JP3279438B2 - 光ファイバと光導波路の結合構造 - Google Patents

光ファイバと光導波路の結合構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信システムにおい
て光導波路回路を有する光導波路モジュールとして使用
される光ファイバと光導波路の結合構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光通信の分野においては、光ファイバか
らの信号を光導波路で処理すること等の目的から、光フ
ァイバと光導波路とを光学的に結合した結合構造を必要
とする場合があり、例えば図25に示すようなものが知
られている。
【0003】図25は、従来の光ファイバと光導波路の
結合構造として熔接によって結合されたものの要部にお
ける縦方向構造を示す断面図である。この結合構造は、
テープ状光ファイバ2から導出された多芯の光ファイバ
を配列した光ファイバ配列コネクタ1と、多芯の光導波
路を含む光導波路層33を形成した導波路基板31と
を、それぞれ別の金属部材41,42に固定し、双方を
端面同士突き合わせ、光ファイバと光導波路を調芯した
後、金属部材41,42相互をYAGレーザ等で熔接し
たものである。
【0004】しかし、上記の結合構造では、熔接時に金
属部材が変形することにより、光導波路と光ファイバが
芯ずれを起こして、結合構造の光伝送損失が増加すると
いう問題がある。また、光ファイバ配列コネクタと導波
路基板に対して金属部材41,42を金属ハウジングと
して用いることから、製造コストが非常に高価になると
いう問題がある。そこで、このような問題点を解決した
光ファイバと光導波路の結合構造が要望され、図26に
示すようなものが知られている。
【0005】図26は、従来の光ファイバと光導波路の
結合構造として光硬化型接着剤を用いて結合されたもの
の要部における縦方向構造を示す断面図である。この結
合構造は、テープ状光ファイバ2から導出した多芯の光
ファイバをガラス製の光ファイバ配列コネクタ1のV溝
等に固定して配列する一方で、多芯の光導波路を含む光
導波路層33を形成した導波路基板31をガラス製の部
材51に取り付け、光ファイバと光導波路を調芯すると
ともに、これらの結合すべき端面間に光硬化型接着剤4
を注入し、光を周囲から照射して硬化させたものであ
る。ここで、光硬化型接着剤4を十分に硬化させるため
に、光ファイバ配列コネクタ1は、前述のように接着剤
4(例えば、紫外線硬化樹脂)を硬化させうる波長の光
を高率で透過するガラス材料(例えば、石英ガラス)か
ら形成されている。
【0006】なお、図25及び図26では、導波路基板
の一端に接続された光ファイバ配列コネクタが示されて
いるが、導波路基板の両端、すなわち入力部及び出力部
にそれぞれ接続された光ファイバ配列コネクタの一方を
省略して示しているものである。
【0007】ここで、光硬化型接着剤を用いて光ファイ
バ配列コネクタと導波路基板を接着させる光ファイバと
光導波路の結合構造に関する先行技術については、文
献"IEEE Photonics Technology Letters,vol.4,no.8,p
p.906-908,Aug.1992"などに詳細に記載されている。機
械的に光ファイバ配列コネクタと導波路基板を固定させ
る光ファイバと光導波路の結合構造に関する先行技術に
ついては、文献「セラミックス 29,No.4,p
p.319−321,1994」などに詳細に記載され
ている。
【0008】また、導波路基板を加工して光ファイバを
直接に嵌合させる光ファイバと光導波路の結合構造に関
する先行技術については、公報「特開昭63−2792
06号」(フランス,No.8703385,1987
年3月12日)、公報「特開平1−186905号」
(フランス,No.8716398,1987年11月
26日)及び公報「特表平4−507153号」(フラ
ンス,No.9002575,1990年3月1日)な
どに詳細に記載されている。
【0009】さらに、導波路基板と光ファイバ配列コネ
クタをそれぞれ内蔵する石英ガラス製のハウジング同士
を加熱溶着させる光ファイバと光導波路の結合構造に関
する先行技術については、公報「特開平2−25320
6号」などに詳細に記載されている。導波路基板に光フ
ァイバを直接に接着させる光ファイバと光導波路の結合
構造に関する先行技術については、公報「特開平5−1
73039号」(アメリカ合衆国,No.518583
5,1993年2月9日)などに詳細に記載されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光硬化型接着
剤を用いて結合した従来例では、光ファイバ配列コネク
タを構成するファイバ配列基板は、接着剤を硬化しうる
波長の光を高率で透過する、石英ガラスのような光透過
性材料から形成される必要がある。すなわち、一般には
ファイバ配列基板には加工容易性からシリコン基板を用
いるが、この様にすると接着剤を硬化させる波長の光が
高率では端面間に届かず、接着強度の確保において最も
重要な端面間の大部分の領域において、接着剤が液状の
まま残存してしまうからである。このため、従来例では
石英ガラス板などがファイバ配列基板に用いられている
が、これでは、加工の困難性という新たな問題点をまね
く。すなわち、調芯精度を高めるには、この配列基板に
精密研削加工を施し、光ファイバ配列のための配列溝を
精度良く形成しなければならないが、これは石英ガラス
などの既存の光透過性材料では容易でない。したがっ
て、配列基板に石英ガラス板等を用いることに伴い、配
列溝の形成作業に非常に手間がかかって結合構造の製造
時間が長くなるだけでなく、位置精度よく光ファイバを
配列することが難しいという問題がある。
【0011】つまり、光硬化型接着剤によって光ファイ
バ配列コネクタと光導波路デバイスを結合する際に、配
列基板における光ファイバ配列溝の加工容易性を考慮し
て配列基板の材料を選定すると、光透過が不十分となっ
て上記接着剤がとくに端面間で十分に硬化せず、接着剤
の硬化前にせっかく調芯しておいても、時間の経過や温
度変化によって芯ずれが大きくなる等、光伝送損失の増
加や耐環境性の低下をまねく。他方、光透過性を考慮し
て配列基板の材料を選定すると、光ファイバ配列溝の加
工困難性により光ファイバ配列の位置精度が低下し、接
着剤硬化の前工程において多芯の光ファイバと光導波路
のすべてを良好に調芯させることが難しくなる等、光デ
バイスとしての基本特性の低下をまねく。このように、
光硬化型接着剤を用いた光結合構造の従来例では、製造
段階で光ファイバと光導波路を良好に調芯するという要
請と、製造された光結合構造の信頼性を経時的に維持す
るという要請との間で、いわばトレードオフの関係が生
じていたのである。
【0012】そこで、光硬化性接着剤ではなく熱硬化性
接着剤を用いることにより、ファイバ配列基板としてシ
リコン基板を採用することが考えられる。しかしなが
ら、接着剤の熱硬化に要する時間が通常30分以上も必
要になり、生産性が悪いという弊害がある。その上、光
ファイバと光導波路に対する調芯用のステージが加熱さ
れて変形することから、調芯済みのコアが接着剤の硬化
時に位置ずれを起こすという問題がある。
【0013】そこで、本発明は上記の問題に鑑みなされ
たもので、合理化、短時間化されたプロセスにより製造
することが可能で、多芯の光ファイバと光導波路を良好
に調芯でき、なおかつ長時間にわたって光伝送損失が少
なく、温度変化などに対する耐環境性にも優れた光ファ
イバと光導波路の結合構造を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバと光
導波路の結合構造は、上記の目的を達成するために、第
1の部材と第2の部材で挟むようにして内部に光ファイ
バを固定した光ファイバ配列コネクタと、表面に光導波
路が形成された導波路基板を有する導波路デバイスと
を、端面同士で突き合わせて調芯するとともに、端面間
に接着剤を介在して硬化させた光ファイバと光導波路の
結合構造において、接着剤は光硬化型であり、第1の部
材は接着剤を硬化させうる波長の光を透過させない材料
製であり、光ファイバ配列コネクタと導波路デバイスの
端面が互いに対向する領域における少なくとも一部で、
光ファイバ配列コネクタと導波路デバイスの少なくとも
一方の端面近傍が、接着剤を硬化させうる波長の光を透
過させうる光透過性材料により形成されていることを特
徴とする。
【0015】ここで、光透過性材料は、1×10-5-1
未満の熱膨張係数を有する材料であることを特徴として
もよい。この場合、光透過性材料は、SiO2 を主成分
とするガラスであることが好適である。特に、光透過性
