JPH06336750A - 建設機械の油圧駆動装置 - Google Patents

建設機械の油圧駆動装置

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JPH06336750A
JPH06336750A JP12619093A JP12619093A JPH06336750A JP H06336750 A JPH06336750 A JP H06336750A JP 12619093 A JP12619093 A JP 12619093A JP 12619093 A JP12619093 A JP 12619093A JP H06336750 A JPH06336750 A JP H06336750A
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JP
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pressure
correction
control
shunt
hydraulic
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Application number
JP12619093A
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English (en)
Inventor
Akira Tatsumi
明 辰巳
Kuniaki Yoshida
国昭 吉田
Toichi Hirata
東一 平田
Genroku Sugiyama
玄六 杉山
Kazunori Nakamura
和則 中村
Yusuke Kajita
勇輔 梶田
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】建設機械の油圧駆動装置において、複合操作の
種類に応じて圧油の分流比を最適に制御すると共に、油
圧アクチュエータの負荷状態に応じて分流比を補正する
ことにより操作性及び作業効率を向上する。 【構成】均し作業中にアームに大きな負荷が加わると、
その負荷により増大したアームシリンダ27の負荷圧力
Parm が圧力検出器57で検出され、コントローラ61
内でブロック101,102において増大した負荷圧力
Parm に応じた補正量ΔF4 ,ΔF5 が演算され、この
補正量ΔF4 ,ΔF5 が加算部105,106で制御力
Fc4,Fc5の演算値に加算され、制御力Fc4の演算値は
増大するように、制御力Fc5の演算値は減少するように
それぞれ補正され、これにより均し作業でアーム5が遅
くなり過ぎることが防止され、均し作業の操作性及び作
業効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油圧ショベル等の建設機
械の油圧駆動装置に係わり、特に、油圧ポンプの吐出流
量をロードセンシング制御すると共に、油圧ポンプの吐
出圧力と複数のアクチュエータの最大負荷圧力との差圧
に基づき複数の油圧アクチュエータに供給される圧油の
分流比を制御する建設機械の油圧駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧建設機械の制御装置として、
特開平2−118203号公報に記載のように、ロード
センシング制御(以下、適宜「LS制御」という)され
る油圧ポンプの吐出圧力と複数のアクチュエータの最大
負荷圧力との差圧(以下、適宜「LS差圧」という)に
基づく制御力を圧力補償弁に付与し、流量制御弁の前後
差圧を制御するものがある。ここで、LS制御とは、油
圧ポンプの吐出圧力が複数の油圧アクチュエータの最大
負荷圧力よりも一定値だけ高くなるよう油圧ポンプの吐
出量を制御するものであり、これにより油圧アクチュエ
ータの負荷圧力に応じて油圧ポンプの吐出量を増減し、
経済的な運転が可能となる。
【0003】また、上記特開平2−118203号公報
に記載の従来技術では、圧力補償弁の圧力補償特性が、
圧力補償弁毎にLS差圧の関数としてコントローラに記
憶されており、この個別の圧力補償特性からLS差圧に
対応する制御力を個別に演算し、それぞれの圧力補償弁
を個別に駆動して複数の油圧アクチュエータに供給され
る圧油の分流比を制御している。これにより、複数のア
クチュエータの複合駆動時にポンプ吐出流量が不足する
油圧ポンプのサチュレーションが生じても、油圧ポンプ
からの圧油は流量制御弁の要求流量(弁開度)の割合に
応じて分流されて複数のアクチュエータに供給され、適
切な複合駆動が可能となる。この意味でこの圧力補償弁
は「分流補償弁」と呼ばれている。
【0004】更に、上記特開平2−118203号公報
に記載の従来技術では、コントローラに記憶される分流
補償弁(圧力補償弁)の個別の圧力補償特性は対応する
油圧アクチュエータの種類やその油圧アクチュエータが
係わる複合操作の種類に応じて予め設定されており、こ
れにより油圧アクチュエータや複合操作の種類に応じて
油圧アクチュエータに供給される流量の配分割合、即ち
分流比が制御され、優れた操作性及び作業効率が得られ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように特開平2
−118203号公報に記載の従来技術では、各分流補
償弁の圧力補償特性は、油圧アクチュエータの種類やそ
の油圧アクチュエータが係わる複合操作の種類に応じて
LS差圧の関数として予め設定されているので、ある操
作をしたときの分流比はLS差圧に応じて一義的に定ま
る。このため、同じ複合操作で各アクチュエータに今ま
でと異なる負荷が加わった場合には、LS制御の応答遅
れや油圧ポンプのトルク制限制御によりポンプ流量に過
不足を生じ、一方のアクチュエータへの流量の配分が多
すぎたり少なすぎたりして、操作性及び作業効率が低下
するという問題があった。
【0006】例えば、油圧ショベルの作業の一例とし
て、ブーム上げとアーム引きを同時に操作して、バケッ
トの爪先で地面を平らにする「均し作業」がある。この
場合、上記従来技術ではブームが良く上がるように、差
圧の低下に対応してアームの分流比がある程度少なくな
るように設定している。しかし、均し作業中に、地面の
