JPH06306757A - 混合長繊維ウエブ及びその製造方法 - Google Patents

混合長繊維ウエブ及びその製造方法

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JPH06306757A
JPH06306757A JP5097646A JP9764693A JPH06306757A JP H06306757 A JPH06306757 A JP H06306757A JP 5097646 A JP5097646 A JP 5097646A JP 9764693 A JP9764693 A JP 9764693A JP H06306757 A JPH06306757 A JP H06306757A
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fiber
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Masaji Asano
正司 浅野
Sumihito Kiyooka
純人 清岡
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大掛かりな設備を必要とせず、類似条件で溶
融紡糸可能な繊維に限らず湿式紡糸繊維、乾式紡糸繊維
であっても異種繊維をほぼモノフィラメント状にまで開
繊、混合された混合長繊維ウエブとその工業的に安定な
製造方法を提供する。 【構成】 帯電した繊維束を圧縮空気流と共に噴射させ
る多錘のエアーガンとその両端に圧縮空気流のみを噴射
させるサイドガンとを一列に並べ、該エアーガンに帯電
させた2種類の無撚の長繊維束をそれぞれ1錘おきに供
給し、その下流に四方の壁が平面で構成され入口部から
出口部に向いそのスリット幅が狭くなる様に調整された
フードを配置し、該フード中に該エアーガンより圧縮空
気流と共に繊維束を噴射、開繊させ、移動する捕集コン
ベアー上に捕集する事により、2種類の長繊維束が開繊
・混合され、該2種類の長繊維の混合率が幅方向で周期
性を有しており、ウエブ目付の幅方向の変動率が20%
以下である混合長繊維ウエブを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2種類の長繊維束がモ
ノフィラメントレベルまで開繊され、混合された、ウエ
ブ幅方向の目付変動率の小さい混合長繊維ウエブ及びそ
の製造方法に関するものである。シート状に捕集された
長繊維ウエブは、1枚で、あるいは2枚以上重ねて適当
な接着または絡合処理等を施すことによって長繊維不織
布とすることができる。
【0002】
【従来の技術】湿式法や乾式法により得られる短繊維ウ
エブについては、それぞれの繊維の物性を補完したり、
あるいは混合した1種の繊維をバインダー繊維として熱
接着するなどの目的で2種以上の繊維を混合してウエブ
とすることは、容易であり広く行われている。しかし、
2種類以上の長繊維を均一に混合した長繊維ウエブを得
ることは比較的困難であり、混合する繊維や得られるウ
エブが限られたものとなる。例えば、特公平1−375
09号公報には拡幅したトウにバインダー繊維を重ねて
開繊、振り落としてウエブとすることが記載されてい
る。この方法で得られるウエブは、トウを開繊したもの
であるため、繊維をモノフィラメントレベルにまで開
繊、混合することは実質的に不可能であり、しかも繊維
が主として経方向に配列した方向性の高いものとなりや
すい。
【0003】また、特公平2−38710号公報には、
紡糸、延伸、開繊を連続して行ういわゆるスパンボンド
法において紡糸ヘッドに2種類のポリマーを供給し溶融
紡糸して混繊フィラメントとしてウエブ化する方法が提
案されている。この方法によれば、2種類の繊維は均一
に混合されるが、混繊フィラメントを得るための紡糸装
置が大掛かりなものとなり、しかも、組み合わせる繊維
