JPH06317180A - クロス・コンパウンド式ファン・エンジン - Google Patents

クロス・コンパウンド式ファン・エンジン

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JPH06317180A
JPH06317180A JP13882193A JP13882193A JPH06317180A JP H06317180 A JPH06317180 A JP H06317180A JP 13882193 A JP13882193 A JP 13882193A JP 13882193 A JP13882193 A JP 13882193A JP H06317180 A JPH06317180 A JP H06317180A
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fan
pressure turbine
shaft
compressor
engine
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Isamu Nemoto
勇 根本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2軸ファン・エンジンの2つの軸を交差させ
て,クロス・コンパウンド型式とし,低圧タービンに可
変静翼を設ける事によって,作動全領域に於いて燃料消
費率を最小にするタービン流量の流通を可能にする。 【構成】 圧縮機駆動軸Sと低圧タービン軸Sをア
ームAで接続し,ファン駆動軸Sと高圧タービン軸S
を歯車列で連結する事によって,圧縮機Cを低圧ター
ビンLPTで,ファンFを高圧タービンHPTで駆動
し,低圧タービンLPTの入口に可変低圧タービン静翼
VNを設けて,飛行マッハ数の増加(負荷の増加)に伴
いVNを開く事により,低速飛行時の圧縮機圧力比を高
く,高速飛行時の圧縮機圧力比を低くし,飛行マッハ数
によってファン圧力比を維持しながら,圧縮機圧力比の
変動幅を拡大する事を特徴とする。 【効果】 ファン・エンジンの作動全域にわたってSF
Cを低減できる上,離陸時の排気速度が減少するので,
空港騒音を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,超音速輸送機(SS
T)用ジェットエンジンを含む,ターボファン・エンジ
ンの新しい基本概念と,その基本概念に基づくターボフ
ァン・エンジンの機構に関する。
【0002】
【従来の技術】ファン・エンジンの性能を論じる時,二
つの論点がある。第一は設計点問題であり,一般に設計
点に於いて性能の最適化が計られる。第二は部分負荷問
題,設計点外性能問題である。これは一つのエンジンを
設計して回転数を変えたり,飛行条件を変えた時の性能
を論じるものである。部分負荷の性能は,設計点で定め
られた各構成要素の仕様や流路面積により制約を受け,
燃料消費率(以下,SFCと略す)を最小にする最適化
を計る事は出来ない。
【0003】またファン・エンジンの構成要素の配列
は,軽量・小型・高出力と言う航空機用原動機としての
制約がある。つまり要素配列は出来るだけ簡単である事
が望ましく,2軸ファン・エンジンでは高圧タービンで
圧縮機を,低圧タービンでファン(又はファン及びブー
スト圧縮機)を駆動する機構になっている。つまり同心
のファン駆動軸と圧縮機駆動軸の周りに各要素が直列に
配列されている。従って出力,及び流量のマッチングか
ら,ファン圧力比と圧縮機圧力比の比を設計点と設計点
外で大きく変化させる事は出来ない。
【0004】ところが,ファン・エンジンのサイクル計
算によれば,理想的には,飛行マッハ数の増加に伴いS
FCを最小にする最適圧縮機圧力比は大幅に減少するの
に対し,ファン圧力比は寧ろ上昇する。従ってファン・
エンジンは,その作動全領域にわたってSFCを最小に
する条件を維持しながら飛行しようとすると,換言すれ
ば各飛行状態を,それぞれ所要の推力を得る設計点と
し,各設計点(SFC最小点)を結んだ低燃費飛行を仮
想すると,ファン圧力比と圧縮機圧力比の変化に著しい
差が生じる。よって従来の要素配列のファン・エンジン
では,流量のマッチングが成立せず,仮想したような低
燃費飛行の実現は不可能である。つまり従来のファン・
エンジンは,設計点外ではSFCを最小にする最適サイ
クルから離れた作動領域で運転せざるを得なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ファン・エンジンには
