JPH06305498A - 熱防護システム - Google Patents
熱防護システムInfo
- Publication number
- JPH06305498A JPH06305498A JP5094453A JP9445393A JPH06305498A JP H06305498 A JPH06305498 A JP H06305498A JP 5094453 A JP5094453 A JP 5094453A JP 9445393 A JP9445393 A JP 9445393A JP H06305498 A JPH06305498 A JP H06305498A
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- Japan
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- heat insulating
- heat
- insulating material
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Abstract
(57)【要約】
【目的】優れた断熱特性を有する熱防護システムを提供
すること。 【構成】機体主構造部3と耐熱パネル1との間にボード
状断熱材4とフェルト状断熱材5、反射フォイル積層断
熱材6とを挾んでポスト2で締結する。ここで、反射フ
ォイル積層断熱材6は、反射フォイル8とセラミックス
織物9を交互に複数枚積層したものである。 【効果】耐熱パネル1側では単体のボード状断熱材4を
用い、機体主構造部3側には低温用の反射フォイル8と
セラミックス織物9とを複数枚積層した反射フォイル積
層断熱材6を用いており、ここで、セラミックス織物9
を積層したことにより、相互間に微細な空隙が確保され
るため、優れた真空断熱効果及び輻射遮蔽効果が得られ
る。
すること。 【構成】機体主構造部3と耐熱パネル1との間にボード
状断熱材4とフェルト状断熱材5、反射フォイル積層断
熱材6とを挾んでポスト2で締結する。ここで、反射フ
ォイル積層断熱材6は、反射フォイル8とセラミックス
織物9を交互に複数枚積層したものである。 【効果】耐熱パネル1側では単体のボード状断熱材4を
用い、機体主構造部3側には低温用の反射フォイル8と
セラミックス織物9とを複数枚積層した反射フォイル積
層断熱材6を用いており、ここで、セラミックス織物9
を積層したことにより、相互間に微細な空隙が確保され
るため、優れた真空断熱効果及び輻射遮蔽効果が得られ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、宇宙往還機の外被に用
いて空力加熱による温度上昇を防ぐ熱防護システムに関
する。なお、ここでいう熱防護システムとは、最高温度
が1300℃以下の宇宙往還機の胴体一般部で、機体及
び搭載機器の機能低下を防ぎ、機体の損傷を防ぐために
使用するものをいう。
いて空力加熱による温度上昇を防ぐ熱防護システムに関
する。なお、ここでいう熱防護システムとは、最高温度
が1300℃以下の宇宙往還機の胴体一般部で、機体及
び搭載機器の機能低下を防ぎ、機体の損傷を防ぐために
使用するものをいう。
【0002】
【従来の技術】スペースシャトルなどとも呼ばれる宇宙
往還機は、大気圏に再突入する際に極めて高い空力加熱
を受ける。このとき加熱を受けている時間は、宇宙往還
機の再突入時の軌道によって異なるが、一般に15〜2
5分間継続する。
往還機は、大気圏に再突入する際に極めて高い空力加熱
を受ける。このとき加熱を受けている時間は、宇宙往還
機の再突入時の軌道によって異なるが、一般に15〜2
5分間継続する。
【0003】また、このときの空力加熱率は宇宙往還機
の各部で異なり、機首(ノーズコーン)及び翼前縁(リー
ディングエッジ)で最も高く、翼の下面及び機体の側部
がそれに次ぐが、ここにおいてもかなりの局部加熱を受
ける。
の各部で異なり、機首(ノーズコーン)及び翼前縁(リー
ディングエッジ)で最も高く、翼の下面及び機体の側部
