JPH063317A - 酵素電極の製造方法 - Google Patents

酵素電極の製造方法

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JPH063317A
JPH063317A JP4159412A JP15941292A JPH063317A JP H063317 A JPH063317 A JP H063317A JP 4159412 A JP4159412 A JP 4159412A JP 15941292 A JP15941292 A JP 15941292A JP H063317 A JPH063317 A JP H063317A
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Yoshihisa Kishimoto
芳久 岸本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性基体上に有機電荷移動錯体を形成し、
その上に酵素および電子メディエーターを含む層を形成
して酵素電極を製造する際に、酵素および電子メディエ
ーターを含む層の形成に印刷法を用いる。 【効果】 良好な応答性を有する酵素電極を低コストで
再現性良く製造できる。測定時の個々の電極の較正を必
要としないので、操作が簡易であり、糖尿病患者の在宅
自己血糖値測定等に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素電極の製造方法に
関し、特に、血液、尿等の体液成分中に含まれる微量の
生体基質の濃度測定等に用いるのに適した酵素電極の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酵素の優れた基質特異性を利用した分析
法が、臨床分析化学、食品製造、環境化学等の分野で注
目されている。とりわけ、臨床分析化学の分野では、従
来から、グルコース、尿素、尿酸などを選択的に検出し
うる酵素電極が知られている。
【0003】これら酵素電極は、一般には、電極と酵素
固定膜とから構成され、酵素反応による物質変化を電極
により電気信号の変化量として読み取ることにより、そ
の酵素が特異的に作用する基質の濃度を測定するもので
ある。例えば、グルコースセンサでは、下記式のように
酵素反応により生成または消費される過酸化水素、酸素
等の電極活性な物質を電極でモニターすることにより、
生体基質濃度を測定する。
【0004】
【化1】
【0005】ところが、このような原理に基づく酵素電
極には、次のような問題点がある。 上記式で明らかなように、基質が反応するためには、
化学量論的な酸素を必要とするが、実際の測定におい
て、例えばグルコースセンサで糖尿病患者の血中グルコ
ース濃度を測定する場合、体液中の溶存酸素量では不足
である。そのため、試料血液を希釈したり、何らかの方
法で酸素を補給するといった手段が講じられている。
【0006】過酸化水素を電気的にモニターする場
合、試料溶液中に過酸化水素と同様の電位で酸化される
物質、例えばアスコルビン酸のような還元性物質が存在
すると、測定電流にこれら妨害物質の酸化電流がうわの
せされ、測定誤差を生じる。そこで、これらの誤差を取
り除くため、酵素を固定していない電極を補償極として
補正したり、酸素、過酸化水素分子と、測定基質は透過
させるが、アスコルビン酸の如く電極活性な緩衝物質を
透過させないといった選択透過膜を装着する必要があっ
た。
【0007】このように、酵素反応に伴い生成あるいは
消費される物質の濃度を測定する原理に基づくセンサー
は、溶存酸素の影響および妨害物質の影響といった問題
を有している。また、酵素固定膜を酸素、過酸化水素電
極に装着するという形態を必要とするため、微小化にも
限界がある。
【0008】一方、これらの問題点を解決するため、導
電性高分子を利用した酵素電極、電子メディエーターを
利用した酵素電極が提案されている。前者は、ポリピロ
ール、ポリアニリン等の導電性高分子の電解重合時に、
酵素をモノマー溶液中に共存させ、重合時に重合膜中に
酵素を捕捉するか、あるいはあらかじめ重合した導電性
高分子膜上に公知方法により酵素固定膜を設けることに
より、導電性の酵素固定膜を得るものである。また、電
子メディエーターを利用した酵素電極は、カーボンペー
スト等の中にフェロセン類、ベンゾキノン、フェリシア
ン化イオン、N−メチルフェナジニウム等の電子メディ
エーターを封じ込め、カーボンペースト電極表面に酵素
を固定化し、適当な高分子膜で被覆したものである。
【0009】しかし、導電性高分子を利用して、酵素反
応に伴う電子移動を直接検知する酵素電極は、溶存酸素
の影響を受けないという利点はあるが、応答性が低く、
