JPH06312129A - 物体浮遊装置 - Google Patents

物体浮遊装置

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JPH06312129A
JPH06312129A JP10171893A JP10171893A JPH06312129A JP H06312129 A JPH06312129 A JP H06312129A JP 10171893 A JP10171893 A JP 10171893A JP 10171893 A JP10171893 A JP 10171893A JP H06312129 A JPH06312129 A JP H06312129A
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JP
Japan
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plate
diaphragm
object floating
floating device
bolt
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JP10171893A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Ishikawa
芳朗 石川
Satoshi Komada
聡 駒田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】物体を非接触で空間に浮遊させて保持する装置
に関し、特に音場または静電場において働く力を利用し
て液滴等を空間に安定に浮遊させる物体浮遊装置を提供
することを目的とする。 【構成】振動板3とこれに対向して設けられた反射板5
とを有し、振動板3を駆動して反射板5との間に定在波
音場を形成して、この定在波音場内に物体を浮遊させて
保持する物体浮遊装置において、反射板5を振動板3の
上方に設けるように構成するとともに、この反射板5
を、振動板3と対向する面を凸形の曲面とした曲面反射
板21のように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物体を非接触で空間に
浮遊させて保持する装置に関し、特に音場または静電場
において働く力を利用して液滴等を空間に安定に浮遊さ
せるための、物体浮遊装置に関するものである。
【0002】物体を非接触で空間に浮遊させて保持する
物体浮遊装置は、例えば宇宙空間等の微小重力環境にお
いて、蛋白質等の有用材料を無容器成長させる等の目的
に用いられるものである。
【0003】このような物体浮遊装置においては、液滴
等の物体を非接触で空間において安定に浮遊させて保持
することができ、また液滴等を空間の所定位置に供給し
て、安定な浮遊状態に保持できるものであることが要求
されている。
【0004】
【従来の技術】図10は、従来の物体浮遊装置の一例を
示したものであって、定在波音場を利用する装置の場合
を示している。図中において、1はランジュバン型の振
動子であって、一方の振動面にエクスポーネンシャル形
状のホーン2を結合されており、ホーン2の先端に、例
えばアルミニウム円板からなる振動板3を固定した構造
を有している。この場合、振動板3の固定は、例えばホ
ーン2の先端に設けられた雌ねじに対して、通常のボル
ト4を用いて行うようになっている。
【0005】5は振動板1の上部に設けられた例えば円
板状の反射板であって、上下動装置6によって、その上
下の位置を変更することによって、振動板3との間の距
離を調節することができるようになっている。7はファ
ンクション・シンセサイザであって、任意周波数の交流
信号出力を発生する。8はアンプであって、ファンクシ
ョン・シンセサイザ7の出力を増幅して振動子1に供給
する。
【0006】図10に示された物体浮遊装置において
は、交流信号に基づく振動子1の振動を、ホーン2を介
して振動板3に伝達してこれを振動させることによっ
て、空気に振動を与えて音波を発生させる。この際、フ
ァンクション・シンセサイザ7の発生する音波周波数を
振動子1の共振周波数に一致させるとともに、振動板3
と反射板5との間の距離を調節し、振動板3からの進行
波と、反射板5からの反射波とによって両者の間の空間
に定在波音場を形成させることによって、この音場中の