状態によりアームに大きな負荷が加わると、LS制御の
応答遅れや油圧ポンプのトルク制限制御によりポンプ流
量が不足し、LS差圧が低下するので、アームの分流比
を絞り過ぎてアームが遅くなり過ぎてしまう。
【0007】また、油圧ショベルの他の作業例として、
旋回とブーム上げとを同時に操作して、バケットの土砂
をトラックの荷台等に積み込む旋回積込み作業がある。
この場合、上記従来技術ではバケットに土砂を多く入れ
ると、平均的重量のときよりもブームの負荷が大きくな
り、ポンプトルク制限により流量が不足する。したがっ
て、ブーム及び旋回用の分流補償弁が共に絞られ、双方
の速度が遅くなる。しかし、この場合の実作業では、旋
回速度が多少遅くなってもブームの上がり量を確保した
いという要望がある。
【0008】本発明の目的は、複合操作の種類に応じて
油圧アクチュエータに供給される圧油の分流比を最適に
制御すると共に、油圧アクチュエータの負荷状態に応じ
て分流比を補正することにより操作性及び作業効率を向
上する建設機械の油圧駆動装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給
される圧油によって駆動される複数の油圧アクチュエー
タと、これら複数の油圧アクチュエータに供給される圧
油の流れをそれぞれ制御する複数の流量制御弁と、これ
ら複数の流量制御弁の入口及び出口間の差圧をそれぞれ
制御する複数の分流補償弁と、前記複数の分流補償弁を
駆動して前記複数の油圧アクチュエータに供給される圧
油の分流比を制御する分流制御手段とを備えた建設機械
の油圧駆動装置において、前記分流制御手段は前記複数
の分流補償弁の制御力を個別に演算する分流特性演算手
段と、前記複数の油圧アクチュエータのうちの少なくと
も1つの油圧アクチュエータの負荷圧力を検出する圧力
検出手段と、前記圧力検出手段からの信号に応じて前記
分流特性演算手段で求められる少なくとも1つの分流補
償弁の制御力の演算値を補正し、前記圧油の分流比を補
正する分流補正手段とを有する構成としたものである。
【0010】上記建設機械の油圧駆動装置において、前
記分流補正手段は、好ましくは、前記圧力検出手段から
の信号に応じて前記制御力の演算値の補正量を演算する
手段と、その補正量を前記制御力の演算値に加算する手
段とを有している。これに代え、前記分流補正手段は、
前記圧力検出手段からの信号に応じて前記制御力の演算
値の補正係数を演算する手段と、その補正係数を前記制
御力の演算値に乗算する手段とを有していてもよい。
【0011】また、上記建設機械の油圧駆動装置は、好
ましくは、前記分流補正手段による補正の要否を選択す
る選択手段を更に備える。この選択手段は、オペレータ
により操作される選択スイッチであってもよいし、上記
の少なくとも1つの油圧アクチュエータを含む複数の油
圧アクチュエータが駆動する作業部材の動きに連動して
切換えられ、互いに直列に接続された複数のスイッチを
含む構成であっても良い。
【0012】
【作用】以上のように構成した本発明においては、上記
の少なくとも1つの油圧アクチュエータを含む複数の油
圧アクチュエータを駆動する複合操作に際して、その油
圧アクチュエータの負荷が変わった場合、圧力検出手段
でその油圧アクチュエータの負荷圧力が検出され、分流
補正手段においてその圧力検出手段からの信号に応じて
分流特性演算手段で求められる少なくとも1つの分流補
償弁の制御力の演算値が補正される。これにより、各分
流補償弁は油圧アクチュエータの負荷圧力に応じて駆動
され、LS制御の応答遅れや油圧ポンプのトルク制限制
御によりポンプ流量に過不足を生じても一方のアクチュ
エータへの流量の配分が多すぎたり少なすぎたりするこ
とが防止され、操作性及び作業効率が向上する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を、本発明を油圧ショ
ベルに適用した場合につき、図面を参照して説明する。
【0014】まず、本発明の第1の実施例を図1〜図1
1により説明する。図1において、本実施例の油圧ショ
ベルに適用された油圧駆動装置は、原動機21及び原動
機21によって駆動される1つの可変容量型の油圧ポン
プ、即ち主ポンプ22と、主ポンプ22から吐出される
圧油によって駆動される複数のアクチュエータ、即ち旋
回モータ23、左走行モータ24、右走行モータ25、
ブームシリンダ26、アームシリンダ27、及びバケッ
トシリンダ28と、これら複数のアクチュエータのそれ
ぞれに供給される圧油の流れを制御する流量制御弁、即
ち旋回用方向切換弁29、左走行用方向切換弁30、右
走行用方向切換弁31、ブーム用方向切換弁32、アー
ム用方向切換弁33、バケット用方向切換弁34と、こ
れら流量制御弁に対応してその上流に配置され、流量制
御弁の入口と出口の間に生じる差圧、即ち流量制御弁の
前後差圧ΔPv1,ΔPv2,ΔPv3,ΔPv4,ΔPv5,Δ
Pv6をそれぞれ制御する圧力補償弁、即ち分流補償弁3
5,36,37,38,39,40と、主ポンプ22の
吐出圧力Ps とアクチュエータ23〜28の最大負荷圧
力PLmaxとの差圧ΔPLSに応答して吐出圧力Ps がその
差圧ΔPLSよりも一定値だけ高くなるように主ポンプ2
2の吐出量を制御するロードセンシング制御方式のポン
プ制御装置41とを備えている。
【0015】図2及び図3に示すように、旋回モータ2
3は油圧ショベルの旋回体1を駆動し、左走行モータ2
4及び右走行モータ25は油圧ショベルの左右の履体即
ち左走行体2及び右走行体3をそれぞれ駆動し、ブーム
シリンダ26、アームシリンダ27及びバケットシリン
ダ28はそれぞれ油圧ショベルのフロント機構を構成す
るブーム4、アーム5及びバケット6をそれぞれ駆動す
る。
【0016】流量制御弁29〜34には、それぞれ、ア
クチュエータ23〜28の駆動時にそれらの負荷圧力を
取り出すためのチェック弁42a,42b,42c,4
2d,42e,42fを備えた負荷ライン43a,43
b,43c,43d,43e,43fが接続され、これ
ら負荷ライン43a〜43fは更に共通の最大負荷ライ
ン44に接続されている。
【0017】分流補償弁35〜40はそれぞれ次のよう
に構成されている。分流補償弁35は、旋回用方向切換
弁29の出口圧力が導かれ、分流補償弁35の弁体を開