材料は、シリコンの熱膨張係数と±20%以内で一致し
た熱膨張係数を有するガラスであることが望ましい。ま
た、光透過性材料は、光の吸収端が450nm以下の波
長にある樹脂であることが好適である。
【0016】また、接着剤は、光硬化開始剤に加えて熱
硬化開始剤を含有する光熱硬化型であることを特徴とし
てもよい。この場合、接着剤は、光ファイバ配列コネク
タの端面と導波路デバイスの端面との間に介在して塗布
され、光照射によって光硬化された後に加熱によって熱
硬化されることが好適である。
【0017】また、導波路基板の端面は接着剤を介して
光ファイバ配列コネクタの端面と対向し、導波路基板の
少なくとも端面近傍の少なくとも一部は接着剤を硬化さ
せうる波長の光を透過させうる光透過性材料により形成
されていることを特徴としてもよい。
【0018】また、導波路デバイスは、導波路基板と、
この光導波路形成面を被覆する導波路被覆部材とを有し
ており、導波路被覆部材の端面は接着剤を介して光ファ
イバ配列コネクタの端面と対向し、導波路被覆部材の少
なくとも端面近傍の少なくとも一部は接着剤を硬化させ
うる波長の光を透過させうる光透過性材料により形成さ
れていることを特徴としてもよい。この場合、光透過性
材料は、光ファイバ配列コネクタの端面と対向した導波
路被覆部材の端面の一部として1.0mm2 以上の断面
積を有して構成されていることが好適である。
【0019】また、第1の部材は、表面に光ファイバの
配列溝が形成されたファイバ配列基板であることを特徴
としてもよい。この場合、ファイバ配列基板は、1×1
-5-1未満の熱膨張係数を有する材料であることが好
適である。特に、ファイバ配列基板はシリコン製であ
り、配列溝は機械加工または異方性エッチング加工によ
る溝であることが望ましい。ファイバ配列基板はセラミ
ック製であり、配列溝はセラミック材の焼結時に成形さ
れた溝であることが望ましい。ファイバ配列基板はプラ
スチック製であり、配列溝はプラスチック材のモールド
時に成形された溝であることが望ましい。なお、プラス
チック材は、フィラーを含有するフェノール樹脂である
ことが良好である。
【0020】また、第2の部材は、ファイバ配列基板に
貼り合わされて光ファイバを配列溝に固定するファイバ
固定部材であり、ファイバ固定部材の端面は接着剤を介
して導波路デバイスの端面と対向し、ファイバ固定部材
の少なくとも端面近傍の少なくとも一部は接着剤を硬化
させうる波長の光を透過させうる光透過性材料により形
成されていることを特徴としてもよい。
【0021】また、第1の部材と第2の部材は、プラス
チック材のモールド成形によって一体に形成されている
ことを特徴としてもよい。
【0022】さらに、導波路デバイスの一方の端面は光
入力部として第1の光ファイバ配列コネクタの端面と対
向し、導波路デバイスの他方の端面は光出力部として第
2の光ファイバ配列コネクタの端面と対向していること
を特徴としてもよい。
【0023】
【作用】本発明の光ファイバと光導波路の結合構造にお
いては、光ファイバ配列コネクタは光ファイバを内部に
固定する第1の部材及び第2の部材から構成されてい
る。ここで、第1の部材は接着剤を硬化させうる波長の
光を透過させない材料で形成されている。これにより、
第1の部材は石英ガラスのような光透過性材料ではな
く、例えばシリコンなどで形成されることから容易に加
工されるので、光ファイバの配列溝が短時間かつ簡単な
プロセスで第1の部材に位置精度よく形成できる。その
ため、多芯の光ファイバと多芯の光導波路が精度よく調
芯されうるので、結合端面での伝送損失の少ない結合構
造となる。
【0024】一方、端面同士が互いに対向する領域にお
ける一部では、光ファイバ配列コネクタと導波路デバイ
スとの少なくとも一方の端面近傍が接着剤を硬化させう
る波長の光を透過させうる光透過性材料で形成されてい
る。これにより、光透過性材料からなる光透過部を介し
て光照射を行うことにより、端面間とくに光ファイバと
光導波路の結合端面近傍に介在された光硬化型の接着剤
が形成する薄い膜を、広い面積にわたって容易かつ確実
に硬化できる。そのため、光ファイバと光導波路を接着
剤の硬化前に調芯しておけば、この調芯状態をその後も
安定的に維持しうる。
【0025】したがって、光ファイバを固定する配列溝
の加工精度の高さと、接着剤の硬化の良好性とが相まっ
て、長時間にわたって光伝送損失が少なく、耐環境性に
も優れた結合構造を実現できる。
【0026】なお、先ず、導波路デバイスの光導波路と
光ファイバ配列コネクタの光ファイバとを調芯し、次い
で、導波路デバイスの端面に光ファイバ配列コネクタの
端面を光熱硬化型接着剤で重合接着する。こうして、重
合接着が終了したら、接着剤が塗布された接着面の周縁
部に、光を所定の強度で所定の時間照射して光硬化さ
せ、その後、光導波路モジュールを所定の温度で所定の
時間加熱して熱硬化させ、接着剤を実質的及び最終的に
硬化及び固定させれば、光導波路と光ファイバとを良好
に実装及び固定することができる。
【0027】さらに、導波路デバイスが導波路基板上の
光導波路形成面を被覆する導波路被覆部材を有する場
合、光透過性材料からなる導波路被覆部材が1.0mm
2 以上の断面積を有して光ファイバ配列コネクタと導波
路デバイスとの接続領域の一部に予め付設されると、こ
の導波路被覆部材が光硬化の際に完全に固定されていな
い接着面の一部を固定する。そのため、熱硬化反応時の
損失変動が抑制される。
【0028】
【実施例】以下、本発明に係る実施例の構成及び作用に
ついて、図1ないし図24を参照して詳細に説明する。
なお、図面の説明においては同一の要素には同一の符号
を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比
率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0029】図1は、本発明の光ファイバと光導波路の
結合構造に係る一実施例の全体構成を示す斜視図であ
る。図2は、図1の光ファイバと光導波路の結合構造に
おける要部の分解構成を示す斜視図である。この光ファ
イバと光導波路の結合構造では、図1に示すように、光
ファイバ配列コネクタ1と導波路デバイス3が端面同士
を互いに突き合して紫外線硬化型の樹脂接着剤4で固定
されている。
【0030】光ファイバ配列コネクタ1は、図2に示す
ように、断面略「コ」字型にされて凹部が形成された石
英ガラス製の固定板11と、この凹部に嵌合するサイズ
に整形されたシリコン製の配列基板12とを有して構成
されている。配列基板12の下面には、断面V字状の5
本の配列溝131 〜135 が互いに平行に等間隔で形成
されている。これらの配列溝131 〜135 には、樹脂
で一括被覆したテープ状光ファイバ2から導出された5
本の光ファイバ211 〜215 がそれぞれ埋設されてい
る。配列基板12が固定板11の凹部にはめ込み固定さ
れることにより、5本の光ファイバ211 〜215 は整
列配置して保持されている。
【0031】導波路デバイス3は、シリコン製の導波路
基板31と、この上部に設けられた光透過性の導波路被
覆部材32とを有して構成されている。導波路基板31
の上面、すなわち導波路被覆部材32(ただし、後述の
ように、この導波路被覆部材32は本発明に必須の要素
ではない)と接する導波路基板31の表面には、この導
波路基板31と一体に薄い光導波路層33が形成されて
いる。そして、光導波路層33の内部には、5本の光導
波路341 〜345 が形成され、コアとして機能してい
る。
【0032】なお、光導波路層33については、一般に
はシリコン基板(導波路基板31)上に火炎堆積法でS
iO2 ガラス層(クラッド層)を形成し、次いでドーパ
ントを含んだ高屈折率のSiO2 層を堆積してエッチン
グすることによりコア(光導波路341 〜345 )を形
成し、さらに上部クラッドとしてのSiO2 層を堆積し
て形成される。したがって、光導波路341 〜345
配列ピッチは精度よく設定でき、これは光ファイバ配列
コネクタ1における光ファイバ211 〜215の配列ピ
ッチと一致している。
【0033】このような光ファイバ配列コネクタ1と導
波路デバイス3の端面同士を突き合わせて樹脂接着剤4
で固定した光ファイバと光導波路の結合構造では、シリ
コン製の配列基板12の端面は光透過性の導波路被覆部
材32の端面に対向し、シリコン製の導波路基板31の
端面は石英ガラス製の固定板11と対向している。な
お、樹脂接着剤4の一部は、光ファイバ配列コネクタ1
と導波路デバイス3の端面外縁部に盛り上がって存在す
るだけでなく、これらの端面間にも薄い膜として介在し
ている。
【0034】ここで、本実施例において特徴的なこと
は、第1に、配列基板12がシリコンウェーハを加工し
