JPH06332132A - 色素固定要素 - Google Patents

色素固定要素

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JPH06332132A
JPH06332132A JP12167393A JP12167393A JPH06332132A JP H06332132 A JPH06332132 A JP H06332132A JP 12167393 A JP12167393 A JP 12167393A JP 12167393 A JP12167393 A JP 12167393A JP H06332132 A JPH06332132 A JP H06332132A
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JP
Japan
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layer
dye
matting agent
fixing element
image
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Application number
JP12167393A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Arakatsu
浩 荒勝
Yoshisada Nakamura
善貞 中村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた非光沢面を持つ色素固定要素を提供す
る。 【構成】色素固定層より支持体から遠く、かつ表面保護
層ではない層にマット剤を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光要素と色素固定要
素を別の支持体上に設け、両要素を重ね合わせ、拡散性
の色素を転写することにより画像を形成する画像形成シ
ステムに使用される色素固定要素に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀を用いる写真法は、他の写
真法、例えば電子写真法やジアゾ写真法に比べて感度や
階調調節などの写真特性に優れているので、従来から最
も広範に用いられている。その中で、現像時に画像状に
可動性(拡散性)の色素を形成または放出させ、この可
動性の色素を水や熱溶剤などの溶媒によって媒染剤を有
する色素固定要素に転写する方法が多く提案されてい
る。
【0003】この様な可動性の色素を転写することによ
り画像を形成する方法においては、色素の拡散転写を均
一に行うため圧力を用いることが多い。しかし、その材
質により掛けられる圧力には自ずと限界がある。したが
って、低圧条件でも均一に重ね合わせることのできる材
料表面形状が求められる。また、色素固定材料は、上記
のような画像形成システムにおいては、最終的に画像を
利用するために用いられる。したがって、その表面光沢
は材料に求められる性能である。材料に求められる光沢
性はその利用目的により異なる。質感を得るため、また
観察条件による画像の見えかたを一定にするため、いわ
ゆる非光沢面が求められることもある。
【0004】非光沢面は通常材料表面に凹凸を何らかの
手段により設けることにより得ることができる。この方
法を用いる場合、表面の凹凸を大きくするほど光沢度を
下げることができる。しかし、拡散性の色素を転写する
ことにより画像を形成する画像形成システムにおいて
は、その材料表面の凹凸が大き過ぎないことが求められ
る。表面の凹凸を大きくし過ぎると画像の濃度ムラや白
斑の発生、現像液を展開するタイプのものでは展開不
良、さらに現像後に色素固定要素と感光要素を剥離をす
るタイプのものでは展開液が受像材料表面に残ってしま
う故障が起こる。したがって、非光沢面で均一な画像を
形成させようとすると、表面形状が厳密にコントロール
された色素固定要素が必要である。マット面を得る方法
としては、カラー印画紙の様に支持体上に凹凸を付ける
方法が挙げられる。この方法でマット面を作成した場
合、所望の光沢度を実現するためにはかなり大きな表面
凹凸を必要とし、またでき上がったマット面は表面の反
射が抑えられないため、いわゆるぎらつき感が抑えられ
ず決して質感に優れたマット面とはならなかった。この