節の位置に液滴等の物体9を非接触で浮遊させて保持す
ることができるようになっている。
【0007】図11は、従来の物体浮遊装置の他の例を
示したものであって、静電場を利用する装置の場合を示
している。図中において、11,12はそれぞれ電極板
であって、両者の間に高圧電源13から可変電圧の直流
高圧を印加されることによって、電極板11,12の間
に静電場を形成することができるようになっている。
【0008】14はカメラであって、両電極板間におけ
る物体、例えば液滴15の浮遊位置を検出する。16は
処理装置であって、両電極板間における液滴15の位置
に応じて、高圧電源13の発生する直流電圧値を変化さ
せるフィードバック制御を行うことによって、両電極板
11,12間における静電力に基づいて、液滴15を両
電極間の一定位置に浮遊させて保持することができるよ
うになっている。
【0009】図12は、図11に示された物体浮遊装置
における、液滴の供給装置を示したものであって、
(a)は液滴の浮遊前を示し、(b)は液滴の浮遊後を
示している。図11におけると同じものを同じ番号で示
し、17,18は金属製のノズルであって、それぞれソ
レノイド19,20によって水平方向に支持されるとと
もに、ソレノイド19,20の動作時、それぞれソレノ
イド19,20内に、あるストロークだけ引き込まれる
ようになっている。
【0010】最初、図12(a)に示すように、ノズル
17,18を伸ばして、両ノズルの先端を僅かな間隙を
おいて対向させた状態で、ノズル17,18を介して液
体を給送して、この間隙の部分に液滴15を形成させ
る。次にソレノイド19,20を動作させて、図12
(b)に示すようにノズル17,18を引き込むと、液
滴15は空間に放出されるので、この時点から処理装置
を動作させて、印加電圧のフィードバック制御を行うこ
とによって、液滴15を両電極間の所定位置に浮遊させ
て保持することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図10に示された形式
の物体浮遊装置では、平面反射板を用いて定在波音場を
形成するようにしている。この場合、音場の節は反射板
に平行に形成されるため、縦方向(重力方向)には保持
力が働くが、横方向には全く保持力が働かないため、物
体9を安定に浮遊させることは極めて困難である。ま
た、振動板3をボルト4を用いて固定しているので、振
動板3の面から突出したボルト4の頭部の部分で音場が
乱れるため、物体9を振動板3上に浮遊させることが難
しいという問題があった。
【0012】図11に示された形式の物体浮遊装置で
は、液滴15が電場内におかれたとき、静電誘導によっ
て帯電して、電極板との間の静電力によって浮遊する
が、この際、液滴15の電荷を始め0にしておくことが
必要であり、そのためには、ノズル17,18の電位を
0Vにしておかなければならない。
【0013】ソレノイド19,20を動作させてノズル
17,18を引き込んだ場合、ソレノイド19,20の
ストロークが十分長くないと、ノズル17,18が電極
板11,12間に留まることになるが、この場合はノズ
ル17,18の電位が0Vであるため、電極板11,1
2間の電場を乱し、液滴15の安定な浮遊を妨げること
になる。
【0014】一方、ソレノイド19,20のストローク
を十分長くするためには、強大な電磁力が必要になるた
め、ソレノイド19,20の駆動電圧,電流が大きくな
るとともに、またソレノイド19,20のサイズが大き
くなるという問題がある。
【0015】本発明は、このような従来技術の課題を解
決しようとするものであって、物体浮遊装置において、
液滴等の物体を非接触で空間において任意の位置に安定
に浮遊させて保持することができ、また液滴等を外部か
ら空間の所定位置に供給して、安定な浮遊状態に保持で
きるようにすることを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
(1) 振動板3とこれに対向して設けられた反射板5とを
有し、振動板3を駆動して反射板5との間に定在波音場
を形成して、この定在波音場内に物体を浮遊させて保持
する物体浮遊装置において、反射板5を振動板3の上方
に設けるとともに、反射板5を、振動板3と対向する面
を凸形の曲面とした曲面反射板21とする。
【0017】(2) 振動板3とこれに対向して設けられた
