JPH06322159A - シート状ｆｒｔｐプリプレグの製法 - Google Patents
シート状ｆｒｔｐプリプレグの製法Info
- Publication number
- JPH06322159A JPH06322159A JP10966893A JP10966893A JPH06322159A JP H06322159 A JPH06322159 A JP H06322159A JP 10966893 A JP10966893 A JP 10966893A JP 10966893 A JP10966893 A JP 10966893A JP H06322159 A JPH06322159 A JP H06322159A
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- matrix
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 強化繊維３と、熱可塑性樹脂からなるマトリ
クス繊維４とを開繊しながら混合し、これに、バインダ
ーの溶液を含浸し、これをリボン状の混紡トウ８にまと
めたうえでドラムワインドしてシート状に広げ、これに
よって形成されたシート１２を部分的に加熱融着してそ
の繊維配列を固定し、シート状ＦＲＴＰプリプレグ２０
を製造する。 【効果】 シート状ＦＲＴＰプリプレグを製造するに際
して、トウの織成が不要であり、安価に製造できる。ま
た、繊維が一方向に配向し、かつ空気層が排除されてい
るので作業性が良好である。強化繊維とマトリクス繊維
とが隣接しているのでマトリクスの含浸が均一に行わ
れ、物性と均質性に優れたＦＲＴＰ製品が得られる。
クス繊維４とを開繊しながら混合し、これに、バインダ
ーの溶液を含浸し、これをリボン状の混紡トウ８にまと
めたうえでドラムワインドしてシート状に広げ、これに
よって形成されたシート１２を部分的に加熱融着してそ
の繊維配列を固定し、シート状ＦＲＴＰプリプレグ２０
を製造する。 【効果】 シート状ＦＲＴＰプリプレグを製造するに際
して、トウの織成が不要であり、安価に製造できる。ま
た、繊維が一方向に配向し、かつ空気層が排除されてい
るので作業性が良好である。強化繊維とマトリクス繊維
とが隣接しているのでマトリクスの含浸が均一に行わ
れ、物性と均質性に優れたＦＲＴＰ製品が得られる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、シート状ＦＲＴＰ（繊
維強化熱可塑性樹脂）プリプレグの製法にかかわり、特
に、安価で物性と作業性が良好なシート状ＦＲＴＰプリ
プレグの製法に関する。
維強化熱可塑性樹脂）プリプレグの製法にかかわり、特
に、安価で物性と作業性が良好なシート状ＦＲＴＰプリ
プレグの製法に関する。
【０００２】
【従来の技術】ガラス繊維、カーボン繊維など強化繊維
のトウで織ったクロスに、ナイロン、ポリカーボネート
などの熱可塑性樹脂をマトリクスとして溶融含浸せしめ
たプリプレグは、輸送機器、スポーツ用具などの製造に
用いられている。しかし、このプリプレグは平板状のも
のであって、変形させにくいため、成形の自由度が低
い。また、強化繊維のトウ内部への樹脂の含浸が不十分
になりやすいという問題もあった。そこで近年は、強化
繊維と、マトリクスとなる熱可塑性樹脂の繊維（以下
「マトリクス繊維」という）とを用いて、これらを混紡
し、混紡トウとしたものをクロスに織ったプリプレグが
用いられるようになった。このプリプレグは、変形が容
易で成形の自由度が高く、また、型に装填して熱圧を加
えるとき、マトリクス繊維は溶融したその場で強化繊維
のトウに含浸されるので、ＦＲＴＰの均質性も高く、上
記の問題は解決される。
のトウで織ったクロスに、ナイロン、ポリカーボネート
などの熱可塑性樹脂をマトリクスとして溶融含浸せしめ
たプリプレグは、輸送機器、スポーツ用具などの製造に
用いられている。しかし、このプリプレグは平板状のも
のであって、変形させにくいため、成形の自由度が低
い。また、強化繊維のトウ内部への樹脂の含浸が不十分
になりやすいという問題もあった。そこで近年は、強化
繊維と、マトリクスとなる熱可塑性樹脂の繊維（以下
「マトリクス繊維」という）とを用いて、これらを混紡
し、混紡トウとしたものをクロスに織ったプリプレグが
用いられるようになった。このプリプレグは、変形が容
易で成形の自由度が高く、また、型に装填して熱圧を加
えるとき、マトリクス繊維は溶融したその場で強化繊維
