JPH06333824A - 半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

半導体装置およびその作製方法

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JPH06333824A
JPH06333824A JP14288093A JP14288093A JPH06333824A JP H06333824 A JPH06333824 A JP H06333824A JP 14288093 A JP14288093 A JP 14288093A JP 14288093 A JP14288093 A JP 14288093A JP H06333824 A JPH06333824 A JP H06333824A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶シリコン膜中の金属元素の影響を低減す
る。 【構成】 基板101上にPSG膜99を設け、さらに
絶縁膜102を設け、さらにアモルファスシリコン膜1
04を設け、さらに100の領域に金属元素を導入し、
この金属元素を触媒材料として、600℃以下の温度で
シリコン膜104を結晶化させる。この際、PSG膜9
9の作用で、金属元素をゲッタリングし、その影響を低
減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上に利用分野】本発明は、アモルファスシリコン
膜を加熱アニールによって結晶化させた結晶シリコン膜
を半導体装置に利用することに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガラス基板上に多数のTFT
(薄膜トランジスタ、一般には薄膜シリコン半導体を用
いた絶縁ゲイト型電界効果半導体装置が用いられる)を
マトリック状に設け、やはりマトリックス状に設けられ
た画素を駆動するアクティブマトリクス型液晶表示装置
が知られている。このアクティブマトリックス型液晶表
示装置の画素の駆動に用いられるTFTとしては、アモ
ルファスシリコンを用いたものが一般的であるが、さら
なる性能の向上を計るためには、結晶性を有するシリコ
ン(以下結晶シリコンという)を用いることが有効であ
る。
【0003】結晶シリコンを形成する方法としては、気
相法やスパッタ法で形成したアモルファスシリコンにレ
ーザー光のエネルギーを与えて結晶化させる方法、さら
には気相法やスパッタ法で形成したアモルファスシリコ
ンを加熱アニールし、結晶化させる方法が知られてい
る。しかしながら、レーザー光を用いる方法は、レーザ
ー光の照射面積が小さく、また再現性の問題等から実用
性が低い。また加熱アニールによる方法は、加熱温度が
600℃以上必要であり、基板としてガラス基板(一般
にコーニング7059ガラスが用いられる)を用いる場
合には、600℃の温度では温度がやや高く(コーニン
グ7059ガラスの歪点は593℃)、大面積基板を用
いる場合には問題があった。またこの場合、600℃の
温度で24時間程度加熱アニールする必要があり、生産
性の観点からも問題があった。
【0004】一方、アモルファスシリコン膜に微量のニ
ッケル元素を導入し、しかる後に加熱アニールを行う
と、550℃、4時間程度の加熱アニールによって結晶
化することが実験的に確かめられている。しかしなが
ら、このニッケルを触媒材料として、熱アニールによる
結晶化を助長する方法は、結晶シリコン中に金属元素で
あるニッケルが残留してしまい、この結晶シリコンを用
いて半導体装置(例えばTFT)を作製した際に、その
性能や信頼性に低下をきたすことが懸念される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、5
50℃程度(実験では450℃程度でも結晶化が見られ
た)の温度でのアニールで結晶性シリコン膜がガラス基
板上に形成できる方法において、結晶シリコン膜中に残
存する結晶化のための触媒材料である金属元素の影響を
低減させる構成、さらにはその方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔第1の発明〕第1の発
明は、請求項1に記載されているように、基板上に設け
られたPSG膜と、該PSG膜上に設けられた絶縁膜
と、該絶縁膜上に設けられた結晶シリコン膜と、を有し
た半導体装置であって、前記結晶シリコン膜中には、該
