JPH06319388A - 植物への灌水装置 - Google Patents

植物への灌水装置

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JPH06319388A
JPH06319388A JP13128193A JP13128193A JPH06319388A JP H06319388 A JPH06319388 A JP H06319388A JP 13128193 A JP13128193 A JP 13128193A JP 13128193 A JP13128193 A JP 13128193A JP H06319388 A JPH06319388 A JP H06319388A
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JP
Japan
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sensor
traveling carriage
abnormality
sprinkling
plant
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Application number
JP13128193A
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English (en)
Inventor
Hisakazu Uchiyama
山 久 和 内
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Cosmo Plant Co Ltd
Original Assignee
Cosmo Plant Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プランターなどの栽培床に列植された株に対
し、自動的に1株ずつ安全かつ確実に給水することが
で、異常時に迅速に対処しうる装置を提供する。 【構成】 走行台車5、その上に前後伸縮ユニット14
を介して設けられるアーム6、アームの先端の撒水ノズ
ル15、スリップ検出センサS1 、S2 、給水検出セン
サS3 、各センサからの信号によりスリップの発生また
は給水停止を判断するコントローラC、およびそのコン
トローラがスリップまたは給水停止と判断したとき、異
常信号を発信する発信機22を備えた走行撒水装置4
と、前記発信機からの異常検出信号を受信する受信機と
からなる灌水装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は植物への灌水装置に関す
る。さらに詳しくは、栽培床に列植した植物に自動的に
灌水を施すことができ、かつ緊急時に植物栽培の被害を
最小限にとどめうる灌水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来はこの種の灌水装置は用いられてい
ない。すなわち本出願人は本件に先立ち、植物の株を列
植した栽培床などの側方を走行する走行台車と、その走
行台車の上に設けられる撒水パイプと、その撒水パイプ
の先端に設けられる撒水ノズルとを備え、栽培床に沿っ
て移動しながら各株のまわりに灌水していく灌水方法お
よび灌水装置を提案している(特願平4−120192
号)。本発明はその未公開の灌水装置の機能をさらに向
上させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記本出願人が提案し
た灌水装置は、基本的に無人で多数の植物を栽培する植
物栽培工場を目標とするものである。しかし走行台車が
プランターの縁などのレール上または床上を走行すると
き、栽培土や水の存在により車輪がスリップすることが
ある。このようなスリップは、場所により撒水量の大幅
な過不足をもたらす。さらに撒水パイプと株とが干渉
し、株や撒水ノズルを損傷することがある。また給水タ
ンクを備えている走行台車の場合は給水タンクが空にな
ったとき、あるいはホースやバルブが詰ったりして水が
流れなくなったときは、撒水動作をしても実際に用土に
灌水されない。その場合、後で気づいたとしても、撒水