がそれに次ぐが、ここにおいてもかなりの局部加熱を受
ける。
【0004】図5は、宇宙往還機が大気圏に再突入した
ときの空力加熱による機体表面温度の一例を示したもの
で、ノーズコーンでは最高温度Tmax1550℃、リー
ディングエッジでは最高温度Tmax1700℃に達す
る。
ときの空力加熱による機体表面温度の一例を示したもの
で、ノーズコーンでは最高温度Tmax1550℃、リー
ディングエッジでは最高温度Tmax1700℃に達す
る。
【0005】次に、図6は、大気圏再突入時の宇宙往還
機の耐熱パネルの温度履歴の一例を示したものであり、
図7は、大気圏再突入時の圧力条件を示したものであ
る。そして、この図7から、大気圏再突入時にはほぼ真
空環境であることが判る。
機の耐熱パネルの温度履歴の一例を示したものであり、
図7は、大気圏再突入時の圧力条件を示したものであ
る。そして、この図7から、大気圏再突入時にはほぼ真
空環境であることが判る。
【0006】このような熱防護システムの従来例として
は、例えば特開平1−202600号公報では、反射フ
ォイルとセラミックス繊維を積層した多層断熱材につい
て提案しており、さらに、この公報では、特に耐熱パネ
ル側(高温側)で機体主構造部側(低温側)より多数の反射
フォイルを使用した多層断熱材も示されている。
は、例えば特開平1−202600号公報では、反射フ
ォイルとセラミックス繊維を積層した多層断熱材につい
て提案しており、さらに、この公報では、特に耐熱パネ
ル側(高温側)で機体主構造部側(低温側)より多数の反射
フォイルを使用した多層断熱材も示されている。
【0007】そして、この従来例では、反射フォイルと
して、 a) 使用可能の最低密度の金属フォイル、例えば約55
0℃までの温度で5μm強のアルミフォイル、約900
℃までで、5μm強の金又は銅のフォイルか25μm強
のニッケルフォイル、及び約1350℃までの温度で、
30μm強の白金被覆TZMフォイル。
して、 a) 使用可能の最低密度の金属フォイル、例えば約55
0℃までの温度で5μm強のアルミフォイル、約900
℃までで、5μm強の金又は銅のフォイルか25μm強
のニッケルフォイル、及び約1350℃までの温度で、
30μm強の白金被覆TZMフォイル。
【0008】b) 被覆又はイオン・プランテーションで
特別に作成した表面を有する使用可能な最低密度の金属
フォイル。
特別に作成した表面を有する使用可能な最低密度の金属
フォイル。
【0009】c) 使用できる最低密度の金属被覆した支
持フォイル、例えば400℃の温度までアルミ表面処理
したカプトン及びより高温で貴金属蒸着(Au又はPt
類)ガラス繊維とセラミックス繊維。
持フォイル、例えば400℃の温度までアルミ表面処理
したカプトン及びより高温で貴金属蒸着(Au又はPt
類)ガラス繊維とセラミックス繊維。
【0010】が使用されており、このほか、これらから
なる多層断熱材のバケットの高温側では、低温側より多
数の輻射フォイルを配設している点についても開示して
いる。
なる多層断熱材のバケットの高温側では、低温側より多
数の輻射フォイルを配設している点についても開示して
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、耐熱
パネル側で機体主構造部側より多数の反射フォイルを使
用しているが、表面が約1300℃の高温に達する耐熱
パネル側では輻射による伝熱量が多くなってしまう点に
ついて配慮がされておらず、反射フォイルを使用しても
効率的な断熱効果が得られないという問題があった。
パネル側で機体主構造部側より多数の反射フォイルを使
用しているが、表面が約1300℃の高温に達する耐熱
パネル側では輻射による伝熱量が多くなってしまう点に
ついて配慮がされておらず、反射フォイルを使用しても
効率的な断熱効果が得られないという問題があった。
【0012】また、従来技術では、セラミックス繊維と
反射フォイルを積層する際、繊維とフォイルが密着する
ことにより熱伝導量が大きくなってしまう点についても
配慮がされておらず、やはり効率的な断熱効果が得られ