結晶シリコン膜の結晶化を助長するための金属元素が含
まれていること、を要旨とする半導体装置である。
【0007】上記第1の発明は、基板上に設けられたP
SG膜によって、結晶化を助長するために導入した触媒
材料である結晶シリコン膜中の金属元素(例えばニッケ
ル)をゲッタリングさせんとするものである。上記発明
において、PSG膜というのは、リンシリサイドガラス
(Phosphosilicate Glass)のことであり、公知のように
塗布や気相法によって形成することができる。
【0008】シリコン膜の結晶化を助長するための触媒
材料である金属元素としては、ニッケル、鉄、コバル
ト、白金の内、少なくとも一つの元素を用いることがで
きる。
【0009】〔第3の発明〕第3の発明は、請求項3に
記載されているように、基板上にPSG膜を形成する工
程と、前記PSG膜上に下地膜として絶縁膜を形成する
工程と、前記下地膜上に実質的なアモルファス状態のシ
リコン膜を形成する工程と、前記シリコン膜にニッケ
ル、鉄、コバルト、白金のうち、少なくとも一つを導入
する工程と、前記シリコン膜を通常のアモルファスシリ
コン膜の結晶化温度以下の温度でアニールし、前記ニッ
ケル、鉄、コバルト、白金のうち、少なくとも一つが導
入された領域の前記シリコン膜を結晶化させる工程と、
を有する半導体装置作製方法を要旨とするものである。
【0010】上記第3の発明は、第1の発明を得るため
の作製工程を示すものである。上記第3の発明におい
て、実質的なアモルファス状態の膜の作製方法として
は、公知のプラズマCVD法や減圧熱CVD法、さらに
は光CVD法やスパッタ法を挙げることができる。この
実質的なアモルファス状態の膜というのは、通常アモル
ファスシリコン太陽電池やアモルファスシリコンTFT
に用いられるアモルファスシリコン半導体膜のことであ
る。
【0011】通常のアモルファスシリコン膜の結晶化温
度というのは、前述したように600℃以上の温度のこ
とをいう。即ち、本発明においては、600℃以下の温
度で結晶化ができることを特徴とするものである。本発
明における結晶化の工程は、550℃の温度であれば4
時間程度で十分であることが確認されており、また45
0℃程度の温度でも可能であることが確認されている。
従って、本発明における結晶化のためのアニール温度
は、450℃〜550℃の温度(勿論基板の耐熱性等の
問題が許せばそれ以上の温度でもよい)であると定める
ことができる。
【0012】
【作用】PSG膜が存在することによって、シリコン膜
を結晶化させる際に触媒として作用させたニッケル等の
金属元素をゲッタリングすることができ、この結晶化し
たシリコン膜を利用した半導体装置の電気的特性や安定
性を向上させるこができる。
【0013】
【実施例】〔実施例1〕本実施例は、ガラス基板上に結
晶シリコンを用いたPチャネル型TFT(PTFTとい
う)とNチャネル型TFT(NTFTという)とを相補
型に組み合わせた回路を形成する例である。本実施例の
構成は、アクティブ型の液晶表示装置の周辺ドライバー
回路や画素部分のスッチング素子(相補型回路によって
画素の駆動を行う)に利用することができる。
【0014】図1に本実施例の作製工程の断面図を示
す。まず、基板(コーニング7059)101上にスピ
ンコート法によって1000Åの厚さにPSG膜99を
形成する。そして200℃のベーク工程を経て成膜を完
了する。PSG膜の材料としては、市販の酸化珪素膜系
被膜の形成用塗布液を用い、Pの濃度が5×1014〜5
×1021cm-3となるようにした。またその厚さは、2
00〜2000Åの厚さの範囲で設定すればよい。
【0015】次に、スパッタリング法によって厚さ10
0〜2000Åここでは500Å厚さに酸化珪素の下地
膜102を形成した。この下地膜中には塩素を添加する
ことがゲッタリング効果を高める上で効果がある。つぎ
に、プラズマCVD法によって、厚さ500〜1500
Å、例えば1000Åの真性(I型)のアモルファスシ
リコン膜104を堆積した。そしてメタルマスクまたは
酸化珪素膜等によって構成されたマスク103を設け
る。このマスク103は、スリット状にシリコン膜10
4を露呈させる。即ち、図1(A)の状態を上面から見
ると、スリット状にシリコン膜104は露呈しており、
他の部分はマスクされている状態となっている。
【0016】上記マスク103を設けた後、スパッタリ
ング法によって、厚さ5〜200Å、例えば20Åの珪
化ニッケル膜(化学式NiSix 、0.4≦x≦2.
