JPH06337851A - ペトリネットに基づく並列制御システム - Google Patents

ペトリネットに基づく並列制御システム

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Publication number
JPH06337851A
JPH06337851A JP5126725A JP12672593A JPH06337851A JP H06337851 A JPH06337851 A JP H06337851A JP 5126725 A JP5126725 A JP 5126725A JP 12672593 A JP12672593 A JP 12672593A JP H06337851 A JPH06337851 A JP H06337851A
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JP
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Withdrawn
Application number
JP5126725A
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English (en)
Inventor
Fumihiko Anzai
文彦 安西
Noriaki Kawahara
規明 河原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Fuji Facom Corp
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Fuji Facom Corp
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Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd, Fuji Facom Corp filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP5126725A priority Critical patent/JPH06337851A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ペトリネットグラフの発火論理回路における
プログラムの多重起動の制御と、参照プレースの発火。 【構成】 発火可能かをチェックする発火論理回路で、
そのトランジションに接続する入力プレースの情報を記
憶する入力プレース判別手段(101) と、トランジション
に接続する出力プレースの情報を記憶する出力プレース
判別手段(102) と、プレースのトークン状態を記憶/更
新するトークン状態記憶/更新手段1(103) と、プログ
ラムの処理中に、同じプログラムに起動がかからないた
めの多重起動制御手段(104) の出力とを論理演算して、
トランジションの発火が可能か否かをチェックする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のプログラムモジ
ュール(タスク、サブルーチン、ステートメント、関数
などのデータ処理の単位)を、複数のプロセッサによっ
て同時に処理をする並列処理の並列実行順序制御システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のペトリネットによる並列制御シス
テムを図5及び図9によって説明する。図5は、並列制
御システムを示しており、複数のプロセッサPE(501)
、状態チェック装置CCM(502) 、実行順序制御装置
NCE(503) から構成されている。各PEは、それぞれ
ローカルにアクセスできるメモリを持っており、そのメ
モリに処理すべき複数のプログラムモジュールが記憶さ
れている。
【0003】ペトリネットグラフは、形式的に以下のよ
うに定義される。
【0004】
【数1】
【0005】図9(a) は、ペトリネットグラフの一例で
ある。図9(a) を例にとって前述の定義を当てはめてみ
ると、以下のようになる。
【0006】
【数2】
【0007】各プレースp1〜p4には、プロセッサが
処理すべきプログラムモジュールが割り当ててあり、プ
レースがトークンを得たときに、プロセッサはそのプロ
グラムモジュールの処理を開始する。
【0008】プログラムモジュールの状態遷移を記述し
たペトリネットグラフは表形式に変換され、FCT(Fi
re Condition Table) 、TTT (Token Transfer Tabl
e) としてNCE内のレジスタに格納されている。
【0009】FCTはプレースに接続している出力トラ
