JPH0633598B2 - 製紙用サイズ剤 - Google Patents

製紙用サイズ剤

Info

Publication number
JPH0633598B2
JPH0633598B2 JP59240760A JP24076084A JPH0633598B2 JP H0633598 B2 JPH0633598 B2 JP H0633598B2 JP 59240760 A JP59240760 A JP 59240760A JP 24076084 A JP24076084 A JP 24076084A JP H0633598 B2 JPH0633598 B2 JP H0633598B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
olefin
maleic anhydride
sizing agent
nickel
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP59240760A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61119797A (ja
Inventor
好夫 高橋
重人 畑中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MISAWA SERAMITSUKU KEMIKARU KK
Eneos Corp
Original Assignee
MISAWA SERAMITSUKU KEMIKARU KK
Mitsubishi Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MISAWA SERAMITSUKU KEMIKARU KK, Mitsubishi Oil Co Ltd filed Critical MISAWA SERAMITSUKU KEMIKARU KK
Priority to JP59240760A priority Critical patent/JPH0633598B2/ja
Publication of JPS61119797A publication Critical patent/JPS61119797A/ja
Publication of JPH0633598B2 publication Critical patent/JPH0633598B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は製紙用サイズ剤に関する。さらに詳しくは乳化
性および乳化後の安定性に優れ、優れたサイズ効果を示
すばかりでなく、抄紙時の汚れを著しく改善し得る製紙
用サイズ剤に関する。
[従来の技術] 一般に紙の製造においては、印刷適性および白色度の向
上、不透明性の付与等のため、タルクやクレー等の填料
が大量に使用されているが、近年これらにかわって国内
に大量に存在し、安価に入手できる炭酸カルシウムを使
用しようとする動きが高まっている。
しかし製紙用サイズ剤として従来一般に用いられている
ロジン系サイズ剤等のいわゆるアニオン型サイズ剤は、
硫酸バンドでパルプに定着させる酸性サイジング方法で
使用されるため、填料として炭酸カルシウムを使用する
と抄紙系の酸性により炭酸カルシウムが分解してしまう
という欠点がある。
従ってこの問題を解決するために、硫酸バンドを使用せ
ず中性領域あるいはアルカリ性領域でサイジングを行う
ことができるいわゆる中性サイズ剤が各種提案されてい
る。
例えば特公昭39−2305号公報には、 一般式 (Rはジメチレン基およびトリメチレン基、R′は炭素
数5以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、
アラルケニル基からそれぞれ選ばれた基) で表わされる中性サイズ剤が提案されており、 特公昭53−28526号公報には、 一般式 Rx−CH2−CH=CH−CH2−R (式中、RおよびRはそれぞれ4〜10個の炭素原紙
を含むアルキル基である。) で表わされる内部オレフィンと無水マレイン酸の反応生
成物からなるサイズ剤が提案されている。
また特開昭57−154495号公報には、炭素数8〜
18のα位を除く各位置に二重結合がほぼ均等に分布され