のトウに含浸されるので、ＦＲＴＰの均質性も高く、上
記の問題は解決される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このプリプレ
グは、混紡トウをクロスに織るので嵩およびコストが高
くなるという問題があった。また、成形品においては、
強化繊維が交織されているので、強化繊維の交差点近傍
に樹脂溜りが存在し、かつ繊維がウエーブしているので
充分な強度が得られないという問題もあった。本発明は
上記の問題を解決するためになされたものであって、そ
の目的は、安価に製造できて、かつ物性と作業性の良好
なプリプレグの製法を提供することにある。
グは、混紡トウをクロスに織るので嵩およびコストが高
くなるという問題があった。また、成形品においては、
強化繊維が交織されているので、強化繊維の交差点近傍
に樹脂溜りが存在し、かつ繊維がウエーブしているので
充分な強度が得られないという問題もあった。本発明は
上記の問題を解決するためになされたものであって、そ
の目的は、安価に製造できて、かつ物性と作業性の良好
なプリプレグの製法を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、請求項１
において、強化繊維と、マトリクスとなる熱可塑性樹脂
からなるマトリクス繊維とを開繊しながら混合し、これ
に、これらの繊維を接着するバインダーを含む溶液を含
浸し、次いでこれをリボン状の混紡トウにまとめ、この
混紡トウをドラムワインドしてシート状に広げ、これに
よって形成されたシートを部分的に加熱融着してその繊
維配列を固定することからなるシート状ＦＲＴＰプリプ
レグの製法を提供することによって解決できる。また、
上記の課題は、請求項２において、強化繊維と、マトリ
クスとなる熱可塑性樹脂からなるマトリクス繊維とを開
繊しながら混合し、これに、これらの繊維を接着するバ
インダーと、加熱によってマトリクスとなるモノマーま
たはオリゴマーとを含む溶液を含浸し、次いでこれをリ
ボン状の混紡トウにまとめ、この混紡トウをドラムワイ
ンドしてシート状に広げ、これによって形成されたシー
トの繊維配列を、上記のバインダーとモノマーまたはオ
リゴマーとによって固定することからなるシート状ＦＲ
ＴＰプリプレグの製法を提供することによって解決でき
る。
において、強化繊維と、マトリクスとなる熱可塑性樹脂
からなるマトリクス繊維とを開繊しながら混合し、これ
に、これらの繊維を接着するバインダーを含む溶液を含
浸し、次いでこれをリボン状の混紡トウにまとめ、この
混紡トウをドラムワインドしてシート状に広げ、これに
よって形成されたシートを部分的に加熱融着してその繊
維配列を固定することからなるシート状ＦＲＴＰプリプ
レグの製法を提供することによって解決できる。また、
上記の課題は、請求項２において、強化繊維と、マトリ
クスとなる熱可塑性樹脂からなるマトリクス繊維とを開
繊しながら混合し、これに、これらの繊維を接着するバ
インダーと、加熱によってマトリクスとなるモノマーま
たはオリゴマーとを含む溶液を含浸し、次いでこれをリ
ボン状の混紡トウにまとめ、この混紡トウをドラムワイ
ンドしてシート状に広げ、これによって形成されたシー
トの繊維配列を、上記のバインダーとモノマーまたはオ
リゴマーとによって固定することからなるシート状ＦＲ
ＴＰプリプレグの製法を提供することによって解決でき
る。
【０００５】
【作用】請求項１記載のシート状ＦＲＴＰプリプレグの
製法において、強化繊維とマトリクス繊維とは、開繊し
ながら混合するので、各繊維が均一に混合される。次に
バインダーを含む溶液（水溶液または有機溶剤溶液）を
これに含浸する。これによって各繊維は、ドラムワイン
ドしてシート状に広げられたとき相互に接着し、プリプ
レグの取り扱い中にほつれることがなくなる。また、バ
インダーによって繊維間の空気が排除されているので、
このプリプレグを型に装填するときの作業性などが改善
される。バインダーを含浸した後、この繊維をリボン状
の混紡トウにまとめ、この混紡トウをドラムワインドし
てシート状に広げる。これによって強化繊維とマトリク
ス繊維が均一に混合された広幅のプリプレグシートが形
成される。しかし、このままでは必ずしも繊維相互の結
合力が十分でないので、プリプレグの取り扱い中にシー
ト形状が崩壊する場合がある。そこで、このシートを部
分的に加熱融着し、繊維配列を固定する。これによって
シート形状が維持される。請求項２記載のシート状ＦＲ