ンジションの状態を表し、図9(a)のグラフを表現する
と図9(b) のような表になる。TTTはトランジション
に接続している出力プレースの状態を表し、図9(a)の
グラフを表現すると図9(c) のような表になる。
【0010】又、ペトリネットの状態を表すトークン
は、各プレース毎にトークンの有り無しをTST (Toke
n Status Table) (201) に格納している。TSTはNC
E内のレジスタであり、プレース毎に1ビットが割りつ
けられていて、トークン有りで‘1’、トークン無しで
‘0’が格納される。
【0011】NCEはFCT、TTT及びTSTを参照
して、発火可能なトランジションを発火させる。発火と
は、トランジションの入力プレースの全てにトークンが
入っているときに、入力プレースからトークンを抜き去
り、出力プレースへトークンを分配(ここでは、出力プ
レースのプログラムモジュールに起動をかけること)す
ることを意味する。
【0012】トークンを分配すべきプレースはTTTか
ら求まる。トークンが分配されると、分配されたプレー
スはプログラムモジュールの処理を開始する。NCEは
トランジションの発火により処理すべきプレースの番号
を、CCM内のEXQ (Excution Queue) (504) に書き
込む。複数のPEは、EXQ内のプレースの番号を競合
しながら読み出し、これに対応するプログラムモジュー
ルを処理する。処理を終了したならば、そのプレースの
番号をCCM内のEDQ(EnD Queue) (505) に書き込
む。NCEはEDQ内のプレースの番号を取り出し、そ
れに対応するTSTのビットを‘1’にする。
【0013】NCEと各PEは、CCMをインタフェー
スとして独立に動作している。NCEはペトリネットグ
ラフの記述に従い、処理可能なプログラムモジュールに
対応するプレースの番号をEXQに書き込む。
【0014】一方、PEはEXQからプレースの番号を
読み出して、それに対応するプログラムモジュールを処
理するので、PEの数だけプログラムモジュールが並列
に動作することが可能である。
【0015】NCEが発火チェックを行うのは、トーク
ンの状態が変化したときでよく、それはつまりTSTに
ビットが書き込まれたときであり、発火チェックをする
トランジションは、トークンが分配されたプレースから
アークの伸びているトランジションである。このように
して、ペトリネットで記述された並列処理が実行制御さ
れる。
【0016】以下、発火可能かをチェックする発火論理
回路について説明する。発火論理回路はNCE内に用意
されており、入力プレース判断手段(IT)、出力プレ
ース判断手段(OT)及びTSTの3つのレジスタと論
理演算部から構成されている。
【0017】ITはトランジション毎の入力プレースの
接続情報を表したレジスタで、FCTを参照して作成可
能であり、トランジションに接続している入力プレース
は‘1’で表され、接続していないものは‘0’で表さ
れる。
【0018】図9(a) のペトリネットグラフのITは、
図9(d) のように表される。OTはトランジション毎の
出力プレースの接続情報を表したレジスタで、TTTを
参照して作成可能であり、トランジションに接続してい
る出力プレースは‘1’で表され、接続していないもの
は‘0’で表される。
【0019】図9(a) のペトリネットグラフのOTは、
図9(e) のように表される。発火論理回路はNCE内
で、新たにトークンが入ったプレースを入力プレースと
するトランジションの番号を受け取ると、NCE内に保
存している情報(TST、IT、OT)を用いてそのト
ランジションが発火可能かどうかのチェックを行う。
【0020】全ての入力プレースにトークンが存在する
か否かである。この際に、ネットの安全性のチェックも
行う。ネットの安全性とは、プレースに1つを越えるト
ークンが入らないことを意味する。
【0021】具体的に言えば、出力プレースにトークン
が入っているうちは、トランジションが発火できなくす
ることである。そのために、トランジションの入力プレ
ースのトークンのチェックのみではなく、出力プレース
のトークンのチェックも行う。以上のチェックで発火可
能となるとそのトランジションは発火し、入力側の全て
のプレースのトークンが消え、出力側の全てのプレース
にトークンが入る。
【0022】その結果、TSTが更新される。 発火・更新論理 プレースの有限集合 P={ p1,p2,---,pi,----,pm
} (1≦i≦m) トランジションの有限集合 T={ t1,t2,---,tj,---
-,tn }(1≦j≦n) TSTレジスタ TST= ( tst(p1),tst(p2),-
---,tst(pm) ) トランジションtjのITレジスタ= ( it(tj,1),it(tj,
