JPH06308377A - 両移相型センサを用いた位相差型距離検出装置 - Google Patents

両移相型センサを用いた位相差型距離検出装置

Info

Publication number
JPH06308377A
JPH06308377A JP9793793A JP9793793A JPH06308377A JP H06308377 A JPH06308377 A JP H06308377A JP 9793793 A JP9793793 A JP 9793793A JP 9793793 A JP9793793 A JP 9793793A JP H06308377 A JPH06308377 A JP H06308377A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
correlation
degree
line sensor
phase difference
shift
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9793793A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Hagiwara
達也 萩原
Katsuo Kawamura
佳津男 河村
Jun Hasegawa
潤 長谷川
Takashi Mitsuida
高 三井田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Fujifilm Microdevices Co Ltd
Original Assignee
Fujifilm Microdevices Co Ltd
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Microdevices Co Ltd, Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fujifilm Microdevices Co Ltd
Priority to JP9793793A priority Critical patent/JPH06308377A/ja
Publication of JPH06308377A publication Critical patent/JPH06308377A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Optical Distance (AREA)
  • Focusing (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カメラの焦合検出等に用いられる、対象物ま
での距離を検出する位相差検出型の距離検出装置に関
し、測定を行う対称像がどのような像であっても、精度
の高い測距値を検出することができる位相差検出型の距
離検出装置を提供することを目的とする。 【構成】 同一の対象物の画像を第1光センサ(13
L)と第2光センサ(13R)に各々結像させる結像手
段(12L,12R)と、第1光センサから、位相を制
御して第1信号を読み出す手段(14)と、第2光セン
サから、位相を制御して第2信号を読み出す手段(1
4)と、第1信号と第2信号との相関度を演算する相関
演算手段(15)とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、距離検出方法に関し、
特にカメラの焦合検出等に用いられる、対象物までの距
離を検出する位相差検出型の距離検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7に、従来の技術によるTTL(thro
ugh the lens)型の位相差検出型距離検出装置の例を示
す。図7(A)は構成例を示し、図7(B)はその処理
回路の例を示す。カメラ用の焦合検出装置を例にとって
説明する。
【0003】被写体である対象物からの光線は、撮影レ
ンズ51によって収束され、フィルム等価面52を通過
し、コンデンサレンズ53、セパレータレンズ54に達
する。セパレータレンズ54は、入射する光を2つの光
束に分け、それぞれ基準ラインセンサ55および参照ラ
インセンサ56に投射させる。撮影レンズ51の光軸5
8上にある対象物の像は、セパレータレンズ54によっ
て2つの画像となり、ラインセンサ55、56上にそれ
ぞれ結像する。
【0004】ラインセンサ55は、p個の受光素子を有
し、基準として用いられるため基準ラインセンサと呼ば
れる。ラインセンサ56は、p個よりも多いq個の受光
素子を有し、位相を変化させつつそのp個の受光素子か
らの信号を読みだして、基準ラインセンサ55からの信
号と比較して位相差を検出するためのもので、参照ライ
ンセンサと呼ばれる。
【0005】基準ラインセンサ55および参照ラインセ
ンサ56からの検出信号は、処理回路57に供給され
る。参照ラインセンサ56からの検出信号の読み出し位
相を変化させつつ、処理回路57は後に述べる相関度の
演算を行い、相関度の極値を検出し、合焦位置を検出す
る。
【0006】なお、撮影レンズ51を通さず、参照ライ
ンセンサ、基準ラインセンサの前に配置した同一特性の
一対のレンズによって外光を取込み、同様に対象物まで
の距離を測定する方式も提案されている。
【0007】図7(B)は、処理回路57の構成例を示
す。基準ラインセンサ55および参照ラインセンサ56
からの信号は、A/D変換器59に供給され、アナログ
信号がデジタル信号に変換される。このデジタル信号
は、CPU60を介して一旦、RAM61に記憶され
る。その後、RAM61に記憶されたデジタル信号を読
み出し、CPU60が相関演算を行って相関度の極値を
検出し、対象物までの距離を表す出力信号を発生する。
【0008】図7(A)、(B)に示した焦合検出装置
においては、ホトセンサに蓄積された電荷をそのまま電
荷−電圧変換して検出信号を形成し、デジタル信号に変
換後RAM61に記憶してこの信号を読みだすことによ
り、演算を行っている。
【0009】本出願人は、光を照射することによって蓄
積した電荷を非破壊的に読み出し、アナログ量のまま直
接演算処理する焦合検出装置を提案した。図8(A)
は、このような焦合検出装置の光センサ部の構成例を示
す。図8(A)において、光検出部分は、n- 型シリコ
ン基板64の表面に、p型ウェル66を形成し、その一
部にn+ 型領域68を形成してpn接合69を形成する
ことによって構成している。このpn接合69近傍に光
が入射すると、電子・正孔対が形成され、pn接合周辺
の電位勾配にしたがって、電子と正孔は分離され、蓄積
される。
【0010】p型ウェル66は、図中pn接合69の左
側に延在し、その上に絶縁されたポリシリコンのゲート
電極71〜74、フローティングゲート電極76が形成
