JPH0631322B2 - コークス炉ガス中の軽油およびナフタリンの回収方法 - Google Patents

コークス炉ガス中の軽油およびナフタリンの回収方法

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JPH0631322B2
JPH0631322B2 JP25807288A JP25807288A JPH0631322B2 JP H0631322 B2 JPH0631322 B2 JP H0631322B2 JP 25807288 A JP25807288 A JP 25807288A JP 25807288 A JP25807288 A JP 25807288A JP H0631322 B2 JPH0631322 B2 JP H0631322B2
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賢則 山本
康二 坂田
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、コークス炉ガス中の軽油(ベンゼン、トルエ
ン、キシレンの混合物)およびナフタリンを吸収油(ク
レオソート油、アントラセン油等の比較的重質の芳香族
系油の混合物または石油系ストローオイル)を用いて吸
収し、この吸収油から軽油およびナフタリンをスチーム
やコークス炉ガスなどを用いることなく駆出(ストリッ
ピング)し、濃度80重量%程度のナフタリンを効率よ
く、かつ低下コストで回収することができるコークス炉
ガス中の軽油およびナフタリンの回収方法、および駆出
塔塔頂油中のNCNを効率的に除去し、スケーリングや腐
食を防止することができるコークス炉ガス中の軽油およ
びナフタリンの回収方法に関するものである。
本発明の方法では、ナフタリンが80重量%程度に濃縮
して回収されるが、80重量%程度のナフタリンが得ら
れれば、ドラムフレーカーとスクリュープレスを利用し
て95重量%程度のナフタリンを製造することが可能と
なる。
〔従来の技術〕
従来、コークス炉ガス中の軽油分およびナフタリン分を
回収する場合、一般に第6図に示すような方法が用いら
れている。すなわち、コークス炉ガスをナフタリンスク
ラバー1、ついでベンゾールスクラバー2に導入し、塔
頂部から後述の軽油分等を駆出された吸収油(以下、脱
ベン吸収油という)をスプレーして向流接触させ、軽油
分等を吸収除去して精製コークス炉ガスとする。軽油分
等を含む吸収油(以下、含ベン吸収油という)は熱交換
器3において、熱い脱ベン吸収油と熱交換し加熱された
後、脱水塔4に供給され、脱水塔4の塔頂部から出る軽
油分や水分を含む蒸気は駆出塔6の上段に供給される。
この脱水塔4の塔底部を出た含ベン吸収油は加熱炉5で
加熱された後、常圧で操作される駆出塔6の中段に供給
され、スチームストリッピングされる。駆出塔6の塔底
部を出た脱ベン吸収油の大部分は前記の熱交換器3で熱
回収され、さらに吸収油クーラー7で冷却された後、ナ
フタリンスクラバー1、ベンゾールスクラバー2に循環
使用される。駆出塔6の塔底部からの脱ベン吸収油の一
部は脱ピッチ塔8に供給され、循環吸収油中に蓄積され
るピッチ分が除去される。
駆出塔6の塔頂部からはナフタリンを含む軽油蒸気が留
出し、駆出塔コンデンサー10で冷却凝縮される。凝縮
液は駆出塔リフラックスドラム11で水分を分離除去さ
れ、凝縮液の一部は粗軽油として抜き出され、凝縮液の
残りは還流として再び駆出塔6の塔頂部に戻される。ナ
フタリン油は駆出塔濃縮部の中段から側流として抜き出
されている。この場合、ナフタリン油中のナフタリン濃
度は、一般に50重量%程度で、残りの大部分はナフタ
リンより沸点の高い吸収油成分である。
また従来、特公昭60-15675号公報に示されるように、軽
油駆出塔を常圧で操作し、駆出剤として軽油分等を除去
した後のコークス炉ガスを用いる方法が提案されてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
第6図に示す軽油駆出塔を常圧で操作し、駆出剤として
スチームを用いる従来の方法は、つぎのような不都合点
