JPH06316474A - フッ素樹脂含浸炭素材料 - Google Patents

フッ素樹脂含浸炭素材料

Info

Publication number
JPH06316474A
JPH06316474A JP5138870A JP13887093A JPH06316474A JP H06316474 A JPH06316474 A JP H06316474A JP 5138870 A JP5138870 A JP 5138870A JP 13887093 A JP13887093 A JP 13887093A JP H06316474 A JPH06316474 A JP H06316474A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluororesin
carbon material
pressure
impregnation
average pore
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5138870A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuro Tojo
哲朗 東城
Koji Kuroda
浩二 黒田
Osamu Okada
修 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tanso Co Ltd
Original Assignee
Toyo Tanso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tanso Co Ltd filed Critical Toyo Tanso Co Ltd
Priority to JP5138870A priority Critical patent/JPH06316474A/ja
Publication of JPH06316474A publication Critical patent/JPH06316474A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/46Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with organic materials
    • C04B41/48Macromolecular compounds
    • C04B41/4838Halogenated polymers
    • C04B41/4842Fluorine-containing polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00439Physico-chemical properties of the materials not provided for elsewhere in C04B2111/00

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素材料に長期に亘って発現する優れた環境
しゃ断性能を付与すると共に、優れた不浸透性及び熱伝
導性を発現させる技術を確立すること。 【構成】 開気孔率5乃至20%、平均気孔半径0.3
乃至2.5μmの炭素材料の気孔中にフッ素樹脂が含浸
率40%以上で含浸され、しかも含浸後の前記平均気孔
半径が0.3μm以下であるフッ素樹脂含浸炭素材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフッ素樹脂を含浸した炭
素材料に関し、更に詳しくは表層部分から内部に亘って
所望の深さまで一様に分布したフッ素樹脂により高い環
境しゃ断性能を発現し、特に液体や気体に対する不浸透
性に優れ、更に、良好な熱伝導性を示すフッ素樹脂含浸
炭素材料に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素材料は化学的に極めて安定であるた
め、接触物質との反応を嫌う用途や耐食性、耐久性が要
求される用途など、化学工業を初めとして広範な産業分
野において利用されている。
【0003】ところが、金属やガラスなど融成物からの
材料とは違い、炭素化品や黒鉛化品などの炭素材料には
様々な形状や分布の開気孔が存在し、表面だけではなく
組織の内部にまで液体や気体が浸透し、用途によっては
接触物質の化学的、物理的作用を受けて組織が破壊され
て材料が劣化し、あるいは破壊組織の脱落による接触物
