JPH0630890Y2 - 防護棚用部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はガードレール等に用いられる防護棚用部材に関
する。

（従来の技術） 従来の防護棚用部材、特に従来のガードレールは一般に
金属製のものが多く、場所によっては丸太を組合せたも
のも若干見受られる。

（考案が解決しようとする問題点） この金属製ガードレールは機能美を追求した人工製品で
あるため、これを観光地等の雄大な自然美の中に設置す
ると、自然との調和がとれず、景観が損なわれる状態と
なる。このため、近年に於ては丸太を組合せ組合せた木
製ガードレール（Ａ）も若干見受られるが、この木製ガ
ードレール（Ａ）は風雨に晒されると継手部の強度が低
下したり、或いは木が腐って丸太自体の強度も低下す
る。従ってそれらの強度低下を考慮した木製ガードレー
ル（Ａ）自体の定期的な交換が必要となり、そりに要す
る人員及び経費が多く掛ると共にこれを維持管理する際
に経費が金属製のものと比べ遥かに多くなる。しかも木
製ガードレール（Ａ）の継手部としては相欠，渡欠，傾
き大入れ等の木材の独特な継手加工を施さなければなら
ず、専門技能が無いと、継手作業が出来ず専門職を常時
雇用しなければならない。このような状況下に於ては、
木製ガードレール（Ａ）の交換が遅れがちになり易く、
この交換が遅れるとガードレールとしての役目である安
全確保が出来なくなる恐れもある等の問題点があった。

この本考案の目的は、自然と調和可能であると共にガー
ドレールとしての安全確保が維持可能な強度を有し、且
つ取付作業が素人にも簡単に出来る防護棚用部材を提供
するにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記従来問題点に鑑みこれを解消するために成
されるものであり、つまり防腐処理した木材本体を縦方
向に２分割し、それらの分割面に溝を直角に形成させ、
該溝に、前記木材本体よりも適宜に長くその両端部に取
付穴が穿設された芯金を嵌合し、且つ前記芯金の両端部
を前記木材本体の両端から突出させ、分割した前記木材
本体を前記芯金と共に前記分割面で接着させる構造と成
す。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、
（１）は丸，角等の長い木材本体であり、該木材本体
（１）は防腐処理を施すと共に縦方向に２分割させ、そ
の分割面（1a）には後述する芯金（２）を嵌入するため
の溝（1b）を形成させている。この溝（1b）の形状は分
割面（1a）に対して芯金（２）を上下対称に分割した形
状にさせ、その溝（1b）を互いに合せることにより芯金
（２）の形状と一致するように形成させている。尚、木
材本体（１）に防腐処理を施す方法としては、加圧式防
腐処理方法を行い、木材の防腐剤としてはフェノール
類，無機ふっ化系木材防腐剤や、クロム，銅，ひ素化合
物系木材防腐剤等を用いる。（２）は木材本体（１）よ
りも適宜に長くその両端部（2a）に取付穴（2b）が穿設
された芯金であり、その材質としては帯鋼材が一般的で
あるが、アルミニウム合金等の軽金属を用いても良い。

しかして分割された木材本体（１）はその分割面（1a）
に接着剤を塗り、両端部（2a）を前記木材本体（１）の
両端から突出させるように芯金（２）を溝（1b）に嵌合
した後、分割面（1a）を合せて接合させる。この時に接
着剤は分割面（1a）以外の溝（1b）にも塗ると、木材本
体（１）と芯金（２）とが強固に接着されて全体の強度
が増すと共に芯金（２）に腐食し易い鋼材を用いた場合
には接着剤によって防腐され、芯金（２）の銹による内
部からの膨張で木材本体（１）が割れるのを防止できる
と共に内部の芯金（２）が木材本体（１）から抜け出す
のも防止できる。又、芯金（２）に軽量金属を用いた場
合には、鋼材に比べ相当な軽量化が可能であり、特にア
ルミニウム合金を用いた場合においては軽量化と共に腐
食性も増加する。従って木材本体（１）に防腐処理を施
しアルミリウム合金製の芯金（２）を用いたものは強
度、耐久性も極めて高い構造部材となる。

（考案の作用効果） 本考案は以上説明したように構成されているので、以下
に記載されるような作用効果を奏する。

木材本体（１）が防腐処理されているため、風雨に晒
されても継手部の強度や木材本体（１）自体の強度が従
来の木製品に比べ、それらの強度の低下が極めて少な
い。

木材本体（１）の内部に芯金（２）を入れたことによ
り、同一寸法の木材に比べ材料強度が数倍増加し、木材
本体（１）を細くすることができるのでその分木材が節
約され経済的である。

しかも外観的にも木材のままであるからして、木材特
有な美観を失わず自然と調和するものとなる。

更にガイドレール（Ａ）としての役目である安全確保
が金属製ガイドレール（Ａ）の如き長期間にわたって可
能となるため、従来の木製ガードレール（Ａ）に比べて
維持管理費が激減する。

前記木材本体（１）の両端から取付穴（2b）を穿設し
た両端部（2a）が突出されているのでガイドレール
（Ａ）の水平方向に本考案品を取付ける場合、素人にも
極めて簡単に取付作業が出来る。

また本考案品は防護棚用部材としてだけではなく、土
木、建築用の構造部材としても広く使用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部を切欠いた正面図、
第２図（ａ），（ｂ）は各形状の異なる木材本体を用い
た場合の拡大断面図、第３図は使用状態を示す説明図で
ある。 （１）……木材本体、（1a）……分割面 （２）……芯金、（1b）……溝 （2a）……両端部、（2b）……取付穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】防腐処理した木材本体（１）を縦方向に２
   分割し、それらの分割面（1a）に溝（1b）を形成させ、
   該溝（1b）に、前記木材本体（１）よりも適宜に長くそ
   の両端部（2a）に取付穴（2b）が穿設された芯金（２）
   を嵌合し、且つ前記芯金（２）の両端部（2a）を前記木
   材本体（１）の両端から突出させ、分割した前記木材本
   体（１）を前記芯金（２）と共に前記分割面（1a）で接
   着したことを特徴とする防護棚用部材。