された範囲など、撒水の状態がわからない。
【0004】上記の走行台車のスリップによる撒水量の
過不足や給水の停止は植物の成長に大きな影響を与え
る。とくに作物がメロンなどの高価で給水量に敏感な作
物の場合は、被害がきわめて大きくなる。そのため前記
灌水装置を実際に使用する場合は、走行台車が適切に進
行しているかどうか、撒水が充分に行なわれているかど
うかを監視する作業者が必要である。しかしながら温室
内に多数配列した栽培床や複数台設置した灌水装置をす
べて管理するのはきわめて煩雑であり、規模が大きいハ
ウス栽培の場合は、何人もの作業者が必要になる。
【0005】本発明はこれらの観点に基づき、灌水装置
の自動運転中にスリップや給水停止などの緊急事態が発
生したとき、ただちにそれに対応することができ、しか
もできるだけ作業者を減らすことができる灌水装置を提
供することを技術課題としている。さらに本発明はスリ
ップを生じにくい灌水装置を提供することを技術課題と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の灌水装置は、植
物の株を列植した栽培床の側方を走行する走行台車と、
該走行台車の上に設けられる撒水パイプと、該撒水パイ
プの先端に設けられる撒水ノズルとを備えると共に、前
記栽培床に沿って移動しながら株に灌水する灌水装置で
あって、前記走行台車に、運転状態の異常を検出する異
常検出器と、該異常検出器の信号に基づいて基地局に緊
急信号を発信する発信機とが設けられてなることを特徴
としている。前記異常検出器は、駆動輪の回転数を検出
する第1センサと、従動輪の回転数を検出する第2セン
サと、第1センサと第2センサの検出値を比較し、両者
の差が設定値より大きくなったときに異常検出信号を出
すスリップ検出器とすることができる。
【0007】また前記異常検出器は、撒水パイプ内の流
量を検出するセンサと、このセンサの出力と給水バルブ
の開信号とを比較し、両者の不一致の状態が所定時間を
超えて続いたとき、異常検出信号を出す給水検出器とす
ることができる。前記基地局は、異常検出信号を受信し
たときに鳴るブザーを備えている携帯用の受信機とする
のが好ましい。
【0008】請求項5の灌水装置は、栽培床に沿って線
状の補助部材が設けられており、前記走行台車がその補
助部材との係合により走行駆動力をうるように構成され
ていることを特徴としている。そのような装置は、前記
補助部材をラック状のレールとし、前記走行台車にその
レールと噛み合って転動するピニオン状の駆動輪を設け
ることにより構成しうる。また前記補助部材を栽培床の
両端近辺に設けられる一対のプーリーにより往復駆動さ
れるケーブルとし、前記走行台車をそのケーブルに連結
することにより構成することができ、さらに前記補助部
材を栽培床の両端近辺に設けられるアンカー間に張設さ
れたケーブルとし、前記走行台車にそのケーブルに少な
くとも1回巻きつけた駆動輪を設けることによっても構
成しうる。請求項9の灌水装置は、走行台車がクローラ
を備えた駆動輪を有することを特徴としている。
【0009】
【作用】請求項1の灌水装置においては、走行台車が栽
培床の側方を走行し、各株の根元の地面に撒水ノズルが
撒水する。そのとき走行台車の車輪がスリップしたり、
給水が停止するなどの異常事態が発生すると、異常検出
器がその異常を検出し、異常検出信号を発信機を通じて
基地局へ送る。そのため監視人は基地局に1名だけいれ
ばよく、たとえば管理人が監視人を兼ねることができ
る。緊急信号を受信した管理人はただちに走行台車まで
馳せつけて、スリップなどの原因を除いたり、運転再開
を行なうことができる。
【0010】請求項2の装置において、走行台車が走行
・停止するとき、通常の状態では駆動輪と従動輪とが同
じように回転・停止する。しかし走行台車が障害物にぶ
つかるなど、何らかの原因で駆動輪がスリップすると、
駆動輪のみがスリップしながら回転し、従動輪は回転し
ない。そのため駆動輪の回転数を検出する第1センサと
従動輪の回転数を検出する第2センサの検出値に差が生
ずる。そしてその差があらかじめ設定した値より大きく
なったとき、スリップが生じたと判断し、異常検出信号
が出される。