方法とは別に層中のバインダーのミクロな相分離を用い
る方法が特開平3−246544、特開平1−2077
45に提案されている。この方法は、微細かつ均一な凹
凸を設ける良い方法であり、得られるマットも質感に優
れたものが得られるが、凹凸の高さや、周期をコントロ
ールするのが難しい面があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、感光
要素と色素固定要素を別の支持体上に設け、両要素を重
ね合わせ、拡散性の色素を転写することにより画像を形
成する画像形成システムにおいて、非光沢かつぎらつき
感のない画像を形成させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、感光要
素と色素固定要素を別の支持体上に設け、両要素を重ね
合わせ、拡散性の色素を転写することにより画像を形成
する画像形成システムに用いる色素固定要素であって、
該色素固定要素中の色素固定層より支持体から遠くに位
置する層であって、かつ表面保護層を除いた層にマット
剤を含有することを特徴とする色素固定要素によって達
成された。また、上記の色素固定要素であって含有され
るマット剤の実質的な平均粒径が2μm以上かつ15μ
m以下であることを特徴とする色素固定要素でも、また
上記の色素固定要素であって該マット剤含有層のマット
剤の塗布量が0.1g/m2以上3g/m2以下であること
を特徴とする色素固定要素により達成される。また上記
の色素固定要素であって添加される層の厚みが、マット
剤の平均粒径の1/10以上1/2以下であることを特
徴とする色素固定要素でも、また上記の色素固定要素で
あって色素固定層と支持体の間に位置する層にもマット
剤を含有することを特徴とする色素固定要素においても
達成される。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるマット剤としては、種々の無機化合物粒子、
有機化合物粒子(特にポリマー粒子)が用いられる。本
発明の目的のためには粒子は、その画像形成プロセスに
おいて、消失、変形、移動しないものが好ましい。例え
ば、色素の拡散助剤として水を用い、画像形成に塩基
性、および高温を用いる場合、その温度・pH条件で水
に溶解しないことが必要である。
【0008】無機のマット剤としては、二酸化珪素、酸
化チタン、酸化アルミニウム等の酸化物、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム等のアルカリ土
類金属塩およびガラス粒子が挙げられる。有機のマット
剤としては、コーンスターチ、セルロースエステル、セ
ルロースエーテル等の天然物およびその改質品、アルキ
ルアクリレート類、アルキルメタクリレート類、アクリ
ルアミド類、ビニルエステル類、オレフィン類、スチレ
ン類等の合成樹脂等が挙げられる。その他に特開昭61
−88256号、特開昭63−274944号記載の化
合物がある。
【0009】本発明において用いられるマット剤の塗布
量は100mg/m2〜3000mg/m2が好ましい。この量
よりも少ないと、マット画の質感に欠け、これよりも多
いと画像の最高濃度が低下する、色素の転写ムラが起こ
る等の問題が出てくる。本発明において用いられるマッ
ト剤の粒径は実質的に2μm〜15μmのものが使用さ
れるが、2μm〜12μmのものが好ましい。更に好ま
しくは3μm〜10μmである。マット剤の粒径が上記
の値よりも小さいと光沢度が下がらず、また大きいと色
素の転写ムラ、画像の白抜けを起こす。本発明において
実質的な粒径とは、膜が完成した時点での粒径をいい、
たとえ原料の段階で上記の粒径になっていなくとも、塗
布液の調液、層液、塗布、乾燥のいずれかの過程で凝集
あるいは粉砕、粒子成長等が起こり上記の粒径に該当す
るような場合も含まれる。本発明において、マット剤は
単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。本
発明に用いるマット剤は、平均粒径が2μm以上のもの
が好ましい。これは非光沢面にするため、ある程度の凹
凸を設ける必要があるためである。ただし、平均粒径が
2μm以下のマット剤をさらに上記のものに併用するこ
とは、より微細な複雑な凹凸を色素固定要素表面に形成
することが可能となるため好ましい。
【0010】同様の理由によって、例えば平均粒径10