を有している。
(1) スチームは軽油等の同伴ガスとして用いられるの
で、スチームの保有する大部分の熱(潜熱)か全く利用
されず、高価なエネルギーの浪費となっている。
(2) 駆出塔内でスチームが凝縮することによって、激
しい腐食が促進される。
(3) ナフタリンを回収しようとする場合は、駆出塔の
塔頂から留出する粗軽油中にかなりのナフタリンが含ま
れるため、ナフタリンの回収率が低くなる。一例を第1
表に示す。
(4) 粗軽油やナフタリン油に同伴される吸収油分が多
く、吸収油の損失が大きい。
また上記の特公昭60-15675号公報記載の方法は、上記の
第6図に示す方法の不都合点を解決しているが、さらに
まだ、つぎのような不都合点を有している。
(1) 駆出塔塔頂部から出る軽油分等とコークス炉ガス
は冷却されて軽油分等が凝縮分離されるが、分離された
コークス炉ガスは軽油分等を飽和濃度で含んでいる。従
って、このコークス炉ガスを高カロリー燃料として使用
する場合には、軽油分等の回収率が低下する。
(2) 分離後のコークス炉ガスを軽油分等の吸収塔入口
のコークス炉ガスと混合する場合には、吸収塔、駆出塔
の負荷が増加する。
(3) 駆出剤としてのコークス炉ガスを昇圧するために
大きな動力を要する。
(4) コークス炉ガスによって系外に熱が持ち出される
ため、エネルギーの浪費となる(ただし、第2図に示す
従来法より、エネルギーの消費量は大幅に少なくなって
いる)。
(5) 回収される軽油分等にはコークス炉ガス成分が溶
存するので、脱ガス等の処理が必要となる場合がある。
本発明は上記の不都合点を解消するためになされたもの
で、コークス炉ガス中の軽油およびナフタリンを吸収油
を用いて吸収し、駆出剤としてスチームやコークス炉ガ
スなどを用いることなく、駆出塔で減圧蒸留してコーク
ス炉ガス中の軽油およびナフタリンを低コストで回収す
ることができる方法を提供することを目的とするもので
ある。
しかしながら、上記のようにコークス炉ガス中の軽油お
よびナフタリンを吸収油を用いて吸収し、駆出塔で減圧
蒸留して塔頂より軽油とナフタリンを回収する方法にお
いては、コークス炉ガスから吸収されたHCNが駆出塔の
塔頂油中に微量混入するため、これが加熱されるとシア
ン重合物が生成し、下流の導管や装置に対してスケーリ
ングや腐食の原因となる。
本願の請求項3の発明は、この点を解決するためになさ
れたもので、駆出塔の塔頂油のHCNを簡単な方法で効率
的に除去し、スケーリングや腐食を防止するコークス炉
ガス中の軽油およびナフタリンの回収方法を提供するこ
とを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
上記の目的を達成するために、本願の請求項1の発明
は、第1図に示すように、コークス炉ガス中の軽油およ
びナフタリンを吸収油を用いて吸収し、該吸収油を駆出
塔に導入して、吸収油から軽油およびナフタリンを駆出
し回収する方法において、駆出塔14の塔底部にリボイ
ラー15を設置し、駆出塔塔底部の操作圧力を300Torr
以下の減圧として蒸留し、駆出塔の塔頂部から軽油とと
もにナフタリンを留出させ、該留出油を側塔22に送
り、側塔の塔頂部から軽油を回収するとともに、側塔の
塔底部からナフタリンを回収するようにしたものであ
る。
また本願の請求項2の発明は、第1図に示すように、側
塔22の塔底部をさらにフラッシュ塔25に導入し、フ
ラッシュ塔の塔頂部からナフタリンを回収するようにし
たものである。
さらに本願の請求項3の発明は、第2図および第3図に
示すように、駆出塔14の塔頂油に水を注入して、塔頂
油中のHCN成分を抽出・除去するようにしたものであ
る。
この場合、単に水を注入するだけでもよいが、注入後に
混合工程を加えると、さらに効果的である。
側塔22およびフラッシュ塔25は、常圧操作または減
圧操作するのが望ましい。またフラッシュ塔25の塔底
残油を上流工程へ戻す場合がある。
本発明の方法において、駆出塔塔底部の操作圧力は上記
のように300Torr(絶対圧)以下の減圧であるが、150〜
200Torr(絶対圧)とするのが望ましい。その理由は、1