経済性と環境適合性が要求される。そこで先ず第一に本
発明が解決しようとする課題は,ファン・エンジンの作
動全領域にわたって低燃費化を計る事である。何故な
ら,例えば超音速機でも,大陸上空飛行など亜音速飛行
の時間がかなり含まれる。つまり従来のように設計点の
みで最適化を計るのではファン・エンジンの画期的SF
C低減にはつながらない。従って先ずファン・エンジン
の基本概念を変える必要がある。新しい基本概念とは,
設計点外でも設計点同様,所要の正味推力を得る上で,
SFCを最小にする設計とする事である。そして,その
基本概念を実現する為に,ファン・エンジンの構成要素
の配列を改変する事である。
【0006】第二の課題は離陸時の排気騒音低減の問題
である。音速を超えるファン・エンジンは超音速域で高
推力を得る為,低バイパス比である。従って排気速度が
高く騒音が大きい。しかしファン・エンジンに要求され
る環境適合性から,本発明はこの点も解決課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述のよに,各飛行状態
をそれぞれ所要の推力を得る設計点とし,各設計点を結
んだ低燃費飛行を基本コンセプトとするファン・エンジ
ンを実現する為には,飛行マッハ数の増加に伴い圧縮機
圧力比を大幅に下げ,ファン圧力比はむしろ上昇させな
ければならない。この事をタービン側で言えば,飛行速
度の増加に伴い,高圧タービン膨張比を下げ,低圧ター
ビン膨張比を増さねばならない。
【0008】一方,直列フリータービンは,負荷の変動
により高圧と低圧の2つのタービンへの膨張比の配分が
変化するが,部分負荷に於いては高圧タービンで膨張比
の減少少なく,低圧タービンで大きく膨張比が減少す
る。従って上記のファン・エンジンの作動全領域でSF
Cを最小にする,最適圧縮機圧力比と最適ファン圧力比
の変化の関係は,直列フリータービンの特性と全く相反
する事になる。
【0009】ファン・エンジンは,飛行マッハ数の増
加(負荷の増加)に伴いSFCを最小にする最適圧縮機
圧力比が大幅に減少するのに対し,最適ファン圧力比は
寧ろ増加する。逆の言い方をすれば,負荷の減少に伴
い,高圧タービン膨張比を高め,低圧タービン膨張比を
僅かに下げる事になる。 直列フリータービンは,負荷の減少により全膨張比が
低下する時,高圧タービンでの膨張比減少少なく,低圧
タービンで膨張比が大きく減少する。
【0010】この二つの相反する特性を整合させる為に
は,クロス・コンパウンド型式が有効である。つまり従
来とは逆に,高圧タービンでファンを駆動し,低圧ター
ビンで圧縮機を駆動すればよい。ファン・エンジンをク
ロス・コンパウンド型式にすれば,ファン・エンジンの
作動全領域でSFCを低減できる事を見い出した事が本
発明の原点である。
【0011】
【実施例】軽量・小型・高出力が必須条件である航空機
用原動機で,ファン・エンジンのクロス・コンパウンド
化を図るには,流路をクロスさせるのではなく,軸を交
差させる事になる。本発明の一実施例を図1に示す。
【0012】図に於いてFはファン,VIは可変案内翼
または可変静翼,Cは圧縮機,CCは燃焼器,HPTは
高圧タービン,VNは可変低圧タービン静翼,LPTは
低圧タービンである。またSはファン駆動軸,S
圧縮機駆動軸,Sは低圧タービン軸,Sは高圧ター
ビン軸,Aはアームであり,G,G,G,G
歯車である。図示する如く,外径軸である圧縮機駆動軸
と,内径軸である低圧タービン軸SはアームAに
よって接続しており同心の一本の軸である。また内径軸
であるファン駆動軸Sと,外径軸である高圧タービン
軸SはG,G,G,Gの歯車列により連結し
ている。歯車GとGはアームAを貫いている軸によ
り固定されており,両歯車はアームAに対して回転自在
である。従ってノズル入口温度が高く高速回転となる高
圧タービンHPTの回転力を歯車列G,G,G
によって減速してファン駆動軸Sに伝達する事が
できる。ファン駆動軸SにはファンFのみでなくブー
スト段を設け,圧縮機Cに入る空気を過給する事もでき
る。以上のようにファン・エンジンの二つの軸を交差さ
せる事により,圧縮機Cを低圧タービンLPTで,ファ
ン(又はファン及びブースト圧縮機)を高圧タービンH
PTで駆動する事ができる。
【0013】
【作用】ファン・エンジンの作動全域にわたってSFC
を最小にする本発明の作用は,サイクル計算によって説
