JPH06323789A - 赤外線放射抑制体 - Google Patents

赤外線放射抑制体

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JPH06323789A
JPH06323789A JP5112978A JP11297893A JPH06323789A JP H06323789 A JPH06323789 A JP H06323789A JP 5112978 A JP5112978 A JP 5112978A JP 11297893 A JP11297893 A JP 11297893A JP H06323789 A JPH06323789 A JP H06323789A
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infrared
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 赤外線誘導攻撃の目標となる車両、船舶、飛
行機その他の防衛用装備品の外表面から発する赤外線放
射を抑制する赤外線放射抑制体を提供する。 【構成】 基板1の表面に電波を透過する半導体層と誘
電体層の積層膜が形成され、該積層膜は赤外線を反射す
る多層膜2からなる赤外線反射膜部分と、可視光の特定
の波長の光を所望の反射率で反射するチタニア層3、二
酸化ケイ素層4などからなる可視光反射膜部分とからな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は赤外線放射抑制体に関す
る。さらに詳しくは、レーダ施設または防衛用装備品の
外面から放射される赤外線を抑制すると共に、電波を透
過または吸収する赤外線放射抑制体に関する。
【0002】ここに電波とは、赤外線より周波数が低
く、電気通信に用いられる電磁波をいう。
【0003】
【従来の技術】戦車、装甲車、軍用トラック、ヘリコプ
タ、船舶、地上レーダ施設などの防衛用装備品または防
衛施設は、動力発生部、冷却装置または空調機器などの
熱源から外方に向けて多量の赤外線を放射する。このよ
うな装備品または施設は赤外線を感知しながら目標物を
追尾するミサイルまたは砲弾に容易に捕捉され、攻撃さ
れやすい。したがって、従来よりこのような攻撃から前
記装備品または施設を隠蔽し、防御し、戦術的効果を高
めるために、種々の手段が提案されている。
【0004】たとえば、赤外線を感知しながら目標物を
追尾するミサイルなどの飛翔体からの捕捉を回避するよ
うにした技術に関連するものとして、特開昭52−54
299号公報記載の「赤外線誘導被弾防護装置」に示さ
れるように、擬似熱源を曳航するもの、または特開昭5
7−65600号公報記載の「隠蔽装置」に示されるよ
うに、水を霧化し、拡散することによって水粒子からな
る煙幕をはるものなどが考えられている。しかし、装置
が大型で、かつ、複雑となり必ずしも実用に適するもの
ではない。また特開昭56−116583号公報および
特開昭57−209490号公報記載の「船舶の赤外線
放射低減装置」に示されるように、赤外線吸収板を熱源
に対し所要の間隔をあけて配置するもの、または該吸収
板を水冷するものが提案されているが、これらの方法は
熱源からの赤外線を遮蔽できても、吸収板自体からの赤
外線放射を抑制することはできず、これを抑制するた
め、吸収板を常に空冷、水冷などにより強制的に冷却し
なければならず、実用上大きな問題がある。
【0005】一方、キルヒホッフの法則によれば、不透
明体の放射率εは、反射率をRとしてε=1−Rで表さ
れ、反射率Rの大きい赤外線の反射体は赤外線の放射率
εが小さいことを示唆している。そのため、赤外線の放
射を遮断するためには、赤外線の反射体を用いるのが望
ましい。しかしアルミニウムミラーや金ミラーのような
赤外線の反射体は同時に可視光についてもこれをよく反
射する。したがって、これらの材料だけで車両外面を覆
ったばあいは、赤外線の放射についてはこれを確実に抑
制できるが、可視光の反射光によって視認されてしまう
という問題がある。
【0006】この問題を改善するために、たとえば吉田
卓史による「太陽熱コレクター用選択吸収面」応用物理
第45巻第5号に示されるように、Al−Ge−SiO
の3層構造にすることによって赤外線の反射率が高く、
可視光の反射率を低くすることができるため、このよう
な「金属/可視光に対し不透明な半導体/誘電体膜」の
積層構造の材料、膜厚、各層数などを調整することによ
って、赤外線では反射率が高く、かつ可視光の反射光を
緑色または青色などの視認しにくい、カムフラージュ性
の高い色にすることができる。この材料によって防衛装
備品を覆うことにより視認されにくく、しかも赤外線の