【0011】請求項3の装置では、通常時は給水バルブ
の開信号により水が流れ、閉信号により停止する。とこ
ろが何らかの原因で給水停止したとき、あるいは流量が
急に減少したときは、給水バルブに開信号が送られてい
るにも拘らず、撒水パイプ内に水が流れない事態とな
る。そのような不一致の状態が一定時間以上経過する
と、異常であると判断され、異常検出信号が発信機を通
じて発信される。請求項4の装置では、基地局が携帯用
の受信機、たとえばポケットベルであるので、管理人は
その受信機を携帯して栽培ハウス内などを巡回すること
ができる。そしていずれかの灌水装置で異常が生じたと
きは、受信機のブザーないし呼出音によりただちに異常
に気づく。
【0012】請求項5〜9の装置では、主として補助部
材から受ける反力により駆動力を発生させる。そのため
車輪と地面との間でスリップが生じにくい。すなわち請
求項6の装置では、ピニオン状の駆動輪がラック状のレ
ールと噛み合って転動するので滑ることがない。また請
求項7の装置では、ケーブルの往復循環により走行駆動
するので、車輪は単に重量を支えるだけである。そのた
めスリップしない。他方、請求項7の装置では、駆動輪
がいわば張り渡したケーブルをたぐり寄せるようにして
走行するので、ほとんどスリップを生じない。また請求
項9の灌水装置は駆動輪がクローラ(履帯)を履いてい
るので、接地圧が低くなり、ほとんどスリップしない。
【0013】
【実施例】つぎに図面を参照しながら本発明の植物への
灌水装置の実施例を説明する。図1は本発明の装置の一
実施例を示す概略平面図、図2は図1の装置の異常信号
発信装置を示すブロック図、図3は図1の装置の使用状
態を示す斜視図、図4は図1の装置による撒水軌跡の一
例を示す平面図、図5は本発明にかかわる異常信号発信
装置の作用の一例を示すフローチャート、図6は本発明
にかかわる走行撒水装置の他の実施例を示す平面図、図
7は本発明の装置の他の実施例を示す概略正面図、図8
は本発明の装置の他の実施例を示す概略平面図、図9お
よび図10はそれぞれ本発明の装置のさらに他の実施例
を示す概略正面図である。
【0014】図1において1はプランターであり、プラ
ンター1の中には用土2が収容されて栽培床を構成して
いる。そしてその用土2に植物の株3が適宜の間隔で植
えられている。プランター1の前面側には走行撒水装置
4が配置されている。この走行撒水装置4は、台車5と
その台車5の上に伸縮自在に設けたアーム6とを有す
る。台車5の一方の側面には2個の駆動輪7、8が設け
られ、その駆動輪7、8はプランター1の縁部9をガイ
ドとして走行する。後方(図面の左側)の駆動輪7は走
行用モータM1 で回転駆動され、前方の駆動輪8はチェ
ーン10およびスプロケット11、12により後方の駆
動輪7と同調するように駆動される。
【0015】台車5の他方の側面には1個の従動輪13
が自由に追従回転できるように設けられている。前記ア
ーム6はアーム6を前後に伸縮駆動するユニット14を
介して台車5の上に設けられており、そのユニット14
はたとえば伸縮モータM2 によって駆動されるラックピ
ニオン機構を備えている。アーム6はそれ自体がパイプ
であり、その先端に下向きないし上向きにシャワーヘッ
ド状の撒水ノズル15が取りつけられている。なおアー
ム6内にチューブないしホースを通すようにしてもよ
い。アーム6の後端には電磁駆動の開閉・流量調節バル
ブ(以下、バルブという)Vが設けられ、そのバルブV
の入口にホース17が接続されている。ホース17の他
端は台車5上に設けたポンプつきのタンクに接続される
か、または天井に通したコイル状の伸縮ホースなどを介
して水圧源に接続されている。
【0016】前記各モータM1 、M2 およびバルブVは
コントローラCによって制御される。前記台車5の駆動
輪7、8のうちの一方、たとえば前方の駆動輪8には、
駆動輪8の回転角度位置または回転数を検出するセンサ
1 が設けられている。そして従動輪13にも同じセン
サS2 が設けられている。センサS1 、S2 としては回
転軸に検出軸を連結したポテンショメータあるいはエン
コーダなどが採用される。また車輪そのものにマークを
付け、台車5のフレームにそのマークを検出する光学的