明しなければならない。1.各部の状態(4変数の消去) 航空宇宙技術研究所の森田光男氏の著になるファン・エ
ンジンの特性(日本航空宇宙学会誌 第22巻 第25
1号)」に,同じサイクルのファン・エンジンとターボ
ジェット・エンジンを比較する方法が提示されている。
その方法とは図2の上半部に示したターボジェット・エ
ンジンと全く同じ流量,サイクル圧力比,タービン入口
温度を有するコア・エンジンにファンを駆動する低圧タ
ービンを設けて,これによりファンを駆動する図2下半
部に示したファン・エンジンについて考察する方法であ
る。本発明の作用の説明にこの方法を引用させて頂く。
ファン・エンジンの全効率ηは9変数の関数である。
【0014】
【数1】
【0015】ここにτ=T/t:サイクル最高最低
温度比,μ:バイパス比,π:ラム圧力比,π:圧
縮機圧力比,πHPT:高圧タービン膨張比,
πLPT:低圧タービン膨張比,π:ジェットノズル
膨張比,π:ファン圧力比,πBJ:バイパスノズル
膨張比である。ファン・エンジンの性能についてサイク
ル論的に論じる時,このように変数が多過ぎては,計算
が非常に複雑で説明も繁雑になる。そこで計算を簡単に
する為,9変数の内まず膨張比πHPT,πLPT,π
,πBJの4変数を消去する。つまり図3に示すファ
ン・エンジンのT−線図に基づき各部の状態を圧縮系
圧力比の関数として表す。尚,計算を簡単にする為,燃
料の添加による作動流体の流量変化を省略し,比熱及び
比熱比,各要素の効率は不変なものと仮定した上,圧力
損失,燃焼効率,機械効率,推力効率は省略する。また
空気取入口の圧力回復係数は1としこれも省く。
【0016】
【数2】
【0017】図2上半部のターボジェット・エンジンと
下半部のファン・エンジンは同じサイクルであるから,
タービン断熱効率ηとジェットノズル効率ηを等し
いと仮定すれば,4,6間の膨張比も同じ値となるの
で,ターボジェット・エンジンのノズルに於ける膨張比
をγTJとすれば,tは(尚,以下の計算ではη
ηとしてηのみを用いる),
【0018】
【数3】
【0019】tを求める上式のπTJ −mを次式によ
り消去する事ができる。
【0020】
【数4】
【0021】同様にバイパスノズルに於ける膨張による
速度増加を,タービン仕事と等しいとしてπ,π
関数として表せば,t
【0022】
【数5】
【0023】次に,ファンエンジン化のメリットを最大
にするファン圧力比,及びSFCを最小にする最適圧縮
機圧力比を求める際必要となるので,πTJ −mをπ
で微分しておく。
【0024】
【数6】
【0025】次にジェットノズル及びバイパスノズルを
CONVERGENT−DIVERGENT NOZZ
LEと仮定し,V,V,Vを求めれば
【0026】
【数7】
【0027】ここにC:定圧比熱,g:重力加速度,
κ:比熱比 m=(κ−1)/κ,J:熱の仕事量,η
:ファン断熱効率,η:圧縮機断熱効率,η:タ
ービン断熱効率,M:飛行マッハ数,V:飛行速度,
:ファン・エンジンのジェットノズルからの噴出ガ
ス速度,V:ファン・エンジンのバイパスノズルから
の噴出空気速度である。以上から,4つの膨張比π
HPT,πLPT,π,πBJを用いずに各部の状態
を表す事ができた。
【0028】2.ファン・エンジン化のメリットを最大にする条件 次に図2上半部のターボジェット・エンジンを基にファ
ン・エンジン化し,ターボジェット・エンジンの噴出ガ
スエネルギの一部をファン駆動に利用した,図2下半部
に示すファン・エンジンについて説明する。ファン・エ
ンジン化のメリットは燃料を増さずに推力が増加し,推
進効率が向上する事にある。
【0029】前述の森田光男氏の論文にファン・エンジ
ンの正味推力Fとジェット・エンジンの正味推力Fの
比(F/F)を最大にする条件について以下の如く述
べられている。「最大推力比を与える条件は,バイパス
・ノズルから噴出する空気速度とジェット・ノズル圧か
ら噴出するガス速度の比がファン断熱効率とタービン断
熱効率の積に等しいこと」。
【0030】従ってファン・エンジン化のメリットを最
大にするジェット・ノズル噴出ガス速度Vとバイパス
・ノズル噴出空気速度Vの関係は,V/V=η
ηである。この条件式は既知の事として,条件式を導
く方法は省略し,そのまま引用させて頂く。よってバイ
パス比一定の時,最大推力比(F/F)を与える条件
/V=ηηを満たすファン圧力比πを求め
るには,V =(ηηに(2)式と
(3)式を代入し,
【0031】
【数8】
