JPH06313754A - 成分定量分析装置及び食味評価装置 - Google Patents

成分定量分析装置及び食味評価装置

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JPH06313754A
JPH06313754A JP3174994A JP3174994A JPH06313754A JP H06313754 A JPH06313754 A JP H06313754A JP 3174994 A JP3174994 A JP 3174994A JP 3174994 A JP3174994 A JP 3174994A JP H06313754 A JPH06313754 A JP H06313754A
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JP
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quantitative
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JP3174994A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Ishibashi
仁志 石橋
Ryoji Suzuki
良治 鈴木
Susumu Morimoto
進 森本
Masataka Shichiri
雅隆 七里
Akiyoshi Shimizu
昭佳 清水
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成上簡単で測定精度を十分に確保でき、水
分を含む試料を無粉砕で分析できる成分定量分析装置及
びこれを利用する食味評価装置を得る。 【構成】 測定用光線束を試料Sに照射する光源1を備
え、試料Sを透過してくる透過光のスペクトル分布を得
て試料中の化学的成分を定量する成分定量分析装置に、
赤外線放射源を光源として備え、透過光を受光して、試
料Sの化学的成分に対応する特定の波長を含む波長毎に
分光する回折格子と、回折格子で波長毎に分光された前
記透過光を同時に波長毎に受光して出力信号に変換する
アレイ型受光素子7とを暗箱5b内に位置固定して備
え、アレイ型受光素子7の検出波長域を0.5〜1.0
μmの間にある近々赤外線域を含む波長域に設定して、
測定用光線束が透過する試料位置が変わるように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、測定用光線束を試料に
照射する光源を備え、試料を透過してくる透過光のスペ
クトル分布を得て試料中の化学的成分を定量する成分定
量分析装置、及びその装置を利用した食味評価装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】前記成分定量分析装置は、穀物の試料の
成分分析等のために使用されるものであり、従来型の成
分定量分析装置は、図8に示すように、光源からの光線
束を分光装置6によって分光し、特定波長の光のみを試
料Sに透過させて、波長毎にそのスペクトルを得るもの
が主流である。この構成の装置においては、図示するよ
うに、試料配設部と受光部9とは位置固定されており、
分光装置6が特定軸60周りに回転して、夫々の波長成
分が試料Sを透過する構成となっている。さらに、従
来、試料Sが穀物の場合は、これを粉砕して試料保持部
に配設して分析するものが主流を占めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
技術においては、回折格子を備えた分光装置を特定軸回
りに回動させるため、装置の光軸設定精度、波長に対す
る分解能等の点で、機械的、精度的な問題が残存する。
さらに、今日、分析時間の短縮化、多種の試料の分析等
の目的から試料の粉砕をするよりは、無粉砕で成分分析
することへの需要が大きい。ここで、試料を無粉砕で分
析しようとすると、従来の分析装置で採用されてきた波
長域(近赤外線領域)では、試料に含まれる水分の影響
により成分分析ができない(水分による吸光が起きやす
く、分析に対応できる良好なスペクトルが得られない)
という問題がある。さらに、無粉砕で、多波長成分を同
時検出しようとする場合は光量がかなり必要であり、光
量を増加させる場合には試料の温度上昇が起こり、この