されている。ホトダイオードに隣接して、ゲート電極7
1を備えた障壁部81が形成されており、障壁部81の
隣には、ゲート電極72を備えた蓄積部82が形成され
ている。
【0011】すなわち、受光部に入射された光に対応す
る電荷が、pn接合69近傍から障壁部81を介して蓄
積部82に蓄積される。蓄積部82は、トランスファゲ
ート電極73下の電位障壁83を介してゲート電極74
を備えたシフトレジスタ部84に連続しており、シフト
レジスタ84部はバイアス印加用アルミニウム電極75
を上に備えたフローティングゲート電極76下の読出領
域86に連続している。
【0012】すなわち、ホトダイオード部で入射した光
に応答して電子・正孔対が形成されると、キャリアは障
壁部81を越えてゲート電極72下の蓄積部82に蓄積
され、さらにトランスファゲート電極73下の電位障壁
83を越えてゲート電極74下のシフトレジスタ部84
に転送される。シフトレジスタ部84に蓄積された電荷
は、ゲート電極75の電圧に依存してフローティングゲ
ート電極76下の読出領域86に転送される。フローテ
ィングゲート電極76には、転送された電荷に対応する
電荷が誘起され、この電荷量によって入射光量が非破壊
的に読みだされる。読み出し後、キャリアは再びシフト
レジスタ部84に戻され、シフトされる。このようにし
て、シフトレジスタ部84の電荷が順次非破壊的に読み
出される。
【0013】図8(A)に示すような光センサを用いた
場合には、スイッチトキャパシタ積分回路を用いること
により検出信号をアナログ量に保ったまま数式1の演算
を行うことができる。
【0014】図8(B)はスイッチトキャパシタ積分回
路の例を示す。図8(B)において、基準光センサから
の電荷信号B(k)および、参照光センサからの電荷信
号R(k)は、それぞれスイッチトキャパシタ積分回路
の入力端子Pb、Prに印加され、アンプを介して差動
増幅器88の反転入力端子および非反転入力端子に印加
される。差動アンプ88は、入力信号B(k)、R
(k)の大小に応じて符号信号Sgnを発生し、チャネル
セレクト回路89に供給する。チャネルセレクト回路8
9は、符号信号Sgnに応じて相対関係が反転する一対の
セレクト信号Φ1、Φ2およびKA、KBを発生する。
【0015】入力端子Prには、セレクト信号KBで制
御されるスイッチ90を介して、キャパシタCS1が接続
され、キャパシタCS1の両端は、それぞれセレクト信号
KAおよびΦ1で制御されるスイッチ93、94を介し
て接地に接続されている。キャパシタCS1のスイッチ9
4側電極は、さらにセレクト信号Φ2で制御されるスイ
ッチ91を介してオペアンプ92の反転入力端子に接続
されている。
【0016】同様、入力端子Pbは、アンプを介しセレ
クト信号KAで制御されるスイッチ95を介して、キャ
パシタCS2に接続されている。キャパシタCS2の両電極
は、セレクト信号KBおよびΦ1で制御されるスイッチ
97、98を介してそれぞれ接地に接続されている。キ
ャパシタCS2のスイッチ98側電極は、さらにセレクト
信号Φ2によって制御されるスイッチ96を介してオペ
アンプ92の反転入力端子に接続されている。
【0017】オペアンプ92の非反転入力端子は接地に
接続されている。また、オペアンプ92の出力端子99
は、キャパシタCI とセレクト信号ΦRST によって制御
されるスイッチ87の並列接続を介して反転入力端子に
帰還されている。セレクト信号KAとKBとは同時にハ
イ状態になることはなく、セレクト信号Φ1とΦ2も同
時にハイ状態になることはない。
【0018】たとえば、まずセレクト信号KBとΦ1が
ハイ状態になると、スイッチ90、94および97、9
8が閉じる。信号R(k)は、キャパシタCS1に充電さ
れる。他のキャパシタCS2は両極が接地に接続され、ク
リアされる。
【0019】次に、セレクト信号KAとΦ2がハイ状態
になると、スイッチ91、93および95、96が閉じ
る。キャパシタCS1は、図中右側電極が接地されていた
状態から、左側電極が接地され、右側電極がオペアンプ
92の反転入力端子に接続された状態に変わる。このた
め、実効的にR(k)の電位が反転したことになる。キ
ャパシタCS2は、スイッチ95、96を介して入力端子
Pbとオペアンプ92の反転入力端子間に接続される。
したがって、キャパシタCS2には信号B(k)が充電さ
れる。このようにして、オペアンプ92の反転入力端子
には、信号R(k)とB(k)との差電圧が印加され
る。
【0020】信号R(k)とB(k)との大小関係が逆
になったときは、チャネルセレクト回路89は符号信号
Sgnに基づいてセレクト信号KAとKBおよびΦ1とΦ
2の位相関係を反転させる。すると、信号B(k)が先
にキャパシタCS2に充電され、符号が反転してオペアン
プ92の反転入力端子に印加される。信号R(k)はキ
ャパシタCS1を介してオペアンプ92の反転入力端子に
印加される。
【0021】したがって、オペアンプ92の反転入力端
子には常に信号B(k)とR(k)との差の絶対値に対
応する信号が印加される。このようにして、対応する基
準信号と参照信号との差の絶対値を検出し、その和を算
出することによって相関関数Hの値を演算することによ
り、位相差を検出し、合焦状態を検出することができ
る。
【0022】図9は、片移相型センサの動作を説明する
ための概念図である。基準ラインセンサCCDBには、
基準ラインセンサ用レンズを介した被写体の画像が結像
されている。また、参照ラインセンサCCDFには、参
照ラインセンサ用レンズを介した被写体の画像が結像さ
れている。
【0023】被写体までの距離による画像間の位置ずれ
を検出するために、後に述べる相関演算が行われる。図
7に示す処理回路57は、参照ラインセンサCCDFか
らの検出信号の読み出し位相を変化させつつ、基準ライ
ンセンサCCDBからの信号と比較して相関度を演算す
る。
【0024】つまり、基準ラインセンサCCDBからの
読み出し位相は変化させずに、参照ラインセンサCCD
Fからの読み出し位相のみを制御可能な状態において読
み出しを行う。
【0025】基準画素データSBは、基準ラインセンサ
CCDBより読み出された信号であり、参照画素データ
SFは、参照ラインセンサCCDFより読み出された信
号である。それぞれのラインセンサより読み出された基
準画素データSBの画素数と参照画素データSFの画素
数は同数である。
【0026】基準ラインセンサCCDBより読み出され
た基準画素データSBの画素数と、基準ラインセンサC
CDBが受光可能な画素数とは同数であってもよい。一
方、参照ラインセンサCCDFより読み出された参照画
素データSFの画素数は、参照ラインセンサCCDFが
受光可能な画素数よりも少ない。
【0027】参照ラインセンサCCDFは、読み出され
る参照画素データの画素数に加えて、読み出されない余