2),----,it(tj,m) ) トランジションtjのOTレジスタ= ( ot(tj,1),ot(tj,
2),----,ot(tj,m) ) とすると、トランジションtjが発火可能であるための条
件は、
【0023】
【数3】
【0024】図11にプレース数=4、トランジション
数=2のときの発火論理回路を、図12にTST更新回
路を示す。図9(a) のペトリネットグラフを使用して以
下の説明を行う。
【0025】図11において、トランジション番号がI
Tに入力されると、そのトランジションに接続される入
力プレースの接続情報が出力される。仮にトランジショ
ン番号としてt1が入力されると、it(t1,1)のみが
‘1’となりインバータINV4のみが‘0’となり、
他のインバータは全て‘1’となる。又、プレースp1
のみにトークンが存在するとすれば、TST出力の内ts
t(p1) のみが‘1’となり他の出力は‘0’となる。そ
の結果ORゲートの出力は全て‘1’となり、入力条件
であるAND10の出力が‘1’となり、入力条件は発
火可能となる。
【0026】同様に、トランジション番号がOTに入力
されると、そのトランジションに接続される出力プレー
スの接続情報が出力される。トランジション番号として
t1が入力されると、ot(t1,2)とot(t1,3)のみが‘1’
となる。又、トークンはp1のみに存在するのであるか
ら、tst(p2) とtst(p3) は‘0’となりNANDゲート
の出力は全て‘1’となってAND11の出力が‘1’
となり、出力条件も発火可能となる。その結果、AND
12の出力は‘1’となって、トランジションt1は発
火可能となる。
【0027】図12は、ITの出力を反転したものと、
TSTの出力の論理積をとったものをTSTに格納して
いる。トークンはp1のみに存在するのであるから、T
STの出力の内、tst(p1) のみが‘1’となり、他は全
て‘0’となる。又、ITの内it(t1,1)のみが‘1’と
なり他は全て‘0’となる。そして、インバータの内I
NV5の出力のみが‘0’となり、その他のインバータ
は‘1’となる。その結果、ANDゲートの出力は全て
‘0’となり、p1のトークンが消去されたことにな
る。
【0028】なお、TSTの状態に変化があるにもかか
わらず、トランジションが発火出来ない場合が2種類あ
る。まず、入力プレースのいくつかにトークンが入って
いないときである。
【0029】この場合、残りの入力プレースにトークン
が分配されてきたときの発火チェックで発火の判定が可
能であるので、問題はない。もう1つは入力側プレース
のトークンは全てあるが、出力側プレースにもトークン
があるときである。これは、出力側プレースのトークン
がなくなるまで待たなければならない。また、なくなり
次第、発火できなければならない。しかし、ペトリネッ
ト記述をしたテーブルFCTが入力プレースから発火チ
ェックをするトランジションを引く形なので、出力プレ
ースの変化からそのプレースの番号をもとに発火チェッ
クをすべきトランジションを引くことは難しい。
【0030】従って、出力プレースが空くまで入力プレ
ースの1つを用いてそのトランジションの発火チェック
を繰り返せばよい。但し、一旦入れたトークンが他のト
ランジションの発火に影響を与える場合もあるので、強
制的にこのトークンを消去して、そのプレース番号をE
DQに戻してやる。こうすると、NCEはそのプレース
のプログラムモジュールの処理が終了したものとみな
し、TSTのそのプレースのビットを‘1’にする。
【0031】その結果、出力プレースが空くまでそのプ
レース番号はNCEとEDQを往復して発火チェックを
繰り返す。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は以下の通りである。 (1).従来装置においてのプログラムモジュールの処
理とトークンの関係を、図10を用いて説明する。
【0033】(i). トランジションt1は発火可能である
ので、発火してp2のプログラムモジュールの処理を開始
する。 (ii). プログラムモジュールを処理中の状態である。
【0034】(iii).プログラムモジュールの処理を終了
と同時に、p2にトークンが注入される。 (iv). トランジションt2が発火可能であれば、発火す
る。
【0035】プログラムモジュールの処理をPEが終了
した時に、TSTにトークンが注入されるので、PEが
プログラムモジュールを処理中は、プレースにトークン
が存在しないという状態が存在する。
【0036】従って、そのプレースを出力プレースとす
るトランジション(この場合はt1)がそのプレースが
空だと認識してしまい、発火してしまう恐れがある。こ