反射板5とを有し、振動板3を駆動して反射板5との間
に定在波音場を形成して、この定在波音場内に物体を浮
遊させて保持する物体浮遊装置において、振動板3の駆
動部に対する取付け部に、振動板3の締め付け用ボルト
4の頭部と同一形状で頭部の高さと同じ深さのざぐり部
を有するざぐり孔22を設け、このざぐり部にボルト4
の頭部を嵌合した状態で、ボルト4を駆動部に対して締
め付けることによって、振動板3を固定する。
【0018】(3) 振動板3とこれに対向して設けられた
反射板5とを有し、振動板3を駆動して反射板5との間
に定在波音場を形成して、この定在波音場内に物体を浮
遊させて保持する物体浮遊装置において、振動板3を駆
動部に対して固定するための、振動板3上に設けられた
突起部の高さを音波長の1/4にする。
【0019】(4)(3)において、突起部の径を、浮遊させ
るべき物体よりも大きくするとともに、駆動部の振動板
3との接続部分より小さくする。
【0020】(5)(3)において、突起部が、振動板3の取
付け用ボルト4の頭部である場合に、ボルト4の振動板
3と接触する面の周辺に円弧形の曲面部27を形成す
る。
【0021】(6) 上下に対向して設けられた両電極板1
1,12を有し、両電極板間に高電圧を供給するととも
に、両電極板11,12間に水平方向に対向して設けら
れたノズル17,18から液体を供給して両ノズルの先
端間に液滴15を形成したのち、ノズル17,18を引
き離して液滴15を空間に放出し、高電圧値を調整する
ことによって、液滴15を両電極板11,12間の所定
の位置に浮遊させて保持する物体浮遊装置において、高
電圧源31を設け、高電圧源31からノズル17,18
に高電圧を付与する。
【0022】(7)(6)において、高電圧源31が、液滴1
5の放出前において両ノズル17,18の電位を0Vに
するとともに、液滴15の放出後において両ノズル1
7,18に所定の高電圧を付与する。
【0023】(8)(7)において、高電圧源31に代えて、
両電極板11,12間における液滴15の位置に応じて
両ノズル17,18に印加する電圧を変化させる可変高
電圧源32を設ける。
【0024】
【作用】定在波音場を利用する物体浮遊装置では、振動
板3とこれに対向して設けられた反射板5との間に定在
波音場を形成することによって、この定在波音場内に物
体を浮遊させて保持する。
【0025】この場合、反射板5を振動板3の上方に設
けるとともに、反射板5を、振動板3と対向する面を凸
形の曲面とした曲面反射板21とすることによって、定
在波音場の節の分布が、下方に膨らんだ曲面状に形成さ
れるので、物体を中心軸上の安定点に浮遊させることが
できる。
【0026】また平面状の振動板3をボルト4によって
締め付けて駆動部に取り付ける際に、振動板3に、ボル
ト4の頭部と同一形状で頭部の高さと同じ深さのざぐり
部を有するざぐり孔22を設け、このざぐり部にボルト
4の頭部を嵌合した状態で、ボルト4を駆動部に対して
締め付けて振動板3を固定することによって、振動板3
の上面を平坦にして、定在波音場の乱れをなくすことが
できるので、物体を安定に浮遊させることができる。
【0027】また振動板3を駆動部に対して固定するた
めの、振動板3上に設けられた突起部の高さを音波長の
1/4にすることによって、突起部の上部に形成される
音場と、それ以外の部分に形成される音場との間に1/
4波長のずれを生じさせることができるので、定在波の
腹から節に対して作用する横方向の力によって、物体を
安定に浮遊させることができる。
【0028】この場合の突起部の径を、浮遊させるべき
物体よりも大きくするとともに、駆動部の振動板3との
接続部分より小さくすることが適当であり、これによっ
て、振動板3を効率よく振動させるとともに、物体を突
起部の上部に安定に浮遊させることができる。
【0029】また突起部が、振動板3の取付け用ボルト
4の頭部である場合に、ボルト4の振動板3と接触する
面の周辺に円弧形の曲面部27を形成することによっ
て、長時間の振動による振動板の損傷を防止するととも
に、振動板の振動姿態を均一化して、物体を安定に浮遊
させることができる。
【0030】静電場を利用する物体浮遊装置では、上下
に対向して設けられた両電極板11,12の間に高電圧
を供給するとともに、両電極板11,12間に設けられ
たノズル17,18によって、両ノズルの先端間に液滴