放射を抑制することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記積層体は
金属層を含むことから電波の通過性がないため、地上レ
ーダ施設や航空機などのレーダドームや、レーダアンテ
ナの前面パネルなどに使うことができないという問題が
ある。
【0008】また、この金属層は電波を反射することか
ら、赤外線の放射を抑制できても、レーダによる探知装
置に対しては、何らの改善を与えるものでない。
【0009】本発明は、かかる問題を解消するためにな
されたもので、防衛装備品からの赤外線放射を抑制でき
るとともに、電波を透過しまたは電波を吸収する機能を
有する赤外線放射抑制体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の赤外線放射抑制
体は、基板の表面に電波を透過する半導体層と誘電体層
の積層膜が形成され、該積層膜は赤外線を反射する赤外
線反射膜部分と、可視光の特定の波長の光を所望の反射
率で反射する可視光反射膜部分とからなるものである。
【0011】前記基板が電波を吸収しないで透過させる
誘電体材料から形成されれば、レーダドームやアンテナ
前面に設けることができ、敵からの捕捉を免れると共に
レーダを稼働することができる。
【0012】また、前記基板が電波吸収体からなってい
れば、車両、航空機、船舶などのエンジン部など高温に
なって赤外線を放射する部分を有する移動物体の赤外線
放射部分の表面に設けることにより、赤外線の放射を抑
制すると共に、レーダなどからの電波の反射を防止でき
るため、赤外線およびレーダの両方による敵からの捕捉
を免れることができる。
【0013】前記赤外線反射膜部分の積層膜は反射した
い赤外線の波長をλとして高屈折率物質からなる光学的
膜厚λ/4の半導体層と低屈折率物質からなる光学的膜
厚λ/4の誘電体層とが交互に積層されて形成されてい
ることが、所望の波長λの赤外線の反射率を向上させる
点から好ましい。
【0014】前記赤外線反射膜部分の積層膜の各層の光
学的膜厚が、3〜5μmの波長および/または8〜13μ
mの波長に対して設定されていることが、捕捉に使用さ
れる赤外線の放射を効率よく防止できる点から好まし
い。
【0015】また、前記可視光反射膜部分が、可視光に
対して不透明となる半導体層上に特定の波長の可視光を
反射する誘電体層が設けられて形成されていることが、
可視光の特定の波長の光を反射させる点から好ましい。
【0016】本発明によるレーダドームは、該レーダド
ームの少なくとも外表面またはその近傍に請求項2記載
の赤外線放射抑制体が設けられているものである。
【0017】前記赤外線放射抑制体の表面に少なくとも
2種類の迷彩色からなる反射光領域が設けられているこ
とが、肉眼による視認を防止し、カムフラージュする点
から好ましい。
【0018】また、本発明による移動物体は、赤外線を
放射する部分を有し、赤外線を放射しながら移動する移
動物体であって、前記赤外線を放射する部分の外表面に
請求項3記載の赤外線放射抑制体が設けられているもの
である。
【0019】ここに移動物体とは、車両、航空機、ヘリ
コプタ、船舶、その他の防衛装備品で赤外線を放射しな
がら移動するものをいう。
【0020】前記赤外線放射抑制体の表面に少なくとも
2種類の迷彩色からなる反射光領域が設けられているこ
とが、肉眼による視認を防止し、カムフラージュする点
から好ましい。
【0021】
【作用】本発明の赤外線放射抑制体によれば、赤外線に
対する反射率が高く、かつ、特定の波長の可視光を所望
の反射率で反射するように半導体層と誘電体層とが積層
されているため、赤外線の外部への放射率を低く抑える
ことができ、また反射される可視光を目立たなくするこ
とができる。
【0022】また、本発明のレーダドームによれば、電
波を吸収しないで透過させる誘電体材料からなる基板に
赤外線反射膜部分と可視光反射膜部分とが設けられた赤
外線放射抑制体をレーダドームまたはレーダドームの外
表面におくようにしたので、レーダの送受信を妨げるこ
となく、レーダドームの赤外線放射を抑制し、また可視
光の反射率が調整されることから可視光に対しても目立
たなくすることができる。
【0023】さらに、本発明による車両、航空機などの
移動物体は、電波を吸収する材料の表面に前記赤外線反
射膜部分および可視光反射膜部分が設けられた赤外線放
射抑制体を船舶、車両、航空機またはこれらに類する防
衛装備品などの赤外線放射部分の外表面に取りつけるこ
とにより、レーダに探知されず、かつ移動物体からの赤
外線放射を抑制し、また可視光の反射率が調整されるこ
とから可視光に対しても目立たなくすることができる。
【0024】
【実施例】つぎに、図面を参照しながら本発明の赤外線
放射抑制体について説明する。