弁方向に付勢する駆動部35aと、旋回用方向切換弁2
9の入口圧力が導かれ、分流補償弁35の弁体を閉弁方
向に付勢する駆動部35bと、分流補償弁35の弁体を
力fで開弁方向に付勢するばね45と、パイロットライ
ン51aを介して後述する制御圧力Pc1が導かれ、分流
補償弁35の弁体を閉弁方向に制御力Fc1で付勢する駆
動部35cとを備え、駆動部35a,35bにより分流
補償弁35の弁体に旋回用方向切換弁29の前後差圧Δ
Pv1に基づく第1の制御力が閉弁方向に付与され、ばね
45と駆動部35cとにより分流補償弁35の弁体に第
2の制御力f−Fc1が開弁方向に付与され、第1の制御
力と第2の制御力のバランスにより分流補償弁35の絞
り量が定まり、旋回用方向切換弁23の前後差圧ΔPv1
が制御される。ここで、第2の制御力f−Fc1は旋回用
方向切換弁23の前後差圧ΔPv1の目標値(目標補償差
圧)を設定する値となる。
【0018】その他の分流補償弁36〜40も同様に構
成されている。即ち、分流補償弁36〜40は、それら
の弁体を流量制御弁30〜34の前後差圧ΔPv2〜ΔP
v6に基づく第1の制御力でそれぞれ付勢する対向する駆
動部36a,36b;37a,37b;38a,38
b;39a,39b;40a,40bと、力fで弁体を
開弁方向に付勢するばね46,47,58,59,50
と、パイロットライン51b,51c,51d,51
e,51fを介して同様に後述する制御圧力Pc2,Pc
3,Pc4,Pc5,Pc6が導かれ、それぞれの弁体を制御
力Fc2,Fc3,Fc4,Fc5,Fc6で閉弁方向に付勢する
駆動部36c,37c,38c,39c,40cとを備
えている。
【0019】ポンプ制御装置41は、図4に示すよう
に、主ポンプ22の斜板22aの傾転量を変え、主ポン
プ22の押しのけ容積を変える油圧シリンダ装置52
と、油圧シリンダ装置52の位置を制御する2つの制御
弁53,54とからなっている。油圧シリンダ装置52
のロッド側室は管路55を介して主ポンプ22の吐出管
路22bに接続され、ボトム側室は2つの制御弁53,
54を介して管路55とタンク56に選択的に連通する
よう接続されている。
【0020】制御弁53はロードセンシング制御用であ
り、主ポンプ22の吐出圧力Ps が増大すると制御弁5
3は図示右方に駆動され、油圧シリンダ装置52を図示
右方に駆動して主ポンプ22の押しのけ容積を減少させ
吐出量を減少させる一方、最大負荷圧力PLmaxが上昇す
ると制御弁53は図示左方に駆動され、油圧シリンダ装
置52を図示左方に駆動して主ポンプ22の押しのけ容
積を増大させ吐出量を増大させる。これにより、主ポン
プ22の吐出圧力Ps は最大負荷圧力PLmaxよりばね5
3aで設定される一定値だけ高い圧力に保持される。
【0021】制御弁54はポンプトルク制限制御用であ
り、斜板22aの傾転位置をフィードバックするサーボ
弁として構成されている。主ポンプ22の吐出圧力が増
大しばね54aで設定される所定値を越えると、制御弁
54は図示右方に駆動され、油圧シリンダ装置52を図
示右方に駆動して主ポンプ22の押しのけ容積の最大値
を減少させ吐出量の最大値を減少させる。これにより、
主ポンプ22はポンプ吐出圧力が所定値を越えて増大す
るとポンプ吐出量が減少するよう入力トルク制限制御さ
れる。
【0022】また、本実施例の油圧駆動装置は、図1に
示すように、主ポンプ22の吐出圧力Ps とアクチュエ
ータ23〜28の最大負荷圧力PLmaxとを導入し、両者
の差圧ΔPLSを検出し、対応する信号X1 を出力する差
圧検出器59と、主ポンプ22より吐出される圧油の温
度Th を検出し、対応する信号X2 を出力する温度検出
器60と、アームシリンダ27のボトム側の負荷圧力を
検出し、対応する信号X3 を出力する圧力検出器57
と、オペレータにより操作され均し作業用の分流補正選
択信号SWを出力する分流補正選択スイッチ58と、差
圧検出器59、温度検出器60、圧力検出器57からの
信号X1 ,X2 ,X3 及び分流補正選択スイッチ58か
らの信号SWを入力して上述した制御力Fc1〜Fc6を演
算し、対応する指令信号a,b,c,d,e,fを出力
するコントローラ61と、コントローラ61からの指令
信号a,b,c,d,e,fに基づきコントローラ61
で演算した制御力Fc1〜Fc6の値に応じた制御圧力Pc1
〜Pc6を発生する制御圧力発生回路65とを備えてい
る。
【0023】制御圧力発生回路65は、図5に示すよう
に、分流補償弁35〜40に対応して設けられ、コント
ローラ61からの指令信号a,b,c,d,e,fをそ
れぞれ入力する電磁比例減圧弁62a,62b,62
c,62d,62e,62f、電磁比例減圧弁62a〜
62fにパイロット圧を供給するパイロットポンプ6
3、及びこのパイロットポンプ63から出力されるパイ
ロット圧の大きさを規定するリリーフ弁64を含む。電
磁比例減圧弁62a〜62fは指令信号a〜fにより作
動し、コントローラ61で演算した制御力Fc1〜Fc6の
値に応じた制御圧力Pc1〜Pc6を発生し、これをパイロ
ットライン51a〜51fを介して分流補償弁35〜4
0の駆動部35c〜40cにそれぞれ出力する。
【0024】電磁比例減圧弁62a〜62f及びリリー
フ弁64は、好ましくは2点鎖線66で示すように、1
つのブロックに集合体として構成してある。
【0025】コントローラ61は、図6に示すように、
検出信号X1 ,X2 ,X3 及び選択信号SWを入力する
入力部70と、記憶部71と、記憶部71に記憶したマ
ップデータを用い、同記憶部に記憶した制御プログラム
にしたがって制御力Fc1〜Fc6を演算する演算部72
と、演算部72で求めた制御力の演算値を指令信号a〜
fとして出力する出力部73とを備えている。
【0026】コントローラ61の演算部72で行われる
演算の内容を機能ブロック図で図7に示す。図中、ブロ
ック80〜85は分流特性演算部であり、それぞれ、差
圧検出器59からの信号X1 に対しLS差圧ΔPLSと分
流補償弁35〜40の制御力Fc1〜Fc6との関数マップ
が予め設定されており、信号X1 が示すLS差圧ΔPLS
に応じて制御力Fc1〜Fc6が演算され出力される。ブロ
ック86は油温Th に基づく補正係数演算部であり、温