はほぼ同一の条件で溶融紡糸可能なもののみに限られ、
湿式紡糸繊維や乾式紡糸繊維との混合長繊維ウエブを製
造することは実質的に不可能である。
【0004】本発明者等は、このような制約のない混合
繊維ウエブを製造する方法を特願平4−136310号
で提案した。該方法によれば良好に開繊され均一に混合
したウエブが得られるが、工業的に広幅で実施するには
設備的な制約からやや安定性に欠けることが判明した。
すなわち、該方法は2種の繊維束を重ならないように別
々の糸道を通し、別々に帯電させ、それぞれ一対のネル
ソンロールに数回巻き付けた後合糸してエアーガンに供
給し開繊、捕集するものであるが、広幅の装置で狭い間
隔で並んだエアーガンの数だけ2対のネルソンロールを
エアーガンまでの距離を等しくなるように設置すること
は困難である。2対のネルソンロールからエアーガンま
での距離あるいはエアーガン間でネルソンロールからエ
アーガンまでの距離が異なると、2種の繊維束間あるい
はエアーガン間で繊維束の張力が異なるなどのエアーガ
ンへの吸引状態に差を生じ、開繊状態に差を生じたり、
ロールに巻き付きやすくなるなどのトラブルが発生しや
すくなり、エアーガンへの供給空気圧を調整しても、長
時間安定に運転することは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な大掛かりな設備を必要とせず、類似条件での溶融紡糸
繊維に限らず湿式紡糸繊維、乾式紡糸繊維であっても異
種繊維をほぼモノフィラメント状にまで開繊、混合され
た混合繊維ウエブとその工業的に安定な製造方法を提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、開繊・
混合された2種類の長繊維からなるウエブであって、該
2種類の長繊維の混合率が幅方向で周期性を有してお
り、ウエブ目付の幅方向の変動率が20%以下であるこ
とを特徴とする混合長繊維ウエブであり、また、帯電し
た繊維束を圧縮空気流と共に噴射させる多錘のエアーガ
ンとその両端に圧縮空気流のみを噴射させるサイドガン
とを一列に並べ、該エアーガンに帯電させた2種類の無
撚の長繊維束をそれぞれ1錘おきに供給し、その下流に
四方の壁が平面で構成され入口部から出口部に向いその
スリット幅が狭くなる様に調整されたフードを配置し、
該フード中に該エアーガンより圧縮空気流と共に繊維束
を噴射、開繊させ、移動する捕集コンベアー上に捕集す
る事を特徴とする混合長繊維ウエブの製造方法である。
【0007】
【作用】次に本発明について、詳細に説明する。本発明
の混合長繊維ウエブの製造に用いる無撚の長繊維束は、
本質的に撚りの入らない、即ち例えば撚糸操作等により
撚りの加えられていない長繊維束であって、その素材
は、帯電による反発力によって開繊可能なものであれば
あらゆる有機繊維、無機繊維、合成繊維、化学繊維が適
用可能で、その紡糸方法も溶融紡糸、乾式紡糸、湿式紡
糸などのいずれであっても構わない。このような繊維と
して例えばポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィ
ン、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリカーボ
ネイト、アラミド、ポリアリレート、レーヨン等及びこ
れらの複合繊維の長繊維が挙げられ、本発明においては
これらの内任意の2種を組み合わせて用いられる。これ
らは一旦ボビン等に巻取られたものが好適に用いられる
が、それらの長繊維が紡糸される工程に連続するもので
あっても、差し支えはない。本発明の長繊維ウエブはこ
れらの内から選ばれた任意の2種の長繊維を用いて下記
の方法により製造される。
【0008】本発明の混合長繊維ウエブの製造方法を図
面に従って説明する。図1にその装置概略、図2に側面
図を示す。帯電し開繊した無撚の長繊維束1を高圧圧縮