【0025】本発明の赤外線放射抑制体は、たとえば図
1にその断面説明図が示されるように、基板1の表面に
たとえばゲルマニウムとフッ化セリウムなどからなる半
導体層と誘電体層が交互に奇数層積層された多層膜2が
設けられ、この多層膜2が赤外線を反射する赤外線反射
膜として機能する。多層膜2の最上層の半導体層の上に
さらにチタニア(TiO2)層3や二酸化ケイ素(Si
2)層4などの誘電体層が形成され、前述の多層膜2
の最上層の半導体層と共に、可視光の特定の波長のみを
所望の反射率で反射させる可視光反射膜が形成されてい
る。
【0026】前述の赤外線反射膜部分は電波を透過させ
赤外線を反射させるもので、交互層のすべての境界から
反射されたビームが入射面に達するときに同じ位相にな
り、そこでビームが強め合うようにするために、反射し
ようとする赤外線の波長λに対し、多層膜2を形成する
半導体層と誘電体層の光学的膜厚(幾何学的厚さ×屈折
率)をそれぞれλ/4の厚さにすることが好ましい。ま
た赤外線の反射率を高めるためには半導体層の屈折率と
誘電体層の屈折率の差が大きい方がよいことが知られて
いる。半導体層として主として使用されるゲルマニウム
の屈折率は4程度であり、誘電体層としては屈折率が小
さく、しかも密着力がよくてしみや曇の発生しにくい希
土類元素のフッ化物、とくに安価で入手し易いフッ化セ
リウム(CeF3)が好ましいことを本発明者らは見出
した。
【0027】前記赤外線でとくに反射率を高くする赤外
線の波長は3〜5μmと8〜13μmの範囲に設定するこ
とが好ましい。これは、通常の防衛装備品を捕捉するた
めに用いられる赤外線がこの範囲の波長であることが多
いためで、この範囲の波長に合わせて光学膜厚がλ/4
になるようにすることが好ましい。また、物体の温度上
昇による赤外線放射エネルギーは、3〜5μmでその変
化量が大きく、8〜13μmでは比較的鈍いため、3〜5
μmの波長の赤外線に対しては60%以上の反射率をもた
せることにより赤外線放射の抑制効果を大きくとること
が好ましく、8〜13μmの波長の赤外線に対しては35%
以上の反射率でも赤外線放射の抑制効果は充分である。
【0028】可視光の反射膜については光学多層膜にお
ける反射防止膜の設計技術を使うことにより反射させた
い波長に対する反射膜を形成することができ、たとえば
橙色を反射させるにはゲルマニウム層に光学膜厚94nm
の硫化亜鉛層を積層し、黄色を反射させるにはゲルマニ
ウム層に光学膜厚110nmのチタニア層と光学膜厚180n
mの二酸化ケイ素層をコーティングし、緑色を反射させ
るにはゲルマニウム層と光学膜厚110nmのチタニア層
と光学膜厚150nmの二酸化ケイ素層を積層し、青色を
反射させるにはシリコン層に光学膜厚125nmのジルコ
ニア層と光学膜厚121nmのフッ化マグネシウム層とを
積層し、紫色を反射させるにはゲルマニウム層に光学膜
厚122nmの硫化亜鉛層を積層し、黒色を反射させるに
はシリコン層、硫化ヒ素層、ジルコニア層、フッ化マグ
ネシウム層を積層することなどによりえられる。
【0029】前述の赤外線放射抑制体をレーダドームな
どに使用するため、電波を透過させる必要のあるとき
は、基板1としてガラス、セラミックス、プラスチック
ス、ゴムなどの電波を吸収しなくて透過させる誘電体材
料からなる1種またはこれらの2種以上の複合材料を用
いることによりえられる。また、船舶、車両、航空機な
どの装備品に用いられるばあいは、敵からのレーダなど
による追尾を避けるため、電波を反射させないように、
基板1にフェライトなどの磁性体と金属板との接合体ま
たは磁性体粉末を混入したゴムやプラスチックスなどと
金属板との接合体を用いることにより、電波を吸収し、
赤外線を放射しないで特定の色のみを反射させる赤外線
放射抑制体がえられる。
【0030】つぎに、前述の基板1上に形成される多層
膜2の形成法について説明する。多層膜2の各半導体層
および誘電体層は図2に断面説明図で示されるような真
空蒸着装置により、電子ビーム蒸着によって形成され
る。
【0031】図2において、5は高真空をうるための真
空容器、6は蒸着すべき基板7を取りつけるための基板
取付用ドームで、蒸着中は膜の均一性をあげるために回
転させる。8は蒸着物質を入れるるつぼで、るつぼ回転
ステージ9によって蒸着すべき物質を電子銃10が放出す
る電子ビームの当たる位置に移動することができる。電
子ビームによって加熱され、蒸発した物質は基板7上で
膜となる。この蒸着膜の厚さは、真空容器5の上方に取
りつけられた反射式光学膜厚計11により、モニター用の
基板12の膜厚を計測することによって測定され、蒸着膜
が所要の膜厚になったときシャッタ13を閉じる。以下、
同様にして順次異なる層の蒸着膜を形成する。なお、後