度検出器60からの信号X2 に対し油温Th と補正係数
Kとの関数マップが予め設定されており、信号X2 が示
す油温Th に応じて補正計数Kが演算され出力される。
この補正係数Kは、ブロック87,88,89でそれぞ
れブロック83,84,85で求めた制御力Fc4〜Fc6
の演算値と乗算され、それら制御力の演算値を温度補正
する。
【0027】ブロック90〜95は遅延部であり、ブロ
ック80〜85で求められブロック87〜89で温度補
正された制御力Fc1〜Fc6の演算値にそれぞれ一次遅れ
要素のフィルタ処理が施される。
【0028】ブロック80〜85に設定されたLS差圧
ΔPLSと分流補償弁35〜40の制御力Fc1〜Fc6との
関数マップは、分流補償弁35〜40に個別の圧力補償
特性を与え、油圧アクチュエータの種類やその油圧アク
チュエータが係わる複合操作の種類に応じて最適の分流
比が得られるよう定められている。ブロック86に設定
された油温Th と補正係数Kとの関数マップは、上記最
適の分流比が油温の影響を受けず、寒冷地、冬期の早
朝、夜間等の作業を円滑に行えるように定められてい
る。また、ブロック90〜95の一次遅れ要素は、個別
の時定数の設定によって更に操作性及び作業効率が向上
するように定められている。これら関数マップ及び一次
遅れ要素の詳細は特開平2−118203号公報に記載
されているので、ここでは説明しない。
【0029】ブロック101,102は本実施例の特徴
である均し作業の操作性向上のための分流補正演算部で
ある。ブロック101にはアームシリンダ27の圧力検
出器57からの信号X3 に対し負荷圧力Parm とブーム
用制御力Fc4の補正量ΔF4との関数マップが予め設定
されており、信号X3 が示す負荷圧力Parm に応じて補
正量ΔF4 が演算され出力される。ブロック102には
アームシリンダ27の圧力検出器57からの信号X3 に
対し負荷圧力Parm とアーム用制御力Fc5の補正量ΔF
5 との関数マップが予め設定されており、信号X3 が示
す負荷圧力Parm に応じて補正量ΔF5 が演算され出力
される。
【0030】図8及び図9にブロック101,102に
設定された関数マップを示す。図8に示すように、ブロ
ック101では、アームシリンダ27の負荷圧力Parm
が中程度以下ではほぼ0の補正量ΔF4 を出力し、負荷
圧力Parm が中程度を越えて高くなるとプラスの補正量
ΔF4 を出力するように関数マップが設定されている。
また、図9に示すように、ブロック102では、アーム
シリンダ27の負荷圧力Parm が中程度以下ではほぼ0
の補正量ΔF5 を出力し、負荷圧力Parm が中程度を越
えて高くなるとマイナスの補正量ΔF5 を出力するよう
に関数マップが設定されている。
【0031】図7に戻り、ブロック103,104は切
換部であり、分流補正選択スイッチ58が操作される
と、分流補正選択スイッチ58からの信号SWによりO
Nになり、ブロック101,102で求めた補正量ΔF
4 ,ΔF5 が加算部105,106に送られ、ブロック
93,94で処理した制御力Fc4,Fc5の演算値に加算
される。ブロック90〜92,95で処理した制御力F
c1〜Fc3,Fc6の演算値と加算部105,106で求め
た制御力Fc4,Fc5の補正値は図6に示す出力部73を
介して指令信号a〜fとして出力される。
【0032】次に、以上のように構成した本実施例の動
作を説明する。流量制御弁29〜34の任意の1つ又は
複数を操作すると、主ポンプ22からの圧油が分流補償
弁及び流量制御弁を通って対応するアクチュエータに供
給される。このとき、主ポンプ22はポンプ制御装置4
1によりロードセンシング制御され、主ポンプ22の吐
出圧力と最大負荷圧力との差圧ΔPLSは差圧検出器59
で検出され、信号X1 コントローラ61に入力される。
同時に、油温が温度検出器60で検出され、信号X2 が
コントローラ61に入力される。
【0033】コントローラ61では、ブロック80〜8
5で差圧検出器59からの信号X1が示すLS差圧ΔPL
Sに応じた制御力Fc1〜Fc6が演算され、ブロック86
で温度検出器60からの信号X2 が示す油温Th に応じ
た補正係数Kが求められ、乗算部87〜89でブロック
83〜85で求めた制御力Fc4〜Fc6の演算値を温度補
正し、ブロック90〜95でこれら制御力Fc1〜Fc6の
演算値に一次遅れ要素のフィルタ処理が施される。
【0034】ここで、今行なおうとする作業が均し作業
でない場合は、分流補正選択スイッチ58はOFFのま
まとされ、分流補正選択スイッチ58からは分流補正選
択信号SWが出力されない。このため、コントローラ6
1においてはブロック103,104はOFFに保持さ
れ、加算部105,106での分流補正は行なわない。
したがって、コントローラ61からはブロック90〜9
5で処理された制御力Fc1〜Fc6の演算値がそのまま図
6に示す出力部73を介して指令信号a〜fとして出力
される。
【0035】コントローラ61から出力された指令信号
a〜fは前述したように電磁比例減圧弁62a〜62f
に与えられてこれらを駆動し、制御力Fc1〜Fc6の演算
値に相応する制御圧力Pc1〜Pc6が分流補償弁35〜4
0の駆動部35c〜40cに出力される。駆動部35c
〜40cはこの制御圧力により分流補償弁35〜40に
閉弁方向の制御力Fc1〜Fc6を付与し、結果として分流
補償弁35〜40には第2の制御力f−Fc1,f−Fc
2,f−Fc3,f−Fc4,f−Fc5,f−Fc6が開弁方
向に付与され、分流補償弁35〜40に個別の圧力補償
特性が与えられる。これにより、特開平2−11820
3号公報に記載のように、旋回とブーム上げの複合操
作、直進走行、走行から走行とブーム上げの複合操作へ
の移行等の操作に際して、それぞれ最適の分流比が与え
られ、操作性及び作業効率を向上する。また、寒冷地、
冬期の早朝、夜間等の操作性を向上する。
【0036】一方、今行なおうとする作業が、ブーム上
げとアーム引きを同時に操作してバケットの爪先で地面
を平らにする「均し作業」である場合は、オペレータは
分流補正選択スイッチ58をONに切換え、スイッチ5
8からは分流補正選択信号SWが出力され、コントロー
ラ61ではブロック103,104がONに切換えられ
