JPH06339595A - 衣類乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドラム内の衣類の位置関係による乾きむらが
なく、乾燥性能の向上を計れるドラム構造を持つ衣類乾
燥機を提供する。 【構成】 ドラム４の後面板７には多数の熱風流入孔８
の他に、別の熱風導入孔２８を形成し、衣類をほぐすた
めのドラム内面の突起２５内に一部の熱風を通風ダクト
３２を介して導入し、突起２５前方の吹き出し孔３１よ
りドラム４内の前方にある衣類２６に良く当るように
し、どの位置の衣類も万遍なく乾燥させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はドラム式の衣類乾燥機に
関し、特に熱風をドラム内に送り込むその熱風路の構成
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ドラム式の衣類乾燥機は、実公昭５９−
１６０８０号公報に示されるように、水平に軸支されモ
ータによって回転駆動されるドラムを有し、乾燥時にド
ラム前面の開口部から熱風を吹き入れ、衣類乾燥後の空
気をドラム外面の多数の排気穴からドラム外周方向に吹
き出すようにして、衣類を乾燥している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ここで、ドラム内の衣
類が良好に乾燥されるには、熱風がドラム内の全ての衣
類に十分に接触することが必要である。

【０００４】ところが、従来装置では単にドラムの一方
の空気流入口より吹き入れている方式であり、熱風はそ
の勢いだけでドラム内に入り込んでいる状況である。こ
れだと熱風の勢いは空気流入口より遠くなるドラム内後
部では自然と弱くなり、またドラム内に存在する衣類が
抵抗となって、ドラム内に万遍なく熱風を届かせること
ができず、乾きにムラが生じる。上記公報では風向板を
設けて、その入り込む熱風の勢いを増しているが、洗濯
物がかなり多くなるとその効果も減少し、十分な乾燥も
期待し難い。

【０００５】本発明は上述した従来装置をより改善し、
一層良好な乾燥効果をあげられ、多量の衣類であっても
確実に乾燥できる優れたドラム構造の衣類乾燥機を得る
ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は前面に衣類投入
口を設けたドラムをモータにより回転させ、該ドラム内
面の長手方向に延在する衣類撹拌用の突起により衣類を
撹拌する一方、前記ドラムの後面から熱風を流入させて
衣類を乾燥し、乾燥後の空気をドラムより排気する衣類
乾燥機において、前記突起の内部を空洞とし、該突起の
後部を前記熱風の一部が流入するよう外部と連通させる
と共に、該突起の前部には該熱風を前記ドラム内の前部
域に吹き出させる複数の吹き出し孔を設け、この吹き出
し孔から流入した熱風及び前記ドラムの後面から流入し
た熱風を前記ドラムの周面前部に形成した排気孔より排
気させるようにしたことを特徴とする衣類乾燥機であ
る。

【０００７】また、前記ドラム後面における前記突起と
外れた位置に形成された熱風導入孔と、前記突起後部側
面に設けた通風孔と、この通風孔と前記熱風導入孔とを
連通させる通風ダクトとを備えたことを特徴とするもの
である。

【０００８】

【作用】熱風はドラムの後面から入ると共に、一部の熱
風は、衣類を撹拌し、ほぐすために設けた内部空洞の突
起内を熱風路として前方に向かい、この突起の前方部分
に設けた吹き出し孔からドラム内前方に吹き出し、ドラ
ムの前方位置にある衣類を重点的に乾燥させる。そして
ドラム後面から入る量的に多い熱風にて、ドラムの後
部、中間部に位置している衣類も十分に乾燥され、前方
へと向かう。

【０００９】この場合、ドラムより吐出させる熱風の排
気孔はドラム前方部分にあるので、途中から排出せず全
ての熱風が前方へ強く流れて行ってこの熱風による衣類
の乾燥も十分に行なわれる。こうして、ドラム内のどの
衣類もムラなく乾燥できる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。

【００１１】１は衣類乾燥機の本体枠にして、その前部
には円形の開口部２が形成され該開口部２に透明な窓面
を有する衣類投入口蓋３が設けられている。４は衣類の
投入されるドラムで、前面に衣類投入口５が形成され、
後部に突設する回転軸６によって片持式で本体枠１内に
回転自在に水平に軸支されている。

【００１２】また前記ドラム４の後面板７には熱風を取
り入れるための熱風流入孔８が設けられ、そしてドラム
４の外周胴面９の前方部分の面部９Ｂ（図３参照）に衣
類乾燥後の空気を排気するための排気孔１０が多数形成
されている。熱風は、本体１内の後部に、仕切板１１
ａ，１１ｂによって区画形成され風上側にヒータ１２を
配した熱風導入通路１３を通してドラム４内に入るよう
にされている。

【００１３】１４は温度センサーで、衣類の種類に応じ
た適正の温度の熱風を通風するよう前記ヒータ１２の温
度制御に機能している。一方、本体１の前面の下部の外
気取入口１５からの外気を導く外気ダクト１６が本体枠
１の下部に配設され、この外気ダクト１６は、本体枠１
の後方下部に形成され内部に送風ファン１７を配した送
風路１８に連通し、この送風路１８の出口１８ｂと、前
記熱風導入路１３の入口１３ｂとが、図示しないが別の
ダクトにより接続されている。