ＴＰプリプレグの製法においては、ドラムワインドによ
って形成されたシートの繊維配列の固定が、部分的な融
着によるのではなく、繊維にバインダーと、加熱によっ
てマトリクスとなるモノマーまたはオリゴマーとを含む
溶液を含浸させ、このバインダーとモノマーまたはオリ
ゴマーとの繊維に対する結合力によって行われる。これ
らのモノマーまたはオリゴマーは、プリプレグに熱圧を
加えて成形するとき、反応してマトリクスとなるので、
製品の外観や強度を損なうことがない。
製法において、強化繊維とマトリクス繊維とは、開繊し
ながら混合するので、各繊維が均一に混合される。次に
バインダーを含む溶液（水溶液または有機溶剤溶液）を
これに含浸する。これによって各繊維は、ドラムワイン
ドしてシート状に広げられたとき相互に接着し、プリプ
レグの取り扱い中にほつれることがなくなる。また、バ
インダーによって繊維間の空気が排除されているので、
このプリプレグを型に装填するときの作業性などが改善
される。バインダーを含浸した後、この繊維をリボン状
の混紡トウにまとめ、この混紡トウをドラムワインドし
てシート状に広げる。これによって強化繊維とマトリク
ス繊維が均一に混合された広幅のプリプレグシートが形
成される。しかし、このままでは必ずしも繊維相互の結
合力が十分でないので、プリプレグの取り扱い中にシー
ト形状が崩壊する場合がある。そこで、このシートを部
分的に加熱融着し、繊維配列を固定する。これによって
シート形状が維持される。請求項２記載のシート状ＦＲ
ＴＰプリプレグの製法においては、ドラムワインドによ
って形成されたシートの繊維配列の固定が、部分的な融
着によるのではなく、繊維にバインダーと、加熱によっ
てマトリクスとなるモノマーまたはオリゴマーとを含む
溶液を含浸させ、このバインダーとモノマーまたはオリ
ゴマーとの繊維に対する結合力によって行われる。これ
らのモノマーまたはオリゴマーは、プリプレグに熱圧を
加えて成形するとき、反応してマトリクスとなるので、
製品の外観や強度を損なうことがない。
【０００６】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。 （実施例１）図１（ａ）（ｂ）（ｃ）は、請求項１に記
載した製法の実施例を工程順に示したものである。図１
（ａ）において、符号１は強化繊維のトウを巻いたボビ
ンであり、符号２はマトリクス繊維のトウを巻いたボビ
ンである。ボビン１からは強化繊維のトウ３が引き出さ
れ、ボビン２からはマトリクス繊維のトウ４が引き出さ
れ、これらは開繊ロール５によって開繊されるとともに
均一に混合される。次に、これらの繊維は、含浸槽６に
おいて、これら繊維のバインダーを含む溶液（水溶液ま
たは有機溶剤溶液）に浸漬される。この実施例では、こ
の溶液はさらにカプリング剤も含んでいる。次いで各繊
維は、引き続く一連の開繊用ロール７を通過中に乾燥さ
れ、リボン状の混紡トウ８にまとめられたうえで、予め
離型紙１０を離型面を外向きにして巻き付けてある回転
ドラム９に、ドラムワインドされる。即ち、混紡トウ８
は、回転ドラム９の一端部から順次、リボン状の両側端
部が接するように螺旋状に巻き取られ、回転ドラム９上
でシート状に広げられる。このときバインダーは、個々
の繊維がほつれないように接着するものの、このままで
はシートの形状が維持できないので、回転ドラム９に部
分的に接して回転するヒートロール１１を、このシート
に部分的に接触させて加熱融着し、これによってシート
の繊維配列を固定する。回転ドラム９上で繊維配列が固
定されたシート１２を、図１（ｂ）に示すように、離型
紙１０とともに幅方向に切断し、図１（ｃ）に示すよう
に、平面に開くと、離型紙１０に保持されたシート１２
からなるシート状ＦＲＴＰプリプレグ２０が得られる。
る。 （実施例１）図１（ａ）（ｂ）（ｃ）は、請求項１に記
載した製法の実施例を工程順に示したものである。図１
（ａ）において、符号１は強化繊維のトウを巻いたボビ
ンであり、符号２はマトリクス繊維のトウを巻いたボビ
ンである。ボビン１からは強化繊維のトウ３が引き出さ
れ、ボビン２からはマトリクス繊維のトウ４が引き出さ
れ、これらは開繊ロール５によって開繊されるとともに
均一に混合される。次に、これらの繊維は、含浸槽６に
おいて、これら繊維のバインダーを含む溶液（水溶液ま
たは有機溶剤溶液）に浸漬される。この実施例では、こ
の溶液はさらにカプリング剤も含んでいる。次いで各繊
維は、引き続く一連の開繊用ロール７を通過中に乾燥さ