質の汚染を生ずる。
【0004】この様な接触物質からの作用をしゃ断する
1つの有効な手段として、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)微粒子の水性ディスパージョンを材料表面
に吹付けなどで塗付し、焼成してPTFEを主体とする
厚み50μm程度の被膜を形成する技術が開発され、材
料に対して非粘着性、はっ水性などの環境しゃ断性能が
付与されていた。しかし、この表面コーティング法によ
ると、被膜にピンホールが存在したり、あるいは被膜が
はく離したりすると環境しゃ断性能が著しく損なわれ、
効果が無くなってしまう。
【0005】前記表面コーティング法に代る方法とし
て、特開平3−119095号及び同3−250095
号の多孔質材料への低分子量化フッ素樹脂含浸の手法が
あるが、この方法はフッ素樹脂を用いて潤滑性を付与し
たり、耐摩耗性を向上させることを目的としたものであ
り、比較的高い分子量のフッ素樹脂を用いる場合には1
0気圧(約10.3kg/cm)程度の低加圧条件で
の含浸処理を行ない、また比較的低い分子量のフッ素樹
脂を用いる場合には短時間の含浸処理や加熱蒸発といっ
た方法を用いているため、表面被覆や表面近傍のみへの
含浸に止まり、機能においてコーティングと余り変りが
なく、炭素材料の組織内部にまで長期に亘って発現する
十分な環境しゃ断性能を付与することが難しい。
【0006】また、フッ素樹脂のコーティングにより本
来良好な炭素材料の熱伝導性が損なわれ、熱の良導体で
あることを要求される用途に不適となる問題点があっ
た。更に、液体や気体と接触させて使用する場合の炭素
材料の開気孔からの漏れを十分に防止する必要がある。
【0007】そこで、本発明者らは、フッ素樹脂を炭素
材料表面の気孔口付近のみならず気孔壁に沿って気孔内
奥にまで浸透させて十分な環境しゃ断性能を発現させる
ことを企図して鋭意検討した結果、炭素材料の気孔率及
び気孔の大きさと気孔中へのフッ素樹脂の含浸率との関
係を最適化し、更に含浸後の気孔の大きさを調整するこ
とにより、環境しゃ断性能が顕著に向上し且つ長期に亘
って発現すると共に、液体や気体に対する優れた不浸透
性及び良好な熱伝導性が発現されることを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記従来技術を改良し、炭素材料に長期に
亘って発現する優れた環境しゃ断性能を付与すると共
に、優れた不浸透性及び熱伝導性を発現させる技術を確
立することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、開気孔率5
乃至20%、平均気孔半径0.3乃至2.5μmの炭素
材料の気孔中にフッ素樹脂を含浸率40%以上で含浸さ
せ、しかも含浸後の前記平均気孔半径を0.3μm以下
とすることにより解決する。
【0010】
【発明の作用及び構成】本発明において、前記フッ素樹
脂の炭素材料への含浸率は、式:I=100G/PDの
I(%)で示される数値である。但し、Pは炭素材料の
開気孔の体積の実測値(cm)、Dはフッ素樹脂の真
密度(g/cm)、Gは実際に含浸したフッ素樹脂の
重量(g)を表わす。つまり、I値は開気孔に占める含
浸フッ素樹脂の体積割合を示す。
【0011】以下の実施例において実証する様に、前記
特定範囲の開気孔率及び平均気孔半径を有する炭素材料
の気孔中にフッ素樹脂を含浸率40%以上で含浸するこ
とにより、フッ素樹脂の気孔への浸透が気孔内奥にまで
及び、環境しゃ断性能が飛躍的に向上し、しかもこの性
能が長期に亘って持続することとなる。
【0012】次に、炭素材料の開気孔率及び平均気孔半
径を上記範囲に限定した理由を説明する。炭素材料の開
気孔率は、含浸可能なフッ素樹脂の総量を規制するもの
である。即ち、開気孔率が高い程、炭素材料全体に対す
る含浸可能なフッ素樹脂の量が増える。開気孔率が5%
未満であると、はっ水性、非粘着性などの環境しゃ断性
能の向上が期待できなくなる。一方、開気孔率が20%
を超えると、含浸可能なフッ素樹脂量は増えるが、炭素
材料の機械的強度が低下し、更に含浸後の熱伝導率の低
下及び不浸透性の劣化を招き易くなると共に、含浸にム
ラを生じ易くなり、環境しゃ断性能の乏しい部分が生じ
易くなる。また、炭素材料の平均気孔半径は、以下の実
施例でも実証する様に、フッ素樹脂の含浸のし易さを決
定する要因である。即ち、平均気孔半径が大きい程、フ
ッ素樹脂の含浸率を高め易くなる。平均気孔半径が0.