μmのマット剤と、平均粒径6μmのマット剤との併用
のように、2μm以上の平均粒径の異なる2種以上のマ
ット剤を併用することも有効である。さらに、それに平
均粒径2μ以下のマット剤をさらに併用することも意味
がある。併用するマット剤の種類は、同一のものであっ
てもよいし、異なるものの併用であっても構わない。こ
こでいう種類とは材質、形状、色調、中空粒子であると
か、中心部と外周部で密度や屈折率が異なる等のいわい
る粒子の構造、ガラス転移温度、屈折率、密度、硬度等
の物理的性質の違いを指す。
【0011】マット剤を含有する層の塗布膜厚とマット
剤の粒径は塗布膜の強度、画像に白く粉が覆ったように
見える現象および光沢度と関係する。マット剤を添加す
る層の塗布膜厚は塗布溶液中の非蒸発成分を比重1と仮
定して、更にこれらが均一に塗布された場合に計算され
る膜厚を言う。使用するマット剤とバインダーの屈折率
比にもよるが、膜厚がマット剤の粒径に対して厚くなる
と光沢度が下がりにくくなり、薄くなると画像に白く粉
が覆った様に見えるようになったり、膜の強度が落ちる
ようになる。このような理由からマット剤含有層の厚み
はマット剤の平均粒径の1/10以上1/2以下にする
ことが好ましい。
【0012】色素固定要素中の色素固定層より支持体か
ら遠い層であって、かつ表面保護層でない層にマット剤
を含有するのに加えて表面保護層に、その表面保護機能
として別にマット剤を添加しても構わない。ただし、そ
の場合添加量としては、0.10g/m2以下が好まし
い。表面保護層に用いるマット剤は、本発明の目的で用
いられるマット剤と同一のものであってもよいし、異な
るものであっても構わない。
【0013】また、色素固定層と支持体の間に設けられ
る層の中にマット剤を含有させる構成を付加してもよ
い。ここに用いるマット剤は上記のマット剤含有層に用
いたマット剤を同種のものでもよいし、異なるものであ
ってもよい。マット剤の平均粒径としては2μm〜12
μmのものが好ましい。マット剤の添加量は、その塗布
量が0.1g/m2〜3g/m2、特に0.1g/m2〜2g
/m2の範囲が好ましい。
【0014】本発明の色素固定要素の好ましい層構成に
ついて述べれば支持体の上に順に色素固定層、マット剤
含有層、表面保護層を少なくとも有するもの、支持体の
上に順にマット剤含有層、色素固定層、マット剤含有
層、表面保護層を少なくとも有するものが挙げられる。
【0015】本発明の色素固定要素には必要に応じて剥
離層、硬膜剤供給層、中間層、カール防止層、バック層
などの補助層を設けることができる。上記層の1つ又は
複数の層には、親水性熱溶剤、可塑剤、褪色防止剤、U
V吸収剤、スベリ剤、硬膜剤、酸化防止剤、等を含ませ
てもよい。
【0016】本発明の色素固定要素の色素固定層は、現
像によって生成または放出された可動性の色素を固定す
ることのできるポリマー媒染剤を含有することが好まし
い。ここでポリマー媒染剤とは、三級アミノ基を含むポ
リマー、含窒素複素環部分を有するポリマー、およびこ
れらの4級カチオン基を含むポリマー等であり、好まし
くは、他の親水性ポリマー(ゼラチン等)と混合して用
いられる。三級アミノ基を有するビニルモノマー単位を
含むポリマーについては、特開昭60−60643号、
同60−57836号等に記載されており、三級イミダ
ゾール基を有するビニルモノマー単位を含むポリマーは
光堅牢性、転写濃度の点で特に好ましく用いられる。そ
の具体例としては特開昭60−118834号、同60
−122941号、同62−244043号、同62−
244036号、米国特許第4,282,305号、同
4,115,124号、同3,148,061号などに
記載されている。
【0017】四級イミダゾリウム塩を有するビニルモノ
マー単位を含むポリマーの好ましい具体例としては英国
特許第2,056,101号、同2,093,041
号、同1,594,961号、米国特許第4,124,
386号、同4,115,124号、同4,273,8
53号、同4,450,224号、特開昭48−282
25号等に記載されている。その他四級アンモニウム塩
を有するビニルモノマー単位を含むポリマーの好ましい
具体例としては、米国特許第3,709,690号、同
3,898,088号、同3,958,995号、特開
昭60−57836号、同60−60643号、同60
−122940号、同60−122942号および同6
