JPH06320442A - 車体の補修方法及びその治具 - Google Patents

車体の補修方法及びその治具

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JPH06320442A
JPH06320442A JP13960293A JP13960293A JPH06320442A JP H06320442 A JPH06320442 A JP H06320442A JP 13960293 A JP13960293 A JP 13960293A JP 13960293 A JP13960293 A JP 13960293A JP H06320442 A JPH06320442 A JP H06320442A
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jig
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metal rod
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Junichi Yoshimura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車の車体、特にドアー部に生じた凹み部
の補修を簡易、且つ短時間に行える補修方法と、これに
用いる治具。 【構成】 ドアーaの上端開口部jの部位の外板cとガ
ラスiとの隙間を拡大させ、先端部に弯曲部を介して凹
み部eの裏面に当接させる頭部7a〜7dを形成した治
具1〜4を挿入し、漸次弱い押圧力で凹み部eを外側方
向に復元させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の車体、特にド
アー部に生じた凹み部の補修を極めて簡易、且つ短時間
に行える補修方法及びその治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体を常にきれいに保つこと
は、気持ちよく運転できるばかりではなく、車体の塗装
面を保護し、サビや腐蝕を防ぎ、自動車の寿命を伸ば
し、各種点検整備も簡易となり、事故防止にも役立つも
のである。また、車体を汚れたままにしておくと、とか
く自動車の取り扱いが粗末になりいろいろな面に悪影響
がでると言われている。
【0003】このため、車体の一部に塗装面を損傷した
り、窪んで凹み部などの損傷が生じた場合、これら損傷
個所が比較的大形状のときは、サービス工場など修理業
者に依頼し、その損傷個所の補修を行っている。ここで
本発明において、塗装面の損傷とは、車体に施されてい
る塗装が傷んでいる状態及び塗装が剥がれている状態を
言い、凹み部とは、生じた窪み部分の塗装に傷や剥がれ
がない状態をいう。
【0004】しかしながら、その補修には、数日間の日
時が必要であり、補修代金も比較的高価であり、しかも
この間自動車が使用できなくなってしまう。このため、
上記のように補修の必要性を理解しているが、比較的大
形状の損傷の場合に限り、その補修を行っている。しか
し、比較的小形状の損傷の場合は、補修を行わずにその
まま自動車を使用している。
【0005】ところで、ゴルフボール程度の比較的小形
状の凹み部であっても、これを放置したまま使用してい
ると、やがてこの凹み部が起因となってサビや腐蝕の発
生、塗装剥げなどの原因となり、美観的にも自動車の寿
命にも好ましいものでないことは上記の通りである。
【0006】一方、修理業者による塗装面の損傷の補修
には、一般的に焼付け塗装が知られているが、その補修
工程は、補修面の洗浄とペーパーによる水研ぎの素地調
整工程から始まり、マスキング工程、プライマ塗装工
程、パテ塗り工程、上塗り塗装工程、仕上げ工程…と、
20数工程の細かな煩雑な工程と時間を必要とする作業
であり、数多くの経験を必要とする作業である。
【0007】また、凹み部の補修には、この凹み部分を
元に戻すと共に、その塗装面に傷を付けないという条件
が加わるため、上記塗装面の損傷より難しい作業であ
り、多くの経験と高度な技術が必要である。
【0008】特にドアー部に生じた凹み部の補修は、ボ
ンネット、トランクなどの一枚板と違い面倒な作業とな
