JPH06337332A - 光ファイバブロックの製造方法 - Google Patents

光ファイバブロックの製造方法

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JPH06337332A
JPH06337332A JP5129324A JP12932493A JPH06337332A JP H06337332 A JPH06337332 A JP H06337332A JP 5129324 A JP5129324 A JP 5129324A JP 12932493 A JP12932493 A JP 12932493A JP H06337332 A JPH06337332 A JP H06337332A
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JP
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optical fiber
ultraviolet
block
manufacturing
resin
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JP5129324A
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Inventor
Akira Morinaka
彰 森中
Hiroaki Hanabusa
広明 花房
Taisuke Oguchi
泰介 小口
Kazunori Senda
和憲 千田
Norio Murata
則夫 村田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ファイバの位置決め精度の優れた光ファイ
バブロックを製造する。 【構成】 紫外線を透過する型枠に光ファイバを配置す
る工程と、型枠と光ファイバとの間隙のブロック成形領
域に紫外線硬化性樹脂を充填する工程と、充填された紫
外線硬化性樹脂に紫外線を照射する工程と、紫外線の照
射により硬化した紫外線硬化性樹脂と光ファイバとの一
体物から型枠を外す工程とからなる光ファイバブロック
の製造方法であって、紫外線を照射する工程は、充填さ
れた紫外線硬化性樹脂の内、光ファイバ近傍に照射され
る紫外線の強度を高める手段を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバブロックの
製造方法に関し、特に、一体成形型の光ファイバブロッ
クの製造方法に適用して有効な技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】光導波路パターンを平面上に加工作製し
た光回路基板は、その回路設計により分岐、光スイッ
チ、カップラ等様々な機能を面積の小さな基板上に実現
することが可能なため、注目を集めている。一方、光フ
ァイバは、光回路基板より光導波損失が少ないため、光
の伝送路及び光回路基板間の接続路に用いるのに適して
いる。このような状況を背景として、光回路基板の光導
波路端面と光ファイバ端面とを接続することが、光伝送
路及び光回路基板の実用にあたって、非常に重要な技術
となってきた。
【0003】通常、光導波路端面に複数の光ファイバ端
面を接続する場合、光ファイバの接続部近傍に外力によ
る折れ等が発生するのを防ぐ目的で、光ファイバの接続
部近傍を固定具により固定して補強する処置が施され
る。このような固定具は、光ファイバブロックと称さ
れ、光導波路端面に複数の光ファイバ端面を接続する前
の段階で、光ファイバの接続部近傍に取り付けられる。
【0004】光ファイバには光の伝搬モードに応じて単
一モード(SM)光ファイバと多モード(MM)光ファ
イバとがあるが、SM光ファイバは、その伝送特性が優
れている(例えば、伝送帯域幅が広い)ため、光ファイ
バの主流となっている。しかしながら、SM光ファイバ
は、MM光ファイバに比べ、コア部の直径が8μm〜1
0μm程度と非常に小さくなっているので、光導波路端
面と光ファイバ端面とを正確に突合せ接続するために
は、光ファイバブロックを精密に加工する必要があっ
た。
【0005】図10は従来の光ファイバブロックの一例