て成形されていることである。シリコンは精密研削加工
が容易であるため、配列溝131 〜135 についてはダ
イアモンドブレード等を用いることにより、位置精度よ
く形成できる。また、半導体プロセスにおける異方性エ
ッチング技術を応用することによっても、配列溝131
〜135 を正確なV字形状で位置精度よく形成できる。
【0035】特徴の第2は、配列溝131 〜135 上に
固定する固定板11と、導波路基板31の上部に配置さ
れる導波路被覆部材32とが、共に光透過性の材料(例
えば石英ガラス、紫外線透過性樹脂)で形成され、しか
もシリコン製で紫外線及び可視光を透過しない配列基板
12と導波路基板31とが、それぞれ紫外線及び可視光
透過性の固定板11と導波路被覆部材32とに対向して
いることである。このため、樹脂接着剤4を光ファイバ
配列コネクタ1と導波路デバイス3の端面間に介在さ
せ、光透過性(樹脂接着剤4を硬化させうる波長の光の
透過性)の固定板11及び導波路被覆部材32を通して
光照射すると、露呈した樹脂接着剤4のみならず端面間
の薄い樹脂接着剤4の膜まで硬化が進み、強固に光ファ
イバ配列コネクタ1と導波路デバイス3が固定される。
【0036】したがって、上記の2つの特徴が相まっ
て、本実施例によれば下記のごとき格別の効果が得られ
る。
【0037】第1に、配列基板12がシリコン製である
ため配列溝131 〜135 は形状および位置のいずれも
高精度に加工できるので、固定板11で固定するだけで
光ファイバ211 〜215 を高精度に配列できる。この
ため、樹脂接着剤4を硬化させる前工程での光ファイバ
211 〜215 と光導波路341 〜345 の調芯を、容
易かつ高精度にできる。
【0038】第2に、端面間においても樹脂接着剤4を
良好に硬化できるので、調芯状態を安定して保持でき
る。すなわち、使用中の機械的衝撃や温度変化によるス
トレスがあっても、芯ずれを生じないので光伝送特性を
長期にわたって維持できる。
【0039】図3(a)は、図1の光ファイバと光導波
路の結合端面の近傍における縦方向構造を示す断面図で
ある。図3(b)は、図3(a)の結合端面における横
方向構造を示す断面図である。図3(a)に示すよう
に、対向する端面を構成する一方の要素が光透過性であ
れば、この部分の樹脂接着剤4は硬化する。そのため、
図3(b)にハッチングで示すように、硬化した接着剤
の領域は広い範囲となる。
【0040】本発明については、上記実施例以外にも、
種々の変形した態様が可能である。以下、これを図4な
いし図7の縦断面図により説明する。
【0041】図4(a),(b)は、配列基板と導波路
基板の各端面を接着させた変形例の縦方向構造を示す断
面図である。図5(a)〜(c)は、固定部材と導波路
基板の各端面を接着させた変形例の縦方向構造を示す断
面図である。図6(a)〜(g)は、配列基板と導波路
基板の各端面、固定部材と被覆部材の各端面をそれぞれ
接着させた変形例の縦方向構造を示す断面図である。図
7(a)〜(g)は、配列基板と被覆部材の各端面、固
定部材と導波路基板の各端面をそれぞれ接着させた変形
例の縦方向構造を示す断面図である。
【0042】まず、図中の表現法について説明すると、
シリコン製のファイバ配列基板については、クロスハッ
チングでいずれも図中の左下に図示し、光ファイバはそ
の上面の配列溝に埋設されるものとしてある。そして、
ファイバ固定部材は光ファイバ配列基板の上面にセット
されるものとし、光ファイバと導波路基板の光導波路が
調芯されるように描いてある。
【0043】なお、白抜きで示したものは光透過性材料
(光硬化型接着剤を硬化させうる光の透過性を有する材
料、例えば石英ガラス)であること、ハッチングで示し
たものは光透過性を有しない材料(例えば、シリコン)
であることを意味し、黒く塗りつぶした接着剤は光硬化
したもの、ハッチングを付した接着剤は液状のものを意
味する。
【0044】導波路基板が光透過性を有しているとき
は、少なくともその端面において接着剤が硬化するの
で、良好な結合をなしうる(図4(a),(b)、図5
(a),(b)、図6(a),(c),(e),
(g)、図7(a),(c),(e),(g)参照)。
また、導波路被覆部材が光透過性を有するときも、事情
は同じである(図6(a),(b),(e),(f)、
図7(a),(b),(e),(f)参照)。これに対
し、ファイバ固定部材のみが透明の場合には、その端面
が導波路基板または導波路被覆部材の端面と対向する場
合のみ結合を良好になしうる(図5(c)、図6
(d)、図7(d)等を参照)。
【0045】なお、導波路被覆部材のみが光透過性のと
きには、光ファイバ配列コネクタと導波路デバイスの間
の結合強度の観点から、導波路被覆部材の光ファイバ配
列コネクタと対向する端面の面積が、導波路基板の光フ
ァイバ配列コネクタと対向する端面の面積の、およそ1
/3以上であることが望ましい(図6(f)、図7
(f)等を参照)。
【0046】本発明の結合構造は、光ファイバ配列コネ
クタと導波路デバイスの互いに対向する端面間の少なく
とも一部において、膜状に介在された接着剤を硬化させ
うる構造に関するものゆえ、端面の形状が変われば、当
然に配置関係も異なることになる。すなわち、光透過性
の導波路被覆部材を有さず、ファイバ配列基板と導波路
基板が共にシリコン製で相互に対向するもの(このよう
なものは、図3には示されていない)であっても、光透
過性のファイバ固定板(固定部材)の端面形状如何によ
っては、図8及び図9に示すように、本発明の構成の範
囲内となる。
【0047】図8(a)は、配列基板と導波路基板の各
端面を接着させた変形例の結合端面の近傍における縦方
向構造を示す断面図である。図8(b)は、図8(a)
の固定部材を平板形状としたものにおける結合端面の横
方向構造を示す断面図である。図8(c)は、図8
(a)の固定部材を断面「コ」字状としたものにおける
結合端面の横方向構造を示す断面図である。図9は、図
8(c)の要部における分解構成を示す斜視図である。
【0048】ここにおいて、図8(b)に示すように、
ガラス製の固定部材が平板形状のときは、シリコン製導
波路基板との対向端面がほとんど確保できず、介在され
た接着剤は僅かしか硬化しない。しかし、図8(c)及
び図9に示すように、ガラス製の固定部材が断面「コ」
字状とされているときは、突出部の端面間(図中のハッ
チング領域)での広い範囲で介在された接着剤が硬化す
る。
【0049】したがって、光ファイバ配列コネクタおよ
び導波路デバイスの端面形状についても、種々の態様が
存在するのであり、これらの組み合わせにより本発明の
結合構造が実現される。
【0050】図10(a)〜(c)は、固定部材と配列
基板の各形状を種々に設定した変形例の結合端面の横方
向構造を示す断面図である。このように、光ファイバ配
列コネクタの端面形状は種々に設定される。この事情
は、導波路デバイスについても同様である。
【0051】なお、本発明に適用されうる接着剤は光硬
化型であればよく、上記した紫外線硬化樹脂に限られる
ものではない。例えば、可視光の入射により硬化する可
視光硬化樹脂も適用されうる。熱硬化触媒が予め添加さ
れた光熱硬化型接着剤も適用されうる。また、光硬化型
接着剤としては、ラックストラック(Luxtrak )・シリ
ーズ(ICI社製、イギリス)のものが好適であり、特
に商品名「LCR509A」のものがより望ましい。
【0052】また、本発明に適用されうる光透過性材料
は、SiO2 を主成分とする石英ガラスに限られるもの
ではなく、上記のような光硬化型接着剤を硬化させうる
波長の光を透過しうるものであればよい。例えば、光の
吸収端が450nm以下の波長にあるポリカーボネート
(PC)やポリメチルメタアクリレート(PMMA)な
どの樹脂も適用されうる。なお、光透過性材料は、1×
10-5-1未満の熱膨脹係数を有する材料であることが
BR>好適である。また、光透過性材料は、SiO2を主成
分とする石英ガラスである場合、シリコンの熱膨張係数
と±20%以内で一致した熱膨脹係数を有することが望
ましい。
【0053】ここで、本発明の結合構造は、光透過性材
料を介して光を照射することにより、端面間に膜状に介
在した光硬化型接着剤を硬化させたものなので、使用す
る接着剤の種類に応じて、用いる光透過性材料を選択し
なければならない。
【0054】図11は、各種の光透過性材料において入
射光の波長と光透過率の関係を示すグラフである。この
グラフから明らかなように、ポリカーボネートやPMM
Aは可視光硬化樹脂の硬化に適しており、石英ガラスは
紫外線硬化樹脂および可視光硬化樹脂の双方の硬化に適
している。
【0055】また、本発明に適用されうるファイバ配列
基板は、上記したシリコンから形成されたものに限られ