0−235134号などに記載されている。本発明で用
いるポリマー媒染剤の分子量は、好ましくは1,000
〜1,000,000、特に10,000〜200,0
00である。
【0018】ポリマー媒染剤は、色素固定要素中の色素
固定層中にバインダーとしての親水性コロイドと併用し
て用いられる。ポリマー媒染剤と親水性コロイドの混合
比およびポリマー媒染剤の塗布量は、媒染されるべき色
素の量、ポリマー媒染剤の種類や組成、更に適用される
画像形成方法などに応じて、当業者が容易に定めること
ができるが、媒染剤/親水性コロイド比が20/80〜
80/20(重量比)、媒染剤の塗布量は約0.2〜約
15g/m2が適当であり、なかでも0.5〜8g/m2
使用するのが好ましい。
【0019】ポリマー媒染剤は、色素固定要素中で金属
イオンと併用することによって色素の転写濃度を高くす
ることができる。この金属イオンは媒染剤を含む色素固
定層、あるいはその近接層(色素固定層等を担持する支
持体に近い方でも、或いは遠い側でもよい)に添加する
ことができる。ここで用いられる金属イオンは、無色
で、かつ熱、光に対し安定であることが望ましい。すな
わちCu2+、Zn2+、Mi2+、Pt2+、Pd2+、CO3+
イオンなどの遷移金属の多価イオンなどが好ましく、特
にZn2+が好ましい。この金属イオンは通常水溶性の化
合物の形、たとえばZnSO4 、Zn(CH3 CO2
2 で添加され、その添加量は約0.1〜約5g/m2が適
当であり、好ましくは0.1〜1.5g/m2である。ポ
リマー媒染剤を含む色素固定層は塗布性を高めるなどの
意味で種々の界面活性剤を含むことができる。
【0020】本発明の色素固定要素は、処理の簡易迅速
化のために、水に可溶な塩基および/または塩基プレカ
ーサーを色素固定層または支持体の同一面上のその他の
色素固定要素に付随する層に含有させた場合に特に有効
である。ここで、塩基としては、アルカリ金属、4級ア
ルキルアンモニウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、第
2および第3リン酸塩等の無機塩基;脂肪族アミン類、
芳香族アミン類、複素環状アミン類、アミジン類、環状
アミジン類、グアニジン類、環状グアニジン類等の有機
塩基およびそれらの炭酸塩、重炭酸塩、第2および第3
リン酸塩等が挙げられる。
【0021】また塩基プレカーサーの一例としては、前
記熱分解または電解により、塩基性成分を放出するもの
が挙げられる。熱分解により塩基を発生する塩基プレカ
ーサーとしては、例えばトリクロロ酢酸、シアノ酢酸、
アセト酢酸、α−スルホニル酢酸などの熱分解性有機酸
と前記有機塩基との塩、米国特許第4,008,496
号に記載の2−カルボキシカルボキサミドとの塩などが
挙げられる。その他英国特許第998,945号、米国
特許第3,220,846号、特開昭50−22625
号等に記載の化合物がある。また電解により塩基を発生
させる塩基プレカーサーとしては、例えば電解酸化によ
ってアルカリ金属やグアニジン類、アミジン類等の有機
塩基の炭酸塩を生成する化合物、電解還元により塩基を
生成する化合物(例えばニトロおよびニトロソ化合物の
還元によるアミン類の生成、ニトリル類の還元によるア
ミン類の生成;ニトロ化合物、アゾ化合物、アゾキシ化
合物等の還元によるp−アミノフェノール類、p−フェ
ニレンジアミン類、ヒドラジン類の生成等)を挙げるこ
とができる。p−アミノフェノール類、p−フェニレン
ジアミン類、ヒドラジン類は塩基として用いるだけでな
く、それらを直接色画像形成物質として使用することも
できる。また、種々の無機塩共存下での水の電解により
アルカリ成分を生成させることももちろん利用できる。
【0022】更に、米国特許第4,740,445号に
記載されているように、難溶性金属塩化合物(例えば酸
化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、炭酸カルシウム等)と、該金
属塩化合物を構成する金属イオンと水を媒体として錯形
成反応し得る化合物(例えばピコリン酸グアニジウム
等)との反応により水溶性塩基を発生させる方法は特に
好ましく用いられる。この方法は感光要素に難溶性金属
塩化合物の分散物を、色素固定要素に該金属イオンと錯
形成反応し得る水溶性の化合物を含有させておき、水の
存在下で両者を密着して加熱処理する際に塩基を発生す