温度上昇が分析結果に大きく影響するという問題があ
る。従って、本発明の目的は、構成上簡単で測定精度を
十分に確保できるとともに、且つ試料を無粉砕で分析で
きる成分定量分析装置を得ることにあるともに、この成
分定量分析装置を備えた食味評価装置を得ることにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明に係わる成分定
量分析装置の特徴構成は、光源としての赤外線放射源を
備えるとともに、透過光を受光して、試料の化学的成分
に対応する特定の波長を含む波長毎に分光する回折格子
と、回折格子で波長毎に分光された透過光を同時に波長
毎に受光して出力信号に変換するアレイ型受光素子とを
暗箱内に位置固定して備えたことにある。さらに上記の
成分定量分析装置において、回折格子が凹面回折格子で
あるとともに、試料を載置する試料保持部と凹面回折格
子との間に反射鏡が介装され、光源と前記反射鏡との間
における測定用光線束の第1光路に対して、反射鏡から
凹面回折格子に到る第2光路を概直角に屈曲させて構成
するとともに、アレイ型受光素子を凹面回折格子に対向
させて配設して構成することが、好ましい。さらに、上
記の構成において、アレイ型受光素子の検出波長域が
0.5〜1.0μmの間にある近々赤外線域を含む波長
域に設定されるとともに、測定用光線束が透過する試料
の透過部を位置変更する透過位置変更手段が備えられて
いることが好ましい。さらに、光源と試料との間に、少
なくとも0.5μm以下の波長域及び少なくとも1.5
μm以上の波長域が遮断できるフィルター手段を備えて
構成することが好ましい。また、分光分析前の試料温度
と、分光分析後の試料温度とを測定する試料温度検出手
段を設けるとともに、スペクトル分布より試料の化学的
成分の定量値を求める定量式に、試料温度検出手段の検
出結果により補正を行う温度補正項が備えられているこ
とが好ましい。そして、本願発明に係わる試料の食味評
価装置の特徴構成は、食味評価値に対する試料の各化学
的成分値の影響度である食味影響度を記憶した食味影響
度記憶手段と、食味影響度と上記の成分定量分析装置よ
り得られる試料中の化学的成分の定量値とより試料の食
味評価値を求める食味導出手段とを備えたことにある。
【0005】
【作用】本願の成分定量分析装置においては、光源から
照射される測定用光線束は試料を透過した後、暗箱内に
導かれて回折格子により回折されて、化学的成分に対応
する特定の波長を含む波長毎に分光され、アレイ型受光
素子により各波長成分毎に一時に受光、検出される。こ
こで、この受光素子は多波長の波長成分を同時に受光で
きる。従って、従来構成のように分光系を例えば機械式
稼働機構で回動させる必要がなく、測定系を位置固定式
とできるため、装置構成が簡単で且つ高精度な状態を長
く維持することができる。特に、例えば、化学的成分の
定量に、吸光度スペクトルの波長領域に於ける二次微分
スペクトルを使用する場合、アレイ型受光素子の特定素
子にどの波長の光が受光されているかを、厳密に特定す
る必要があるが、この点、系全体の主要部材が位置固定
式であることが非常に有効にはたらく。さらに、上記の
構成において、回折格子が凹面回折格子であるととも
に、試料を載置する試料保持部と凹面回折格子との間に
反射鏡が介装され、光源と反射鏡との間における測定用
光線束の第1光路に対して、反射鏡から凹面回折格子に
到る第2光路を概直角に屈曲させて構成するとともに、
アレイ型受光素子を凹面回折格子に対向させて配設して
構成すると、装置をコンパクトに構成することができ
る。さらに、上記の構成において、アレイ型受光素子の
検出波長域が0.5〜1.0μmの間にある近々赤外線
域を含む波長域に設定されるとともに、測定用光線束が
透過する試料の透過部を位置変更する透過位置変更手段
が備えられる構成とすると、この波長領域においては、
試料が水分を含んでいる場合においても、これによる吸
光が起こり難いため、無粉砕状態の水分をある程度含ん
だ状態でも所定の光量を確保して分析を行うことができ
る。さらに、各波長成分を同時に検出する要請から透過
光量を確保する必要があるが、この光量の増加に対応し
て発生する試料の温度上昇を、透過位置変更手段を設け
ることにより試料における測定用光線側の透過部を位置
変更することにより回避し、検出精度を確保することが
できる。さらに、光源と試料との間に、少なくとも0.