応答時間が長い等の問題がある。さらに、電解重合時に
重合膜中に酵素を捕捉するといった手法を取る場合は、
固定化される酵素量を制御することは難しく、また酵素
電極として利用する際、酵素の脱離による経時的な基質
応答性の低下は避けることができない。また、従来の電
子メディエーターを利用した酵素電極では導電度が低く
応答性、応答時間の点で不十分である他、電子メディエ
ーターをカーボンペースト中に分散させた形態をとるた
め、電子メディエーターの溶出、脱離に伴う経時的な応
答性の低下という問題を含んでいる。
【0010】そこで、本発明者は、これら従来の酵素電
極の欠点を解決するものとして、先に、導電性基体表面
に、有機電荷移動錯体結晶を含有する導電層を設けた酵
素電極を提案した (特願平2−24484 号) 。この酵素電
極は、酵素反応に伴う電子移動を直接検知する方式をと
ることにより、溶存酸素の影響を受けず、また妨害物質
の影響も少ないという利点に加え、経時安定性に優れ、
長期にわたり高精度な応答を与えることができるという
利点を有する。また、本発明者はこの酵素電極において
さらに改善を重ね、有機電荷移動錯体と電子メディエー
ターとを組み合わせることにより、酵素反応に伴う電子
移動を効率的に行い、より応答性を向上させることも提
案した (特願平3−7908号、特願平3−86884 号) 。
【0011】ところで、酵素電極を用いるバイオセンサ
の具体的な用途として、例えば近年増加傾向にある糖尿
病患者の在宅自己血糖値測定を考えた場合、バイオセン
サの低コスト化と、簡易操作性が必要となる。従来の酵
素電極は、いずれもバッチ式あるいはフロー式の形態を
取るため装置が大がかりになり、高コストになるため、
在宅使用には不向きであるのみならず、酵素電極製造時
の個々の電極再現性が不十分なため、測定毎に較正を必
要とし、その結果操作が煩雑になるという問題があっ
た。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低コスト
で、再現性に優れた酵素電極を製造する方法を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、有機電荷
移動錯体を電極材料として利用する酵素電極において、
ポリマー厚膜技術を用いて、印刷塗布の技術を利用する
ことにより、酵素の近傍に酸化型電子メディエーターを
再現性良く配置できることを見い出し本発明を完成させ
た。
【0014】本発明の要旨は、(A) 導電性基体上に有機
電荷移動錯体を形成する工程、(B)該電荷移動錯体上に
酵素および電子メディエーターを含む層を形成する工程
からなる酵素電極製造方法において、(B) 工程の一部あ
るいは全部を印刷法により行うことを特徴とする、酵素
電極の製造方法、である。本発明方法の好適態様には以
下の場合がある。
【0015】(B) 工程が、(1) 前記電荷移動錯体上に
酵素を塗布する工程、(2) その上に還元型メディエータ
ーを含む組成物を塗布する工程、および(3) 該還元型メ
ディエーターの一部あるいは全部を酸化型に変化させる
工程を含む。 (B) 工程が、(1) 前記電荷移動錯体上に酵素を塗布す
る工程、および(2) その上に、少なくとも酸化型メディ
エーターを含む組成物を塗布する工程を含む。 (B) 工程が、前記電荷移動錯体上に少なくとも酵素お
よび酸化型メディエーターを含む組成物を塗布する工程
を含む。
【0016】本発明者らは、有機電荷移動錯体を電極材
料として利用する酵素電極の近傍に対極を配置した微小
化バイオセンサについても提案している。このバイオセ
ンサは試料の希釈、攪拌が必要なく、微量の試料であっ
ても精度よく測定できる。本発明製造方法をこの微小化
バイオセンサに適用すれば、試料の希釈、攪拌の必要が
なく、微量の試料でも直接滴下して測定しうるバイオセ
ンサが、再現性よく低コストで製造しうる。
【0017】
【作用】有機電荷移動錯体と電子メディエーターを組み
合わせた酵素電極では、検出される応答電流の大部分
は、以下の反応スキームに従い、基質濃度を定量できる
ものと考えられる。ここでは、有機電子受容体としてテ
トラシアノキノジメタン (以下、TCNQと称する) を用い
た酸化酵素の場合を示す。
【0018】
【化2】
【0019】 Enz(ox) : 酵素 (酸化型) Enz(red) : 〃 (還元型) Med(red) : 還元型メディエーター Med(ox) : 酸化型 〃 本発明の酵素電極製造方法は、少なくとも、(A) 導電性
基体上に有機電荷移動錯体を形成する工程と、(B) 酵素
およびメディエーターを塗布する工程からなる。導電性
基体上に有機電荷移動錯体を形成するには、有機電荷移
動錯体を導電性基体表面に直接形成することが好まし
