JPH0630674A - 食物アレルギー動物 - Google Patents

食物アレルギー動物

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JPH0630674A
JPH0630674A JP4210963A JP21096392A JPH0630674A JP H0630674 A JPH0630674 A JP H0630674A JP 4210963 A JP4210963 A JP 4210963A JP 21096392 A JP21096392 A JP 21096392A JP H0630674 A JPH0630674 A JP H0630674A
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antibody
animal
adjuvant
food
antigenic substance
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JP4210963A
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Shunpei Yokota
俊平 横田
Kazufumi Tsubaki
和文 椿
Shuzo Tashiro
周三 田代
Hiroshi Sugiyama
宏 杉山
Hiroshige Kono
博繁 河野
Yoshiro Ikezawa
善郎 池澤
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 抗原物質を経口投与し、アジュバントを経口
投与又は吸入投与して得られ、経口投与された抗原物質
に対して増強された免疫応答を示すことを特徴とする、
ヒトを除く食物アレルギー動物。 【効果】 抗原摂取と共にアジュバントを経口及び/又
は経鼻的に吸入投与させることにより、消化管から吸収
された抗原に対する免疫反応が増強され、抗体産生に関
して均一で固体差の少ない動物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食物アレルギーを引き
起こす抗原物質に対する免疫応答を惹起又は増強させた
食物アレルギー動物(ヒトを除く)に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】食物ア
レルギー発症機構解明や食物アレルギーの治療薬又は予
防薬の開発、更には特定物質のアレルゲン性の評価など
の、食物アレルギーに関する研究において、患者を直接
対象とするのは治療のためとはいえ患者に対してかなり
の苦痛を強いるのが現状である。従って、マウスなど各
種実験動物による上記試験の必要性が要望されている。
【0003】ところで、アトピー性皮膚炎患者は、血清
学的に健康人とは異なる特徴を有している。即ち健康人
に比較して、血清中の総IgE抗体値が上昇しており、
摂取した食物に対する特異IgG抗体も高値を示すこと
が知られている。IgE抗体は、マスト細胞に結合し、
アレルゲンと反応することによって、マスト細胞から化
学伝達物質を放出させる作用をもち、1型アレルギー
(即時型アレルギー)の発症に中心的な役割を演じてい
ることは疑いない。一方、IgG抗体の食物アレルギー
発症との関連は未だ不明で仮説の域を出ていないが、I
gG抗体が高値を示すことは、アトピー性皮膚炎患者の
1つの血清学的特徴として、多くの研究者に理解されて
いる。
【0004】以上のことから、アトピー性皮膚炎患者の
血清学的特徴、すなわち摂取した食物に対して、IgE
抗体及び/又はIgG抗体が上昇するような特徴を示す
モデル動物を作成することが望まれる。従来、この種の
動物の製造方法としては、食物抗原物質を経口以外の経
路、例えば皮下投与でアジュバントと共に投与する方
法、食物抗原を経口投与した後に、再び食物抗原を別経
路(例えば、皮下)から投与する方法が知られている。
これらの方法を用いれば、食物特異IgG抗体あるいは
IgE抗体の上昇した動物が製造できる。しかし、これ
らの抗体は経口摂取された食物抗原物質に対する免疫応
答により産生される抗体ではないため、経口摂取した食
物抗原に対する抗体産生が亢進していることを特徴とす
る食物アレルギー動物とは異なり、結果として、これら
