JPH06306030A - アミノ酸の光学分割方法 - Google Patents
アミノ酸の光学分割方法Info
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- JPH06306030A JPH06306030A JP9575893A JP9575893A JPH06306030A JP H06306030 A JPH06306030 A JP H06306030A JP 9575893 A JP9575893 A JP 9575893A JP 9575893 A JP9575893 A JP 9575893A JP H06306030 A JPH06306030 A JP H06306030A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phenylglycine
- amino acid
- membrane
- optical resolution
- optically active
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- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 経済的に、そして安定的に操作が出来て、し
かも大量にアミノ酸の光学活性体を得る方法を提供す
る。 【構成】 L−フェニルグリシン縮合物とポリスルホン
樹脂とをブレンドして得られるようなL−フェニルグリ
シン固定化膜を用いて、アミノ酸の光学異性体の混合物
を光学分割して光学活性なアミノ酸を得る。
かも大量にアミノ酸の光学活性体を得る方法を提供す
る。 【構成】 L−フェニルグリシン縮合物とポリスルホン
樹脂とをブレンドして得られるようなL−フェニルグリ
シン固定化膜を用いて、アミノ酸の光学異性体の混合物
を光学分割して光学活性なアミノ酸を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アミノ酸の光学異性体
の混合物を光学分割する新規な方法に関する。
の混合物を光学分割する新規な方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】よく知
られているように同じ化合物でも、その光学異性体は生
体に関する作用が異なることがしばしばあり、アミノ酸
においても生体に普遍的に存在するものはL体であると
考えられてきたが、最近D体も独特の生理作用を持つこ
とが見出されてきており、こうした背景から光学的に純
粋なアミノ酸を調製する技術は医薬、食品等の分野で極
めて重要になってきている。この技術として最もよく用
いられるのは、アミノ酸の光学異性体の混合物をカラム
クロマトグラフィーによって分離する方法であり、この
目的のために既にいくつかの充填剤が開発されている。
しかし、それらは調製のためのコストが高い、充填剤の
安定性が充分でない、大量の光学分割が出来ない等の問
題がある。
られているように同じ化合物でも、その光学異性体は生
体に関する作用が異なることがしばしばあり、アミノ酸
においても生体に普遍的に存在するものはL体であると
考えられてきたが、最近D体も独特の生理作用を持つこ
とが見出されてきており、こうした背景から光学的に純
粋なアミノ酸を調製する技術は医薬、食品等の分野で極
めて重要になってきている。この技術として最もよく用
いられるのは、アミノ酸の光学異性体の混合物をカラム
クロマトグラフィーによって分離する方法であり、この
目的のために既にいくつかの充填剤が開発されている。
しかし、それらは調製のためのコストが高い、充填剤の
安定性が充分でない、大量の光学分割が出来ない等の問
題がある。
【0003】従って、本発明の課題とするところは、経
済的に、そして安定的に操作が出来て、しかも大量にア
ミノ酸の光学活性体を得る方法を提供することである。
済的に、そして安定的に操作が出来て、しかも大量にア
ミノ酸の光学活性体を得る方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、特定の膜を用