た直鎖状内部オレフィン混合物に無水マレイン酸を付加
させて得られた混合アルケニルコハク酸無水物からなる
サイズ剤が提案されており、特開昭59−179898
号公報には、炭素数14〜36を有し、2位、3位および4
位に二重結合を有するオレフィンの割合がそれぞれ10〜
65モル%であり、かつそれらの合計が70モル%以上であ
る直鎖型オレフィン混合物と無水マレイン酸との付加反
応によって得られる反応生成物および/または該反応生
成物の水素添加物を含むサイズ剤が提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] 上記の従来のサイズ剤は、通常カチオン化澱粉等の水溶
性高分子化合物やポリオキシアルキレンアルキルアリー
ルエーテル等の界面活性剤を用い、ホモミキサー、ホモ
ジナイザー等により乳化し、水性エマルジュンの形で紙
料に添加されるが、いずれも乳化性および乳化後の安定
性が不十分であるための、満足すべきサイズ効果が得ら
れなかったり、抄紙系に汚れを発生したりする問題があ
る。
また上記特公昭53−28526号公報に開示された内
部オレフィンはα−オレフィンの不均化反応によって得
られるものであり、その製造に種々の困難が伴い、価格
が高いという欠点がある。
一方、特開昭57−154495号公報に開示されてい
る内部オレフィンは、直鎖状内部オレフィンを400〜600
℃で脱水素して直鎖状内部オレフィンとし、次いでモレ
キュラーシーブにより未反応パラフィンと吸着分離する
ことによって得るか、あるいはエチレンの低分子量重合
体であるα−オレフィンを異性化し、引き続き不均化し
て得られるものであって、サイズ剤原料としては好まし
くないα−オレフィンを含有しているばかりでなく、複
雑かつ高コストのプロセスを必要とし、価格が高いとい
う欠点がある。
さらに特開昭59−179898号公報に開示された直
鎖型オレフィン混合物は、α−オレフィンの酸触媒によ
る処理によって得られるものであるが、この酸触媒を使
用する方法では重質な重合物が生成しやすく、また重合
物の生成を抑制しようとすればα−オレフィンが完全に
内部オレフィンに転化せずに残存するため、得られるオ
レフィンは重合物および/またはα−オレフィンを含有
する。
従って、これを原料とするサイズ剤は乳化性および乳化
後の安定性が不十分で満足すべきサイズ効果を示さず、
また抄紙系に汚れを発生しやすい欠点がある。
本発明者等は従来のサイズ剤における上記欠点を克服
し、優れたサイズ効果を示すばかりでなく、乳化性およ
び乳化後の安定性に優れた中性サイズ剤を開発すべく鋭
意研究を重ねた結果、オレフィンと無水マレイン酸との
付加反応生成物よりなる中性サイズ剤のサイズ効果、乳
化性および乳化後の安定性は、原料として用いるオレフ
ィンの構造、二重結合分布、α−オレフィン含有量およ
び重質分含有量によって著しく異なり、直鎖状オレフィ
ンの場合は、α−オレフィンおよび重質分の含有量がで
きるだけ少なく、かつ特定の二重結合分布をもつものだ
けがサイズ効果、乳化性および乳化後の安定性に優れた
サイズ剤の原料となり得ることを見出した。
これらの結果から得られた知見をもとに、さらに検討を
重ねた結果、特定の方法でα−オレフィンを異性化して
得られる直鎖状オレフィンは、α−オレフィンを全く含
まず、また重質分の生成も極めて少ないばかりでなく、
不均化工程を経なくてもサイズ剤原料に適した二重結合
分布をもつため、これを原料としたサイズ剤は、サイズ
効果、乳化性および乳化後の安定性に優れ、抄紙系の汚
れ発生も顕著に改善されることを見出し、本発明を完成
するに到った。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本発明は、(A)有機酸の周期律表第VIII族遷
移金属の塩または周期律表第VIII族遷移金属の錯体およ
び(B)有機アルミニウム化合物からなる触媒を用い、炭
素数16〜20を有する直鎖α−オレフィンまたはその混合
物を異性化して得られるα−オレフィンを含まない直鎖
状内部オレフィンまたはその混合物であって、2位、3
位および4位に二重結合を有するオレフィンの割合がそ
れぞれ35モル%以下であり、かつそれらの合計が55モル