い。例えば、以下に示す方法により、厚さ方向に該錯体
結晶を成長させて容易に得ることができ、厚さ方向に良
好な導電性をもたせることができる。
【0020】導電性基体としては、銅、銀、白金、金等
の金属やカーボン電極の他、これらの導電性材料からな
る導電層を蒸着等の手段により表面に設けた基体、ある
いはこれらの導電性材料の粉末を含有するペーストから
作成した基体等が使用できる。ここで、有機電荷移動錯
体 (以下、有機CT錯体と称する) とは、有機電子受容体
と電子供与体とから、両者の間の電荷移動反応に伴い形
成される化合物である。
【0021】この有機CT錯体の形成に用いる有機電子受
容体としては、特に制限されないが、シアノメチレン官
能基を有する化合物が好ましく、中でもジシアノメチレ
ン官能基と、キノンあるいはナフトキノン骨格とを有す
る化合物が好適である。このうちでも特に、7,7',8,8'-
テトラシアノキノジメタン (TCNQ)はCT錯体形成能が強
く、得られる有機CT錯体の電気伝導度が高いため応答時
間、応答性で有利である。また商業的にも比較的入手が
容易であることから好適である。
【0022】有機CT錯体の形成に用いる電子供与体とし
ては、使用する有機電子受容体と、導電性を有するCT錯
体を形成しうるものであれば、特に制限されるものでは
なく、有機、無機のいずれでもさしつかえない。具体的
には、無機材料としては銅、銀、コバルト、ニッケル、
鉄、マンガンなど、また有機材料としては、テトラチア
フルバレン、テトラセレノフルバレン等のテトラセン
類、及びその誘導体、あるいは 2,2'-ビスピリジニウ
ム、N-メチルフェナジニウム等、公知の電子供与体を使
用することができる。
【0023】有機CT錯体結晶を成長させるには、液相お
よび気相中での公知の方法を使用できる。液相中で有機
CT錯体結晶を成長させる方法には例えば以下の方法があ
る。まず、基体表面に電子供与体層を設けたものか、あ
るいは電子供与体としても機能する銅板等の基体の一部
ないしは全部を、有機電子受容体を含有する溶液と接触
させる。これにより、溶液中の有機CT錯体電子受容体
は、基体の表面を構成する電子供与体との間でCT錯体化
反応を起こし、錯体が成長する。
【0024】有機電子受容体含有溶液の調製に使用する
溶媒としては、極性のある非プロトン溶剤、例えばアセ
トニトリル、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、
メチルエチルケトン等が好適である。この溶液における
有機電子受容体の濃度は、溶剤100 重量部に対して通常
0.01重量部〜飽和濃度、好ましくは0.1 重量部〜飽和濃
度が適当である。
【0025】有機CT錯体の形成は、通常、10〜30℃の温
度で行うが、用いる有機電子受容体と基体表面の電子供
与体の組み合わせによっては、CT錯体化反応が急激に進
み、緻密で均一な目的層が得にくい場合がある。そのよ
うな場合は、必要に応じて溶液、基体、雰囲気温度を下
げたり、溶液の濃度を低くすればよい。また逆に、錯体
化反応が遅く、有機CT錯体結晶が必要な厚みに成長する
のに長時間を要する場合は、必要に応じて、加熱するこ
とができる。有機電子受容体含有溶液の接触時間は、用
いる有機電子受容体と電子供与体との組み合わせや目的
とする導電層の厚みに大きく依存するが、一般に10秒か
ら1時間程度である。
【0026】気相成長法としては一般に真空蒸着法を用
いることができる。まず、基体表面に電子供与体層を設
けたものか、あるいは電子供与体としても機能する銅板
等を、減圧下(1×10-3〜1×10-7Torr) に設置し、錯
体結晶を成長させたい部分を適当な温度 (100 〜300
℃) に加熱保持する。次に、電子受容体を徐々に加熱
し、気化させる。これにより、基体表面に到達した電子
受容体分子と、基体表面の電子供与体との錯体化反応に
より錯体が成長する。この際、導電層の厚みは基体温
度、電子受容体の気化速度等により容易に制御すること
ができる。
【0027】ところで、前述の反応スキームから明らか
なように、酵素反応に伴う電子移動過程において、電気
化学的に中性の電子受容体(TCNQ0) が必要となってく
る。そこで、導電性基体上に有機電荷移動錯体を形成す
る工程で、中性の電子受容体を存在させることにより、
より効率的に電子移動を行わせることが可能となる。こ
のためには、液相中で作製する場合は、中性の電子受容
体を含む溶液の塗布、乾燥を繰り返すことで、容易に、
強制的に中性の電子受容体を存在させることができる。
また、気相中で作製する場合には、導電性電荷移動錯体
を形成した後、加熱せずにさらに電子受容体を蒸着させ
ることにより、中性の電子受容体を存在させることが可
能である。
