JPH06315535A - 脳波誘導装置 - Google Patents

脳波誘導装置

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JPH06315535A
JPH06315535A JP5327824A JP32782493A JPH06315535A JP H06315535 A JPH06315535 A JP H06315535A JP 5327824 A JP5327824 A JP 5327824A JP 32782493 A JP32782493 A JP 32782493A JP H06315535 A JPH06315535 A JP H06315535A
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Kazuhiro Akiyama
和博 秋山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒトの脳波を所望の脳波に誘導する際の脳波
誘導効率を高くする。 【構成】 脳波誘導装置は、脳波の誘導中に被験者の脳
波を検出する脳波センサと、誘導中の脳波に応じて誘導
中心周波数Fを更新する更新手段と、を有する。脳波の
誘導中も被験者の脳波を計測し、所定間隔で検出される
加重平均周波数f’に基づき、次の誘導中心周波数Fを
更新する。更新した誘導中心周波数Fで脳波の誘導を継
続する。 【効果】 誘導中心周波数が、誘導中の被験者の脳波の
加重平均周波数に近接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人間の脳波を所望の周
波数帯域に誘導する脳波誘導装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人間の脳波とその生理的・心理的状態と
の間には密接な関係があることが知られている。人間の
脳波は、例えばリラックス状態にあるときはα波(約8
〜13Hz)が多く発生し、活動状態にあるときはβ波
(約14〜30Hz)が多く発生し、また、眠気を感じて
いるときなどはθ波(約4〜7Hz)が多く発生する。一
方、人間の脳波には外部からの刺激に同調する引き込み
現象がみられるので、逆に所定の脳波が多く発生するよ
うに外部から刺激を与えて脳波を所望の周波数帯域に誘
導してやれば、人間の生理的・心理的状態を所望の状態
に導くことができる。
【0003】従って、このような脳波とその生理的・心
理的状態との間の相互作用を利用し、外部から身体に刺
激を与えて例えばα波を誘導して人間をリラックス状態
に導き、ストレスの軽減や精神統一などを図る脳波誘導
装置が開発されている。上記脳波誘導装置では、例えば
センサにて検出した被験者の脳波信号をフィルタを通過
させてから光信号に変換し、この光信号を被験者にフィ
ードバックして脳波を誘導している。さらに、所望の脳
波に効率よく誘導するために、被験者の安静時の加重平
均周波数または所定周波数で脳波を掃引したときの加重
平均周波数f0 を求めて脳波誘導に最適な誘導中心周波
数Fを算出し、この誘導中心周波数Fを中心とする所定
の周波数帯域の信号のみを用いて脳波を刺激している。
【0004】しかしながら、上記脳波誘導装置では、脳
波の安静後または掃引後に脳波の誘導を開始するが、脳
波誘導中の被験者の脳波が誘導中心周波数Fから外れる
と脳波誘導効率が低下することとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑みなされたもので、脳波を誘導する際の脳波
誘導効率が高い構造の脳波誘導装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の脳波誘導装置
は、被験者の脳波信号を生体刺激信号に変換して前記被
験者に供給することにより前記被験者の前記脳波信号を
所望の周波数帯域に誘導する脳波誘導装置であって、前