いて、アミノ酸の光学異性体の混合物を光学分割する方
法を見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、L−
フェニルグリシン固定化膜を用いて、アミノ酸の光学異
性体の混合物を光学分割することを特徴とするアミノ酸
の光学分割方法を提供するものである。
題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、特定の膜を用
いて、アミノ酸の光学異性体の混合物を光学分割する方
法を見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、L−
フェニルグリシン固定化膜を用いて、アミノ酸の光学異
性体の混合物を光学分割することを特徴とするアミノ酸
の光学分割方法を提供するものである。
【0005】本発明に用いられるL−フェニルグリシン
固定化膜は、L−フェニルグリシンを架橋法によって縮
合して、L−フェニルグリシン縮合物とし、このL−フ
ェニルグリシン縮合物とポリスルホン樹脂等の膜素材と
をブレンドし、必要により硝酸リチウム等の添加剤を加
えた後、N−メチルピロリドン等の溶剤に溶かし、ドー
プをつくり製膜することにより得られる。
固定化膜は、L−フェニルグリシンを架橋法によって縮
合して、L−フェニルグリシン縮合物とし、このL−フ
ェニルグリシン縮合物とポリスルホン樹脂等の膜素材と
をブレンドし、必要により硝酸リチウム等の添加剤を加
えた後、N−メチルピロリドン等の溶剤に溶かし、ドー
プをつくり製膜することにより得られる。
【0006】L−フェニルグリシンを架橋法により縮合
する方法は、具体的にはL−フェニルグリシンとグルタ
ールアルデヒドとを反応させて行う。L−フェニルグリ
シンとグルタールアルデヒドとの混合重量比は1:0.5
〜1:4が好適であり、最も好ましくは1:1〜1:3
である。
する方法は、具体的にはL−フェニルグリシンとグルタ
ールアルデヒドとを反応させて行う。L−フェニルグリ
シンとグルタールアルデヒドとの混合重量比は1:0.5
〜1:4が好適であり、最も好ましくは1:1〜1:3
である。
【0007】本発明において、L−フェニルグリシン縮
合物とブレンドする膜素材としては、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアク
リロニトリル共重合物、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、
セルロースアセテート、セルロースナイトレート等の種
々の有機溶剤に可溶な高分子物質が用いられるが、ポリ
スルホン樹脂が特に好ましい。本発明に用いられるポリ
スルホン樹脂としては、通常の分離膜の素材として用い
られている下記の化学式(I)、(II)又は(III)で表
されるものが挙げられる。
合物とブレンドする膜素材としては、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアク
リロニトリル共重合物、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、
セルロースアセテート、セルロースナイトレート等の種
々の有機溶剤に可溶な高分子物質が用いられるが、ポリ
スルホン樹脂が特に好ましい。本発明に用いられるポリ
スルホン樹脂としては、通常の分離膜の素材として用い
られている下記の化学式(I)、(II)又は(III)で表
されるものが挙げられる。
【0008】
【化1】
【0009】ポリスルホン樹脂等の膜素材とL−フェニ
ルグリシン縮合物との混合は、任意の混合比によって製
膜は可能であるが、光学活性体を選択的に透過させるに
適した膜にするには、L−フェニルグリシン縮合物の混
合割合はポリスルホン樹脂等の膜素材の5〜30重量%が
好適であり、最も好ましいのは10〜20重量%の範囲であ
る。
ルグリシン縮合物との混合は、任意の混合比によって製
膜は可能であるが、光学活性体を選択的に透過させるに
適した膜にするには、L−フェニルグリシン縮合物の混
合割合はポリスルホン樹脂等の膜素材の5〜30重量%が
好適であり、最も好ましいのは10〜20重量%の範囲であ