るものではなく、上記した配列溝の加工容易性を有する
材料で形成されるものであればよい。例えば、セラミッ
ク材は、焼結時に配列溝を成形することによって適用さ
れうる。また、プラスチック材も、モールド成形時に配
列溝を成形することによって適用されうる。特に、プラ
スチック材としては、フィラーを含有するフェノール樹
脂やMID(Molded Interconnection Device)等に成
形された液晶ポリマーなどが望ましい。なお、ファイバ
配列基板は1×10-5-1未満の熱膨脹係数を有する材
料からなることが好適である。
【0056】さらに、本発明に適用されうる光ファイバ
配列コネクタは、上記したように別々に分離して形成し
た固定部材と配列基板で光ファイバを挟んで構成された
ものに限られるものではなく、光ファイバの周囲に樹脂
等をモールド成形して構成されるものであってもよい。
【0057】図12は、光ファイバ配列コネクタにおい
て光ファイバの周囲に樹脂等をモールド成形する工程を
示す断面図である。まず、テープ状光ファイバ2から導
出された複数本の光ファイバを互いに平行に等間隔で配
置する。続いて、これらの光ファイバを中空な内部に挿
通するように金属製の型枠61,62を突き合わせて固
定し、型枠61,62に囲まれた領域に樹脂60を注入
して冷却する。次に、型枠61,62を光ファイバから
外し、樹脂60の端面として光ファイバが突出した一端
を機械的に研磨する。このようにして、一体的にモール
ド成形した光ファイバ配列コネクタが完成する。
【0058】上記のようにすることにより、本発明にお
いては、極めて調芯精度の高い結合構造が実現できる。
ちなみに、芯ずれは光伝送損失を生じさせる大きな要因
の1つであり、とくに、シングルモードファイバと光導
波路を損失を押さえて接続するためには、調芯は0・5
μm以下の調芯精度で行われることが好ましい。これ
は、通常、芯ずれ以外の要因(接続端面の不整合や、端
面間の間隙など)も、芯ずれと同時に損失を生じさせる
ことを考慮した値である。
【0059】図13は、シングルモードファイバと光導
波路の結合構造において芯ずれ量と光伝送損失の関係を
示すグラフである。このグラフによれば、芯ずれ量が大
きいほど損失値が大きいことがわかる。
【0060】図27は、光導波路モジュールに適用され
うる各種材料の熱膨張特性と光吸収特性を示す表であ
る。この表によれば、ファイバ配列基板を構成する材料
としては、比較的小さい熱膨張係数を有することから、
Si、セラミック材のY−ZrO2 、プラスチック材の
フィラー含有フェノール樹脂が好適であることがわか
る。また、ファイバ固定部材または導波路デバイスを構
成する光透過性材料としては、比較的小さい熱膨張係数
と波長450nm以下に位置する光吸収端とを有するこ
とから、SiO2 、SiO2 を主成分とするガラスのS
D1,SD2(共にHOYA社製の商品名)、PMMA
及びガラス繊維強化PCが好適であることがわかる。な
お、フィラー80%含有のフェノール樹脂、PMMA及
びガラス繊維強化PCは、1×10-5-1よりもわずか
に大きい熱膨張係数を有するが、実用的には大きな問題
を生じない。
【0061】本発明者らは、本発明にかかる結合構造の
有用性、実用性を確認するため、以下のような結合構造
を試作した。以下、実施例および比較例として、これを
説明する。
【0062】実施例1 図14は、本発明の光ファイバと光導波路の結合構造に
係る実施例1において結合端面の横方向構造を示す断面
図である。実施例1の光ファイバと光導波路の結合構造
を理解するに当たって、図1ないし図3が参考になる
が、構成に多少の違いがある。ファイバ固定部材11お
よびファイバ配列基板12の端面形状は、図10(c)
に示されるものと同じである。図14に示されるよう
に、本実施例の結合構造は導波路被覆部材を有さず、石
英ガラス製のファイバ固定部材11とシリコン製の導波
路基板31が端面同士対向している。また、接着剤には
エポキシ系紫外線硬化樹脂4を用い、ファイバ配列基板
12はシリコン製である。
【0063】光ファイバ配列コネクタ1は、シリコン製
のファイバ配列基板12と、石英ガラス製のファイバ固
定部材11から構成される。ファイバ配列基板12は、
断面が図14に示されるような略「コ」字状に凹部が形
成され、凹部の下面にV字状断面の溝131 〜138
平行に形成されている。このV溝131 〜138 は、ダ
イアモンドブレードにより一度に連続して削設され、深
さ150μm、ピッチ250μmに形成されたものであ
る。そして、このV溝131 〜138 には8本の光ファ
イバ211 〜218 (CCITT規格に基づき、外径1
25μm、コア径50μm)が埋設されている。また、
ファイバ固定部材11は、ファイバ配列基板12の凹ん
だ部分にはめこまれ、光ファイバ211 〜218 を押さ
え付けて固定している。なお、本実施例では、固定部材
11をエポキシ系紫外線硬化樹脂4を用いて配列基板1
2に接着した。具体的には、固定部材11の配列基板1
2との接着面に樹脂を塗布し、石英ガラス製の固定部材
11を介して、高圧水銀ランプから出射した365nm
の紫外光を接着剤に入射させ硬化させることにより接着
した。このようにして得られる光ファイバ配列コネクタ
1の内部に、光ファイバ211 〜218 は整列配置され
ている。また、結合端面の不整合が生じて損失が増加し
ないように、光ファイバ配列コネクタ1の端面は、光学
研磨を施して整形された。
【0064】導波路デバイス3は、シリコン製の導波路
基板31に8芯の光導波路層33を形成したものであ
り、前述したように導波路被覆部材は設けられていな
い。この光導波路層33は、SiO2 −B2 3 −P2
5 ガラスからなるクラッド層35と、SiO2 −Ge
2 −P2 5 −B2 3 ガラスからなり、ピッチ25
0±0.5μmで設けられ、長さ4cmの直方体状(8
×8μm断面)に形成された8本の光導波路341 〜3
8 から構成される。これらの光導波路341 〜348
はコアとして機能する。本実施例では、コアとクラッド
の比屈折率差は0.3%とした。
【0065】上記の光ファイバ配列コネクタ1と導波路
デバイス3は、端面同士が互いに突き合わされ、光ファ
イバ211 〜218 と、光導波路311 〜318 を一括
して調芯するとともに端面間にエポキシ系紫外線硬化樹
脂4を注入し、この樹脂を硬化させることにより固定さ
れ、本実施例の光ファイバと光導波路の結合構造を形成
している。ここで、端面間に介在する膜状の接着剤の硬
化を促すため、石英ガラス製のファイバ固定部材11の
端面は、シリコン製の導波路基板31の端面と対向して
いる。また、紫外線硬化樹脂は、高圧水銀ランプから出
射した365nmの紫外光を周囲から照射することによ
り硬化された。なお、高圧水銀ランプとしては、トスキ
ュア201(東芝レイテック社製)を紫外光源として用
いた。
【0066】本実施例の光ファイバと光導波路の結合構
造には、光ファイバ211 〜218と8本の光導波路3
1 〜348 が結合された8本のファイバ付き光導波路
が含まれる。このファイバ付き光導波路の光伝送損失を
測定したところ、損失の平均値は0.18dBであっ
た。また、結合構造の周辺の温度を、−10〜70℃の
範囲で繰り返し循環(1サイクル6時間)させたとこ
ろ、損失の時間的変動は、安定して少なく、変動値は±
0.1dBの範囲に入った。いずれも、良好な結果であ
る。前者の結果は、本実施例の結合構造における光ファ
イバと光導波路の多芯接続の調芯精度の高さを示すもの
であり、後者の結果は、本実施例の結合構造の優れた耐
環境性を示すものである。
【0067】図15は、光ファイバと光導波路の結合構
造に対してヒートサイクル試験を行う測定系の構成を示
す模式配置図である。ここでは、実施例1として形成さ
れた光導波路モジュール71が恒温槽70の内部に設置
され、光導波路モジュール71の入力部及び出力部であ
るテープ状光ファイバ2が恒温槽70の外部に導出され
ている。一方のテープ状光ファイバ2は、LED72の
発光部に接続された光ファイバ73と融着接続されてい
る。他方のテープ状光ファイバ2は、光パワーメータ7
5の受光部に接続された光ファイバ74と融着接続され
ている。なお、光パワーメータ75の出力部とPC76
の入力部とは電気的に接続されている。このような構成
により、測定対象である光導波路モジュール71は恒温
槽70の内部に設定された所定の温度環境に保持され、
LED72から所定の波長を有して発光された光は、光
ファイバ73を介して光導波路モジュール71の内部を
伝送された後、光ファイバ74を介して光パワーメータ
75で検出される。光パワーメータ75から出力された
検出信号は、PC76に入力して所定の演算処理を受