%以上70モル%未満である炭素数16〜20の直鎖状内部オ
レフィンまたはその混合物と無水マレイン酸との付加反
応によって得られる反応生成物を含有する製紙用サイズ
剤に関するものである。
上記のように本発明における中性サイズ剤の原料である
直鎖状内部オレフィンまたはその混合物は、特定の範囲
の炭素数を有する直鎖状α−オレフィンを特定の触媒を
用いて異性化して得られるものであって、特定位置に二
重結合を有するオレフィンの含有量によって特徴づけら
れるものであるが、α−オレフィンを全く含まず、かつ
重合物をほとんど含まない点においても特徴を有し、中
性サイズ剤原料として極めて優れている。
すなわち、本発明における直鎖状内部オレフィンまたは
その混合物は、従来製紙用サイズ剤原料の製造に使用さ
れたことのない新規な触媒を用いて製造されることを特
徴とする。従って、従来用いられる中性サイズ剤原料オ
レフィンの製造と異なり、本発明における直鎖状内部オ
レフィンの製造では、用いる触媒の特異な性能によっ
て、不均化工程を経ることなく従来使用されているオレ
フィンと明確に区別し得る二重結合分布をもつオレフィ
ンが容易に得られるばかりでなく、重合物をほとんど生
成することなくα−オレフィンを完全に内部オレフィン
に転化させることができる。
従って、本発明における直鎖状内部オレフィンまたはそ
の混合物を原料とする本発明のサイズ剤は、従来のオレ
フィンを原料とするサイズ剤と比較して、乳化および乳
化後の安定性に極めて優れており、優れたサイズ効果を
示すばかりでなく、抄紙系における汚れの発生を顕著に
改善できるものである。
本発明で用いられる直鎖状内部オレフィンまたはその混
合物は、炭素数16〜20の範囲にある単一炭素数または2
種以上の炭素数の直鎖状α−オレフィンまたはその混合
物を、本発明における触媒を用いて異性化しれ得られ
る。炭素数が15以下の場合、得られるサイズ剤の効果が
不十分であるばかりでなく、異性化に際して重合物が生
成しやすく、また炭素数が21以上の場合は、マレイン酸
との反応後に未反応油を完全に除去することが難しく、
マレイン酸付加物中に未反応油が残存するため、いずれ
も乳化後の安定性が悪くなる。
また本発明で用いられる直鎖状内部オレフィンまたはそ
の混合物の二重結合位置の割合は、2位、3位および4
位がそれぞれ35モル%以下、好ましくは30モル%以下で
あり、これらの合計が55モル%以上70モル%未満であ
る。
2位、3位および4位の合計を55モル%未満にすると、
α−オレフィンの異性化において重合物が生成しやす
く、一方、70モル%以上の場合はサイズ効果が不良とな
る。
本発明において異性化触媒の(A)成分として用いられ
る、有機酸の周期律表第VIII族遷移金属の塩または周期
律表第VIII族遷移金属の錯体の具体例としては、オクタ
ン酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、酢酸ニッケル、乳
酸ニッケル、マロン酸鉄、鉄アセチルアセトナート、安
息香酸コバルト、ステアリン酸コバルト、π−アリルニ
ッケル、ニッケルジメチルグリオキシム、ニッケルカル
ボニル、鉄カルボニル、コバルトカルボニル等が挙げら
れるが、金属としてニッケルを用いた場合が最も異性化
能が高く、かつ重合物の生成も少なくて好ましい。
また本発明でα−オレフィンの異性化触媒の(B)成分と
して用いられる有機アルミニウム化合物の具体例として
は、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムク
ロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチ
ルアルミニウムジクロライド等や、これらの化合物中の
塩素をフッ素、臭素、ヨウ素等で置換した同族体あるい
はエチル基をメチル基、プロピル基の如きアルキル基等
で置換した同族体を挙げることができる。
なお本発明における、α−オレフィンの異性化反応に際
しては、上記(A)、(B)の異性化触媒成分の他に、ホスフ
ィン化合物等の他の触媒成分を加えて触媒活性を向上さ
せることも可能である。
異性化反応における(A)成分の使用量は、特に制限はな
いが、α−オレフィンに対する金属のモル濃度として0.
