JPH0633445B2 - 穿孔プラグ用耐熱合金 - Google Patents

穿孔プラグ用耐熱合金

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JPH0633445B2
JPH0633445B2 JP61164277A JP16427786A JPH0633445B2 JP H0633445 B2 JPH0633445 B2 JP H0633445B2 JP 61164277 A JP61164277 A JP 61164277A JP 16427786 A JP16427786 A JP 16427786A JP H0633445 B2 JPH0633445 B2 JP H0633445B2
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庸 高田
健一 山本
久尅 西原
孝夫 三原
淳 船越
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Kubota Corp
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Kubota Corp
Kawasaki Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、シームレス鋼管等の穿孔プラグ用耐熱合金に
関する。
〔従来の技術〕
赤熱ソリッドバーを素材としてシームレス鋼管を製造す
る穿孔圧延工程においては、種々の穿孔プラグが使用さ
れる。それらのプラグ材料として各種の工具鋼がプラグ
の使用条件に応じて使い分けられている。例えば、1100
〜1300℃の温度域で用いられるピアサープラグとして
は、0.3C−3Cr−1Ni−Fe鋼、900 〜1000℃
の温度域で用いられるプラグミルプラグには、1.5C
−17Cr−Fe鋼、また700 〜900 ℃で使用されるリー
ラプラグとしては、FC30相当材がそれぞれ用いられて
いる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
穿孔プラグは、高温・高圧力の苛酷な条件下に使用され
るものであるから、耐摩耗性、耐焼付性および耐変形性
の各特性を兼備するものであることが必要であり、また
その使用の前後に急熱・急冷を受けるので、耐熱衝撃性
をも備えたものでなければならない。しかし、従来の穿
孔プラグの上記特性は十分でなく、その耐用寿命は極め
て短い。例えば、ピアサープラグで高合金鋼材(例え
ば、13Cr鋼)をピアシングする場合のピアシング可能
な本数は、わずかに数本程度に過ぎず、プラグの頻繁な
取替えを余儀なくされている。
穿孔圧延操業の安定化と造管品質の向上の点から、穿孔
プラグの材質を改善し耐用寿命を向上させることが要請
されている。
本発明は、この要請に応えるための穿孔プラグ用耐熱合
金を提供するものである。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
本発明の穿孔プラグ用耐熱合金は、 Co基合金粉末:10〜20重量%、 Fe基合金粉末:60〜75重量%、 該Co基合金粉末とFe基合金粉末との合計量:80〜90
重量%、 WC粉末:5 重量%以下および/またはZrO粉末:
15重量%以下(但し、WC粉末とZrO粉末の複合の
場合の両者の合計量:15重量%以下)、 およびV粉末(その一部ないし全量はV含有率80%以上
のFe−V粉末で置き換えてもよい):10重量%以下
(Fe- V粉末はV換算値) からなる混合粉末を焼結してなる焼結合金である。
また、上記混合粉末には、所望により、15重量%以下の
Co粉末が配合される。その場合は、Fe基合金粉末は