のため、あるプログラムモジュールを処理中にもかかわ
らず、同じプログラムモジュールに起動がかかる可能性
がある。
【0037】これはトランジションが発火してから、出
力プレースにトークンが注入されるまでの間に時間がか
かることに起因する。トランジションの発火からトーク
ンの注入されるべきプレースの番号がEXQ、PE、E
DQを回ってからトークンが注入されるので時間がかか
る。その間に、他のトランジションの発火のチェックを
行うことにより本問題が生じ、トランジションの発火か
らトークン注入までの間は、安全性が保てないという問
題があった。
【0038】この問題点を図11を用いて説明する。従
来例で示したように、トランジションt1が発火したと
きにTSTのtst(p1)が‘0’となる。その結果、AN
D10の出力が‘0’となりトランジションt1の入力
条件は発火不可能となる。しかし出力条件は、発火可能
のままである。
【0039】仮に、プレースp1の入力トランジション
が発火して、p1にトークンが注入された場合に、TS
Tのうちtst(p1) が‘1’となり、再びAND10の出
力が‘1’となり入力条件も発火可能となる。その結果
t1が再び発火することになり、プロセッサはプログラ
ムを処理中であるにもかかわらず、同じプログラムに起
動がかかることになる。 (2).ペトリネットグラフには、ある一つのプレース
がある一つのトランジションの入力プレースであり、か
つ出力プレースであるということも許されており、これ
はグラフで表すとプレースとトランジションが双方向の
アークで結ばれている状態(図4)である。これを「参
照プレース」と呼ぶ。
【0040】(i). 参照プレースにトークンがない状態
である。 (ii). 参照プレースにトークンがある状態である。 従来装置においては安全性を保つため、トランジション
の発火には、出力プレースが空いている必要があった。
しかし参照プレースの場合、そのプレースはトランジシ
ョンにとって入力プレースでありかつ出力プレースでも
ある。従って、トランジションからみれば、入力プレー
スにトークンがあるときは出力プレースにもトークンが
あって、発火できず、出力プレースにトークンがないと
きは入力プレースにトークンがなくて発火できない。つ
まり、従来装置の発火論理回路では参照プレースのつな
がったトランジションを正常に発火できないという問題
があった。
【0041】この問題点を図9と図11を使用して説明
する。図9のペトリネットグラフのうち、仮にプレース
p4を参照プレースであるとする。ITのうち、it(t2,
2)とit(t2,3)とit(t2,4)が‘1’となる。
【0042】p4にトークンがない場合、TSTのうち
tst(p2) とtst(p3) が‘1’となり、その他は‘0’と
なる。その結果、ORゲートのうちOR34のみが
‘0’となり、AND10の出力が‘0’となって、入
力条件で発火不可能になる。
【0043】又、p4にトークンがある場合、TSTの
うちtst(p2) とtst(p3) とtst(p4)が‘1’となり、tst
(p1) が‘0’となり、OTのうちot(t2,4)のみが
‘1’となり、他は‘0’となる。その結果、NAND
ゲートのうちNAND34のみが‘0’となり、それ以
外は‘1’となる。従って、AND11の出力が‘0’
となって出力条件で発火不可能になる。
【0044】本発明の課題は、プログラムモジュール実
行中すなわち「トランジション発火からトークン注入ま
での間にある。」という状態を認識できる発火論理回路
と、参照プレースのつながったトランジションの発火が
正常に行える発火論理回路を提供することにある。
【0045】
【課題を解決するための手段】
(1).図1は、本発明(1)のブロック図である。入
力プレース判断手段(101) は、トランジションに接続す
る入力プレースの状態であるITの内容が記憶され、メ
モリ、ラッチ回路、F/F回路等で構成される。
【0046】出力プレース判断手段(102) は、トランジ
ションに接続する出力プレースの状態であるOTの内容
が記憶され、メモリ、ラッチ回路、F/F回路等で構成
される。
【0047】トークン状態記憶/更新手段1(103) は、
それぞれのプレースのトークン状態が記憶され、発火が
行われると、その発火に関連するプレースのトークン状
態が更新され、論理ゲートとメモリ、ラッチ回路、F/
F回路等で構成される。
【0048】多重起動制御手段(104) は、現在処理中の
プログラムに再起動がかからないようにするために、ダ
ミーのプレースを定義したもので、メモリ、ラッチ回
路、F/F回路等で構成される。
【0049】論理演算手段1(105) は、上記(101) 〜(1
04) の出力から発火可能か否かをチェックする手段であ