【0028】上記のように液相法あるいは気相法により
作成した有機CT錯体は、一般に微細な針状結晶となり、
基板面に対して垂直方向に成長する。この有機CT錯体か
らなる導電層の厚みは特に制限されるものではないが、
通常0.01〜50μmの範囲であり、好ましくは0.1 〜10μ
mである。
【0029】このように、導電層はその厚み方向に成長
した微細な針状結晶からなるため、導電層の表面は微細
な凹凸を有する構造となる。従って、後述の酵素や電子
メディエーターの固定化の際には、酵素や電子メディエ
ーターをこの微細な凹部に捕捉することにより、それら
の固定化が容易となる。また、微細な針状結晶であるた
め電極部の実際の表面積を広くとることができ、その結
果、酵素および電子メディエーターの固定化量を増大さ
せ、酵素電極の出力として得られる電流密度を大きくす
ることが可能となる。
【0030】この導電層の厚みが上記範囲以下で薄すぎ
る場合、充分な表面積を得ることができず、その結果出
力電流値が小さくなる。また、逆に上記範囲を超えて厚
すぎる場合は、導電層自体の抵抗値が大きくなる。従っ
て、酵素電極として使用する場合、電圧印加の際、電極
表面での電圧降下を起こすことになる。また、この有機
CT錯体自体、力学的な強度は大きくないため、厚すぎる
と構造的な欠陥を生じやすくなる。
【0031】次に、酵素および電子メディエーターを含
む層の形成方法について述べる。第一の好適態様は、
(1) 酵素を塗布する工程、(2) 還元型メディエーターを
含む組成物を塗布する工程、(3) 還元型メディエーター
の一部あるいは全部を酸化型に変化させる工程からな
る。
【0032】酵素は、公知の共有結合法、イオン結合
法、吸着法、包括法、架橋法等を用いて有機電荷移動錯
体上に存在させることも可能であるが、酵素を含有する
水溶液等を有機電荷移動錯体上に塗布する方法が簡便で
好適である。具体的には、例えば単純にピペット等で酵
素溶液を所定量滴下してもよいが、再現性の点からは、
スクリーン印刷法、オフセット印刷法、インクジェット
法等の公知の印刷技術を用いることにより、一定面積に
一定量塗布することが可能であり、より好適である。印
刷法による場合は、酵素を、水あるいは有機溶剤中に溶
解もしくは分散させ、必要に応じ水溶性あるいは水不溶
性高分子を添加することにより、印刷上必要な粘度範囲
に調整することができる。
【0033】用いる酵素は、対象とする物質や目的とす
る化学反応に応じ、酵素の基質特異性及び反応特異性を
考慮して適宜選択することができる。使用しうる酵素
は、特に制限されないが、例えばグルコースオキシダー
ゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ペルオキシダーゼ、
カタラーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、ガラクトースオキ
シダーゼ、ペニシリナーゼ等が挙げられる。また、酸化
還元酵素と補酵素との組み合わせも可能である。
【0034】次に、還元型メディエーターを含む層を形
成することにより、上記酵素の近傍にメディエーターを
配置する。使用する電子メディエーターは、酵素反応に
伴う電子移動を効率よく行うことができる、すなわち、
酵素から有機CT錯体への電子移動をスムーズに行わせる
ものであればよい。例えば、酸化酵素により基質を酸化
する反応の場合は、還元型となった酵素から容易に電子
を受取り、電子メディエーター自身は還元型となり、か
つ導電層表面での電極反応により電子を電極へ供与し、
酸化型に戻る性質を有するものである。このような電子
メディエーターとしては、フェロセン、1,1'- ジメチル
フェロセン、フェロセンカルボン酸、フェロセンカルボ
キシアルデヒド等のフェロセン誘導体、ハイドロキノ
ン、クロラニル、ブロマニル等のキノン類、フェリシア
ンイオン、オクタシアノタングステン酸イオン、オクタ
シアノモリブデン酸イオン等の金属錯体イオン等が好適
である。
【0035】これらの電子メディエーターの塗布は、通
常溶液状態で行うが、フェロセン誘導体を例にとると、
還元状態では数多くの有機溶剤に易溶であるが、酸化状
態では有機溶剤に難溶となることが多い。そのため水不
溶性高分子を用いて固定化しようとする場合、溶液中に
おいて還元状態では分子分散状態となり、酸化状態では
粒子分散状態となる。酵素からの電子移動をスムーズに
行わせるには、酵素の酸化還元部位のより近傍にメディ
エーターを配置することが重要となる。このよういな観
点からは電子メディエーターを分子分散状態で塗布する
ことが望ましい。
【0036】還元型メディエーターの塗布は、上記還元
型電子メディエーターと、水不溶性高分子とを適当な溶
剤に溶解させた組成物を作製し、印刷塗布する方法によ