述する各実施例において、その多層膜の形成はこの方法
により行った。
【0032】つぎに、具体的な実施例によりさらに詳細
に説明する。
【0033】[実施例1]図1は本発明の赤外線放射抑
制体の一実施例を示す断面説明図である。図1に示され
るように、本実施例の赤外線放射抑制体は厚さ7.8mm
の石英(SiO2)ガラス1の表面に真空蒸着法によっ
て赤外線反射膜にするためのゲルマニウムおよびフッ化
セリウムがこの順序で交互に7層積層された多層膜2を
形成した。7層のうち最初の3層は8〜13μmの赤外線
を反射するため、光学膜厚が2.5μmになるように、4
層目のフッ化セリウムは光学膜厚を0.8μmに、残りの
3層は3〜5μmの波長の赤外線に対し反射率が高くな
る作用を有するように光学膜厚を1μmに形成したもの
で、中間のフッ化セリウム層はその両者の効果を相殺し
ないための調整層である。この多層膜2の上に、真空蒸
着法によってさらにチタニア層3を光学膜厚で110n
m、さらに二酸化ケイ素層4を光学膜厚で150nmとな
るように、この順序で順次形成した。前記チタニア層
3、二酸化ケイ素層4および多層膜2の最外層であるゲ
ルマニウム層は、可視光域における最大の反射率が20%
以下で反射光の色が緑色となるように形成されている。
このようにして赤外線に対しては反射率が高く、可視光
に対しては特定の波長の光のみを所望する反射率で反射
する性質を有する赤外線放射抑制体を作製した。
【0034】このようにして形成された赤外線放射抑制
体の赤外線の分光反射率を、(株)堀場製作所製フーリ
エ変換赤外分光光度計および反射率測定ホルダにより、
赤外線の反射率が98%であるアルミニウムミラーを基準
として測定した。その結果は図17に示すように、6〜8
μmの波長に対しては反射率がやや低下するが、3〜12
μmの波長の赤外線に対して高い反射率がえられた。
【0035】また、可視光域における分光反射率を、
(株)島津製作所製自記分光光度計および反射率測定ホ
ルダにより、可視光の反射率が92%であるアルミニウム
ミラーを基準として測定した。その結果は、図14に示す
ように、波長570nmをピークとする緑色近辺での反射
率が高くなっている。
【0036】また、図3に電波の透過特性を調べるため
の説明図が示されるように、送信アンテナホーン14と受
信アンテナホーン15とのあいだに赤外線放射抑制体16を
置き、前記赤外線放射抑制体の電波透過特性を調べた。
図3において、17と18はそれぞれ送信機と受信機で、送
信機17の送信周波数を10GHzとして透過率を測定した
結果、−0.3dBで殆ど減衰はみられなかった。なお、
基板の石英ガラスの厚さを7.8mmとしたのは、送信周
波数に対して基板の比誘電率の1/2乗と厚さとの積が
電波の波長の1/2の整数倍になる無反射条件に合致さ
せるためである。
【0037】[実施例2]図4は本発明の赤外線放射抑
制体の他の実施例を示す断面説明図である。図4に示す
ように、厚さ7.8mmの石英ガラス1に、ゲルマニウム
とフッ化セリウムがこの順序で交互に6層積層されて多
層膜19を設け、7層目にシリコン(Si)20をコーティ
ングした。前記実施例1と同じように7層のうち最初の
3層は光学膜厚を2.5μm、4層目のフッ化セリウムは
膜厚を0.8μm、残りの3層はシリコンも含めて光学膜
厚を1μmとした。この7層目のシリコンの上に、さら
にジルコニア(ZrO2)層21を光学膜厚で125nm、フ
ッ化マグネシウム(MgF2)層22を光学膜厚で(A)1
62nm、および(B)121nmの2種類で順次コーティ
ングした。このようにして、可視光域における最大の反
射率が15%以下で、反射光の色が自然光の下で(A)は
緑色、(B)は青色となり、赤外線に対しては反射率が
高く、可視光に対しては所望の反射光がえられる赤外線
放射抑制体を作製した。なお7層目にシリコンをコーテ
ィングしたのは、誘電体膜のジルコニアとフッ化マグネ
シウムと組合わせることにより可視光域での反射率を最
大で15%以下に調整することができるためである。
【0038】このようにして形成された赤外線放射抑制
体の赤外線および可視光の分光反射率を、実施例1と同
様の方法によって測定した。その結果を図17と図15にそ
れぞれ示す。
【0039】また、この赤外線放射抑制体の電波の透過
特性を、実施例1と同様の方法によって測定した。その
結果は−0.3dBの透過率で殆ど減衰しなかった。
【0040】[実施例3]図5は本発明の赤外線放射抑
制体のさらに他の実施例を示す断面説明図、図6は赤外
線放射抑制体の電波吸収性を調べるための測定方法の説
明図である。図5に示すように厚さ2.0mmのMgFe2
4の化学式であらわされる緻密なマグネシウムフェラ
イト24の表面に実施例2と同様の方法によってゲルマニ