る。また、アームシリンダ27のボトム側の負荷圧力P
arm が圧力検出器57で検出され、信号X3 がコントロ
ーラ61に入力される。コントローラ61では、ブロッ
ク101,102でアームシリンダ27の負荷圧力Par
m に応じて補正量ΔF4 ,ΔF5 が演算され、この補正
量ΔF4 ,ΔF5 が加算部105,106で制御力Fc
4,Fc5の演算値に加算され、その値が出力部73を介
して指令信号d,eとして出力される。
【0037】ところで、ブーム用分流補償弁38及びア
ーム用分流補償弁39の制御力Fc4,Fc5を求めるブロ
ック83,84では、図10及び図11に示すように、
均し作業に際してブーム4が良く上がるように、LS差
圧ΔPLSの低下に対応してアーム5の油圧アクチュエー
タ27に対する分流比がある程度少なくなるように関数
マップを設定している。図中、ΔPLSO はロードセンシ
ング制御の目標差圧である。しかし、均し作業中に、地
面の状態によりアームに大きな負荷が加わると、LS制
御の応答遅れや図4に示す制御弁54による油圧ポンプ
のトルク制限制御によりポンプ流量が不足し、LS差圧
が低下するので、もし本実施例の分流補正を行なわず、
ブロック93,94で処理された制御力Fc4,Fc5の演
算値をそのまま出力した場合には、アーム5の分流補償
弁39を絞り過ぎてアーム5が遅くなり過ぎてしまう。
このように均し作業でアーム5が遅くなり過ぎると、均
し作業の操作性及び作業効率が著しく低下する。
【0038】これに対して本実施例では、均し作業中に
アームに大きな負荷が加わると、その負荷により増大し
たアームシリンダ27のボトム側の負荷圧力Parm が圧
力検出器57で検出され、上記のようにブロック10
1,102では増大した負荷圧力Parm に応じた補正量
ΔF4 ,ΔF5 が演算される。ここで、ブロック10
1,102には前述したように図8及び図9に示すよう
な関数マップが設定されており、アームシリンダ27の
負荷圧力Parm が中程度を越えて高くなるとプラスの補
正量ΔF4 及びマイナスの補正量ΔF4 が得られる。し
たがって、加算部105ではブロック93で処理された
制御力Fc4の演算値にプラスの補正量ΔF4が加算さ
れ、制御力Fc4の演算値は図10に破線で示すように増
大するように補正され、加算部106ではブロック94
で処理された制御力Fc5の演算値にマイナスの補正量Δ
F5 が加算され、制御力Fc5の演算値は図11に破線で
示すように減少するように補正される。このように制御
力が補正される結果、アーム5の分流補償弁39の絞り
量が少なくなる一方、ブーム4の分流補償弁38の絞り
量が増大し、均し作業でアーム5が遅くなり過ぎること
が防止され、均し作業の操作性及び作業効率を向上する
ことができる。
【0039】なお、上記実施例では、ブロック101,
102でブーム用の分流補正演算とアーム用の分流補正
演算の両機能を持たせたが、いずれか一方の機能のみで
も分流比が補正され、同様の効果を得ることができる。
【0040】本発明の第2の実施例を図12及び図13
により説明する。本実施例はオペレータにより操作され
る分流補正選択スイッチに代え、均し作業に連動して自
動的に分流補正選択信号を出力するスイッチ機構を設置
したものである。
【0041】図12において、ブーム用方向切換弁32
に隣接してブーム上げの切換弁操作でONするブーム上
げスイッチ200が配置され、アーム用方向切換弁33
に隣接してアーム引きの切換弁操作でONするアーム引
きスイッチ201が配置されている。ブーム上げスイッ
チ200及びアーム引きスイッチ201は図13に示す
ようにコントローラ61に直列に接続され、両スイッチ
200,201のAND条件で分流補正選択信号SWが
出力さ、コントローラ61のブロック103,104
(図7参照)の機能がONになる。
【0042】本実施例によれば、均し作業に連動して自
動的に第1の実施例で説明した分流補正機能が選択され
るので、操作性が更に向上する効果がある。
【0043】本発明の第3の実施例を図14〜図16に
より説明する。本実施例は分流補正を加算でなく乗算で
行なうものである。
【0044】図14において、ブロック101Aにはア
ームシリンダ27の圧力検出器57からの信号X3 に対
し負荷圧力Parm とブーム用制御力Fc4の補正係数KF4
との関数マップが予め設定されており、信号X3 の負荷
圧力Parm に応じて補正係数KF4が演算され出力され
る。ブロック102Aにはアームシリンダ27の圧力検
出器57からの信号X3 に対し負荷圧力Parm とアーム
用制御力Fc5の補正係数KF5との関数マップが予め設定
されており、信号X3 の負荷圧力Parm に応じて補正係
数KF5が演算され出力される。
【0045】図15及び図16にブロック101A,1
02Aに設定された関数マップを示す。図15に示すよ
うに、ブロック101Aでは、アームシリンダ27の負
荷圧力Parm が中程度以下では1の補正係数KF4を出力
し、負荷圧力Parm が中程度を越えて高くなると1以上
の補正係数KF4を出力するように関数マップが設定され
ている。また、図16に示すように、ブロック102A
では、アームシリンダ27の負荷圧力Parm が中程度以
下では1の補正係数KF5を出力し、負荷圧力Parm が中
程度を越えて高くなると1以下の補正係数KF5を出力す
るように関数マップが設定されている。
【0046】図14に戻り、ブロック103A,104
Aは切換部であり、分流補正選択スイッチ58(図1参
照)がOFFで、分流補正選択信号SWが出力されてい
ないときには図示の位置にあり、補正係数KF4,KF5と
して予め設定部110,111に設定した「1」を出力
し、分流補正選択スイッチ58(図1参照)がONに切
換えられ、分流補正選択信号SWが出力されると図示の
位置から切換えられ、ブロック101A,102Aで演
算された補正係数KF4,KF5が出力される。ブロック1
03A,104Aから出力された補正係数KF4,KF5は
乗算部105A,106Aに送られ、ブロック94,9
5で処理した制御力Fc4,Fc5の演算値に乗算される。
ブロック90〜92,95で処理した制御力Fc1〜Fc
3,Fc6の演算値と乗算部105A,106Aで求めた