記脳波信号の誘導中に前記被験者の前記脳波信号を検出
する検出手段と、前記検出手段の検出出力に基づいて前
記生体刺激信号を更新する更新手段と、を有するもので
ある。
【0007】
【作用】本発明の脳波誘導装置によれば、脳波信号の誘
導中に被験者の脳波信号を検出手段にて検出し、更新手
段にて検出手段の検出出力に基づいて生体刺激信号を更
新しながら脳波信号を誘導して、脳波信号の誘導中の生
体刺激信号と被験者の脳波信号とに差が生じることを防
止する。
【0008】
【実施例】本発明の実施例を添付図面を参照して説明す
る。図1は、本発明による脳波誘導装置の一実施例の構
成図である。この脳波誘導装置は、電極などの脳波セン
サ1が被験者Hの頭部の所定位置に取り付けられ、この
脳波センサ1から順に生体アンプ2、バンドパスフィル
タ3、自動利得制御回路(AGC)4、生体刺激駆動回
路5、及び被験者を刺激する刺激手段6が接続され、制
御手段7にて制御される。
【0009】脳波センサ1は被験者Hの脳波を検出する
検出手段となっている。生体アンプ2は脳波センサ1に
て検出された脳波信号を適度な信号レベルに増幅するも
のである。バンドパスフィルタ3は可変帯域型であり、
例えばクロックCLKの周波数を変えることによってそ
の帯域中心周波数が変えられるスイッチト・キャパシタ
・フィルタ(SCF)が用いられている。自動利得制御
回路4はバンドパスフィルタ3から出力された脳波信号
を一定レベルに自動制御する。さらに、生体刺激駆動回
路5は、自動利得制御回路4から出力される脳波信号に
基づいて刺激手段6を駆動する。この刺激手段6は例え
ば発光ダイオード(LED)からなり、このLEDは生
体刺激駆動回路5により点滅される。そして、LEDが
発する点滅光は所望の脳波を誘導するための生体刺激信
号として被験者Hに供給されるようになっている。な
お、本実施例では、具体的には生体刺激信号として光を
用いた場合について説明を行うが、本発明は、光に替え
て音を生体刺激信号として用いることもできる。また、
光と音とを併用しても良い。音を生体刺激信号とする場
合、刺激手段6はスピーカを含むものとする。
【0010】制御手段7は、例えばマイクロコンピュー
タからなり、脳波振幅算出手段8、最適誘導中心周波数
算出手段9、及び中心周波数可変手段10がCPU,R
OM,RAMなどにて構成されている。中心周波数可変
手段10はクロックCLKの周波数を変えることにより
バンドパスフィルタ3の中心周波数を可変制御する。脳
波振幅算出手段8は、バンドパスフィルタ3から出力さ
れる脳波信号中の掃引中心周波数の振幅レベルを求め
る。最適誘導中心周波数算出手段9は、脳波振幅算出手
段8で得られた各中心周波数の振幅レベルに基づいて所
望の脳波の誘導に最適な誘導中心周波数Fを算出し、バ
ンドパスフィルタ3の中心周波数が最適誘導中心周波数
Fと一致するように中心周波数可変手段10を制御す
る。11はアナログ信号をディジタル信号に変換するA
/Dコンバータである。
【0011】上記脳波誘導装置の動作方法は、一義的な
ものではなく数種の方法があるので、各方法を以下に説
明する。各方法に共通する動作の特徴は、脳波の誘導時
においても少なくとも所定間隔毎に被験者の脳波の周波
数を計測し、誘導中に計測された脳波に応じて誘導中心
周波数Fを更新し更新された誘導中心周波数Fにより脳
波の誘導を継続することである。
【0012】第1の例を例えばα波の誘導を例に図2及
び図3に基づいて説明する。この動作は、脳波の誘導開
始後も誘導中の脳波の加重平均周波数f’を計測し、更
新周期ごとに検出された加重平均周波数f’に基づき誘
導中心周波数Fを更新するものである。図2を参照しな
がら具体的な処理を以下に説明する。図2において、ス
テップS1にて誘導開始時の誘導中心周波数Fを設定す
る。誘導開始時の誘導中心周波数Fは、例えば誘導開始
前の掃引動作にて誘導初期の加重平均周波数f0 を求め
て決定する。
【0013】この掃引動作では、掃引開始指令が与えら