ウムとフッ化セリウムからなる多層膜19とシリコン層2
0、さらにジルコニア層21とフッ化マグネシウム層22の
誘電体膜を順次コーティングした。コーティングの完了
したフェライト層24は前記多層膜19の形成された面と反
対の面にエポキシ系接着剤によって厚さ1.5mmのステ
ンレス板23を張り合わせ、このフェライト層24とステン
レス板23によって電波吸収材とした。このようにして電
波吸収性を有し、赤外線に対しては反射率が高く、可視
光に対しては特定の波長の光を所望する反射率で反射す
るように調整された特性をもつ赤外線放射抑制体を作製
した。なお手順の上で、マグネシウムフェライトとステ
ンレス板の接着剤による張り合わせをあとにしたのは、
コーティング中に基板が加熱されることによる接着剤の
熱変化を避けるためである。
【0041】このようにして形成された赤外線放射抑制
体の赤外線および可視光の分光反射率は、実施例1と同
様の方法によって測定した。その結果を図17と図15にそ
れぞれ示す。
【0042】また、図6に示されるように、送信ホーン
14からの電波を赤外線放射抑制体25に当てて、その反射
波を受信ホーン15によって受けることにより測定した。
その結果反射率は−10dBより小さかった。なお送信機
17の送信周波数は実施例1と同じく10GHzとした。な
お、ステンレス板とマグネシウムフェライトの積層体は
10GHzの電波に対して吸収性をもつように組合わされ
たもので、フェライトの厚さは吸収したい電波の周波数
によって調整される。
【0043】[実施例4]本発明の赤外線放射抑制体の
他の実施例として、図7に示されるように、実施例3と
同じフェライトに実施例2と同様にゲルマニウムとフッ
化セリウムの多層膜とシリコンをコーティングし、さら
にその上に硫化ヒ素(As23)層26を光学膜厚で134
nm、ジルコニア層21を光学膜厚で134nm、フッ化マ
グネシウム層22を光学膜厚で138nmをそれぞれこの順
序で順次コーティングした。硫化ヒ素層26、ジルコニア
層21、フッ化マグネシウム層22、ならびにシリコン層20
は、可視光域における最大の反射率が5%以下となりほ
とんど可視光を吸収し黒色となるように設計したもので
ある。コーティングの完了したフェライト層24を実施例
3と同様にステンレス板23を張り合わせ、このフェライ
ト層24とステンレス板23により電波吸収材とした。この
ようにして電波吸収性を有し、赤外線に対しては反射率
が高く、可視光に対しては特定の波長の光を所望する反
射率で反射するように調整された特性をもつ赤外線放射
抑制体を作製した。
【0044】このようにして形成された赤外線放射抑制
体の赤外線および可視光の分光反射率を、実施例1と同
様の方法によって測定した。その測定結果を図17および
図14に示す。図14から明らかなように、可視光全域で反
射率が小さく黒色を呈した。
【0045】また、この赤外線放射抑制体の電波の吸収
特性を、実施例3と同様の方法によって測定した。その
結果、反射率は−10dBより小さかった。
【0046】[実施例5]本発明の赤外線放射抑制体の
さらに他の実施例として、図8に示されるように、厚さ
7.8mmの石英ガラス1に、真空蒸着法によって光学膜
厚1μmのシリコンとフッ化マグネシウムの多層膜27を
この順序で5層コーティングした。この多層膜27は3〜
5μmの赤外線に対し高い反射率で反射する作用を有す
るようにしたものである。この多層膜27の最外層である
シリコンの上に、実施例2と同様にジルコニア層21を光
学膜厚で125nm、フッ化マグネシウム層22を光学膜厚
で(A)162nm、および(B)121nmの2種類で、順
次コーティングした。ジルコニア層21とフッ化マグネシ
ウム層22、ならびに多層膜27の最外層であるシリコン層
は、可視光域における最大の反射率が15%以下で、反射
光の色が自然光の下で(A)は緑色、(B)は青色とな
るように設計したものである。このようにして赤外線に
対しては反射率が高く、可視光に対しては特定の波長の
光のみを所望する反射率で反射するように調整された特
性をもつ赤外線放射抑制体を作製した。
【0047】このようにして形成された赤外線放射抑制
体の赤外線および可視光の分光反射率は、実施例1と同
様の方法によって測定した。その結果を図18および図15
にそれぞれ示す。図18から明らかなように、3〜5μm
の波長の赤外線に対しては非常に高い反射率がえられた
が、6μm以上の波長に対しては反射率が低下した。
【0048】また、この赤外線放射抑制体の電波の透過
性は、実施例1と同様の方法によって測定した結果、透
過率は−0.15dBであった。
【0049】[実施例6]本発明の赤外線放射抑制体の
さらに他の実施例として、図9に示されるように厚さ1.