1〜50,000ppmが好ましく、より好ましくは1〜5,000ppm
の範囲で適宜選択できる。
また異性化触媒(B)成分の使用量は、使用した(A)成分の
金属モル数に対し0.5倍モル以上使用するのが好まし
い。
本発明における異性化触媒は極めて高い異性化活性を有
するため、反応温度−50℃〜200℃、反応時間10分〜10
時間の広範な範囲で反応条件を選択できるが、重合物の
生成を抑制するためには、0〜80℃の範囲で反応を行う
のが好ましい。
異性化反応は回分式、セミバッチ式、連続式等のいずれ
をも採用することができる。、なお異性化反応は窒素、
アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行い、大量の空気や
水分の混入は避けることが好ましい。
このように本発明におけるα−オレフィンの異性化反応
は、極めて少量の触媒と温和な温度条件の下に行われる
ため、従来の酸触媒を用いる内部オレフィンの製造と異
なり、α−オレフィンを完全に内部オレフィンに転化さ
せても、二量体以上の重合物がほとんど生成せず、サイ
ズ剤原料として最適な直鎖状内部オレフィンが得られる
という特徴がある。
なお本発明の異性化に際して副生する二量体以上の重合
物は通常1重量%以下であるので、サイズ剤原料として
用いる場合にはこれを除去する必要がないのは当然であ
る。
本発明における直鎖状内部オレフィンまたはその混合物
と無水マレイン酸との付加反応生成物は、両者を無触媒
で、好ましくは窒素ガス等の不活性雰囲気下で常圧また
は加圧の下に、180〜250℃に加熱し、その温度で1〜30
時間、好ましくは3〜20時間反応させて得らる。両者の
仕込みモル比は特に限定する必要はないが、直鎖状内部
オレフィン1モルに対し無水マレイン酸0.5〜3モルの
割合で用いるのが望ましい。反応終了後未反応の直鎖状
内部オレフィンと無水マレイン酸を蒸留によって除く
と、本発明における反応生成物、すなわち比較的低粘度
の無水マレイン酸付加反応生成物が得られる。
なお、反応条件によっては若干の副生成物を生ずる。そ
の場合、さらに減圧下に蒸留して副生成物を蒸留残渣と
して除去することもできるが、その量は少量であるの
で、本発明の場合、副生成物の除去は必ずしも必要とし
ない。
[作用] 以上のようにして得られた直鎖状内部オレフィンと無水
マレイン酸との付加反応生成物を含む本発明の製紙用サ
イズ剤を用いてパルプのサイズ化を行うには、通常この
サイズ剤を水中に均一に分散させたエマルジョンとして
紙料に添加することによって行う。
水への分散を良好にするためには、種々の乳化剤、例え
ばポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリ
オキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキ
レンアルキルアリールエーテル、多価アルコールの脂肪
酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの
硫酸エステル塩等や、懸濁化剤として種々のカチオン性
化合物、例えばカチオン化澱粉、カチオン性ポリアクリ
ルアミド等が併用できる。
本発明の無水マレイン酸付加反応生成物に併用される乳
化剤の使用量は、乳化装置の種類および分散性等を考慮
して決定されるが、通常直鎖状内部オレフィンと無水マ
レイン酸との付加反応生成物に対し1〜30重量%が好ま
しく、より好ましくは3〜20重量%である。
また懸濁化剤としてカチオン性化合物を使用する場合の
使用量は、直鎖状内部オレフィンと無水マレイン酸との
付加反応生成物に対して通常30〜600%が好ましく、よ
り好ましくは100〜300%である。
本発明の直鎖状内部オレフィンと無水マレイン酸との付
加反応生成物を水中で乳化させる方法としては、 (1)無水マレイン酸付加反応生成物と乳化剤とを均一に
混合し、その混合物を水中に分散させて乳化物を得る方
法 (2)乳化剤および/または懸濁化剤を水中に分散させた
後、無水マレイン酸付加反応生成物を添加して乳化物を
得る方法 等が挙げられ、いずれの方法も可能であるが、中でも
(1)の方法が最も簡便であり、少量の乳化剤で良好な乳
化物が得られ、優れたサイズ効果が得られるので好まし
い。
乳化した後本発明のサイズ剤は、抄紙工程の任意の工程
でパルプスラリーに添加できる。
本発明のサイズ剤の使用量は、使用するパルプの種類、
抄紙条件および紙の用途等によって異なるが、通常パル
プの乾燥重量に対し0.05〜3.0重量%用いるのが好まし
い。
また、本発明のサイズ剤をパルプに定着させるためには