5、例えば、x=2.0)を成膜する。この工程によっ
て、シリコン膜104上の領域100の部分に選択的に
珪化ニッケル膜が導入されることになる。
【0017】次にマスク103除去し、これを水素還元
雰囲気下(好ましくは、水素の分圧が0.1〜1気
圧)、550℃で4時間アニールして結晶化させた。こ
の際、珪化ニッケル膜が選択的に成膜された100の領
域においては、基板101に対して垂直方向にシリコン
膜104の結晶化が起こる。そして、領域100以外の
領域では、矢印105で示すように、領域100から横
方向(基板と平行な方向)に結晶成長が行われる。
【0018】上記工程の結果、アモルファスシリコン膜
を結晶化させて、結晶シリコン膜104を得ることがで
きた。その後、結晶シリコン膜104をパターニングす
ることで素子間分離を行った。つぎに、スパッタリング
法によって厚さ1000Åの酸化珪素膜106をゲイト
絶縁膜として堆積した。スパッタリングには、ターゲッ
トとして酸化珪素を用い、スパッタリング時の基板温度
は200〜400℃、例えば350℃、スパッタリング
雰囲気は酸素とアルゴンで、アルゴン/酸素=0〜0.
5、例えば0.1以下とした。引き続いて、スパッタリ
ング法によって、厚さ6000〜8000Å、例えば6
000Åのアルミニウム(0.1〜2%のシリコンを含
む)を堆積した。なお、この酸化珪素膜106とアルミ
ニウム膜の成膜工程は連続的に行うことが望ましい。
【0019】そして、シリコン膜をパターニングして、
ゲイト電極107、109を形成した。さらに、このア
ルミニウムの電極の表面を陽極酸化して、表面に酸化物
層108、110を形成した。この陽極酸化は、酒石酸
が1〜5%含まれたエチレングリコール溶液中で行っ
た。得られた酸化物層108、110の厚さは2000
Åであった。なお、この酸化物108と110とは、後
のイオンドーピング工程において、オフセットゲイト領
域を形成する厚さとなるので、オフセットゲイト領域の
長さを上記陽極酸化工程で決めることができる。
【0020】次に、イオンドーピング法によって、シリ
コン領域にゲイト電極107とその周囲の酸化層10
8、ゲイト電極109とその周囲の酸化層110をマス
クとして不純物(燐およびホウ素)を注入した。ドーピ
ングガスとして、フォスフィン(PH3 )およびジボラ
ン(B26 )を用い、前者の場合は、加速電圧を60
〜90kV、例えば80kV、後者の場合は、40〜8
0kV、例えば65kVとした。ドース量は1×1015
〜8×1015cm-2、例えば、燐を2×1015cm-2
ホウ素を5×1015cm-2とした。ドーピングに際して
は、一方の領域をフォトレジストで覆うことによって、
それぞれの元素を必要とする場所に選択的にドーピング
した。この結果、N型の不純物領域114と116、P
型の不純物領域111と113が形成され、Pチャネル
型TFT(PTFT)の領域とNチャネル型TFT(N
TFT)との領域を形成することができた。
【0021】その後、レーザー光の照射によってアニー
ル行った。レーザー光としては、KrFエキシマレーザ
ー(波長248nm、パルス幅20nsec)を用いた
が、他のレーザーであってもよい。レーザー光の照射条
件は、エネルギー密度が200〜400mJ/cm2
例えば250mJ/cm2 とし、一か所につき2〜10
ショット、例えば2ショット照射した。このレーザー光
の照射時に基板を200〜450℃程度に加熱すること
は有用である。このレーザアニール工程において、先に
結晶化された領域にはニッケルが拡散しているので、こ
のレーザー光の照射によって、再結晶化が容易に進行
し、P型を付与する不純物がドープされた不純物領域1
11と113、さらにはNを付与する不純物がドープさ
れた不純物領域114と116は、容易に活性化させる
ことができた。
【0022】続いて、厚さ6000Åの酸化珪素膜11
8を層間絶縁物としてプラズマCVD法によって形成