れ、リボン状の混紡トウ８にまとめられたうえで、予め
離型紙１０を離型面を外向きにして巻き付けてある回転
ドラム９に、ドラムワインドされる。即ち、混紡トウ８
は、回転ドラム９の一端部から順次、リボン状の両側端
部が接するように螺旋状に巻き取られ、回転ドラム９上
でシート状に広げられる。このときバインダーは、個々
の繊維がほつれないように接着するものの、このままで
はシートの形状が維持できないので、回転ドラム９に部
分的に接して回転するヒートロール１１を、このシート
に部分的に接触させて加熱融着し、これによってシート
の繊維配列を固定する。回転ドラム９上で繊維配列が固
定されたシート１２を、図１（ｂ）に示すように、離型
紙１０とともに幅方向に切断し、図１（ｃ）に示すよう
に、平面に開くと、離型紙１０に保持されたシート１２
からなるシート状ＦＲＴＰプリプレグ２０が得られる。
【０００７】（実施例２）実施例２は、請求項２に記載
した製法の一例である。ここでは、上記実施例１の方法
において、図１（ａ）に示す含浸槽６に、バインダー
と、加熱によってマトリクスとなるモノマーまたはオリ
ゴマーと、カプリング剤とを含む溶液（水溶液または有
機溶剤溶液）を入れて用い、これを繊維に含浸させる。
また、ここではヒートロール１１の使用は省かれてい
る。この場合は、シート１２がバインダーと上記モノマ
ーまたはオリゴマーとによって接着されて繊維配列が固
定され、シート状のＦＲＴＰプリプレグが得られる。
した製法の一例である。ここでは、上記実施例１の方法
において、図１（ａ）に示す含浸槽６に、バインダー
と、加熱によってマトリクスとなるモノマーまたはオリ
ゴマーと、カプリング剤とを含む溶液（水溶液または有
機溶剤溶液）を入れて用い、これを繊維に含浸させる。
また、ここではヒートロール１１の使用は省かれてい
る。この場合は、シート１２がバインダーと上記モノマ
ーまたはオリゴマーとによって接着されて繊維配列が固
定され、シート状のＦＲＴＰプリプレグが得られる。
【０００８】実施例１または２の製法で製造されたＦＲ
ＴＰプリプレグは、いずれもシート状をなし、繊維が一
方向に配向されていて布のようなドレープ性があり、ま
た、各繊維が隣接してバインダーで接着されているので
繊維間の空気が排除されており、作業性がよい。また、
含浸槽６の溶液にタック性付与剤を添加して用いれば、
プリプレグにタック性を付与することができ、作業性は
さらに改善される。また、型に装填して熱圧を加えると
き、強化繊維とマトリクス繊維とが隣接しているので、
強化繊維に対するマトリクス樹脂の含浸が均一となり、
かつ、強化繊維が交織されていないので樹脂溜りが存在
せず、繊維もウエーブしていないので、物性と均質性に
優れたＦＲＴＰ製品が得られる。実施例１または２にお
いて、回転ドラム９における繊維の巻き取りは、必ずし
も１層である必要はなく、２層またはそれ以上とするこ
ともできる。これによって多層構成のＦＲＴＰプリプレ
グが得られる。
ＴＰプリプレグは、いずれもシート状をなし、繊維が一
方向に配向されていて布のようなドレープ性があり、ま
た、各繊維が隣接してバインダーで接着されているので
繊維間の空気が排除されており、作業性がよい。また、
含浸槽６の溶液にタック性付与剤を添加して用いれば、
プリプレグにタック性を付与することができ、作業性は
さらに改善される。また、型に装填して熱圧を加えると
き、強化繊維とマトリクス繊維とが隣接しているので、
強化繊維に対するマトリクス樹脂の含浸が均一となり、
かつ、強化繊維が交織されていないので樹脂溜りが存在
せず、繊維もウエーブしていないので、物性と均質性に
優れたＦＲＴＰ製品が得られる。実施例１または２にお
いて、回転ドラム９における繊維の巻き取りは、必ずし
も１層である必要はなく、２層またはそれ以上とするこ
ともできる。これによって多層構成のＦＲＴＰプリプレ
グが得られる。
【０００９】本発明の製法に用いる強化繊維の例として
は、カーボン繊維、ガラス繊維、ケブラー繊維などを挙
げることができる。また、マトリクスをなす熱可塑性樹
脂の例としては、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネ
イト、ポリフェニレンオキサイド、液晶ポリマーなどを
挙げることができる。この双方を接着するバインダーの
例としては、ポリエチレングリコール、ポリエステル、
エポキシ樹脂などを挙げることができる。また、強化繊
維とマトリクスとの接着性を向上させるカプリング剤の
