JPH06304760A - レールの自動溶接方法 - Google Patents

レールの自動溶接方法

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JPH06304760A
JPH06304760A JP9339593A JP9339593A JPH06304760A JP H06304760 A JPH06304760 A JP H06304760A JP 9339593 A JP9339593 A JP 9339593A JP 9339593 A JP9339593 A JP 9339593A JP H06304760 A JPH06304760 A JP H06304760A
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礦三 山下
Makoto Okumura
誠 奥村
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健一 狩峰
Kazuo Sugino
和男 杉野
Koichi Uchino
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レールを現地溶接で突き合わせ溶接するため
の高能率な自動溶接方法を提供する。 【構成】 レール足部初層をCO2 ガスシールドアーク
溶接方法で溶接し、その後一度溶接アークを切り、ノズ
ルの横行を反転させ横行しながら溶融型フラックスを開
先内に添加し、横行停止と共に溶融型フラックスの添加
を止めて、レール足部2層目の溶接をサブマージアーク
溶接方法により行い、連続してレール足部3層目で2層
目の溶接で形成された凝固スラグを再溶融してエレクト
ロスラグ溶接方法に移行し、その後引き続きレール足部
および柱部、頭部をエレクトロスラグ溶接方法で溶接す
ることを特徴とするレールの自動溶接方法。 【効果】 レール溶接をCO2 ガスシールドアーク溶接
法、サブマージアーク溶接法、エレクトロスラグ溶接法
を併用して高能率に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄道用またはクレーン用
のレールを突き合わせ溶接するための自動溶融溶接技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からレールの突き合わせ溶接にはI
型開先を突き合わせた後レール足部を多層溶接し、その
後レール柱部と頭部を当金材で取り囲み連続的に溶接す
る被覆アーク溶接棒を使用したエンクローズドアーク溶
接方法が用いられている。しかしながら、該溶接方法は
手溶接方法であるため、溶接作業者の技量に依存する部
分が多く熟練を要すること、溶接時間が長く施工能率が
上がらないこと、また溶接ヒューム等の作業環境等の問
題があり、溶接作業者の熟練を必要としない高能率な自
動溶接方法が要望されてきた。
【0003】このような背景のもとに、エンクローズド
アーク溶接方法に代わる自動溶接方法が種々検討されて
きた。特公昭44−24249号公報に示された技術も
該溶接方法に代わる方法として提案されたものであり、
レール足部をサブマージアーク溶接方法で各層毎に溶接
を中断し、凝固スラグを除去しながら溶接し、レール柱
部および頭部をエレクトロスラグ溶接方法により溶接す
る。また特開平1−2779号公報に示された技術で
は、レール足部初層をサブマージアーク溶接方法で溶接
し、2層目においてエレクトロスラグ溶接方法に移行し
て以降レール柱部から頭部を同様にエレクトロスラグ溶
接方法で溶接する方法が提案されている。さらに特公昭
45−14173号公報に示された技術では、レール全
断面をガスシールド溶接方法で溶接する方法が提案され
ている。特公昭45−19369号公報および特公昭6
1−249679号公報に示された技術も、ガスシール
ドアーク溶接方法を用いてレールを突き合わせ溶接する