け、PC76の内蔵モニタに表示される。
【0068】図16は、実施例1の光ファイバと光導波
路の結合構造において8本から任意に選択された2本の
ファイバ付き光導波路について光伝送損失の時間的変動
を示すグラフである。
【0069】実施例2 本実施例の光ファイバと光導波路の結合構造は、まず、
ファイバ固定部材11を構成する透過材料の種類が、実
施例1の結合構造と異なる。本実施例では、光透過性材
料として、樹脂の一種であるポリカーボネートを用い
た。次に、光ファイバ配列コネクタ1と導波路デバイス
3を接着する場合に、エポキシ系可視光硬化樹脂を接着
剤として用い、ファイバ固定部材11を介して可視光を
入射させてこれを硬化させた。また、ファイバ固定部材
11をファイバ配列基板12上に接着するための接着剤
にも、エポキシ系可視光硬化樹脂を用いた。これらの相
違点をのぞいて、本実施例の光ファイバと光導波路の結
合構造の構成は実施例1と同じである。
【0070】実施例2の結合構造に含まれる8本のファ
イバ付き光導波路の損失を測定したところ、その平均値
は0.20dBであった。また、周辺の温度を、実施例
1と同じ温度サイクルにかけたところ、実施例1とほぼ
同様の結果を得た。すなわち、損失の時間的変動は安定
して少なく、±0.1dBの範囲に入った。どちらも、
良好な結果である。
【0071】次に、比較例について説明する。以下説明
する比較例の結合構造は、その構成や、固定部材11、
配列基板12、導波路基板31の形状、さらには、固定
部材11と導波路基板31が対向していることも実施例
1と同様であるが、比較例1では固定部材11、比較例
2で配列基板12を構成する材料が実施例1と異なって
いる。また、接着剤にも実施例1と同じくエポキシ系紫
外線硬化樹脂を用いた。
【0072】比較例1 比較例1の光ファイバと光導波路の結合構造は、ファイ
バ固定部材11が、実施例1及び2と異なり、シリコン
から形成される。その他の点は実施例1の結合構造と同
じである。したがって、本比較例の結合構造には、石英
ガラスのような紫外線を高率で透過する材料は用いられ
ていない。
【0073】本比較例の結合構造における8本のファイ
バ付き光導波路の光伝送損失を測定したところ、その平
均値は0.25dBであった。また、図15に示す測定
系を用い、周辺の温度を、実施例1と同じ温度サイクル
にかけたところ、時間の経過と共に、損失値が変動し
た。
【0074】図17は、比較例1の光ファイバと光導波
路の結合構造において8本から任意に選択された2本の
ファイバ付き光導波路について光伝送損失の時間的変動
を示すグラフである。これらの損失値は、1サイクルを
経るごとに増加する傾向にあり、0.7dBを越える損
失値の増加もみられた。
【0075】比較例2 比較例2の光ファイバと光導波路の結合構造は、ファイ
バ配列基板11が、実施例1,2と異なり、石英ガラス
から形成される。その他の点は実施例1の結合構造と同
じである。
【0076】この結合構造における8本のファイバ付き
光導波路の損失を測定したところ、最小値は0.15d
Bだが、最大値は1.25dBもの大損失であり、平均
値は0.52dBであった。
【0077】上記したように、比較例1の結合構造では
石英ガラスのような光透過性材料を用いなかったため、
紫外線硬化樹脂に紫外光が十分に入射せず、樹脂の硬化
が不十分であり、光伝送損失、耐環境性の悪化を招い
た。
【0078】これに対し実施例1,2の結合構造では、
石英ガラス製の固定部材11とシリコン製の導波路基板
31の端面同士が対向させられているので、光ファイバ
211 〜218 と光導波路341 〜348 の結合端面近
傍に介在する膜状の光硬化型接着剤を、容易かつ確実に
硬化させることができる。したがって、実施例で挙げた
ような、光伝送損失が少なく耐環境性に優れた結合構造
を実現できる。
【0079】比較例2の結合構造では光透過性材料たる
石英ガラスをファイバ配列基板の材料に用いたので、光
透過性材料の硬化は十分である。しかし、配列基板に削
設されたV溝の加工精度を調べてみたところ、最初に削
設したV溝は深さ150μmであったが、最後に削設し
たものは深さ140μmでしかなかった。原因は、石英
ガラスの加工困難性によるブレードの摩耗である。そし
て、V溝の加工精度が悪いために調芯精度も悪化し、
1.25dBもの大損失が生じたのである。
【0080】これを改善しようとすれば、精度よくV溝
を形成しなければならないが、石英ガラスのような光透
過性材料では位置精度よく光ファイバを配列することが
難しく、形成作業に非常に手間がかかって、結合構造の
製造時間が長くなってしまう。
【0081】これに対し実施例1及び2の結合構造で
は、配列基板12は加工容易なシリコン製なので、短時
間かつ簡単なプロセスによりV溝が位置精度よく形成さ
れ、なおかつ、多芯の光ファイバと光導波路は精度よく
調芯され、結合端面での光伝送損失の少ない結合構造が
実現できる。
【0082】以上、比較例との比較により明らかにした
通り、本発明の実施例1及び2に係る光ファイバ211
〜218 と光導波路341 〜348 の結合構造は、シリ
コン製のファイバ配列基板12と、光透過性材料からな
るファイバ固定部材11とを備えるので、合理化、短時
間化された製造プロセスにより製造されながらも、光フ
ァイバが位置精度よく配列され、多芯の光ファイバと光
導波路を良好に調芯でき、なおかつ光硬化型接着剤が容
易かつ確実に硬化されて、長時間にわたって光伝送損失
が少なく、温度変化などに対する対環境性にも優れた光
ファイバと光導波路の結合構造を実現することができ
る。
【0083】実施例3 図18(a)は、本発明の光ファイバと光導波路の結合
構造に係る実施例3の全体構成を示す上面図である。図
18(b),(c)は、それぞれ図18(a)の側面図
及び下面図である。本実施例の光ファイバと光導波路の
結合構造は、光ファイバ配列コネクタ1と導波路デバイ
ス3を接続する際に接着する場合に、光熱硬化型の接着
剤4を使用するようにしている。
【0084】光ファイバ配列コネクタ1は、シリコン製
のファイバ配列基板12と、石英ガラス製のファイバ固
定部材11とから構成されている。ファイバ配列基板1
2に形成された断面略「コ」字状の凹部の下面には、複
数の断面V字状の配列溝が平行に形成されている。テー
プ状光ファイバ2から導出した複数の光ファイバは、フ
ァイバ配列基板12の配列溝に埋設され、ファイバ配列
基板12の凹部に嵌め込んだファイバ固定部材11によ
って押さえ込まれている。光ファイバ配列コネクタ1の
一端には、光ファイバの端面が露出して配置されてい
る。
【0085】なお、光ファイバ配列コネクタ1のサイズ
としては、長さ(L1 )及び幅(W1 )、高さ(H1
がそれぞれ約8mm、約5mm及び約2mmである。ま
た、テープ状光ファイバのサイズとしては、幅(W2
が約2.3mmである。
【0086】図19は、図18の導波路基板における横
方向構造を示す断面図である。この導波路デバイス3
は、シリコン製の導波路基板31と、その上面に火炎堆
積法(FHD)で各ガラス層を順次積層して形成された
光導波路層33とから構成されている。光導波路層33
は、導波路基板31上にクラッド層として形成されたバ
ッファ層35と、その上面にコア層として形成された複
数の光導波路34と、これらバッファ層及び光導波路を
被覆して形成された保護層36とを有している。光導波
路34は、コア径8μm、比屈折率差0.3%の埋込型
で直線形または分岐形を呈したコアとして反応性イオン
エッチング法(RIE)で成形されている。導波路デバ
イス3の一端には光を入射される入力部として、導波路
デバイス3の他端にも光を出射する出力部として、光導
波路34の端面が露出して配置されている。
【0087】図20(a)〜(c)は、図18の導波路
基板における光導波路層の構成を示す平面図である。光
導波路34としては種々の構造が設定されうる。例え
ば、図20(a)に示すような8分岐素子形、図20
(b)に示すような2×2分岐素子の4回路集積形、図
20(c)に示すような2×8分岐素子形が実用的であ
る。
【0088】なお、導波路デバイス3のサイズとして
は、長さ(L3 )及び幅(W3 )、高さ(H3 )がそれ
ぞれ約40mm、約5mm及び約1.1mmである。よ
り詳細には、導波路基板31、バッファ層35及び保護
層36の各層厚H31,H35及びH36は、それぞれ約1m
m、約30μm及び約40μmである。また、光導波路
34の幅及び層厚はともに約8μmである。特に、図2
0(b)に示す2×2分岐素子の4回路集積形に構成さ
れた光導波路層33を有する導波路デバイス3の長さ
(L3 ´)は、約25mmである。
【0089】ここで、光ファイバ配列コネクタ1の端面