る。この補修方法を図9により説明すると、ドアー部a
は、周知のように内外の板b,cと内板bに施した内装
用の内貼り布dで構成され、作業者の手が直接外板cの
裏面に届かない。
【0009】このため、ドアー部aに凹み部eが生じて
いる外板cに対応する個所の内貼り布dから直接内板b
に穴fをあけたり、或いは内貼りdを剥がして内板bに
穴fをあけ、この穴fから先端部が尖った円弧面fを設
けた治具gを挿入し、この円弧面fを凹み部eの裏面に
当てがい、漸次弱い押圧力hを加えて凹み部eが外板c
と同一面となるように補修している。iはガラスであ
る。
【0010】しかしながら、このような補修は、内板b
に穴fをあけたり、また内貼り布dを剥がして穴fをあ
けたりする作業が加わり、煩雑な工程となり、手間がか
かり、補修費も高価となる。しかも、補修の後に、これ
ら部分をきれいに納める作業が必要となり、同一な内貼
り布がない場合には、美観上好ましいものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情を考慮して創作されたものであり、自動車の車体に
生じた凹み部、特にドアー部に生じた凹み部の補修を極
めて簡易、且つ短時間に行える補修方法及びその補修に
最適な治具を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、ドアー部の外板に生じた凹み部の
補修において、ドアーの上端開口部の外板とガラスとの
隙間を拡大させて、この隙間に沿わせながら、金属製棒
状体からなる治具の先端部に弯曲部を介して設けた頭部
が、上記凹み部の裏面に当接し得るように治具を挿入
し、この治具の基端部に嵌着させた握り体または治具と
一体の握り部にガラス側および/または下方側方向へ押
圧力を加え、治具の上記弯曲部を支点として頭部を凹み
部の裏面に当接させて、凹み部の補修を行うことを特徴
とするものである。
【0013】さらに、本発明は、金属製棒状体からなる
治具の先端部には、弯曲部を介して先細り形状の頭部を
形成したり、先細り形状で、且つ漸次幅狭な肉薄形状の
頭部を形成し、さらに太めの円弧形状の頭部とする補修
用の治具を特徴とするものである。
【0014】また、本発明は、金属製棒状体からなる治
具の基端部には、半円弧形状の折返し部を介して波形部
を経て傾斜状の握り部を形成し、この握り部は基端部部
位から頭部に対し、一方側に傾いて形成したことを特徴
としている。
【0015】これら治具の基端部に嵌合溝を設け、これ
に嵌着させる握り体には、先端部に嵌合溝と嵌合し合う
凸部を形成し、さらにこの凸部と連動するラチェット機
構を備えていることを特徴とするものである。
【0016】
【作用】治具をドアーの上端開口部の外板とガラスとの
隙間を拡大させて挿入し、ドアーの外板に生じた凹み部
の裏面に治具の頭部を当てがい、治具に装着させて握り
体、または握り部を弱い押圧力を加えて、漸次凹み部を
同一面に復元させる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明すると、図1〜図5は本発明に係る治具の各例を示
す斜視図である。
【0018】まず、本発明に係る治具1〜4について説
明する。この治具1〜4は、自動車の車体に生じた凹み
部の大きさ、形状などに応じて、その先端部の形状が異
なる構成としてある。この凹み部は、上記の通り凹み傷
として窪み部分の塗装が傷んだり、塗装が剥げていない
状態をいい、ゴルフボール程度の直径5cm前後までの
窪みをいう。
【0019】図1に示す治具1は、断面円形状の金属製
棒状体5の先端部に、弯曲部6を介して先細り形状の頭
部7aを形成してある。また、棒状体5の基端部は、径
大部8に形成し、これに角状の嵌合孔9を設けてある。
【0020】図2に示す治具2は、棒状体5の先端部に
は、上記治具1と同様に弯曲部6を介して先細り形状
で、且つ漸次幅狭な肉薄形状の頭部7bを形成してあ
る。図3に示す治具3は、先端部には弯曲部6を介して
太めの円弧形状の頭部7cを形成してある。
【0021】このような治具1〜3は、次に説明する握
り体15に装着して補修作業を行う。この握り体15
は、図6に示すように基端部に棒状の握り部16を設
け、先端部に周知なつめとつめ車などで構成されている
ラチェット機構17が内設されている。18はつまみ、