方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術は、い
ずれも溶融溶接法でありレール軸方向への加圧は必要と
せず、またエンクローズドアーク溶接方法よりも能率向
上、脱技量化は図れるものの、まだ多くの問題点を残し
ている。即ち特公昭44−24249号公報に示されて
いる技術では、サブマージアーク溶接をレール足部の各
層で行うため各層毎に凝固したスラグを除去しなければ
ならない。またレール足部溶接終了後は、一旦溶接を中
断してエレクトロスラグ溶接の再スタート準備をしてか
らレール柱部と頭部の溶接を行う。従って、各溶接の開
始と停止部には溶け込み不良や凝固割れ等の溶接欠陥が
発生し易く、溶接能率も低下する。さらにレール足部と
柱部および頭部では溶接方法の違いから溶接材料のフラ
ックスを使い分け、溶接電源の特性も切り替えて使用す
る等、操作の煩雑さに起因する能率の低下、溶接機のコ
スト高、溶接材料の管理で問題が残る。
【0005】また特開平1−2779号公報に示された
技術では、低融点で低粘性の溶融型フラックスの開発に
よりレール足部初層のサブマージアーク溶接方法から2
層目以降のエレクトロスラグ溶接方法への移行が速やか
にでき、レール足部初層からレール頭部の溶接が連続し
てできる溶接方法である。しかしながら該溶接方法でレ
ール足部を溶接する際には、レール足部2層目において
初層のサブマージアーク溶接で形成された凝固スラグを
再溶融させ、エレクトロスラグ溶接に移行するための多
大な溶接入熱が必要となる。反面、凝固割れ防止の観点
からは、過大な入熱は避けなければならないという相反
する制約条件のため採用し得る溶接電流、溶接電圧、溶
接速度の条件範囲が著しく狭くなる。そのため現地溶接
における雰囲気、溶材湿度、開先精度等の変動要因の増
加により、初層凝固スラグの微細な未溶融欠陥残存の危
険性が皆無とはいえない溶接方法である。
【0006】また特公昭45−14173号公報に示さ
れる技術のようにレール全断面をガスシールド溶接方法
で溶接する方法においては溶接開始から終了までシール
ドガスを用いるため、本技術が現地施工に適用されるこ
とを念頭におくと耐風性に十分な配慮が必要となり、特
にレール柱部以降頭部までを完全に屋外の風から防風
し、シールドガスのシールド効果を健全に保つことは極
めて至難であり、治具等で解決しようとしてもその機構
は複雑なものとなり、ハンドリング面で施工能率を悪く
する。またガスシールドアーク溶接方法は開先寸法に対
する適正な溶接条件範囲が狭く、特に溶接積層が進行し
レール柱部から頭部に至る領域では、開先寸法の変動に
より開先の融合不良等の溶接欠陥を発生する危険性が高
く溶接継手の信頼性で問題となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術の
問題点に鑑みなされたものであって、その要旨は、レー
ルを突き合わせ溶接する自動溶接方法において、レール
足部初層をCO2 ガスシールドアーク溶接方法にて裏波
溶接し、一時的に溶接を停止して溶接終端位置から非消
耗ノズルの横行を反転し、レール足部初層の溶接開始側
に横行しつつ溶融型フラックスを50g/min以上、1kg
/min以下の添加速度で開先内に添加する。その後溶接ワ
イヤの送給を開始してレール足部2層目をサブマージア
ーク溶接方法で溶接し、連続してレール足部3層目にお
いてレール足部2層目で形成された凝固スラグを再溶融
させつつエレクトロスラグ溶接方法に移行し、移行後は
非消耗ノズルを溶接電流検知による自動上昇とレール足
部での溶接層数対応またはレール柱部からレール頭部に
おけるレール高さ位置対応の横行幅を記憶装置により制
御することでレール形状に合わせて上昇または反復横行
させ、レール頭頂面までの溶接を行う溶接方法であり、
一連の溶接においては、レール足部上面に載置した枠体