5μm以下の波長域及び少なくとも1.5μm以上の波
長域が遮断できるフィルター手段を備えて構成すると、
無粉砕状態の水分をある程度含んだ試料に対して、簡単
な装置構成で定量分析を行うことができる。一方1.0
〜1.5μmのデータを得ることでマンガン、カリウム
成分等も検出できる。さらに、分光分析前の試料温度
と、分光分析後の試料温度とを測定する試料温度検出手
段を設けるとともに、スペクトル分布より試料の化学的
成分の定量値を求める定量式に、試料温度検出手段の検
出結果により補正を行う温度補正項を備えて構成する
と、水分の影響、無粉砕測定の問題を克服するために、
比較的多くの光量を試料に照射する必要がある場合にお
いても、試料温度の変化による定量値の真の値からの変
動を無くして、分析を行うことができる。さらに、試料
の食味評価装置として、食味評価値に対する試料の各化
学的成分値の影響度である食味影響度を記憶した食味影
響度記憶手段と、食味影響度と上記の成分定量分析装置
より得られる試料中の化学的成分の定量値とより試料の
食味評価値を求める食味導出手段とを備えて、これを構
成しておくと、例えば白米、玄米、麦といった試料を、
無粉砕のまま分析して、その化学的成分定量値だけでな
く、食味評価値まで求めることができる。
【0006】
【発明の効果】従って、光学検出系側に機械的稼働機構
を備えず、これを固定型の構成としているため、充分に
測定精度を保つことが可能となる。さらに、検出波長域
の選択、透過位置変更手段を設けることにより、水分を
ある程度含んだ試料に対しても、これを無粉砕状態で分
析することが可能となり、その食味評価値まで求めるこ
とができるようになった。
【0007】
【実施例】以下に本発明の一実施例である玄米、白米、
麦等の穀粒を試料Sとする成分定量分析装置について説
明する。
【0008】成分定量分析装置は、図1に示すように、
光源1と、光源1からの測定用光線束を成形する第一光
学系2と、第一光学系2からの測定用光線束が照射され
る試料保持部3と、その試料保持部3で保持された試料
Sを透過した透過光を集光する第二光学系4と、その第
二光学系4により集光された透過光を分光分析する分光
分析部5とを光軸Pに沿って配置して構成してある。
【0009】前記光源1は、赤外線放射源とみなせるタ
ングステンーハロゲン電球によって構成してある。この
光源1への供給電圧は調整可能に構成されており、最終
的な受光部であるアレイ型受光素子7の感度レベル、さ
らには、試料Sによる吸光度合(透過度合)に従って、
光源1から供給される測定用光線束の光量を調節可能に
構成してある。前記第一光学系2は、前記試料保持部3
に向かう測定用光線束を平行光線束に成形するレンズや
スリットで構成してある。そして、この第一光学系2は
スリガラス、NDフィルター等の光量減衰装置(図外)
を載置可能な構成が採用されている。こういった光量減
衰装置(図外)は、光源1の劣化や試料保持部3の汚れ
等の影響を知るために、試料保持部3を空状態としてリ
ファレンス光を、アレイ型受光素子に入光させる場合に
使用されるものであり、リファレンス光照射時にこれら
の光量減衰装置(図外)を使用することにより、アレイ
型受光素子7に過度の光が供給されることを防止するこ
とができる。前記試料保持部3は、石英硝子製の容器3
aによって構成してあり、その容器3a内には、試料S
としての玄米、白米、麦等を収容してある。この試料保
持部3は透過位置変更手段としての保持部移動機構3b
を備えており、試料保持部3が測定用光線束の照射方向
に対して、直角方向(図面上の左右方向)に往復摺動さ
れる。従って、測定用光線束が透過する試料の透過部S
aは、経時的に位置変更され、光線束による穀粒の昇温
がキャンセルされる。前記第二光学系4は、前記試料S
を透過した透過光を前記分光分析部5の入射孔5a位置
で集光させる集光レンズ4aと、光路への有害光の進入
を防止する暗箱4bとで構成してある。
【0010】前記分光分析部5は、前記第二光学系4に
隣接する暗箱5bを設け、その暗箱5b内で、入射光線
束を分光反射する凹面回折格子6と、分光反射された各
波長毎の光量を検出するアレイ型受光素子7とを設けて
構成してある。また、暗箱5b内の測定用光路における
入射孔5aと凹面回折格子6との間には、入射孔5aか
らの入射光線束を凹面回折格子6に向けて反射させる反
射鏡8を設けてある。即ち、分光分析部5はポリクロメ
ータ型の分光計である。従って、前記光源1と前記反射
鏡8との間における測定用光線束の第1光路P1に対し
て、反射鏡8から凹面回折格子6に到る第2光路P2は
概直角に屈曲されて構成されており、アレイ型受光素子
7を凹面回折格子6に対向させて配設することにより、
装置全体がコンパクトな構成とされている。
【0011】アレイ型受光素子7は、凹面回折格子6に
よる光線束の分散光路上の暗箱5bに設けた受光素子固
定部9に固定設置してあり、シリコン(Si)又は硫化
鉛(PbS)又はゲルマニウム(Ge)センサで構成し
てある。このアレイ型受光素子7の検出波長域は0.5
〜1.0μmの間にある近々赤外線域を含む波長域に設
定されている。ここで、この検出波長域(0.5〜1.