エアーの作用により牽引、搬送する多錘のエアーガン2
が当間隔で一列に並べられて、その両端には空気流のみ
を吹き出すサイドガン3が設置される。エアーガンの下
方には四方が平面によって囲まれた入口から出口に向か
ってスリット幅が徐々に狭くなるように作られたフード
4が配置される。フードの下方にはウエブを捕集する捕
集ネット5が配置され、捕集ネットのさらに下方にはフ
ード位置に対応してウエブを捕集するために吸引装置が
配置される。
【0009】前記2種の長繊維束は帯電装置により帯電
させ、軽く開繊した状態で隣り合うエアーガン中にそれ
ぞれ1錘おきに導き、圧縮空気流とともにフード中に噴
射する。無撚の長繊維束はエアーガンを通過するとき一
旦収束されるが、エアーガンから噴射されるとき帯電に
よる繊維相互の反発力とエアーの拡散作用によって長繊
維束はほぼモノフィラメント状にまで開繊される。長繊
維束の帯電装置は図示していないが、従来公知の摩擦帯
電、コロナ放電などによる強制帯電、これらの組み合わ
せなどの任意の方法によって行われる。また、2種の長
繊維束の帯電極性は同極性であることが必要であり、極
性が異なると、開繊された両繊維束が電気的吸引力によ
り収束し、十分に開繊混合されたウエブとはならない。
このため、組み合わせる繊維種によっては摩擦帯電のみ
によっては同極性に帯電させることができない場合があ
るため強制帯電を組み合わせることが好ましい。また、
繊維束の帯電電圧は両繊維束の間で等しくする必要はな
いが、2種の長繊維束を十分にかつ同程度に開繊、混合
するためにはそれぞれの単繊維繊度にもよるが、両繊維
束間の帯電電圧の差は1桁程度以内であることが好まし
い。周囲の雰囲気は繊維の帯電を維持するために十分低
湿度に保つことは当然のことである。
【0010】エアーガンの構造は、圧縮空気流により帯
電した無撚の長繊維束を吸引し噴射、開繊することので
きるものであれば特にその構造は限定されない。圧縮空
気流は、エアーガンから噴射された後その拡散作用によ
り長繊維束をモノフィラメントレベルにまで開繊するも
ので、1錘当たりの流量は0.1〜1Nm3/min程度が
一応の目安となるが、エアーガンの構造、間隔、繊維束
の繊度や単繊維繊度、フードの形状等によっても異な
り、この範囲に限定されるものではない。
【0011】隣接するエアーガン間の間隔は、30mm以
上、300mm以下、好ましくは150mm以下である。エ
アーガン間の間隔が大きいと後述する開繊繊維の揺動が
起こりにくく、隣り合うエアーガンからの繊維の混合、
交絡が十分に行われにくくなる。また、エアーガン間の
間隔が小さいと、混合、交絡には問題ないものの多数の
エアーガンを1列に並べるためにエアーガンや配管の形
状を小さいものにしなければならず、しかも同一の幅に
対してエアーガンの数が多くなるため設備費が嵩み実用
的でない。
【0012】圧縮空気流とともに開繊長繊維束が噴射さ
れるフードは、四方が平面によって囲まれた入口から出
口に向かってスリット幅が徐々に狭くなるように作られ
たもので、入口部のスリット幅寸法が10mm以上100
mm以下、好ましくは30〜80mmで出口部のスリット幅
寸法より広く設定される。出口部は、望ましいスリット
幅寸法が5mm以上10mm以下の範囲に設定される。好ま
しい入口−出口部の各スリット幅の組合せは、エアーガ
ン及びサイドガンより吹き込まれるエアー流量、繊維束
の帯電状態、繊維束及び単繊維の繊度によりある程度異
なるが、フード中を開繊した繊維が詰まらずに通過する
ような寸法に設定する。入口、出口スリット幅を上記範
囲外に設定すると、捕集ウエブの隣接エアーガンの中間
位置にスジが入ったり、また、フード内でウエブ詰まり
が生じるため、フードのスリット幅は、上記範囲に設定
する必要がある。この様に組みこまれたフード中に多錘
のエアーガンから開繊繊維と圧縮空気、サイドガンから