れると、中心周波数可変手段10は中心周波数を周波数
可変範囲の上限周波数fH を例えば13Hzに設定して、
バンドパスフィルタ3に対して中心周波数f=13Hzを
与えるクロックを送る。これによりバンドパスフィルタ
3の掃引開始周波数は図3に示すようにf=13Hzに設
定される。脳波振幅算出手段は、f=13Hz時にてバン
ドパスフィルタ3から出力された脳波信号から掃引周波
数f=13Hzの振幅レベルを検出して制御手段7の内部
メモリに記録する。次に、中心周波数可変手段10は、
中心周波数をf H =13Hzから下限周波数fL =8Hzま
で順次所定の周波数Δfづつ小さくし、Δf減少させる
度にその時の周波数に対する振幅レベルを検出して記録
する。そして、fH =13HzからfL =8Hzまでの掃引
が終了すると、最適誘導周波数算出手段9は脳波振幅算
出手段8に記録されている各掃引中心周波数とその振幅
レベルを読みだして(1)式に基づき脳波の誘導に最適
な所望の誘導中心周波数Fを算出する。
【0014】
【数1】 F=(ΣAii /ΣAi )±fb ・・・(1) 但し、 fi は第i番目の掃引中心周波数、Ai は第i
番目の掃引中心周波数fi の振幅レベル、fb はバイア
ス周波数である。
【0015】(1)式において、右辺第1項は掃引した
周波数帯域(fH 〜fL )における誘導前の脳波の加重
平均周波数f0 であり、右辺第2項は所望の脳波をさら
に効率良く誘導するためのバイアス周波数である。前述
したように脳波には引き込み現象があるが、リラックス
状態に導くときは誘導すべき脳波周波数よりも僅かに低
い周波数で誘導した方が誘導が効率良く行われ、一方覚
醒状態に導くときは誘導すべき脳波周波数よりも僅かに
高い周波数で誘導した方が誘導が効率良く行われる。従
って、(1)式はこのような引き込み効果を考慮して誘
導中心周波数Fを算出するようにしたものである。な
お、バイアス周波数fb が不要な場合には、(1)式の
右辺の第1項のみを用いて誘導中心周波数Fを算出す
る。
【0016】次に、ステップS2にて、脳波の誘導を開
始する時間tをt=0に設定する。次のステップS3で
は、先のステップS1にて設定された誘導中心周波数F
にて脳波の誘導を開始し、並行して脳波センサ1にて脳
波の加重平均周波数f’を計測する。次に、ステップS
4にて脳波の誘導時間tが例えば更新周期としての所定
時間tpを経過したか否かを判定する。誘導時間tが所
定時間tpを経過した場合、ステップS5において、時
刻tpに測定された脳波の加重平均周波数f’に基づい
て新たな誘導中心周波数Fを導出して誘導中心周波数F
を更新し、ステップS6に移行する。
【0017】ステップS6にて更新周期tpを変更する
場合はステップS7に移行し、ステップS7にて(2)
式に基づき更新周期tpを算出してステップS2に戻
る。
【0018】
【数2】 tp = tp + t’(t’≠0) ・・・(2) 一方、ステップS6にて更新周期tpを変更しない場合
はステップS2に戻る。
【0019】このようにして、脳波の誘導中は少なくと
も上記ステップS2乃至ステップS6を繰り返し実行す
る。すなわち、更新周期tp毎に計測された加重平均周
波数f’に基づいて更新周期tpごとに誘導中心周波数
Fを更新し更新された誘導中心周波数Fにより脳波の誘
導を継続し、誘導中心周波数Fに基づいてLEDを点滅
させて脳波を誘導する。すなわち、図3に示すように、
誘導中心周波数Fの更新により誘導中心周波数Fを被験
者Hの脳波の加重平均周波数f’に接近させて脳波誘導
効率の低下を防止している。
【0020】次に、上記脳波誘導装置の動作の第2の例
を図4に基づいて説明する。この動作では、誘導中心周
波数Fに対して上限及び下限を設定し、更新周期毎に計
測された脳波の加重平均周波数f’と誘導中心周波数F
の上限及び下限にて制限された設定範囲との比較によ
り、次の誘導に用いられる誘導中心周波数Fを設定する
ものである。図4を参照しながら以下に具体的に説明す