を示す分解斜視図であり、13はファイバ芯線、14は
光ファイバテープ、101は位置決め用V溝ブロック、
102はV溝ファイバ押え板、103は外枠ブロックで
あり、外枠ブロック103、位置決め用V溝ブロック1
01、V溝ファイバ押え板102はいずれも紫外線を透
過する材質からなっている。以下、従来のファイバブロ
ックの製造方法を簡単に説明する。
【0006】まず、位置決め用V溝ブロック101の8
個のV溝の各々にファイバ芯線13を配列し、V溝ブロ
ック101とV溝ファイバ押え板102とでファイバ芯
線群13を挟み、これら三者をUV接着剤(紫外線が照
射されることにより固まる接着剤)で固定させ一体とす
る。次に、この一体物を外枠ブロック103の溝に配置
し、再びUV接着剤で固定して光ファイバブロックが完
成する。光ファイバ芯線13を光導波路端面と突合せ接
続する場合には、光ファイバ芯線13を切断した後、こ
の切断部端面を精密に研磨する。
【0007】この方法は、ファイバ位置決め精度、紫外
線透過性に優れているが、部品数、工程数が多く、か
つ、位置決め精度を高くするのにガラス、石英等の紫外
線透過性物質からなる各部品の形状を精密に加工する必
要があるという問題があった。
【0008】この問題を解決する手段として、紫外線透
過性を有する型枠を用意し、この型枠の所定の位置に光
ファイバを配列させ、この型枠と配列された光ファイバ
との間隙のブロック成形領域に、光硬化性・紫外線硬化
性・熱硬化性の内、いずれかの性質を有する樹脂を充填
した後、光照射・紫外線照射・加熱の内、いずれかの方
法で充填した樹脂を硬化させることにより、光ファイバ
を埋込んだままで一体成形して、光ファイバブロックを
製造する方法がある。この方法を採る場合に用いる光フ
ァイバブロックの型枠の一例を図4に示す。
【0009】図4において、11は上蓋、11aは上蓋
11の樹脂充填用溝部、12は下枠、12aは下枠12
の位置決め用V溝部、12bは下枠12の樹脂充填用U
溝部であり、上蓋11及び下枠12は紫外線透過性を有
している。この型枠を用いて光ファイバブロックを製造
する方法を簡単に説明する。
【0010】まず、位置決め用V溝部12aに沿って光
ファイバ芯線13を配列させるとともに、樹脂充填用溝
部11aと樹脂充填用U溝部12bとが対面するように
下枠12と上蓋11とで光ファイバを挟んで型枠を組み
立てる。
【0011】次に、樹脂充填用溝部11aと樹脂充填用
U溝部12bと光ファイバとの間隙にできる前記ブロッ
ク成形領域に紫外線硬化性樹脂を充填する。図5はこの
ように樹脂が充填された段階での光ファイバブロックの
製造部を示す図であり、図5(a)は製造部の側面透視
図、図5(b)は製造部の平面図、51は紫外線硬化性樹
脂が充填されたブロック成形領域である。
【0012】この後、充填された樹脂に対して、上蓋1
1の上面の方向から紫外線を照射し、この方向からの照
射を終えた後、下枠12の下面の方向から再び紫外線を
照射して樹脂を硬化させる。最後に、型枠を外して光フ
ァイバブロックが完成する。
【0013】この製造方法によれば、部品数及び工程数
が少ないので、容易で安価な部品作製が可能と考えられ
る。しかし、一般に樹脂類は、光ファイバの材料である
石英やシリコンに比べ熱膨張係数が10倍以上大きいの
で、硬化の過程の熱履歴により、光ファイバブロック内
に歪が生じ、ファイバの位置決め精度を悪くするという
問題があった。
【0014】この問題を解決するために、充填樹脂に、
熱膨張の調整剤として石英フィラー・石英ビーズ等の無
機物添加剤を数10wt%程度混合分散させたり、さら
に、添加剤と充填樹脂との屈折率の差によって生じる紫
外線の乱反射を防止するために、両者の屈折率を同等に
する等の配慮を施していた。
【0015】図11は、図4に示した型枠を用いて従来
の方法で光ファイバブロックを作製した場合の、図5
(a)中の位置X−Xでの断面の硬化時における屈折率分
布を示す模式図であり、矢印Bは紫外線の照射方向、白
抜きの矢印は硬化にともなって発生する応力の方向を各
々示している。図11中の楕円状の閉曲線は、作製した
光ファイバブロックの内部の屈折率分布を光弾性測定装
置で観察したときの屈折率の等しい位置を結んで得られ
る等高線である。この等高線は、ファイバ芯線13に近