【００１４】１９は前記回転軸６を支承する軸受部であ
る。２０は回転軸６に取り付けた駆動プーリーである。
この駆動プーリー２０に図示しないモータの動力がベル
トを介して伝達されてドラムは回転される。またドラム
４の前部において、その衣類投入口５の付近に設けた突
縁２１が摺動部材（図示せず）を介して、本体枠１に形
成した支持突縁２２に支持され、そしてドラム４の後部
においても、その後方に突出する突縁２３が前記仕切板
１１ａ，１１ｂに形成した支持突縁２４に摺動部材（図
示せず）を介して支持されている構造となっている。

【００１５】ところで、ドラム４の内面の数箇所には図
３，図４に示すように、内面に突出し、ドラム４の長手
方向に延在する突起２５が設けられている。この突起２
５はドラム４内の衣類２６を持ち上げ落下させて撹拌
し、撹拌時の衣類をほぐす作用をする。

【００１６】また、この数個の突起２５がドラム４内面
に有ることによって、ドラム４の支骨的役割を果たして
ドラム４の強度を高めている。そしてこの突起２５は内
部を空洞とされている。本発明では、この空洞の突起２
５内を熱風路２５Ｂとして、ドラム４の後面から入る熱
風の一部を通し、ドラム４の前方部分に熱風を吹き出さ
せて、ドラム４内の衣類２６を万遍なく乾燥することを
可能としている。

【００１７】そのために、ドラム後面板７には突起２５
と近い位置の部分に熱風導入孔２８が形成されている。
そして突起２５の側面後部に、この熱風３０の入り込む
通風孔２９を形成する、一方突起２５の側面前部域に熱
風をドラム４内に吹き出させる複数の吹き出し孔３１が
穿設形成されている。３２は前記熱風導入孔２８と前記
通風孔２９とを連通させるよう設置形成された通風ダク
トである。

【００１８】以上の構成となっており、次にその乾燥作
用について説明する。

【００１９】送風ファン１７により、外気取入口１５か
ら取り入れられた外気がヒータ１２により加熱され、熱
風となってドラム後面板７の熱風流入口８から回転する
ドラム４内に投入される。と同時にその熱風の一部は熱
風導入孔２８から通風ダクト３２内に入り、そして通風
孔２９から突起２５内の熱風路２５Ｂを通り、吹き出し
孔３１が吹き出しドラム４内の衣類２６による抵抗を全
く受けずにドラム４内の前方に届き、ドラム４内の前方
に位置する衣類２６に当り乾燥させる。ドラム４内に吹
き出た熱風と、ドラム４の後面から入って衣類２６を乾
かしながら前方に通流して来た熱風は共に、ドラム４前
方の排気孔１０から排出されて行く。

【００２０】このような熱風の流れによって、ドラム４
内の衣類２６の前後の位置による乾きのむらが防止でき
て、乾燥性能が向上し、効率的な乾燥が成される。

【００２１】なお、熱風導入孔２８を突起２５の後端面
と対応する部分のドラム後面板７に形成することも考え
られるが突起２５が、ドラムの強度補強部材の役目を果
たしているので、該突起２５に孔を直接、あけると強度
を弱める心配があるので突起２５の近傍に形成すること
が良策である。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明によればドラム後面
板から投入された熱風の一部が、衣類を撹拌するドラム
内面の突起内の熱風路として利用して通させ、ドラム内
前方から吹き出させるようにしたので、ドラム内の衣類
の位置関係による乾きむらがなくなり、効果的乾燥がで
き、乾燥性能を向上させることができる。

【００２３】また通風ダクトを設けて、ドラム後面板に
形成した熱気導入口と突起の側面後部に設けた通風口と
をつなぐことで、突起のドラム補強材としての機能を弱
めずかつ熱風の導入を確実とする構成を構築できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】衣類乾燥機の外観斜視図。

【図２】衣類乾燥機の縦断側面図。

【図３】ドラム内の要部構造斜視図。

【図４】図３におけるＡ−Ａ断面図。

【符号の説明】

４ ドラム ８ 熱風流入孔 １０ 排気孔 ２５ 突起 ２６ 衣類 ２８ 熱風導入孔 ２９ 通風孔 ３１ 吹き出し孔 ３２ 通風ダクト

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面に衣類投入口を設けたドラムをモー
   タにより回転させ、該ドラム内面の長手方向に延在する
   衣類撹拌用の突起により衣類を撹拌する一方、前記ドラ
   ムの後面から熱風を流入させて衣類を乾燥し、乾燥後の
   空気をドラムより排気する衣類乾燥機において、 前記突起の内部を空洞とし、該突起の後部を前記熱風の
   一部が流入するよう外部と連通させると共に、該突起の
   前部には該熱風を前記ドラム内の前部域に吹き出させる
   複数の吹き出し孔を設け、この吹き出し孔から流入した
   熱風及び前記ドラムの後面から流入した熱風を前記ドラ
   ムの周面前部に形成した排気孔より排気させるようにし
   たことを特徴とする衣類乾燥機。
2. 【請求項２】 前記ドラム後面における前記突起と外れ
   た位置に形成された熱風導入孔と、前記突起後部側面に
   設けた通風孔と、この通風孔と前記熱風導入孔とを連通
   させる通風ダクトとを備えたことを特徴とする請求項１
   記載の衣類乾燥機。