る。
【0021】この動作においても、ステップS1乃至ス
テップS4は上述の動作と同様な動作を行い、ステップ
S4の次にステップS10に移行する。ステップS10
において、更新周期tp毎に計測された脳波の加重平均
周波数f’と設定範囲の上限(F+aH )とを比較す
る。この比較により加重平均周波数f’が上限(F+a
H )を越えた場合(すなわち、f’>F+aH )はステ
ップS11に移行し、このステップS11にて誘導中心
周波数Fを先の設定範囲の上限、すなわち(F+aH
に更新してステップS14に移行する。一方、比較によ
り加重平均周波数f’が上限(F+aH )を越えない場
合(すなわち、f’≦F+aH )はステップS12に移
行する。
【0022】ステップS12では、加重平均周波数f’
と設定範囲の下限(F−aL )とを比較する。この比較
により加重平均周波数が下限を下回る場合(すなわち、
f’<F−aL )はステップS13に移行し、このステ
ップS13にて次の誘導中心周波数Fを先の設定範囲の
下限、すなわち(F−aL )に更新してステップS14
に移行する。一方、加重平均周波数f’が下限を下回ら
ない場合(すなわち、f’≧F−aL )は次のステップ
S14に移行する。
【0023】ステップS14にて、図2に示すステップ
S6,S7と同様に、更新周期tpを変更する場合はス
テップS15に移行して更新周期tpを(2)式に基づ
き変更してステップS2に戻る。一方、ステップS14
にて更新周期tpを変更しない場合は直接ステップS2
に戻る。このように、少なくともステップS2乃至ステ
ップS4及びステップS10、ならびに加重平均周波数
f’と誘導中心周波数Fとの比較に応じて選択されるス
テップS11,12,13、さらにステップS14を繰
り返し実行する。すなわち、更新周期tpごとに算出さ
れる加重平均周波数f’に基づいて少なくとも更新周期
tpごとに誘導中心周波数Fを更新し更新された誘導中
心周波数Fを用いて脳波の誘導を継続し、更新された誘
導中心周波数Fに基づいてLEDを点滅させて脳波を誘
導する。
【0024】なお、誘導中心周波数Fに対して設定され
る上限(F+aH )と下限(F−a L )とは誘導中心周
波数Fに対して対称でなくても良く、脳波の引き込み効
果を考慮して誘導中心周波数Fに対して遍倚していて
も、すなわちaH ≠aL でも良い。さらに、上記脳波誘
導装置の動作の第3の例を図5に基づいて説明する。こ
の動作では、所定間隔毎に被験者の脳波誘導状態を評価
し、評価成績に基づいて次の所定時間における誘導中心
周波数Fを更新するものである。図5を参照しながら以
下にその詳細を説明する。
【0025】本動作では、ステップ20にて上記各実施
例のステップ1と同一の処理を行い、脳波誘導開始時の
誘導中心周波数Fを設定する。次に、ステップ21にて
誘導中心周波数Fによる脳波の誘導を開始し、ステップ
22にて時間tをt=0に設定する。ステップ23にて
脳波の誘導と並行して脳波センサ1にて被験者の加重平
均周波数f’の測定する。ステップ24にて誘導時間t
が一定時間tcだけ経過した後、ステップ26 にて時
間tcで測定された被験者の脳波の加重平均周波数f’
を1つのサンプリング値として制御手段7のメモリに保
存する。そして、メモリに保存されるサンプリング値の
サンプル数Nが所定数Nc(Nc≧2)に達するまでに
ステップ23乃至ステップ27の行程を繰り返す。ステ
ップ27にてサンプル数Nが所定数Ncに達した場合、
被験者の脳波誘導状態を評価するステップ28に移行す
る。
【0026】本実施例では、脳波誘導状態を評価するた
めに、以下に示す(3)式で定義された誘導度Gを導入
する。
【0027】
【数3】 誘導度G=(<F>に含まれたサンプル数)/(全サンプル数 Nc) ・・・(3) この誘導度Gは、全サンプル数Ncに対し、時間tc毎
にサンプルされる加重平均周波数f’が誘導中心周波数
Fを基準として画定された所定周波数範囲<F>に含ま
