JPH06336560A - エポキシ樹脂系粉体塗料組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂系粉体塗料組成物

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JPH06336560A
JPH06336560A JP12757593A JP12757593A JPH06336560A JP H06336560 A JPH06336560 A JP H06336560A JP 12757593 A JP12757593 A JP 12757593A JP 12757593 A JP12757593 A JP 12757593A JP H06336560 A JPH06336560 A JP H06336560A
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JP
Japan
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resin
epoxy resin
dicyclopentadiene
phenol
chemical
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Application number
JP12757593A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Yuasa
仁士 湯浅
Susumu Kubota
進 窪田
Fumiaki Oshimi
文明 押見
Yutaka Otsuki
裕 大月
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)式化1のジシクロペンタジエン変性フ
ェノール樹脂及び/又は式化2の構造単位と式化3の構
造単位とを基本骨格として有するジシクロペンタジエン
−ホルマリン変性フェノール樹脂及び(B)エポキシ樹
脂を必須成分として含有するエポキシ樹脂系粉体塗料組
成物。 【化1】 【化2】 【化3】 【効果】 本発明のエポキシ樹脂系粉体塗料組成物は、
高い耐湿信頼性および耐熱衝撃性を有し、極めて信頼性
が高いので、電気・電子部品(ハイブリットIC、コン
デンサー類、モーター)等の塗装に極めて有用である
他、他の塗装に使用することも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂系粉体塗
料組成物に関し、更に詳しくは耐湿信頼性及び耐熱衝撃
性に優れた電子部品被覆用エポキシ樹脂系粉体塗料組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は無公害、省資源、省エネルギ
ー型塗料として従来の溶剤型塗料に代わって使用されつ
つある。なかでも、エポキシ樹脂系粉体塗料は絶縁用と
して種々の電気用途に用いられている。例えば、電気・
電子部品の絶縁、モーターの絶縁、あるいは電線、電気
製品のカバー等に広く実用化されている。
【0003】近年、民生機器や産業用機器に使用される
電子機器が小型化および薄型化されるにつれて、これら
に使用されるハイブリットICに代表される電子部品も
また同様に小型化、薄型化および高集積化が図られる傾
向にある。従来のハイブリットICの製造法に於いて
は、回路が印刷されたセラミックあるいはアルミナ基板
上にIC、トランジスタ、コンデンサー等を種々の方法
で搭載した後、外力からの保護と耐湿信頼性を向上させ
る為に外装用樹脂で被覆する方法が取られている。
【0004】外装用樹脂としては、液状エポキシ樹脂、
液状フェノール樹脂、粉体エポキシ樹脂などが使用され
ており、液状エポキシ樹脂及び液状フェノール樹脂では
ディッピング法により、粉体エポキシ樹脂では流動浸漬
法により、ハイブリットICを被覆した後に加熱処理が
行われ、硬化される。液状エポキシ樹脂、液状フェノー
ル樹脂は耐湿信頼性には良好な結果を示すが、通常この
目的のためには多量の無機充填剤を含有させるため、作
業時に無機充填剤が沈降し易く、しかも膜厚が500〜
1000μと厚くなり、ハイブリットICの薄型化がし
にくく、また熱衝撃性に劣るという欠点を有する。
【0005】一方、粉体エポキシ樹脂は大量生産に向い
ているという特徴を有するが、最近更に厳しくなってい
る耐湿信頼性に劣るという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
ハイブリットICで代表される電子部品用粉体塗料の欠
点を改良し、小型化および薄膜化に対応でき、且つ耐湿
信頼性及び耐熱衝撃性に優れ、特に電子部品被覆用等と
して使用可能なエポキシ樹脂系粉体塗料組成物を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)