15を形成したのち、ノズル17,18を引き離して液
滴15を空間に放出し、高電圧値を調整することによっ
て、液滴15を両電極板11,12間の所定の位置に浮
遊させて保持する。
【0031】この場合に、別の高電圧源31を設け、高
電圧源31からノズル17,18に高電圧を付与するこ
とによって、ノズル17,18の存在に基づく電極板間
の電場の乱れを防止して、液滴を安定に浮遊させること
ができる。
【0032】また、この場合のノズル17,18に対す
る電位の付与のタイミングとしては、高電圧源31によ
って、液滴15の放出前は両ノズル17,18の電位を
0Vにするとともに、液滴15の放出後は両ノズル1
7,18に所定の高電圧を付与すればよく、これによっ
て、液滴を安定に浮遊させることができるようになる。
【0033】また、高電圧源31に代えて、可変高電圧
源32を設けて、両電極板11,12間における液滴1
5の位置に応じて、両ノズル17,18に印加する電圧
を変化させることによって、物体の浮遊後にその浮遊位
置を変化させる場合に、電界の乱れを防止して、液滴を
スムーズに安定に浮遊させることができる。
【0034】
【実施例】図1は、本発明の実施例(1)を示したもの
であって、定在波音場を利用する装置の場合を示し、図
10におけると同じものを同じ番号で示している。21
は曲面反射板であって、振動板3と対向する面が振動板
3の中心軸を中心とする、凸面の回転曲面をなすように
形成されている。曲面反射板21は、上下動装置6によ
って、上下の位置を変更することができるようになって
いる。
【0035】図2は、図1の実施例における振動板間の
音場の形成を示したものであって、、図1におけると同
じものを同じ番号で示している。図2において破線で示
されるように、曲面反射板21による定在波音場の節
は、曲面反射板21の面に沿って図2のように下方に膨
らんだ曲面状に形成される。
【0036】このような一連の節の分布の中では、どの
位置でも、ポテンシャルの大きさはほぼ等しいため、物
体9は、位置エネルギーが最も小さい中心方向に重力G
によって移動し、中心軸10上の位置が安定点となる。
従って、この重力による向心力によって、横方向に対し
ても保持力が発生するので、物体9を安定に浮遊させる
ことができる。
【0037】また液滴等からなる物体を浮遊させる場
合、音波が強力であると、液滴は、偏平化して飛散し、
安定に浮遊させることが困難であるが、図1に示される
ような曲面反射板を使用した場合は、中心軸以外での進
行波および反射波は、音場外へ反射されるため、中心軸
上では、乱反射の影響が少なくなる。
【0038】図3は、本発明の実施例(2)を示したも
のであって、振動板の上面を平坦にする場合の振動板3
の形状を示し、(a)は上面図、(b)は側断面図であ
る。振動板3において、22はボルト4の頭部を収容す
るための、ボルト4の頭部と同一形状に形成されたざぐ
り部と貫通孔とからなるざぐり孔である。
【0039】振動板3は、前述のようにホーン2の先端
に設けられた雌ねじに対して、ボルト4によって固定さ
れる。この際、振動板3が平面板からなり、ホーン2の
先端に取り付けたとき、ボルト4の頭部が振動板3の上
面に突出する状態であると、この部分において定在波音
場が不均一になる。
【0040】定在波音場を均一化するためには、ボルト
4の頭部を振動板3内部に埋め込んで、振動板3の上面
に突出物がないようにすればよい。このためには、ざぐ
り孔を設けて、その内部でボルト4の頭部を回転させ
て、振動板3をホーン2に対して固定することが考えら
れる。
【0041】しかしながら、このような構造にした場
合、通常、六角穴つきボルト等からなるボルト4の頭部
を回転させるためには、かなり大きな円形のざぐり孔を
設けなければならないので、振動板3の上面の中心軸の
部分に、肉薄部分からなる大きな窪みができることにな
り、音場が不均一になる。
【0042】振動板3の強度を大きくするために、振動
板とボルトの雄ねじの部分を一体化した構造にすること
も考えられるが、アルミニウム製のねじは強度的に不安
があって好ましくない。
【0043】振動板3の強度を増すためには、振動板3
をアルミニウム製から、ステンレス製等に変更すること
が考えられるが、こうすると重量が増加するために、振
動子1に対する負荷が増加して、振動板3を十分に振動
させることができなくなる恐れが生じる。
【0044】そこで、図3に示された実施例では、振動