れた割合を示す値である。従って、被験者の脳波誘導状
態は、誘導度Gと基準値Rとの比較により判断される。
この場合、基準値Rは、脳波誘導の是非を分ける評価基
準であり、任意に設定可能である。なお、所定周波数範
囲<F>の設定には、現在の誘導中心周波数Fの他に、
被験者の安静時や脳波誘導開始前の掃引動作にて算出さ
れた加重平均周波数f0 を用いても良い。故に、所定周
波数範囲<F>は、被験者や誘導時の被験者の状態によ
って異なり、また、脳波が最終的に誘導される生理的・
心理的状態、すなわちリラックス状態であるかまたは覚
醒状態であるかに応じて異なるものである。
【0028】ステップ28では誘導度Gが算出される。
次に、ステップ29にて誘導度Gと基準値Rとが比較さ
れて脳波の誘導状態が評価される。基準値Rに対し、誘
導度Gが基準値R以上であれば脳波が所望の周波数、す
なわち現在の誘導中心周波数Fに誘導されたと判断され
る。一方、誘導度Gが基準値R未満であれば脳波が現在
の誘導中心周波数Fに誘導されなかったと判断される。
そして、脳波誘導状態の評価に応じてステップ30にて
誘導中心周波数Fが更新される。次に、ステップ31に
てメモリ内の全サンプル値をクリアしてステップ22に
移行し、更新された誘導中心周波数Fを用いて脳波の誘
導を継続する。
【0029】なお、誘導中心周波数Fの更新方法は、被
験者の脳波が誘導される目的の生理的・心理的状態に応
じて異なる。例えば、被験者をリラックス状態に導く場
合、図6に示すように、ステップ40にて誘導度Gと基
準値Rとを比較し、その結果、誘導度Gが基準値R以
上、すなわち脳波が誘導されたと判断された場合、ステ
ップ41にて誘導中心周波数Fを周波数f1 (f1
0)だけ低減して更新する。但し、周波数f1 は適切に
選択された値であり、更新される誘導中心周波数Fは、
別に設定された下限値以下にはならないものとする。一
方、ステップ40にて誘導度Gが基準値R未満、すなわ
ち脳波が誘導されなかったと判断された場合、例えば誘
導度Gに応じて誘導中心周波数Fを次に示す2通りに分
類して誘導中心周波数Fを更新する。誘導度Gが基準値
Rに近接していて例えば(1/2)R≦G<Rとなる場
合、ステップ42にて現在の誘導中心周波数Fをそのま
ま次の誘導中心周波数Fとして更新する。一方、誘導度
Gが基準値Rとはかなり離れていてG<(1/2)Rと
なる場合、ステップ43にて誘導中心周波数Fを周波数
2 (f2 >0)だけ増加して更新する。但し、周波数
2 は適切に選択された値である。
【0030】なお、誘導が達成されない場合の誘導度G
をさらに分類する値(本動作例では1/2)は、誘導時
の状況に応じて適切な値が選択されるものである。ま
た、本動作例では、誘導が達成されないときの誘導度G
をさらに分類し各場合に応じて誘導中心周波数Fの更新
方法を変えたが、これに限らず誘導が達成されない場合
の更新方法は一義的に定めても良い。
【0031】また、被験者を覚醒状態に誘導する場合、
脳波が現在の誘導中心周波数Fに誘導されたときは、周
波数を増加させて誘導中心周波数Fを更新して次の誘導
中心周波数Fとする。脳波が現在の誘導中心周波数Fに
誘導されなかったときは、誘導が達成されなかった程度
に応じて誘導中心周波数Fを変更せずに更新したり、ま
たは誘導中心周波数Fを減少したりして次の誘導中心周
波数Fとする。
【0032】上述のように、脳波の誘導状況を所定間隔
毎に評価しその結果に基づいて誘導中心周波数Fを更新
するものである。上記脳波誘導装置のいずれの動作例に
おいても、被験者に供給される生体刺激信号の強度は、
誘導の開始から終了までの全行程に亘って一様である必
要はなく、誘導時の被験者の状態や誘導される最終的な
被験者の生理的・心理的状態に応じて変化させることも
できる。
【0033】例えば、誘導中心周波数Fの更新に連動し
て生体刺激信号となる光の輝度や音の音量を変化させる
こともできる。この場合、誘導中心周波数Fを低下させ
て更新した場合は、輝度を低下させたり、音量を小さく