の動物では食物アレルギーに関する研究と実質的にそぐ
わないものとなってしまう。一方、目的とする抗原物質
を経口投与し、アジュバント物質を皮内、皮下、腹腔な
どに投与することで食物アレルギーの動物モデルを作成
する方法が知られている(Japanese Jour
nal of Allergology Vol.4
1,298,1992)。この方法は摂取した食物抗原
物質が消化管を介して免疫応答し、その結果、動物血清
中に食物抗原特異IgG抗体及び/又はIgE抗体が産
生されることから食物アレルギーの研究に適した動物モ
デルとなる。しかしこの方法で作成した食物アレルギー
動物のIgG抗体及びIgE抗体産生量を解析したとこ
ろ、固体差が著しく、IgG抗体及びIgE抗体の上昇
率が個々の動物によってばらつくことが判明した。そこ
で本発明者らは、摂取した食物抗原物質に対し、再現性
よく、均一なIgG及び/又はIgE抗体産生が認めら
れる食物アレルギー動物の作成方法を鋭意検討した結
果、目的とする抗原物質を経口投与し、更に、アジュバ
ントを経口投与又は吸入投与することにより、望ましい
食物アレルギー動物を作成することができることを見出
した。本発明は、こうした知見に基づくものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、抗原
物質を経口投与し、アジュバントを経口投与又は吸入投
与して得られ、経口投与された抗原物質に対して増強さ
れた免疫応答を示すことを特徴とする、ヒトを除く食物
アレルギー動物に関する。本発明の食物アレルギー動物
は、対象とする食物アレルギーを引き起こす抗原物質を
経口投与し、アジュバントを経口投与あるいは吸入投与
して得られる。
【0006】本発明のアレルギー動物(ヒトを除く)を
作成するのに使用する動物(特に哺乳動物)に制限はな
いが、例えば、マウス、ラット又はモルモットなどのげ
っ歯類を挙げることができ、マウス及びモルモットが好
ましい。マウスは原則としていずれの系統でもよい。例
えば、Balb/c、DBA/2、C3H/He、A/
J又はC57BL/6など近交系のもの、もしくはそれ
らのH−2が組換えられた組換体マウス、又は遺伝的に
未同定のクローズドコロニーのマウスなどを挙げること
ができるが、とりわけ近交系のBalb/c、DBA/
2マウスなどが好ましい。モルモットではハートレー系
モルモットなどを使用することができる。ラットでは、
F344/N、WKAH/HKmなどの近交系、SD、
Wister種などのクローズドコロニー系のラットを
使用することができる。使用する動物は、雌雄の区別な
くいずれでも実験の目的に応じて、食物アレルギー動物
を作成できる。使用する動物の年齢は特に制限されない
が、できるだけ若い動物が好ましく、マウス、ラット又
はモルモットの0〜15週齢くらいのものがよい。
【0007】対象とする食物アレルギーを引き起こす抗
原物質としては、食物そのものを与える。例えば小麦ア
レルギー動物を製造する場合には、小麦粉を経口投与す
る。経口投与は、食物をそのまま直接摂取させるか、餌
料に添加するか、水に混合して飲料として与える。同様
に、大豆アレルギー動物を目的とする場合には大豆を、
牛乳アレルギー動物を目的とする場合には牛乳を、卵ア
レルギー動物を目的とする場合には卵を、米アレルギー
動物を目的とする場合は米を、それぞれ経口から与え
る。更に、食物からのアレルゲン物質の抽出物もしくは
濃縮物を、経口より直接摂取させるか、水に溶かして飲
料として与えるか、餌料に添加して与えてもよい。例え
ば小麦抽出グルテン又は小麦の塩水可溶性タンパク質や
小麦から抽出した分子量14,000付近、30,00
0付近、55,000付近、あるいは70,000付近
等のタンパク質画分を分取して与えてもよい。
【0008】アジュバントの例としては、フロインド氏
完全アジュバント(FCA);結核菌死菌;室内塵;カ
ンジダ種(Candida sp.)、例えばカンジダ
・アルビカンス(Candida albican
s);ダニ類、例えばヤケヒョウヒダニ又はコナヒョウ
ヒダニ;花粉、例えばブタクサ、カモガヤ又は杉;水酸
化アルミニウム、あるいは大気中に含まれる粒子状物質
を集塵して得られる物質、例えばフライアッシュ、珪土
類、ジーゼルエンジンの排気ガス、炭素粒子や窒素酸化