型固定当金および非消耗ノズルの外筒を用いてCO2
スまたはフラックスの自動供給を行うと共に、溶融スラ
グまたは溶融金属の流出を防止し、さらに定電圧特性を
有する直流電源と溶接ワイヤ径φ1.2mmからφ2.0
mmと低融点で低粘性な溶融型フラックスとしてフラック
スの重量%でCaF2 で25〜40%、SiO2 が20
〜35%、TiO2 が5〜15%で、かつCaF2 +S
iO2 が50%以上含有されるCaF2 −SiO2 −T
iO2 を主成分とした溶融型フラックスを用いて溶接す
ることを特徴とするレールの自動溶接方法にある。
【0008】
【作用】以下、図面に従い本発明を詳細に説明する。図
1は本発明方法の実施態様を示す斜視図であり、図2は
被溶接部材であるレール端面方向から見た実施態様の断
面図である。
【0009】図1において、1aおよび1bは被溶接部
材であるレールで、各端面間に適当な開先間隔を開けて
突き合わせた状態で設置している。2aおよび2bは枠
体型固定当金であり、それぞれレール頭頂部用当金2b
とレール頭側部からレール足先までを囲む当金2a一対
が2本のピンにより連結され、レール頭側部から下の当
金2aがレール頭頂部用当金2bを中心に開脚する機構
であり、溶接の際にはレール1a,1bの頭部からかぶ
せるように設置し、溶接中の溶融金属および溶融スラグ
流出を防止する。3aおよび3bは移動当金でレール足
部の溶接完了後に油圧駆動機構等任意の駆動手段(図示
せず)で矢印10,11の方向に移動させレール柱部お
よびレール頭側部に一定の隙間を設けて当接され、レー
ル柱部以降のエレクトロスラグ溶接で溶融金属および溶
融スラグの流出を防止する。4a,4cはシールドガス
の供給腔を備えた防風壁で内部空洞の箱型構造であり、
溶接においては固定当金2a,2bに載置して使用し、
レール足部初層のCO2 ガスシールド溶接で防風として
の作用を果たすと共に、側壁に設けたシールドガス供給
口8a,8bから供給されるシールドガスをシールドガ
ス吹出口9a,9bから開先内へと導入する。4b,4
dは4a,4cとそれぞれ一対で使用される防風壁であ
る。5a,5bはレール足先の当金で、それぞれ固定当
金2aか2bの一方にボルト等で固定して用いて、溶接
中は溶融金属の流出を防止する。6は裏当材収納枠体で
固定当金2a,2bに連結して用い、レール足部裏面に
コージライト系の固形材とガラス繊維シートからなる裏
当材7を密着当接する。裏当材7はレール足部初層溶接
において裏波ビードの落ち込みを防止し、ビード形状を
健全に保つと共にビード表面を滑らかにする。
【0010】12は溶接フィラーワイヤであり、13は
フィラーワイヤ12をレール開先内に導くと共に溶接電
源から電力をフィラーワイヤ12に供給する非消耗ノズ
ルである。非消耗ノズル13の周囲は分岐口15に取り
付けられた消耗式外筒14が覆っていて、分岐口15を
介して溶融型フラックス23とガスシールド用CO2
ス24の両方またはどちらか一方をレール形状の溶接部
位によって適所適量フィラーワイヤ先端部(アーク点)
近傍に自動供給できる構造になっている。また16はホ
ルダーであり、非消耗ノズル13を昇降用モーター21
とボールネジ、ピニオン、ギヤ、軸受け、外部枠体等の
要素からなる昇降装置20に保持し、非消耗ノズル13
の矢印方向22へ昇降移動を可能にする。また17は横
行装置であり、横行用モーター18とボールネジ、ピニ
オン、ギヤ、軸受け、外部枠体等の要素で構成され、昇
降装置20と連結して用いて矢印方向19に横行移動を
可能にする。また32はフラックスホッパーと送給機で
あり、溶接開始前にホッパー内に予め乾燥した溶融型フ
ラックス23を補給しておくことにより溶接中記憶装置
からの出力信号とおりの位置で適量の溶融型フラックス
23をレール開先内に上述の分岐口15および消耗式外
筒14を通して供給することができる。上記構成により
溶接フィラーワイヤ12の先端部は図2の31の軸跡を