る。ここで、還元型メディエーターの使用量は、水不溶
性高分子100 重量部に対し、2 通常20重量部から300 重
量部、好ましくは50重量部から200 重量部の範囲であ
る。20重量部未満では、メディエーター量が不足して、
充分に電子伝達を行わせることができない。また、300
重量部超では高分子の量が不足し、塗布工程において均
一な膜が得がたいだけでなく、内部に存在する酸素ある
いはメディエーターの溶出を引き起こすことになる。
【0037】還元型メディエーターを含む上記組成物を
公知の塗布方法により必要部位に印刷する。塗布方法
は、特に限定されるものではないが、得られる酵素電極
の製造再現性の観点からスクリーン印刷法が好適であ
る。印刷、塗布後、乾燥して有機溶剤を留去することに
より還元型メディエーターを含む層が得られる。還元型
メディエーターを含む層の厚みは通常、0.01〜50μm 、
好ましくは0.1 〜5μm 程度である。0.01μm 未満で
は、必要なメディエーター量を存在せしめることが難し
く、また均一に塗布することも難しい。また逆に50μm
を超えると、メディエーター層の厚みが増すことによ
り、測定中、基質の拡散の妨げになり、その結果、感度
の低下あるいは応答の直線性が劣る。
【0038】なお、酵素の塗布あるいは還元型メディエ
ーターの塗布に使用する水不溶性高分子としては、容易
に均一に成膜することができ、酵素や電子メディエータ
ーを均一に分散固定し、かつ酵素電極として使用する
際、試料溶液中で溶解、膨潤して酵素、電子メディエー
ターの溶出による出力の低下を招くことのないものであ
れば限定されることなく使用できる。さらに、導電層中
にピンホールが生じていると、酵素電極として使用する
際、基体あるいは電子供与体の使用溶液中への溶出の可
能性があるが、水不溶性高分子層はピンホール部を覆う
ことにより溶出を防止する。
【0039】このような水不溶性高分子には、ポリビニ
ルブチラール、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステ
ルアミド等の熱可塑性ポリマーが例示でき、これらの1
種または2種以上を使用することができる。酵素、電子
メディエーターの固定方法に応じ、また基質の拡散性等
を考慮して適宜ポリマーを選択することができるが、例
えばポリマービニルブチラールは水不溶性でありながら
親水性、吸水性を有し、しかも非常にミクロなポアを有
するため好適である。
【0040】前記還元型メディエーターの一部あるいは
全部を酸化型に変化させる工程は、前記メディエーター
層に中性の電子受容体を接解させ、メディエーター層内
に酸化型メディエーターを析出させる工程である。用い
る電子受容体としては、使用している還元型メディエー
ターとすみやかに酸化還元反応を起こし、自身は電子を
受け取り、メディエーターを酸化型に変える性質を有
し、かつ還元型メディエーター層内へ拡散、浸透させる
能力があれば、特に限定されるものではない。このよう
な観点から、前述の導電性基体上に有機電荷移動錯体を
形成する工程において例示した電子受容体の他、ヨウ
素、臭素等のハロゲン類等の無機電子受容体も使用でき
る。
【0041】通常、これらの電子受容体は適当な溶剤に
溶解して、還元型メディエーター層上に塗布、印刷す
る。このとき用いる溶剤は、電子受容体に対して溶解力
を有し、かつ還元型メディエーター層を構成する高分子
に対しては溶解性が小さく、高分子層の構造を著しく乱
すことがないものであればよい。電子受容体とその溶剤
としては、例えば、高分子としてポリビニルブチラール
を用い、メディエーターとしてフェロセン誘導体を用い
た場合、電子受容体としてTCNQ、その溶剤としてアセト
ニトリル等のニトリル系溶剤が上記特性を有し好適であ
る。
【0042】電子受容体を含む溶液は、通常0.01重量%
〜飽和濃度、好ましくは0.05〜飽和濃度に調整される。
この濃度範囲未満では、還元型メディエーターを十分酸
化型に変えることができず、また、この濃度範囲を超え
ると、必要以上に中性の電子受容体が酵素電極表面に存
在することになり、基質拡散の妨げになることがある。
電子受容体を含む溶液の塗布方法は、簡易にピペット等
で滴下する方法の他、スクリーン印刷、オフセット印
刷、インクジェット法等の方法を採用することができ
る。また、印刷方法によっては、必要な粘度に調整する
ために高分子化合物を添加することも可能である。電子
受容体の塗布は、通常室温で行えるが、還元型メディエ
ーターのとの反応が著しく遅い場合必要に応じ加熱した
り、逆にその反応が非常に速い場合には同様に冷却した
りして、その速度を調整することが可能である。
【0043】第二の好適態様では、有機CT錯体上に酵素