定着剤として通常カチオン化澱粉、カチオン性ポリアク
リルアミド、ポリアミンポリアミド−エピクロルヒドリ
ン樹脂等のカチオン性化合物が使用されるが、その使用
量はパルプの乾燥重量に対し0.01〜5.0%が好ましく、
より好ましくは0.03〜3.0%である。これらの定着剤
は、いずれもサイズ剤の添加と同時、又は前あるいは後
に加えることができる。しかし最適な定着効果を得るた
めにはサイズ剤の後に加えるのが好ましい。
なお本発明のサイズ剤は、望むならば本発明外の各種の
サイズ剤と任意の割合で併用することもできるし、サイ
ズ化に際しては紙の填料として、タルク、クレー、酸化
チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム等すべての種類の填料を使用できることは勿論
である。
以上説明したように、本発明のサイズ剤は、特定範囲の
炭素数と二重結合分布をもち、かつα−オレフィンを全
く含まず、重質分をほとんど含有しない直鎖状内部オレ
フィンを用いることにより、水中における乳化性と乳化
後の安定性に極めて優れ、優れたサイズ効果を示すこと
は勿論、抄紙系の汚れの発生を著しく改善できる。
[実施例] 以下、実施例および比較例により、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるもの
ではない。
なお、下記実施例および比較例の直鎖状オレフィンの二
重結合位置の分析は13C−NMRにより行った。すなわ
ち、α−オレフィンの二重結合位置の炭素の化学シフト
が114.2ppmおよび139.1ppmに、トランス2-オレフィンの
場合が124.5ppmおよび131.8ppmに、シス2-オレフィンの
場合が123.6ppmおよび131.0ppmに、トランス3-オレフィ
ンの場合が129.5ppmおよび132.0ppmに、シス3-オレフィ
ンの場合が129.4ppmおよび131.6ppmに、トランス4-オレ
フィンの場合が130.2ppmおよび130.7ppmに、シス4-オレ
フィンの場合が129.7ppmおよび130.2ppmに、5位以上の
トランスオレフィンの場合が130.5ppmに、5位以上のシ
スオレフィンの場合が130.0ppmに現われる。これらの化
学シフトの強度比から1位、2位、2位、4位および5
位の位置に二重結合を有するオレフィンの組成を求める
ことができる。
実施例1 1のガラス製フラスコにn-ヘキサデセン-1を488g、
オクタン酸ニッケル0.61g(ニッケルの対オレフィンモ
ル濃度810ppm)を仕込み、アルゴン置換後攪拌下にエチ
ルアルミニウムセスキクロライド2.25g(対ニッケル5
倍モル)を添加し、30℃で2時間反応させた。
次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液にて触媒を分解、
除去した。ガスクロマトグラフィーにより反応液中の重
合物を分析したところ、0.5重量%であった。また13
−NMRによるn-ヘキサデセンの組成は表1の通りであ
った。
このn-ヘキサデセン(重合物を0.5重量%含むもの)350
gと無水マレイン酸145gをオートクレーブ中窒素ガス
雰囲気下に215℃に加熱し、無触媒で8時間反応させ
た。反応液から未反応オレフィンおよび無水マレイン酸
を減圧蒸留により除去し、無水マレイン酸付加反応生成
物374gを得た。
実施例2 エチレンの重合によって得られた炭素数16〜18のα−オ
レフィン(炭素数16:57重量%、炭素数18:43重量%)
472g、オクタン酸ニッケル0.61g(ニッケルの対オレ
フィンモル濃度885ppm)、エチルアルミニウムセスキク
ロライド2.25g(対ニッケル5倍モル)を用い、実施例
1と同様にして30℃で3時間反応させ、また触媒の分
解、除去を行った。
得られた反応液中の重合物は0.5重量%であり、炭素数1
6〜18を有するオレフィンの組成は表2の通りであっ
た。
得られた直鎖状内部オレフィン(重合物0.5重量%を含
むもの)369gと無水マレイン酸145gを実施例1と同一
条件で反応させ、また未反応物の除去を行い、無水マレ
イン酸付加反応生成物386gを得た。
実施例3 実施例2で用いた炭素数16〜18のα−オレフィン472
g、オクタン酸ニッケル0.30g(ニッケルの対オレフィ
ンモル濃度435ppm)、エチルアルミニウムセスキクロラ
イド2.20g(対ニッケル10倍モル)を用い、実施例1と
同様にして30℃で8時間反応させ、また触媒の分解、除
去を行った。
得られた反応液中の重合物は0.3重量%であり、炭素数1
6〜18を有するオレフィンの組成は表3の通りであっ