い内側のものほど屈折率が高く、隣接する等高線の示す
屈折率の差は等しくなっている。したがって、ファイバ
芯線13に近い内側に向かうほど、等高線の間隔が狭く
密になって描かれている。
【0016】図6(a)及び図6(b)は、光ファイバブロ
ックに一方向から紫外線を照射しているときの、光ファ
イバブロック内での紫外線強度の分布を示すグラフ図で
あり、図11中の線分Y−Y上での紫外線強度分布を表
している。縦軸は紫外線強度、横軸は照射される紫外線
の侵入深さを示しており、横軸の左端は図11中の位置
Y−Y上の左側の位置に、横軸の右端は図11中の位置
Y−Y上の右側の位置に、Cで示された位置は図11中
の位置Y−Y上で光ファイバ芯線13の中心の位置に対
応している。図6(a)は図11中の左側から紫外線を照
射した場合の図、図6(b)は図11中の右側から紫外線
を照射した場合の図に各々対応しており、Δiは、紫外
線が入射してくる側の端点Yにおける紫外線強度と、位
置Cにおける紫外線強度との差を示している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の光ファイバブロックの製造方法においては、図6
(a)及び図6(b)から明らかなように、紫外線強度の差
Δiが大きく、このような光ファイバ近傍と周辺部との
紫外線強度の差が、光ファイバ芯線近傍の充填樹脂の硬
化を遅らせる。なぜなら、充填樹脂の各部における硬化
速度は、各部における単位面積当りに照射される紫外線
エネルギーに比例し、一般に〈単位面積当りの光エネル
ギー=光強度×照射時間〉が成り立つので、紫外線強度
の小さい光ファイバ芯線近傍に近づくほど樹脂の硬化速
度が小さくなるからである。このような硬化速度の差に
より、光ファイバブロックの内、光ファイバ芯線の位置
決めをするうえで最も重要な光ファイバ芯線近傍に樹脂
硬化による歪が集中する。
【0018】事実、図11に示した等高線の分布状態か
ら明らかなように、従来の製造方法では充填樹脂の硬化
が最も遅い光ファイバ芯線近傍に近づくほど屈折率及び
その上昇率が高くなっていることがわかる。従って、光
ファイバ芯線近傍に近づくほど樹脂硬化による歪が集中
していることがわかる。そして、この歪が光ファイバ芯
線の位置決め精度を狂わせるという問題があった。
【0019】なお、このような問題点は、充填樹脂に紫
外線硬化性樹脂を用いた場合に限定されず、熱硬化性樹
脂、光硬化性樹脂を用いた場合においても存在してい
た。
【0020】本発明は前記問題点を解決するために成さ
れたものであり、本発明の目的は、光ファイバの位置決
め精度の優れた光ファイバブロックを製造することが可
能な技術を提供することにある。
【0021】本発明の前記並びに、その他の目的及び新
規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明ら
かにする。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1の手段は、紫外線を透過する型枠に光
ファイバを配置する工程と、前記型枠と前記光ファイバ
との間隙のブロック成形領域に紫外線硬化性樹脂を充填
する工程と、充填された前記紫外線硬化性樹脂に紫外線
を照射する工程と、紫外線を照射する前記工程により硬
化した前記紫外線硬化性樹脂と前記光ファイバとの一体
物から前記型枠を外す工程とからなる光ファイバブロッ
クの製造方法であって、前記紫外線を照射する工程は、
充填された前記紫外線硬化性樹脂の内、前記光ファイバ
近傍に照射される紫外線の強度を高める手段を用いるこ
とを特徴とする。
【0023】本発明の第2の手段は、前記第1の手段を
用いる光ファイバブロックの製造方法において、前記紫
外線の強度を高める手段が充填された前記紫外線硬化性
樹脂に紫外線を複数の方向から同時に照射することを特
徴とする。
【0024】本発明の第3の手段は、前記第1の手段を
用いる光ファイバブロックの製造方法において、前記紫
外線の強度を高める手段は、集光器により前記紫外線硬
化性樹脂の前記光ファイバ近傍に紫外線を集光させた状
態で照射することを特徴とする。
【0025】前記第1乃至第3の手段のうちいずれか1
つの手段を用いる光ファイバブロックの製造方法におい