3μm未満であると、40%以上の含浸率の確保が難し
くなる。2.5μmを超えると、含浸したフッ素樹脂に
よる気孔口の閉塞が不十分となり易く、はっ水性、非粘
着性の発現が難しくなり、また気孔壁からの組織脱落を
起し易くなる。フッ素樹脂含浸前の炭素材料の平均気孔
半径が1.0乃至2.0μmであることが、より一層好
ましい。
【0013】更に、本発明においては、フッ素樹脂を含
浸した後の前記炭素材料の平均気孔半径を0.3μm以
下とする必要がある。0.3μmを超えると、炭素材料
の液体や気体に対する不浸透性が不十分となる。
【0014】本発明において使用する炭素材料は、前記
特定範囲の開気孔率及び平均気孔半径を有する、炭素の
みから実質的に成る材料乃至は炭素を主成分とする材料
であり、ピッチ含浸品、樹脂含浸品及び金属含浸品等の
含浸品を包含する所謂炭素化品や黒鉛化品などの各種炭
素材料を包含する。具体的には、冷間等方圧加圧成形工
程を経た高密度等方性黒鉛や熱間加圧法を用いた高密度
黒鉛等の黒鉛材料、焼成炭素材料などがある。また、そ
のほかに、加圧焼成法により製造される炭化ホウ素(B
C)を含む炭素材料、ピッチバインダー法により製造
される各種セラミックを含む炭素材料及び炭素繊維強化
炭素材料などがある。本発明においては、特に熱伝導の
均一性を確保する上で、異方比が1.2以下の等方性の
高い材料を用いることが好ましい。ここで、異方比が
1.2以下であるとは、炭素材料における任意に直角を
なす方向に測った固有電気抵抗の比の平均値が1.2以
下であることを意味する。
【0015】本発明でいう炭素材料の平均気孔半径は、
例えば水銀圧入法により測定される累積気孔容積(cm
/g)の1/2に相当する半径値(μm)として決定
することができ、開気孔率は(かさ密度)×(全気孔容
積)×100で計算することができる。ここで、全気孔
容積(cm/g)は圧力が予め定めた最高圧力、例え
ば98MPaまで達したときの累積気孔容積をいう。
【0016】本発明において使用する前記フッ素樹脂の
種類に特に制限はなく、含浸のし易さから見て、80乃
至350℃で溶融し、多くとも10ポアズの粘度を有
するものが好ましい。ここで、フッ素樹脂の溶融温度は
常法により測定することができ、例えば示差熱分析にお
いてアルゴン雰囲気中、試料重量0.5g、昇温速度1
0℃/分の条件で測定する。具体的には、特開平3−1
19095号及び同3−269008号各公報に記載さ
れている様な、フッ素化剤で低分子量化したフッ素樹
脂、特開昭62−275190号公報に記載されている
フッ化ピッチなどを用いることができる。
【0017】次に、炭素材料へのフッ素樹脂の含浸方法
について説明する。例えば、前述の80乃至350℃で
溶融するフッ素樹脂を用いる場合には、溶融温度の違い
に応じて次の2つの方法により含浸することができる。
80乃至250℃で溶融する、粘度が1乃至10ポア
ズ程度のフッ素樹脂を用いる場合には、フッ素樹脂を圧
力容器(オートクレーブ)内で所定温度に加熱して十分
に溶融させた後、炭素材料を浸漬し、容器内を減圧から
加圧までの任意の圧力、好ましくは減圧の状態にする。
この際、フッ素樹脂が炭素材料と接触することにより固
化するので、容器内の温度を再上昇させる必要がある。
従って、所定の圧力状態に保つ時間を約30分乃至1時
間あるいはそれ以上とする必要がある。一方、250乃
至350℃で溶融する、粘度が10乃至10ポアズ
程度のフッ素樹脂を用いる場合には、同様にして圧力容
器内にて炭素材料を溶融状態のフッ素樹脂中に浸漬し、
一且、例えば10乃至50mmHg程度の減圧にし、フ
ッ素樹脂が再溶融するまで温度調節を行なう。この様に
減圧にするのは、炭素材料の気孔から空気を除去すると
共に、材料の酸化を防止し、圧入含浸操作を容易にする
ためである。その後、容器内を加圧状態にして含浸操作
を行なう。処理時間は約30分乃至数時間とする。な
お、これら一連の操作を行なう際に、圧力容器内を窒素
ガス等を用いて非酸化性雰囲気としておく必要がある。
【0018】本発明においては、含浸処理の際の前記圧
力容器内の圧力(含浸圧)を適宜選択することにより、
フッ素樹脂の含浸率を所要の40%以上の値とすること
ができる。
【0019】その後、含浸処理した炭素材料を圧力容器
から取り出し、大気中に放置することにより、本発明の
フッ素樹脂含浸炭素材料を得ることができる。なお、こ
の際に炭素材料表面を被覆しているフッ素樹脂をヘラ等
で十分に除去することが好ましい。
【0020】かくして得られる本発明のフッ素樹脂含浸
炭素材料は、化学工業等広範な産業分野で用いられる装
置、機械、器具やこれらの部品の素材として利用するこ
とができ、特に液体や気体に対する不浸透性や熱伝導性
に優れた炭素材料であることを求められる用途に適して
おり、用途に応じて適宜選択した任意の形状を有するこ
とができる。
【0021】
【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0022】製造例1 ステンレス鋼製の圧力容器内に、200mm×80mm
×20mmの種々の等方性黒鉛又は焼成炭素材料を収容
し、150℃で溶融するフッ素樹脂を溶融させた。この
際の溶融フッ素樹脂の添加量は、被含浸材を十分浸漬さ
せることができる量であった。溶融フッ素樹脂を所定温
度に保ち、容器を減圧にし、適宜選択した減圧下で1時
間保持して含浸を行なった。この際の容器の圧力とフッ
素樹脂の含浸率との関係を図1及び図2に示した。
【0023】図1及び図2から分る様に、圧力を所定値
以下とすることにより40%以上の含浸率を達成するこ
とができる。
【0024】製造例2 実施例1と同様の種々の等方性黒鉛又は焼成炭素材料に
310℃で溶融するフッ素樹脂を含浸した。溶融フッ素
樹脂を所定温度に保ち、窒素ガスを圧力容器内に導入