と導波路デバイス3の端面とは、後述する光熱硬化形の
接着剤4を介して重合接着される。然して、この重合接
着に基づき、光ファイバ配列コネクタ1の光ファイバと
導波路デバイス3の光導波路との光軸が相互に一致する
ように配置されている。尚、光ファイバ配列コネクタ
1、1個または2個の導波路デバイス3が相俟って、光
導波路モジュールが構成されることになる。
【0090】さらに、光熱硬化型の接着剤4は、接着強
度が高く、広い温度範囲の使用に好適なエポキシ系の光
硬化接着剤からなり、このエポキシ系の光硬化接着剤に
は、熱硬化触媒が予め添加されている。ここで、エポキ
シ系の光硬化接着剤に熱硬化触媒が添加されるのは、熱
硬化接着剤だけであると、硬化中に光ファイバ配列コネ
クタ1の光ファイバと導波路デバイス3の光導波路との
光軸がずれてしまうので、それを防止する必要性に基づ
くものである。即ち、熱硬化性樹脂は、硬化に必要な時
間が30分〜12時間と長時間なので、硬化の最中に、
光ファイバ配列コネクタ1の光ファイバと導波路デバイ
ス3の光導波路との光軸がずれてしまう虞れがある。
【0091】図21は、光ファイバと光導波路の結合構
造において芯ずれ量と光伝送損失の理論的関係を示すグ
ラフである。このグラフによれば、芯ずれ量が大きいほ
ど光伝送損失値が大きいことがわかる。
【0092】そこで、これを防止すべく、接着剤4とし
て光硬化開始剤と熱硬化開始剤とを含有させ、光熱硬化
型の接着剤4の塗布部分外周を光照射によって短時間
(1分〜15分)のうちに硬化させ、その後、光の未照
射部分を加熱硬化(30分〜12時間)することで、光
熱硬化型の接着剤4を実質的及び最終的に硬化及び固定
し、テープ状光ファイバ2から導出した光ファイバを配
列固定した光ファイバ配列コネクタ1と導波路デバイス
3とを接続固定するようにしている。尚、光熱硬化型の
接着剤4中の硬化開始剤は、光ないし熱によりラジカル
を形成し、光熱硬化型の接着剤4の主成分のモノマーa
nd/orオリゴマーの重合反応を進める成分であるの
で、各々の成分単位でも硬化反応を90%以上起こさせ
得る量以上が光熱硬化型の接着剤4中に添加されている
ことが望ましい。
【0093】但し、硬化開始剤の過剰な添加は、光熱硬
化型の接着剤4中における硬化開始剤の残留による接着
強度の低下を招くので、避ける必要がある。それゆえ、
硬化開始剤は、光による成分、熱による成分それぞれ
が、0.5wt%以上、5.0wt%未満含有されるこ
とが望ましい。これは、0.5wt%未満であると、硬
化反応が充分進行しないとともに、硬化処理後も未硬化
成分が残留し、しかも、接着強度が低くなるので、外環
境の変化(温度、機械的衝撃等)による損失の変動が生
じ易くなるという理由に基づく。さらにまた、5.0w
t%以上の添加があると、硬化開始剤の残留による接着
強度の低下が、添加量が少ない場合と同様に問題化する
という理由に基づくものである。
【0094】なお、エポキシ系接着剤の光硬化開始剤と
熱硬化開始剤については、書籍「実用プラスチック辞
典、発行(株)産業調査会、1993年」の表1−6
(pp.218)、表1−7(pp.219)、表2−4−5(pp.5
77)などに詳細に記載されている。また、光熱硬化型接
着剤としては、スリーボンド(Three Bond)3000,
3100シリーズ(スリーボンド社製、日本)が好適で
あり、特に商品名「3042」、「3102」、「31
03」、「3112」及び「3113」のものがより望
ましい。
【0095】したがって、光ファイバ配列コネクタ1の
光ファイバと導波路デバイス3の光導波路とを実装する
には、先ず、光ファイバ配列コネクタ1の光ファイバと
導波路デバイス3の光導波路とを調芯し、次いで、導波
路デバイス3の入力部である端面に、入力用光ファイバ
を配列した光ファイバ配列コネクタ1の端面に光熱硬化
型の接着剤4を盛り付けるとともに、導波路デバイス3
の出力部である端面に、出力用光ファイバを配列した光
ファイバ配列コネクタ1の端面に光熱硬化型の接着剤4
を盛り付ける。(図18(b)参照)。
【0096】こうして、盛り付けが終了したら、光熱硬
化型の接着剤4が塗布された接着面の周縁部(継ぎ目部
付近)に、外部から紫外光(高圧水銀ランプ、365n
m)を10mW/cm2 の強度で200秒照射して光硬
化させ、その後、光モジュールを80゜Cで10時間加
熱して熱硬化させ、光熱硬化型の接着剤4を実質的及び
最終的に硬化及び固定させれば、光ファイバ配列コネク
タ1の光ファイバと導波路デバイス3の光導波路とを実
装及び固定することができる。なお、入力用光ファイバ
及び出力用光ファイバの各接続部を含む損失は熱硬化終
了後0.31dBであり、反射減衰量は−45dBであ
った。
【0097】図22は、第3実施例における光ファイバ
と光導波路の結合構造に対して行ったヒートサイクル試
験において設定温度の時間的変化を示すグラフである。
然して、この光導波路モジュールの−40℃〜+75℃
の温度サイクルにおける損失変動を測定したところ、最
大・最小の損失差は0.08dBと極めて良好な結果を
得ることができた。
【0098】比較例3 次に、本発明の効果を比較法的観点から説明するため、
実施例3と異なり、熱硬化触媒が添加されていない単な
るエポキシ系光硬化型の接着剤を使用して、光ファイバ
配列コネクタ1の光ファイバと導波路デバイス3の光導
波路とを実装する方法について述べる。尚、この比較例
における光導波路モジュールも、上記実施例3と同様の
構造に構成されている。
【0099】この比較例においては、先ず、光ファイバ
配列コネクタ1の光ファイバと導波路デバイス3の光導
波路とを調芯し、次いで、導波路デバイス3の入力部で
ある端面に、入力用光ファイバを配列固定した光ファイ
バ配列コネクタ1の端面にエポキシ系光硬化型の接着剤
を盛り付けるとともに、導波路デバイス3の出力部であ
る端面に、出力用光ファイバを配列固定した光ファイバ
配列コネクタ1の端面にエポキシ系光硬化型の接着剤を
盛り付ける。
【0100】こうして、盛り付けが終了したら、エポキ
シ系光硬化型の接着剤が塗布された接着面の周縁部に、
外部から紫外光(高圧水銀ランプ、365nm)を10
mW/cm2 の強度で200秒照射して光硬化させ、光
ファイバ配列コネクタ1の光ファイバと導波路デバイス
3の光導波路とを実装及び固定した。
【0101】なお、入力用光ファイバ及び出力用光ファ
イバの各接続部を含む損失は0.31dBであり、反射
減衰量は−45dBであった。然して、実施例3と同様
にして、この光導波路モジュールの−40℃〜−75℃
の温度サイクルにおける損失変動を測定したところ、最
大・最小の損失差は0.45dBであり、変動が極めて
大きかった。
【0102】実施例3に示す方法によれば、光熱硬化型
の接着剤4が塗布された接着面周縁部に、紫外光を照射
して光硬化させ、その後、光モジュールを加熱して熱硬
化させ、光熱硬化接着剤11を実質的及び最終的に硬化
及び固定させるので、光ファイバ配列コネクタ1と導波
路デバイス3との全てが光透過性を有する材料でなくと
も良い。したがって、FHD法に代表されるような製法
を適用される導波路基板31の材料として、光透過性を
持たないシリコンを使用する場合、光ファイバ配列コネ
クタ1が光透過性材料に限定されてしまうという弊害を
確実に解消することができる。さらに、光ファイバ配列
コネクタ1及び導波路デバイス3とを金属ハウジングの
内部にそれぞれ固定しなくとも良いので、固定手法が非
常に高価になるという弊害を容易に解消することが可能
となる。
【0103】実施例4 図23は、本発明の光ファイバと光導波路の結合構造に
係る実施例4の全体構成を示す斜視図である。この場
合、光ファイバ配列コネクタ1では、ファイバ配列基板
12及びファイバ固定部材11としてシリコンが使用さ
れている。一方、導波路デバイス3では、導波路基板3
1の上面両端には、導波路被覆部材32がエポキシ系光
硬化型の接着剤4を介してそれぞれ予め載設されてい
る。
【0104】導波路被覆部材32は、光透過性材料であ
るSiO2 製のガラス板から形成され、導波路基板31
の端面と同一面を構成するように端面を研磨加工されて
いる。この導波路被覆部材32は、導波路基板31の上
面両端と光ファイバ配列コネクタ1の立面部とに、エポ
キシ系光硬化型の接着剤4を介してそれぞれ接着及び載
設され、熱硬化時の損失変動を抑制する機能を有してい
る。ここで、導波路被覆部材32の端面が導波路基板3
1の端面と同一面を構成するように研磨加工されるとと
もに、光ファイバ配列コネクタ1の光ファイバと導波路
デバイス3の光導波路との実装前に導波路被覆部材32
が導波路基板31に対して予め接着されるのは、さもな
いと、光硬化の際、接着剤4の硬化収縮により損失が変