圧縮空気のみを吹き込むとフードが先端に向かって狭め
られている効果によってフード内風速分布が先端部まで
に均一化される。この作用によって各エアーガンにより
開繊繊維束単位として吹き込まれた繊維は開繊を助長さ
れると共にフード内でエアーガン列の配列方向に大きな
揺動効果が発生し、隣接エアーガンから噴射される2種
の繊維フィラメントは互いに混合、交絡し且つシート幅
方向のシート目付が均一化される。
【0013】この揺動効果の発現にはフード内のスリッ
ト幅が入口部から出口部へ向かって狭められていること
が必須であり、スリット幅が直線的に減少するようにフ
ードの内壁面は平面であることが好ましい。内壁面が内
側に向けて凸の曲面で構成されスリット幅が入口部から
出口部へ向かって緩やかに減少する構造あるいは最狭部
に引き続き出口部にかけて広がる構造の場合には、曲面
の程度にもよるが、開繊された繊維がいずれかの内壁面
に沿った流れとなりやすく、開繊不良となりやすい。逆
に、内側に向けて凹の曲面で構成されスリット幅が急激
に減少する構造である場合には曲面の程度にもよるが、
凹部において渦巻きを生じやすく、開繊状態が安定しな
い。また、スリット幅が入口から出口にかけて変わらな
いフードや入り口部が狭く出口に向かって広がる構造の
フードを用いた場合には、開繊された繊維の揺動効果は
発生せず、隣接エアーガンからの繊維フィラメント同士
は互いに交絡せずそれぞれの長繊維群は巾方向に目付が
ほぼ正規分布となった帯状となって捕集されウエブの巾
方向の目付変動が大きなものとなってしまう。
【0014】サイドガンより吹き込まれる圧縮空気は、
エアーガン列の両端でエアカーテンの役割を果たし開繊
長繊維落下位置を規制安定化させると共にその広がりを
側板により抑制し、フード内風速分布の均一化、開繊繊
維の揺動運動を促進する。それらの効果は、フード内エ
アーガン列両端にサイドガンを配置させて初めて達成さ
れる事であり、サイドガンの利用は、非常に重要であ
る。
【0015】本発明の方法によれば、十分な上記の揺動
効果を利用することにより隣り合う異種繊維間のみでな
く、1錘置きの同種繊維同士の間でもある程度の混合、
交絡が起こり、それぞれの繊維は1錘置きに供給される
ことによる粗密の周期性は有するものの実質的に途切れ
ることなく幅方向全面に分布する。しかも、両繊維の混
合したウエブ目付は幅方向の変動率が小さく、通常20
%以下となる。さらに驚くべきことには、本発明によれ
ば、用いる2種の長繊維束および長繊維束を構成する単
繊維の繊度は同一のものを使用しなくても両繊維が十分
に混合され、かつ幅方向の目付変動の小さいウエブを得
ることができることである。すなわち、本発明で用いる
開繊装置にそれぞれ単独で供給してモノフィラメントレ
ベルにまで開繊可能な単繊維繊度と繊維束繊度の組み合
わせであれば、2種の繊維束の内、高繊度の繊維束繊度
が低繊度の繊維束繊度の10倍以下、好ましくは 倍以
下であれば両繊維が十分に混合され、かつ幅方向の目付
変動の小さいウエブを得ることができる。したがって、
2種の長繊維束を1錘置きに供給するにもかかわらず、
2種の繊維束の間で繊度を適宜組み合わせることによ
り、繊維の混合比率を90/10〜10/90の広範囲
で任意に変更することができる。
【0016】両繊維束の繊度が異なる場合、エアーガン
の口径や噴射するエアー圧を繊維束の繊度に合わせて変
更することもできるが、通常は同一のエアーガンが使用
でき、また、両繊維を均一に混合するためにはエアー圧
(エアー流量)は大きく異ならない方が好ましい。な
お、2種の繊維の混合率(あるいはそれぞれの繊維の目
付)はウエブの幅方向でエアーガンの周期に対応して周
期性を有したものとなるが、両繊維束の繊度の比が1に
近い場合には混合率の変動率は小さくなり単層のウエブ
でも実用上特に問題のないレベルとなり、繊維束の繊度
の比が大きくなると、両繊維の混合率の幅方向変動率が