た。
得られた直鎖状内部オレフィン(重合物0.3重量%を含
むもの)369gと無水マレイン酸145gを実施例1と同一
条件で反応させ、また未反応物の除去を行い、無水マレ
イン酸付加反応生成物387gを得た。
比較例1 n-ヘキサデセン-1を350gと無水マレイン酸145gを実施
例1と同様にして215℃で5時間反応させ、また未反応
物の除去を行い、無水マレイン酸付加反応生成物376g
を得た。
比較例2 合成シリカアルミナ150mlを充填し、140℃に保持した流
通式のステンレス反応管に実施例2で用いた炭素数16〜
18のα−オレフィンを450ml/時間の流量で通油した。
得られた反応液中の重合物は3重量%であり、炭素数16
〜18を有するオレフィンの組成は表4の通りであった。
比較例3 n-ヘキサデセンを水素と共に、「Pt・LiO2・Al2O3」触
媒を充填したステンレス製反応管に供給し、反応温度48
0℃、流量50ml/分、水素/n-ヘキサデカン=10.0(モ
ル比)の条件下で脱水素反応を行った。この反応液をモ
レキュラーシーブにより処理して得られたn-ヘキサデセ
ンのオレフィンの組成は表5の通りであった。
このオレフィン350gと無水マレイン酸145gを実施例1
と同一条件で反応させ、また未反応物の除去を行い、無
水マレイン酸付加反応生成物383gを得た。
比較例4 n-ヘキサデセン-1を488g、オクタン酸ニッケル0.012g
(ニッケルの対オレフィンモル濃度16ppm)、エチルア
ルミニウムセスキクロライド0.59g(対ニッケル70倍モ
ル)を用い、実施例1と同様にして30℃で5時間反応さ
せ、また触媒の分解、除去を行った。
得られた反応液中の重合物は0.3重量%であり、n-ヘキ
サデセンの組成は表6の通りであった。
このn-ヘキサデセン(重合物0.3重量%を含むもの)350
gと無水マレイン酸145gを実施例1と同一条件で反応
させ、また未反応物の除去を行い、無水マレイン酸付加
反応生成物479gを得た。
比較例5 実施例2で用いた炭素数16〜18のα−オレフィン(炭素
数16:57重量%、炭素数18:43重量%)472g、オクタ
ン酸ニッケル0.03g(ニッケルの対オレフィンモル濃度
44ppm)、エチルアルミニウムセスキクロライド0.92g
(対ニッケル43倍モル)を用い、実施例1と同様にして
30℃で3時間反応させ、また触媒の分解、除去を行っ
た。
得られた反応液中の重合物は0.4重量%であり、炭素数1
6〜18を有するオレフィンの組成は表7の通りであっ
た。
得られた直鎖状内部オレフィン(重合物0.4重量%を含
むもの)369gと無水マレイン酸145gを実施例1と同一
条件で反応させ、また未反応物の除去を行い、無水マレ
イン酸付加反応生成物392gを得た。
比較例6 実施例2で用いた炭素数16〜18のα−オレフィン(炭素
数16:57重量%、炭素数18:43重量%)472g、オクタ
ン酸ニッケル0.61g(ニッケルの対オレフィンモル濃度
885ppm)、エチルアルミニウムセスキクロライド2.25g
(対ニッケル5倍モル)を用い、実施例1と同様にして
30℃で1.5時間反応させ、また触媒の分解、除去を行っ
た。
得られた反応液中の重合物は0.4重量%であり、炭素数1
6〜18を有するオレフィンの組成は表8の通りであっ
た。
得られた直鎖状内部オレフィン(重合物0.4重量%を含
むもの)369gと無水マレイン酸145gを実施例1と同一
条件で反応させ、また未反応物の除去を行い、無水マレ
イン酸付加反応生成物388gを得た。
比較例7 実施例2で用いた炭素数16〜18のα−オレフィン(炭素
数16:57重量%、炭素数18:43重量%)472g、オクタ
ン酸ニッケル0.61g(ニッケルの対オレフィンモル濃度
885ppm)、エチルアルミニウムセスキクロライド2.25g
(対ニッケル5倍モル)を用い、実施例1と同様にして
30℃で7時間反応させ、また触媒の分解、除去を行っ
た。
得られた反応液中の重合物は0.6重量%であり、炭素数1
6〜18を有するオレフィンの組成は表9の通りであっ
た。
得られた直鎖状内部オレフィン(重合物0.6重量%を含
むもの)369gと無水マレイン酸145gを実施例1と同一
条件で反応させ、また未反応物の除去を行い、無水マレ
イン酸付加反応生成物385gを得た。
実施例4 上記実施例1〜3および比較例1〜7で得た無水マレイ
ン酸付加反応生成物について、サイジング試験を行っ
た。試験方法は次の通りである。
無水マレイン酸付加反応生成物10gに乳化剤としてポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB 13)0.5