て、前記紫外線の強度を高める手段は、前記型枠、前記
光ファイバ及び前記紫外線硬化性樹脂の三者から成る照
射対象物と前記紫外線の内、少なくともいずれか一方を
移動させながら紫外線を照射することを特徴とする。
【0026】
【作用】前記した手段によれば、充填された紫外線硬化
性樹脂の内、光ファイバ近傍に照射される紫外線の強度
を高める手段を用いて紫外線を照射することにより、型
枠周辺の充填樹脂における紫外線強度から光ファイバ近
傍の充填樹脂における紫外線強度を引いて得られる紫外
線強度の差が小さくなり、光ファイバ近傍における充填
樹脂の硬化の遅れが緩和若しくは解消されるので、光フ
ァイバ近傍の充填樹脂に集中していた歪は緩和若しくは
解消される。これにより、光ファイバ素線の位置決め精
度の優れた光ファイバブロックを製造することが可能と
なる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。なお、実施例を説明するための全図におい
て、同一機能を有するものは同一名称及び同一符号を付
与し、その繰り返しの説明は省略するものとする。
【0028】(実施例1)図1は本発明による実施例1
の光ファイバブロックの製造方法を説明するための紫外
線照射装置の概略構成を示す図であり、11は前記図4
に示す型枠の上蓋、12は図4に示す型枠の下枠、13
は光ファイバ芯線、14は光ファイバテープ、15は紫
外線源、16は紫外線照射用ガイド、17は紫外線照射
用ガイド開口部、18は紫外線照射用ガイドヘッド部で
ある。上蓋11と下枠12はともに紫外線を透過する石
英製で、この両者から型枠が構成される。なお、本実施
例においては、光ファイバ芯線13及び光ファイバテー
プ14とを合わせて単に光ファイバと称する。
【0029】以下、本実施例1の光ファイバブロックの
製造方法を説明する。
【0030】図4及び図5を用いて説明した従来技術の
光ファイバブロックの製造方法にしたがって、図4に示
す前記型枠に光ファイバ芯線13及び光ファイバテープ
14を配列し型枠を固定した後、型枠と光ファイバとの
間隙のブロック成形領域51(図5(a)参照)に紫外線
硬化性樹脂を充填する。
【0031】次に、図1に示すように、紫外線源15よ
り紫外線を放射して、充填された紫外線硬化性樹脂に対
して、上蓋11の上面及び下枠12の下面の二方向から
紫外線(例えば、紫外線源出力は300W)を5分間同時
に照射する。この紫外線の照射により紫外線硬化性樹脂
は硬化する。硬化した紫外線硬化性樹脂と光ファイバと
の一体物から前記型枠を外して光ファイバブロックが完
成する。
【0032】この後、光ファイバ芯線13の端面を光導
波路端面と突合せ接続する場合には、光ファイバ13を
切断した後、この切断部端面を研磨する。
【0033】図6(c)は、本実施例1の照射方法で紫外
線硬化性樹脂に紫外線を照射した場合における、侵入深
さに対する紫外線の強度分布を示すグラフ図であり、図
6(a)及び図6(b)に示すΔiに相当する紫外線強度の
差Δi1がΔiに比べ小さくなっている。
【0034】以上の説明からわかるように、本実施例1
の光ファイバブロックの製造方法によれば、次のような
効果を得ることができる。
【0035】すなわち、充填された紫外線硬化性樹脂に
紫外線を二方向から同時に照射することにより、図6
(c)に示すように、光ファイバ近傍の充填樹脂と型枠周
辺の充填樹脂との間に生じる紫外線強度の差が小さくな
るため、光ファイバ近傍における充填樹脂の硬化の遅れ
が緩和若しくは解消され、光ファイバ近傍の充填樹脂に
集中していた歪は緩和若しくは解消される。これによ
り、光ファイバの位置決め精度の優れた光ファイバブロ
ックを製造することが可能となる。
【0036】(実施例2)図2は本発明による実施例2
の光ファイバブロックの製造方法を説明するための紫外
線照射装置の要部断面図であり、21はシリンドリカル
レンズ(集光器)、22は石英添加紫外線硬化性樹脂、
22aは石英添加紫外線硬化性樹脂22の下枠12側の
境界位置、22bは石英添加紫外線硬化性樹脂22の上
蓋11側の境界位置、矢印は紫外線の照射方向を各々示
している。
【0037】以下、本実施例2の光ファイバブロックの
製造方法を詳細に説明する。