裕画素の画素数が存在する。位相シフト数が変化する毎
に参照ラインセンサから読み出される参照画素データの
領域が変化するので、それに伴い、余裕画素の領域も変
化する。
【0028】つまり、参照ラインセンサCCDFが受光
可能な画素数は、基準ラインセンサCCDBが受光可能
な画素数よりも余裕画素の画素数分だけ多くなる。基準
ラインセンサCCDBは、余裕画素をもつ必要はない。
【0029】処理回路は、参照ラインセンサCCDFに
対しては受光素子のセンサピッチ毎に読み出し領域をシ
フトさせ、基準ラインセンサCCDBからの信号と参照
ラインセンサCCDFからの信号を読み出す。ラインセ
ンサをセンサピッチだけシフトさせた時を1シフトとす
る。
【0030】図9に示すようにシフト数=0の場合に
は、基準ラインセンサCCDBから基準画素データSB
0が読み出され、参照ラインセンサCCDFから参照画
素データSF0が読み出される。シフト数=1の場合に
は、シフト数=0の場合に比べて、参照ラインセンサC
CDFは1シフトされた状態において参照画素データS
F1が読み出され、基準ラインセンサCCDBはシフト
されていない状態において基準画素データSB1が読み
出される。
【0031】シフト数=2の場合には、シフト数=0の
場合に比べて、参照ラインセンサCCDFは2シフトさ
れた状態において参照画素データSF2が読み出され、
基準ラインセンサCCDBはシフトされていない状態に
おいて基準画素データSB2が読み出される。
【0032】シフト数=3の場合には、シフト数=0の
場合に比べて、参照ラインセンサCCDFは3シフトさ
れた状態において参照画素データSF3が読み出され、
基準ラインセンサCCDBはシフトされていない状態に
おいて基準画素データSB3が読み出される。
【0033】以下、同様にして、シフト数=iの場合に
は、シフト数=0の場合に比べて、参照ラインセンサC
CDFはiシフトされた状態において参照画素データS
Fiが読み出され、基準ラインセンサCCDBはシフト
されていない状態において基準画素データSBiが読み
出される。ここで、iは0以上の整数を表す。
【0034】この時、シフトする参照ラインセンサCC
DFのシフト方向は一定である。つまり、シフト数=i
においては、参照ラインセンサCCDFを(センサピッ
チ×i)の長さだけシフトさせた状態において参照画素
データSFiを読み出す。
【0035】また、各シフト数において、基準ラインセ
ンサCCDBをシフトさせずに基準画素データSBを読
み出しているので、基準画素データSB0〜SB3のデ
ータは全て同じデータを表している。
【0036】ここで、相関演算による位相差検出につい
て図10を参照してより詳細に説明する。図10(A)
に示すように、基準ラインセンサ55には、基準ライン
センサ用レンズにより被写体の画像が結像されている。
また、基準ラインセンサ55と基線長水平方向に離され
た参照ラインセンサ56にも、参照ラインセンサ用レン
ズを介して被写体の画像が結像されている。
【0037】被写体が所定位置にあるときは、基準ライ
ンセンサ55と参照ラインセンサ56の対応する受光素
子には同一の画像が結像される。被写体が所定位置から
外れると、基準ラインセンサ55、参照ラインセンサ5
6上の画像は水平方向に変位する。すなわち、被写体が
近付けば画像間の距離は広がり、被写体が遠ざかれば画
像間の距離は近付く。この画像間の距離の変動を検出す
るために、参照用ラインセンサ56は基準用ラインセン
サ55よりも素子数が多く設定されている。
【0038】画像間の距離の変動を検出するために、相
関演算による位相差検出手法が用いられている。相関演
算による位相検出は、数式1に基づく演算によりライン
センサ55、56上の一対の結像の相関度を求め、相関
度が最小となるまでのこれらの結像の相対移動値(位相
差)を求めることによって合焦状態を識別する。
【0039】
【数1】 H(m)=Σ(k=1〜n)|B(k)−R(k+m)| ただし、Σ(k=1〜n)はkが1からnまでの関数の
和を表し、kは基準となるラインセンサ55内の素子を
指定する。また、mはたとえば−6から6までの整数
で、上記の相対移動量を示す。
【0040】たとえば、B(k)は基準ラインセンサ5
5の各画素より時系列的に出力される電気信号、R(k
+m)は参照ラインセンサ56の画素より時系列的に出
力される電気信号であり、mを−6から6まで順次変化
させる毎に数式1の演算を行えば、図10(B)に示す
ような相関度H(−6)、H(−5)、…、H(6)が
得られる。たとえば、相関度H(0)が最小値となる場
合に被写体までの距離が所定の値になるようにあらかじ
め設定しておく。これよりずれた位置での相関度が最小
値となれば、そのずれ量すなわちm=0までの位相差に
よって被写体の所定位置からのずれ、すなわち被写体ま
での距離を検出することができる。
【0041】ところで、基準ラインセンサ55、参照ラ
インセンサ56の受光素子は、たとえば20μmのピッ
チで配置されている。相関度は画像面において20μm
を単位とした距離毎に演算される。被写体までの距離
が、受光素子のピッチの中間位置に相当するときは、図
10(B)の破線で示すように相関度の極値の右側の相
関度と左側の相関度の値が異なるようになる。このよう
な場合、補間演算を行うことによってピッチ間隔以上の
解像度を得ることができる。
【0042】図10(C)は、3点補間の方法を説明す
るための概略図である。極小の相関度の得られた位置を
x2とし、その両側のサンプル位置をx1、x3とす
る。実際に演算で得られた相関度を黒丸で示す。図で示
すように、x3における相関度y3がx1における相関
度y1より低い場合、真の極小値はx2からx3に幾分
進んだところに存在すると考えられる。もし、極小値が
正確にx2の位置にある場合、相関度曲線は破線f1で
示すようにx2で折れ曲がり、左右対称に立ち上がると
すればx3における相関度y3aはx1における相関度
y1と等しくなる。
【0043】一方、x2とx3の中点が真の最小相関度
の位置であるとすれば、相関度曲線は破線f2で示すよ
うにx2とx3の中点で折れ曲がり、x2における相関
度y2とx3における相関度y3bは等しくなる。図に
示すように、これら2つの場合における相関度の差(y
3a−y3b)はx1とx2の間の相関度の差(y1−
y2)に等しい。すなわち、半ピッチ進むことによって
1単位の相関度が変化する。そこで、実際に演算で得ら
れた相関度が上に述べた2つの場合のどの中間位置にあ
るかを調べることにより、真の相関度最小の位置を得る
ことができる。x2からのずれ量dは、 d=(y1−y3)/2(y1−y2) で与えられる。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】従来の片移相型センサ