動し易いという理由に基づくものである。その他の部分
については上記実施例3と同様である。
【0105】なお、導波路被覆部材32は、長さ
(l)、幅(w)、高さ(h)としてそれぞれ約5m
m、約5mm及び約1mmを有するように矩形に成形さ
れ、光ファイバ配列コネクタ1に対向する端面として断
面積約5mm2 を有している。
【0106】図24は、図23の光ファイバと光導波路
の結合構造において接着剤の光硬化後と熱硬化後の光伝
送損失の変動を示す表である。本実施例においても実施
例3と同様の作用効果が期待し得るのは明白である。こ
こで、光導波路モジュールに実施例3で述べた光熱硬化
型の接着剤4を使用し、紫外線照射固定後と熱硬化固定
後の損失変動を調べたところ、0.02dBと極めて小
さな変動に抑制することが可能となるのを確認した。
尚、導波路被覆部材32を省略した場合、熱硬化プロセ
ス前後の損失変動は0.15dBという大きな値となっ
た。また、本実施例ではSiO2 製のガラス板からなる
導波路被覆部材32を使用したが、SiO2 ―Na2
―Al2 3 系ガラスからなる導波路被覆部材32を使
用してもほぼ同様の作用効果が得られた。
【0107】なお、実施例3及び4では光熱硬化型の接
着剤として、熱硬化触媒が予め添加されたエポキシ系の
光硬化接着剤を使用するものを示したが、熱硬化触媒が
予め添加されたアクリレート系の接着剤等、同様の作用
を営む接着剤を使用しても、上記諸実施例と同様の作用
効果を奏する。また、実施例3及び4では光ファイバ配
列コネクタとして、シリコン製のファイバ配列基板上に
V溝を形成して作成したものを示したが、ファイバ配列
基板の材質としてプラスチック製のものを使用しても、
同様の作用効果を奏する。さらに、実施例4では、導波
路被覆部材として、ファイバ配列コネクタの端面と対向
して約5.0mm2 の断面積を有するものを示したが、
1.0mm2 以上の断面積を有するものであれば、同様
の作用効果を奏する。
【0108】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
光ファイバと光導波路の結合構造によれば、光ファイバ
配列コネクタを構成する第1の部材は、接着剤を硬化さ
せうる波長の光を透過させない材料、例えば加工容易な
シリコンなどで形成される。そのため、光ファイバの配
列溝が、短時間かつ簡単なプロセスで第1の部材に位置
精度よく形成できる。また、端面同士が互いに対向する
領域における一部では、光ファイバ配列コネクタと導波
路デバイスとの少なくとも一方の端面近傍が接着剤を硬
化させうる波長の光を透過させうる光透過性材料で形成
されている。そのため、光透過性材料からなる光透過部
を介した光照射により、端面間に介在した光硬化型接着
剤の薄い膜が広い面積にわたって容易かつ確実に硬化さ
れる。
【0109】したがって、合理化、短時間化された製造
プロセスにより、多芯の光ファイバと多芯の光導波路が
精度よく光伝送損失を低減して調芯されるとともに、こ
のような光ファイバと光導波路の調芯状態が長時間にわ
たって安定的に維持されるので、耐環境性にも優れた光
ファイバと光導波路の結合構造が実現される。
【0110】ここで、導波路デバイスの光導波路と光フ
ァイバ配列コネクタの光ファイバとを調芯し、次いで、
導波路デバイスの端面に光ファイバ配列コネクタの端面
を光熱硬化型接着剤で重合接着する場合、接着剤が塗布
された接着面の周縁部に光を所定の強度で所定の時間照
射して光硬化させた後、光導波路モジュールを所定の温
度で所定の時間加熱して熱硬化させると、接着剤が実質
的及び最終的に硬化及び固定される。そのため、光導波
路と光ファイバとを良好に実装及び固定することができ
る。
【0111】さらに、導波路デバイスが導波路基板上の
光導波路形成面を被覆する導波路被覆部材を有する場
合、光透過性材料からなる導波路被覆部材が1.0mm
2 以上の断面積を有して光ファイバ配列コネクタと導波
路デバイスとの接続領域の一部に予め付設されると、こ
の導波路被覆部材が光硬化の際に完全に固定されていな
い接着面の一部を固定する。そのため、熱硬化反応時の
損失変動が大幅に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバと光導波路の結合構造に係
る一実施例の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1の光ファイバと光導波路の結合構造におけ
る要部の分解構成を示す斜視図である。
【図3】(a)は図1の光ファイバと光導波路の結合端
面の近傍における縦方向構造を示す断面図であり、
(b)は(a)の結合端面における横方向構造を示す断
面図である。
【図4】(a),(b)は図1の光ファイバと光導波路
の結合構造において配列基板と導波路基板の各端面を接
着させた変形例の縦方向構造を示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は図1の光ファイバと光導波路
の結合構造において固定部材と導波路基板の各端面を接
着させた変形例の縦方向構造を示す断面図である。
【図6】(a)〜(g)は図1の光ファイバと光導波路
の結合構造において配列基板と導波路基板の各端面、固
定部材と被覆部材の各端面をそれぞれ接着させた変形例
の縦方向構造を示す断面図である。
【図7】(a)〜(g)は図1の光ファイバと光導波路
の結合構造において配列基板と被覆部材の各端面、固定
部材と導波路基板の各端面をそれぞれ接着させた変形例
の縦方向構造を示す断面図である。
【図8】(a)は図1の光ファイバと光導波路の結合構
造において配列基板と導波路基板の各端面を接着させた
変形例の結合端面近傍の縦方向構造を示す断面図であ
り、(b)は(a)の固定部材を平板形状としたものに
おける結合端面の横方向構造を示す断面図であり、
(c)は(a)の固定部材を断面「コ」字状としたもの
における結合端面の横方向構造を示す断面図である。
【図9】図8(c)の要部における分解構成を示す斜視
図である。
【図10】(a)〜(c)は図1の光ファイバと光導波
路の結合構造において固定部材と配列基板の各形状を種
々に設定した変形例の結合端面の横方向構造を示す断面
図である。
【図11】各種の光透過性材料において入射光の波長と
光透過率の関係を示すグラフである。
【図12】光ファイバ配列コネクタにおいて光ファイバ
の周囲に樹脂等をモールド成形する工程を示す断面図で
ある。
【図13】シングルモードファイバと光導波路の結合構
造において芯ずれ量と光伝送損失の関係を示すグラフで
ある。
【図14】本発明の光ファイバと光導波路の結合構造に
係る実施例1において結合端面の横方向構造を示す断面
図である。
【図15】光ファイバと光導波路の結合構造に対してヒ
ートサイクル試験を行う測定系の構成を示す模式配置図
である。
【図16】実施例1の光ファイバと光導波路の結合構造
において8本から任意に選択された2本のファイバ付き
光導波路について光伝送損失の時間的変動を示すグラフ
である。
【図17】比較例1の光ファイバと光導波路の結合構造
において8本から任意に選択された2本のファイバ付き
光導波路について光伝送損失の時間的変動を示すグラフ
である。
【図18】(a)は本発明の光ファイバと光導波路の結
合構造に係る実施例3の全体構成を示す上面図であり、
(b)は(a)の側面図であり、(c)は(a)の下面
図である。
【図19】図18の導波路基板における横方向構造を示
す断面図である。
【図20】(a)〜(c)は図18の導波路基板におけ
る光導波路層の構成を示す平面図である。
【図21】光ファイバと光導波路の結合構造において芯
ずれ量と光伝送損失の理論的関係を示すグラフである。
【図22】実施例3の光ファイバと光導波路の結合構造
に対して行ったヒートサイクル試験において設定温度の
時間的変化を示すグラフである。
【図23】本発明の光ファイバと光導波路の結合構造に
係る実施例4の全体構成を示す斜視図である。
【図24】図23の光ファイバと光導波路の結合構造に
おいて接着剤の光硬化後と熱硬化後の光伝送損失の変動
を示す図表である。
【図25】従来の光ファイバと光導波路の結合構造とし
て熔接によって結合されたものの要部における縦方向構
造を示す断面図である。
【図26】従来の光ファイバと光導波路の結合構造とし
て光硬化型接着剤を用いて結合されたものの要部におけ
る縦方向構造を示す断面図である。
【図27】各種材料の熱膨張特性と光吸収特性を示す図
表である。
【符号の説明】
1…光ファイバ配列コネクタ、2…テープ状光ファイ
バ、3…導波路デバイス、4…接着剤、11…ファイバ
固定部材,12…ファイバ配列基板、13…配列溝、2
1…光ファイバ、31…導波路基板、32…導波路被覆
部材、33…光導波路層、34…光導波路,35…バッ