を塗布し、次いで、少なくとも酸化型メディエーターを
含む層を形成する。この方法は、前述の第2の工程と、
第3の工程を1工程にしたものである。すなわち、予め
酸化型にしたメディエーターを含む組成物を用いる。一
般に製造工程が増えるに従い、製造ロット間、ロット内
の特性のバラツキは増大する。従って、製造時の再現性
を向上させるには、工程数を減らすことが一つの改良策
となる。このような観点から、この方法は有利である。
【0044】この方法において酵素を塗布する方法は、
前述の第一の好適態様の方法と同様である。また、この
方法における酸化型メディエーターを含む層は、通常、
高分子成分を含む。酸化型メディエーターとしては、前
述の還元型電子メディエーターを電子受容体との酸化還
元反応により予め酸化型としたものである。また、高分
子成分としては、前述のポリビニルブチラール等の不水
溶性高分子を使用できる他、使い捨てにするような場合
には、水溶性高分子を用いることも可能である。
【0045】これら酸化型メディエーターおよび高分子
成分は、適当な溶剤に溶解もしくは分散させて、塗布用
の組成物とすることができる。この時用いる溶剤は、高
分子成分を溶解させることが可能であれば、特に制限さ
れるものではない。組成物中の酸化型メディエーターの
含有量は、通常、高分子成分 100重量部に対して、20重
量部から 300重量部、好ましくは50重量部から200 重量
部が望ましい。これは、20重量部未満ではメディエータ
ー量が不足して充分に電子伝達を行うことができず、ま
た逆に300 重量部を超えると、高分子成分の量が不足
し、塗布工程において均一な膜が得難いのみならず、内
部に存在する酵素、メディエーターの溶出を引き起こす
ことがあるためである。用いる溶剤量は、塗布方法に必
要な粘度を確保するため、適宜調整することができる。
【0046】この他、上記組成物中に、前述の反応スキ
ーム中で必要とされる中性電子受容体(TCNQ0) を5〜50
重量%程度含有させ、同時に塗布することにより、酵素
反応に伴う電子移動をより効果的に捕らえることも可能
である。さらに、分散剤等の添加剤を加えてもよい。上
記組成物の調製は、乳バチ、三本ロール、ニーダー、ミ
キサー等の適当な混練方法により行い、均一に分散した
組成物とすることができる。
【0047】塗布方法は、前述の如く公知の方法が適用
できるが、製造の再現性、大量生産性の観点から、スク
リーン印刷法が好適である。このようにして塗布後、加
熱、乾燥等で溶剤を留去し、酸化型メディエーターを含
有する層を得る。酸化型メディエーターを含む層の厚み
は、通常0.01〜50μm 、好ましくは0.1 〜5μm 程度で
ある。0.01μm 未満では、必要なメディエーター量を存
在せしめることが難しく、また均一に塗布することも難
しい。また逆に50μm を超えると、基質の拡散の妨げと
なる。
【0048】第三の好適態様は、第二の態様における第
1の工程と、第2の工程を1工程にしたものである。す
なわち、酵素と予め酸化型にしたメディエーターを含む
組成物を、有機CT上に塗布する。このように、工程数を
減少させることは製造の安定性に好都合である。
【0049】ここで使用する組成物は、前述の第二の方
法における、酸化型メディエーターを含有する組成物に
酵素を添加することにより容易に得られる。酵素の添加
量は、前述の酸化型メディエーターを含有する組成物10
0 重量部に対して、1重量部〜50重量部、好ましくは5
重量部〜30重量部である。1重量部未満では、層中に存
在する酵素量が少なく充分な基質応答が得られず、また
50重量部を超えると相対的にメディエーター量が不足し
て応答の直線性が低下する。ここで用いる組成物は、第
二の方法において記載したのと同様の配合方法、塗布法
を使用して、酵素および酸化型メディエーターを含む層
を形成することができる。
【0050】以上説明したような本発明の方法によれ
ば、酵素電極を再現性よく、低コストで製造しうる。こ
の酵素電極は製造時のばらつきが小さいため、測定時に
個々の電極の較正をする必要がなく、在宅での自己血糖
値測定等に簡便に使用できる。
【0051】本発明方法によって得られる酵素電極は、
有機CT錯体に酵素と酸化型メディエーターを直接接触さ
せた構造であり、従来の過酸化水素電極、酸素電極等に
比べ構造的に簡単であり、小型化が可能である。また、
有機CT錯体結晶からなる導電層は、酵素との間で電子移
動が容易であるのみならず、従来電子メディエーターと
して使用されていたフェロセン類等と比較して、その結
晶層の電気伝導度は著しく大きい。これは、これら有機
CT錯体が発達した針状結晶を構成するため、同じ含有量
でも膜中の導電パス数が多くなり、電子移動に有効に寄
与するためと考えられる。また、導電層表面に電子メデ