0mmのステンレス板23に、Fe23の化学式で表され
るフェライトの粉末を67重量%とカーボンファイバを3
重量%分散した厚さ1.4mmのプラスチック板からなる
電波吸収層28を張り合わせ、その上にさらに厚さ3.8m
mの石英ガラス板29を張り合わせた。ここでカーボンフ
ァイバは電波吸収層28の誘電率の調整のためにプラスチ
ック板内に分散させたもので、フェライト粉末の量およ
びガラス板の厚さが良好な電波吸収性をなすように調整
されている。この石英ガラス板29の上にはあらかじめ真
空蒸着法によって光学膜厚2.5μmのゲルマニウムとフ
ッ化セリウムの多層膜30がこの順序で5層コーティング
されている。この多層膜30は8〜13μmの赤外線に対し
高い反射率で反射する作用を有するようにしたものであ
る。さらにこの多層膜30の最外層であるゲルマニウムの
上には実施例1と同様の誘電体膜としてチタニア層3お
よび二酸化ケイ素層4がコーティングされ、可視光域に
おける最大の反射率が20%以下で反射光の色が緑色とな
るように形成されている。これにより、赤外線に対して
は反射率が高く、可視光に対しては特定の波長の光のみ
を所望する反射率で反射する性質を有する赤外線放射抑
制体を作製した。なお手順の上で、電波吸収層の張り合
わせをあとにしたのは、コーティング中に基板が加熱さ
れることによるプラスチックと接着剤の熱変化を避ける
ためである。
【0050】このようにして形成された赤外線放射抑制
体の赤外線および可視光の分光反射率を、実施例1と同
様の方法によって測定した。その結果を図18および図14
に示す。図18から明らかなように、8〜13μmの波長の
赤外線に対しては高い反射率がえられるが、4〜7μm
の波長に対しては反射率が低い。
【0051】また、この赤外線放射抑制体の電波の吸収
特性を、実施例3と同様の方法によって測定した結果、
反射率−25dBより小さかった。
【0052】[実施例7]本発明の赤外線放射抑制体の
さらに他の実施例として、図10に示されるように厚さ7.
8mmの石英ガラス1に実施例1と同様のゲルマニウム
とフッ化セリウムが交互に積層されてなる多層膜2をコ
ーティングし、その最外層のゲルマニウムにコーティン
グする誘電体膜として、硫化亜鉛(ZnS)層31を光学
膜厚で(A)94nm、(B)122nm、および(C)153
nmの3種類で、それぞれ真空蒸着法によりコーティン
グした。これにより、可視域における最大の反射率が50
%以下で反射光の色が自然光の下で(A)は橙色、
(B)は紫色(C)は青色となり、かつ赤外線に対して
は反射率が高く、しかも可視光に対しては所望の反射率
で反射する性質を有する赤外線放射抑制体を作製した。
【0053】このようにして形成された赤外線放射抑制
体の赤外線および可視光の分光反射率を、実施例1と同
様の方法によって測定した。その結果を図17および図16
にそれぞれ示した。
【0054】また、この赤外線放射抑制体の電波の透過
性を、実施例1と同様の方法によって測定した結果、透
過率は−0.2dBであった。
【0055】以上の各実施例の透過率および反射率(実
施例3、4および6の電波吸収性)をそれぞれ表1およ
び表2にまとめた。
【0056】
【表1】 表1からわかるように、本発明の赤外線放射抑制体は充
分な電波透過性を有するためレーダドーム用の材料とし
て使用可能であることがわかる。
【0057】
【表2】 表2からわかるように、本発明による赤外線放射抑制体
は充分な電波吸収性を有することがわかる。したがっ
て、該赤外線放射抑制体を車両等を覆うように取り付け
たばあい、赤外線の放射の抑制に加えて電波ステルス性
を与えることが可能になるという、実用上多大な効果が
えられる。
【0058】[実施例8]つぎに、本発明の赤外線放射
抑制体の使用法の説明を行う。図11に示されるように、
実施例1により作製した赤外線放射抑制体32を、ドーム
状に組まれたプラスチック製のアングル33にはめ込むこ
とによってレーダドームを構成した。また、実施例1の
基板として使用した石英ガラスを同じようにドームに組
み、その外側を(株)大日本塗料製のポリウレタン系塗
料(色番号2314)により濃緑色に着色した。この二つの
ドームを20℃の野外に置き、赤外線放射の比較のためド
ームを50℃に暖め、赤外線放射を熱画像としてとらえる
ことのできる、三菱電機(株)製の赤外線撮像装置(赤
外線感度域3〜5μm)および高波長域の測定時には
(株)日本電気三栄製のサーモトレーサ(赤外線感度域
8〜13μm)の赤外センサ34によって、ドームの見かけ
温度の違いを見ることにより、赤外線放射の抑制の度合
を調べた。その結果を表3にまとめた。
【0059】
【表3】 表3から明らかなように、本発明による赤外線放射抑制
体によってレーダドームを組み立てることにより、赤外
線の放射が抑制されることがわかる。
【0060】[実施例9]本発明の赤外線放射抑制体の