る。
【0010】本発明の方法の分離対象物となるアミノ酸
としては、アザセリン、アスパラギン、アスパラギン
酸、アミノ酪酸、アラニン、アルギニン、アロイソロイ
シン、アロトレオニン、イソロイシン、エチオニン、オ
ルニチン、カナバニン、カルボキシメチルシステイン、
キヌレニン、グルタミン、グルタミン酸、シスタチオニ
ン、システイン、システイン酸、シスチン、シトルリ
ン、ジヒドロキシフェニルアラニン、セリン、チロキシ
ン、チロシン、トリプトファン、トレオニン、ノルバリ
ン、ノルロイシン、バリン、ヒスチジン、ヒドロキシリ
ジン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、メチオニ
ン、ホモセリン、ランチオニン、リシン、ロイシン等の
各種アミノ酸が挙げられ、広範囲に適用される。
としては、アザセリン、アスパラギン、アスパラギン
酸、アミノ酪酸、アラニン、アルギニン、アロイソロイ
シン、アロトレオニン、イソロイシン、エチオニン、オ
ルニチン、カナバニン、カルボキシメチルシステイン、
キヌレニン、グルタミン、グルタミン酸、シスタチオニ
ン、システイン、システイン酸、シスチン、シトルリ
ン、ジヒドロキシフェニルアラニン、セリン、チロキシ
ン、チロシン、トリプトファン、トレオニン、ノルバリ
ン、ノルロイシン、バリン、ヒスチジン、ヒドロキシリ
ジン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、メチオニ
ン、ホモセリン、ランチオニン、リシン、ロイシン等の
各種アミノ酸が挙げられ、広範囲に適用される。
【0011】本発明のL−フェニルグリシン固定化膜を
用いて、アミノ酸の光学異性体の混合物を光学分割する
場合、膜の形態は平膜、中空糸膜等のいずれでもよい。
そして、膜の片面にアミノ酸のラセミ体溶液を供給し、
圧力をかけることにより膜の反対面に一方の光学異性体
に富んだ溶液を透過させることができ、これを繰り返せ
ば、高純度のアミノ酸の光学活性体が得られる。供給す
るアミノ酸のラセミ体溶液中のラセミ体アミノ酸の濃度
は 0.1〜20 mol/m3、操作圧力は0.05〜2MPa(メガパ
スカル)の範囲が好ましい。
用いて、アミノ酸の光学異性体の混合物を光学分割する
場合、膜の形態は平膜、中空糸膜等のいずれでもよい。
そして、膜の片面にアミノ酸のラセミ体溶液を供給し、
圧力をかけることにより膜の反対面に一方の光学異性体
に富んだ溶液を透過させることができ、これを繰り返せ
ば、高純度のアミノ酸の光学活性体が得られる。供給す
るアミノ酸のラセミ体溶液中のラセミ体アミノ酸の濃度
は 0.1〜20 mol/m3、操作圧力は0.05〜2MPa(メガパ
スカル)の範囲が好ましい。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、例中の部は特記しない限り重量基準であ
る。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、例中の部は特記しない限り重量基準であ
る。
【0013】実施例1 L−フェニルグリシン 0.5重量%水溶液0.4dm3に 2.5重
量%のグルタールアルデヒド水溶液0.1dm3を加え、37℃
で20時間攪拌し架橋縮合させた。得られた不溶物は、L
−フェニルグリシン縮合物である。次に、前記の式
(I)で表される繰り返し単位をもつユニオンカーバイ
ド社製ポリスルホン樹脂(P−1700)1部、試薬特級N−
メチルピロリドン5部、試薬特級硝酸リチウム 0.2部、
L−フェニルグリシン縮合物 0.1部をポリエチレン容器
に入れ、密栓をしたまま室温で24時間振盪させ、完全に
溶解したドープを得た。ドープはそのまま静置し、脱泡
を行った。図1に示すように、四辺にビニールテープ2
を貼り、水平に置かれたガラス板1上に脱泡されたドー
プ3を注ぎ、円筒状ガラス棒4を用いてビニールテープ
2をガイドとして流延し、余分なドープを取り除いた。
直ちにガラス板ごと60℃に保たれた熱風乾燥器に移し約
1時間乾燥させた。その後、これを4℃の蒸留水槽に浸
漬し、脱溶媒、ゲル化を行い、L−フェニルグリシン固