ないし磁気的センサを設けるようにしてもよい。他方、
前記アーム6の先端近辺にはアーム6内を流れる水の流
量を検出する流量検出センサS3 が設けられている。流
量検出センサS3 としては、たとえば圧力センサあるい
は体積式流量計などを採用することができる。
【0017】図2に示すように、前記コントローラCに
は、モータM1 、M2 やバルブVに駆動信号を送る運転
制御部C1 と、異常事態を監視する監視部C2 とを有す
る。制御部C1 は、たとえばプランター1の側面の各株
3に対応する位置に設けたパネル18を検知するセンサ
19から送られる信号にしたがって、台車5の進行・停
止およびアーム6の伸縮、ならびに給水の開始・停止を
指示するものであり、マイクロプロセッサ、インプット
/アウトプットポート、メモリ、モータドライバなどを
備えている。
【0018】他方、監視部C2 には、駆動輪8のセンサ
1 と従動輪13のセンサS2 とを比較し、両者間の相
違を検出する第1コンパレータ20の出力が入力され
る。さらに前記制御部C1 のバルブVを駆動するドライ
バ信号と、流量を検出するセンサS3 からの信号とを比
較し、バルブVを開いているにもかかわらず給水されな
い場合に第2コンパレータ21から信号が監視部C2
入力される。そして監視部C2 は、第1コンパレータ2
0または第2コンパレータ21からの異常検出信号が出
たとき、それが所定の許容範囲がどうか、すなわち許容
時間内かどうか、不一致が許容される大きさかどうかを
判断し、一定以上のときは異常発生であると判断する。
なおここにいうコンパレータは単独の素子のほか、所定
のプログラムで作動するマイクロプロセッサなども含む
広い概念である。監視部C2 の出力端は無線発信機22
に接続されており、緊急信号を無線で発信できるように
している。
【0019】叙上のごとく構成される灌水装置は、たと
えば図3に示すようにして使用される。図3において2
3は栽培棟の管理人室に設けられる受信機であり、24
は走行撒水装置4の作業状態または緊急時の不良個所を
表示するモニターである。このモニター24は走行撒水
装置を遠隔操縦する制御盤のモニターと兼用することも
できる。さらに25は作業者ないし管理人26が携帯し
ている携帯型の受信機である。なお受信機23から電話
回路を通じて自動的に灌水装置のメンテナンスを担当す
る会社に通知するのが好ましい。その場合受信した側で
は、不良の発生や、その発生個所などのデータを自動的
に記録するようにしてもよい。さらに電話回線を介した
うえで、移動体電話ないしいわゆるポケットベルを通じ
て離れた場所にいるメンテナンス要員または責任者を呼
び出すようにしてもよい。携帯型の受信機とはそのよう
なポケットベルなどを含む概念である。
【0020】通常の運転時には走行撒水装置4は定めら
れたプログラムにしたがうプログラム制御によって、あ
るいは各駆動単位の終了を検知して次の駆動単位を開始
させるシーケンス制御によって、矢印A方向の進行、各
株3の正面での停止、アーム6の伸縮、バルブVの開閉
などの動作を自動的に行なう。詳しく説明すると、図4
に示すように、まずアーム6が伸びた状態で株3の左側
に位置すると、一旦台車を停止させ、アーム6を縮めな
がらバルブVを開いて充分に撒水を行ない、続いてゆっ
くりと台車5を前進させながらアーム6を伸縮して半円
を描かせ、さらに台車5を止めてアーム6を伸ばさせ
る。それにより撒水ノズル15の軌跡、すなわち撒水範
囲は図4の一点鎖線のようにU字状になる。そしてU字
状の軌跡を描き終ったとき、再び台車5を矢印A方向に
進行させる。この直線状の進行のときは撒水を続けても
よく、止めてもよい。
【0021】また前記U字状の軌跡では株3の背後に水
が撒かれていない部分27ができるが、想像線28で示
すようにアーム6を株3の幹に近づけた状態から撒水を
開始し、台車5を後退させながらアーム6を縮め、さら
にアームを縮める動作を続けながら台車を前進させ、途
中からアームを伸ばし、最後に再び台車5を後退させる
ようにして、ほぼ閉じた円29aを描かせるようにして
もよい。また撒水ノズル15に首振り機構を設けて株3
の背後に撒水するようにしてもよい。なお首振り機構に