ないという問題があった。本発明の目的は、効率的な断
熱特性を有する熱防護システムを提供することにある。
反射フォイルを積層する際、繊維とフォイルが密着する
ことにより熱伝導量が大きくなってしまう点についても
配慮がされておらず、やはり効率的な断熱効果が得られ
ないという問題があった。本発明の目的は、効率的な断
熱特性を有する熱防護システムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、耐熱パネル側には断熱材単体を配置し、機体主構造
部側には反射フォイルとセラミックス織物とを交互に複
数枚重ねた反射フォイル積層断熱材を配置したものであ
り、さらには、断熱層全体をボード状断熱材の箱で一体
化したものである。ここで、セラミックス織物とは、セ
ラミックスの繊維で出来た糸を織ったり、編んだりして
布状にしたものである。
に、耐熱パネル側には断熱材単体を配置し、機体主構造
部側には反射フォイルとセラミックス織物とを交互に複
数枚重ねた反射フォイル積層断熱材を配置したものであ
り、さらには、断熱層全体をボード状断熱材の箱で一体
化したものである。ここで、セラミックス織物とは、セ
ラミックスの繊維で出来た糸を織ったり、編んだりして
布状にしたものである。
【0014】
【作用】耐熱パネルの表面が空力加熱を受けると、耐熱
パネルと機体主構造部との間に設置された断熱層による
断熱作用が働くが、このとき、耐熱パネル側では断熱材
単体により断熱され、機体主構造部側ではセラミックス
織物と反射フォイルを積層した反射フォイル積層断熱材
で断熱されることになる。
パネルと機体主構造部との間に設置された断熱層による
断熱作用が働くが、このとき、耐熱パネル側では断熱材
単体により断熱され、機体主構造部側ではセラミックス
織物と反射フォイルを積層した反射フォイル積層断熱材
で断熱されることになる。
【0015】ここで、セラミックス織物は、セラミック
ス繊維の糸を織ったり編んだりして布状にしたもので、
織り目や編み目があるため、糸の間に充分な空隙が確保
されており、この結果、反射フォイル積層断熱材では、
反射フォイルの輻射遮蔽効果と、セラミックス織物と反
射フォイルとの間に存在する空隙による真空断熱効果に
より断熱され、従って、充分な断熱効果を容易に与える
ことができる。
ス繊維の糸を織ったり編んだりして布状にしたもので、
織り目や編み目があるため、糸の間に充分な空隙が確保
されており、この結果、反射フォイル積層断熱材では、
反射フォイルの輻射遮蔽効果と、セラミックス織物と反
射フォイルとの間に存在する空隙による真空断熱効果に
より断熱され、従って、充分な断熱効果を容易に与える
ことができる。
【0016】このときの輻射遮蔽効果は、反射フォイル
を用いる場合の伝熱量として、次式で示される。
を用いる場合の伝熱量として、次式で示される。
【0017】
【数1】
【0018】 ここに、q/A:単位面積あたりの伝熱量 σ:ステファン・ボルツマン定数 T1:高温側断熱材の温度 T2:低温側断熱材の温度 ε1:断熱材の輻射率 ε3:反射フォイルの輻射率 また、熱抵抗Rは、R= 1/ε1+1/ε3−1で表わさ
れる。
れる。
【0019】一般に、金属の輻射率は高温になると大き
くなるため、熱抵抗としては小さくなって断熱効果は低
下するが、他方、低温においては輻射率の非常に小さい
金属を利用できるため、熱抵抗は大きくでき、優れた断
熱効果が得られる。
くなるため、熱抵抗としては小さくなって断熱効果は低
下するが、他方、低温においては輻射率の非常に小さい
金属を利用できるため、熱抵抗は大きくでき、優れた断
熱効果が得られる。
【0020】真空断熱効果は、2平面間の伝熱量とし
て、次式で表わされる。
て、次式で表わされる。
【0021】
【数2】
【0022】 ここに、q/A:単位面積あたりの伝熱量 σ:ステファン・ボルツマン定数 T1:高温側断熱材の温度 T2:低温側断熱材の温度 ε1:高温側断熱材の輻射率 ε2:低温側断熱材の輻射率 また、熱抵抗Rは、R= 1/ε1+1/ε2−1で表わさ
れる。
れる。