0μm)における吸光度について説明すると、図2に示
すように、基準光量をI、透過光量をTとする場合の吸
光度Log(I/T)は、無粉砕小麦、粉砕小麦、水に
ついて非常に小さくなっており、透過光量が大きく、無
粉砕状態でも吸収光量が小さく比較的多くの光量を確保
できることを示している。
【0012】一方、前記アレイ型受光素子7の対向面側
の暗箱5bに設けた回折格子固定部10には、支持部材
11の基端部を取り付け固定してあり、更に、その支持
部材11先端側の回折格子取付部12には、凹面回折格
子6を取り付け固定した状態に支持してある。結果、こ
れらの光学系は試料保持部3の移動機構3a,3bを除
いて、全て固定構成となっている。
【0013】さらに、前述のアレイ型受光素子7には、
この検出情報を処理する処理手段70が備えられてい
る。この処理手段70は、検出情報としての吸光度スペ
クトル、さらには、この吸光度スペクトルの波長領域で
の二次微分値を得るためのものである。ここで、吸光度
は、上記のように光源の照射光量(基準光量)をI、透
過光の光量をTとする場合に、Log(I/T)で定義
される。これは、波長毎に求められ、吸光度スペクトル
とされる。さらに、求められた吸光度スペクトルの波長
領域の二次微分値より化学的成分の定量値を算定する定
量式がこの処理手段70の中に備えられ、水分、タンパ
ク、アミロースといった化学的成分の定量値が求められ
る。さらに、これらの定量値が求まると、以下に示す式
により穀物の食味評価値Yが求められる。
【0014】
【数1】Y=A×M0+B×Pr+C×Am+α M0 水分定量値、 Pr タンパク定量値 Am
アミロース定量値 A、B、C、αは係数
【0015】ここで、上記の係数としてのA、B、C、
αは、各定量値における食味影響度であり、これらが食
味影響度記憶手段72に記憶格納されている。そして、
上記式と得られる化学的成分の定量値を利用して食味導
出手段73により食味評価値が求められる。ここで、食
味影響度記憶手段72及び食味導出手段73はともに、
前述の処理手段70と共に備えられているソフト構成で
ある。この食味評価値は、100点満点で表される。食
味評価の基準は、炊飯して食べた場合の食味官能値をも
とに導出している。食味ランクは食味評価値に基づき、
ユーザーが自由に設定するようになっている。例えば、
あるユーザーは80点以上をAとし、別のユーザーは7
0点以上をAと、75点ではランクがユーザーによって
異なる。このようにして求められる食味ランクをA、
B、C形式で図3に示した。図3には、米の各サンプル
1,2,3,4に於ける各化学的成分の定量値及び食味
ランクが示されている。従って、これまで説明してきた
成分定量分析装置の構成に食味影響度記憶手段72と食
味導出手段73とを備えて、試料の食味評価装置が構成
されることとなる。以上の説明においては、食味評価値
の導出にあたって化学的成分の定量値を求めた後、この
値に基づいて食味評価値を求めているが、前述の吸光度
スペクトルの波長領域における二次微分値より直接食味
評価値を求めることもできる。この場合は、単数もしく
は複数の特定波長の前記二次微分値を使用して予め求め
られている相関係数を備えた相関式により、食味評価値
が求められる。
【0016】さて、本願の処理手段70によるデータ取
り込み及びその処理にあたっては、検出値の信頼性を確
保するために、データ取り込み手法、データ処理の夫々
について独特の構成が採用されている。即ち、データの
取り込みにおいては、保持部移動機構3bの少なくとも
1サイクルをカバーするように、データの取り込み回数
が設定されるとともに、データの変動率(%)=標準偏
差/データ平均値×100を1%程度に抑えるために、
多数回データ取り込み手法が採用されている。図4
(イ)に示すように取り込みデータはそのサイクル中
で、主に試料温度の要件により変動するが、これを多数
回繰り返すことにより、図4(ロ)に示すように変動率
(%)が低く抑えられることとなる。実際のデータ取り
込みにおいては、3サイクル中に68回の取り込みを行
い、変動率を1%程度に抑えている。
【0017】一方、データ処理においては、定量式に温
度補正項を設けて定量値の適性化を図っている。即ち、
試料温度の変化に対応するために、放射温度計等の非接
触の温度測定装置3cを試料保持部3に備え、分光分析
前の試料温度と、分光分析後の試料温度とを測定する試