定化膜を得た。得られた膜の厚みは 227μm 、体積含水
率は0.68であった。
量%のグルタールアルデヒド水溶液0.1dm3を加え、37℃
で20時間攪拌し架橋縮合させた。得られた不溶物は、L
−フェニルグリシン縮合物である。次に、前記の式
(I)で表される繰り返し単位をもつユニオンカーバイ
ド社製ポリスルホン樹脂(P−1700)1部、試薬特級N−
メチルピロリドン5部、試薬特級硝酸リチウム 0.2部、
L−フェニルグリシン縮合物 0.1部をポリエチレン容器
に入れ、密栓をしたまま室温で24時間振盪させ、完全に
溶解したドープを得た。ドープはそのまま静置し、脱泡
を行った。図1に示すように、四辺にビニールテープ2
を貼り、水平に置かれたガラス板1上に脱泡されたドー
プ3を注ぎ、円筒状ガラス棒4を用いてビニールテープ
2をガイドとして流延し、余分なドープを取り除いた。
直ちにガラス板ごと60℃に保たれた熱風乾燥器に移し約
1時間乾燥させた。その後、これを4℃の蒸留水槽に浸
漬し、脱溶媒、ゲル化を行い、L−フェニルグリシン固
定化膜を得た。得られた膜の厚みは 227μm 、体積含水
率は0.68であった。
【0014】前記で得られた平膜を直径75mmφ(有効膜
面積28.3cm2)に切り、先ず純水での透過性能を測定し
た。膜性能の測定は、図2に示す電磁攪拌式平膜試験機
(セル容量300ml)を用いて行った。即ち、図2に示す電
磁攪拌式平膜試験機に膜13をセットし、セル8内にイオ
ン交換された純水を入れ、窒素ボンベからの窒素ガスを
入口7から導入し、圧力0.6MPaに制御して、純水の透過
性能を測定した。水温は37℃であった。なお、図2にお
いて、5は試験溶液入口、6は圧力計、9は温調水入
口、10は電磁攪拌装置、11はバルブ、12は攪拌機、14は
膜透過液、15は透過液ボトルである。その結果、この膜
の純水透過係数は1.61×10-7m3/m2・MPa・secであっ
た。
面積28.3cm2)に切り、先ず純水での透過性能を測定し
た。膜性能の測定は、図2に示す電磁攪拌式平膜試験機
(セル容量300ml)を用いて行った。即ち、図2に示す電
磁攪拌式平膜試験機に膜13をセットし、セル8内にイオ
ン交換された純水を入れ、窒素ボンベからの窒素ガスを
入口7から導入し、圧力0.6MPaに制御して、純水の透過
性能を測定した。水温は37℃であった。なお、図2にお
いて、5は試験溶液入口、6は圧力計、9は温調水入
口、10は電磁攪拌装置、11はバルブ、12は攪拌機、14は
膜透過液、15は透過液ボトルである。その結果、この膜
の純水透過係数は1.61×10-7m3/m2・MPa・secであっ
た。
【0015】次に、上記膜を用いてラセミ体フェニルグ
リシンの光学分割を行った。即ち、ラセミ体フェニルグ
リシンの2mol/m3水溶液を原液としてセル8内に充填
し、圧力は窒素ガスにより0.2MPa、液温度は37℃に保持
した。その結果、膜13を透過する体積流束Jv は2.83×
10-8m3/m2・sec 、透過液中のD−フェニルグリシン
の溶質流束JiDは13.5×10-9mol/m2・sec 、L−フェ
ニルグリシンの溶質流束JiLは1.58×10-9mol/m2・se
c であった。以上の結果を表1にまとめて示した。な
お、光学活性体の濃度測定はダイセル化学工業(株)製
HPLCカラム・クラウンパックCR(+)を用いて行
った。操作条件としては、カラム温度は室温、移動相は
過塩素酸水溶液(pH=1.5 に調整)、流量は 0.6ml/mi
n 、検出器はUV(λ=210nm)である。
リシンの光学分割を行った。即ち、ラセミ体フェニルグ
リシンの2mol/m3水溶液を原液としてセル8内に充填
し、圧力は窒素ガスにより0.2MPa、液温度は37℃に保持
した。その結果、膜13を透過する体積流束Jv は2.83×
10-8m3/m2・sec 、透過液中のD−フェニルグリシン
の溶質流束JiDは13.5×10-9mol/m2・sec 、L−フェ
ニルグリシンの溶質流束JiLは1.58×10-9mol/m2・se
c であった。以上の結果を表1にまとめて示した。な
お、光学活性体の濃度測定はダイセル化学工業(株)製