を用いた距離検出装置は、基準ラインセンサからの読み
出し位相を変化させずに、参照ラインセンサからの読み
出し位相のみを制御して読み出しを行う。参照ラインセ
ンサが受光可能な画素数は、基準ラインセンサが受光可
能な画素数よりも余裕画素の画素数分だけ多い。
【0045】片移相型センサにより相関度曲線を求めた
場合には、真の最小相関度のシフト数を軸にして左右の
シフト数における相関度が対称とならない場合が少なく
ない。相関度曲線が対称ではない状態において、相関度
曲線の内の最小値周辺の3点を用いる3点補間法によ
り、測距値を求めても精度のよい値は得られない。
【0046】3点補間法は、相関度曲線が真の最小相関
度を軸にして対称であることを前提にして、求められる
方法であるので、相関度が対称でない場合には3点補間
法を用いても信頼性の高い測距値を得ることができな
い。
【0047】本発明の目的は、測定を行う対称像がどの
ような像であっても、精度の高い測距値を検出すること
ができる位相差検出型の距離検出装置を提供することで
ある。
【0048】
【課題を解決するための手段】本発明の位相差検出型の
距離検出装置は、同一の対象物の画像を第1光センサと
第2光センサに各々結像させる結像手段と、第1光セン
サから、位相を制御して第1信号を読み出す手段と、第
2光センサから、位相を制御して第2信号を読み出す手
段と、第1信号と第2信号との相関度を演算する相関演
算手段とを有する。
【0049】
【作用】1対のセンサのうち一方からの読み出し位相の
みを変化させる片移相型センサを用いて距離検出を行っ
た場合に、得られた相関度曲線が真の最小相関度のシフ
ト数を軸にして対称とならない場合であっても、1対の
センサの両方からの読み出し位相を変化させる両移相型
センサを用いた距離検出を行うことにより、相関度曲線
を対称にすることができる。
【0050】両移相型センサを用いた距離検出では、3
点補間法と両移相補間法を使い分けることにより、精度
の高い合焦検出を行うことができる。それに従い、精度
の高い測距値を検出することができる。
【0051】
【実施例】図1は、本発明の実施例による両移相型セン
サの動作を説明するための概念図である。
【0052】被写体である対象物からの光線は、左ライ
ンセンサ用レンズと右ラインセンサ用レンズを介して、
1対のラインセンサに投射される。左ラインセンサCC
DLには、左ラインセンサ用レンズを介した被写体の画
像が結像され、右ラインセンサCCDRには、右ライン
センサ用レンズを介した被写体の画像が結像される。
【0053】ラインセンサから信号を読み出す際には、
左ラインセンサCCDLからの検出信号の読み出し位相
を変化させることができ、また右ラインセンサCCDR
からの検出信号の読み出し位相を変化させることもでき
る。そして、左ラインセンサCCDLから読み出した信
号と右ラインセンサCCDRから読み出した信号を比較
して相関度を演算する。
【0054】左画素データSLは、左ラインセンサCC
DLより読み出された信号であり、右画素データSR
は、右ラインセンサCCDRより読み出された信号であ
る。それぞれのラインセンサより読み出された左画素デ
ータSLの画素数と右画素データSRの画素数は基本的
に同数である。左ラインセンサCCDLの受光可能な画
素数と、右ラインセンサCCDRの受光可能な画素数と
は同数であることが望ましい。
【0055】読み出し位相を可変とするために、左ライ
ンセンサCCDLより読み出された参照画素データSL
の画素数は、左ラインセンサCCDLが受光可能な画素
数よりも少ない。同様に、右ラインセンサCCDRより
読み出された右画素データSRの画素数は、右ラインセ
ンサCCDRが受光可能な画素数よりも少ない。
【0056】ラインセンサの読み出し制御部は、左ライ
ンセンサCCDLの読み出し領域と右ラインセンサCC
DRの読み出し領域を交互に、受光素子分(センサピッ
チ)シフトさせ、左ラインセンサCCDLからの信号と
右ラインセンサCCDRからの信号を読み出す。ライン
センサをセンサピッチだけシフトさせた時を1シフトと
する。
【0057】シフト数=0の場合には、左ラインセンサ
CCDLから左画素データSL0が読み出され、右ライ
ンセンサCCDRから右画素データSR0が読み出され
る。シフト数=1の場合には、シフト数=0の場合に比
べて、左ラインセンサCCDLは1シフトされた状態に
おいて左画素データSL1が読み出され、右ラインセン
サCCDRはシフトされていない状態において右画素デ
ータSR1が読み出される。
【0058】シフト数=2の場合には、シフト数=0の
場合に比べて、左ラインセンサCCDLは1シフトされ
た状態において左画素データSL2が読み出され、右ラ
インセンサCCDRは1シフトされた状態において右画
素データSR2が読み出される。
【0059】シフト数=3の場合には、シフト数=0の
場合に比べて、左ラインセンサCCDLは2シフトされ
た状態において左画素データSL3が読み出され、右ラ
インセンサCCDRは1シフトされた状態において右画
素データSR3が読み出される。
【0060】以下、同様にして、シフト数の増加に伴
い、左ラインセンサCCDLと右ラインセンサCCDR
を交互にシフトさせて、ラインセンサから画素データを
読み出す。シフト数=iの場合には、シフト数=0の場
合に比べて、右ラインセンサCCDRはmシフトされた
状態において右画素データSRiが読み出され、左ライ
ンセンサCCDLはnシフトされた状態において左画素
データSLiが読み出される。ここで、 i=m + n n=m or m+1 の関係が成立する。i,m,nは0または正の整数を表
す。
【0061】以上、左ラインセンサCCDLと右ライン
センサCCDRとを交互にシフトさせる動作について説
明した。シフト数=1の時に右ラインセンサCCDRを
シフトさせずに、左ラインセンサCCDLを1シフトさ
せ、その後順次左ラインセンサCCDLの方を右ライン
センサCCDRよりも先にシフトさせる場合について説
明したが、右ラインセンサCCDRの方から先にシフト
させてもよい。
【0062】図2は、両移相型センサを用いた際の相関
度曲線を表す。横軸にシフト数をとり、縦軸に相関度を
とった時の相関度曲線である。図2において、測定点
(Xn2,Yn2)、測定点(Xn1,Yn1)、測定
点(Xm,Ym)、測定点(Xp1,Yp1)および測
定点(Xp2,Yp2)の5点は、計測により得られた
点である。測定点(Xm,Ym)が最小相関度を示す測
定点である。
【0063】測定点(Xn2,Yn2)は、シフト数=
Xn2における相関度がYn2であることを示し、測定
点(Xn1,Yn1)は、シフト数=Xn1における相
関度がYn1であることを示し、測定点(Xm,Ym)
は、シフト数=Xmにおける相関度がYmであることを
示し、測定点(Xp1,Yp1)は、シフト数=Xp1