50〜75重量%とし、Fe基合金粉末とCo基合金粉末と
Co粉末との合計量を80〜90重量%とする。
Co基合金粉末としては、Cr:20〜40%、 W:1〜20%、C:0.5〜5%、Fe:0〜5%、お
よびその他の微量元素(Si等)を含むCo基合金(C
o:30〜78%)が好ましく用いられる。代表的には「ス
テライト」と称される各種タイプのCo基合金の粉末で
あり、ステライト#6(Cr:26〜30%、W:3〜5
%、C0.5〜1.3%:Fe≦3%、Co:Ba
l)、ステライト#1(Cr:28〜32%、W:11〜13
%、C:2〜3%、Fe≦3%、Co:Bel)等が挙
げられる。
Fe基合金粉末としては、Cr:10〜30%、 Ni:5〜30%、Mo:0〜5%等の元素を含むFe基
合金(Fe:35〜85%)、代表的には各種ステンレス
鋼、例えばSUS304(Cr:18〜20%、Ni:8〜10
%、Fe:Bal)、SUS310 S(Cr:24〜26%、
Ni:19〜22%、Fe:Bal)、SUS316(Cr:16
〜18%、Ni:10〜14%、Mo:2〜3%、Fe:Be
l)等が好ましく用いられる。
本発明の耐熱合金(焼結体)は、Co基合金粉末とFe
基合金粉末(および所望により配合されるCo粉末)と
から形成された基地に、WC粒子および/またはZrO
粒子が分散相として均一に分布している組織を有し、
その基地による耐熱性、耐熱衝撃性、および基地中のW
C粒子、ZrO粒子の分布による耐摩耗性、変形抵抗
性、またVの存在による耐焼付性等を兼備している。
本発明合金の焼結原料である混合粉末の組成限定理由は
次のとおりである。
WC粉末:5重量%以下 WC粒子は、焼結体の基地中に均一に分布して、焼結体
の硬度を高めることにより、プラグ表面の耐摩耗性を強
化する。その配合量を5重量%以下とするのは、それを
越えると、WC自体の低熱膨張係数のため、基地との熱
膨張差により、穿孔プラグの実使用時(厳しい熱衝撃を
受ける)においてクラックが発生し易くなるからであ
る。好ましくは1〜5重量%である。
ZrO粉末:15重量%以下 ZrO粒子は、WC粒子と同じように焼結体の基地中
に均一に分布して焼結体の硬度を高め、穿孔プラグの表
面の耐摩耗性を向上させる。また、ZrO粒子は比較
的熱膨張係数が大きいので、多量に配合しても、WC粒
子の場合と異なり、基地との熱膨張差によるクラックの
発生はない。しかし、配合量が15重量%を越えると、焼
結体の靭性が低下し、プラグ使用時に加わる高荷重・衝
撃に十分耐え得なくなるので、15重量%を上限とする。
好ましくは1〜13重量%である。
上記WC粉末とZrO粉末は、単独または複合的に配
合される。複合使用する場合の両者の割合は任意である
が、合計量は15重量%以下とする。15重量%を越える
と、焼結体が脆くなり、プラグ使用時の高荷重・衝撃に
十分耐えなくなるからである。
V粉末(Fe−V 粉末):10重量%以下(Fe-V 粉末はV換
算値) V粉末は、焼結体の基地中に、V元素として存在し、基
地のFe基合金との相互作用により、プラグ使用時に、
その表面に剥離性を有するスケールを発生させる。その
スケールは、高温・高圧下力の使用条件下におけるプラ
グと穿孔加工材との界面にすぐれた断熱性と潤滑性とを
もたらし、プラグの焼付きを効果的に防止する保護膜と
して機能する。V粉末の配合量を10重量%以下とする
は、それを越えると、焼結体が脆くなるからである。好
ましくは1〜5重量%である。
V粉末は、その一部ないし全量を、Fe−V(フェロバ
ナジウム)粉末に置き換えてよい。Fe−V粉末の配合
量は、V量に換算して上記V粉末について規定された範
囲に調整される。
そのFe−V粉末は、V含有率80%以上であることを