大きくなり、特に、繊度の比が10より大きくなると低
繊度の繊維束の繊維の分布がウエブ中で幅方向に連続せ
ず1種の繊維のみからなる筋状部分が出現しやすくなる
とともにウエブ全体も幅方向で筋状に目付斑を生じやす
くなる。
【0017】フードを出た開繊、混合された長繊維ウエ
ブはエアー吸引装置7の上を移動する捕集ネット6上に
捕集される。捕集したウエブの両耳部は前記したサイド
ガンの効果により薄く広がることはほとんどないが、揺
動効果の影響によりやや不安定となり目付が不均一にな
ることがあるため、捕集ネット部においてエアーガンな
どを用いて捕集幅を規制して捕集することも好ましい。
捕集した長繊維ウエブは、図中には示していないがその
後適当な方法によって長繊維ウエブ一層のみで、あるい
は多層重ね合わせバインダーなどによる接着や交絡処理
などのボンディングを行い目付の均一な長繊維不織布と
成すことができる。ウエブを多層重ねるとき、エアーガ
ンに供給する両繊維の位置を入れ替えたウエブを2層積
層することにより、ウエブ全体としては2種の繊維の混
合率の幅方向の周期性のほとんどないほぼ均一に混合さ
れた状態とすることができる。
【0018】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明するが、本
発明は、これら実施例によって限定されるものではな
い。実施例中不織布シート幅方向の目付分布は、シート
両耳部の目付不均一部分を取り除いた後、シート幅全域
に渡り幅10mm、長さ170mmの短冊状に切り出した試
料の重量を測定して求めた。また、変動率は、変動係数
(標準偏差を平均値で割ったもの)を100倍して%で
表したものである。
【0019】実施例1 図1に示すような装置を用い、入口スリット幅30mm、
出口スリット幅7.5mmに調整したフードの中にコロナ
放電によりマイナス極性に帯電し開繊した300dr/1
44fil.のポリエステルフィラメント束と500dr/2
50fil.のビニロンフィラメント束を1錘おきにそれぞ
れ合計4錘に1000m/minの速度で供給した。隣接
するエアーガン間の間隔は100mmであり、サイドガン
を含め全錘0.34Nm3/minのエアーを噴射した。各
繊維束はフードを出た所で良く開繊しており、フードの
長さ方向(ウエブの幅方向)に大きく揺動した状態であ
った。捕集した混合長繊維ウエブは、2種の繊維が実質
的にモノフィラメント状にまで開繊しほぼ均一に混合、
絡合しており、平均目付が66g/m2、幅方向の目付変
動率が8.8%、長手方向の目付変動率が5.1%と優
れたものであった。このウエブをビニロン繊維のみが染
色される条件で染色したところ、エアーガンの間隔に相
当する200mm周期でわずかに濃淡の縞模様が観察され
た。
【0020】比較例1 実施例1において、ポリエステルフィラメント束を連続
する2錘へ、ビニロンフィラメント束を間の1錘へ供給
する以外同一条件で混合長繊維ウエブを得た。得られた
ウエブを染色するとビニロン繊維は幅方向に縞状で断続
的に分布していた。
【0021】比較例2 実施例1において、ビニロンフィラメント束をプラス極
性に帯電させる以外同様にして操作したところ、噴射さ
れた開繊フィラメント束はフード中で吸引し合い一部収
束して開繊不良で斑の大きいウエブとなった。
【0022】比較例3 実施例1において、隣接するエアーガン間の間隔を35
0mmとする以外同様にして混合長繊維ウエブを得た。得
られたウエブは各フィラメント束はモノフィラメント状
に良好に開繊していたが、ポリエステル繊維とビニロン
繊維はそれぞれ幅方向に縞状で断続して分布していた。
【0023】比較例4 実施例1において、フードの入口スリット幅と出口スリ
ット幅を15mmに揃え、平行スリットとしたものを用い
る以外は同様の条件で長繊維ウエブを得た。得られたウ