19は角状の嵌合用の凸部であり、この凸部19を上記
治具1〜3の嵌合孔9に嵌合させて、握り体15に装着
し、使用するものである。
【0022】図3,4及び図5に示す治具4は、棒状体
5の先端部には治具1〜3と同様に弯曲部6を介して太
めの円弧形状の頭部7dを形成してある。一方、その基
端部は、治具1〜3と異なり、棒状体5を延長させ、上
記頭部7dと反対方向に円弧状の折返し部10を介して
複数の波形部11を経た傾斜状の握り部12としてあ
る。
【0023】また、この握り部12は、図5に示すよう
に頭部7dに対し、一方側に傾いた形状とすることがで
きる。13は握り部12に配した合成樹脂などのカバー
である。なお、折返し部10の構成を省き、ほぼ直角状
に弯曲させて握り部とするなど、握り部は設計変更事項
である。
【0024】本発明に係る治具1〜4は、上記構成の通
りであるが、頭部7a〜7dは、上記構成に限定される
ものでなく、補修を施す凹み部の形状、大きさなどに対
応させて種々な形状に構成できる。また、基端部の構成
は、治具1〜3のように径大部8に嵌合孔9を設けて、
握り体15を取付けるようにしてもよいし、治具4のよ
うに棒状体5と一体の構成にするなど任意な設計事項で
ある。
【0025】次に、図7と図8に示す本発明の治具を用
いて凹み部の補修方法の一例を説明する。図に示す例
は、ドアー部の凹み部の補修例を示し、治具1を使用す
る場合であり、ドアーの構成は、上記従来例に示す名称
と符号を用いて説明する。作業者はドアーaの外側或い
は内側に位置すると共に、作業者の側面から手元が暗く
ならないようにライトを照らし、その影がある個所の凹
み部eの状態をよく確認する。
【0026】そして、ドアーaのガラスiをドアー部の
上端開口部jに下降させ、この開口部jの部位の外板c
とガラスiの隙間を当て材lを1乃至複数挿入し、開口
部jの隙間kを拡大させる。続いて、この隙間kに沿わ
せて治具1の頭部7aを挿入したうえ、頭部7aを凹み
部eの裏面に当てがう。
【0027】さらに、作業者が握っている握り部15に
弱い力をガラスi側および/または下方側に加えること
により、頭部7aの弯曲部6が支点Xとなり、頭部7a
を凹み部eに当接させ、凹み部eを外側に押圧させる作
業を漸次繰返すことにより、凹み部eをドアーaの外板
cと同一面になるように補修する。この繰返しの押圧作
業において、作業者はライトにより、凹み部の状態を確
認しながら作業を続けるが、ライトが凹み部に照らされ
ることにより、生ずる影が補修作業の進行状況に応じ漸
次少なくなり、凹み部eが他のドアーの外面と同一面と
なれば、その影がなくなり、凹み部eの補修が終了した
ことを意味する。
【0028】この補修例は、治具1を使用しているが、
この治具1は、上記のように握り体15に装着させて使
用するものであり、治具4を使用すると、その握り部1
2を握って作業できる。この握り部12は凹み部eが生
じている状況に応じて、その折返し部10を握って作業
することもでき、便利である。なお、治具1〜4に加え
る押圧力が強いと、治具の動きが大きくなり、しかも強
い押圧力が頭部7a〜7dに加わり、ガラスiを損傷す
る原因となるため、この補修方法は、弱い力で、その補
修作業を行うことが大切である。
【0029】このように本発明の治具1を使用して凹み
部eの補修を行うが、凹み部eの形状や大きさなど状態
に応じて、使用する治具1〜4を選択して補修を行うこ
とができる。
【0030】さらに、この治具1〜3は頭部7a〜7c
に対し、握り体15の角度をラチェット機構17を介し
て任意に選択でき、また図5に示す治具4は同様に作業
の状況に応じて、所定の傾斜角度を保つように、その握
り部12が構成されている。このため、作業者は、凹み
部eを対面状態で、且つライトによる凹み部eの影を確
認しながら補修作業を行うことができ、正確な補修が行
える。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
の効果を有するものである。ドアー部の凹み部にあって
も、内貼り布を剥がしたり、ドアー部の内板に穴をあけ
ずに、その凹み部の補修を行うことができる。さらに、
内貼り布を剥がしたり、内板に穴をあけないため、この
前処理と後処理に要する日時を省くことができ、その補