【0038】まず、前記実施例1と同様にして、図4に
示す型枠に光ファイバ芯線13及び光ファイバテープ1
4を配列し、型枠を固定した後、石英ビーズを70wt
%混入させた石英添加紫外線硬化性樹脂22を用意し、
型枠と光ファイバとの間隙のブロック成形領域51に石
英添加紫外線硬化性樹脂22を充填する。この段階での
光ファイバブロックの製造部は、従来の技術の図5に示
すものと同じである。
【0039】次に、実施例1と同じ紫外線照射装置を用
いて、充填された石英添加紫外線硬化性樹脂22に対し
紫外線(紫外線出力は300W)を実施例1と同じ二方向
から照射する。ただし、本実施例2においては、紫外線
照射用ガイド開口部17と型枠との間の位置にシリンド
リカルレンズ(焦点距離f=20mm)を配置し、光フ
ァイバ芯線13の中心位置にシリンドリカルレンズ21
の焦点がくるように調節する。こうしてシリンドリカル
レンズ21により石英添加紫外線硬化性樹脂22の光フ
ァイバ近傍に紫外線を集光させた状態にする。この状態
で、1.5分間、石英添加紫外線硬化性樹脂22に紫外
線を二方向から同時に照射して光ファイバ近傍が硬化し
たことを確認する。
【0040】次に、シリンドリカルレンズ21を取り外
した状態で、実施例1と同様の条件で石英添加紫外線硬
化性樹脂22に紫外線を1分間照射する。最後に、実施
例1と同様にして型枠を外して光ファイバブロックが完
成する。
【0041】この後、光ファイバ芯線13を光導波路端
面と突合せ接続する場合には、光ファイバ芯線13を切
断した後、この切断部端面を研磨する。
【0042】図6(d)は、本実施例2の照射方法で石英
添加紫外線硬化性樹脂22に紫外線を照射した場合にお
ける、侵入深さに対する紫外線の強度分布を示すグラフ
図であり、横軸の左端点は図2中の境界位置22aに、
横軸の右端点は境界位置22bに各々相当する。図6
(d)において、D1は図2中の左側から入射する紫外線
による強度分布、D2は図2中の右側から入射する紫外
線による強度分布、Dは図2中の左右両側から入射する
紫外線による強度分布を各々示すグラフである。図6
(d)のグラフDは、境界位置22a及び境界位置22b
における紫外線強度と光ファイバ心線13の中心位置C
における紫外線強度よりもΔi2だけ大きくなってい
る。
【0043】以上の説明からわかるように、本実施例2
の光ファイバブロックの製造方法によれば、次のような
効果を得ることができる。
【0044】すなわち、シリンドリカルレンズ21によ
り照射される紫外線が集光されることにより、図6(d)
に示したように、紫外線の強度は光ファイバ芯線13の
中心位置において最大となりこの中心位置から離れるに
つれて紫外線の強度は小さくなるので、この樹脂22の
硬化は光ファイバ芯線13の近傍より始まり徐々に外周
に及んでいく。したがって、硬化により生じる樹脂22
の歪は周辺部に分散される。これにより、光ファイバの
位置決め精度の優れた光ファイバブロックを製造するこ
とが可能となる。
【0045】(実施例3)図3は、本発明による実施例
3の光ファイバブロックの製造方法を説明するための紫
外線照射装置の概略構成を示す図であり、31は紫外線
源(紫外線源の出力は300W)、32はカセグレン型
凹面鏡、33は反射鏡、34は光路変更ミラー、34a
は光路変更ミラー34上での紫外線スポット形状、35
は紫外線集光用凹面鏡(集光器に相当し、焦点距離f=
30mm)、矢印は紫外線の光路及び照射方向を各々示
している。
【0046】以下、本実施例3の光ファイバブロックの
製造方法を詳細に説明する。
【0047】まず、前記実施例1及び前記実施例2と同
様にして、図4に示した型枠に光ファイバ芯線13及び
光ファイバテープ14を配列し、型枠を固定した後、石
英ビーズを70wt%混入させた石英添加紫外線硬化性
樹脂22を用意し、型枠と光ファイバとの間隙のブロッ
ク成形領域51に石英添加紫外線硬化性樹脂22を充填
する。この段階での光ファイバブロックの製造部は、従
来の技術の図5に示すものと同じである。ここまでの光
ファイバブロックの製造工程は実施例2と全く同じであ
る。なお、以下では、型枠、光ファイバ及び石英添加紫
外線硬化性樹脂22からなる一体物を照射対象物と称す
る。