下記一般式化4で表されるジシクロペンタジエン変性フ
ェノール樹脂(以下、「フェノール樹脂(a)」とい
う)、および/または下記一般式化5で表される構造単
位(以下、「構造単位(b−1)」という)と下記一般
式化6で表される構造単位(以下、「構造単位(b−
2)という)とを基本骨格として有するジシクロペンタ
ジエン−ホルマリン変性フェノール樹脂(以下、「フェ
ノール樹脂(b)」という)及び、(B)エポキシ樹脂
を必須成分とするエポキシ樹脂系粉体塗料組成物が提供
される。
【0008】
【化4】
【0009】
【化5】
【0010】
【化6】
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明のエポキシ樹脂系粉体塗料組成物
(以下「塗料組成物」という)は、特定のジシクロペン
タジエン変性フェノール樹脂および/または特定のジシ
クロペンタジエン−ホルマリン変性フェノール樹脂から
なる(A)成分と、(B)成分であるエポキシ樹脂とを
含有する。
【0013】本発明の塗料組成物に用いることができる
特定のジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂は、前
記一般式化4で表されるフェノール樹脂(a)であっ
て、分子量が、300〜1500、溶融粘度が、0.1
〜40.0ポアズ(150℃)、水酸基当量が、120
〜220g/eqであるのが好ましい。また式中R12
およびR3の炭素数が5を超える場合には製造が困難で
ある。前記フェノール樹脂(a)としては、例えば下記
式化7〜13等の樹脂(式中nは0〜10の整数を示
す)を好ましく挙げることができる。
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
【0018】
【化11】
【0019】
【化12】
【0020】
【化13】
【0021】前記フェノール樹脂(a)を調製するに
は、例えばフリーデルクラフト反応を利用し、ジシクロ
ペンタジエンとフェノール類を酸触媒の存在下で反応さ
せる方法等により得ることができる。
【0022】前記フェノール類としては具体的には、例
えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p
−クレゾール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン
などを挙げることができる。
【0023】前記酸触媒としては具体的には、例えば三
フッ化ホウ素;三フッ化ホウ素のエーテル、フェノー
ル、水、アミンまたはアルコール錯体等の三フッ化ホウ
素錯体;三塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムモ
ノクロリド等のアルミニウム化合物;塩化鉄、四塩化チ
タン、硫酸、フッ化水素、トリフルオロメタンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、ゼオライト触媒、各種金
属例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、セレ
ン、白金、レニウム、ニッケル、コバルト、鉄、銅、ゲ
ルマニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、モリ
ブデン、タングステン、銀又はこれらの混合物、ゼオラ
イトからなる固体酸又はこれらの混合物等を好ましく使
用することができる。特に活性と触媒の除去の容易さの
点から三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素・エーテル錯
体、三フッ化ホウ素・フェノール錯体、三フッ化ホウ素
・水錯体、三フッ化ホウ素・アルコール錯体、三フッ化
ホウ素・アミン錯体が好ましく、さらには三フッ化ホウ
素、三フッ化ホウ素・フェノール錯体が最も好ましい。
【0024】前記酸触媒の使用量は、使用する酸触媒に
より異なるが、ジシクロペンタジエン100重量部に対
して0.01〜50重量部が好ましく、具体的には例え
ば、三フッ化ホウ素・フェノール錯体の場合は、ジシク
ロペンタジエン100重量部に対して0.1〜20重量
部、特に0.5〜10重量部であるのが好ましい。
【0025】前記反応は、溶剤を使用しても使用しなく
ても実施することができ、溶剤を使用しない場合はフェ
ノール類の仕込量をジシクロペンタジエンの仕込量に対
して1倍モル当量以上、特に3〜8倍モル当量用いるの
が好ましい。また溶剤を使用する場合、該溶剤として
は、反応を阻害しない溶剤であれば特に限定されるもの