修に要する日時を大幅に短縮でき、また補修費も安価と
なる。
【0032】使用する治具は、先端側の頭部が弯曲部を
介して構成されていると共に、基端部には、凹み部に対
し作業者が対面状態で常に凹み部の状況を確認しながら
補修できるように頭部に対し、傾斜状の角度を保つ握り
部或いは握り体であるため、無理な姿勢での作業が解決
でき、迅速かつ正確な補修が可能となる。
【0033】また、治具の頭部は、上記のように弯曲部
を介して形成されているため、頭部の動きが少なくて
も、凹み部に押圧力を加えることができる。しかも、使
用する治具は、金属製の棒状体に所定の加工を施すこと
により製作でき、極めて簡易であり、且つ安価に提供で
きる。特に、握り体を用いる治具では、頭部に対し傾斜
角度を任意に変更できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の治具を示す斜視図。
【図2】本発明の他の治具を示す斜視図。
【図3】本発明のさらに他の治具を示す斜視図。
【図4】本発明の異なる治具を示す斜視図。
【図5】図4の治具の変形例を示す斜視図。
【図6】本発明の治具に使用する握り体の一例を示す斜
視図。
【図7】本発明の補修方法の一例を示す説明用断面図。
【図8】図7を拡大した説明用断面図。
【図9】従来例の補修方法の一例を示す説明用断面図。
【符号の説明】
a ドアー e 凹み部 c 外板 i ガラス j 上端開口部 1〜4 治具 7a〜7d 頭部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドアー部の外板に生じた凹み部の補修に
    おいて、ドアーの上端開口部の外板とガラスとの隙間を
    拡大させて、この隙間に沿わせながら、金属製棒状体か
    らなる治具の先端部に弯曲部を介して設けた頭部が、上
    記凹み部の裏面に当接し得るように治具を挿入し、この
    治具の基端部に嵌着させた握り体または治具と一体の握
    り部にガラス側および/または下方側方向へ押圧力を加
    え、治具の上記弯曲部を支点として頭部を凹み部の裏面
    に当接させて、凹み部の補修を行うことを特徴とする車
    体の補修方法。
  2. 【請求項2】 金属製棒状体からなる治具の先端部に
    は、弯曲部を介して先細り形状の頭部を形成したことを
    特徴とする車体の補修治具。
  3. 【請求項3】 金属製棒状体からなる治具の先端部に
    は、弯曲部を介して先細り形状で、且つ漸次幅狭な肉薄
    形状の頭部を形成したことを特徴とする車体の補修治
    具。
  4. 【請求項4】 金属製棒状体からなる治具の先端部に
    は、弯曲部を介して太めの円弧形状の頭部を形成したこ
    とを特徴とする車体の補修治具。
  5. 【請求項5】 金属製棒状体からなる治具の基端部に
    は、半円弧形状の折返し部を介して波形部を経て傾斜状
    の握り部を形成したことを特徴とする請求項2,3,4
    記載の車体の補修治具。
  6. 【請求項6】 金属製棒状体からなる治具の基端部に
    は、半円弧形状の折返し部を介して波形部を経て傾斜状
    の握り部を形成すると共に、この握り部は基端部部位か
    ら頭部に対し、一方側に傾いて形成したことを特徴とす
    る請求項2,3,4記載の車体の補修治具。
  7. 【請求項7】 金属製棒状体からなる治具の基端部に嵌
    合孔を設け、これに装着させる握り体には、先端部に嵌
    合孔と嵌合し合う凸部を形成し、さらにこの凸部と連動
    するラチェット機構を備えていることを特徴とする車体
    の補修治具。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62183913U (ja) * 1986-11-15 1987-11-21
JPS63107574U (ja) * 1986-12-26 1988-07-11

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS62183913U (ja) * 1986-11-15 1987-11-21
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