【0048】次に、図3に示したカセグレン型の紫外線
照射装置を用いて、充填された石英添加紫外線硬化性樹
脂22に対し紫外線を照射する。本実施例3の紫外線の
照射方法は、紫外線集光用凹面鏡35により石英添加紫
外線硬化性樹脂22の光ファイバ近傍に紫外線を集光さ
せた状態を維持できる範囲で、光路変更ミラー34を適
宜移動させることで紫外線を移動させながら、3分間、
石英添加紫外線硬化性樹脂22に紫外線を複数方向から
同時に照射するものである。
【0049】紫外線照射により石英添加紫外線硬化性樹
脂22が硬化した後、前記実施例1と同様にして型枠を
外して光ファイバブロックが完成する。
【0050】この後、光ファイバ芯線13を光導波路端
面と突合せ接続する場合には、光ファイバ芯線13を切
断した後、この切断部端面を研磨する。
【0051】図6(e)は、本実施例3の照射方法で石英
添加紫外線硬化性樹脂22に紫外線を照射した場合にお
ける、侵入深さに対する紫外線の強度分布を示すグラフ
図であり、図2中の境界位置22a及び境界位置22b
における紫外線強度と光ファイバ心線13の中心位置C
における紫外線強度との差Δi3が図6(a)及び図6
(b)に示された紫外線強度差Δiに比べ小さくなってい
る。
【0052】以上の説明からわかるように、本実施例3
の光ファイバブロックの製造方法によれば、前記実施例
1及び前記実施例2と同様の効果を得ることができる。
【0053】(実施例4)本実施例4の光ファイバブロ
ックの製造方法は、図4に示す型枠に光ファイバ芯線1
3及び光ファイバテープ14を配列し型枠を固定した
後、石英ビーズを70wt%混入させた石英添加紫外線
硬化性樹脂22を用意し、型枠と光ファイバとの間隙の
ブロック成形領域51に石英添加紫外線硬化性樹脂22
を充填するところまで、前記実施例2及び前記実施例3
と全く同じである。この段階での光ファイバブロックの
製造部は、従来技術の図5に示すものと同じである。
【0054】次に、図3に示したカセグレン型紫外線照
射装置を用いて、充填された石英添加紫外線硬化性樹脂
22に対し紫外線を照射する。本実施例4の紫外線の照
射方法は、紫外線集光用凹面鏡35により石英添加紫外
線硬化性樹脂22の光ファイバ近傍に紫外線を集光させ
た状態を維持できる範囲で、紫外線集光用凹面鏡35を
図3中の矢印Aで示した方向に3分間かけて一定速度で
移動させることで紫外線を移動させながら、石英添加紫
外線硬化性樹脂22に紫外線を複数方向から同時に照射
するものである。
【0055】紫外線照射により石英添加紫外線硬化性樹
脂22が硬化した後、前記実施例1と同様にして型枠を
外して光ファイバブロックが完成する。
【0056】この後、光ファイバ芯線13を光導波路端
面と突合せ接続する場合には、光ファイバ芯線13を切
断した後、この切断部端面を研磨する。
【0057】以上の説明からわかるように、本実施例4
の光ファイバブロックの製造方法によれば、前記実施例
1、前記実施例2及び前記実施例3と同様の効果を得る
ことができる。
【0058】(比較例1)前記実施例1、2、3、4と
従来の光ファイバブロックの製造方法との違いを明らか
にするために、以下では従来の光ファイバブロックの製
造方法として比較例1を掲示し、これについて説明す
る。
【0059】前記実施例1では上蓋11の上面及び下枠
12の下面の二方向から紫外線を5分間同時に照射して
いたのに対し、本比較例1では上蓋11の上面及び下枠
12の下面の二方向からの紫外線(紫外線源出力は30
0w)の照射を照射時刻がかさならないように2.5分
間ずつ称する点が異なっている。この点を除けば、本比
較例1の光ファイバブロックの製造工程は前記実施例1
と全く同じである。
【0060】(効果の確認を示す測定)前記実施例1、
2、3、4に示した効果が実験によって確認されたこと
を示す測定例を以下に説明する。
【0061】前記実施例1、2、3、4と前記比較例1
で作製した各光ファイバブロックに対し光ファイバテー
プ14側からW(タングステン)ランプ白色光を照射
し、光ファイバ芯線13端面のコア領域からの出射光を
観察し、2次元形状測定器でコア間の位置精度を測定し
た(測定1)。
【0062】また、光ファイバ芯線13端面から1mm
単位で光ファイバブロックを切断し、各切断面で測定1