HPLCカラム・クラウンパックCR(+)を用いて行
った。操作条件としては、カラム温度は室温、移動相は
過塩素酸水溶液(pH=1.5 に調整)、流量は 0.6ml/mi
n 、検出器はUV(λ=210nm)である。
【0016】
【表1】
【0017】実施例2 L−フェニルグリシンとグルタルアルデヒドの混合比及
びそれより縮合物を得る方法は、実施例1と同様にして
L−フェニルグリシン縮合物を得た。このL−フェニル
グリシン縮合物と実施例1と同じポリスルホン樹脂 P−
1700を用い、ドープの調合比をポリスルホン樹脂/溶剤
N−メチルピロリドン/添加剤硝酸リチウム/L−フェ
ニルグリシン縮合物の重量比で1/5/0.2/0.1とし、
ドープ調製法、製膜法は実施例1と同様に行ってL−フ
ェニルグリシン固定化膜を得た。得られた膜を用い、実
施例1と同様にして、ラセミ体アミノ酸であるフェニル
アラニンについて、光学分割を実施した。供給するラセ
ミ体フェニルアラニン水溶液の濃度2mol/m3、圧力0.
2MPa、温度37℃の条件下で光学分割を行ったところ、体
積流束Jv は3.13×10-8m3/m2・sec 、透過液中のD
−フェニルアラニンの溶質流束JiDは1.93×10-9mol/
m2・sec 、L−フェニルアラニンの溶質流束JiLは0.4
9×10-9mol/m2・sec であった。以上の結果を表2に
まとめて示した。なお、光学活性体の濃度測定は実施例
1と同様に行った。
びそれより縮合物を得る方法は、実施例1と同様にして
L−フェニルグリシン縮合物を得た。このL−フェニル
グリシン縮合物と実施例1と同じポリスルホン樹脂 P−
1700を用い、ドープの調合比をポリスルホン樹脂/溶剤
N−メチルピロリドン/添加剤硝酸リチウム/L−フェ
ニルグリシン縮合物の重量比で1/5/0.2/0.1とし、
ドープ調製法、製膜法は実施例1と同様に行ってL−フ
ェニルグリシン固定化膜を得た。得られた膜を用い、実
施例1と同様にして、ラセミ体アミノ酸であるフェニル
アラニンについて、光学分割を実施した。供給するラセ
ミ体フェニルアラニン水溶液の濃度2mol/m3、圧力0.
2MPa、温度37℃の条件下で光学分割を行ったところ、体
積流束Jv は3.13×10-8m3/m2・sec 、透過液中のD
−フェニルアラニンの溶質流束JiDは1.93×10-9mol/
m2・sec 、L−フェニルアラニンの溶質流束JiLは0.4
9×10-9mol/m2・sec であった。以上の結果を表2に
まとめて示した。なお、光学活性体の濃度測定は実施例
1と同様に行った。
【0018】
【表2】
【0019】実施例3 実施例1記載の膜を用いて、ラセミ体DOPA(3,4−ジ
ヒドロキシフェニルアラニン) の光学分割を実施した。
供給するラセミ体DOPA水溶液の濃度2mol/m3、圧
力0.5MPa、温度37℃の条件下で光学分割を行ったとこ
ろ、体積流束Jv は3.13×10-8m3/m2・sec 、透過液
中のD−DOPAの溶質流束JiDは7.56×10-9mol/m2
・sec 、L−DOPAの溶質流束JiLは1.73×10-9mol
/m2・sec であった。以上の結果を表3にまとめて示
した。なお、光学活性体の濃度測定は実施例1と同様に
行った。
ヒドロキシフェニルアラニン) の光学分割を実施した。
供給するラセミ体DOPA水溶液の濃度2mol/m3、圧
力0.5MPa、温度37℃の条件下で光学分割を行ったとこ
ろ、体積流束Jv は3.13×10-8m3/m2・sec 、透過液
中のD−DOPAの溶質流束JiDは7.56×10-9mol/m2
・sec 、L−DOPAの溶質流束JiLは1.73×10-9mol
/m2・sec であった。以上の結果を表3にまとめて示
した。なお、光学活性体の濃度測定は実施例1と同様に
行った。
【0020】
【表3】
【0021】実施例4 実施例1で得られた膜を用い、実施例1の要領でラセミ
体p−ヒドロキシフェニルグリシンの光学分割を実施し
た。供給するラセミ体p−ヒドロキシフェニルグリシン
水溶液の濃度2mol/m3、圧力0.2MPa、温度37℃の条件
下で光学分割を行ったところ、体積流束Jv は3.29×10