より撒水ノズルをプランター1の幅方向に首を振らせな
がら台車を走行させることにより、円弧状の撒水軌跡を
うることもできる。その場合は撒水ノズルを上向きの角
度まで首振りさせるようにしてもよい。
【0022】上記撒水作業が順調に行なわれている間
は、駆動輪7の回転と従動輪13の回転とが対応してい
る。そのため図2の第1コンパレータ20からは、両方
のセンサS1 、S2 にずれが生じたことを示す異常検出
信号が出ない。またバルブVを開かせる信号と流量検出
センサS3 の信号とが対応しているので、第2コンパレ
ータ21から異常検出信号が出ない。
【0023】一方、前記撒水作業中に台車5が何かの障
害物に当たるなどにより駆動輪7にスリップが生ずる
と、前記U字状ないし円状の撒水軌跡がえられない。こ
の場合そのまま撒水を続行すれば、図4から推測できる
ように、アーム6が株3にぶつかって株3を倒したり、
撒水ノズル15を破損したりすることがある。また水が
供給されないまま形だけの撒水作業を続けると作物に大
きい被害が出る。本発明の前記の装置では、車輪にスリ
ップが生ずると、駆動輪8の回転数と従動輪13の回転
数とに差が生ずる現象を利用し、差異が生ずるか否かを
スリップの判定に利用する。なおすべての車輪を駆動す
るようにすると、そのような差は出ない。
【0024】またバルブVに対して開の信号を出してい
るにも拘らず、流量検出センサS3が水の流れを検出し
ていないときは、第2のコンパレータ21が異常発信信
号を出し、監視部C2 に伝える。このような給水異常
は、撒水作業の後は外観からはほとんどわからないの
で、早期に発見することがきわめて重要である。
【0025】前記第1または第2コンパレータ20、2
1からの出力により、監視部C2 が異常発生と判断する
と、ただちに撒水作業を中止すると共に、発信機22を
通じて無線で異常があったことを通信する。その場合、
図3の基地局の受信機23がその信号を受信し、モニタ
ー24に表示すると共にブザーを鳴らす。さらに管理人
26の携帯用の受信機25のブザーを鳴らす。なおブザ
ー音は異常の種類によって変え、たとえば高低の2種類
などとすることもできる。また携帯用受信機25に液晶
表示などのディスプレイを設け、複数台の走行撒水装置
のうち、どの装置に異常が起きたのかを表示するように
してもよい。以上のように走行撒水装置に何らかの異常
が生じたとき、管理人26または作業者はブザー音など
により直ちにその異常の発生がわかるので、適切な対応
をとることができ、作物の被害を最小限にすることがで
きる。さらにメンテナンス担当者にポケットベルで通知
することにより、迅速な対応が可能となる。またメンテ
ナンス担当の会社などに電話回線を通じて異常の発生や
その個所を通知し、それらをデータとして記録しておけ
ば、生産保証などに関するデータとして利用しうる。
【0026】図5は異常発生検出器をマイコンにより構
成する場合のフローチャートを示している。その場合は
駆動輪8のセンサS1 の出力、従動輪13のセンサS2
の出力および流量検出センサS3 の出力はI/Oポート
インターフェースを通してマイコンの中央演算装置(C
PU)により順に取り込まれ、以下のように異常の有無
を判断するサイクルが繰り返される。
【0027】ステップST1 :センサS1 の出力を検
出する(メモリに取り込む)。 ステップST2:センサS2 の出力を検出する。 ステップST3 :センサS1 の出力とセンサS2 の出
力の差を演算し、その差が所定の値を超えているか否か
を判断する。超えているときは異常と判断し(M)、超
えていないときはつぎのステップST4 に進む。 ステップST4 :バルブVへ開信号が出ていることを
検出する。 ステップST5 :流量検出センサS3 の出力を取り込
む。 ステップST6 :バルブの開信号と流量検出センサの
出力の論理積をとり、これが所定の値を超えているか否
かを判断する。超えているときは異常と判断し、異常発
生信号を出す。超えていないときは最初のステップST
1 に戻る。
【0028】前記図4の実施例では、台車5の前後進お
よびアーム伸縮機構によるそれぞれの直線運動を組み合
わせて株を囲む円状の軌跡をえているが、図6のように
機構的に円形の軌跡をうるようにしてもよい。図6の走