における相関度がYp1であることを示し、測定点(X
p2,Yp2)は、シフト数=Xp2における相関度が
Yp2であることを示す。
【0064】最小相関度の測定点(Xm,Ym)の1シ
フト前は測定点(Xn1,Yn1)が示す相関度であ
り、2シフト前は測定点(Xn2,Yn2)が示す相関
度である。測定点(Xni,Yni)は、最小相関度を
示す測定点(Xm,Ym)のiシフト前の相関度を示す
点である。
【0065】測定点(Xm,Ym)の1シフト後は測定
点(Xp1,Yp1)が示す相関度であり、2シフト後
は測定点(Xp2,Yp2)が示す相関度である。測定
点(Xpi,Ypi)は、最小相関度を示す測定点(X
m,Ym)のiシフト後の相関度を示す点である。
【0066】ところで、測定点は離散的に分布してお
り、真の最小相関度は測定点と測定点の中間にある場合
が一般的である。この真の最小相関度の位相を求めるに
は補間演算が必要である。
【0067】シフト数=X0において、相関度が最小値
Y0となると仮定する。合焦点が存在する場合、(X
0,Y0)が合焦点を表す。両移相型センサを用いた場
合には、左ラインセンサと右ラインセンサのシフトする
動作が対称となるために、相関度曲線は真の最小相関度
を軸にして巨視的には対称となる。しかし、左ラインセ
ンサをシフトさせた時と右ラインセンサをシフトさせた
時とでは、図2に示すように相関度にずれが生じる場合
がある。
【0068】図2に示す相関度曲線は、シフト数を増加
させる際に、左ラインセンサと右ラインセンサを交互に
シフトさせている。そのため、相関度曲線に細かな段差
が生じ、左ラインセンサをシフトさせた時の系列と右ラ
インセンサをシフトさせた時の系列の2つの系列の相関
度曲線が得られる。
【0069】以上のような関係が、図2に示す相関度曲
線においては成り立つ。このような場合においては、通
常の3点補間法を用いた測距値演算を行っても信頼性の
高い測距値は得られない。そこで、次に述べる両移相補
間法を用いて測距値を求める。
【0070】測定点(Xn2,Yn2)と測定点(X
m,Ym)と測定点(Xp2,Yp2)とは、第1系列
を成し、測定点(Xn1,Yn1)と測定点(Xp1,
Yp1)とは、第2系列を成している。つまり、1つ置
きの点の集合が1つの系列を成す。
【0071】図2に示す相関度曲線において、真の最小
相関度Y=Y0を軸にして、(Xn1,Yn1)と対称
となる対称点(Xn1,Yn1’)と、(Xp2,Yp
2)と対称となる対称点(Xp2,Yp2’)を想定す
る。
【0072】すると、測定点(Xn2,Yn2)と測定
点(Xm,Ym)と合焦点(X0,Y0)と対称点(X
p2,Yp2’)を通る直線L1と、測定点(Xp1,
Yp1)と合焦点(X0,Y0)と対称点(Xn1,Y
n1’)を通る直線L2とは合焦点(X0,Y0)で交
差する。
【0073】測距値を求めるためには、真の最小相関度
Y0を示すシフト数の値X0を求めればよい。直線L1
と直線L2の交点となる合焦点(X0,Y0)のシフト
数X0の算出法を次に示す。
【0074】直線L1は、数式2により表される。
【0075】
【数2】y−Ym=m1(x−Xm) ここで、傾きm1は次式により表される。
【0076】
【数3】m1=(Ym−Yp2’)/(Xm−Xp2) 直線L2は、数式4により表される。
【0077】
【数4】y−Yp1=m2(x−Xp1) ここで、傾きm2は次式により表される。
【0078】
【数5】 m2=(Yp1−Yn1’)/(Xp1−Xn1) 真の最小相関度Y0は数式6と数式7の関係にある。
【0079】
【数6】Y0=(Yn1+Yn1’)/2
【0080】
【数7】Y0=(Yp2+Yp2’)/2 なお、
【0081】
【数8】 Xm−Xn1=Xp1−Xm=Xp2−Xp1=1 である。
【0082】直線L1と直線L2は、合焦点において交
差するので、直線L1を表す数式2と直線L2を表す数
式4に合焦点の座標(X0,Y0)を代入する。その式
より、数式6と数式7を用いてYn1’とYp1’を消
去し、真の最小相関度Y0を消去すると、数式9の関係
となる。
【0083】
【数9】 aX02 −2(aXm+b)X0+aXm2 +2bXm+c=0 ここで、係数a,b,cは、数式10〜12のように表
される。
【0084】
【数10】a=Yp1+Yn1−Yp2−Ym
【0085】
【数11】b=Yn1−Ym
【0086】
【数12】c=Yn1−Yp1 測定値中の最小相関度Ymを示すシフト数Xmの値と、
真の最小相関度Y0を示すシフト数X0の値との関係に
は2通り考えられる。シフト数がXm≦X0の関係とX
m≧X0の関係の2つである。
【0087】まず、シフト数がXm≦X0の関係にある
場合についてを考える。この場合のシフト数Xmとシフ
ト数X0の関係は数式13のようになる。
【0088】
【数13】Xm=X0−α (0≦α<1) つまり、シフト数Xmは、シフト数X0とシフト数Xn
1の間の位置に存在する。シフト数Xn1は、数式8よ
り次式のように表すことができる。
【0089】Xn1=Xm−1 数式13の条件下において、数式9は、数式14のよう
に書き換えることができる。
【0090】
【数14】aα2 −2bα+c=0 αについて、数式14の2次方程式を解き、0≦α<1
の条件を当てはめると、数式15に示す解が得られる。
【0091】
【数15】α={b−(b2 −ac)1/2 }/a 求めるべき真の最小相関度のシフト数X0は、数式13
と数式15より、数式16により表される。
【0092】
【数16】 X0=Xm+{b−(b2 −ac)1/2 }/a 次に、シフト数がXm≧X0の関係にある場合について
を考える。この場合のシフト数Xmとシフト数X0の関
係は数式17のようになる。
【0093】
【数17】Xm=X0+β (0≦β<1) つまり、シフト数Xmは、シフト数X0とシフト数Xp
1の間の位置に存在する。シフト数Xn1は、数式8よ
り次式のように表すことができる。
【0094】Xp1=Xm+1 数式17の条件下では、数式14に対応して、数式18
のように表すことができる。
【0095】
【数18】eβ2 −2fβ+g=0 ここで、係数e,f,gは、数式19〜21により表さ
れる。
【0096】
【数19】e=Yp1+Yn1−Yn2−Ym
【0097】
【数20】f=Yp1−Ym
【0098】
【数21】g=Yp1−Yn1 βについて、数式18の2次方程式を解き、0≦β<1
の条件を当てはめると、数式22に示す解が得られる。
【0099】
【数22】β={f−(f2 −eg)1/2 }/e 求めるべき真の最小相関度のシフト数X0は、数式17
と数式22より、数式23により表される。
【0100】
【数23】 X0=Xm−{f−(f2 −eg)1/2 }/e 図3は、両移相型距離検出回路の構成を示すブロック図
である。