ることができるので、感光要素及び色素固定要素の経時
保存性等の点で特に有効である。この場合錯形成反応し
うる化合物は、水を媒体として難溶性金属化合物と錯形
成反応し塩基を発生するという意味で、本発明にいう塩
基プレカーサーである。
【0023】塩基および/または塩基プレカーサーは単
独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
塩基および/または塩基プレカーサーの使用量は5×1
-4〜5×10-1モル/m2、好ましくは2.5×10-3
〜2.5×10-2モル/m2の範囲である。
【0024】本発明の色素固定要素は、カール特性改良
等のためにポリマー分散物を色素固定層または支持体の
同一面に設けられるその他の色素固定要素に付随する層
に含有することができる。このポリマー分散物はそれを
構成するポリマーのガラス転移温度が25℃以下のもの
が好ましいが、25℃以上でもオイル状の可塑剤と併用
して実質的に25℃以下になっていれば良い。ポリマー
分散物に可塑剤を導入する方法としては、合成時に共存
させて行なうこともできるが、通常は、可塑剤の乳化物
と混合して一定時間攪拌することによって行なうことが
できる。本発明に用いられるポリマー分散物としては、
酢酸ビニル系、エチレン酢酸ビニル系、アクリル系、塩
化ビニリデン系、塩化ビニル系、ブタジエン系またはブ
タジエン誘導体の乳化単独重合または乳化共重合で合成
されたラテックス、あるいは上記ポリマーおよびポリエ
ステル、ポリウレタン等を有機溶媒に溶解し乳化分散さ
れたポリマー分散物が挙げられる。特に酢酸ビニル系、
エチレン酢酸ビニル系、アクリル系及びスチレンブタジ
エン系の分散物が、光堅牢性、熱安定性、塗布液の分散
安定性、カール改良効果及び塩類の析出防止等の観点で
好ましく用いられる。
【0025】このポリマー分散物の具体例を以下に記載
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。市
販のラテックス、エマルジョンとしては、例えば、日本
ゼオン(株)製のNipol LX811、814、8
20〜823、825、826、842、851、85
2、854、855、857、860、874、11
0、112、119、139、206、209、60
0、415A、426、430、432A、433、4
35、436、438C、472、473、379、5
11、513、517、518、531、407F、昭
和高分子(株)製のポリゾールの商品名で市販されてい
る酢酸ビニル系、酢ビ・アクリル系、アクリル酸エステ
ル系、酢ビ・ベオバ系、スチレン・アクリル系、エチレ
ン・酢ビ系、の各種ラテックスまたはエマルジョン、大
日本インキ化学製のVONDIC 1040、105
0、1310F、1320NS、1340、1510、
1610NS、1612NS、1640、1660、1
670(N)、1930N、1980、などが挙げられ
る。ポリマー分散物の添加量は添加層中の親水性バイン
ダーの総容積に対する該層に添加された分散物中のポリ
マーの総容積の比率で定義され、好ましくは5〜300
vol%であり、更に好ましくは10〜200vol%
である。塗布量で表わせばラテックス中のポリマーの重
量で好ましくは0.5g/m2〜10g/m2であり、更に
好ましくは1g/m2〜5g/m2である。ポリマー分散物
は、ガラス転移点の高いポリマー媒染剤、特にガラス転
移温度25℃以上の媒染剤を用いる場合、その効果は顕
著である。
【0026】色素固定要素の構成層のバインダーには親
水性のものが好ましく用いられる。その例としては特開
昭62−253159号の(26)頁〜(28)頁に記
載されたものが挙げられる。具体的には、透明か半透明
の親水性バインダーが好ましく、例えばゼラチン、ゼラ
チン誘導体等のタンパク質またはセルロース誘導体、デ
ンプン、アラビアゴム、デキストラン、プルラン等の多
糖類のような天然化合物と、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、アクリルアミド重量体、その他の
合成高分子化合物が挙げられる。また、特開昭62−2
45260号等に記載の高吸水性ポリマー、すなわち−
COOMまたは−SO3 M(Mは水素原子またはアルカ
リ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体またはこ
のビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマーとの
共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウム、メタクリル
酸アンモニウム、住友化学(株)製のスミカゲルL−5
H)も使用される。これらのバインダーは2種以上組み
合わせて用いることもできる。
【0027】本発明の色素固定要素は常温付近で処理液
を用いて現像されるカラー拡散転写法、高温で現像され
る熱現像カラー拡散転写法のいずれにも使用できる。
【0028】カラー拡散転写法の感光要素における有用
な色素像形成物質は、銀現像に関連して拡散性色素(色
素プレカーサーでもよい)を放出する非拡散性化合物で
あるか、あるいはそれ自体の拡散性が変化するものであ
り、写真プロセスの理論 "The Theory of the Photogra
phic Process "第4版に記載されている。これらの化合
物は、いずれも下記一般式(A)で表すことが出来る。 DYE−Y (A) ここで、DYEは色素あるいはそのプレカーサーを表
し、Yはアルカリ条件下で該化合物とは拡散性の異なる
化合物を与える成分を表す、このYの機能により、銀現
像部で拡散性となるネガ型化合物と未現像部で拡散性と
なるポジ型化合物とに大別される。ネガ型のYの具体例
としては、現像の結果酸化し、解裂して拡散性色素を放
出するものがあげられる。Yの具体例は特開平2−32
335号公報(15)頁右上欄18行目〜同公報(1
5)頁左下欄20行目に記載の文献や特許公報、および
米国特許3,928,312号等に記載されている。ネ
ガ型の色素放出レドックス化合物のYのうち、特に好ま
しい基としてはN−置換スルファモイル基(N−置換基
としては芳香族炭化水素環やヘテロ環から誘導される
基)を挙げる事ができる。Yの代表例、ポジ型の化合
物、また別の型の化合物等については特開平2−323
35号公報(16)頁左上欄〜同公報(17)頁右下欄
7行目までの記載内容が適用される。
【0029】カラー拡散転写法に用いられるハロゲン化
銀乳剤、分光増感色素、乳剤層、フルカラーの重層構成
等、処理組成物、カラー拡散転写法フィルムユニット及
びその構成層については特開平2−32335号公報
(17)頁右下欄8行目〜同公報(20)頁右下欄19
行目までの記載の内容が適用される。
【0030】次に熱現像カラー拡散転写法について説明
する。熱現像カラー拡散転写法に用いる感光要素は、基
本的には支持体上に感光性ハロゲン化銀、バインダー、
色素供与性化合物(後述するように還元剤が兼ねる場合
がある)を有するものであり、さらに必要に応じて有機
金属塩酸化剤などを含有させることができる。これらの
成分は同一の層に添加することが多い、反応可能な状態
であれば別層に分割して添加することもできる。例えば
着色している色素供与性化合物はハロゲン化銀乳剤の下
層に存在させると感度の低下を妨げる。還元剤は熱現像
感光要素に内蔵するのが好ましいが、例えば受像要素
(色素固定要素)から拡散させるなどの方法で、外部か
ら供給するようにしてもよい。
【0031】イエロー、マゼンタ、シアンの3原色を用
いて色度図内の広範囲の色を得るためには、少なくとも
3層のそれぞれ異なるスペクトル領域に感光性を持つハ
ロゲン化銀乳剤層を組み合わせて用いる。例えば青感
層、緑感層、赤感層の3層の組み合わせ、緑感層、赤感
層、赤外感光層の組み合わせなどがある。各感光層は通
常型のカラー感光要素で知られている種々の配列順序を
採ることができる。また、これらの各感光層は必要に応
じて2層以上に分割してもよい。
【0032】熱現像感光要素には、保護層、下塗り層、
中間層、黄色フィルター層、アンチハレーション層、バ
ック層などの種々の補助層を設けることができる。熱現
像感光要素に用いるハロゲン化銀、ハロゲン化銀乳剤、
有機金属塩酸化剤、カブリ防止剤、写真安定剤、バイン
ダー、熱現像感光要素または色素固定要素の構成層、熱
現像感光要素に用いる還元剤、電子伝達剤、電子供与
体、熱現像感光要素に使用しうる色素供与性化合物等、
画像の安定化を図る化合物、熱現像感光要素及び色素固
定要素の構成層、それらに用いる蛍光増白剤、硬膜剤、
界面活性剤、有機フルオロ化合物、マット剤、熱溶剤、
消泡剤、防菌防バイ剤、コロイダルシリカ、画像形成促
進剤、塩基又は塩基プレカーサーなど、さらに、熱現像