し、種々の内圧にて3時間保持して含浸を行なった。こ
の際の容器の圧力とフッ素樹脂の含浸率との関係を図3
及び図4に示した。
【0025】図3及び図4から分る様に、含浸圧を所定
値以上とすることにより容易に40%以上の含浸率を達
成することができる。
【0026】実施例1 製造例において各含浸圧にて調製した試料に夫々水滴を
付着させ、液一固のなす接触角を測定した。
【0027】また、非粘着性を調べるため、各試料の物
体に対する付着力を引倒し法により評価した。この引倒
し法による付着力評価試験法を図5に示した。直径7.
967mm、長さ95.0mmのS45Cの棒21を十
分に洗浄し、接着剤(ポリ酢酸ビニル)22を塗り、フ
ッ素樹脂含浸炭素材料23の表面に接着させた。この
際、接着条件は170℃で1時間保持であり、自然放置
して室温まで冷却した。このロッドとロードセル24を
ワイヤでつなぎ、図5に示す様に試料を水平方向に引っ
張り、その時の力F(kgf)をロードセル24にて測
定した。
【0028】1つの試料につき2回測定を行ない、平均
値を出した。引倒し棒1の直径をd、高さを1、引倒し
たときの力をFとすると、応力σは式:σ=M・y/I
で表わされる。ここでMは棒1に働くモーメント、Iは
断面2次モーメント、yは棒断面の半径を夫々表わす。
M=|M|max=FL、y=d/2、I=πd/6
4であるので、σ=32FL/πdとなり、これをP
aの単位に換算すると、σ=18.76F(MPa)と
なる。
【0029】更に、各試料を酸化性液体(濃硫酸と濃硝
酸との混合物)中に浸漬し、液体の着色度合を目視観察
して黒鉛の酸化腐食の度合を評価した。
【0030】製造例1及び2で調製した試料についての
結果を表1にまとめた。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1から分る様に、本発明範囲内の開気孔
率及び平均気孔半径を有する炭素材料に対してフッ素樹
脂の含浸率を40%以上とすることにより、炭素材料の
はっ水性、非粘着性、耐酸化性等の環境しゃ断性能が著
しく向上する。
【0034】更に表1に示した試料のいくつかについ
て、含浸後の平均気孔半径を測定し、更に熱伝導率の測
定及び不浸透性の評価を行なった。結果を表2に示し
た。
【0035】
【表3】
【0036】実施例2 実施例1及び実施例2び従って含浸率を40%とした試
料について、SiCペーパーにより摩耗深度50μm、
100μm、300μm、2mmで表面を摩耗させた。
各摩耗深度での水滴の接触角を測定し、結果を表3に示
した。
【0037】
【表4】
【0038】表3から明らかな様に、フッ素樹脂含浸品
では何れの試料においても摩耗深度に依存せずに接触角
が110〜120゜となり、繰り返して使用しても長期
に亘ってフッ素樹脂のはっ水性が発現することが分っ
た。
【0039】比較例1 PTFEを50μmコーティングした黒鉛について、実
施例3と同様の方法で接触角測定を行ない、得られた結
果を表4に示した。
【0040】
【表5】
【0041】表4から明らかな様に、50μm以上摩耗
すると接触角が黒鉛自体の値となっており、従来のPT
FEコーティングでは深さ方向に特性が発現していない
ことが分った。
【0042】実施例3 実施例3と同一の試料について、同様に摩耗処理を施し
て、各摩耗深度での付着力を測定し、結果を表5に示し
た。
【0043】
【表6】
【0044】表5から明らかな様に、付着力はフッ素樹
脂含浸によって未含浸の試料の8〜10%にまで低下し
ており、その効果が繰り返して使用しても長期に亘って
発揮されることが分った。
【0045】比較例2 PTFEを50μmコーティングした黒鉛について、実
施例3と同様の方法で付着力を測定し、得られた結果を
表6に示した。
【0046】
【表7】
【0047】表6から明らかな様に、50μm以上摩耗
すると付着力が4.5倍に増加し、深さ方向に非粘着性
が維持されないことが分った。
【0048】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のフッ素樹脂
含浸炭素材料は、はっ水性、非粘着性、耐酸化性等の環
境しゃ断性能に優れ、更にこれらの効果を長期に亘って
発揮すると共に、優れた不浸透性及び熱伝導性を発現さ
せる。
【図面の簡単な説明】
【図1】容器内の減圧度と炭素材料へのフッ素樹脂の含
浸率との関係を示した曲線図である。
【図2】容器内の減圧度と炭素材料へのフッ素樹脂の含
浸率との関係を示した曲線図である。
【図3】フッ素樹脂の含浸圧と炭素材料へのフッ素樹脂
の含浸率との関係を示した曲線図である。
【図4】フッ素樹脂の含浸圧と炭素材料へのフッ素樹脂
の含浸率との関係を示した曲線図である。
【図5】引倒し法による粘着力測定法の説明図である。
【符号の説明】
1 減圧下で150℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径2.0μm、開気孔率14.8%の等方性黒
鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率との
関係を示す曲線 2 減圧下で150℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径1.8μm、開気孔率12.1%の等方性黒
鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率との
関係を示す曲線 3 減圧下で150℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径1・6μm、開気孔率15.3%の等方性黒
鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率との