【0101】被写体である対象物からの光線は、左ライ
ンセンサ用レンズ12Lと右ラインセンサ用レンズ12
Rを介して、ラインセンサ13に投射される。左ライン
センサ13Lには、左ラインセンサ用レンズ12Lを介
した被写体の画像が結像され、右ラインセンサ13Rに
は、右ラインセンサ用レンズ12Rを介した被写体の画
像が結像される。
【0102】両移相駆動処理回路14は、左ラインセン
サ13Lからの読み出し位相と、右ラインセンサ13R
からの読み出し位相を制御しながら検出信号を読み出
す。ラインセンサ13をシフトさせた状態で信号を読み
出すことにより、所定のシフト数における検出信号を読
み出す。左ラインセンサ13Lからの読み出し位相と、
右ラインセンサ13Rからの読み出し位相は、シフト数
の値に関連して制御される。
【0103】両移相駆動処理回路14から出力された検
出信号は、電気信号として相関演算回路15に供給され
る。相関演算回路15は、左ラインセンサ13Lから読
み出された信号と右ラインセンサ13Rから読み出され
た信号を比較して相関度を演算する。それぞれのシフト
数について、ラインセンサ13から信号を読み出し、相
関度を求める。
【0104】合焦検出回路21は、最小相関度検出回路
16、相関度曲線段差検出回路17、両移相補間回路1
8および3点補間回路20を有する。合焦検出回路21
は、相関演算回路15において出力された相関度の値か
ら合焦状態におけるシフト数を検出する。そして、検出
されたシフト数は測距値演算回路19に供給される。
【0105】相関演算回路15において求められた相関
度は、最小相関度検出回路16に入力される。最小相関
度検出回路16は、各シフト数における相関度について
比較を行い、相関度の最小値を検出し、その相関度を最
小相関度とする。そして、その最小相関度を示すシフト
数をシフト数Xmとして出力する。
【0106】シフト数=Xmにおいて相関度曲線が対称
であれば、シフト数Xmの位置で合焦状態となり、最小
相関度検出回路16から、合焦状態におけるシフト数と
してシフト数Xmの信号が測距値演算回路19に供給さ
れる。
【0107】測距値演算回路19では、入力された合焦
状態におけるシフト数の値より、測距値の値を演算し測
距値を出力する。最小相関度検出回路16において、シ
フト数=Xmにおいて対称でないと判断されたら、相関
度曲線段差検出回路17に相関度情報が供給される。相
関度曲線段差検出回路17は、供給された相関度曲線に
おいて、段差があるかどうかを調べる。
【0108】相関度曲線に段差がない場合には、相関度
情報が3点補間回路20に供給される。3点補間回路2
0では、相関度曲線の内の最小の相関度を示す3点を検
出して、その3点を用いて3点補間を行う。3点補間に
より得られた補間値は、合焦状態におけるシフト数とし
て測距値演算回路19に供給される。
【0109】測距値演算回路19では、入力された合焦
状態におけるシフト数の値より、測距値の値を演算し測
距値を出力する。相関度曲線段差検出回路17におい
て、相関度曲線に段差があると判断された場合には、相
関度情報が両移相補間回路18に供給される。両移相補
間回路18では、数式16または数式23を用いて、合
焦状態におけるシフト数を算出する。算出されたシフト
数は、合焦状態におけるシフト数として測距値演算回路
19に供給される。
【0110】測距値演算回路19では、入力された合焦
状態におけるシフト数の値より、測距値の値を演算し測
距値を出力する。次に、合焦検出回路21における合焦
検出処理の詳細な説明をフローチャートを参照しながら
行う。
【0111】図4は、合焦位置の検出処理のフローチャ
ートである。図3に示す相関演算回路15において出力
された相関度の値から合焦状態におけるシフト数X0を
検出する処理方法を示す。
【0112】処理がスタートすると、ステップS11と
ステップ12において、図3に示す最小相関度検出回路
16の回路動作に相当する処理を行う。各シフト数にお
ける相関度について比較を行い、相関度の最小値を示す
最小相関度におけるシフト数Xmを検出する。
【0113】相関度曲線において、各シフト数における
相関度について比較を行い、相関度の最小値を検出し、
その相関度を最小相関度Ymとする。その最小相関度Y
mを示すシフト数をシフト数Xmとする。
【0114】数式8より、シフト数Xmとシフト数Xm
の1シフト前のシフト数Xn1の関係は、次式のように
なる。 Xn1=Xm−1 これより、シフト数Xn1における相関度Yn1を検出
する。
【0115】同様に、数式8より、シフト数Xmとシフ
ト数Xmの1シフト後のシフト数Xp1の関係は、次式
のようになる。 Xp1=Xm+1 これより、シフト数Xp1における相関度Yp1を検出
する。
【0116】相関度曲線において、最小相関度Ymを示
すシフト数Xmの値と、合焦状態における相関度Y0を
示すシフト数X0の値との関係には3通り考えられる。
シフト数がXm=X0の関係とXm>X0の関係とXm
<X0の関係の3つである。
【0117】ステップS11において、シフト数がXm
=X0の関係にあるかどうかを調べる。上式により求め
た相関度Yn1と相関度Yp1との間に、数式24の関
係が成り立つかどうかを判断する。
【0118】
【数24】Yn1=Yp1 数式24が、成り立つのであれば、シフト数Xmは合焦
状態におけるシフト数X0と同じであると推定すること
ができる。この場合には、ステップS35に進む。数式
24が、成り立たない場合には、ステップS12に進
む。
【0119】ステップS35においては、シフト数Xm
の位置が合焦位置であるとして、合焦状態におけるシフ
ト数X0はXmであるとする。求めるべき合焦状態にお
けるシフト数として、Xmを出力し、処理は終了する。
【0120】ステップS12において、シフト数Xmと
シフト数X0の位置関係を調べる。シフト数がXm>X
0の関係とXm<X0の関係の2つの関係が考えられ
る。この2つの関係の内のどちらであるのかの判断を行
う。
【0121】ステップS11において求めた相関度Yn
1と相関度Yp1との間に、数式25の関係が成り立つ
かどうかを判断する。
【0122】
【数25】Yn1<Yp1 数式25が、成り立つのであれば、最小相関度における
シフト数Xmと合焦状態におけるシフト数X0の関係
は、次式のようになる。
【0123】Xm>X0 つまり、シフト数Xmは、シフト数X0とシフト数Xp
1の間の位置に存在する。シフト数Xp1は、次式のよ
うに表すことができる。
【0124】Xp1=Xm+1 数式25が、成り立たない場合には、最小相関度におけ
るシフト数Xmと合焦状態におけるシフト数X0の関係
は、次式のようになる。
【0125】Xm<X0 つまり、シフト数Xmは、シフト数X0とシフト数Xn
1の間の位置に存在する。シフト数Xn1は、次式のよ
うに表すことができる。