し、これにコンタクトホールを形成して、金属材料、例
えば、窒化チタンとアルミニウムの多層膜によってTF
Tの電極・配線117、120、119を形成した。最
後に、1気圧の水素雰囲気で350℃、30分のアニー
ルをおこなった。以上の工程によって半導体回路が完成
した。(図1(D))この回路は、ゲイト電極が入力と
なり、電極120が出力となる相補型の構成となる。
【0023】上記に示す回路は、PTFTとNTFTと
を相補型に設けたCMOS構造であるが、上記工程にお
いて、2つのTFTを同時に作り、中央で切断すること
により、独立したTFTを2つ同時に作製することも可
能である。
【0024】図2に、図1(D)を上面から見た概要を
示す。図2におけるNi添加領域が図1(A)で示され
る領域100の部分になる。またゲイト電極はそれぞれ
107と109に対応し、ソース/ドレイン領域は11
1と116、ドレイン/ソース領域は113と114に
対応する。また図2においてゲイト電極下には、ゲイト
絶縁膜とチャネル形成領域が設けられている。図2を見
れば分かるように、Ni添加領域をさらに長くする(図
2でいうと、上下に延ばす)ことによって、複数のTF
Tを同時に形成することができる。
【0025】本実施例においては、ニッケルを導入する
方法として、アモルファスシリコン膜104上に選択的
にニッケルを薄膜(極めて薄いので、膜として観察する
ことは困難である)として形成し、この部分から結晶成
長を行わす方法を採用したが、アモルファスシリコン膜
104を形成前に、選択的に珪化ニッケル膜を成膜する
方法でもよい。即ち、結晶成長はアモルファスシリコン
膜の上面から行ってもよいし、下面から行ってもよい。
また、予めアモルファスシリコンを成膜し、さらにイオ
ンドーピング法を用いて、ニッケルイオンをアモルファ
スシリコン膜104に選択的に注入する方法を採用して
もよい。この場合は、ニッケル元素の濃度を制御するこ
とができるという特徴を有する。
【0026】なお本実施例において、結晶シリコン中の
ニッケル濃度をSIMS(二次イオン質量分析法)によ
って調べたところ、1017〜1018cm3 であった。
【0027】〔実施例2〕本実施例は、アクティブ型の
液晶表示装置において、Nチャネル型TFTをスイッチ
ング素子として各画素に設けた例である。以下において
は、一つの画素について説明するが、他に多数(一般に
は数十万)の画素が同様な構造で形成される。
【0028】本実施例の作製工程の概略を図3に示す。
本実施例において、透光性の絶縁基板301として、コ
ーニング7059ガラス基板(厚さ1.1mm、300
×400mm)を使用した。このガラス基板上に実施例
1と同様にして、PSG膜302を200〜2000Å
ここでは1000Åの厚さにスピンコート法で塗布し、
200℃、30分のベーク工程で成膜を行った。次に下
地膜303(酸化珪素)を500Åの厚さにスパッタ法
で形成する。
【0029】この後、LPCVD法もしくはプラズマC
VD法でアモルファスシリコン膜304(厚さ300〜
1500Å、ここでは1000Å)を形成し、この後珪
化ニッケル膜を成膜した。この珪化ニッケル膜は、スパ
ッタリング法によって、厚さ5〜200Å、例えば20
Åの厚さに形成する。この珪化ニッケル膜は、化学式N
iSix 、0.4≦x≦2.5、例えば、x=2.0で
示される。即ち、本実施例の構成においては、図3
(B)に示されるようにアモルファスシリコン膜304
を成膜後に、その上面にニッケルを珪化ニッケル膜とし
て導入した。
【0030】この後、400℃で1時間脱水素化を行
い、加熱アニールによって結晶化を行った。このアニー
ル工程は、水素還元雰囲気下(好ましくは、水素の分圧
が0.1〜1気圧)、550℃で4時間行った。この
際、アモルファスシリコン膜304上には、珪化ニッケ
ル膜が成膜されているので、珪化ニッケル膜から結晶化
が基板301に垂直方向に起こる。そして、基板301