例としては、シランカプリング剤、チタネートカプリン
グ剤、金属セッケンなどを挙げることができる。請求項
２の方法で用いるモノマーまたはオリゴマーとは、成形
時の熱圧によってマトリクスに転化するか、またはマト
リクスとしての特性を損なわずにマトリクス繊維の樹脂
と一体化し得るものであって、例えば、マトリクス繊維
がナイロンである場合、水溶性ナイロンなどがこの目的
に使用される。
は、カーボン繊維、ガラス繊維、ケブラー繊維などを挙
げることができる。また、マトリクスをなす熱可塑性樹
脂の例としては、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネ
イト、ポリフェニレンオキサイド、液晶ポリマーなどを
挙げることができる。この双方を接着するバインダーの
例としては、ポリエチレングリコール、ポリエステル、
エポキシ樹脂などを挙げることができる。また、強化繊
維とマトリクスとの接着性を向上させるカプリング剤の
例としては、シランカプリング剤、チタネートカプリン
グ剤、金属セッケンなどを挙げることができる。請求項
２の方法で用いるモノマーまたはオリゴマーとは、成形
時の熱圧によってマトリクスに転化するか、またはマト
リクスとしての特性を損なわずにマトリクス繊維の樹脂
と一体化し得るものであって、例えば、マトリクス繊維
がナイロンである場合、水溶性ナイロンなどがこの目的
に使用される。
【００１０】
【発明の効果】請求項１のシート状ＦＲＴＰプリプレグ
の製法は、強化繊維とマトリクス繊維とを開繊しながら
混合し、これにバインダーを含む溶液を含浸し、次いで
リボン状の混紡トウにまとめ、この混紡トウをドラムワ
インドしてシート状に広げ、これによって形成されたシ
ートを部分的に加熱融着してその繊維配列を固定するも
のであるので、トウの織成が不要であり、安価に製造で
きる。また、繊維が一方向に配向していて布状の可撓性
があり、繊維間の空気が排除されているので嵩高となら
ず、かつタック性の付与も可能であるから作業性が良好
である。さらに、強化繊維とマトリクス繊維とが隣接し
ているので強化繊維に対するマトリクス樹脂の含浸が均
一となり、かつ、強化繊維が交織されていないので樹脂
溜りが存在せず、繊維もウエーブしていないので、物性
と均質性に優れたＦＲＴＰ製品が得られる。請求項２の
シート状ＦＲＴＰプリプレグの製法は、請求項１の製法
におけるバインダーを含む溶液の代りに、バインダー
と、加熱によってマトリクスとなるモノマーまたはオリ
ゴマーとを含む溶液を用いるものであるので、ドラムワ
インドして形成されたシートの繊維配列を固定するため
の部分的な加熱融着工程が不要となり、さらに安価に、
作業性と物性と均質性とに優れたシート状ＦＲＴＰプリ
プレグを製造することができる。
の製法は、強化繊維とマトリクス繊維とを開繊しながら
混合し、これにバインダーを含む溶液を含浸し、次いで
リボン状の混紡トウにまとめ、この混紡トウをドラムワ
インドしてシート状に広げ、これによって形成されたシ
ートを部分的に加熱融着してその繊維配列を固定するも
のであるので、トウの織成が不要であり、安価に製造で
きる。また、繊維が一方向に配向していて布状の可撓性
があり、繊維間の空気が排除されているので嵩高となら
ず、かつタック性の付与も可能であるから作業性が良好
である。さらに、強化繊維とマトリクス繊維とが隣接し
ているので強化繊維に対するマトリクス樹脂の含浸が均
一となり、かつ、強化繊維が交織されていないので樹脂
溜りが存在せず、繊維もウエーブしていないので、物性
と均質性に優れたＦＲＴＰ製品が得られる。請求項２の
シート状ＦＲＴＰプリプレグの製法は、請求項１の製法
におけるバインダーを含む溶液の代りに、バインダー
と、加熱によってマトリクスとなるモノマーまたはオリ
ゴマーとを含む溶液を用いるものであるので、ドラムワ
インドして形成されたシートの繊維配列を固定するため
の部分的な加熱融着工程が不要となり、さらに安価に、
作業性と物性と均質性とに優れたシート状ＦＲＴＰプリ
プレグを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 （ａ）（ｂ）（ｃ）は、請求項１に記載した
製法の実施例を工程順に示した斜視図である。
製法の実施例を工程順に示した斜視図である。
【符号の説明】 ３…強化繊維、４…マトリクス繊維、８…混紡トウ、１
２…シート、２０…プリプレグ。
２…シート、２０…プリプレグ。