エブは、隣接エアーガンの中間位置の直下にウエブの目
付の小さなスジが明確に観察された。このウエブの目付
変動率は、幅方向33.1%、長手方向5.4%であっ
た。
【0024】比較例5 フードの入口と出口のスリット幅をそれぞれ30mmと3
mmの組合わせにして実施例1と同様の条件で操作したと
ころ、フード内に吹き込んだ開繊繊維がフード内壁に徐
々に付着し詰まってしまい、混合長繊維ウエブを得るこ
とはできなかった。
【0025】比較例6 フードの入口と出口のスリット幅をそれぞれ120mmと
10mmの組合わせにして実施例1と同様の条件で操作し
たところ、フードを出た後の開繊繊維の落下状態はウエ
ブの幅方向に非常に不均一で、また、不安定であった。
捕集したウエブは、隣接エアーガンの中間位置の直下に
ウエブ目付の小さなスジが明確に観察され、それぞれの
繊維は幅方向に縞状で不連続に分布していた。このウエ
ブの目付変動率は、幅方向26.3%、長手方向7.3
%であった。
【0026】比較例7 ガン列からサイドガンを取り外してエアーガンのみと
し、実施例1と同様の条件で操作したところ、フードを
出た後の繊維フィラメントは、ウエブの幅方向に大きく
広がり、捕集ウエブの幅は広くなるがその端部の状態が
非常に不安定であった。また、フード内の繊維揺動効果
がなくなり、隣り合う繊維はほとんど混合されず各エア
ーガン毎のフィラメント群のままの状態であった。その
ため、得られたウエブは幅方向の目付均一化がなされず
に目付の小さなスジが明確に観察された。
【0027】比較例8 50dr/36fil.のポリエステルフィラメント束と75
0dr/200fil.のビニロンフィラメント束を用いる以
外実施例1と同様の条件で平均目付50g/m2の混合長
繊維ウエブを作製した。得られたウエブは、隣接エアー
ガン中間位置直下にウエブ目付の小さなスジが明確に観
察されそれぞれの繊維は幅方向に縞状で不連続に分布し
ていた。
【0028】実施例2 実施例1で得られたウエブを2種の繊維の位置が逆にな
るように2枚重ね合わせて水流絡合を行い不織布とし
た。得られた不織布は平均目付125g/m2、幅方向の
目付変動率が9.8%、長手方向の目付変動率が3.1
%であった。この不織布をビニロン繊維のみが染色され
る条件で染色したところ、全体がほぼ同濃度に染色され
ており、周期性のある縞模様は観察されなかった。染色
された不織布を幅方向に切断し断面を観察したところ、
絡合処理によりほとんど消滅してはいるが、ほぼ200
mm周期で厚さ方向に濃淡の差が観察された。
【0029】実施例3 450dr/210fil.のポリエステルフィラメント束と
120dr/50fil.のレーヨンフィラメント束を用いる
以外実施例1と同様の条件で平均目付48g/m2の混合
長繊維ウエブを作製した。得られたウエブは2種の繊維
束が実質的にモノフィラメント状にまで開繊し、ほぼ均
一に混合、絡合しており、幅方向の目付変動率が6.6
%、長手方向の目付変動率が5.3%と優れたものであ
った。
【0030】実施例4 コロナ放電によりプラス極性に帯電させた1000dr/
200fil.のビニロンフィラメント束と150dr/50
fil.のレーヨンフィラメント束を用いる以外実施例1と
同様の条件で平均目付95g/m2の混合長繊維ウエブを
作製した。得られたウエブは2種の繊維束が実質的にモ
ノフィラメント状にまで開繊し、ほぼ均一に混合、絡合
しており、幅方向の目付変動率が8.8%、長手方向の
目付変動率が5.1%と優れたものであった。
【0031】実施例5 500dr/200fil.のポリエステルフィラメント束と
100dr/50fil.のナイロン6フィラメント束を用い
る以外実施例1と同様の条件で平均目付50g/m2の混
合長繊維ウエブを作製した。得られたウエブは2種の繊
維束が実質的にモノフィラメント状にまで開繊し、ほぼ
均一に混合、絡合しており、幅方向の目付変動率が7.