描きながら溶接を行うが、移動式当金3aおよび3bは
溶接がレール足部を完了した時点、即ち溶接フィラーワ
イヤ先端の軸跡31のA点以降においては3a−1,3
b−1に移動させる。以上本発明の実施態様における構
成を説明した。
【0011】次に、図3から図7に従い本発明溶接方法
をさらに詳細に説明する。まず図3に示す本発明実施態
様の一例の断面図によりレール足部初層裏波溶接の状態
を説明する。図において直接アークをシールドするCO
2 ガス24は、非消耗ノズル13が貫通する消耗式外筒
14を通して供給される。またシールドの効果を完全に
するため、溶接するレール足部全体の雰囲気を置換する
CO2 ガス24は、シールドガス供給腔付き防風壁4a
および4bに設けたシールドガス吹出口9aおよび9b
から供給される。即ちレール足部初層のCO2 ガスシー
ルドアーク溶接は、流量制御器により3分割されたシー
ルドガスをそれぞれ流量調整して開先内に供給する2重
シールドの状態で行われる。また溶接が進行するに従
い、裏当材7も表面のガラス繊維シートとコージライト
系の固形材が一部溶融し、形成されたレール足部初層溶
接ビード25の裏面に薄いスラグ膜となって覆い溶接ビ
ードの表面およびエッジ部の形状を滑らかにする。この
裏当材7には、非溶接物の開先がI型で比較的ルート間
隔が広い14mmから22mmでも裏波ビードの余盛高さが
過大とならないために耐火性の比較的高いコージライト
系の固形材表面にレール1a,1bの軸線を横切る方向
の連続した溝を設けガラス繊維シートを張り付けて使用
しており、この方法で最も良好な溶接結果が得られた。
【0012】次に図4に示す本発明実施態様の一例の断
面図によりレール足部初層裏波溶接後の溶融型フラック
ス23添加の状態について説明する。図において非消耗
ノズル13はレール足部初層をCO2 ガスシールドアー
ク溶接により裏波溶接し、横行動作を停止した後、溶接
アークとガスシールド用のCO2 ガスを自動的に停止
し、その後連続して横行方向を反転して横行しつつ溶融
型フラックス23を溶接開先内に添加している状態であ
る。この際開先内に供給される溶融型フラックス23の
添加量は、レール1a,1bからなるルート間隔と枠体
型固定当金2aおよび2bからなる枠体内部容積により
必要量は若干変動するが枠体内部の幅を24mmから30
mmとした場合、次層においてサブマージアーク溶接を行
うためには最低でも80g以上の添加量が必要であり、
レール足部3層目以降エレクトロスラグ溶接へ移行する
ことを考えれば300g以下であることが望ましい。ま
た添加する際の横行速度は50mm/min以下では添加終了
までに時間がかかりすぎて効率の面で好ましくなく、5
00mm/min以上では添加された溶融型フラックス23は
開先内の2層目溶接開始側に片寄って散布されてしまい
溶接上好ましくない。上述の理由から添加速度は50g
/min以上で1kg/min以下の条件範囲において添加するこ
とが望ましく、横行速度は添加速度に対応して適正添加
量を最も効率良く添加できるように調整することが必要
である。
【0013】次に図5に示す本発明実施態様の一例の断
面図によりレール足部2層目のサブマージアーク溶接の
状態について説明する。溶接は上述添加された溶融型フ
ラックス23によりレール足部初層溶接ビード25を一
部再溶融しながらサブマージアーク溶接を行う。図にお
いて25は初層溶接ビードであり、26は2層目溶接ビ
ードで、23が溶融型フラックスである。
【0014】続いて図6に示す本発明実施態様の断面図
によりレール足部3層目以降のエレクトロスラグ溶接の
状態について説明する。溶接は2層目の溶接が終了した
後、溶接を中断することなく連続して非消耗ノズル13
の横行方向を反転して行われる。図は2層目溶接の際に
凝固したスラグを再溶融しながら3層目にエレクトロス
ラグ溶接に移行した後の状態を示すが、この後自動上昇
と横行反転を繰り返し、溶接がレール足部を終了する時