関係を示す曲線 4 減圧下で150℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径1.5μm、開気孔率15.0%の等方性黒
鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率との
関係を示す曲線 5 減圧下で150℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径0.20μm、開気孔率11.7%の等方性
黒鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率と
の関係を示す曲線 6 減圧下で150℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径0.05μm、開気孔率8.6%の等方性黒
鉛を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率との
関係を示す曲線 7 減圧下で150℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径4.4μm、開気孔率16.5%の焼成炭素
材料を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率と
の関係を示す曲線 8 減圧下で150℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径1.9μm、開気孔率20.7%の等方性黒
鉛を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率との
関係を示す曲線 9 減圧下で150℃で溶融するフッ素樹脂を用い、平
均気孔半径0.3μm、開気孔率4.9%の等方性黒鉛
を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率との関
係を示す曲線 10 減圧下で150℃で溶融するフッ素樹脂を用い、
平均気孔半径0.07μm、開気孔率8.2%の等方性
黒鉛を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率と
の関係を示す曲線 11 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、
平均気孔半径2.0μm、開気孔率14.8%の等方性
黒鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率と
の関係を示す曲線 12 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、
平均気孔半径1.8μm、開気孔率12.1%の等方性
黒鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率と
の関係を示す曲線 13 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、
平均気孔半径1.6μm、開気孔率15.3%の等方性
黒鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率と
の関係を示す曲線 14 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、
平均気孔半径1.5μm、開気孔率15.0%の等方性
黒鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率と
の関係を示す曲線 15 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、
平均気孔半径0.20μm、開気孔率11.7%の等方
性黒鉛を用いた場合(実施例)の容器内の圧力と含浸率
との関係を示す曲線 16 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、
平均気孔半径0.05μm、開気孔率8.6%の等方性
黒鉛を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率と
の関係を示す曲線 17 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、
平均気孔半径4.4μm、開気孔率16.5%の焼成炭
素材料を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率
との関係を示す曲線 18 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、
平均気孔半径1.9μm、開気孔率20.7%の等方性
黒鉛を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率と
の関係を示す曲線 19 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、
平均気孔半径0.3μm、開気孔率4.9%の等方性黒
鉛を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率との
関係を示す曲線 20 加圧下で310℃で溶融するフッ素樹脂を用い、
平均気孔半径0.07μm、開気孔率8.2%の等方性
黒鉛を用いた場合(比較例)の容器内の圧力と含浸率と
の関係を示す曲線 21 引倒し棒 22 接着剤 23 フッ素樹脂含浸炭素材料 24 ロードセル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開気孔率5乃至20%、平均気孔半径