に垂直方向に結晶成長した結晶シリコン膜を得ることが
できる。
【0031】そして、この結晶性シリコンよりなる半導
体領域(304で示される部分)をパターニング(素子
間分離)して島状の半導体領域(TFTの活性層)を形
成した。さらにテトラ・エトキシ・シラン(TEOS)
を原料として、酸素雰囲気中のプラズマCVD法によっ
て、酸化珪素のゲイト絶縁膜(厚さ700〜1200
Å、典型的には1000Å)305を形成した。基板温
度はガラスの縮みやソリを防止するために400℃以
下、好ましくは200〜350℃とした。しかしなが
ら、この程度の基板温度では、酸化膜中には多量の炭化
水素基が含まれ、多くの再結合中心が存在し、例えば、
界面準位密度は1012cm-2以上でゲイト絶縁膜として
は使用できないレベルのものであった。
【0032】そこで、KrFレーザー光を照射して、こ
の結晶性シリコン膜304の結晶性を助長せしめると同
時に、ゲイト酸化膜305の再結合中心(トラップセン
ター)を減少させ、ゲイト酸化膜305の特性の改善を
図った。また、このレーザー照射は10torr以下の
減圧下で行われるのが好ましい。なぜならば、減圧状態
の方が酸化膜中の炭素原子の離脱が容易であるからであ
る。このときにはレーザー光のエネルギー密度は250
〜300mJ/cm2 と設定し、また、ショット数も1
0回とした。この際基板温度を好ましくは、200〜4
00℃、代表的には300℃に保つと良い。その結果、
シリコン膜204は結晶性が改善され、また、ゲイト酸
化膜の界面準位密度も1011cm-2以下に減少した。
【0033】次に、アウミニウムのゲイト電極306を
形成し、基板ごと電解溶液に浸漬して、これを陽極とし
て通電し、ゲイト電極等のアルミニウム配線表面に陽極
酸化物の層314を厚さ2000Å形成した。この工程
の完了した様子を図3(C)に示す。また、陽極酸化工
程が終了した後に、逆に負の電圧、例えば−100〜−
200Vの電圧を0.1〜5時間印加してもよい。この
ときには、基板温度は100〜250℃、代表的には1
50℃とすることが好ましい。この工程によって、酸化
珪素中あるいは酸化珪素とシリコン界面にあった可動イ
オンがゲイト電極(Al)に引き寄せられる。
【0034】その後、N型の不純物として、硼素をイオ
ンドーピング法でシリコン膜305に自己整合的に注入
し、TFTのソース/ドレイン308、309を形成し
た。さらに、図2(C)に示すように、これにKrFレ
ーザー光を照射して、このイオンドーピングのために結
晶性の劣化したシリコン膜の結晶性を改善せしめた。こ
のときにはレーザー光のエネルギー密度は250〜30
0mJ/cm2 と設定した。このレーザー照射によっ
て、このTFTのソース/ドレインのシート抵抗は30
0〜800Ω/cm2 となった。
【0035】その後、ポリイミドによって層間絶縁物3
10を形成し、さらに、画素電極313をITOによっ
て形成した。そして、コンタクトホールを形成して、T
FTのソース/ドレイン領域にクロム/アルミニウム多
層膜で電極311、312を形成し、このうち一方の電
極312は画素電極であるITO31にも接続するよう
にした。クロム/アルミニウム多層膜は、下層にクロム
膜20〜2000Åここでは1000Å、上層にアルミ
ニウム膜1000〜20000Åここでは5000Åが
堆積されてできている。これらは連続的にスパッタ法に
て形成することが望まれる。最後に、水素中で200〜
300℃で2時間アニールして、シリコンの水素化を完
了した。このようにして、TFTが完成した。そして、
同時に作製した多数のTFTをマトリクス状に配列せし
めてアクティブマトリクス型液晶表示装置の表示部分の
一方の基板を完成させた。本実施例においても、結晶シ
リコン膜中のニッケル濃度は、1017〜1018cm-3
あった。
【0036】以上の実施例1および実施例2の構成を採