板3の上面に設けるざぐり孔22を、ボルト4の頭部と
同一の六角形状で、ボルト4の頭部の高さと同じ深さを
有するざぐり部と、ボルトの雄ねじを通す貫通孔とから
形成し、ボルト4を締めつけるときは、ボルト4の頭部
をざぐり孔22に嵌合させたまま、振動板3と同時に回
転させて、ホーン2に対して固定するようにする。
【0045】このようにすることによって、振動板3に
設けるざぐり孔の大きさを最小限にするとともに、ボル
ト4の頭部が振動板3の上面から突出することがなくな
り、従って振動板3の上面が平坦になるので、定在波音
場を乱す恐れがなくなる。なお、この場合のボルト4の
頭部の形状は、六角形に限らず、任意の多角形の場合に
適用できる。
【0046】図4は、本発明の実施例(3)を示したも
のであって、振動板固定用のボルトを定在波音場形成の
ために利用する場合を示し、23はボルトの頭部であ
る。ボルトの頭部23の高さは、音波の1/4波長に選
ばれる。
【0047】図4に示すように、ボルトの頭部23の高
さを音波の1/4波長にすることによって、振動板3の
中心軸上、すなわちボルトの頭部23の上部に形成され
る音場24と、振動板3上のそれ以外の部分に形成され
る音場25との間では、1/4波長のずれを生じる。従
って、中心軸上の物体9の浮遊位置である定在波の節の
位置は、点線で示すように、振動板3上のそれ以外の部
分によって生じる定在波の腹の位置に隣接することにな
る。
【0048】これによって、定在波の腹から節に対して
横方向の力が働き、これが向心力となって、物体9を安
定に浮遊させることができるようになる。このような効
果は、ボルトの頭部に限らず、1/4波長の高さを有す
る任意の突起部によって実現することができる。
【0049】図5は、本発明の実施例(4)を示したも
のであって、振動板固定用のボルトを定在波音場形成の
ために利用する場合を示し、26はホーン2の振動板取
付け部である。
【0050】図4の実施例に示されたように、ボルトの
頭部23の高さを音波の1/4波長にすることによっ
て、この部分に物体9を保持する場合、物体9は、ボル
トの頭部23上の定在波中に保持されるので、ボルトの
頭部23の大きさは、物体9より大きくなければならな
い。
【0051】一方、振動板3を効率よく振動させるため
には、ボルトの頭部23と振動板3との接触面積をでき
るだけ小さくする必要があるが、ホーン2の振動板取付
け部26より小さくすることは無意味である。
【0052】これらのことから、ボルトの頭部23の大
きさをある程度規定することができる。すなわち、ボル
トの頭部23の大きさは、物体9より大きくするが、最
大でも振動板取付け部26の径と同じ大きさとし、これ
より小さくすることが望ましい。
【0053】図6は、本発明の実施例(5)を示したも
のであって、振動板固定用のボルトを定在波音場形成の
ために利用する場合を示し、(a)は上面図、(b)は
拡大側面図である。27はボルトの頭部23の下面に設
けられた曲面部である。
【0054】振動板固定用のボルトとして、多角形の頭
部を有するものを使用する場合、通常、ボルトの頭部の
下面、すなわち振動板3と接する部分は平面に形成され
ている。そのため、ボルトを締めつけた状態で、高速,
高振幅の振動を行わせると、ボルトの多角形のエッジの
部分で振動板3に傷をつけることになり、長時間振動さ
せた場合、振動状態に変化を生じることになる。
【0055】そこで、図6に示すように、ボルトの頭部
23の下面の周辺部に、断面が円弧形の曲面部27を設
けるようにすると、ボルトの頭部23の下面と振動板3
との接触部分におけるエッジがなくなって、滑らかに接
触させることができるので、長時間の振動によっても、
振動板3を傷つけることがない。
【0056】またこのようにすることによって、ボルト
の頭部23の下面と振動板3との接触部分が円形になる
ため、振動板のすべての方向に等振幅に振動を伝達する
ことができるようになるので、振動板3の振動姿態を均
一化する効果が生じる。
【0057】図7は、本発明の実施例(6)を示したも
のであって、静電場を利用する装置の場合を示してい
る。図11および図12におけると同じものを同じ番号
で示し、31は別の高圧電源である。
【0058】図7に示された実施例においては、ノズル
17,18に対して高圧電源31から高電圧を印加でき
るように構成されている。従って、ソレノイド19,2