ではなく、具体的には例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クロロベンゼン等の芳香族化合物等を好ましく
挙げることができる。この際、溶剤の使用量は、前記ジ
シクロペンタジエン100重量部に対して20〜300
重量部とするのが好ましい。また反応条件は、使用する
触媒の種類により異なるが、好ましくは、10〜200
℃で、30分〜7時間、具体的には例えば三フッ化ホウ
素・フェノール錯体の場合、好ましくは20〜160
℃、特に好ましくは50〜150℃の範囲である。前記
反応温度が10〜200℃の範囲にある場合、触媒が分
解することなく、また副反応を防止できる他、反応時間
を短縮することができる。
【0026】反応終了後、反応液から触媒を除去した
後、反応液を濃縮すること等により所望のフェノール樹
脂(a)を得ることができる。触媒の除去法は使用する
触媒の種類により異なるが、例えば三フッ化ホウ素・フ
ェノール錯体の場合は、触媒の1〜10倍モル量の水酸
化カリウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト
類等を添加して触媒を失活させた後、触媒を濾過する方
法、苛性ソーダー水などのアルカリ水溶液により失活、
洗浄する方法等により行うことができる。該濾過にあた
っては溶剤を添加したり、濾過物の温度を上昇させる処
理等により作業性を良好にすることができる。
【0027】本発明の塗料組成物に用いることができる
特定のジシクロペンタジエン−ホルマリン変性フェノー
ル樹脂は、前記一般式化5で表される構造単位(b−
1)および前記一般式化6で表される構造単位(b−
2)を基本骨格として有するフェノール樹脂(b)であ
り、好ましくは構成単位(b−1)と構成単位(b−
2)の各々の比率が、モル比で通常5:95〜95:
5、好ましくは20:80〜90:10であり、その構
造はブロックでもランダムでもよい。また、フェノール
樹脂(b)の平均分子量は通常300〜1500、溶融
粘度は0.1〜40.0ポアズ(150℃)、水酸基当
量は120〜220g/eqであるのが好ましい。フェ
ノール樹脂(b)の構成単位の比率と平均分子量は、後
述する原料成分であるフェノール樹脂(a)等のジシク
ロペンタジエン−フェノール樹脂と炭素数6〜10のフ
ェノール類の割合およびホルマリンとフェノールの総量
との割合を適宜選択することにより決定することができ
る。前記フェノール樹脂(b)としては、下記構造式化
14〜21及び下記構造式化24〜29で表される構造
単位(b−1)および構造単位(b−2)等を適宜ラン
ダム又はブロック状に重合させた樹脂等を好ましく挙げ
ることができ、特にフェノールに付加される基が、構造
単位(b−1)および構造単位(b−2)と同様な組合
せが最も好ましい。
【0028】
【化14】
【0029】
【化15】
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】
【0032】
【化18】
【0033】
【化19】
【0034】
【化20】
【0035】
【化21】
【0036】
【化22】
【0037】
【化23】
【0038】
【化24】
【0039】
【化25】
【0040】
【化26】
【0041】
【化27】
【0042】
【化28】
【0043】
【化29】
【0044】前記フェノール樹脂(b)を調製するに
は、前記フェノール樹脂(a)等のジシクロペンタジエ
ン−フェノール樹脂と、フェノール、o−クレゾール、
m−クレゾール、p−クレゾール、2,6−ジメチルフ
ェノール、2,4−ジメチルフェノール、2−メチルヒ
ドロキノン、レゾルシン、ヒドロキノン、カテコール、
ブロモフェノール等、特にフェノール、クレゾール類、
キシレノール類等の炭素数6〜10のフェノール類と
を、酸触媒の存在下、ホルマリンまたはパラホルムアル
デヒドで縮合させる方法等により製造することができ
る。
【0045】前記ジシクロペンタジエン−フェノール樹
脂と、炭素数6〜10のフェノール類との仕込み割合
は、重量比で通常95:5〜5:95の範囲内で実施す
ることが好ましい。この場合、前記ジシクロペンタジエ
ン−フェノール樹脂の使用量が炭素数6〜10のフェノ
ール類の使用量よりも相対的に多いと、構成単位(b−
1)の割合が多くなり、耐湿性が向上する。逆に炭素数
6〜10のフェノール類の割合が前記ジシクロペンタジ
エン−フェノール樹脂よりも相対的に多いと構成単位
(b−2)の割合が多くなり、架橋密度が高くなり耐熱
性が向上する。また、これらのジシクロペンタジエン−
フェノール樹脂及びフェノール類の総量とホルマリンと
のモル比は、目的に応じ適宜選択でき、通常は1:1〜
20:1程度が好ましい。この際、高分子量の縮合体が
必要な場合は、モル比は1:1〜6:1程度にすること