用することで、結晶シリコン中に存在するニッケル元素
を電気的に固定化(ゲッタリング)させることができ、
装置の動作時において、ニッケル元素が悪影響を及ぼす
ことを防ぐことができる。
【0037】また、以上の本実施例においては、ゲッタ
リングを行う材料としてPSG膜(リンシリケイトガラ
ス)を用いたが、この他にBSG膜(ボロンシリケイト
ガラス)やBPSG膜を用いることができる。さらに、
これらの膜中にハロゲン元素(例えば塩素)を添加し、
ゲッタリング効果を高めてもよい。また、これらの膜の
成膜方法としては、平坦性を確保するためにスピンコー
ト法を用いたが、気相法で作製する方法を採用したもよ
い。
【0038】
【効果】基板上にPSG膜を形成し、しかる後に下地酸
化珪素膜を形成し、さらにニッケルによって低温結晶化
(従来よりも低温での結晶化という意味)させた結晶シ
リコンを形成する構成とすることによって、この結晶シ
リコンを用いた半導体装置の電気的特性が、ニッケルの
存在によって悪影響を受けることを防ぐことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の作製工程を示す。
【図2】 実施例の構成を示す。
【図3】 実施例の作製工程を示す。
【符号の説明】
99 PSG膜 101 ガラス基板 102 PSG膜 103 マスク 104 シリコン膜 105 結晶成長方向 106 ゲイト絶縁膜 107 ゲイト電極 108 陽極酸化層 109 ゲイト電極 110 陽極酸化物層 111 ソース/ドレイン領域 112 チャネル形成領域 113 ドレイン/ソース領域 114 ソース/ドレイン領域 115 チャネル形成領域 116 ドレイン/ソース領域 117 電極 118 層間絶縁物 120 電極 119 電極 301 ガラス電極 302 PSG膜 303 下地膜(酸化珪素膜) 304 シリコン膜 305 ゲイト絶縁膜 306 ゲイト電極 307 ソース/ドレイン領域 308 チャネル形成領域 309 ドレイン/ソース領域 310 層間絶縁物 311 電極 312 電極 313 ITO(画素電極) 314 陽極酸化物層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/784

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に設けられたPSG膜と、 該PSG膜上に設けられた絶縁膜と、 該絶縁膜上に設けられた結晶シリコン膜と、 を有した半導体装置であって、 前記結晶シリコン膜中には、該結晶シリコン膜の結晶化
    を助長するための金属元素が含まれていることを特徴と
    する半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、金属元素は、ニッケ
    ル、コバルト、鉄、白金のうち、少なくとも一つである
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 基板上にPSG膜を形成する工程と、 前記PSG膜上に下地膜として絶縁膜を形成する工程
    と、 前記下地膜上に実質的なアモルファス状態のシリコン膜
    を形成する工程と、 前記シリコン膜にニッケル、鉄、コバルト、白金のう
    ち、少なくとも一つを導入する工程と、 前記シリコン膜を通常のアモルファスシリコン膜の結晶
    化温度以下の温度でアニールし、前記ニッケル、鉄、コ
    バルト、白金のうち、少なくとも一つが導入された領域
    の前記シリコン膜を結晶化させる工程と、 を有する半導体装置作製方法。
JP14288093A 1993-05-21 1993-05-21 半導体装置およびその作製方法 Expired - Fee Related JP3190482B2 (ja)

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