行撒水装置30は、アーム支持部に平行旋回機構31が
設けられている。平行旋回機構31は台車5上にたがい
に平行に配置された一対の回転軸32、32と、それら
の回転軸からそれぞれ半径方向に延びるガイド軸33、
33と、それらのガイド軸上にスライド移動自在に設け
られているスライド部材34、34と、それらのスライ
ド部材に設けたピン35、35によって回動自在に支持
されるクロスガイド36とから構成される。そのクロス
ガイド36はアーム6を固定または伸縮自在の状態で支
持している。さらに前記スライド部材34、34をガイ
ド軸33に沿ってスライド駆動する手段、たとえばモー
タとラックピニオン機構を備えている。また一対の回転
軸32、32はチェーン37およびスプロケット38、
38により同調回転するように構成されている。
【0029】このものは回転軸32、32を1回転させ
ると、クロスガイド36が平行な状態を維持したまま、
同じく1回転旋回し、同じくアーム6も平行のまま1回
転する。したがってアーム6の先端の撒水ノズル15は
たとえば実線で示すように、スライドガイド34の回転
軸32からの距離r1 を旋回半径とする円弧39を描
く。上記装置により株3に撒水する場合、まず株3に合
わせてスライド部材34の位置、すなわち撒水ノズル1
5の回転半径r1 を設定する。そして撒水ノズル15を
株3の裏側の位置P1 に配置させ、その位置から株3の
前側を通るように所定の半径の円弧39を描かせる。そ
して最終の位置P2 から台車10をつぎの株に向かって
走行させると共に、その間に残りの円弧40を描かせる
ようにする。つぎの株3が小さい場合は、スライド部材
34を想像線の位置に移動させる。それにより小さい半
径r2 の円形の軌跡がえられる。
【0030】このようにこの装置は株3の大きさ、種類
に応じた適切な半径で株3を中心とする正確な円弧を描
きながら撒水させることができ、撒水量も適切に制御し
うる。そのため株3の根が均等に拡がり、しっかりとし
た株3がえられる利点がある。
【0031】以上、好ましい実施例をあげて本発明の灌
水装置を説明したが、本発明はこれらに限られるもので
はない。たとえばスリップを検出する異常検出器とし
て、駆動輪と従動輪の回転をそれぞれパルス信号とし、
それらの信号をUP−DOWNカウンタのUP端子およ
びDOWN端子に入力し、カウント数が一定以上になっ
たときに異常と判断するものを採用することもできる。
またスリップや給水停止のほかに、アームの伸縮動作異
常、図6の装置のアームの旋回動作異常などを検出し、
異常信号を発信するようにしてもよい。
【0032】前記実施例はいずれもスリップなどの異常
が生じた場合の対処の迅速性を確保するものであるが、
以下に示すようにスリップの発生をできるだけ抑制する
のがさらに重要な解決策となる。以下、図7〜10を参
照してスリップが生じにくい灌水装置の実施例を説明す
る。なお以下のスリップ防止の構成は通常は前記図1〜
2などの異常を検出する装置と組み合わせて使用する
が、もちろん単独で用いることもでき、その場合も撒水
パターンが正確になるなどの効果を奏する。
【0033】図7の装置では、台車5に駆動プーリ(駆
動輪)41が回転自在に設けられ、その駆動プーリ41
は走行モータM1 によって回転駆動される。さらに床面
には栽培床と平行に1本のケーブル42が張り渡されて
おり、そのケーブル42の両端はアンカー43で固定さ
れている。なおケーブル42は適切な張力調節機構、た
とえばテンションプーリ44で張力維持が図られてい
る。前記ケーブル42は駆動プーリ41の周囲に1回な
いし2〜3回巻つけられている。そのため駆動プーリ4
1とケーブル42との間には充分な摩擦力が生ずる。な
お必要に応じて、ケーブル42に代えてチェーンを採用
し、駆動プーリ41に代えてスプロケットを採用しても
よい。このものは駆動プーリ41を矢印方向に回転させ
ると、あたかもケーブル42をたぐり寄せるように引っ
張ることになる。そのため台車5はその方向にスリップ
を生ずることなく進行する。
【0034】図8の装置においては、栽培床の一端側に
駆動用のプーリ45が設けられ、他端側に従動用のプー
リ46が設けられている。そしてそれらのプーリ45、