り、論理ゲート等で構成される。 (2).図2は、本発明(2)のブロック図である。
【0050】入力プレース判断手段(101) は、トランジ
ションに接続する入力プレースの状態であるITの内容
が記憶され、メモリ、ラッチ回路、F/F回路等で構成
される。
【0051】出力プレース判断手段(102) は、トランジ
ションに接続する出力プレースの状態であるOTの内容
が記憶され、メモリ、ラッチ回路、F/F回路等で構成
される。
【0052】トークン状態記憶/更新手段2(201) は、
それぞれのプレースのトークン状態が記憶され、発火が
行われると、その発火に関連するプレースのトークン状
態が更新され、論理ゲートとメモリ、ラッチ回路、F/
F回路等で構成される。但し、このトークン状態記憶/
更新手段2は、従来のTST更新回路と全く同じもので
ある。
【0053】参照プレース発火手段(202) は、参照プレ
ースを発火可能にするための手段であり、論理ゲート等
で構成される。論理演算手段2(203) は、上記(101) 〜
(102) 及び(201) 〜(202) の出力から発火可能か否かを
チェックする手段であり、論理ゲート等で構成される。
【0054】
【作用】
(1).発火論理回路内の各プレースに対して、新たに
ダミーのプレースを定義し、それらにダミーのトークン
を入れられるようにする。トランジションの発火後、出
力プレースの番号をEXQに入れる前に、ダミーのトー
クンをその出力プレースに対するダミープレースに注入
する。このダミーのトークンは、普通のトークンと同じ
くこのダミーのプレースを入力プレースとするトランジ
ションの発火で消去される。プログラムモジュールを処
理中はダミーのトークンがダミーのプレースにあり、プ
ログラムモジュールを処理終了後は普通のトークンがさ
らに付け加わる。
【0055】トランジションは、出力プレースにトーク
ンがあると発火できない。従って、普通のトークンの代
わりにダミーのトークンで安全性のチェックを行えば、
従来の安全性(プログラムモジュール実行終了後は安全
である)に「プログラムモジュール実行中も安全であ
る」という機能が付け加わる。 (2).発火論理回路内で行われる発火論理の内、出力
条件のチェックに用いるOTの値にITの反転した値で
マスクをかける。これは出力プレースであり入力プレー
スでもあるプレースを、出力条件のチェックから除くこ
とを意味する。
【0056】発火論理回路内で行われる発火論理の内、
入力条件の論理は変わらないので、入力プレースのプロ
グラムモジュール終了で入力条件は成立する。出力プレ
ースのうち参照プレースにはトークンが入った状態だ
が、マスクをかけてあるので出力条件のチェックから除
かれている。参照プレース以外の出力プレースにトーク
ンがなければ出力条件は成立する。
【0057】以上の入出力条件がともに成立したとき発
火可能とすれば、参照プレースにつながるトランジショ
ンも正常に発火できる。
【0058】
【実施例】
(1).実施例を、図3以下を用いて説明する。 (i). トランジションt1は発火可能であるので、発火し
てプログラムモジュールの処理を開始する。
【0059】(ii). プログラムモジュールの処理の開始
とともに、ダミーのプレースにトークンを入れる。仮に
p1にトークンが入ったとしても、t1は発火しない。 (iii).プログラムモジュールの処理が終了したためp2に
トークンが入る。
【0060】(iv). t2が発火可能であれば、発火する。 このようにすれば、プログラムモジュール実行中はダミ
ーの方のプレースにトークンがあるので安全性を保つた
めにトランジションは発火しない。実際にはペトリネッ
トグラフでダミーのプレースを記述するわけではなく、
このダミーのプレースのトークンすなわちダミーのトー
クンを出力条件に用いることを前提に発火論理回路に取
り込む。このときの発火論理回路の発火・更新論理を以
下に示す。
【0061】ここで、ダミーのプレースのトークンを入
れるTSTをTSTDとする。 発火・更新論理 TSTDレジスタ TSTD= ( tstd(p1),tstd(p
2),----,tstd(pm) ) とすると、トランジションtjが発火可能であるための条
件は、
【0062】
【数4】
【0063】入力条件にはターゲットのプレースのトー
クンを用い、出力条件にはダミーのプレースのトークン
を用いる。発火のあとのトークンの消去には、TSTの
更新にはTST、TSTDの更新にはTSTDを用い
る。
【0064】以上のように発火・更新論理を変更するこ
とで、ターゲットのプレースでプログラムモジュールを
実行中でも、ダミーのプレースにトークンがあるので安
全性は保たれる。
【0065】図6、図7にプレース数=4、トランジシ