物などがある。これらのアジュバントは、1種又は2種
以上を混合して用いることができ、そのままあるいは超
音波破砕機などで破砕した破砕物、あるいはリン酸緩衝
液などで抽出した抽出物として用いることができる。
【0009】アジュバントは、水、リン酸緩衝液又は生
理食塩水に混合又は溶解した状態、あるいは粉末のまま
の形態で用いる。水などに混合又は溶解した液体状のア
ジュバントは、飲料として、又は注射器を用いて消化管
内へ直接投与するか、あるいは鼻腔への噴霧(吸入投
与)によって動物に与えることができる。粉末状のアジ
ュバントは、ネブライザーと密閉容器を組み合わせた抗
原吸入装置を用い、動物へ吸入投与することができる。
これらアジュバントは、水、リン酸緩衝液又は生理食塩
水溶解物と混合して経口投与してもよい。
【0010】アジュバントの投与濃度は1mg/ml〜20
mg/mlが好ましい。マウスでは、マウス1匹当たりの投
与量は、濃度1〜5mg/mlのアジュバント(FCAを含
む)を0.1〜0.2mlの量で1〜2週間に1回の割合
で3〜4回投与する。あるいは1mlあたり0.01×1
8 〜1×108 個の生細胞あるいは生個体のアジュバ
ント(FCAを含む)を0.1〜0.2mlの量で1〜2
週間に1回の割合で3〜4回投与する。ラットでは、ラ
ット1匹当たりの投与量は、濃度1〜10mg/mlのアジ
ュバント(FCAを含む)を0.2〜0.4mlの量で1
〜2週間に1回の割合で3〜4回投与する。あるいは1
mlあたり0.01×108 〜1×108個の生細胞ある
いは生個体のアジュバント(FCAを含む)を0.1〜
0.2mlの量で1〜2週間に1回の割合で3〜4回投与
する。モルモットでは濃度1〜20mg/mlのアジュバン
ト(FCAを含む)を0.2〜0.5mlの量で1〜2週
間に1回の割合で3〜4回投与する。あるいは1mlあた
り0.01×108 〜1×108 個の生細胞あるいは生
個体のアジュバント(FCAを含む)を0.1〜0.2
mlの量で1〜2週間に1回の割合で3〜4回投与する。
その他の動物ではこれに準じて適当な投与量を設定す
る。投与方法は均一なIgG抗体及び/又はIgE抗体
の産生を得るため経口投与及び/又は経鼻的に吸入投与
するのが好ましい。経口投与と吸入投与とを併用して行
うのが好ましい。
【0011】動物の体内に産生された抗体量はELIS
A法、イムノブロット法、PCA法等の免疫学的な一般
的方法で測定することができる。このようにして得られ
た動物の体内には、未処理の動物に比較し、摂取した食
物に対する強い抗体産生が認められる。更に、アジュバ
ントを皮下、皮内又は腹腔へ注射投与した動物に比較し
て、本発明の各動物の抗体産生は一層均一となる。
【0012】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1 小麦粉を40%以上含む飼料を自由摂取させている、6
週齢のメスのBalb/cマウス20匹を2群に分け、
一方の群には2mg/ml濃度のカンジダ・アルビカンス
(Candida albicans)生理食塩水抽出
物100μlを、1週間経過する毎に1回の割合で4週
間にわたり、皮内投与した(A群)。もう一方の群は2
mg/ml濃度のカンジダ・アルビカンス生理食塩水抽出物
を同じく100μlの量で、シリンジを用いて1週間経
過する毎に1回の割合で4週間にわたり、経口的に消化
管内に投与した(B群)。投与完了後に産生されるマウ
ス体内の小麦に対する抗体量を、IgE抗体はPCA法
で、IgG抗体はELISA法でそれぞれ次のようにし
て測定した。IgE抗体測定のPCA試験はラットを用
いたMotaらの方法(Mota,I. and Wong,D.: Homolog
ous and heterologous passive cutaneous anaphylacti
c activity of mouse antisera during the course of
immunization, Life Sci. 8,813-820, 1969) に従って
行った。即ち、被検血清を無処理のまま生理食塩水で2
倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍及び128倍
に希釈し、これら希釈液0.1mlをエーテルで麻酔した