【0032】SFCを最小にする最適圧縮機圧力比を求
める際,ファン圧力比πを消去しておく必要があるの
で(4)式をπ で微分する。その際(1)式により
πTJ −mとπ を関係付ける。
【0033】
【数9】
【0034】以上から,ファン・エンジンの全効率η
を表す関数の9変数の内,5変数を消去できた事にな
る。
【0035】3.ファン・エンジンのSFCを最小にす
る最適圧縮力比πC.OP 次にファン・エンジンのSFCを最小にする最適圧縮機
圧力比πC.OPを求める。V/V=ηηを用
いてSFCを表せば,
【0036】
【数10】
【0037】ここにG:燃料重量,Hu:燃料の低発
熱量。(6)式の分子をA,分母をBと置き換え,それ
ぞれをπ で微分する。その際(5)式を用いてπ
とπ を関係付け,π を消去する。
【0038】
【数11】
【0039】従ってSFCをπ について微分する
と,
【0040】
【数12】
【0041】以上から,バイパス比μ,飛行マッハ数
M,サイクル最高最低温度比τの3変数を仮定すれば,
試行錯誤法によりδSFC/δπ =0に近似するπ
C.OP,及び最適ファン圧力比πを同時に求める事
ができる。よってファン・エンジンのSFCを最小にす
る設計点性能を計算する事が可能となる。
【0042】4.部分負荷時の正味推力FODを特定し
た場合のサイクル最高低温度比τ 次に部分負荷に於いて、所要の推力を得る為のサイクル
最高低温度比τを求める。或る飛行状態にあるファン・
エンジンの正味推力FODを設計点正味推力Fのn倍
とすればFOD=nF,その時の流量GODが設計点
流量Gのn′倍であればGOD=n′G 従って
【0043】
【数13】
【0044】(8)式に(2)式を代入すると(9)式
を得る。
【0045】
【数14】
【0046】SFCを最小にする最適圧縮機圧力比π
C.OPを求める(7)式が試行錯誤法なので,(9)
式から直接設計点外のτを求める事はできない。しか
し,多くの計算を繰り返せば(9)式により部分負荷に
於いてSFCを最小にする最適サイクル最高最低温度比
τを知る事ができる。尚,流量GODは,設計点に於い
て燃焼器の面積を定めておけば容易に求める事ができ
る。GODは部分負荷時に正味推力を特定した場合の,
SFCを最小にできるタービン流量である。
【0047】5.計算結果と問題点 本発明の説明に用いる計算は,超音速機用バイパス・エ
ンジンのサイクル計算とする。基本的な考え方として
は,SFC低減の為,燃料消費量の多いアフターバーナ
ーの使用は避ける事。離陸時に於ける空港周辺の騒音問
題に配慮し,排気速度(平均噴出速度V)を300m
/s以下に押さえ得るバイパス比を選定する事。よって
μ=1とする。飛行中,所要の推力を得る為(9)式に
より定まるサイクル最高最低温度比τに於いて,SFC
を最小にするタービン流量を流通させる為,低圧タービ
ン静翼を可変機構(ノズル面積自由)とする事である。
【0048】次に設計点をマッハ3に置き,設計点のT
ITを1773K,流量Gを1kg/sとする。η
η=η=0.9とし,この値は負荷の変動に拘わり
なく一定とする。またマッハ3,2,0.9に於ける推
力を等しく,離陸時の推力を設計点の4倍に設定する。
以上の条件に基づいて計算した結果を表1に示す。表1
に於いてSLPT/SHPTは低圧タービンノズルと高
圧タービンノズルの面積の比である。
【0049】
【表1】
【0050】SFCを最小にする最適圧縮機圧力比で飛
行しようとすると,表1より飛行マッハ数の増加に伴っ
て,圧縮機圧力比πの低下が非常に大きく,ファン圧
力比πは寧ろ増加する事が分かる。M=0に於いてπ
が非常に高い事によるメリットは,離陸時のSFCと
排気速度を低減できることである。ところが表1から分
かるもう一つの事は,(4)式(7)式及び(9)式を
遵守すると,飛行マッハ数Mの増加につれ,上表S
LPT/SHPTより,低圧タービンノズル面積を極端
に絞り込まなければならないと言う問題が生じる事であ
る。マッハ3と離陸時の低圧タービンノズル面積S
LPTの比は1:4.53にもなる。
【0051】ファン・エンジンでは低圧タービンはファ
ン駆動であるから,圧縮機圧力比(高圧タービン膨張
比)を僅かに下げてもファン圧力比(低圧タービン膨張
比)は激減してしまう。またファン・エンジンは飛行マ
ッハ数の増加に伴い全圧力比(π・π)は増加する
がラム圧力比πの増加が大きい為縮機圧力比πCは
少する。従って負荷の増加に伴い圧縮機圧力比πは低