ィエーターが固定化されているため、有機CT錯体と酵素
が接触しているにもかかわらず構造的に電子移動が起こ
りにくい部分においても、スムーズな電子移動性を確保
し、応答性を向上させることが可能となる。また、有機
CT錯体結晶を導電性基体上に直接成長させると、針状結
晶の微細な凹凸表面が得られるため、導電層に直接接触
する酵素や電子メディエーターの量を多くすることがで
き、酵素電極の応答性をより一層高めることができる。
【0052】本発明方法により得られた酵素電極を測定
極とし近傍に対極を設けて、例えば図1に示すようなセ
ンサとする、あるいはさらに補償極をまとめて1個のセ
ンサとすることができ、微小化することも容易である。
このようなセンサでは、測定極と対極、あるいはさらに
補償極を試料で覆えば測定できるので、微量の試料でも
センサに直接滴下する等の方法で測定が容易である。こ
こで補償極とは、目的の酵素反応以外の電気化学的副反
応や吸着による影響を防止するために設ける、測定極と
同程度の抵抗を有する電極である。
【0053】なお、上記のようなバイオセンサを用いた
測定では、参照電極を使用せずに行うことが可能であ
る。このような場合、対極の面積は測定極の面積の2倍
以上、好ましくは10倍以上であることが望ましい。これ
は、測定時に印加する電位差が主に測定極にかかるよう
にすることにより、高精度に定量するためである。
【0054】上記バイオセンサに電位を印加して酵素反
応による応答電流を測定する際は、パルス電位を印加す
るのが好ましい。定常状態電流の印加では、電極の表面
状態が目的以外の電気化学反応等により変化するので、
測定誤差を生じやすくなる。パルス電位を印加すれば、
このような電極の劣化を極力低減でき、安定化時間が短
いことからも好適である。また、補償極を設けたバイオ
センサを用いた測定では、測定極と対極、および補償極
と対極との間に連続して、あるいは同時に所定の電位を
印加し、それにより両電極間を流れる電流値を測定し、
両者の間の電流値の差を酵素反応による応答電流として
定量することができる。
【0055】本発明方法による酵素電極を使用したバイ
オセンサでは、グルコース等の糖分、乳酸、アルコール
等の血液や尿中の微量生体物質や、食品加工プロセスに
おける糖分、アルコール分等を測定しうる。
【0056】従来のバイオセンサでは、測定時、希釈、
攪拌する必要があったが、上記のような微小化バイオセ
ンサでは、試料を希釈、攪拌することなくそのまま測定
でき、しかも上記のような物質を選択的に高精度で、し
かも長期にわたって繰り返し分析することが可能であ
る。
【0057】
【実施例】
【0058】
【実施例1】銅張りガラスエポキシ基板 (松下電工製R
−1701) をエッチングして図1に示す形状の、測定極部
(直径1.5 mm) および対極部を形成し、さらに全面を電
解銀めっきして電極とした。次に、電極部以外をエポキ
シ樹脂塗料をスクリーン印刷してモールドした。対極部
は、0.1M塩酸中で0.4mA/cm-2の電流密度で2分間アノー
ド分極させ、表面に塩化銀を析出させた。
【0059】7,7',8,8'-テトラシアノキノジメタン (試
薬、キシダ化学製、以下TCNQと略す) 1.0gをアセトニト
リル (試薬、スペクトル用) 10mg中に加えてTCNQの飽和
溶液を調製した。このTCNQ飽和溶液中を2μl 測り取
り、室温下で上記電極の測定極部に滴下、自然乾燥し
た。この操作を計5回繰り返し、測定極部の全面に濃紫
色の微細な針状結晶を有する有機CT錯体薄膜を得た。
【0060】グリコースオキシダーゼ (Aspergillus ni
ger 由来、Sigma 社製、TypeVII)40mgを1mlの100mM リ
ン酸緩衝液 (pH 7.0) に溶解した後、4μl を測り取
り、上記測定極部に塗布風乾した。
【0061】ポリビニルブチラール樹脂〔商品名: エス
レックB、BX−L 、積水化学工業(株)製〕1.0 g、お
よび1,1'- ジメチルフェロセン [試薬、東京化成 (株)
製]1.0 gをエチルカルビトール2.5 gに溶解して還元
型メディエーターを含有する組成物とした。この組成物
をスクリーン印刷機を用いて前記測定極部に印刷した
後、80℃中10分間乾燥して約3μm の厚みを有する還元
型メディエーターを含有する層を形成した。
【0062】次に、前出のTCNQ溶液を1μl 測り取り、
上記測定極上に塗布、風乾させた後、純水で洗浄し、酵
素電極とした。図2に示す各グルコース濃度のヒト血清
20μl を上記電極系上に滴下し、測定極および対極の全
面を試料液で覆った。そのまま室温で1分間放置した
後、対極に対して、0.25V のパルス電位を測定極に印加
して、電位印加2秒後の電流値を測定することにより図