要する。V含有率が低過ぎると、その粉末に付随して持
ち込まれるFe分の増量により焼結合金基地(Co基合
金粉末とFe基合金粉末と所望により加えられるCo粉
末より生成される)のFe分が過剰となり、Fe基合金
が過剰に配合された場合と同じく基地の耐熱性,耐熱衝
撃性,変形抵抗性等の低下を招き、またVの作用効果が
希釈され、その耐焼付性改善効果の不足をきたす原因と
なる。V含有率80%以上の粉末の使用により基地特性
を損なうことなく、Vによる耐焼付性の改善効果が確保
される。
Co基合金粉末:10〜20重量% Co基合金粉末は、Fe基合金粉末と共に、焼結体の基
地を構成し、焼結体を耐熱性および耐熱衝撃性にすぐれ
たものとする。配合量を10重量%以上とするは、穿孔プ
ラグとして必要な耐熱性および耐熱衝撃性を確保するた
めである。配合量の増加に伴い、耐熱性、耐熱衝撃性の
向上をみるが、20重量%を越えると、プラグ表面がVに
よるスケールで保護されていても、焼付き等の問題が生
じるので、20重量%を上限とする。
Fe基合金粉末:50(60)〜75重量% Fe基合金粉末は、焼結体の基地を構成する主原料であ
り、また焼結体の強度を高める役割を有するほか、前記
のようにV元素との相互作用により、プラグ表面に、焼
付き防止効果を有する剥離性スケールを形成する。その
配合量を50重量%以上(Co粉末を含まない場合は、60
重量%以上)とするのは、それより少ないと、上記スケ
ールを発生させるためのVとの相互作用が不十分となる
からであり、一方75重量%を上限とするのは、それを越
えると、基地の耐熱性、耐熱衝撃性が低下するほか、変
形抵抗性が低くなり、プラグ使用時に高荷重・衝撃をう
けると、プラグ先端部が変形し易く、プラグ穿孔効率の
低下とプラグ寿命の低下を招くからである。
焼結体の基地を構成する上記Co基合金粉末とFe基合
金粉末の合計量(Co粉末が配合される場合は、Co粉
末とCo基合金粉末とFe基合金粉末との合計量)を、
80重量%以上とするのは、それより少ないと、焼結体が
脆くなり、プラグ使用時の高荷重、衝撃に十分耐えなく
なり、また90重量%を上限とするのは、それを越える
と、基地の比率が高くなりすぎ、WC粒子、ZrO
子による耐摩耗性、Vによる耐焼付性のいずれかあるい
は両性質が損なわれ、プラグとしての働きが低下するか
らである。
Co粉末:15重量%以下 Co粉末は、焼結体の基地をなすCo基合金粉末のCo
含有量を高めることにより、基地の耐熱性を向上させる
と共に、WC粒子の濡れ性を高め、基地とWC粒子との
結合を強化する効果を有する。その配合量の上限を15重
量%としたのは、それを越えても、効果の増加は殆どな
く、経済的でないからである。好ましくは1〜10重量%
である。
上記のように調合された混合粉末の焼結条件は特に限定
されないが、好ましくは熱間静水圧加圧焼結法により、
例えば温度:1000〜1200℃、加圧力:500 〜2000kg f/
cm2の条件下に行われる。
〔実施例〕
混合粉末を焼結原料として熱間静水圧加圧焼結法による
焼結を行って穿孔プラグ(No.1〜5、No.11〜13)を製
造した。
第1表に各供試プラグの混合粉末の配合組成を示す。N
o.1〜5は発明例、No.11〜13は混合粉末を構成するい
ずれかの成分(表中、下線付き)が本発明の規定からは
ずれている比較例である。また、No.14は、従来例とし
て別途準備した工具鋼(3Cr−1Ni−Fe)製プラ
グ(鋳造品)である。プラグのサイズは、いずれも、外
径45mm、高さ80mmである。
各供試プラグについて、硬度測定、熱衝撃試験および摩
耗試験を行う一方、実機使用に供した。
〔I〕原料粉末 (a)Co基合金粉末 成分(wt%):Cr30、W12、C2.5、Fe2.