が好ましく、また低分子量の縮合体が必要な場合には1
0:1〜20:1程度にすることが好ましい。
【0046】前記酸触媒としては、フェノール樹脂
(a)の製造の際に列挙した酸触媒はいずれも使用で
き、これ以外に蓚酸などの有機酸や塩酸などの無機酸も
使用することができる。触媒量はフェノール樹脂とフェ
ノール類の総量に対して通常0.1〜15重量%、好ま
しくは1〜8重量%である。
【0047】前記縮合反応は、酸触媒の種類に応じて反
応温度を適宜選択でき、通常は40〜170℃、好まし
くは50〜150℃程度である。また必要に応じて溶剤
の存在下行なうこともできる。溶剤としては、具体的に
は例えばベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン類、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチルセロソルブな
どのエステル類などが挙げられる。
【0048】更に前記縮合反応を行うにあたっては、生
成する水を除去することが反応を円滑に進めるうえで望
ましい。また、酸触媒の除去は、フェノール樹脂(a)
の場合と同様に実施することができる。
【0049】本発明の塗料組成物においては、フェノー
ル樹脂(a)およびフェノール樹脂(b)は単独であっ
ても両者を併用してもよい。併用する場合、フェノール
樹脂(a)およびフェノール樹脂(b)をそれぞれ別個
に製造し所定の割合で混合して使用することもできる
が、コスト低減のためには製造時にフェノール樹脂
(a)およびフェノール樹脂(b)を同時に製造する方
法が好ましい。すなわち、フェノール樹脂(a)を付加
反応により製造後、酸触媒、未反応フェノール類、溶剤
等を除去することなく、ホルマリン等を添加し、所定温
度で反応を開始する方法で縮合体を製造する方法が好ま
しい。
【0050】フェノール樹脂(a)およびフェノール樹
脂(b)の両方を用いる場合の配合割合は、モル比で好
ましくは20:80〜90:10である。フェノール樹
脂(a)の配合量を多くすると耐湿性が向上し、フェノ
ール樹脂(b)の配合量を多くすると架橋密度が高くな
り耐熱性が向上する。
【0051】本発明の塗料組成物において用いる(B)
成分のエポキシ樹脂としては、具体的にはビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラッ
クエポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラックエポキシ
樹脂、ビスフェノールFノボラックエポキシ樹脂、臭素
化フェノールノボラックエポキシ樹脂、臭素化ビスフェ
ノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ナフト
ールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ
樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポ
キシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、複素環式
エポキシ樹脂、3官能エポキシ樹脂、4官能エポキシ樹
脂等を挙げることができる。
【0052】本発明の塗料組成物において用いる(A)
成分と(B)成分の比率は、(B)成分であるエポキシ
樹脂の一分子中に含まれるエポキシ基の数と、(A)成
分として用いる前記フェノール樹脂中の水酸基との当量
比で示すと通常0.5〜1.5であり、好ましくは0.
8〜1.1である。(A)成分の割合が前記範囲未満の
場合には耐湿性に劣り、前記範囲を超える場合には耐熱
衝撃性が劣る傾向になり好ましくない。
【0053】本発明の塗料組成物においては、前記
(A)成分に公知の硬化剤を添加することもでき、具体
的には例えば、ビスフェノールA型フェノール樹脂、臭
素化ビスフェノールAフェノール樹脂、ビスフェノール
F型フェノール樹脂、ノボラックフェノール樹脂、オル
ソクレゾールノボラックフェノール樹脂、ビスフェノー
ルAノボラックフェノール樹脂、ビスフェノールFノボ
ラックフェノール樹脂、臭素化ノボラックフェノール樹
脂、ナフトールノボラック型フェノール樹脂、パラキシ
レン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹
脂、ジシアンジアミド等を挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。
【0054】本発明の塗料組成物においては、硬化促進
剤を適宜使用することができる。硬化促進剤としては特
に制限されず公知のものが使用できるが、例えば、第3
級アミン類、イミダゾール類、テトラ置換ボレート類、
トリフェニルホスフィン類、環状脂肪族アミン類又はこ