50Torr未満の場合は、駆出塔の塔頂蒸気の凝縮に冷水が
必要になり冷凍機を設置することになり、一方、200Tor
rを越える場合は、駆出塔塔底部の温度が高くなり、吸
収油の劣化(重質化)が促進されるためである。
以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。ただし
図面に示す構成機器の相対配置などは、特に特定的な記
載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する
趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
第1図において、軽油分およびナフタリン分を含むコー
クス炉ガスは、ナフタリンスクラバー1、ベンゾールス
クラバー2で、塔頂部から供給される脱ベン吸収油と向
流接触して、軽油分およびナフタリン分が吸収除去さ
れ、精製コークス炉ガスとなる。軽油分等を含む含ベン
吸収油は第1熱交換器12において、強い脱ベン吸収油
と熱交換し、加熱された後、脱水塔4に供給される。脱
水塔4では吸収油中の水分が除去され、脱水塔塔底部を
出た含ベン吸収油は、第2熱交換器13にて再び脱ベン
吸収油にて加熱され、300Torr以下の減圧下で操作され
る駆出塔14の中段に供給され、駆出塔リボイラー15
で熱媒により加熱されて、軽油分およびナフタリン分が
駆出される。
駆出塔塔底部を出た脱ベン吸収油の大部分は熱交換器1
3、12で熱回収され、さらに吸収油クーラー7で冷却
された後、ナフタリンスクラバー1、ベンゾールスクラ
バー2に循環使用される。脱ベン吸収油の一部は脱ピッ
チ塔8に供給され、循環吸収油中に蓄積するピッチ分を
除去する。駆出塔頂部から留出する軽油、ナフタリン蒸
気は、脱水塔塔頂部から出る軽油や水分を含む蒸気と合
流し、駆出塔コンデンサー10で冷却凝縮される。凝縮
液は、駆出塔リフラックスドラム11で水分を分離除去
され、該凝縮液の一部は含ナフタリン粗軽油として抜き
出され、残りは還流として再び駆出塔塔頂部に戻され
る。駆出塔14の真空度は、真空ポンプ17で維持され
る。
脱ピッチ塔8は、駆出塔塔底部とほぼ等しい減圧状態で
操作され、脱ピッチ塔リボイラー18で熱媒により加熱
されて、塔底部からピッチ油が抜き出され、ピッチ油以
外の成分は蒸気として駆出塔塔底部に戻される。このよ
うに脱ピッチ塔8の塔底部にリボイラー18を設置して
いるので、脱ピッチ性能が良く、循環吸収油中のピッチ
濃度を低く維持することができる。
駆出塔14は充填塔とするのが望ましい。その理由は、
充填塔とすれば、トレイ塔に比べ、塔内圧力損失が小さ
いため塔底温度を低く抑えることができ、吸収油の重質
化を防止でき、またリボイラーでの熱交換を容易にでき
るという利点があるからである。
駆出塔リボイラー15および脱ピッチ塔リボイラー18
と、有機熱媒油を熱源とする熱交換器や加熱炉等種々の
形態のものを採用することができる。有機熱媒油を熱源
とする場合は、駆出塔リボイラーについてはサーモサイ
フォン型が望ましい。また脱水塔4は、常圧、減圧のい
ずれでも操作することができ、さらには脱水塔の設置を
省略することも可能である。
駆出塔14からの含ナフタリン粗軽油は、第1側塔コン
デンサー20で側塔塔頂蒸気と熱交換して加熱され、次
いでナフタリンコンデンサー21で加熱された後、常圧
下で操作される側塔22の塔頂に供給される。ナフタリ
ン等の重質分が除去された側塔塔頂蒸気は第1側塔コン
デンサー20、第2側塔コンデンサー23で冷却凝縮さ
れて側塔リフラックスドラム24に送られる。凝縮液の
一部は還流として側塔塔頂部へ送られ、残りは製品粗軽
油となる。側塔塔底油はナフタリンが80重量%程度ま
で濃縮されているが、着色成分やピッチ分等の不揮発分
を含んでいるため、フラッシュ塔25において常圧下で
再蒸発させてナフタリンコンデンサー21で凝縮させた
後、80重量%程度のナフタリンとして回収する。側塔
リボイラー26やフラッシュ塔リボイラー27は熱媒に
より加熱され、側塔22、フラッシュ塔25の熱源とな
る。また、フラッシユ塔25の塔底残油はナフタリンを
多く含んでいるので、脱ピッチ塔等の上流工程へライン