制御力Fc4,Fc5の補正値は図6に示す出力部73を介
して指令信号a〜fとして出力される。その他の機能は
図7に示す第1の実施例と同じである。
【0047】以上のように構成した本実施例において
も、均し作業中にアームに大きな負荷が加わると、その
負荷により増大したアームシリンダ27のボトム側の負
荷圧力Parm が圧力検出器57(図1参照)で検出さ
れ、ブロック101A,102Aで増大した負荷圧力P
arm に応じた1以上の補正係数KF4及び1以下の補正係
数KF5Fが演算され、乗算部105Aではブロック93
で処理された制御力Fc4の演算値に1以上の補正係数K
F4が乗算され、制御力Fc4の演算値は増大するように補
正され、加算部106Aではブロック94で処理された
制御力Fc5の演算値に1以下の補正係数KF5が乗算さ
れ、制御力Fc5の演算値は減少するように補正される。
したがって、本実施例でも第1の実施例と同様に均し作
業でアームが遅くなり過ぎることが防止され、均し作業
の操作性及び作業効率を向上することができる。
【0048】本発明の第4の実施例を図17〜図19に
より説明する。本実施例はブームシリンダの負荷圧力も
検出し、補正量の微調整を行ないかつ均し作業以外の複
合操作でも分流補正を行なえるようにしたものである。
【0049】本実施例の油圧駆動装置は、図1に破線で
示すように、第1の実施例の構成要素に加えてブームシ
リンダ26のボトム側の負荷圧力を検出し、対応する信
号X4 を出力する圧力検出器120を更に有し、圧力検
出器120からの信号X4 もコントローラ61に入力さ
れる。
【0050】コントローラ61の処理機能を機能ブロッ
ク図で図17に示す。図17において、ブロック101
B,102Bの機能は図7に示すブロック101,10
2の機能とほぼ同じである。また、ブロック121には
ブームシリンダ26の圧力検出器120からの信号X4
に対し負荷圧力Pboomとブーム用制御力Fc4の補正量Δ
F4 * との関数マップが予め設定されており、信号X4
の負荷圧力Pboomに応じて補正量ΔF4 * が演算され出
力される。ブロック122にはブームシリンダ26の圧
力検出器120からの信号X4 に対し負荷圧力Pboomと
アーム用制御力Fc5の補正量ΔF5 * との関数マップが
予め設定されており、信号X4 の負荷圧力Pboomに応じ
て補正量ΔF5 * が演算され出力される。
【0051】図18及び図19にブロック101B,1
02B,121,122に設定された関数マップを示
す。図18に示すように、ブロック101Bでは、アー
ムシリンダ27の負荷圧力Parm が中程度以下ではマイ
ナスの補正量ΔF4 を出力し、負荷圧力Parm が中程度
を越えて高くなるとプラスの補正量ΔF4 を出力し、か
つマイナスの補正量ΔF4 の絶対値がプラスの補正量Δ
F4 の半分程度となるように関数マップが設定されてい
る。また、図19に示すように、ブロック102Bで
は、アームシリンダ27の負荷圧力Parm が中程度以下
ではプラスの補正量ΔF5 を出力し、負荷圧力Parm が
中程度を越えて高くなるとマイナスの補正量ΔF5 を出
力し、かつプラスの補正量ΔF5 がマイナスの補正量Δ
F5 の絶対値の半分程度となるするように関数マップが
設定されている。
【0052】また、図18に示すように、ブロック12
1では、ブームシリンダ26の負荷圧力Pboomが中程度
以下ではプラスの補正量ΔF4 * を出力しかつその補正
量がブロック101Bで得られるマイナスの補正量ΔF
4 の絶対値とほぼ等しく、負荷圧力Pboomが中程度を越
えて高くなるとほぼ0の補正量ΔF4 * を出力するよう
に関数マップが設定されている。また、図19に示すよ
うに、ブロック122では、ブームシリンダ26の負荷
圧力Pboomが中程度以下ではマイナスの補正量ΔF5 *
を出力し、負荷圧力Pboomが中程度を越えて高くなると
プラスの補正量ΔF5 * を出力し、かつそれら補正量の
絶対値がブロック102Bで得られるプラスの補正量Δ
F5 とほぼ等しくなるように関数マップが設定されてい
る。
【0053】図17に戻り、ブロック123,124は
切換部であり、分流補正選択スイッチ58(図1参照)
が操作され、分流補正選択スイッチ58から信号SWが
出力されるとブロック123,124はONになり、ブ
ロック121,122で求めた補正量ΔF4 * ,ΔF5
* が加算部125,126に送られ、加算部105,1
06で補正された制御力Fc4,Fc5の演算値に加算され
る。コントローラ61のその他の機能は第1の実施例と
同じである。
【0054】このように構成された本実施例では、均し
作業中にアームに大きな負荷が加わった場合は、第1の
実施例と同様に加算部105,106においてブロック
101,102で演算された補正量ΔF4 ,ΔF5 が加
算され、制御力Fc4の演算値は増大するように補正さ
れ、制御力Fc5の演算値は減少するように補正される。
また、均し作業ではブームシリンダ26のボトム側の負
荷圧力Pboomは低いので、ブロック121,122では
それぞれ低い負荷圧力Pboomに対応したプラスの補正量
ΔF4 * 及びマイナスの補正量ΔF5 * が演算され、こ
れら補正量が加算部125,126において加算部10
5,106で補正された制御力の演算値に更に加算さ
れ、制御力Fc4の演算値は更に増大するように補正さ
れ、制御力Fc5の演算値は更に減少するように補正され
る。このように制御力が補正される結果、アーム5の分
流補償弁39の絞り量が少なくなる一方、ブーム4の分
流補償弁38の絞り量が増大し、均し作業でアーム5が
遅くなり過ぎることがより効果的に防止され、均し作業
の操作性及び作業効率を向上することができる。
【0055】一方、均し作業の通常の操作では、ブーム
シリンダ26の負荷圧力Parm 及びブームシリンダ27
の負荷圧力Pboom共に低圧となり、ブロック101Bで
はマイナスの補正量ΔF4 が演算され、ブロック121
ではそのマイナスの補正量ΔF4 の絶対値と同じプラス
の補正量ΔF4 * が演算され、加算部105,125で
はこれら補正量が相殺され、ブロック93で処理された
制御力Fc4の演算値がそのまま出力される。また、ブロ