46の間に、栽培床と平行になるようにループ状にケー
ブル47が配索されている。またケーブル45は駆動用
のプーリ45に少なくとも一回以上掛け回されており、
駆動用のプーリ45は走行モータM1 で回転駆動され
る。一方、台車の底部にはケーブル47の途中の一か所
に固定するための止め具48が設けられている。なお符
号49はテンションプーリである。このものは駆動プー
リ45が矢印方向に回転すると、ケーブル47も矢印方
向に循環し、それに応じて台車5も矢印方向に走行す
る。逆に駆動プーリ45が破線の矢印方向に回転する
と、台車も破線の矢印方向に走行する。したがってこの
ものもスリップをほとんど生じない。
【0035】なお駆動プーリ45をケーブル47を何周
も巻き取ることができるドラムとすると共に、ケーブル
47の両端をそのドラムの外周に係止させてもよい。そ
の場合はドラムの回転により、ケーブルの一方の端を巻
き取り、他方の端を送り出すことによりケーブルを循環
させ、同じように台車5を往復走行駆動することができ
る。また両方のプーリーをそれぞれ駆動プーリとし、走
行の方向によっていずれかのプーリにケーブルを巻き取
るように交互に回転駆動させるようにしてもよい。
【0036】図9の装置は駆動輪50を含むいくつかの
車輪にクローラ51が掛けられている。そのため通常は
土である床面に対する接地圧が低く、密着性が高くな
る。そのため走行時にほとんどスリップを生じない。図
10の装置においては、栽培床を構成するプランター1
の縁部にラック状のレール52が下向きに設けられてお
り、台車5にはそのレール52の歯と噛み合うピニオン
状の駆動輪53が設けられている。したがって台車5は
いわば上側のレール52と通常の車輪54を支える下側
のレール55とに挟まれた状態となる。このものは駆動
輪53が回転すると、フック状のレール52の歯と噛み
合って転動するので、スリップを生じない。なお通常の
レール55aをプランター1の上面に設けてもよい。そ
の場合は想像線で示す通常の車輪54aとピニオン状の
駆動輪53とでレール52、55aを挟むようになる。
さらには走行撒水装置が走行する通路の両側のプランタ
ー1にレール52、55aを設けてもよい。その場合は
4輪駆動とすることもできる。
【0037】またラック状のレール52と噛み合う車輪
を従動輪とし、その従動輪の軸などに回転検出器を取り
つけて、単なるスリップ検出器として利用することもで
きる。この場合は図1〜2に示したコントローラCによ
り、別個の駆動輪に設けた回転検出器との角度差によ
り、スリップが生じたことが検出される。
【0038】
【発明の効果】本発明の装置によれば、走行撒水装置の
スリップや給水停止の緊急事態に直ちに管理人や作業者
に通報することができるので、作物の被害を最少にとど
めることができる。またスリップ防止対策を施した装置
の場合は、スリップの発生そのものを大幅に抑制するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一実施例を示す概略平面図であ
る。
【図2】図1の装置の異常信号発信装置を示すブロック
図である。
【図3】図1の装置の使用状態を示す斜視図である。
【図4】図1の装置による撒水軌跡の一例を示す平面図
である。
【図5】本発明にかかわる異常信号発信装置の作用を示
すフローチャートである。
【図6】本発明にかかわる走行撒水装置の他の実施例を
示す平面図である。
【図7】本発明の灌水装置の他の実施例を示す概略正面
図である。
【図8】本発明の灌水装置の他の実施例を示す概略平面
図である。
【図9】本発明の灌水装置の他の実施例を示す概略正面
図である。
【図10】本発明の灌水装置のさらに他の実施例を示す
概略正面図である。
【符号の説明】
3 株 4 走行撒水装置 5 台車 6 アーム 7 駆動輪 8 駆動輪 13 従動輪 20 第1コンパレータ 21 第2コンパレータ 22 無線発信機 23 受信機 25 携帯型受信機 V バルブ C コントローラ S1 センサ S2 センサ S3 センサ 41 駆動プーリ 42 ケーブル 45 駆動プーリ 46 従動プーリ 47 ケーブル 51 クローラ 52 レール 53 駆動輪