料温度検出手段71を設けるとともに、吸光度スペクト
ルより試料の定量値を特定する定量式に、試料温度検出
手段71の検出結果により補正を行う温度補正項が備え
られている。この補正についてさらに詳細に説明する
と、温度が変化した状態に於ける同一サンプルの定量値
と化学分析値との関係から、誤差={[定量値]−[化
学分析値]}/[化学分析値]と温度t(この温度は、
分光分析前の試料温度と分光分析後の試料温度の平均)
との相関係数αが求められており下記の式により成分を
補正するものである。 [補正後の定量値]={1−α(t−t0)}×[補正前
の定量値] ここで、t0 は基準温度である。図5(イ)(ロ)
(ハ)にそれぞれ、同一サンプルに対する温度が変化し
た場合の吸光度スペクトルの二次微分値の変化状態、温
度補正を行わない場合の定量値と化学分析値の関係、さ
らに、温度補正を行った場合の定量値と化学分析値の関
係を示した。温度補正を行うことにより、信頼性の高い
定量値が得られていることが判る。図5において、異な
る記号は、異なった温度状態にある同一試料に対するス
ペクトル及び定量値の変化状況を表している。
【0018】〔別実施例〕本願の別実施例を以下に箇条
書きする。 (イ)上記の実施例においては、試料の温度上昇を避け
る目的で、光源と試料との間に、少なくとも0.5μm
以下の波長域及び少なくとも1.5μm以上の波長域が
遮断できるフィルター手段を備えて装置を構成してもよ
い。
【0019】(ロ)上記の実施例においては、定量値を
求めた後に温度補正を行う方法を説明したが、二次微分
値から定量値を求める段階で温度補正を行ってもよい。
この場合は、下記のような構成となる。 成分定量式 y=C0+C1A(λ1)+C2A(λ2)+…… 温度補正付の成分定量式 y=C0+C1[A(λ1)−α1(t−t0)]+C2[A
2))−α2(t−t 0)]+…… ここで、 y ……定量値 C0,C1……温度t0 のときの定量値を求める定量式の
係数 A(λ) ……それぞれの特定波長λのスペクトルの2次
微分値 α1,α2……各波長の吸光度2次微分値の温度修正係数
【0020】(ハ) 上記の実施例においては、試料と
しての玄米、白米、麦等の穀粒の例を挙げたが、果実、
樹脂、液体等もその成分定量分析対象とすることができ
る。 (ニ) さらに、上記の実施例においては、水分、タン
パク、アミロースを化学的成分の定量対象として示した
が、これらの他、脂質、灰分、無機質等の成分もその成
分定量分析対象とすることができる。 (ホ) 上記の実施例においては、透過位置変更手段の
構成例として試料保持部を構成する容器を直線往復作動
させて、測定用光線束を横切らせるように構成したが、
図6に示すように、円柱状の収納容器30をその軸31
回りに回転可能に構成し、この収納容器30の回動によ
り試料が測定用光線束を横切るように構成してもよい。
この場合は、収納容器30の周方向の一部部位に試料供
給部32及び試料排出部33を設けることにより、試料
の温度上昇を回避しながら連続的に分析を行うことがで
きる。さらに、図7に示すように、測定用光線束の光路
を上下方向に横切る形で、試料落下路35を設けるとと
もに、この試料落下路35の上部入口36と下部出口3
7とに、開口面積を制限可能な試料の供給制御機構3
8、排出制御機構39を設けて、連続的に一定量を試料
落下路35を介して落下させる構成としてもよい。この
場合も、試料温度を上昇させることなく、連続的に分析
を行うことができる。
【0021】上記の実施例においては、機器をコンパク
トに構成する目的で凹面回折格子を採用したが、これは
プリズム等の回折格子であってもよい。
【0022】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】成分定量分析装置の構成を示す図
【図2】波長領域における吸光度の変化を示す図
【図3】サンプルの食味評価の表示状況を示す図
【図4】多数回データ取り込み操作に於けるデータ特性
の変化を示す説明図
【図5】温度補正に関する波長に対する二次微分値、定
量値と化学分析値の関係を示す図
【図6】透過位置変更手段の別実施例を示す図
【図7】透過位置変更手段の別実施例を示す図
【図8】従来の分析装置の構成を示す図
【符号の説明】