gを加えてよく混合した後、この混合物1gに水99gを
加えてホモミキサーで乳化し、サイズ剤乳化液を得た。
得られた乳化液を1%パルプスラリー(L.B.KP,430ml
C.S.F)に無水マレイン酸付加反応生成物が0.1、0.15ま
たは0.2重量%(対パルプ固型分)となるように添加
後、攪拌下にカチオン化澱粉0.8重量%(対パルプ固型
分)、カチオン性ポリアクリルアミド0.03重量%(対パ
ルプ固型分)を加え、常法によりTAPPIスタンダードシ
ートマシンで抄紙した。なお用いた填料は重質炭酸カル
シウムであり、その使用量は20重量%(対パルプ固型
分)である。
次いで得られた湿紙を圧縮脱水し、回転ドライヤーで10
5℃で3分間加熱乾燥し、20℃、相対湿度65%の室内で2
4時間調湿した。得られた調湿後の手抄成紙の秤量は6
5g/m2に相当するものである。この手抄成紙のサイズ
度をJIS P 8122のステキヒトサイズ度試験法によって測
定した。また調製したサイズ剤乳化液を5時間放置した
後、これを用いて上記と同様の方法で手抄成紙を調製
し、サイズ度を測定した。
これらの結果を表10に示す。
表10の結果から明らかなように、本発明のサイズ剤は
比較例のサイズ剤に比べ、サイズ効果が優れているばか
りでなく、乳化後の安定性が極めて良好で、乳化後5時
間放置してもサイズ度の低下が少ない。
[発明の効果] 以上説明したように本発明は以下のような優れた効果を
発揮する。
本発明のサイズ剤は特定の触媒を用い、限定された炭素
数範囲の直鎖状α−オレフィンを異性化して得られる直
鎖状内部オレフィンを原料として、この内部オレフィン
が限定された二重結合分布をもち、α−オレフィンを全
く含まずかつ重合物含有量が極めて少ないことから、優
れた乳化性と乳化後の安定性を示し、サイズ効果が優れ
ているばかりでなく、抄紙系での汚れの発生を改善でき
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)有機酸の周期律表第VIII族遷移金属の
    塩または周期律表第VIII族遷移金属の錯体および(B)有
    機アルミニウム化合物からなる触媒を用い、炭素数16〜
    20を有する直鎖状α−オレフィンまたはその混合物を異
    性化して得られるα−オレフィンを含まない直鎖状内部
    オレフィンまたはその混合物であって、2位、3位およ
    び4位に二重結合を有するオレフィンの割合がそれぞれ
    35モル%以下であり、かつそれらの合計が55モル%以上
    70モル%未満である炭素数16〜20の直鎖状内部オレフィ
    ンまたはその混合物と無水マレイン酸との付加反応によ
    って得られる反応生成物を含有する製紙用サイズ剤。
  2. 【請求項2】前記周期律表第VIII族遷移金属がニッケル
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製
    紙用サイズ剤。
JP59240760A 1984-11-16 1984-11-16 製紙用サイズ剤 Expired - Lifetime JPH0633598B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59240760A JPH0633598B2 (ja) 1984-11-16 1984-11-16 製紙用サイズ剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59240760A JPH0633598B2 (ja) 1984-11-16 1984-11-16 製紙用サイズ剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61119797A JPS61119797A (ja) 1986-06-06
JPH0633598B2 true JPH0633598B2 (ja) 1994-05-02

Family

ID=17064304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59240760A Expired - Lifetime JPH0633598B2 (ja) 1984-11-16 1984-11-16 製紙用サイズ剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0633598B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6348132B1 (en) * 2000-05-30 2002-02-19 Hercules Incorporated Alkenyl succinic anhydride compositons and the use thereof