【0023】伝熱量は、高温になるほど指数関数的に大
きくなるため、低温側での真空断熱効果が効果的であ
る。
きくなるため、低温側での真空断熱効果が効果的であ
る。
【0024】以上のように、機体主構造部側では、反射
フォイルの輻射率が小さいため、輻射遮蔽効果が大き
く、且つ輻射エネルギも小さくなるため、優れた断熱特
性が得られる。
フォイルの輻射率が小さいため、輻射遮蔽効果が大き
く、且つ輻射エネルギも小さくなるため、優れた断熱特
性が得られる。
【0025】さらに、機体主構造部と断熱層との間に空
間層を設けることにより、真空断熱効果が得られ、熱防
護システムとしての断熱特性の向上が図れる。
間層を設けることにより、真空断熱効果が得られ、熱防
護システムとしての断熱特性の向上が図れる。
【0026】
【実施例】以下、本発明による熱防護システムについ
て、図示の実施例により詳細に説明する。図1は、本発
明による熱防護システムの一実施例で、(a)は平面図、
(b)はAA断面図、そして(c)はA部の詳細拡大図で、こ
れらの図において、宇宙往還機の機体主構造部3の上
に、断熱材ボックス7、ボード状断熱材4、フェルト状
断熱材5、反射フォイル積層断熱層6を順次配置し、さ
らに表面に耐熱パネル1を配置し、これらをファスナ1
6、13及びポスト2で機体主構造部3へ締結する構造
となっている。
て、図示の実施例により詳細に説明する。図1は、本発
明による熱防護システムの一実施例で、(a)は平面図、
(b)はAA断面図、そして(c)はA部の詳細拡大図で、こ
れらの図において、宇宙往還機の機体主構造部3の上
に、断熱材ボックス7、ボード状断熱材4、フェルト状
断熱材5、反射フォイル積層断熱層6を順次配置し、さ
らに表面に耐熱パネル1を配置し、これらをファスナ1
6、13及びポスト2で機体主構造部3へ締結する構造
となっている。
【0027】反射フォイル積層断熱材6は本発明が特徴
とする部分で、図1の(c)に示すように、反射フォイル
8及びセラミックス織物9を交互に複数枚重ねて作られ
ている。
とする部分で、図1の(c)に示すように、反射フォイル
8及びセラミックス織物9を交互に複数枚重ねて作られ
ている。
【0028】次に、この実施例による熱防護システムの
断熱特性を評価する断熱特性評価試験結果について説明
する。図2は、このとき用いた供試体の構成例を示した
もので、まず(a)に示す供試体Aは、板厚15mmのC/
C材(カーボン/カーボン複合材)からなる耐熱パネル1
と、厚さ20μm の金メッキしたSUS(ステンレス鋼)
材からなる反射フォイル10、厚さ30mmで商品名がサ
フィル スーパーファイヤボード(太陽ケミカル株式会社
製)と呼ばれている部材からなるボード状断熱材4、反
射フォイル10と同じ部材からなる反射フォイル11、
厚さ16mmで商品名がサフィル低密度マット(Imperial
Chemical Industries製)と呼ばれている部材からなるフ
ェルト状断熱材5、厚さ15μm のアルミ箔と厚さ0.
5mmで商品名がマリンテックス0.5A 綾織りクロス
(ニチアス株式会社製)と呼ばれている部材との積層部体
からなる反射フォイル積層断熱材6、厚さ5mmの商品名
がイビウール(イビデン株式会社製)と呼ばれている材料
のモールド品からなる断熱材ボックス7、それに機体主
構造部3の順に積層したものである。
断熱特性を評価する断熱特性評価試験結果について説明
する。図2は、このとき用いた供試体の構成例を示した
もので、まず(a)に示す供試体Aは、板厚15mmのC/
C材(カーボン/カーボン複合材)からなる耐熱パネル1
と、厚さ20μm の金メッキしたSUS(ステンレス鋼)
材からなる反射フォイル10、厚さ30mmで商品名がサ
フィル スーパーファイヤボード(太陽ケミカル株式会社
製)と呼ばれている部材からなるボード状断熱材4、反
射フォイル10と同じ部材からなる反射フォイル11、
厚さ16mmで商品名がサフィル低密度マット(Imperial
Chemical Industries製)と呼ばれている部材からなるフ
ェルト状断熱材5、厚さ15μm のアルミ箔と厚さ0.