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物の株を列植した栽培床の側方を走行
    する走行台車と、該走行台車の上に設けられる撒水パイ
    プと、該撒水パイプの先端に設けられる撒水ノズルとを
    備えると共に、前記栽培床に沿って移動しながら株に灌
    水する灌水装置であって、前記走行台車に、運転状態の
    異常を検出する異常検出器と、該異常検出器の信号に基
    づいて基地局に緊急信号を発信する発信機とが設けられ
    てなる植物への灌水装置。
  2. 【請求項2】 前記異常検出器が、駆動輪の回転数を検
    出する第1センサと、従動輪の回転数を検出する第2セ
    ンサと、第1センサと第2センサの検出値を比較し、両
    者の差が設定値より大きくなったときに異常検出信号を
    出すスリップ検出器である請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記異常検出器が、撒水パイプ内の流量
    を検出するセンサと、このセンサの出力と給水バルブの
    開信号とを比較し、両者の不一致の状態が所定時間を超
    えて続いたとき、異常検出信号を出す給水検出器である
    請求項1記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記基地局が携帯用の受信機であり、こ
    の受信機が異常検出信号を受信したときに鳴るブザーを
    備えている請求項1記載の装置。
  5. 【請求項5】 植物の株を列植した栽培床の側方を走行
    する走行台車と、該走行台車の上に設けられる撒水パイ
    プと、該撒水パイプの先端に設けられる撒水ノズルとを
    備えると共に、前記栽培床に沿って移動しながら株に灌
    水する灌水装置であって、前記栽培床に沿って線状の補
    助部材が設けられており、前記走行台車がその補助部材
    との係合により走行駆動力をうるように構成されている
    植物への灌水装置。
  6. 【請求項6】 前記補助部材がラック状のレールであ
    り、前記走行台車がそのレールと噛み合って転動するピ
    ニオン状の駆動輪を備えている請求項5記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記補助部材が栽培床の両端近辺に設け
    られる一対のプーリーにより往復駆動されるケーブルで
    あり、前記走行台車がそのケーブルに連結されている請
    求項5記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記補助部材が栽培床の両端近辺に設け
    られるアンカー間に張設されたケーブルであり、前記走
    行台車がそのケーブルに少なくとも1回巻きつけた駆動
    輪を備えている請求項5記載の装置。
  9. 【請求項9】 植物の株を列植した栽培床の側方を走行
    する走行台車と、該走行台車の上に設けられる撒水パイ
    プと、該撒水パイプの先端に設けられる撒水ノズルとを
    備えると共に、前記栽培床に沿って移動しながら株に灌
    水する灌水装置であって、前記走行台車がクローラを備
    えた駆動輪を有する植物への灌水装置。
JP13128193A 1993-05-07 1993-05-07 植物への灌水装置 Pending JPH06319388A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100678388B1 (ko) * 2006-03-20 2007-02-02 장기웅 꽃탑, 꽃벽, 꽃조형물 및 기타 화단 화초의 자동급수감지장치
CN114467688A (zh) * 2020-10-26 2022-05-13 永嘉一本机械有限公司 一种农田喷洒装置
CN114617053A (zh) * 2022-03-25 2022-06-14 江苏瑞营机械制造有限公司 一种农业灌溉用可移动喷洒设备

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