JP4599938B2 (ja) * 2004-08-19 2010-12-15 星光Pmc株式会社 分散剤及び水性分散液
US7271308B2 (en) * 2004-10-19 2007-09-18 Hercules Incorporated Process for isomerization of alpha olefins to internal olefins

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5328526A (en) * 1976-08-30 1978-03-16 Nippon Kokan Kk Process and apparatus for producing steel pipe having zenccplated outer surface
JPS57154495A (en) * 1981-03-19 1982-09-24 Mitsubishi Petrochemical Co Papermaking size agent
JPS59179898A (ja) * 1983-03-26 1984-10-12 日本石油化学株式会社 紙サイズ剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61119797A (ja) 1986-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4576680A (en) Method of sizing paper
US5939562A (en) Alkenyl substituted cyclic carboxyl acid anhydrides and their application in hydrophobic paper sizing
US4673439A (en) Sizing agent for paper making
US4514544A (en) Paper sizing agent comprised of reaction product of maleic anhydride and propylene oligomers
EP0122617B1 (en) Paper sizing composition
US5104486A (en) Alkenyl succinic anhydride composition
JPH0633598B2 (ja) 製紙用サイズ剤
US4431826A (en) Process for the preparation of alkenyl succinic anhydride
EP0169250B1 (en) Paper sizing agent
US5246491A (en) Paper sizing agent composition
GB2148910A (en) Stable emulsifier for substituted succinic anhydride compositions
CA1175852A (en) Alkenyl succinic anhydride composition and method for its preparation
JPH0453995B2 (ja)
JPH06248596A (ja) 製紙用サイズ剤
GB2137614A (en) Alkenylsuccinic acid salts of use as paper sizing agents
WO2000079050A1 (en) Sizing agents and starting materials for their preparation
GB2108111A (en) A maleic anhydride derivative used as a paper sizing agent
JPS59144697A (ja) 紙サイズ剤
JPH0144840B2 (ja)
GB2152087A (en) Hydrocarbyl-substituted succinic anhydride/emulsifier composition useful for imparting water repellency
JPS62257499A (ja) 製紙用サイズ剤
JPH0533227B2 (ja)
JPH0151597B2 (ja)