れらの混合物等が挙げられる。硬化促進剤の配合割合
は、硬化性および安定性のバランスから(B)成分のエ
ポキシ樹脂に対して0.1〜25重量%、特に0.3〜
20重量%が好ましい。
【0055】本発明の塗料組成物には、更に各種添加剤
を含有させることもできる。例えばシリカ、アルミナ、
水酸化アルミニウム、マイカ、ケイサンカルシウム、ク
レー、タルク、硝子繊維粉末等の無機充填剤;ポリエチ
レンパウダー、ポリアミドパウダー等の有機系充填剤等
が挙げられ、これらの充填剤は(B)成分のエポキシ樹
脂に対して通常0〜70重量部%、好ましくは5〜60
重量%の範囲で添加できる。また目的に応じて、着色
剤、消泡剤、難燃剤等を添加することができ、さらに着
色塗料として用いる際には目的の色相の顔料、染料等を
添加することもできるが、該塗料を電子部品、電子機器
等の絶縁性を必要とする用途に用いる場合には、塗料の
絶縁性を損なわない範囲で、顔料、染料の種類、添加量
を選択する必要がある。
【0056】本発明のエポキシ樹脂系粉体塗料組成物を
調製するには、通常の方法を用いれば良く、例えば、配
合成分をヘンシェルミキサー等により乾式混合した後、
ニーダー等により溶融混合処理を施すか、エクストルー
ダーによる溶融混合処理を施した後、混合物を冷却固化
し、微粉砕後分級する方法等により得ることができる。
【0057】本発明の塗料組成物は、公知の流動浸漬
法、静電流動層法、静電スプレイ法、ふりかけ法、ころ
がし法、スプレイ法、溶射法、霧箱法等の各種塗装方法
等により、電気・電子部品等に塗装することができる。
塗装条件は通常80〜170℃でおこなうことができ
る。
【0058】
【実施例】以下、合成例、実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0059】
【合成例1】環流冷却器及びリービッヒコンデンサーを
備えた5リットル反応器に、フェノール1600gとト
ルエン300gとを仕込み、170℃に加熱して、トル
エン250gを留出し、系内の水分が60ppmになる
まで脱水した。ついで系内を70℃まで冷却し、三フッ
化ホウ素・フェノール錯体16gを添加し均一にした
後、反応温度70℃にて、水分が20ppmのジシクロ
ペンタジエン360gを1.0時間かけて徐々に滴下し
た。滴下終了後70℃で30分間反応を続けた後140
℃に昇温してさらに2.5時間加熱撹拌した。系内を7
0℃に昇温後マグネシウム化合物「KW−1000」
(商品名;協和化学工業株式会社製)40gを添加し3
0分撹拌して触媒を失活させた後反応液を濾過した。得
られた透明な反応液を200℃で減圧蒸留し、難化点が
95℃のフェノール樹脂(1)550gを得た。この樹
脂の水酸基当量を、無水酢酸と反応後アルカリで滴定す
る方法で分析したところ、170g/eqであった。
【0060】また、フェノール樹脂(1)をH−NMR
分析したところ、δ6〜7.5ppmに芳香族性プロト
ンが、δ6〜7.5ppmに脂環式炭化水素性プロトン
の吸収があったが、δ4.5〜6ppmには二重結合性
プロトンの吸収が認められなかった。したがって、フェ
ノール樹脂(1)は下記式化30で示される構造を有し
ており、各吸収の面積比よりnを計算したところn=
0.36であることがわかった。なお、この値より水酸
基当量を求めると前記滴定値と一致した。このことか
ら、フェノール樹脂(1)にはエーテル結合がなく、ジ
シクロペンタジエンとフェノールはエーテル付加はな
く、いずれもアルキレーション反応により結合している
ことが確認された。
【0061】
【化30】
【0062】
【合成例2】還流冷却器及びリービッヒコンデンサーを
備えた5リットル反応器に、フェノール1600gとト
ルエン300gとを仕込み、170℃に加熱して、トル
エン250gを留出し、系内の水分が60ppmになる
まで脱水した。ついで系内を70℃まで冷却し、三フッ
化ホウ素・フェノール錯体16gを添加し均一にした
後、反応温度70℃にて、水分が20ppmのジシクロ
ペンタジエン360gを1.0時間かけて徐々に滴下し
た。滴下終了後70℃で30分間反応を続けた後140
℃に昇温し、さらに2.5時間加熱撹拌した。
【0063】系内を70℃に降温後パラホルムアルデヒ
ド30g添加し、70℃でさらに1時間反応を続けた。
反応終了後マグネシウム化合物「KW−1000」(商
品名;協和化学工業株式会社製)40gを添加し30分
間撹拌して触媒を失活させたのち、反応液を濾過した。
得られた透明な反応液を200℃で減圧蒸留し、フェノ
ール樹脂(2)600gを得た。得られた樹脂は軟化点
が93℃、水酸基当量が156g/eqであった。
【0064】得られたフェノール樹脂(2)をH−NM
R分析したところ、下記式化31で表される構造単位と