ョン数=2のときの発火論理回路、TST、TSTD更
新回路を示す。図6を図3の原理図を使って、説明す
る。
【0066】本来であれば、図9に示すペトリネットグ
ラフの全てのプレースp1〜p4にダミーのプレースが
付加されねばならないが、説明を簡単にするためにp2
にのみダミーのプレースが付加されているものとする。
【0067】図6でトランジションt1が発火したとす
ると、従来例で示したようにTSTの内容が更新され
て、tst(p1) が‘0’となる。ITの内it(t1,1)のみが
‘1’で、他は全て‘0’であるので、インバータの出
力のうちINV1のみが‘0’となり、他は全て‘1’
となる。さらにORゲートのうちOR1のみが‘0’と
なり、他は全て‘1’となる。その結果AND1の出力
は‘0’となり入力条件は、発火不可能となる。
【0068】又、TSTDはtstd(p2)のみが‘1’とな
っていて、他は‘0’となっている。OTのうちot(t1,
2)とot(t1,3)が‘1’であり、他は‘0’であるので、
NANDゲートのうちNAND1のみが‘0’となり、
他は全て‘1’となる。その結果、AND2の出力は
‘0’となって、出力条件も発火不可能となる。
【0069】仮に、プレースp1の入力トランジション
が発火したとすると、p1にトークンが注入されてtst
(p1) が‘1’となり、AND1の出力が‘1’となっ
て入力条件は発火可能になる。
【0070】しかし、tstd(p2)はプレースp2のプログ
ラムの処理が終了するまで‘1’を保つので、プログラ
ムが終了するまでトランジションt1は、再び発火する
ことはない。
【0071】図7は、TSTDの更新がTSTの更新と
同じ方法で更新されることが示される。 (2).参照プレースで問題が生じる原因は、発火論理
回路内で行われる論理のうち、出力条件のチェックでこ
の参照プレースを出力プレースとして認識しないように
すればよい。これは入力プレースでもある出力プレース
を出力条件のチェックから外せばよい。
【0072】具体的にいうと、入力プレースの情報はI
Tに入っているので、出力プレースの情報の入っている
テーブルOTをこのITでマスクする。そうすれば、出
力条件のチェックのときに参照プレースを出力プレース
として認識しなくなる。
【0073】ITでマスクするとは、ITの反転した値
で論理積をとることをいう。以上のように改良した発火
・更新論理を以下に示す。 発火・更新論理 トランジションtjが発火可能であるための条件は、
【0074】
【数5】
【0075】入力条件の論理は変わらないので、入力プ
レースのプログラムモジュールが全て終了すると(TS
Tの入力プレースの位置の全てにトークンとして‘1’
が入ると)入力条件は成立する。出力プレースの内参照
プレースにはトークンが入った状態だが、マスクをかけ
てあるので出力条件のチェックから除かれている。参照
プレース以外の出力プレースが全て空いていれば(TS
Tの出力プレースの位置の全てにトークンとしての
‘1’が入っていなければ)出力条件は成立する。
【0076】以上の入出力条件がともに成立したときに
発火可能とすれば、参照プレースにつながるトランジシ
ョンも正常に発火できる。なお、トランジション発火の
場合のトークンの分配先はTTTに格納されている。本
発明ではTTTは変更していないので、TTT上ではト
ランジションと参照プレースはつながっており、参照プ
レースのプログラムモジュールにも起動がかかる。
【0077】図8にプレース数=4、トランジション数
=2のときの発火論理回路を示す。図8を図9を使用し
て説明する。OTの出力をITの反転した出力でマスク
する参照プレース発火手段(202) を付加することによ
り、参照プレースを出力条件のチェックから除くことを
示している。
【0078】仮に、プレースp4が参照プレースである
とする。トランジションt2が発火可能か否かをチェッ
ク場合、ITのうちit(t2,1)のみが‘0’となり、その
他は‘1’となる。
【0079】p4にトークンがない場合、従来と同様A
ND7の出力が‘0’となり入力条件で発火不可能とな
る。又、p4にトークンがある場合、従来と同様にAN
D7の出力が‘1’となり、入力条件は発火可能とな
る。it(t2,4)は‘1’であるので、インバータINV3
は‘0’となり、AND6は‘0’となる。その結果、
NAND2はtst(p4)がいかなる場合でも‘1’を出力
することになり、AND8は‘1’を出力して出力条件
は発火可能となる。従って、参照プレースが接続された
トランジションであっても発火可能となる。
【0080】
【発明の効果】
(1).プレースの状態をトークンの有り無し(起動待
ち/終了)だけでなく、プログラムモジュール実行中の
状態も管理できるので、安全性(1つのプレースに1個