使用法の他の実施例として、図12に示されるように、実
施例3により作製した赤外線放射抑制体35を、運転時に
高温となる車両36の側部、たとえばリヤフェンダに貼り
つけた。車体にはあらかじめ実施例8で使用したものと
同じ塗料が塗ってあり、車両外面を(A)50℃、および
(B)70℃の2種類のばあいで行った。その際の車両外
面から発せられる赤外線を実施例8と同じ赤外センサ34
によって、車両に放射抑制体を貼りつけたときと貼りつ
けないときとでの車両表面の見かけ温度の違いを見るこ
とにより、赤外線放射の抑制の度合を調べた。なお、こ
のときの大気温は20℃であった。その結果を表4および
表5に示す。
【0061】[実施例10]本発明の赤外線放射抑制体
の使用法のさらに他の実施例として、実施例3および実
施例4により作製した可視光領域の反射光が緑色、黒色
および青色となる赤外線放射抑制体37、38および39を、
それぞれ不規則に裁断し、図13のように迷彩となるよう
に車両に貼りつけた。そして、この迷彩となるように作
製した赤外線放射抑制体の効果を、実施例8と同様の方
法によって確認した。なお、このときの大気温は20℃で
あった。その結果を表4および表5に示す。
【0062】表4は実施例9および実施例10における、
濃緑色の塗料を塗った車体外面を50℃とし、この車体に
赤外線放射抑制体を取りつけたときと取りつけないとき
とで赤外センサが示すみかけ温度を示した。表5は車体
外面を70℃としたときの赤外センサが示すみかけ温度を
まとめたものである。
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】 表4〜5から明らかなように、本発明による赤外線放射
抑制体を、車両などの外面を覆うように取り付けること
によって、赤外線の放射が抑制されることがわかる。
【0065】また、該赤外線放射抑制体を貼り付けた車
両を森林中に置き、目視により該車両を観察することに
より、車体を迷彩としたことによる視認のしずらさが向
上していることを確認した。
【0066】前記実施例では車両で行ったが、車両以外
の船舶、航空機またはこれらに類する防衛装備品などの
赤外線放射機器に貼りつけても赤外線放射を抑制すると
共にレーダなどによる追尾を逃れることができる。
【0067】以上各実施例で説明したように、図14によ
れば実施例1および6では、波長570nmをピークとす
る緑色の反射光となり、実施例4では可視光域全域にわ
たって光が吸収されるため黒色となる。図15によれば、
実施例2、3および5いずれのばあいも共通して(A)
のばあいには波長570nmの緑色、(B)のばあいには
波長460nmの青色になる。さらに図16によれば(A)
では橙色系の反射光により、(B)では青色系、(C)
では紫色系になる。
【0068】また、図17〜18から明らかなように、実施
例1〜4および7の抑制体が波長3〜13μmの赤外線で
高い反射率を有することは、その反射率の高い波長にお
いて間接的に赤外線放射率が小さいことを示唆してい
る。そのため、本発明による赤外線放射抑制体を車両の
エンジン、空調機器などの高温部を覆うように装着し、
該抑制体自体の温度が上昇してもこの抑制体からの赤外
線放射は少なく、したがって、空冷や水冷などの冷却を
行うことなく車両からの赤外線放射を抑制することがで
きる。
【0069】
【発明の効果】本発明の赤外線放射抑制体によれば、電
波を反射させず、赤外線の反射率が高く、赤外線に対し
ては反射率が高いことから、必然的に放射率が低くな
り、また可視光の反射率が調整されることから可視光に
対しては目立たないものとなり、防衛装備品などに使用
することにより、敵からの捕捉を免れることができる。
【0070】また、電波を吸収しない誘電体の表面に、
本発明の赤外線放射抑制体を形成することにより、赤外
線に対する反射率が高く、かつ、特定の波長の可視光の
みを所望の反射率で反射する性質を有すると共に、電波
を透過させるため、レーダドームまたはレーダドームの
外表面に配置すれば、レーダの送受信を妨げることな
く、レーダドームからの赤外線放射を抑制し、また可視
光の反射率が調整されることから可視光に対しては目立
たないため、敵に捕捉されにくい。
【0071】さらに、電波を吸収する材料の表面に、前
記誘電体および半導体の多層膜をコーティングしたもの
を、船舶、車両、航空機、その他の防衛装備品など移動
物体の赤外線放射部分の外表面に取りつけることによ
り、レーダに探知されず、かつ、移動物体からの赤外線
放射を抑制し、また可視光の反射率が調整されることか
ら可視光に対しては目立たない。
【0072】さらに、赤外線放射抑制体の可視域におけ
る反射光が緑、青、黄、黒またはこれらに類する色の1
つとなるように調整し、このうちの2種以上を迷彩とな
るように相互に組合わせて構成したものを用いることに
より、森林、草木地などの複雑な背景においてカムフラ