感光要素や色素固定要素に用いる支持体、熱現像時の加
熱手段、熱現像工程、熱現像時の移動溶媒(溶剤)、熱
現像装置、露光方法、等については、特開平2−323
35号公報(21)頁右下欄10行目〜同公報(29)
頁右下欄2行目までの記載が適用される。
【0033】これらの熱現像感光要素の1例としては後
記実施例に挙げる市販品がある。
【0034】
【実施例】以下実施例をもって本発明の説明を行うが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】実施例1 先ず色素固定要素の作り方について述べる。蛍光増白剤
とステイン防止剤の分散物の調製方法について述べる。
蛍光増白剤(1)25g、ステイン防止剤(1)32
g、アニオン界面活性剤(2)10gを、高沸点有機溶
媒(1)690gおよび酢酸エチル250mlに溶解し、
25%ゼラチン水溶液1200mlに加え、ホモジナイザ
ーにて20分間、1250rpmにて分散した。これに
さらに水300mlを加え攪拌し均一な分散物を得た。
【0036】次にラテックス分散物の調製方法について
述べる。このラテックスポリマーは本文中のマット剤に
該当するものではない。ゼラチン20gおよび水溶性ポ
リマー(3)30gを水200mlに50℃にて溶解した
後、40℃に降温し、ラテックス分散物(1)117g
を添加攪拌した。溶解状態にて30μフィルターにてろ
過し、均一な分散物を得た。表1に示す構成の色素固定
要素R101を作製した。
【0037】
【化1】
【0038】
【化2】
【0039】
【化3】
【0040】
【化4】
【0041】
【化5】
【0042】
【化6】
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】
【化9】
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】また、表Aに示したマット剤を、示した添
加層に示した添加量だけ添加した以外R101と同様に
して色素固定要素R102からR127を作製した。こ
こで、R102〜105は添加層と添加量を変えてポリ
メチルメタクリレート(PMMA)を色素固定要素に添
加したもので、本発明外の色素固定要素である。またR
106〜110は色素固定要素の第3層に粒径の異なる
PMMAを等重量ずつ塗布したもので本発明の色素固定
要素である。またR111〜116はこの順で第3層に
添加するマット剤の塗布量を増やしており、何れも本発
明の色素固定要素である。R117〜120はPMMA
の粒径、塗布量は同じで塗布層の層厚とPMMAの粒径
比を順次上げていったサンプルで、その全てが本発明の
色素固定要素である。またR121〜127は他層にも
マット剤を添加したサンプルであり、いずれも本発明の
色素固定要素である。
【0049】マット剤の種類はその粒子の材料と添加し
たマット剤の原料時の平均の粒径で示した。尚このマッ
ト剤は塗布後も層中で凝集していないことを顕微鏡で確
認した。添加層は表1中の層名にて、添加量は1平方メ
ートル当たりの固形分添加量をgで示した。マット剤を
第3層に添加したものについてマット剤平均粒径と第3
層の厚みとの比率を「厚み/粒径」として表中に示し
た。
【0050】上記の色素固定要素を富士写真フイルム
(株)よりPICTRO STAT200 PS DO
NOR PS−DSの名称で発売されている感光要素と
組み合わせ、同じくPICTRO STAT 200の
名称で発売されているカラーコピーマシーンを用いてテ
スト画像を得た。即ち、フルカラーの原画をスリットを
通して走査露光し、露光済の感光要素を40℃に保温し
た水に2.5秒間浸したのち、ローラーで絞り直ちに受
像材料と膜面が接するように重ね合わせた。次いで吸水
した膜面の温度が80℃となるように温度調節したヒー
トドラムを用い、17秒間加熱し色素固定要素から感光
要素をひきはがすと、色素固定要素上に原画に対応した
鮮明なカラー画像が得られた。
【0051】この画像の光沢度を、スガ試験機(株)製
デジタル変角光沢度計UGV−5Dにて測定した。その
結果(20度の光沢度)を表Aにまとめた。光沢度が1
5より小さい値で非光沢面となり、6以下でいわゆるデ
ィープマット(無光沢面)になる。次に、反射型濃度計
を用い、黒色部分を濃度測定し転写濃度として示した。
また、目視にて画像が白く被覆したように見える質感を