1 光源 3 試料保持部 3b 透過位置変更手段 5b 暗箱 6 凹面回折格子 7 アレイ型受光素子 8 反射鏡 71 試料温度検出手段 72 食味影響度記憶手段 73 食味導出手段 S 試料 Sa 透過部 P1 第1光路 P2 第2光路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 七里 雅隆 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内 (72)発明者 清水 昭佳 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定用光線束を試料(S)に照射する光
    源(1)を備え、前記試料(S)を透過してくる透過光
    のスペクトル分布を得て前記試料中の化学的成分を定量
    する成分定量分析装置であって、 前記光源(1)としての赤外線放射源を備えるととも
    に、 前記透過光を受光して、前記試料(S)の化学的成分に
    対応する特定の波長を含む波長毎に分光する回折格子
    と、前記回折格子で波長毎に分光された前記透過光を同
    時に波長毎に受光して出力信号に変換するアレイ型受光
    素子(7)とを暗箱(5b)内に位置固定して備えた成
    分定量分析装置。
  2. 【請求項2】 前記回折格子が凹面回折格子(6)であ
    るとともに、前記試料(S)を載置する試料保持部
    (3)と前記凹面回折格子(6)との間に反射鏡(8)
    が介装され、前記光源(1)と前記反射鏡(8)との間
    における前記測定用光線束の第1光路(P1)に対し
    て、前記反射鏡(8)から前記凹面回折格子(6)に到
    る第2光路(P2)を概直角に屈曲させて構成するとと
    もに、前記アレイ型受光素子(7)を前記凹面回折格子
    (6)に対向させて配設した請求項1記載の成分定量分
    析装置。
  3. 【請求項3】 前記アレイ型受光素子(7)の検出波長
    域が0.5〜1.0μmの間にある近々赤外線域を含む
    波長域に設定されるとともに、前記測定用光線束が透過
    する前記試料(S)の透過部(Sa)を位置変更する透
    過位置変更手段(3b)が備えられている請求項1記載
    の成分定量分析装置。
  4. 【請求項4】 前記光源(1)と前記試料(S)との間
    に、少なくとも0.5μm以下の波長域及び少なくとも
    1.5μm以上の波長域が遮断できるフィルター手段を
    備えた請求項3記載の成分定量分析装置。
  5. 【請求項5】 分光分析前の試料温度と、分光分析後の
    試料温度とを測定する試料温度検出手段(71)を設け
    るとともに、前記スペクトル分布より前記試料(S)の
    化学的成分の定量値を求める定量式に、前記試料温度検
    出手段(71)の検出結果により補正を行う温度補正項
    が備えられている請求項3記載の成分定量分析装置。
  6. 【請求項6】 食味評価値に対する試料の各化学的成分
    値の影響度である食味影響度を記憶した食味影響度記憶
    手段(72)と、 前記食味影響度と請求項1記載の成分定量分析装置より
    得られる試料中の前記化学的成分の定量値より前記試料
    の食味評価値を求める食味導出手段(73)とを備えた
    試料の食味評価装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08247932A (ja) * 1995-03-13 1996-09-27 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 測色値の修正方法
JP2010223871A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Sharp Corp 汚染検知装置、汚染浄化システム、および、洗濯機
JP2013205040A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Seiko Epson Corp 測定方法、測定装置、演算回路、測定プログラム
JP2015212640A (ja) * 2014-05-01 2015-11-26 株式会社ケット科学研究所 撮像光学系、該撮像光学系を用いた撮像装置、及び該撮像装置と操作パネル式情報端末とを組み合わせた穀粒判別システム

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