SDラット(メス、10週齢:日本SLC株式会社より
購入)の背部皮内に注射し、24時間後に小麦の抽出物
(5mg/ml)と2%エバンスブルー溶液の等量混合液を
ラット1匹当たり0.8mlの量で、尾静脈内に注射し
た。1時間後に血清注射部位を観察し、直径5mm以上の
明瞭な色素斑形成を認めた場合を陽性と判定した。陽性
反応を認めた被検血清の最大希釈率をPCA価とし、そ
れぞれのマウスで比較した。
【0013】IgG抗体測定のELISA試験は、小麦
抗原(100μg/ml)をコートしたマイクロタイター
プレートを2%牛血清アルブミン(BSA)にて1時間
ブロッキングした後、25倍、50倍、100倍、20
0倍、400倍及び800倍に希釈した被検血清を加
え、1時間反応させた。洗浄後、ペルオキシターゼを結
合させたウサギ抗マウスIgG抗体の2,000倍希釈
液を加え、1時間更に反応させた。次にオルトフェニレ
ンジアミン(OPD)を加えて10分間発色させた。2
M硫酸にて反応を停止させた後、490nmの吸光度を測
定した。なおアジュバントを投与しなかったマウスをコ
ントロールとした。結果を表1及び表2に示した。Ig
E抗体の指標であるPCA価は、皮内投与したマウス群
(A群)では平均±標準偏差は30.4±19.2で、
経口投与したマウス群(B群)は41.6±14.7で
あり、経口投与群(B群)は皮内投与群(A群)に比較
してばらつきが少なく、かつPCA価は高値を示した。
IgG抗体は、100倍希釈血清で測定した値で比較し
たところ、皮内投与群(A群)では0.556±0.2
1であるが、経口投与群(B群)は0.701±0.1
2と均一であった。
【0014】実施例2 小麦粉を40%以上含む飼料を自由摂取させた10週齢
のオスのDBAマウス20匹を2群に分け、一方の群に
は1mg/ml濃度のコナヒョウヒダニ超音波破砕物の生理
食塩水抽出物を100μlの量で、1週間経過する毎に
1回の割合で4週間にわたり、腹腔投与した(A群)。
もう一群のマウスを抗原吸入装置に入れ、凍結乾燥した
コナヒョウヒダニ虫体をネブライザーによって吸入させ
る条件で飼育し、同時に1mg/ml濃度のコナヒョウダニ
超音波破砕物の生理食塩水抽出物100μlを、1週間
経過する毎に1回の割合で4週間にわたり、経鼻的に噴
霧投与した(B群)。投与完了後に産生されるマウス体
内の小麦に対する抗体量の測定は実施例1と同様に行っ
た。その結果を表3及び表4に示した。投与を完了した
時点のPCA価は腹腔投与したA群で10.2±8.7
であるのに対して、経鼻的に噴霧投与したB群では1
4.4±7.0であった。IgG抗体価はA群では0.
406±0.17であるのに対し、B群は0.544±
0.076と比較的そろっていた。
【0015】実施例3 カンジダ・アルビカンス・セロタイプ(Candida
albicansserotype)A株(ATCC
10261株)をグルコース2%、イースト抽出物0.
3%及びペプトン1%を含む培地(pH7.0)にて好気
的に30℃で24時間培養し、カンジダ・アルビカンス
・セロタイプA株生菌体を得た。菌体をPBSにて洗浄
し、1×107 菌体/mlとなるようにPBSに懸濁させ
た懸濁液を調製した。濃度2%となるようにオボムコイ
ドを溶解させた水溶液と通常の飼料を自由摂取させてい
るハートレー系モルモット20匹を2群に分け、一方の
群にはカンジダ・アルビカンスのPBS懸濁液をフロイ
ンド氏不完全アジュバント(ICA)と1:1に混合
し、エマルジョン化して得た試料を0.2mlの量で、2
週間経過する毎に1回の割合で4週間にわたり、腹腔内
へ注射投与した(E群)。もう1群は、カンジダ・アル
ビカンスのPBS懸濁液を0.1mlずつ、2週間経過す
る毎に1回の割合で4週間にわたり、シリンジを用いて
経口投与した(F群)。投与完了後、各モルモットの背
部の毛を刈り、オボムコイドの1mg/ml濃度の水溶液を
1滴たらし、スクラッチした。なおアジュバントを投与
しない動物をコントロールとして用いた。30分後にそ
れぞれのモルモットでスクラッチ部位を観察し、4mm以
上の膨疹が認められた場合を+、8mm以上の膨疹が認め
られた場合を++として判定した。経口投与したF群の
方が陽性頻度が高かった。結果を表5に示した。
【0016】実施例4 実施例3と同様の方法でカンジダ・アルビカンス・セロ