ック102Bではプラスの補正量ΔF5 が演算され、ブ
ロック122ではそのプラスの補正量ΔF5 と絶対値が
同じマイナスの補正量ΔF5 * が演算され、同様に加算
部106,126ではこれら補正量が相殺され、ブロッ
ク94で処理された制御力Fc5の演算値がそのまま出力
される。このため、ブロック80〜85で演算された制
御力の演算値による本来の分流制御を行なうことができ
る。
【0056】また、ブーム上げとアーム引きの複合操作
で行なうその他の作業としては、「クレーン吊り作
業」、「重掘削作業」、「薄いすきとり作業」等があ
る。本実施例では、ブロック121,122の機能を付
加した結果、このような複合操作に際しても分流補正の
効果又は本来の分流制御の効果が得られる。
【0057】即ち、「クレーン吊り作業」では、ブーム
シリンダ26の負荷圧力Parm は低圧でブームシリンダ
27の負荷圧力Pboomは高圧となり、ブロック101B
ではマイナスの補正量ΔF4 が演算され、ブロック12
1ではほぼ0の補正量ΔF4* が演算され、加算部10
5,125ではブロック93で処理された制御力Fc4の
演算値にこれら補正量が加算され、制御力Fc4の演算値
が少し小さくなるように補正される。また、ブロック1
02Bではプラスの補正量ΔF5 が演算され、ブロック
122でもそのプラスの補正量ΔF5 と同じプラスの補
正量ΔF5 * が演算され、加算部106,126ではブ
ロック94で処理された制御力Fc5の演算値にこれら補
正量が加算され、制御力Fc5の演算値が増大するように
補正される。このように制御力が補正される結果、ブー
ム4の分流補償弁38の絞り量は減少しかつアーム5の
分流補償弁39の絞り量は増大するように補正され、ブ
ームシリンダ26に十分な流量を供給してブームの吊り
力を大きくしかつ動きを速くすることができ、クレーン
吊り作業の操作性及び作業効率を向上することができ
る。
【0058】また、「重掘削作業」では、ブームシリン
ダ26の負荷圧力Parm 及びブームシリンダ27の負荷
圧力Pboom共に高圧となり、ブロック101Bではプラ
スの補正量ΔF4 が演算され、ブロック121ではほぼ
0の補正量ΔF4 * が演算され、加算部105,125
ではブロック93で処理された制御力Fc4の演算値にこ
れら補正量が加算され、制御力Fc4の演算値が増大する
ように補正される。また、ブロック102Bではマイナ
スの補正量ΔF5 が演算され、ブロック122でもその
マイナスの補正量ΔF5 の絶対値の約半分のプラスの補
正量ΔF5 * が演算され、加算部106,126ではブ
ロック94で処理された制御力Fc5の演算値にこれら補
正量が加算され、制御力Fc5の演算値が少し減少するよ
うに補正される。このように制御力が補正される結果、
ブーム4の分流補償弁38の絞り量は増大しかつアーム
5の分流補償弁39の絞り量は少し小さくなるように補
正され、アームシリンダ27に十分な流量を供給してア
ームの引き力を大きくしかつ動きを速くすることがで
き、重掘削作業の操作性及び作業効率を向上することが
できる。
【0059】更に、「薄いすきとり作業」では、ブーム
シリンダ26の負荷圧力Parm 及びブームシリンダ27
の負荷圧力Pboom共に低圧となり、均し作業の通常の操
作の場合と同様にブロック93,94で処理された制御
力Fc4,Fc5の演算値がそのまま出力される。このよう
にブーム負荷圧力、アーム負荷圧力共に低圧となる複合
操作では、ブロック80〜85で演算された制御力の演
算値による本来の分流制御を行なうことができる。
【0060】なお、以上の実施例では、アクチュエータ
の作動位置の変化に対する補正の応答をよくするため、
一次遅れ要素のフィルター処理の後で加算または乗算を
行ない分流補正を行なったが、これに限らず一次遅れ要
素のフィルター処理の前で加算または減算を行ない、分
流補正を行なってもよい。
【0061】また、上記実施例では、ブーム上げとアー
ム引きの複合操作に本発明を適用し、負荷状態に応じて
分流比の補正を行なったが、それ以外の複合操作に本発
明を適用し、負荷状態に応じて分流比を補正してもよ
い。例えば、旋回とブーム上げとを同時に操作して旋回
積込み作業を行なう場合に負荷状態に応じて分流比の補
正を行なってもよく、この場合には負荷圧力を検出する
圧力検出手段としてブームシリンダのボトム側の負荷圧
力を検出する圧力検出器が設置される。また、可能な限
り多くの複合操作について本発明を適用し分流比の補正
を行なうこともでき、この場合は全ての油圧アクチュエ
ータに負荷圧力を検出する圧力検出手段を設ければよ
い。
【0062】また、以上の実施例では、分流補償弁35
〜40は制御力が閉弁方向に作用する構成としたが、特
開平2−118203号公報の第17図に示すように、
当該制御力が開弁方向に作用する構成にしてもよい。こ
の場合は、特開平2−118203号公報の第18図に
示すように、分流特性演算部のブロック80〜85に設
定される関数マップは、差圧ΔPLSが大きくなるにした
がって制御力も大きくなるように差圧と制御力の関係を
設定すればよく、この場合も本発明を適用し、同様の効
果を得ることができる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、油圧アクチュエータの
種類や複合操作の種類に応じて油圧アクチュエータに供
給される圧油の分流比を最適に制御できると共に、油圧
アクチュエータの負荷状態に応じて分流比を補正し、操
作性及び作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による建設機械の油圧駆動装
置の概略図である。
【図2】図1に示す油圧駆動装置が搭載される油圧ショ
ベルの側面図である。
【図3】同油圧ショベルの上面図である。
【図4】図1に示すポンプ制御装置の回路図である。
【図5】図1に示す制御圧力発生回路の回路図である。
【図6】コントローラのハード構成の概念を示す概略図
である。
【図7】コントローラの演算機能を示すブロック図であ
る。
【図8】図7に示すブーム用の分流補正演算部に設定さ
れた関数マップを示す図である。
【図9】図7に示すアーム用の分流補正演算部に設定さ
れた関数マップを示す図である。