5mmで商品名がマリンテックス0.5A 綾織りクロス
(ニチアス株式会社製)と呼ばれている部材との積層部体
からなる反射フォイル積層断熱材6、厚さ5mmの商品名
がイビウール(イビデン株式会社製)と呼ばれている材料
のモールド品からなる断熱材ボックス7、それに機体主
構造部3の順に積層したものである。
【0029】次に(b)に示す供試体Bは、供試体Aから
反射フォイル10、11と反射フォイル積層断熱材6を
除いた構成となっており、さらに(c)に示す供試体C
は、供試体Aから耐熱パネル1側の反射フォイル10、
11を除いた構成となっているものである。なお、全体
の積層厚さは全て同一に作られている。
反射フォイル10、11と反射フォイル積層断熱材6を
除いた構成となっており、さらに(c)に示す供試体C
は、供試体Aから耐熱パネル1側の反射フォイル10、
11を除いた構成となっているものである。なお、全体
の積層厚さは全て同一に作られている。
【0030】表1に、上記供試体A、B、Cの試験結果
を示す。
を示す。
【0031】
【表1】
【0032】この試験結果は、加熱開始25分後の機体
主構造部の温度及び加熱終了後のオーバーシュートを含
む機体主構造部の最高温度を示したものである。
主構造部の温度及び加熱終了後のオーバーシュートを含
む機体主構造部の最高温度を示したものである。
【0033】この試験結果から明らかなように、反射フ
ォイル積層断熱材6を使用していない供試体Bに比し
て、反射フォイル積層断熱材6を使用している供試体C
は、25分後及び最高温度ともに断熱効果に優れてい
る。
ォイル積層断熱材6を使用していない供試体Bに比し
て、反射フォイル積層断熱材6を使用している供試体C
は、25分後及び最高温度ともに断熱効果に優れてい
る。
【0034】また、供試体Cに反射フォイル10、11
を追加した構造になっている供試体Aは、25分後では
供試体Cよりも断熱特性が良好であるが、最高温度で比
較すれば断熱特性の差は小さく、従って、反射フォイル
を機体主構造部側に集中させることが効率的であること
が分かる。
を追加した構造になっている供試体Aは、25分後では
供試体Cよりも断熱特性が良好であるが、最高温度で比
較すれば断熱特性の差は小さく、従って、反射フォイル
を機体主構造部側に集中させることが効率的であること
が分かる。
【0035】図3は、この実施例における締結部を拡大
して示した断面図で、機体主構造部側のファスナ13の
部分に、セラミックス或いはC/C材から作られている
断熱座12を挟み、機体主構造部3と断熱材ボックス7
との間に空間を設け、真空断熱効果を得ている。さら
に、上記ファスナ13部分には、チタン合金製の熱拡散
用金属板14を挟み、これによりファスナ/ポストから
の入熱を拡散し、温度の上昇を防いでいる。
して示した断面図で、機体主構造部側のファスナ13の
部分に、セラミックス或いはC/C材から作られている
断熱座12を挟み、機体主構造部3と断熱材ボックス7
との間に空間を設け、真空断熱効果を得ている。さら
に、上記ファスナ13部分には、チタン合金製の熱拡散
用金属板14を挟み、これによりファスナ/ポストから
の入熱を拡散し、温度の上昇を防いでいる。
【0036】ここで断熱層となるボード状断熱材4とフ
ェルト状断熱材5、反射フォイル積層断熱材6、それに
断熱材ボックス7は一体化されており、組立ての簡便化
のためにポスト部分を繰り抜いた構造にしてある。そし
て、ポスト2の周囲にはフェルト状断熱材15を充填
し、これによりポスト2からの入熱を周囲へ伝熱させ、
機体主構造部3の温度上昇を防ぐことができる。
ェルト状断熱材5、反射フォイル積層断熱材6、それに
断熱材ボックス7は一体化されており、組立ての簡便化
のためにポスト部分を繰り抜いた構造にしてある。そし
て、ポスト2の周囲にはフェルト状断熱材15を充填
し、これによりポスト2からの入熱を周囲へ伝熱させ、
機体主構造部3の温度上昇を防ぐことができる。
【0037】反射フォイル積層断熱材6は、10〜20
μmのアルミフォイルと厚さ0.5〜1.5mmのセラミ
ックス織物を交互に5〜10枚積層したものである。そ
して、この断熱材6の上にはフェルト状断熱材4を設
け、その上にボード状断熱材4をもうけてある。
μmのアルミフォイルと厚さ0.5〜1.5mmのセラミ
ックス織物を交互に5〜10枚積層したものである。そ
して、この断熱材6の上にはフェルト状断熱材4を設
け、その上にボード状断熱材4をもうけてある。
【0038】ファスナ16は、ポスト2に設けられたメ
ネジに締結するようになっており、耐熱パネル1とポス
ト2との間にはセラミックス或いはC/C材製の断熱座
17で断熱してある。
ネジに締結するようになっており、耐熱パネル1とポス
ト2との間にはセラミックス或いはC/C材製の断熱座
17で断熱してある。
【0039】図4は、本発明による熱防護システムの一
実施例の組立て鳥瞰図を示したもので、機体主構造部3
の上に断熱材12及び熱拡散用金属板14を置き、機体
主構造部と断熱材層との間に空間を確保している。そし
て、個の熱拡散用金属板14は、断熱材ボックス7の4
個のコーナー部を固定する金具としての構造も兼ねてお