28などにより戻すことにより回収することもできる。
なおフラッシュ塔を設置しない場合もある。また含ナフ
タリン粗軽油を側塔の中段にフィードすることも可能で
ある。
第1図に示すフローに従って、前述のような方法を実施
すると、駆出塔14の塔頂から留出する含ナフタリン粗
軽油には、コークス炉ガスから吸収したHCNが70〜140
ppm含まれるので、第1側塔コンデンサー20やナフタ
リンコンデンサー21で加熱されると、シアン重合物が
生成される。このため、第1側塔コンデンサー20およ
びナフタリンコンデンサー21下流の導管や、第1側塔
コンデンサー20、ナフタリンコンデンサー21、側塔
22などの装置内にシアン重合物(暗灰色でスラッジ
状)が堆積し、閉塞の原因となる。また導管や装置の材
質として、炭素鋼を使用すると、シアン重合物堆積部が
激しく腐食(全面腐食)される。したがって、高級材質
であるステンレス鋼を使用する必要がある(ステンレス
鋼に対する腐食性は弱い)。
なお、HCNの重合反応の機構は、正確には解明されてい
ないが、硫化物(コークス炉ガス中のH2S)の存在下でH
CNの重合反応が起こると、シアン化物と硫化物との共重
合体が生成すると報告されている。第2表に、第1側塔
コンデンサー下流の導管内の堆積物の元素分析例を示
す。第2表において、この堆積物は典型的なシアン重合
物であることを示している。
なお第2表における値は、ドライベースで灰分を除いた
ものである。
上記の問題点を解決するために、駆出塔14の塔頂油に
水を注入して、塔頂油水のHCNを抽出・除去する。具体
的には、第2図に示すように、駆出塔コンデンサー10
下流の塔頂油移送ポンプ30の出口側に軟水を注入し、
この注入個所の下流にスタティックミキサー31などの
混合器を設ける。32は仕切板、33は駆出塔リフラッ
クスポンプ、34は液溜めである。なおスタテイックミ
キサーなどの混合器を設けない場合もある。この場合
は、塔頂油移送ポンプ30の吸引側に軟水を注入する方
が効果的である。
また第3図に示すように、駆出塔リフラックスポンプ3
3の出口側に軟水を注入し、この注入個所の下流にスタ
ティックミキサー35などの混合器を設けるように構成
することもできる。なおスタティックミキサーなどの混
合器を設けない場合もある。
以上は、水(軟水が好ましい)の注入個所の一例を示し
たものであるが、本発明においては、注入個所は限定さ
れるものではなく、要は、駆出塔14の塔頂油に注入す
るようにすればよい。
つぎに、駆出塔コンデンサー10で凝縮した含ナフタリ
ン粗軽油を、軟水と排安水を使用して洗浄テストを行っ
た結果について説明する。ここに排安水とは、コークス
工場からの排安水で、安水ストリッパーにてフリーアン
モニアや酸性ガス成分(H2S、HCN)が除去されたものを言
う。
含ナフタリン粗軽油と洗浄液(軟水または排安水)とを
スタティックミキサーで混合し、分離槽にて比重分離し
た。含ナフタリン粗軽油および洗浄液の組成は、第3表
のとおりである。また洗浄テスト結果を第4図および第
5図を示す。
洗浄液として、軟水と排安水をテストした理由は、コー
クス工場で容易に利用できるからである。HCNの抽出能
力は軟水の方が優れており、また排安水はCl-を含むの
で、洗浄液としては軟水の方が好ましい。また工業用水
等の硬水を使用することも可能であるが、硬水を使用す
ると、含ナフタリン粗軽油のpHが高いため、硬度成分が
析出し、スケーリングを起こしてポンプ等の故障の原因
となるので、軟水を使用する方が好ましい。
本発明の方法では、含ナフタリン粗軽油中のHCN濃度を
25〜50ppm以下にすれば、シアン重合はほとんど発
生しないものと判断される。
また側塔行含ナフタリン粗軽油のみを軟水で洗浄するこ
とも可能であり、さらに第3図に一例を示すように、駆
出塔リフラックスポンプから駆出塔リフラックスドラム
へのリサイクルラインを設けて、ここで洗浄することも
可能である。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を挙げて説明する。
実施例1 第1図に示すフローに従って85,000Nm3/Hのコークス炉