する。逆に、誘導中心周波数Fを増加させて更新した場
合は、輝度を増やしたり、音量を大きくする。また、例
えば誘導の開始時には輝度または音量を最小レベルから
開始して徐々に増大させ、誘導の終了時には輝度または
音量のレベルを徐々に低下させてから脳波の誘導を終了
させても良い。
【0034】上述のように上記各実施例の脳波誘導装置
においては、脳波の誘導時に、誘導中の被験者の脳波に
応じて誘導中心周波数Fが更新されて、誘導中心周波数
Fを誘導中の被験者の脳波の加重平均周波数f’に近づ
けることができるので、脳波の引き込み現象が効率良く
生じ、脳波の誘導効率が向上する。すなわち、誘導中の
被験者の脳波に応じたきめ細かな誘導を行うことができ
る。
【0035】なお、上記各動作のステップS1及びステ
ップ20における誘導開始時の誘導中心周波数は、脳波
誘導開始前の脳波の掃引動作の結果に基づき設定した
が、本発明はこれに限らず、例えば被験者の安静時にお
ける脳波の加重平均周波数を誘導開始時の誘導中心周波
数Fと設定するなど適切な手段にて誘導開始時の誘導中
心周波数Fを設定することができる。
【0036】また、上記各実施例では脳波の誘導中は連
続して被験者の脳波の加重平均周波数f0 を計測する構
成としたが、これに替えて、例えば上述の所定時間間隔
tp毎、または所定時間間隔tc毎など、被験者の脳波
の加重平均周波数f0 を必要とする時のみに限り被験者
の脳波の加重平均周波数f0 を計測する構成でも良い。
【0037】なお、上記実施例としてα波を誘導する場
合について説明したが、本発明は上記実施例に限らずθ
波やβ波の誘導においても同様に用いることができ、同
様の効果を奉ずる。従って、例えばθ波を誘導する場合
には掃引周期数範囲をθ波帯域となる4〜7Hz程度に設
定し、β波を誘導する場合にはβ波帯域となる14〜3
0Hz程度に設定すれば良い。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、被験者の脳波を誘導し
ているときの被験者の脳波信号を検出する検出手段と、
脳波の誘導中に検出手段の検出出力に基づいて生体刺激
信号を更新する更新手段とを有し、少なくとも所定間隔
にて更新される生体刺激信号にて脳波を誘導しているの
で、被験者に供給される生体刺激信号の周波数が被験者
の脳波信号に近接するために脳波の誘導効率を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による脳波誘導装置の一実施例を示す構
成図である。
【図2】図1に示す脳波誘導装置の動作の一例を示すフ
ローチャートである。
【図3】図2に示すフローチャートにより誘導される脳
波を説明する図である。
【図4】図1に示す脳波誘導装置の動作の第2の例を示
すフローチャートである。
【図5】図1に示す脳波誘導装置の動作の第3の例を示
すフローチャートである。
【図6】図5のフローチャートにて行われる誘導中心周
波数Fの更新方法を説明するフローチャートである。
【主要部分の符号の説明】
1 検出手段としての脳波センサ 7 更新手段としての制御手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験者の脳波信号を生体刺激信号に変換
    して前記被験者に供給することにより前記被験者の前記
    脳波信号を所望の周波数帯域に誘導する脳波誘導装置で
    あって、 前記脳波信号の誘導中に前記被験者の前記脳波信号を検
    出する検出手段と、 前記検出手段の検出出力に基づいて前記生体刺激信号を
    更新する更新手段と、を有することを特徴とする脳波誘
    導装置。
JP32782493A 1993-03-11 1993-12-24 脳波誘導装置 Expired - Fee Related JP3553630B2 (ja)

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