り、これにより断熱材ボックス7が確実に保持され、従
って、この実施例によれば、振動や衝撃等に対する安定
性が充分に確保できる。
実施例の組立て鳥瞰図を示したもので、機体主構造部3
の上に断熱材12及び熱拡散用金属板14を置き、機体
主構造部と断熱材層との間に空間を確保している。そし
て、個の熱拡散用金属板14は、断熱材ボックス7の4
個のコーナー部を固定する金具としての構造も兼ねてお
り、これにより断熱材ボックス7が確実に保持され、従
って、この実施例によれば、振動や衝撃等に対する安定
性が充分に確保できる。
【0040】また、この実施例によれば、断熱材が断熱
材ボックスとボード状断熱材で完全に一体化されている
ため取扱いや装着が容易である。
材ボックスとボード状断熱材で完全に一体化されている
ため取扱いや装着が容易である。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、次の如き効果が達せら
れる。
れる。
【0042】 反射フォイルとセラミックス織物の積
層により、相互の間に微細な空隙を確保するため、優れ
た真空断熱効果及び輻射遮蔽効果が得られる。
層により、相互の間に微細な空隙を確保するため、優れ
た真空断熱効果及び輻射遮蔽効果が得られる。
【0043】 上記断熱材層が機体主構造部側に集中
して配置されているため、有効な断熱効果が得られる。
して配置されているため、有効な断熱効果が得られる。
【図1】本発明による熱防護システムの一実施例を示す
説明図である。
説明図である。
【図2】本発明による熱防護システムの断熱特性評価試
験に使用した供試体の説明図である。
験に使用した供試体の説明図である。
【図3】本発明の一実施例における締結部の拡大断面図
である。
である。
【図4】本発明の一実施例の組立て鳥瞰図である。
【図5】大気圏再突入時での空力加熱による宇宙往還機
の機体表面温度の一例を示す説明図である。
の機体表面温度の一例を示す説明図である。
【図6】大気圏再突入時での宇宙往還機の耐熱パネルが
受ける温度履歴の一例を示す特性図である。
受ける温度履歴の一例を示す特性図である。
【図7】大気圏再突入時での宇宙往還機が受ける圧力変
化の一例を示す特性図である。
化の一例を示す特性図である。
1 耐熱パネル 2 ポスト 3 機体主構造部 4 ボード状断熱材 5 フェルト状断熱材 6 反射フォイル積層断熱材 7 断熱材ボックス 8 反射フォイル 9 セラミックス織物 10、11 反射フォイル 12 断熱座 13 ファスナ 14 熱拡散用金属板 15 フェルト状断熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 児島 慶享 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 山口 静 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 吉岡 孝利 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 吉田 武彦 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 服部 敏雄 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 森野 美樹 茨城県つくば市千現2丁目1番地の1 宇 宙開発事業団筑波宇宙センター内 (72)発明者 芳仲 敏成 茨城県つくば市千現2丁目1番地の1 宇 宙開発事業団筑波宇宙センター内
Claims (7)
- 【請求項1】 耐熱パネルと機体主構造部との間に少な
くとも2層の断熱層を備えた熱防護システムにおいて、
前記少なくとも2層の断熱層の内の機体主構造部側の断
熱層が、反射フォイルとセラミックス織物とを交互に複
数枚積層した断熱層で構成されていることを特徴とする
熱防護システム。 - 【請求項2】 請求項1の発明において、前記少なくと
も2層の断熱層の内の耐熱パネル側の断熱層が単体の断
熱層で構成されていることを特徴とする熱防護システ
ム。 - 【請求項3】 請求項1の発明において、前記少なくと
も2層の断熱層がボ−ド状断熱材の箱で一体化されてい
ることを特徴とする熱防護システム。 - 【請求項4】 請求項1〜3の発明において、前記断熱
層が締結部材により組立られており、この締結部材の機
体主構造部側の締結部に断熱座が設けられ、且つ機体主
構造部と断熱層との間に空間が設けられていることを特
徴とする熱防護システム。 - 【請求項5】 請求項4の発明において、前記機体主構
造部側の締結部に熱拡散用金属板が設けられていること
を特徴とする熱防護システム。 - 【請求項6】 請求項5の発明において、前記熱拡散用
金属板が前記断熱層のコーナー部を支持するための金具
で構成されていることを特徴とする熱防護システム。 - 【請求項7】 請求項4の発明において、前記締結部材
の周りにフェルト状断熱材が充填されていることを特徴