Claims (2)
- 【請求項１】 強化繊維と、マトリクスとなる熱可塑性
樹脂からなるマトリクス繊維とを開繊しながら混合し、
これに、これらの繊維を接着するバインダーを含む溶液
を含浸し、次いでこれをリボン状の混紡トウにまとめ、
この混紡トウをドラムワインドしてシート状に広げ、こ
れによって形成されたシートを部分的に加熱融着してそ
の繊維配列を固定することを特徴とするシート状ＦＲＴ
Ｐプリプレグの製法。 - 【請求項２】 強化繊維と、マトリクスとなる熱可塑性
樹脂からなるマトリクス繊維とを開繊しながら混合し、
これに、これらの繊維を接着するバインダーと、加熱に
よってマトリクスとなるモノマーまたはオリゴマーとを
含む溶液を含浸し、次いでこれをリボン状の混紡トウに
まとめ、この混紡トウをドラムワインドしてシート状に
広げ、これによって形成されたシートの繊維配列を、上
記のバインダーとモノマーまたはオリゴマーとによって
固定することを特徴とするシート状ＦＲＴＰプリプレグ
の製法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10966893A JPH06322159A (ja) | 1993-05-11 | 1993-05-11 | シート状ｆｒｔｐプリプレグの製法 |
| TW83103956A TW279879B (ja) | 1993-05-11 | 1994-05-02 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10966893A JPH06322159A (ja) | 1993-05-11 | 1993-05-11 | シート状ｆｒｔｐプリプレグの製法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06322159A true JPH06322159A (ja) | 1994-11-22 |
Family
ID=14516145
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10966893A Withdrawn JPH06322159A (ja) | 1993-05-11 | 1993-05-11 | シート状ｆｒｔｐプリプレグの製法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06322159A (ja) |
| TW (1) | TW279879B (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1996038280A1 (en) * | 1995-05-29 | 1996-12-05 | Toho Rayon Co., Ltd. | Molding material and process for the production thereof |
| JP2009012766A (ja) * | 2001-08-03 | 2009-01-22 | Campagnolo Spa | 自転車のクランクレバーの生産のための方法 |
| JP2015044913A (ja) * | 2013-08-27 | 2015-03-12 | 王子ホールディングス株式会社 | 熱可塑性プリプレグ及び熱可塑性プリプレグの製造方法 |
| JP2017128744A (ja) * | 2017-05-09 | 2017-07-27 | 王子ホールディングス株式会社 | 熱可塑性プリプレグ及び熱可塑性プリプレグの製造方法 |
| WO2019244994A1 (ja) * | 2018-06-20 | 2019-12-26 | 三菱ケミカル株式会社 | プリプレグシートおよびその製造方法、繊維強化複合材料成形品およびその製造方法、ならびにプリフォームの製造方法 |
| CN115369568A (zh) * | 2022-08-24 | 2022-11-22 | 广东华茂新材料科技有限公司 | 一种聚酯无纺布制备工艺 |
-
1993
- 1993-05-11 JP JP10966893A patent/JPH06322159A/ja not_active Withdrawn
-
1994
- 1994-05-02 TW TW83103956A patent/TW279879B/zh active
Cited By (7)
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