を越えてトークンが入らないこと、具体的に言えば出力
プレースにトークンが入っているうちはトランジション
が発火できなくすること)を確保した発火が実現でき
る。
【0081】それにより、あるプログラムモジュールを
実行中にもかかわらず同じプレースのプログラムモジュ
ールに、二重三重に起動がかかることがなくなった。 (2).本発明を用いれば、参照プレースにつながるト
ランジションも正常に発火でき、従来では実現できなか
った「双方向のアーク」を持ったペトリネットグラフに
よる並列制御のスケジューリングができるようになっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の並列制御方式(1)の論理ブロック図
である。
【図2】本発明の並列制御方式(2)の論理ブロック図
である。
【図3】本発明(1)の原理図である。
【図4】参照プレースのペトリネット記述である。
【図5】並列制御システムの構成図である。
【図6】本発明(1)の発火論理回路である。
【図7】本発明(1)のTST、TSTD更新回路であ
る。
【図8】本発明(2)の発火論理回路である。
【図9】(a) はぺトリネットグラフの一例であり、(b)
はペトリネットグラフのFCTであり、(c) はペトリネ
ットグラフのTTTであり、(d) はペトリネットグラフ
のITであり、(e) はペトリネットグラフのOTであ
る。
【図10】従来のプログラムモジュールの処理と、トー
クンの関係である。
【図11】従来の発火論理回路である。
【図12】従来のTST更新回路である。
【符号の説明】
101 入力プレース判断手段 102 出力プレース判断手段 103 トークン状態記憶/更新手段1 104 多重起動制御手段 105 論理演算手段1 201 トークン状態記憶/更新手段2 202 参照プレース発火手段 203 論理演算手段2 501 プロセッサ 502 状態チェック装置 503 実行順序制御装置 504 Excution Queue 505 End Queue

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々が、独自に異なる処理をすることが
    可能で、内部又は外部にローカルにアクセスすることが
    できるメモリを持つ複数のプロセッサ(501)と、 前記プロセッサ(501) の実行状態を監視する状態チェッ
    ク装置(502) と、 前記プロセッサ(501) 及び前記状態チェック装置(502)
    を制御する実行順序制御装置 (503)とを有するマルチプ
    ロセッサの並列制御システムにおいて、 前記実行順序制御装置(503) 内に、 トランジションに接続する入力プレースの情報を記憶す
    る入力プレース判別手段(101) と、 トランジションに接続する出力プレースの情報を記憶す
    る出力プレース判別手段(102) と、 プレースのトークンの状態を記憶/更新するトークン状
    態記憶/更新手段1(103) と、 プログラムの処理中に、同じプログラムに起動がかから
    ないようにするための多重起動制御手段(104) と、 発火可能か否かを判別する論理演算手段1(105) を具備
    することを特徴とする並列制御システム。
  2. 【請求項2】 各々が、独自に異なる処理をすることが
    可能で、内部又は外部にローカルにアクセスすることが
    できるメモリを持つ複数のプロセッサ(501)と、 前記プロセッサ(501) の実行状態を監視する状態チェッ
    ク装置(502) と、 前記プロセッサ(501) 及び前記状態チェック装置(502)
    を制御する実行順序制御装置 (503)とを有するマルチプ
    ロセッサの並列制御システムにおいて、 前記実行順序制御装置(503) 内に、 トランジションに接続する入力プレースの情報を記憶す
    る入力プレース判別手段(101) と、 トランジションに接続する出力プレースの情報を記憶す
    る出力プレース判別手段(102) と、 プレースのトークンの状態を記憶/更新するトークン状
    態記憶/更新手段2(201) と、 トランジションに対して入力プレースであり、出力プレ
    ースでもある参照プレースを、発火可能にするための参
    照プレース発火手段(202) と、 発火可能か否かを判別する論理演算手段2(203) を具備
    することを特徴とする並列制御システム。
JP5126725A 1993-05-28 1993-05-28 ペトリネットに基づく並列制御システム Withdrawn JPH06337851A (ja)

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