ガスを処理し、ベンゾールスクラバー2およびナフタリ
ンスクラバー1から含ベン吸収油を得た。この含ベン吸
収油には第4表に示すように、軽油分1.59wt%,ナフタ
リン分3.86wt%を含んでいた。
駆出塔14は塔頂部が170Torr、塔底部が185Torrの減圧
下で操作され、軽油分とナフタリン分は塔頂留分として
回収した。駆出塔底部から第4表に示すように、軽油分
0.03wt%、ナフタリン分3.75wt%を含む脱ベン吸収油170m
3/Hが回収され、上記のベンゾールスクラバー2および
ナフタリンスクラバー1に再循環使用した。
駆出塔リボイラー15および脱ピッチ塔リボイラー18
の熱源として260℃の熱媒を使用し、駆出塔塔底部の温
度を191℃、脱ピッチ塔塔底部の温度を230℃とした。こ
の時の操作圧力は、駆出塔塔底部が185Torr、脱ピッチ
塔塔頂部が188Torrであった。常圧操作の脱水塔4の温
度は140℃、駆出塔塔頂部の温度は87℃、駆出塔リフ
ラックスドラムの温度は24℃であった。また駆出塔1
4へ導入される含ベン吸収油の温度は171℃であった。
駆出塔14の塔頂から3.5m3/Hの含ナフタリン粗軽油が
抜き出され、脱ピッチ塔8の塔底から60kg/Hのピッチ油
が系外に抜き出された。3.5m3/Hの含ナフタリン粗軽油
は100℃に加熱された後、側塔22へ供給された。側塔
の塔頂は0.02kg/cm2G、120℃、塔底は0.1kg/cm2G、22
9℃であった。側塔22の塔頂からは3.3m3/Hの粗軽油が
系外に抜き出され、側塔の塔底液はフラッシュ塔25に
導入され、フラッシュ塔の塔頂から濃度81.8wt%のナフ
タリン油0.15m3/Hが、塔底から残油0.05m3/Hが抜き出さ
れた。なお側塔リフラックスドラム24の温度は27
℃、フラッシュ塔25の塔頂の圧力は0kg/cm2G、温度
は224℃、ナフタリンコンデンサー21の出口の80wt%
程度のナフタリン油の温度は103℃であった。また側塔
リボイラー26、フラッシュ塔リボイラー27の熱媒温
度は260℃であった。
また駆出塔14は充填塔とし、側塔22にはシーブトレ
イを用い、脱ピッチ塔8、フラッシュ塔25にはバッフ
ルトレイを用いた。
各部分の抜出し油の成分分析結果を第4表に、ナフタリ
ンスクラバー、ベンゾールスクラバーまわりのガスの成
分分析結果を第5表に示した。なおC11H10(メチルナフ
タリン)は吸収油成分の代表成分であり、「前留分」は
ベンゼン前留分のことで、ベンゼンより軽いものを指称
し、「吸収油分」はC11H10(メチルナフタリン)を含め
たものを指称する。
実施例2 駆出塔コンデンサー10から駆出塔リフラックスドラム
11間の含ナフタリン粗軽油8.5m3/Hに、軟水を3m3/H
注入し、スタティックミキサー31で混合した後、駆出
塔リフラックスドラム11で軽油と水とを比重分離し
た。分離された含ナフタリン粗軽油のうち、3.5m3/Hは
第1側塔コンデンサー20、ナフタリンコンデンサー2
1経油で側塔22へフィードし、残りの5m3/Hは還流と
して駆出塔14へ戻した。軟水注入以前の含ナフタリン
粗軽油中のHCN濃度は100ppmであったが、軟水を注入し
てから側塔行含ナフタリン粗軽油中のHCNは21ppmまで低
下し、シアン重合は発生しなくなった。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、つぎのような効果が奏せられ
る。
(1) 駆出剤としてスチームを全く使用しないので、省
エネルギー効果が大である。
(2) 駆出剤としてスチームを全く使用しないので、駆
出塔内での水分凝縮に起因する腐食を防止することがで
きる。
(3) 駆出塔の塔底部にリボイラーを設置しているの
で、軽油のストリッピング性能が良く、脱ベン吸収油中
の軽油濃度を低く維持することができる。このためコー
クス炉ガスからの軽油分等の回収量が増加する。
(4) 駆出塔を減圧操作することによって、軽油やナフ
タリンと吸収油分との比揮発度が改善されるため、軽油
やナフタリンとともに留出する吸収油同伴量が少なく吸
収油の損失を最小に抑えることができる。