ージュすることができ、可視光に対する隠蔽の効果が高
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外線放射抑制体の一実施例を示す断
面説明図である。
【図2】本発明の赤外線放射抑制体を製造するための真
空蒸着装置の断面説明図である。
【図3】本発明の赤外線放射抑制体の電波透過性を調べ
るための測定方法の説明図である。
【図4】本発明の赤外線放射抑制体の他の実施例を示す
断面説明図である。
【図5】本発明の赤外線放射抑制体のさらに他の実施例
を示す断面説明図である。
【図6】本発明の赤外線放射抑制体の電波吸収性を調べ
るための測定方法の説明図である。
【図7】本発明の赤外線放射抑制体のさらに他の実施例
を示す断面説明図である。
【図8】本発明の赤外線放射抑制体のさらに他の実施例
を示す断面説明図である。
【図9】本発明の赤外線放射抑制体のさらに他の実施例
を示す断面説明図である。
【図10】本発明の赤外線放射抑制体のさらに他の実施
例を示す断面説明図である。
【図11】本発明の赤外線放射抑制体の使用法の一実施
例を示すレーダドームの説明図である。
【図12】請求項14記載の発明の赤外線放射抑制体の
使用法の一実施例を示す赤外線放射抑制体の車体取り付
けた車両の説明図である。
【図13】本発明の赤外線放射抑制体の使用法の他の実
施例を示す迷彩模様の車両の説明図である。
【図14】本発明の赤外線放射抑制体の実施例1、4お
よび6の可視光域の分光反射率を示す図である。
【図15】本発明の赤外線放射抑制体の実施例2、3お
よび5の可視光域の分光反射率を示す図である。
【図16】本発明の赤外線放射抑制体の実施例7の可視
光域の分光反射率を示す図である。
【図17】本発明の赤外線放射抑制体の実施例1、2、
3、4および7の赤外線の分光反射率を示す図である。
【図18】本発明の赤外線放射抑制体の実施例5および
6の赤外線の分光反射率を示す図である。
【符号の説明】
2 多層膜 3 チタニア層 4 二酸化ケイ素層 16 赤外線放射抑制体 19 多層膜 20 シリコン層 21 ジルコニア層 22 フッ化マグネシウム層 23 ステンレス板 24 フェライト層 25 赤外線放射抑制体 26 硫化ヒ素層 27 多層膜 28 電波吸収層 29 石英ガラス板 30 多層膜 31 硫化亜鉛層 32 赤外線放射抑制体 35 赤外線放射抑制体 36 車両 37 赤外線放射抑制体 38 赤外線放射抑制体 39 赤外線放射抑制体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に電波を透過する半導体層と
    誘電体層の積層膜が形成され、該積層膜は赤外線を反射
    する赤外線反射膜部分と、可視光の特定の波長の光を所
    望の反射率で反射する可視光反射膜部分とからなる赤外
    線放射抑制体。
  2. 【請求項2】 前記基板が電波を吸収しないで透過させ
    る誘電体材料からなる請求項1記載の赤外線放射抑制
    体。
  3. 【請求項3】 前記基板が電波吸収体材料からなる請求
    項1記載の赤外線放射抑制体。
  4. 【請求項4】 前記赤外線反射膜部分の積層膜は反射し
    たい赤外線の波長をλとして高屈折率物質からなる光学
    的膜厚λ/4の半導体層と低屈折率物質からなる光学的
    膜厚λ/4の誘電体層とが交互に積層されて形成されて
    なる請求項1記載の赤外線放射抑制体。
  5. 【請求項5】 前記赤外線反射膜部分の積層膜の各層の
    光学的膜厚が、3〜5μmの波長および/または8〜13
    μmの波長に対して設定されてなる請求項4記載の赤外
    線放射体。
  6. 【請求項6】 前記可視光反射膜部分が、可視光に対し
    て不透明となる半導体層上に特定の波長の可視光を反射
    する誘電体層が設けられて形成されてなる請求項1記載
    の赤外線放射抑制体。
  7. 【請求項7】 レーダ装置を覆うレーダドームであっ
    て、該レーダドームの少なくとも外表面またはその近傍
    に請求項2記載の赤外線放射抑制体が設けられてなるレ
    ーダドーム。
  8. 【請求項8】 前記赤外線放射抑制体の表面に少なくと
    も2種類の迷彩色からなる反射光領域が設けられてなる
    請求項7記載のレーダドーム。
  9. 【請求項9】 赤外線を放射する部分を有し、赤外線を
    放射しながら移動する移動物体であって、前記赤外線を
    放射する部分の外表面に請求項3記載の赤外線放射抑制
    体が設けられてなる移動物体。
  10. 【請求項10】 前記赤外線放射抑制体の表面に少なく
    とも2種類の迷彩色からなる反射光領域が設けられてな
    る請求項9記載の移動物体。
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