    0.3乃至2.5μmの炭素材料の気孔中にフッ素樹脂
    が含浸率40%以上で含浸され、しかも含浸後の前記平
    均気孔半径が0.3μm以下であるフッ素樹脂含浸炭素
    材料。
JP5138870A 1993-04-29 1993-04-29 フッ素樹脂含浸炭素材料 Pending JPH06316474A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5138870A JPH06316474A (ja) 1993-04-29 1993-04-29 フッ素樹脂含浸炭素材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5138870A JPH06316474A (ja) 1993-04-29 1993-04-29 フッ素樹脂含浸炭素材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06316474A true JPH06316474A (ja) 1994-11-15

Family

ID=15232045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5138870A Pending JPH06316474A (ja) 1993-04-29 1993-04-29 フッ素樹脂含浸炭素材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06316474A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014144913A (ja) * 2014-04-04 2014-08-14 Toyo Tanso Kk 炭素材料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014144913A (ja) * 2014-04-04 2014-08-14 Toyo Tanso Kk 炭素材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Singh et al. Reactive melt infiltration of silicon-molybdenum alloys into microporous carbon preforms
US4828930A (en) Seamless porous metal article and method of making
DE3736292A1 (de) Wartungsfreies gleitlager
CA1087039A (en) Corrosive chemical containment system
US5462800A (en) Silicon carbide coated carbon composite material and method for making same
US3252827A (en) Refractory carbide bodies and method of making them
JP3433962B2 (ja) フッ素樹脂含浸炭素材料及びその製造方法
JP3128149B2 (ja) 連続鋳造用炭素複合材、その製法及びこれを用いた連続鋳造用ダイス
JPH06316474A (ja) フッ素樹脂含浸炭素材料
EP0190035B1 (en) Method of making a porous metal article and articles produced by the method
Guo et al. Preparation of porous PTFE/C composite foam and its application in gravity‐driven oil–water separation
JPH0532810A (ja) 多孔質体の製造法
JPH0513116B2 (ja)
EP2729591B1 (de) Vorrichtung zur druckminderung in hohlkörpern in medien bei höheren temperaturen
KR20040007440A (ko) 계층화된 구조의 필터 및 그 제조 방법
US5225070A (en) Oxygenated pitch and processing same
US6149978A (en) Coating of porous, hydrophobic substrates with thermoplastic fluoropolymers
Raj et al. On the sintering rate of cleavage cracks
JP4024946B2 (ja) メカニカルシール部材
US3741734A (en) Metal products and process of preparation
Klinedinst et al. Rheological characterization and thermal degradation of PTFE: Part 2 The interaction between PTFE and carbon black
JPH03295879A (ja) カーボン材の金属含浸方法
JPH08269221A (ja) 多孔質体および該多孔質体から成るパッキン
DE10222165A1 (de) Mess-Sonde für Permeations-Trägergas-Methode, Verfahren zu deren Herstellung, Messvorrichtung und -verfahren, Computerprogramm
JP3009365B2 (ja) 溶融金属用パッキン材とその製造方法