0、CoBal(ステライト#1相当)。
平均粒径:20μm (b)Fe基合金粉末 成分(wt%):Cr25、Ni20、C0.07、FeBal
(SUS310 S相当) 平均粒径:20μm (c)V粉末(Fe−80%V) 平均粒径:20μm 第1表中、「V粉末(Fe-V)」欄の配合割合を示す数値
はV換算値である。
(d)WC粉末:平均粒径10μm (e)ZrO粉末:平均粒径10μm (f)Co粉末:平均粒径5 μm 〔II〕熱間静水圧加圧焼結 温度:1100℃、加圧力:1000kg f/cm2焼結時間:2H
r 〔III〕特性試験 (1)熱衝撃試験 各供試プラグを1100℃に加熱後、水冷(水中浸漬)する
急熱・急冷の熱サイクルを反復し、10回の急熱・急冷の
後にもクラックの発生がないものを「良」と判定した。
それ以外のものは、クラック発生までの反復回数を示
す。
(2)摩耗試験 各供試プラグから板状試験片を切り出し、大越式摩耗試
験機により、比摩耗量(WS)を測定(常温試験)。
相手材(回転輪):SUJ2 すべり速度:3.4m/s すべり距離:200 m 最終荷重:6.4kg f 〔IV〕実機試験 13Cr鋼材の穿孔圧延用ピアサープラグとして使用し、
耐クラック性、耐焼付性、耐変形性、および耐溶損性の
各特性を比較評価した。耐クラック性については、クラ
ックの発生により、使用し得なくなった段階を耐用限界
とし、耐焼付性は、プラグ表面に焼付が生じ、パイプ内
面に疵が付き始める段階を耐用限界と判定した。また耐
変形性は、プラグ先端の変形により、穿孔効率が60%を
下廻る段階を、耐溶損性は、溶損によりプラグとしての
機能を失う段階を、それぞれ耐用限界と判定した。
第1表に示すように、従来の工具鋼製穿孔プラグ(No.1
4)に実機使用での穿孔可能本数は、わずかに4本(廃
却原因:溶損)であるのに対し、本発明の穿孔プラグ
は、その数倍の耐久性を有している。また、本発明プラ
グの廃却原因は、いずれも、微小クラックの発生であ
り、廃却段階においても、焼付、変形および溶損は殆ど
発生していない。
一方、原料配合の不適当な比較例No.11、12の各プラグ
は、従来品である合金鋼製プラグ(No.14)に比し、耐
久性の改良がみられるものの、No.11(WC、ZrO
を含まない)は、先端部の変形により、またNo.12(V
を含まない)は焼付の発生により、比較的早期に廃却を
余儀なくされている。なお、No.13(WC、ZrO
多、Vを含まない)では、耐熱衝撃性に乏しく、使用開
始時の急熱により割れが発生している。
〔発明の効果〕 本発明の焼結合金からなる穿孔プラグは、従来の工具鋼
製プラグに比し、穿孔プラグとして望まれる諸特性を具
備し、従来の穿孔プラグを著しく凌ぐ耐用寿命を有して
いるので、穿孔圧延操業の安定、効率化、および製管品
質の向上に大きく寄与する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西原 久尅 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 久保田鉄 工株式会社技術開発研究所内 (72)発明者 三原 孝夫 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 久保田鉄 工株式会社技術開発研究所内 (72)発明者 船越 淳 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 久保田鉄 工株式会社技術開発研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−118852(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Co基合金粉末:10〜20重量%、 Fe基合金粉末:60〜75重量%、 該Co基合金粉末とFe基合金粉末の合計量:80〜90重
    量%、 WC粉末:5 重量%以下および/またはZrO粉末:
    15重量%以下(但し、WC粉末とZrO粉末の複合の
    場合の両者の合計量:15重量%以下)、 およびV粉末(その一部ないし全量はV含有率80%以上
    のFe−V粉末で置き換えてよい):10重量%以下(F
    e−V粉末はV換算値) からなる混合粉末を焼結してなる穿孔プラグ用耐熱合
    金。
  2. 【請求項2】Co基合金粉末:10〜20重量%、 Fe基合金粉末:50〜75重量%、 Co粉末:15重量%以下、 該Co基合金粉末とFe基合金粉末とCo粉末の合計
    量:80〜90重量%、 WC粉末:5 重量%以下および/ またはZrO粉末:
    15重量%以下(但し、WC粉末とZrO粉末の複合の
    場合の両者の合計量:15重量%以下)、 およびV粉末(その一部ないし全量はV含有率80%以上
    のFe−V粉末で置き換えてよい):10重量%以下(F
    e−V粉末はV換算値) からなる混合粉末を焼結してなる穿孔プラグ用耐熱合
    金。
JP61164277A 1986-07-11 1986-07-11 穿孔プラグ用耐熱合金 Expired - Lifetime JPH0633445B2 (ja)

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