるように設定する必要がある。
【0020】つぎに、本発明の第2実施例について、図
5から図7を参照しながら説明する。本第2実施例にお
いて、製造されるのは、先に説明した図9に示す軸受21
である。まず、粉末成形用金型の構成を図5および図6
に基づいて説明する。この金型は、図6に示すように、
金型部材として、ダイ101 、コアロッド102 、下パンチ
103 および上パンチ104 を有している。それらの構成
は、先に説明した図11や図2に示す金型と同様であ
り、ダイ101 およびコアロッド102 間で両パンチ103 ,
104 が鉛直方向において原料粉末を加圧、圧縮し、圧粉
体21b (図5に鎖線で図示)を成形するものである。そ
して、図5に示すように、下パンチ103 における原料粉
末への接触面である上面には、軸受21の面取り部23、下
端面28および面取り部26にそれぞれ対応する内周部テー
パー面106 、中間部トーラス面107 および外周部テーパ
ー面108 が形成されている。一方、上パンチ104 におけ
る原料粉末への接触面である下面には、軸受21の面取り
部24、上端面29および面取り部27にそれぞれ対応する内
周部テーパー面109 、中間部トーラス面110 および外周
部テーパー面111 が形成されている。ここで、テーパー
面106 ,108 ,109 ,111 は、いずれも軸方向が鉛直な
円錐面である。また、トーラス面107 ,110 は、パンチ
103 ,104 の中心軸を通る平面における断面形状が円弧
状であって、その中間点を通る鉛直線上に曲率中心が位
置している。したがって、下パンチ103 の上面および上
パンチ104 の下面の各点の法線方向は、トーラス面107
,110 の中間位置を除いて、鉛直方向に対して傾斜し
ている。トーラス面107 ,110 の中間位置は、法線方向
が鉛直であるが、円周であり、したがって、法線方向が
鉛直である面の面積は実質的に0である。なお、中間部
トーラス面107 ,110 と両テーパー面106 ,108 ,109
,111 との交線部分は滑らかにしてある。一方、ダイ1
01 およびコアロッド102 における原料粉末への接触面
は、鉛直な円柱面である。つぎに、同じ軸受1の製造に
用いる矯正用金型の構成を図7に基づいて説明する。こ
の矯正用金型は、ダイ121 、コアロッド122 、下パンチ
123 および上パンチ124 を有しており、前記第1実施例
の矯正用金型と同様の構成を有している。下パンチ123
および上パンチ124 は、軸受21の水平な下端面28および
上端面29を形成するものであり、下パンチ123 の上面お
よび上パンチ124 の下面は、それぞれ水平面になってい
る。
【0021】軸受21の製造方法は、前記第1実施例と同
様である。そして、本第2実施例においても、粉末成形
工程において、下パンチ103 および上パンチ104 に水平
面すなわち加圧方向と直交する面がないことにより、パ
ンチ103 ,104 への原料粉末の付着を防止できる。
【0022】ここで、粉末成形用金型の下パンチの上面
や上パンチの下面の形状の決定について、前記第2実施
例の下パンチ103 を例にとって説明する。図5におい
て、下パンチ103 と重ねて鎖線の水平線で示してあるの
は、最終製品の軸受21の下端面28に相当するものであ
り、その深さをaとすると、それを基準とするトーラス
面107 の始点の高さbは、b=a/3程度が適当であ
る。一方、トーラス面107 の深さcは、矯正で潰せる
0.1〜0.2mm 程度が適当であり、そのようにトーラス面1
07 の径を決めればよい。なお、軸受21の外径および全
長は11.5mmである。
【0023】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
製造される製品は、図8や図9に示すような軸受1,21
に限らない。また、原料についても、高炭素量のものに
限らない。実際、低炭素量のものでも、従来、金型部材
への原料粉末の付着が生じていたが、この問題を本発明
により解消できる。また、前記実施例では、焼結後にさ
らに矯正を施していたが、最終製品を得るまでに矯正を
行わないものであってもよい。この場合、最終製品に圧
粉体の形状が保たれ、軸方向すなわち粉末成形時の加圧
方向と直交する面がない製品となる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、原料粉末を複数の金型
部材により加圧して圧縮する粉末成形用金型において、
前記金型部材の原料粉末への接触面は、全て前記金型部
材による加圧方向と平行であるかあるいはこの加圧方向
に対して傾斜した方向性を有するので、前記加圧に伴
い、前記接触面のほとんど全ての位置において、この接
触面に対して原料粉末が滑りを生じることにより、金型
部材への原料粉末の付着を防止できる。これとともに、
この付着防止のために、圧粉体の製造時に特別な作業を
するような必要もなく、生産性を低下させずに済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すもので、粉末成形用
金型のパンチ先端部の拡大断面図である。
【図2】同上粉末成形用金型全体の断面図である。
【図3】同上矯正用金型のパンチ先端部の拡大断面図で
ある。
【図4】同上矯正用金型全体の断面図である。
【図5】本発明の第2実施例を示すもので、粉末成形用
金型のパンチ先端部の拡大断面図である。
【図6】同上粉末成形用金型全体の断面図である。
【図7】同上矯正用金型の断面図である。
【図8】焼結体からなる軸受の一例を示す断面図であ
る。
【図9】焼結体からなる軸受の他の例を示す断面図であ
る。
【図10】従来の粉末成形用金型の一例を示すもので、
パンチ先端部の拡大断面図である。
【図11】同上粉末成形用金型全体の断面図である。
【図12】従来の粉末成形用金型の他の例を示すもの
で、パンチ先端部の拡大断面図である。
【符号の説明】
61 ダイ(金型部材) 62 コアロッド(金型部材) 63 下パンチ(金型部材) 64 上パンチ(金型部材) 66 内周部テーパー面(接触面) 67 内周部トーラス面(接触面) 68 中間部テーパー面(接触面) 69 外周部トーラス面(接触面) 70 外周部テーパー面(接触面) 71 内周部テーパー面(接触面) 72 内周部トーラス面(接触面) 73 中間部テーパー面(接触面) 74 外周部トーラス面(接触面) 75 外周部テーパー面(接触面) 101 ダイ(金型部材) 102 コアロッド(金型部材) 103 下パンチ(金型部材) 104 上パンチ(金型部材) 106 内周部テーパー面(接触面) 107 中間部トーラス面(接触面) 108 外周部テーパー面(接触面) 109 内周部テーパー面(接触面) 110 中間部トーラス面(接触面) 111 外周部テーパー面(接触面)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料粉末を複数の金型部材により加圧し
    て圧縮する粉末成形用金型において、前記金型部材の原
    料粉末への接触面は、全て前記金型部材による加圧方向
    と平行であるかあるいはこの加圧方向に対して傾斜した
    方向性を有することを特徴とする粉末成形用金型。
JP12965293A 1993-05-31 1993-05-31 粉末成形用金型 Withdrawn JPH06339798A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013043190A (ja) * 2011-08-23 2013-03-04 Sumitomo Electric Sintered Alloy Ltd 粉末成形金型

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