(5) 駆出塔において、ナフタリンと吸収油成分の分離
性能が良く、また側塔においても、軽油とナフタリンの
分離性能が良いので、ナフタリンを80重量%程度のナ
フタリン油として回収できる。80重量%程度のナフタ
リンが得られれば、ドラムフレーカーとスクリュープレ
スを利用して95重量%程度のナフタリンを製造するこ
とが可能となる。
(6) 請求項3の発明においては、駆出塔塔頂油に水
(軟水が好ましい)を注入して、塔頂油中のHCN成分を
抽出・除去してから側塔へフィードするので、第1側塔
コンデンサーやナフタリンコンデンサーで熱回収して加
熱しても、シアン重合物は生成しない。このため、第1
側塔コンデンサーから側塔までの側塔フィードラインの
閉塞や腐食が発生しないので、長期安定運転が可能とな
る。また第1側塔コンデンサーから側塔までの側塔フィ
ードラインおよび側塔の材質として、炭素鋼が使用可能
となり、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のコークス炉ガス中の軽油およびナフタ
リンの回収方法を実施する装置の一例を示すフローシー
ト、第2図および第3図は第1図における駆出塔14の
塔頂部まわりの他の例の詳細を示すフローシート、第4
図および第5図は本発明者らの行った実験結果を示すも
ので、第4図は洗浄液量と洗浄後の含ナフタリン粗軽油
中のHCN濃度との関係を示すグラフ、第5図は洗浄液/
含ナフタリン粗軽油と除去率との関係を示すグラフ、第
6図は従来例を示すフローシートである。 1……ナフタリンスクラバー、2……ベンゾールスクラ
バー、3……熱交換器、4……脱水塔、5……加熱炉、
6……駆出塔、7……吸収油クーラー、8……脱ピッチ
塔、10……駆出塔コンデンサー、11……駆出塔リフ
ラックスドラム、12……第1熱交換器、13……第2
熱交換器、14……駆出塔、15……駆出塔リボイラ
ー、17……真空ポンプ、18……脱ピッチ塔リボイラ
ー、20……第1側塔コンデンサー、21……ナフタリ
ンコンデンサー、22……側塔、23……第2側塔コン
デンサー、24……側塔リフラックスドラム、25……
フラッシュ塔、26……側塔リボイラー、27……フラ
ッシュ塔リボイラー、28……ライン、30……塔頂油
移送ポンプ、31、35……スタティックミキサー、3
2……仕切板、33……駆出塔リフラックスポンプ、3
4……液溜め
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 賢則 福岡県北九州市若松区響町1丁目3番地 三井鉱山株式会社北九州事業所内 (72)発明者 坂田 康二 福岡県北九州市若松区響町1丁目3番地 三井鉱山株式会社北九州事業所内 (72)発明者 堤 宏 福岡県北九州市若松区響町1丁目3番地 三井鉱山株式会社北九州事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コークス炉ガス中の軽油およびナフタリン
    を吸収油を用いて吸収し、該吸収油を駆出塔に導入し
    て、吸収油から軽油およびナフタリンを駆出し回収する
    方法において、駆出塔(14)の塔底部にリボイラー
    (15)を設置し、駆出塔塔底部の操作圧力を300Torr
    以下の減圧として蒸留し、駆出塔の塔頂部から軽油とと
    もにナフタリンを留出させ、該留出油を側塔(22)に
    送り、側塔の塔頂部から軽油を回収するとともに、側塔
    の塔底部からナフタリンを回収することを特徴とするコ
    ークス炉ガス中の軽油およびナフタリンの回収方法
  2. 【請求項2】側塔(22)の塔底液をさらにフラッシュ
    塔(25)に導入し、フラッシュ塔の塔頂部からナフタ
    リンを回収する請求項1記載のコークス炉ガス中の軽油
    およびナフタリンの回収方法。
  3. 【請求項3】駆出塔(14)の塔頂油に水を注入して、
    塔頂油中のHCN成分を抽出・除去する請求項1または2
    記載のコークス炉ガス中の軽油およびナフタリンの回収
    方法。
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