【図10】図7に示すブーム用の分流補正演算部で演算
された補正量ΔF4 により制御力が補正される様子を示
す図である。
【図11】図7に示すアーム用の分流補正演算部で演算
された補正量ΔF5 により制御力が補正される様子を示
す図である。
【図12】本発明の第2の実施例による油圧駆動装置の
要部を示す図である。
【図13】図12に示すブーム上げスイッチ及びアーム
引きスイッチの電気的接続を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施例による油圧駆動装置の
コントローラの演算機能を示すブロック図である。
【図15】図14に示すブーム用の分流補正演算部に設
定された関数マップを示す図である。
【図16】図14に示すアーム用の分流補正演算部に設
定された関数マップを示す図である。
【図17】本発明の第4の実施例による油圧駆動装置の
コントローラの演算機能を示すブロック図である。
【図18】図17に示すブーム用の分流補正演算部に設
定された関数マップを示す図である。
【図19】図17に示すアーム用の分流補正演算部に設
定された関数マップを示す図である。
【符号の説明】
22 油圧ポンプ 23〜28 アクチュエータ 29〜34 流量制御弁 35〜40 分流補償弁 41 ポンプ制御装置 35c〜40c 駆動部 57 圧力検出器 58 分流補正選択スイッチ(選択手段) 61 コントローラ 65 制御圧力発生回路 80〜85 分流特性演算部(分流制御手段) 101,102 分流補正演算部(分流補正手段) 101A,102A 分流補正演算部(分流補正手段) 101B,102B 分流補正演算部(分流補正手段) 103,104 切換部 103A,104A 切換部 105,106 加算部 105A,106A 乗算部 121,122 分流補正演算部(分流補正手段) 123,124 切換部 125,126 加算部 200 ブーム上げスイッチ(選択手段) 201 アーム引きスイッチ(選択手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 玄六 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 中村 和則 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 梶田 勇輔 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給
    される圧油によって駆動される複数の油圧アクチュエー
    タと、これら複数の油圧アクチュエータに供給される圧
    油の流れをそれぞれ制御する複数の流量制御弁と、これ
    ら複数の流量制御弁の入口及び出口間の差圧をそれぞれ
    制御する複数の分流補償弁と、前記複数の分流補償弁を
    駆動して前記複数の油圧アクチュエータに供給される圧
    油の分流比を制御する分流制御手段とを備えた建設機械
    の油圧駆動装置において、 前記分流制御手段は前記複数の分流補償弁の制御力を個
    別に演算する分流特性演算手段と、前記複数の油圧アク
    チュエータのうちの少なくとも1つの油圧アクチュエー
    タの負荷圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出
    手段からの信号に応じて前記分流特性演算手段で求めら
    れる少なくとも1つの分流補償弁の制御力の演算値を補
    正し、前記圧油の分流比を補正する分流補正手段とを有
    することを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の建設機械の油圧駆動装置
    において、前記分流補正手段は、前記圧力検出手段から
    の信号に応じて前記制御力の演算値の補正量を演算する
    手段と、その補正量を前記制御力の演算値に加算する手
    段とを有することを特徴とする建設機械の油圧駆動装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の建設機械の油圧駆動装置
    において、前記分流補正手段は、前記圧力検出手段から
    の信号に応じて前記制御力の演算値の補正係数を演算す
    る手段と、その補正係数を前記制御力の演算値に乗算す
    る手段とを有することを特徴とする建設機械の油圧駆動
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の建設機械の油圧駆動装置
    において、前記分流補正手段による補正の要否を選択す
    る選択手段を更に備えることを特徴とする建設機械の油
    圧駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の建設機械の油圧駆動装置
    において、前記選択手段はオペレータにより操作される
    選択スイッチであることを特徴とする建設機械の油圧駆
    動装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の建設機械の油圧駆動装置
    において、前記選択手段は前記少なくとも1つの油圧ア
    クチュエータを含む複数の油圧アクチュエータが駆動す
    る作業部材の動きに連動して切換えられ、互いに直列に
    接続された複数のスイッチを含むことを特徴とする建設
    機械の油圧駆動装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997032135A1 (en) * 1996-02-28 1997-09-04 Komatsu Ltd. Control device for hydraulic drive machine
JPH09296803A (ja) * 1996-04-30 1997-11-18 Nachi Fujikoshi Corp 油圧駆動装置及び油圧駆動装置用定比減圧弁
JP2020153506A (ja) * 2019-03-22 2020-09-24 コベルコ建機株式会社 作業機械の油圧駆動装置

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