-8m3/m2・sec 、透過液中のD−p−ヒドロキシフェ
ニルグリシンの溶質流束JiDは2.35×10-9mol/m2・se
c 、L−p−ヒドロキシフェニルグリシンの溶質流束J
iLは1.31×10-9mol/m2・sec であった。以上の結果を
表4にまとめて示した。なお、光学活性体の濃度測定は
実施例1と同様に行った。
体p−ヒドロキシフェニルグリシンの光学分割を実施し
た。供給するラセミ体p−ヒドロキシフェニルグリシン
水溶液の濃度2mol/m3、圧力0.2MPa、温度37℃の条件
下で光学分割を行ったところ、体積流束Jv は3.29×10
-8m3/m2・sec 、透過液中のD−p−ヒドロキシフェ
ニルグリシンの溶質流束JiDは2.35×10-9mol/m2・se
c 、L−p−ヒドロキシフェニルグリシンの溶質流束J
iLは1.31×10-9mol/m2・sec であった。以上の結果を
表4にまとめて示した。なお、光学活性体の濃度測定は
実施例1と同様に行った。
【0022】
【表4】
【0023】
【発明の効果】光学活性なアミノ酸は、食品、医薬品用
途に需要が多い。従って、本発明の方法によってラセミ
体アミノ酸から、経済的に、かつ大量に、光学活性アミ
ノ酸が得られるメリットはきわめて大きい。
途に需要が多い。従って、本発明の方法によってラセミ
体アミノ酸から、経済的に、かつ大量に、光学活性アミ
ノ酸が得られるメリットはきわめて大きい。
【図1】ドープをガラス板上に流延する際の要領を示し
た斜視図である。
た斜視図である。
【図2】膜の純水透水速度やラセミ体アミノ酸溶液の光
学分割能の測定に用いられる電磁攪拌式平膜試験機の断
面図である。
学分割能の測定に用いられる電磁攪拌式平膜試験機の断
面図である。
1 ガラス板 2 ビニールテープ 3 ドープ 4 円筒状ガラス棒 5 試験溶液入口 6 圧力計 7 窒素ガス入口 8 セル 9 温調水入口 10 電磁攪拌装置 11 バルブ 12 攪拌機 13 試験膜 14 膜透過液 15 透過液ボトル
Claims (2)
- 【請求項1】 L−フェニルグリシン固定化膜を用い
て、アミノ酸の光学異性体の混合物を光学分割すること
を特徴とするアミノ酸の光学分割方法。 - 【請求項2】 L−フェニルグリシン固定化膜が、L−
フェニルグリシン縮合物とポリスルホン樹脂とをブレン
ドして得られたものである請求項1記載のアミノ酸の光
学分割方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9575893A JPH06306030A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | アミノ酸の光学分割方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9575893A JPH06306030A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | アミノ酸の光学分割方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06306030A true JPH06306030A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14146393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9575893A Pending JPH06306030A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | アミノ酸の光学分割方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06306030A (ja) |
-
1993
- 1993-04-22 JP JP9575893A patent/JPH06306030A/ja active Pending
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