4%、長手方向の目付変動率が5.2%と優れたもので
あった。
【0032】実施例6 コロナ放電によりプラス極性に帯電させた200dr/1
00fil.のナイロン6フィラメント束と200dr/10
0fil.のレーヨンフィラメント束を用いる以外実施例1
と同様の条件で平均目付32g/m2の混合長繊維ウエブ
を作製した。得られたウエブは2種の繊維束が実質的に
モノフィラメント状にまで開繊しほぼ均一に混合、絡合
しており、幅方向の目付変動率が5.3%、長手方向の
目付変動率が4.4%と優れたものであった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、大掛かりな設備を必要
とせず、帯電による開繊が可能な繊維であれば溶融紡糸
繊維、湿式紡糸繊維、乾式紡糸繊維など紡糸方法によら
ず任意の2種の長繊維束をほぼモノフィラメント状にま
で開繊、混合された目付変動率の小さい混合長繊維ウエ
ブを得ることができる。本発明のウエブは両繊維の混合
率が幅方向で周期性を有するが、その変動幅は小さく、
1層でも十分実用的な範囲である。また、繊維の供給位
置が逆の組み合わせのウエブと積層すれば、実質的に繊
維の混合率に周期性のないウエブが得られ、しかも、元
のウエブの混合率の変動幅が小さいため積層するウエブ
の位置合わせに精度を要しない。2種の長繊維束の繊度
を同一にする必要がなく、両繊維の混合率は両繊維束の
繊度の比となるため、繊度を適当に組み合わせることに
より混合率を10/90〜90/10の広範囲の任意の
比率とすることができる。さらに、ウエブを積層すると
きいずれかの繊維単独のウエブを積層することによりさ
らに混合率を変更することもできる。また、他の繊維を
組み合わせたウエブを積層することにより3種類、4種
類の長繊維からなるウエブとすることもできる。得られ
た長繊維ウエブはバインダー繊維を混合したりバインダ
ー樹脂により接着固定したり、ニードルパンチや流体絡
合などにより絡合処理することにより不織布に加工する
ことができる。混合する長繊維の組み合わせを適宜選ぶ
ことにより従来担い組み合わせの均一に開繊混合された
高性能な不織布とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混合長繊維ウエブ製造に使用する装置
の概略図である。
【図2】図1に示した装置の側面図である。
【符号の説明】
1. 開繊無撚長繊維束 2. エアーガン 2a.高圧エアー吹込口 3. サイドガン 3a.高圧エアー吹込口 4. フード 4a.フード入口幅 4b.フード出口幅 5. 捕集ネット 6. 捕集ウエブ 7. 吸引装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開繊・混合された2種類の長繊維からな
    るウエブであって、該2種類の長繊維の混合率が幅方向
    で周期性を有しており、ウエブ目付の幅方向の変動率が
    20%以下であることを特徴とする混合長繊維ウエブ。
  2. 【請求項2】 帯電した繊維束を圧縮空気流と共に噴射
    させる多錘のエアーガンとその両端に圧縮空気流のみを
    噴射させるサイドガンとを一列に並べ、該エアーガンに
    帯電させた2種類の無撚の長繊維束をそれぞれ1錘おき
    に供給し、その下流に四方の壁が平面で構成され入口部
    から出口部に向いそのスリット幅が狭くなる様に調整さ
    れたフードを配置し、該フード中に該エアーガンより圧
    縮空気流と共に繊維束を噴射、開繊させ、移動する捕集
    コンベアー上に捕集する事を特徴とする混合長繊維ウエ
    ブの製造方法。
JP5097646A 1993-04-23 1993-04-23 混合長繊維ウエブ及びその製造方法 Pending JPH06306757A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11666332B2 (en) 2007-01-10 2023-06-06 Cilag Gmbh International Surgical instrument comprising a control circuit configured to adjust the operation of a motor
WO2023190010A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 東レ株式会社 不織布ロールおよびその製造方法

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