ファ層、36…保護層、41,42…金属部材、51…
ガラス製部材、60…樹脂、61,62…型枠、70…
恒温槽、71…光導波路モジュール、72…LED、7
3,74…光ファイバ、75…光パワーメータ、76…
PC。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬村 滋 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (72)発明者 斉藤 眞秀 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (72)発明者 平井 茂 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (56)参考文献 特開 平4−212113(JP,A) 特開 平4−352109(JP,A) 特開 平4−355413(JP,A) 特開 平5−19131(JP,A) 特開 平5−27139(JP,A) 特開 平5−34543(JP,A) 特開 平5−72440(JP,A) 特開 平5−196838(JP,A) 特開 平7−92346(JP,A) 特開 昭55−48717(JP,A) 特開 昭56−57803(JP,A) 特開 昭59−24815(JP,A) 特開 昭63−24204(JP,A) 国際公開92/21047(WO,A1) 米国特許4639074(US,A) Y.Yamada et.al.,I EEE Photonics Tech nology Letters,Vo l.4 No.8(August 1992),pp.906−908 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/12 - 6/14 G02B 6/26 - 6/30 G02B 6/42 - 6/43

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の部材と第2の部材で挟むようにし
    て内部に光ファイバを固定した光ファイバ配列コネクタ
    と、表面に光導波路が形成された導波路基板を有する導
    波路デバイスとを、端面同士で突き合わせて調芯すると
    ともに、前記端面間に接着剤を介在して硬化させた光フ
    ァイバと光導波路の結合構造において、 前記第1の部材は前記接着剤を硬化させうる波長の光を
    透過させない材料製であり、 前記接着剤は、光硬化開始剤に加えて熱硬化開始剤を含
    有する光熱硬化型であり、 前記光ファイバ配列コネクタと前記導波路デバイスの端
    面が互いに対向する領域における少なくとも一部で、前
    記光ファイバ配列コネクタと前記導波路デバイスの少な
    くとも一方の前記端面近傍が、前記接着剤を硬化させう
    る波長の光を透過させうる光透過性材料により形成され
    ているとともに、 前記接着剤を一旦光硬化させた後に最終的に熱硬化させ
    ることで、該接着剤を介して前記光ファイバ配列コネク
    タと前記導波路デバイスとが接続固定された ことを特徴
    とする光ファイバと光導波路の結合構造。
  2. 【請求項2】 前記光透過性材料は、1×10-5-1
    満の熱膨張係数を有する材料であることを特徴とする請
    求項1記載の光ファイバと光導波路の結合構造。
  3. 【請求項3】 前記光透過性材料は、SiO2を主成分
    とするガラスであることを特徴とする請求項2記載の光
    ファイバと光導波路の結合構造。
  4. 【請求項4】 前記光透過性材料は、シリコンの熱膨張
    係数と±20%以内で一致した熱膨張係数を有するガラ
    スであることを特徴とする請求項3記載の光ファイバと
    光導波路の結合構造。
  5. 【請求項5】 前記光透過性材料は、光の吸収端が45
    0nm以下の波長にある樹脂であることを特徴とする請
    求項2記載の光ファイバと光導波路の結合構造。
  6. 【請求項6】 前記接着剤は、前記光ファイバ配列コネ
    クタの端面と前記導波路デバイスの端面との間に介在し
    て塗布され、光照射によって光硬化された後に加熱によ
    って熱硬化されることを特徴とする請求項記載の光フ
    ァイバと光導波路の結合構造。
  7. 【請求項7】 前記導波路基板の端面は前記接着剤を介
    して前記光ファイバ配列コネクタの端面と対向し、前記
    導波路基板の少なくとも前記端面近傍の少なくとも一部
    は前記接着剤を硬化させうる波長の光を透過させうる光
    透過性材料により形成されていることを特徴とする請求
    項1記載の光ファイバと光導波路の結合構造。
  8. 【請求項8】 前記導波路デバイスは、前記導波路基板
    と、この前記光導波路形成面を被覆する導波路被覆部材
    とを有しており、前記導波路被覆部材の端面は前記接着
    剤を介して前記ファイバ配列コネクタの端面と対向し、
    前記導波路被覆部材の少なくとも前記端面近傍の少なく
    とも一部は前記接着剤を硬化させうる波長の光を透過さ
    せうる光透過性材料により形成されていることを特徴と
    する請求項1記載の光ファイバと光導波路の結合構造。
  9. 【請求項9】 前記光透過性材料は、前記光ファイバ配
    列コネクタの端面と対向した前記導波路被覆部材の端面
    の一部として1.0mm2以上の断面積を有して構成さ
    れていることを特徴とする請求項記載の光ファイバと
    光導波路の結合構造。
  10. 【請求項10】 前記第1の部材は、表面に前記光ファ
    イバの配列溝が形成されたファイバ配列基板であること
    を特徴とする請求項1記載の光ファイバと光導波路の結
    合構造。
  11. 【請求項11】 前記ファイバ配列基板は、1×10-5
    -1未満の熱膨張係数を有する材料製であることを特徴
    とする請求項10記載の光ファイバと光導波路の結合構
    造。
  12. 【請求項12】 前記ファイバ配列基板はシリコン製で
    あり、前記配列溝は機械加工または異方性エッチング加
    工による溝であることを特徴とする請求項11記載の光
    ファイバと光導波路の結合構造。
  13. 【請求項13】 前記ファイバ配列基板はセラミック製
    であり、前記配列溝は前記セラミック材の焼結時に成形
    された溝であることを特徴とする請求項11記載の光フ
    ァイバと光導波路の結合構造。
  14. 【請求項14】 前記ファイバ配列基板はプラスチック
    製であり、前記配列溝は前記プラスチック材のモールド
    時に成形された溝であることを特徴とする請求項11記
    載の光ファイバと光導波路の結合構造。
  15. 【請求項15】 前記プラスチック材は、フィラーを含
    有するフェノール樹脂であることを特徴とする請求項1
    4記載の光ファイバと光導波路の結合構造。
  16. 【請求項16】 前記第2の部材は、前記ファイバ配列
    基板に貼り合わされて前記光ファイバを前記配列溝に固
    定するファイバ固定部材であり、前記ファイバ固定部材
    の端面は前記接着剤を介して前記導波路デバイスの端面
    と対向し、前記ファイバ固定部材の少なくとも前記端面
    近傍の少なくとも一部は前記接着剤を硬化させうる波長
    の光を透過させうる光透過性材料により形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の光ファイバと光導波路
    の結合構造。
  17. 【請求項17】 前記第1の部材と前記第2の部材は、
    プラスチック材のモールド成形によって一体に形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバと光
    導波路の結合構造。
  18. 【請求項18】 前記導波路デバイスの一方の端面は光
    入力部として第1の前記光ファイバ配列コネクタの端面
    と対向し、前記導波路デバイスの他方の端面は光出力部
    として第2の前記光ファイバ配列コネクタの端面と対向
    していることを特徴とする請求項1記載の光ファイバと
    光導波路の結合構造。
  19. 【請求項19】 前記光硬化開始剤及び前記熱硬化開始
    剤の含有量は、いずれも0.5wt%以上かつ5wt%
    未満であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ
    と光導波路の結合構造。
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