タイプA株(ATCC10261株)を培養し、120
℃にて高圧滅菌し、続いて凍結乾燥して得た菌体と、集
塵器を用いて大気中から採取した塵とを等量づつ混合
し、アジュバントを作成した。また、タンパク質源とし
て大豆タンパク質のみを用いること以外は、通常のマウ
ス・ラット用飼料と同じ栄養価(脂肪/炭水化物/ビタ
ミン/ミネラル)の飼料を作製した。この飼料を自由採
取させた10週齢のF344/Nラット20匹を2群に
分け、最初の1群(10匹)に、前記で調製したアジュ
バントをリン酸緩衝液に懸濁させた懸濁液2mg/mlとフ
ロインド氏不完全アジュバント(ICA)との1:1混
合物を、皮下、フットパット及び腹腔に各0.1mlずつ
投与した。この操作を2週間経過する毎に1回の割合で
4週間にわたり行った(G群)。別の1群のラット10
匹には、前記で調製したアジュバントを生理食塩水に2
mg/mlとなるように懸濁させた懸濁液100μlを、2
週間経過する毎に1回の割合で4週間にわたり、マイク
ロピペットにて経口投与し、更に経口投与が完了するま
での期間、前記で調製したアジュバントを抗原吸入装置
を用いて吸入投与させた(H群)。最終投与から1週間
後に各ラットの背部の毛を刈り、大豆のリン酸緩衝液抽
出物(5mg/ml)を1滴たらしスクラッチした。1時間
後にスクラッチ部位を観察し、実施例3と同様に評価し
た。結果を表6に示した。皮膚テスト後、各ラットから
血清を分離し、IgG抗体はELISA法にて、IgE
抗体価はPCA法にて、それぞれ測定を行った。IgG
抗体測定では2次抗体としてペルオキシターゼを結合さ
せたウサギ抗ラットIgG抗体の2,000倍希釈液を
使用したこと、PCA価の測定ではマウス血清の代わり
にラット血清を用いたこと以外は実施例1と同様に行っ
た。結果を表7及び表8に示した。IgE抗体の指標で
あるPCA価は、皮下などに注射投与したG群では平均
±標準偏差は15.2±9.6で、経口投与したH群は
23.2±9.1であり、経口投与群は注射投与群に比
較してばらつきが少なくかつPCA価は高値を示した。
IgG抗体は、100倍希釈血清で測定した値で比較し
たところ、G群では0.625±0.24であるが、H
群は0.84±0.12と均一であった。なお、以下の
表2、表4及び表8のIgG価において「OD」は光学
密度(optical density)である。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】
【表5】
【0022】
【表6】
【0023】
【表7】
【0024】
【表8】
【0025】
【発明の効果】本発明により得られた動物の血清のIg
E抗体価、IgG抗体価は、アジュバントを注射投与し
た動物のそれと比較して均一でばらつきが少ない。ま
た、本発明の動物(特にモルモット、ラット)には、抗
原摂取のみで作成した動物(モルモット、ラット)では
見られない皮膚反応が認められ、アジュバントを注射投
与した動物よりも皮膚反応は顕著である。以上のよう
に、本発明によって、抗原摂取と共にアジュバントを経
口及び/又は吸入投与させることにより、消化管から吸
収された抗原に対する免疫反応が増強され、抗体産生に
関して均一で固体差の少ない動物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 宏 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 河野 博繁 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 池澤 善郎 神奈川県横浜市金沢区能見台通24−8

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗原物質を経口投与し、アジュバントを
    経口投与又は吸入投与して得られ、経口投与された抗原
    物質に対して増強された免疫応答を示すことを特徴とす
    る、ヒトを除く食物アレルギー動物。
JP4210963A 1992-07-15 1992-07-15 食物アレルギー動物 Pending JPH0630674A (ja)

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