と同様のコア間の位置精度を測定した(測定2)。
【0063】測定1及び測定2において、基準となる下
枠12の位置決め用V溝部12aの隣あうV溝間の間隔
のピッチ誤差は0.05μmで、両端のV溝間の8溝累
積誤差は0.2μmであった。
【0064】図7は、実施例1、2、3、4及び比較例
1に対する測定1及び測定2の測定結果を示す図であ
る。図7に示した測定値より明らかに、前記実施例1、
2、3、4の光ファイバブロックの製造方法は前記比較
例1の従来の製造方法よりも高い位置決め精度を有する
という効果を確認することができる。
【0065】次に、実施例1、2、3、4で作製した光
ファイバブロックをピークサーチャ(光パワー自動感応
型微動治具)付の接続装置に装着し、Si基板の直線導
波路(ピッチパターン250μm,コア直径8μm)と
突き合わせ調節した後、3次元位置を記憶させ、粗動で
3mmの間隔を開けた。この間隔にUV接着剤を塗布
し、ピークサーチャ付治具で元の位置に戻し、紫外線を
出力100wで2分間上下から照射し、導光路部品を接
続した。接続状況は良好であった。
【0066】さらに、測定2を実行するために切断した
厚さ1mmの光ファイバブロック端面側断片の端面での
歪形状を観察するために、偏光による光弾性測定装置で
屈折率を測定した(測定3)。図8は測定3の測定結果
を示す模式図である。
【0067】図9は、実施例4と比較例1で作製された
光ファイバブロックの断面を示す図であり、71はコ
ア、72はクラッド、73は1次コート、74は紫外線
硬化性樹脂であり、点線は8本の光ファイバ芯線の内、
両端の光ファイバ芯線のコア中心を結んで得られるもの
である。図9(a)が実施例4に、図9(b)が比較例1に
各々対応する。図9からわかるように、実施例4の光フ
ァイバブロックの方が、コア71同志の間隔の位置決め
精度が良く、かつ、図9中、上下方向で示される厚み方
向の位置ずれもない。したがって、前記した実施例4の
効果は確認された。
【0068】以上、本発明を実施例に基づき具体的に説
明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能
であることは言うまでもない。例えば、前記実施例3及
び前記実施例4においては、光路変更ミラー34、紫外
線集光用凹面鏡35を移動させることにより紫外線を移
動させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、
紫外線源31、カセグレン型凹面鏡32、反射鏡33、
照射対象物を移動させることにより紫外線を移動させて
もよい。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ファイ
バブロックの製造方法によれば、光ファイバ芯線の位置
精度の高い光ファイバブロックを製造することができ
る。
【0070】また、光ファイバを接続する際に生じた光
ファイバ芯線の位置ずれが解消または緩和されることに
より、光ファイバと光導波路との接続部における光信号
の損失を軽減することができる。
【0071】また、光ファイバブロックの製造時に用い
る型枠の形状に応じて紫外線の照射方法を変えることに
より、型枠内の紫外線の強度を制御することができるの
で、例えば、光信号の損失の原因となる光ファイバブロ
ックの部分的な不均一応力によるマイクロベンディング
等の成型歪を、型枠の形状に応じて制御できる。
【0072】安価で精度の良い一体成形型の光ファイバ
ブロックを容易に作製することが可能となり、光ファイ
バ及び光通信技術に対し大きな恩恵を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による実施例1の光ファイバブロック
の製造方法を説明するための紫外線照射装置の概略構成
を示す斜視図、
【図2】 本発明による実施例2の光ファイバブロック
の製造方法を説明するための紫外線照射装置の要部断面
図、
【図3】 本発明による実施例3及び実施例4の光ファ
イバブロックの製造方法を説明するための紫外線照射装
置の概略構成を示す図、
【図4】 一体成形型の光ファイバブロックの製造に用
いる型枠の分解斜視図、
【図5】 一体成形型の光ファイバブロックの製造工程