下し,ファン圧力比πは上昇する事になるが,この現
象は前述の如く直列フリータービンの特性と丁度反対で
ある。そこで可変低圧タービン静翼を絞る必要が生じる
が,負荷の上昇につれ圧縮機圧力比を下げた上,その下
流で流路を極端に絞れば圧縮機はサージングを起こして
しまう。従って従来の要素配列では,飛行マッハ数の広
い範囲にわたってSFCを最小にする飛行を行う事は不
可能である。換言すれば,たとえ可変タービン静翼を用
いたとしても,表1に示したようなSFCを実現する流
量マッチングはあり得ないと言う事になる。
【0052】6.クロス・コンパウンド式ファン・エン
ジンの計算結果 本発明は上記の問題点を解決する手段として,ファン・
エンジンの2つの軸を交差させた機構としたものである
が,ファン・エンジンをクロス・コンパウンド型式にし
た場合の計算方法はTのみを
【0053】
【数15】
【0054】とすればよく,性能に変わりはない。各マ
ッハ数に於けるSLPT/SHPTを表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】表2より,ファン・エンジンをクロス・コ
ンパウンド型式にする事によって,圧縮機圧力比π
低下に伴い,従来の要素配列とは逆に,可変低圧タービ
ン静翼を僅かに開く事になり,圧縮機と2つのタービン
の間の流量マッチングが可能となる。よって本発明によ
るクロス・コンパウンド式ファン・エンジンは飛行マッ
ハ数の広い範囲にわたってSFCを低減させる事ができ
る。
【0057】
【発明の効果】ファン・エンジンは,設計点外でもSF
Cを最小にする最適圧縮機圧力比,最適ファン圧力比で
飛行しようとすると,亜音速域と超音速域では圧縮機圧
力比とファン圧力比の比が著しく異なり,特にマッハ2
を越えるとその差が顕著になる。従って流量のマッチン
グが成立しない。2軸ファン・エンジンの2つの軸を交
差させた本発明クロス・コンパウンド式ファン・エンジ
ンによると, 飛行マッハ数の増加に伴って圧縮機圧力
比が低下する時,従来の要素配列とは逆に可変低圧ター
ビン静翼を僅かに開く事になり,圧縮機と2つのタービ
ンの間の流量のマッチングが可能となる。よって本発明
はファン・エンジンの作動全域にわたってSFCを低減
する事が可能となる。また本発明クロス・コンパウンド
式ファン・エンジンは,離陸時に圧縮機圧力比を高く出
来るので,ジェットノズル入口温度が降下する為,排気
速度が低下し,排気騒音を減少させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明クロス・コンパウンド式ファン・エンジ
ンの機構略図。
【図2】ファン・エンジン説明図。
【図3】温度−エントロピー線図。
【符号の説明】
F:ファン VI:可変案内翼又は可変静翼 C:圧縮機 CC:燃焼機 T:タービン HPT:高圧タービン LPT:低圧タービン VN:可変低圧タービン静翼 S:ファン駆動軸 S:圧縮機駆動軸 S:低圧タービン軸 S:高圧タービン軸 A:アーム G,G,G,G:歯車

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2軸ファン・エンジンに於いて,外径軸
    である圧縮機駆動軸(S)と,内径軸である低圧ター
    ビン軸(S)をアーム(A)により接続して同心の一
    本の軸とし,内径軸であるファン(又はファン及びブー
    スト圧縮機)駆動軸(S)の他端に歯車(G)を,
    外径軸である高圧タービン軸(S)の他端にも歯車
    (G)を設け,該アーム(A)を回転自在に穿った軸
    に歯車(G)と噛み合う歯車(G),歯車(G
    と噛み合う歯車(G)を固定して,高圧タービン軸
    (S)とファン(又はファン及びブースト圧縮機)駆
    動軸(S)を歯車列により連結する事によって,圧縮
    機(C)を低圧タービン(LPT)で,ファン(F)を
    高圧タービン(HPT)で駆動し,低圧タービン(LP
    T)の入口に可変低圧タービン静翼(VN)を設けて,
    飛行マッハ数の増加に伴って負荷が増すに従い可変低圧
    タービン静翼(VN)を開き,設計点外でも所要の推力
    を得る上で燃料消費率を最小にするタービン流量の流通
    を可能にする事を特徴とするクロス・コンパウンド式フ
    ァン・エンジン。
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