0を動作させてノズル17,18を引き込んだ後に、ノ
ズル17,18に高電圧を印加して、両電極板間の電場
に基づく電位と等電位にすることによって、電場内に突
出しているノズル17,18の先端の電位が周囲の電位
と異なることに基づく、電極板間の電場の乱れの発生が
防止され、液滴15を両電極板間において安定に浮遊さ
せることができるようになる。
【0059】図8は、ノズルの印加電圧の求め方を説明
するものであって、図7におけると同じものを同じ番号
で示している。図8において、電極板12を0電位とし
て、電極板11に電圧Vを印加したときの、ノズル1
7,18の位置における電位V n は、次式によって示さ
れる。 Vn =V×B/(A+B) ・・・(1)
【0060】従って、高圧電源31によって、ノズル1
7,18に(1)式で示される印加電圧Vn を与えるこ
とによって、ノズル17,18は周囲の電場と等電位に
なるので、ノズル17,18の存在によって電極板間の
電位分布に擾乱を与えることがなくなり、従って、ノズ
ル17,18が液滴15の浮遊状態に影響を与えること
はない。
【0061】この場合のノズル17,18に対する高電
圧印加のタイミングとしては、最初液滴の装填時には、
ノズルを0Vにしておく必要があるので、ノズル17,
18に対する高電圧の印加は、ソレノイド19,20を
動作させて、ノズル17,18を移動させてから行うよ
うにする。
【0062】図9は、本発明の実施例(7)を示したも
のであって、静電力を利用する装置の場合を示してい
る。図7におけると同じものを同じ番号で示し、32は
可変高圧電源である。
【0063】物体浮遊装置においては、通常は、浮遊物
体の位置を一定位置に制御するので、制御が安定したの
ちは、電極板11,12間における印加電圧は大きく変
化することはなく、従って、ノズル17,18に印加す
る電圧が一定であっても、それほど問題になることはな
い。
【0064】しかしながら、物体の浮遊後にその浮遊位
置を変更する場合には、それに伴って電極板間の電圧も
変化させることが必要になるため、ノズル17,18に
与える電圧も可変であることが望ましい。
【0065】図9に示された実施例においては、可変高
圧電源32は、高圧電源13における印加電圧の変化に
伴って、その印加電圧が変化するように、処理装置16
によって制御される。従って、ノズル17,18の電圧
も液滴15の位置に応じて変化するので、電界の乱れを
生じることがなく、液滴15をスムーズに移動させるこ
とができる。また、図9の実施例では、液滴15の位置
が一定である場合にも、図7に示された実施例の場合と
比較して、液滴15の位置の制御を、より微細に行うこ
とが可能である。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、物
体浮遊装置においては、液滴等の物体を非接触で空間に
おいて安定に浮遊させて保持することができる。また、
液滴等を空間の所定位置に供給して、安定な浮遊状態に
保持することが可能である。
【0067】従って本発明によれば、たとえぱ宇宙環境
において、蛋白質等の有用材料を無容器成長させるよう
な場合に、材料となる液滴を正しい作業位置に非接触で
安定に保持することができるので、所要の処理を無汚染
状態で正確に行うことができるとともに、この場合に必
要な外部からの液滴の供給を容易に安定に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例(1)を示す図である。
【図2】図1の実施例における振動板間の音場の形成を
示す図である。
【図3】本発明の実施例(2)を示す図であって、
(a)は上面図、(b)は側断面図である。
【図4】本発明の実施例(3)を示す図である。
【図5】本発明の実施例(4)を示す図である。
【図6】本発明の実施例(5)を示す図であって、
(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図7】本発明の実施例(6)を示す図である。
【図8】ノズルの印加電圧の求め方を説明する図であ
る。
【図9】本発明の実施例(7)を示す図である。
【図10】従来の物体浮遊装置の一例を示す図である。
【図11】従来の物体浮遊装置の他の例を示す図であ
る。
【図12】図11に示された物体浮遊装置における、液
滴の供給装置を示す図であって、(a)は液滴の浮遊前