とする熱防護システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5094453A JPH06305498A (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | 熱防護システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5094453A JPH06305498A (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | 熱防護システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06305498A true JPH06305498A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14110689
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5094453A Pending JPH06305498A (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | 熱防護システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06305498A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5660924A (en) * | 1994-04-12 | 1997-08-26 | Kubota Corporation | Vacuum heat insulator |
JP2001192831A (ja) * | 2000-01-13 | 2001-07-17 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 高温低輻射率コーティングシステム |
WO2003055825A1 (fr) * | 2001-12-26 | 2003-07-10 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Materiau resistant a la chaleur et element structurel chaud destines a une navette spatiale, navette spatiale et procede de production du materiau resistant a la chaleur destine a la navette spatiale |
RU2600022C1 (ru) * | 2015-04-02 | 2016-10-20 | Открытое акционерное общество "Ракетно-космическая корпорация "Энергия" имени С.П. Королева" | Теплоизоляция агрегатов двигательной установки космического объекта и способ ее монтажа |
RU2600032C1 (ru) * | 2015-04-02 | 2016-10-20 | Открытое акционерное общество "Ракетно-космическая корпорация "Энергия" имени С.П. Королева" | Теплоизоляция агрегатов двигательной установки космического объекта и способ ее монтажа |
-
1993
- 1993-04-21 JP JP5094453A patent/JPH06305498A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5660924A (en) * | 1994-04-12 | 1997-08-26 | Kubota Corporation | Vacuum heat insulator |
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JP4576015B2 (ja) * | 2000-01-13 | 2010-11-04 | 三菱重工業株式会社 | 輻射断熱式熱防護構造体 |
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RU2600032C1 (ru) * | 2015-04-02 | 2016-10-20 | Открытое акционерное общество "Ракетно-космическая корпорация "Энергия" имени С.П. Королева" | Теплоизоляция агрегатов двигательной установки космического объекта и способ ее монтажа |
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