下記化32で表される構造単位との比率が43:57で
ある樹脂であることが判った。またゲルパーミエーショ
ンにより数平均分子量を求めたところ約450であっ
た。
【0065】
【化31】
【0066】
【化32】
【0067】
【合成例3】ジシクロペンタジエンの滴下量を316g
に変更した以外は合成例2と全く同じ方法で行いフェノ
ール樹脂(3)を530g得た。得られた樹脂は軟化点
が84℃、水酸基当量が145g/eqであった。
【0068】
【合成例4】フェノールの代わりにo−クレゾール18
70g用いた以外は合成例2と全く同じ方法で行いフェ
ノール樹脂(4)690g得た。得られた樹脂は軟化点
が80℃、水酸基当量が150g/eqであった。
【0069】
【実施例1〜6】合成例1〜4で合成したフェノール樹
脂(1)〜(4)及び表1に示す原材料を同表に示す重
量部で配合し、2軸ニーダーにより溶融混合し、得られ
た溶融混合物を冷却固化した後、100メッシュの篩い
を通してエポキシ樹脂系粉体塗料組成物を得た。次いで
得られたエポキシ樹脂系粉体塗料組成物を150℃に予
熱したハイブリッドICに流動浸漬法により塗装し、1
50℃で硬化して、塗装物を得、以下に示す物性評価を
行った。結果を表1に示す。
【0070】(1)耐湿信頼性 121℃、2気圧、100%RHの水蒸気圧下、塗装さ
れたハイブリッドICを放置し100時間毎に印刷抵抗
の変化を測定し、初期値の1.5%以上変化したものを
不良発生とし、時間毎の不良発生数を調べた。本試験は
試料数10ヵ所で行った。数字の小さいもの程良い。
【0071】(2)耐熱衝撃性 塗装したハイブリッドICに、−55℃で30分、続い
て150℃で30分を1サイクルとした熱衝撃を加え、
50サイクル毎にクラックの発生の有無を見て、クラッ
クが発生した物の不良発生数を調べた。本試験は試料数
20個で行った。数字の小さいもの程良い。
【0072】
【比較例1〜3】実施例1〜6のフェノール樹脂の代わ
りに、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノール樹
脂、ビスフェノールFを用いた以外は、実施例1〜6と
同様にして塗装物を得、物性評価を行なった。結果を表
1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂系粉体塗料組成物
は、高い耐湿信頼性および耐熱衝撃性を有し、極めて信
頼性が高いので、電気・電子部品(ハイブリットIC、
コンデンサー類、モーター)等の塗装に極めて有用であ
る他、他の塗装に使用することも可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大月 裕 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式化1で表されるジシク
    ロペンタジエン変性フェノール樹脂、および/または下
    記一般式化2で表される構造単位と下記一般式化3で表
    される構造単位とを基本骨格として有するジシクロペン
    タジエン−ホルマリン変性フェノール樹脂および(B)
    エポキシ樹脂を必須成分として含有するエポキシ樹脂系
    粉体塗料組成物。 【化1】 【化2】 【化3】
JP12757593A 1993-05-28 1993-05-28 エポキシ樹脂系粉体塗料組成物 Pending JPH06336560A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5707776A (en) * 1994-05-12 1998-01-13 Fuji Photo Film Co., Ltd. Positive resin composition sensitive to ultraviolet rays
US11207073B2 (en) 2013-03-12 2021-12-28 Sentreheart Llc Tissue ligation devices and methods therefor

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5707776A (en) * 1994-05-12 1998-01-13 Fuji Photo Film Co., Ltd. Positive resin composition sensitive to ultraviolet rays
US11207073B2 (en) 2013-03-12 2021-12-28 Sentreheart Llc Tissue ligation devices and methods therefor

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