を示し、(b)は液滴の浮遊後を示す。
【符号の説明】
3 振動板 4 ボルト 5 反射板 11 電極板 12 電極板 15 液滴 17 ノズル 18 ノズル 21 曲面反射板 22 ざぐり孔 27 曲面部 31 高電圧源 32 可変高電圧源

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板(3)とこれに対向して設けられ
    た反射板(5)とを有し、該振動板(3)を駆動して反
    射板(5)との間に定在波音場を形成して該定在波音場
    内に物体を浮遊させて保持する物体浮遊装置において、 前記反射板(5)を振動板(3)の上方に設けるととも
    に、該反射板(5)を、振動板(3)と対向する面を凸
    形の曲面とした曲面反射板(21)としたことを特徴と
    する物体浮遊装置。
  2. 【請求項2】 振動板(3)とこれに対向して設けられ
    た反射板(5)とを有し、該振動板(3)を駆動して反
    射板(5)との間に定在波音場を形成して該定在波音場
    内に物体を浮遊させて保持する物体浮遊装置において、 振動板(3)の駆動部に対する取付け部に、該振動板
    (3)の締め付け用ボルト(4)の頭部と同一形状で該
    頭部の高さと同じ深さのざぐり部を有するざぐり孔(2
    2)を設け、該ざぐり部にボルト(4)の頭部を嵌合し
    た状態で、該ボルト(4)を駆動部に対して締め付ける
    ことによって、該振動板(3)を固定するようにしたこ
    とを特徴とする物体浮遊装置。
  3. 【請求項3】 振動板(3)とこれに対向して設けられ
    た反射板(5)とを有し、該振動板(3)を駆動して反
    射板(5)との間に定在波音場を形成して該定在波音場
    内に物体を浮遊させて保持する物体浮遊装置において、 振動板(3)を駆動部に対して固定するための、該振動
    板(3)上に設けられた突起部の高さを音波長の1/4
    にしたことを特徴とする物体浮遊装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の物体浮遊装置におい
    て、前記突起部の径を、浮遊させるべき物体よりも大き
    くするとともに、前記駆動部の振動板(3)との接続部
    分より小さくすることを特徴とする物体浮遊装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の物体浮遊装置におい
    て、前記突起部が、振動板(3)の取付け用ボルト
    (4)の頭部である場合に、該ボルト(4)の振動板
    (3)と接触する面の周辺に円弧形の曲面部(27)を
    形成したことを特徴とする物体浮遊装置。
  6. 【請求項6】 上下に対向して設けられた両電極板(1
    1,12)を有し、該両電極板間に高電圧を供給すると
    ともに、両電極板(11,12)間に水平方向に対向し
    て設けられたノズル(17,18)から液体を供給して
    両ノズルの先端間に液滴(15)を形成したのち、該ノ
    ズル(17,18)を引き離して該液滴(15)を空間
    に放出し、前記高電圧値を調整することによって、該液
    滴(15)を両電極板(11,12)間の所定の位置に
    浮遊させて保持する物体浮遊装置において、 高電圧源(31)を設け、該高電圧源(31)から前記
    ノズル(17,18)に高電圧を付与するようにしたこ
    とを特徴とする物体浮遊装置。
  7. 【請求項7】 前記高電圧源(31)が、液滴(15)
    の放出前において両ノズル(17,18)の電位を0V
    にするとともに、液滴(15)の放出後において両ノズ
    ル(17,18)に所定の高電圧を付与することを特徴
    とする請求項6に記載の物体浮遊装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の物体浮遊装置におい
    て、前記高電圧源(31)に代えて、両電極板(11,
    12)間における液滴(15)の位置に応じて両ノズル
    (17,18)に印加する電圧を変化させる可変高電圧
    源(32)を設けたことを特徴とする物体浮遊装置。
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