【0126】Xn1=Xm−1 数式25が成り立てばステップS22へと進み、成り立
たないのであればステップS21へと進む。
【0127】ステップS21とステップ22は、図3に
示す相関度曲線段差検出回路17の回路動作に相当する
処理を行う。ステップS21において、相関度曲線に段
差があるかどうかを調べる。数式10を用いて、係数a
の値を算出する。係数aについて、数式26の等式が成
立するかを判断する。
【0128】
【数26】a=Yp1+Yn1−Yp2−Ym=0 数式26が成り立てば、相関度曲線に段差がないとし
て、相関度曲線はシフト数X0を軸にして対称となるこ
とを示す。この場合には、ステップS31に進む。
【0129】数式26が成り立たない場合には、相関度
曲線に段差があるとして、相関度曲線はシフト数X0を
軸にして対称とならないことを示す。この場合には、ス
テップS32に進む。
【0130】ステップS31は、図3に示す3点補間回
路20の回路動作に相当する処理を行う。相関度曲線の
内の最小の相関度から順に小さな相関度を示す3点を検
出して、その3点を用いて3点補間を行う。
【0131】3点補間に用いる3点は、シフト数Xm,
Xn1,Xp1における3点である。3つのシフト数に
おける相関度Ym,Yn1,Yp1の3つの値を用い
て、合焦状態におけるシフト数X0を求める。シフト数
X0を、3点補間法を用いて数式27により算出する。
【0132】
【数27】 X0=Xm+(Yn1−Yp1)/{2(Yn1−Ym)} 算出されたシフト数X0の位置が合焦状態であるとし
て、シフト数X0を出力し、処理は終了する。
【0133】ステップS32は、図3に示す両移相補間
回路18の回路動作に相当する処理を行う。相関度曲線
の内の最小の相関度から順に小さな相関度を示す4点を
検出して、その4点を用いて両移相補間を行う。
【0134】両移相補間に用いる4点は、シフト数X
m,Xn1,Xp1,Xp2における4点である。4つ
のシフト数における相関度Ym,Yn1,Yp1,Yp
2の4つの値を用いて、合焦状態におけるシフト数X0
を求める。
【0135】ステップS21において係数aを算出した
ので、残りの係数b,cを求める。係数bは数式11よ
り算出され、係数cは数式12より算出される。以上に
より算出された係数a,b,cを用いて、シフト数X0
を数式16より求める。そして、算出されたシフト数X
0の位置が合焦位置であるとして、シフト数X0を出力
し、処理は終了する。
【0136】ステップS22において、相関度曲線に段
差があるかどうかを調べる。数式19を用いて、係数e
の値を算出する。係数eについて、数式28の等式が成
立するかを判断する。
【0137】
【数28】e=Yp1+Yn1−Yn2−Ym=0 数式28が成り立てば、相関度曲線に段差がないとし
て、相関度曲線はシフト数X0を軸にして対称となるこ
とを示す。この場合には、ステップS33に進む。
【0138】数式28が成り立たない場合には、相関度
曲線に段差があり、相関度曲線はシフト数X0を軸にし
て対称とならないことを示す。この場合には、ステップ
S34に進む。
【0139】ステップS33は、図3に示す3点補間回
路20の回路動作に相当する処理を行う。相関度曲線の
内の最小の相関度から順に小さな相関度を示す3点を検
出して、その3点を用いて3点補間を行う。
【0140】3点補間に用いる3点は、シフト数Xm,
Xn1,Xp1における3点である。3つのシフト数に
おける相関度Ym,Yn1,Yp1の3つの値を用い
て、合焦状態におけるシフト数X0を求める。シフト数
X0を3点補間法を用いて、数式29により算出する。
【0141】
【数29】 X0=Xm−(Yp1−Yn1)/{2(Yp1−Ym)} 算出されたシフト数X0の位置が合焦位置であるとし
て、シフト数X0を出力し、処理は終了する。
【0142】ステップS34は、図3に示す両移相補間
回路18の回路動作に相当する処理を行う。相関度曲線
の内の最小の相関度から順に小さな相関度を示す4点を
検出して、その4点を用いて両移相補間を行う。
【0143】両移相補間に用いる4点は、シフト数X
m,Xn2,Xn1,Xp1における4点である。4つ
のシフト数における相関度Ym,Yn2,Yn1,Yp
1の4つの値を用いて、合焦状態におけるシフト数X0
を求める。
【0144】ステップS22において係数eを算出した
ので、残りの係数f,gを求める。係数fは数式20よ
り算出され、係数gは数式21より算出される。以上に
より算出された係数e,f,gを用いて、シフト数X0
を数式23より求める。そして、算出されたシフト数X
0の位置が合焦位置であるとして、シフト数X0を出力
し、処理は終了する。
【0145】次に、両移相型補間法を用いた位相差距離
検出のシミュレーション結果を示す。合焦位置でのシフ
ト数を10.60に設定して、シミュレーションを行っ
た。図5は、シミュレーションにより得られたラインセ
ンサの出力波形である。被写体である対象物からの光線
は、左右のレンズを介して、左ラインセンサと右ライン
センサに投射される。投射された光は、ラインセンサの
受光素子に入力され、それぞれの受光素子から読み出し
た信号を出力とする。その出力された信号を図5に示
す。
【0146】出力波形は、右ラインセンサと左ラインセ
ンサの両方のラインセンサについて示す。右画素データ
SRDは、ラインセンサに被写体が投射されてから、1
番最初に右ラインセンサから読み出される画素データで
あり、左画素データSLDは、ラインセンサに被写体が
投射されてから、1番最初に左ラインセンサから読み出
される画素データである。
【0147】右画素データSRDに含まれているライン
センサの出力波形と、左画素データSLDに含まれてい
るラインセンサの出力波形は、明らかに異なる。このよ
うに、最初に読み出される右画素データの出力波形と左
画素データの出力波形が、大きく異なる時には、相関度
曲線にずれが出やすい。
【0148】図6は、シミュレーションにより得られた
ラインセンサの出力信号より、演算された相関度曲線を
示す。図5に示すラインセンサ出力波形より、左ライン
センサと右ラインセンサからの読み出し位相を制御し、
シフト数を変化させた状態で、左ラインセンサから左画
素データを読み込み、右ラインセンサから右画素データ
を読み出す。そして、読み出した左画素データと右画素
データの相関度を演算する。それぞれのシフト数につい
て、相関度を演算した結果が図6の相関度曲線である。
【0149】得られた相関度曲線は、図6に示すように
段差が生じている。このような段差を有する相関度曲線
に対して、合焦位置を求めた結果を次に示す。合焦位置
を求める方法として、3点補間法と両移相補間法の2つ
の補間方法により、合焦状態におけるシフト数X0の演
算を行い、比較した。
【0150】シミュレーションでは、シフト数が10.