2に示す各グルコース濃度に対する応答電流を測定し
た。
【0063】この操作を同様にして作製した合計10個の
電極について測定した結果、10個の電極の平均値、およ
びその最大、最小を含めたばらつきの範囲を図2に示
す。このように、グルコース濃度30mM程度まで良好な直
線関係が得られ、かつ10個の電極のばらつきも少ない。
【0064】
【実施例2】実施例1と同様に導電性有機電荷移動錯体
薄膜を得た後、同様に酵素溶液を塗布した。TCNQ 5.0g
を300 mlのアセトン中に室温で懸濁させ、TCNQと当量の
ジメチルフェロセンのアセトン溶液を徐々に滴下し、さ
らに2時間攪拌した後、濾過、乾燥してジメチルフェロ
セン−TCNQ錯体を得た。
【0065】ポリビニルブチラール樹脂 1.0g、上記ジ
メチルフェロセン−TCNQ錯体を0.7g、TCNQを 0.3g測
り取り、2.5 gのエチルカルビトールを加え、乳鉢で良
く混練して酸化型メディエーターを含有する組成物を作
製した。これを実施例1と同様にして、スクリーン印刷
法により、測定極部上に印刷、乾燥して、厚み約4μm
の酸化型メディエーターを含有する層を作製し、酵素電
極とした。
【0066】次に、実施例1と同様にして10個の電極に
ついて測定した結果を図2に示す。このように、グルコ
ース濃度30mM程度まで良好な直線性が得られたのみなら
ず、実施例1に比較して、工程数が減少したことにより
10個の電極間のばらつきは減少した。
【0067】
【実施例3】実施例2で作製した酸化型メディエーター
を含む組成物 4.5gに 1.0gのグルコースオキシダーゼ
を混合し、三本ロールにより混練し、酵素および酸化型
メディエーターを含む組成物とした。
【0068】このようにして得られた組成物を、実施例
1と同様にして作製した導電性有機電荷移動錯体薄膜上
に、同様にスクリーン印刷法により測定極部に印刷塗
布、乾燥することにより、厚み約5μm の酵素および酸
化型メディエーターを含む層を形成し、酵素電極とし
た。
【0069】次に、実施例1と同様にして10個の電極に
ついて測定した結果を図2に示す。このように、グルコ
ース濃度30mM程度まで良好な直線性が得られたのみなら
ず、実施例1、2に比較して、さらに工程数が減少した
ことにより10個の電極間のばらつきは著しく減少した。
【0070】
【発明の効果】本発明方法によれば、血清等の生体試料
に対しても高基質濃度まで良好な応答を有する酵素電極
を、再現性よく製造することができる。得られる酵素電
極は製造時のばらつきが小さいので、測定時の個々の電
極の較正も必要としない簡便な操作で使用できる。ま
た、低コストでの製造、大量生産が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において製造したバイオセンサの一例を
示す図である。
【図2】実施例1〜3で測定したグルコース濃度と応答
電流の関係を示す図である。
【符号の説明】
1:測定極 2:対極 3:エポキシ樹脂 4:測定極端子 5:対極端子 6:ガラスエポキシ基板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 導電性基体上に有機電荷移動錯体を
    形成する工程、および(B) 該電荷移動錯体上に酵素およ
    び電子メディエーターを含む層を形成する工程からなる
    酵素電極製造方法において、(B) 工程の一部あるいは全
    部を印刷法により行うことを特徴とする、酵素電極の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 (B) 工程が、(1) 前記電荷移動錯体上に
    酵素を塗布する工程、(2) その上に還元型メディエータ
    ーを含む組成物を塗布する工程、および(3)該還元型メ
    ディエーターの一部あるいは全部を酸化型に変化させる
    工程を含む、請求項1記載の酵素電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 (B) 工程が、(1) 前記電荷移動錯体上に
    酵素を塗布する工程、および(2) その上に、少なくとも
    酸化型メディエーターを含む組成物を塗布する工程を含
    む、請求項1記載の酵素電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 (B) 工程が、前記電荷移動錯体上に少な
    くとも酵素および酸化型メディエーターを含む組成物を
    塗布する工程を含む、請求項1記載の酵素電極の製造方
    法。
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