における製造部を示す図、
【図6】 紫外線照射時における照射紫外線の充填樹脂
への侵入深さに対する紫外線強度分布のグラフを示す
図、
【図7】 光ファイバブロック内の光ファイバの位置精
度の測定結果の表を示す図、
【図8】 光弾性測定装置で測定した光ファイバブロッ
クの断面における屈折率の分布を示す模式図、
【図9】 実施例4と比較例1で作製された光ファイバ
ブロックの断面を示す図、
【図10】 従来のパーツ集合型の光ファイバブロック
の構成を示す分解斜視図、
【図11】 図5(a)に示した製造部の位置X−Xにお
ける断面での屈折率の分布を示す図。
【符号の説明】
11…上蓋、11a…上蓋11の樹脂充填用溝部、12
…下枠、12a…下枠12の位置決め用V溝部、12b
…下枠12の樹脂充填用U溝部、13…光ファイバ芯
線、14…光ファイバテープ、15…紫外線源、16…
紫外線照射用ガイド、17…紫外線照射用ガイド開口
部、18…紫外線照射用ガイドヘッド部、21…シリン
ドリカルレンズ、22…石英添加紫外線硬化性樹脂、2
2a…石英添加紫外線硬化性樹脂22の下枠12側の境
界位置、22b…石英添加紫外線硬化性樹脂22の上蓋
11側の境界位置、31…紫外線源、32…カセグレン
型凹面鏡、33…反射鏡、34…光路変更ミラー、34
a…光路変更ミラー34上での紫外線スポット形状、3
5…紫外線集光用凹面鏡、A…紫外線集光用凹面鏡35
の移動方向、51…ブロック成形領域、71…光ファイ
バ芯線13のコア領域、72…光ファイバ芯線13のク
ラッド領域、73…一次コート、74…紫外線硬化性樹
脂、101…位置決め用V溝ブロック、102…V溝フ
ァイバ押え板、103…外枠ブロック。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千田 和憲 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 村田 則夫 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線を透過する型枠に光ファイバを配
    置する工程と、前記型枠と前記光ファイバとの間隙のブ
    ロック成形領域に紫外線硬化性樹脂を充填する工程と、
    充填された前記紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射する工
    程と、紫外線を照射する前記工程により硬化した前記紫
    外線硬化性樹脂と前記光ファイバとの一体物から前記型
    枠を外す工程とからなる光ファイバブロックの製造方法
    であって、前記紫外線を照射する工程は、充填された前
    記紫外線硬化性樹脂の内、前記光ファイバ近傍に照射さ
    れる紫外線の強度を高める手段を用いることを特徴とす
    る光ファイバブロックの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の光ファイバブロッ
    クの製造方法において、前記紫外線の強度を高める手段
    は、充填された前記紫外線硬化性樹脂に紫外線を複数の
    方向から同時に照射することを特徴とする光ファイバブ
    ロックの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載の光ファイバブロッ
    クの製造方法において、前記紫外線の強度を高める手段
    は、集光器により前記紫外線硬化性樹脂の前記光ファイ
    バ近傍に紫外線を集光させた状態で照射することを特徴
    とする光ファイバブロックの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項1乃至3のうちいずれか1項
    に記載の光ファイバブロックの製造方法において、前記
    紫外線の強度を高める手段は、前記型枠、前記光ファイ
    バ及び前記紫外線硬化性樹脂の三者から成る照射対象物
    と前記紫外線の内、少なくともいずれか一方を移動させ
    ながら紫外線を照射することを特徴とする光ファイバブ
    ロックの製造方法。
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