60において合焦状態となるように予め設定を行った。
シミュレーションにより合焦位置を検出した結果、3点
補間法では合焦状態におけるシフト数として10.45
0の値が得られ、上述の両移相補間法では合焦状態にお
けるシフト数として10.517の値が得られた。
【0151】以上より、両移相補間法を用いた位相差型
距離検出を行うことにより、測距値の誤差に低減が見ら
れる。以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明
はこれらに制限されるものではない。たとえば、種々の
変更、改良、組合わせ等が可能なことは当業者に自明で
あろう。
【0152】
【発明の効果】距離検出すべき被写体が、位相差検出型
の距離検出により得られる相関度曲線に悪影響を与える
ような、測距値の誤差原因を含むものであっても、精度
の高い測距値を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による両移相型センサの動作を
説明するための概念図である。
【図2】両移相型センサを用いた際の相関度曲線を表
す。
【図3】両移相型距離検出回路の構成を示すブロック図
である。
【図4】合焦位置の検出処理のフローチャートである。
【図5】シミュレーションにおけるラインセンサの出力
波形である。
【図6】シミュレーションより得られた相関度曲線を示
す。
【図7】従来の技術を示す。図7(A)は構成例を示す
概略図、図7(B)は処理回路の回路図である。
【図8】従来の技術を示す。図8(A)は光センサの概
略断面図、図8(B)はスイッチトキャパシタ積分回路
の概略回路図である。
【図9】片移相型センサの動作を説明するための概念図
である。
【図10】相関演算による位相差検出を説明するための
図である。図10(A)は基準部と参照部に得られる画
像信号を示すグラフ、図10(B)は得られる相関度曲
線を示すグラフ、図10(C)は3点補間の方法を説明
するための概略図である。
【符号の説明】
CCDL 左ラインセンサ CCDR 右ラインセンサ SL 左画素データ SR 右画素データ 12 レンズ 13 ラインセンサ 14 両移相駆動処理回路 15 相関演算回路 16 最小相関度検出回路 17 相関度曲線段差検出回路 18 両移相補間回路 19 測距値演算回路 20 3点補間回路 21 合焦検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06F 15/70 350 J 8837−5L (72)発明者 長谷川 潤 宮城県黒川郡大和町松坂平1丁目6番地 富士フイルムマイクロデバイス株式会社内 (72)発明者 三井田 高 宮城県黒川郡大和町松坂平1丁目6番地 富士フイルムマイクロデバイス株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の対象物の画像を第1光センサと第
    2光センサに各々結像させる結像手段と、 前記第1光センサから、位相を制御して第1信号を読み
    出す手段と、 前記第2光センサから、位相を制御して第2信号を読み
    出す手段と、 前記第1信号と前記第2信号との相関度を演算する相関
    演算手段とを有する位相差検出型の距離検出装置。
  2. 【請求項2】 同一の対象物の画像を2つの光センサに
    各々結像させ、2つの光センサから位相を変化させつつ
    読み出された信号同士を比較して相関度を検出し、位相
    差を変化させたそれぞれの相関度の値から合焦位置を検
    出する合焦検出方法において、 前記複数の位相差における相関度の中で最小値を表す最
    小相関度Ymを検出する工程と、 前記最小相関度Ymを示す位相差Xmを検出する工程
    と、 前記最小相関度Ymの1単位前の位相差における相関度
    Yn1を検出する工程と、 前記最小相関度Ymの1単位後の位相差における相関度
    Yp1を検出する工程と、 前記最小相関度Ymの2単位後の位相差における相関度
    Yp2を検出する工程とを含み、 合焦状態における位相差X0を算出する計算式が、 X0=Xm+{b−(b2 −ac)1/2 }/a ここで、 a=Yp1+Yn1−Yp2−Ym b=Yn1−Ym c=Yn1−Yp1 である位相差検出型の合焦検出方法。
  3. 【請求項3】 同一の対象物の画像を2つの光センサに
    各々結像させ、2つの光センサから位相を変化させつつ
    読み出された信号同士を比較して相関度を検出し、位相
    差を変化させたそれぞれの相関度の値から合焦位置を検
    出する合焦検出方法において、 前記複数の位相差における相関度の中で最小値を表す最
    小相関度Ymを検出する工程と、 前記最小相関度Ymを示す位相差Xmを検出する工程
    と、 前記最小相関度Ymの2単位前の位相差における相関度
    Yn2を検出する工程と、 前記最小相関度Ymの1単位前の位相差における相関度
    Yn1を検出する工程と、 前記最小相関度Ymの1単位後の位相差における相関度
    Yp1を検出する工程とを含み、 合焦状態における位相差X0を算出する計算式が、 X0=Xm−{f−(f2 −eg)1/2 }/e ここで、 e=Yp1+Yn1−Yn2−Ym f=Yp1−Ym g=Yp1−Yn1 である位相差検出型の合焦検出方法。
JP9793793A 1993-04-23 1993-04-23 両移相型センサを用いた位相差型距離検出装置 Withdrawn JPH06308377A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9793793A JPH06308377A (ja) 1993-04-23 1993-04-23 両移相型センサを用いた位相差型距離検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9793793A JPH06308377A (ja) 1993-04-23 1993-04-23 両移相型センサを用いた位相差型距離検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06308377A true JPH06308377A (ja) 1994-11-04

Family

ID=14205585

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9793793A Withdrawn JPH06308377A (ja) 1993-04-23 1993-04-23 両移相型センサを用いた位相差型距離検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06308377A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10153409A (ja) * 1996-11-25 1998-06-09 Olympus Optical Co Ltd 測距装置
JP2007179236A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Sony Corp 画像生成装置及び方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10153409A (ja) * 1996-11-25 1998-06-09 Olympus Optical Co Ltd 測距装置
JP2007179236A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Sony Corp 画像生成装置及び方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4180309A (en) Focal point detecting device for SLR camera
JP3197979B2 (ja) 位相差距離検出装置および方法
US5357310A (en) Correlation phase difference type focus detecting interpolation
JPH0328691B2 (ja)
JP3343697B2 (ja) 合焦状態又は被写体距離検出装置
JPH06308377A (ja) 両移相型センサを用いた位相差型距離検出装置
US5093562A (en) Focus detecting apparatus with improved precision in detecting phase difference
JPS6118912A (ja) 焦点検出装置
JPH0798429A (ja) 距離計測装置
JP3080768B2 (ja) パッシブ型オートフォーカス装置用測距装置
JP3064062B2 (ja) パッシブ型オートフォーカス装置用測距装置
JP3025563B2 (ja) パッシブ型オートフォーカス装置用測距装置
JP2954724B2 (ja) パッシブ型オートフォーカス装置用測距装置
JPH06201986A (ja) パッシブ型オートフォーカス装置用測距装置
JP3064063B2 (ja) パッシブ型オートフォーカス装置用測距装置
JP2954722B2 (ja) パッシブ型オートフォーカス装置用測距装置
JPH1026525A (ja) 測距方法
JP2954718B2 (ja) パッシブ型オートフォーカス装置用測距装置
JP2954721B2 (ja) パッシブ型オートフォーカス装置用測距装置
JPH01179115A (ja) 焦点検出装置
JP2993754B2 (ja) パッシブ型オートフォーカス装置用測距装置
JPH05107459A (ja) パツシブ型オートフオーカス装置用測距装置
JPH05107460A (ja) パツシブ型オートフオーカス装置用測距装置
JPH06324258A (ja) パッシブ型オートフォーカス装置用測距装置
JPH04277710A (ja) パッシブ型オートフォーカス装置用測距装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000704