評価し、「質感」として示した。「×」は画像が白く被
覆したように見える物を示し、「○」は良好であること
を示している。更に目視によってその転写画像の均一性
を評価し、「転写性」として示した。「○」は画像中に
白斑の無いことを表し、「△」は、厳密には白斑がある
が目視では識別できないものを示し、「×」は画像上に
明らかに白斑の有ることを示している。更に画像表面で
のいわゆるぎらつき感を評価し、「ぎらつき」として示
した。「○」は画像表面での光源光の乱反射がすくなく
良好なマット面であることを示し、「×」はぎらつき感
の有るものを示す。「△」はその中間の状態を示してい
る。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】表Aから分かるように本発明の化合物を用
いた色素固定要素は、比較例(R101〜105)に較
べマット面としての低い光沢性、表面が白くならない質
感、および転写画像上の白斑の出難さ、画像表面のぎら
つき感の全てを満足している事が判る。詳しく見ると、
比較例R102〜103は、表面保護層にマット剤を添
加した例で、マット剤の添加量が増加するにしたがって
表面に白く粉が覆った様な状態となり、画像上に白斑が
出ることが判る。また比較例R104〜105は支持体
と色素固定層の間にマット剤を添加した例で、添加量を
増やさなければ表面のぎらつき感が抑えられず、添加量
を増やすと画像上に白斑を生じることが判る。それに対
し、媒染剤層(色素固定層)より支持体と反対側に位置
し、かつ表面保護層でない層(第3層)にマット剤を添
加した場合(R106〜127)は、質感、転写性とも
に悪化させることなく、良好なマット面が得られること
が判る。その中では、粒径が小さいもの(R106)
や、添加量の少ないもの(R111)は、やや光沢度が
高くマット性が低下することが判る。逆に粒径が15μ
を越えるもの(R110)は、画像上に白斑が出ること
が判る。また添加量が極めて多いもの(R116)や、
層厚に対してマット剤の粒径が大きいものは表面に白く
粉が覆った様な状態となる。
【0055】実施例2 実施例1で作製した、色素固定要素R101から127
を富士写真フイルム(株)よりPICTRGRAPHY
3000 PG−DONOR PG−Dの名称で販売
されている感光材料と組み合わせ、同じくPICTRO
GRAPHY3000の名称で販売されているプリン
ターを用いて均一濃度の黒色プリントを得た。この画像
を実施例1と同様に評価を行ったところ表Aと同様の結
果を得た。
【0056】
【発明の効果】本発明の色素固定要素を用いると、マッ
ト面としての低い光沢性、表面が白くならない質感、お
よび転写画像上に白斑を生じにくく、かつ表面がぎらつ
かない良好なマット面画像を得ることができる事が判
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光要素と色素固定要素を別の支持体上
    に設け、両要素を重ね合わせ、拡散性の色素を転写する
    ことにより画像を形成する画像形成システムに用いられ
    る色素固定要素であって、該色素固定要素中の色素固定
    層より支持体から遠くに位置する層であって、かつ表面
    保護層以外の層にマット剤を含有することを特徴とする
    色素固定要素。
  2. 【請求項2】 請求項1の色素固定要素であって含有さ
    れるマット剤の実質的な平均粒径が2μm以上かつ15
    μm以下であることを特徴とする色素固定要素。
  3. 【請求項3】 請求項1の色素固定要素であって該マッ
    ト剤含有層のマット剤の塗布量が0.1g/m2以上3g
    /m2以下であることを特徴とする色素固定要素。
  4. 【請求項4】 請求項1の色素固定要素であって該マッ
    ト剤含有層の厚みが、マット剤の平均粒径の1/10以
    上1/2以下であることを特徴とする色素固定要素。
  5. 【請求項5】 請求項1の色素固定要素であって、更に
    色素固定層と支持体の間に位置する層にもマット剤を含
    有することを特徴とする色素固定要素。
JP12167393A 1993-05-12 1993-05-24 色素固定要素 Pending JPH06332132A (ja)

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