には、移動当金3a,3bは自動で図中の点線(図2参
照)で示す位置に当接され、連続してレール柱部の溶接
が行われる。2層目のサブマージアーク溶接で形成した
凝固スラグは、初層CO2 ガスシールドアーク溶接によ
るレールの予熱効果によって比較的高温な状態にあるた
め、3層目おいて凝固スラグは容易に再溶融し、未溶融
スラグ残存の危険性はない。また3層目以降のエレクト
ロスラグ溶接においては、溶接の進行と共に横行幅をレ
ール形状に合わせて低減させればレール足表に形成され
る溶接余盛を薄くできるので溶接後の仕上げ工程におい
て加工が容易となる。
【0015】さらに続いて図7に示す本発明実施態様の
一例の断面図によりレール柱部および頭部の溶接につい
て説明する。図において13bはレール柱部溶接時の非
消耗ノズルの状態であり、29はその時の溶融スラグで
ある。一方、13c,13dはレール頭部溶接中の非消
耗ノズルの状態であり、30はその時の溶融スラグを示
す。また3a,3bは移動当金であり、レール柱部およ
び頭部の溶接中は図の位置に当接され溶融金属および溶
融スラグが枠体外へ流出するのを防止し、溶融ビード形
状を整える。また溶接においてはレール足部の溶接が終
了した後移動当金3a,3bを当接し、同時に非消耗ノ
ズルの横行をレール幅の中央で停止させて、その後は溶
接電流を検知しながら自動上昇のみを行いレール柱部を
エレクトロスラグ溶接する。また溶接がレール頭部に入
る前の高さ位置で10mmから30mm下の位置まで進行し
た時点では添加速度20g/minから100g/minで20
秒から120秒の範囲で溶融型フラックス23を自動添
加することが必要であり、この時点で溶融スラグ29を
徐々に深くしておくことにより、溶接が頭部に入り急に
溶接面積が広がり溶融スラグ29が浅くなって可視アー
クとなるのを防止する。また溶接がレール頭部に入ると
非消耗ノズル13は横行を再開しレール形状に合わせて
横行幅を増加させながら反復横行を繰り返し、溶接電流
を検知して自動上昇して所望の高さ位置までの溶接を完
了する。
【0016】上記本発明溶接方法を完成するに当たり、
本発明者らは溶接作業性と溶接継手性能の両面から溶接
電源、溶接ワイヤ径、フラックスのタイプ等を過去に検
討している。まずレール足部初層においてCO2 ガスシ
ールドアーク溶接により良好な裏波溶接を行うには、電
流密度確保のため細径の溶接ワイヤを用いれば良い。た
だしワイヤ径が1.2mm未満では、適正電流範囲の上限
で溶接しても、アークの広がりが小さく開先内をブリッ
ジするだけの溶接金属量および入熱が得られない。一
方、2.0mmを超える溶接ワイヤ径では、適正な電流密
度で溶接を行うには電流が過大になり大容量の溶接電源
が必要となるため現地溶接への適用上問題となるので採
用できない。
【0017】また溶接電源は、定電圧特性を有する直流
電源を用い、溶接ワイヤを定速送給して溶接すれば、C
2 ガスシールドアーク溶接のみならずサブマージアー
ク溶接およびエレクトロスラグ溶接に切り替わっても細
径溶接ワイヤで良好に溶接が行えることがわかった。さ
らにCO2 ガスシールドアーク溶接からサブマージアー
ク溶接に切り替わる際に添加される溶接フラックスは、
一度凝固した後次層溶接において速やかに再溶融し適正
深さの溶融スラグ浴を形成する必要があり、そのために
はフラックスの重量%でCaF2 が25〜40%、Si
2 が20〜35%、TiO2 が5〜15%、かつCa
2 +SiO2 が50%以上含有されるCaF2 −Si
2 −TiO2 を主成分とする低融点で低粘性の溶融型
フラックスが適している。CaF2 が25%未満および
SiO2 が20%未満では生成スラグの粘性および融点
が高く、エレクトロスラグ溶接への移行が順調に進まず
溶接が不安定となる。一方、CaF2 が40%を超える
と弗化物ガスの発生が多く作業環境を害する。またSi
2 が35%を超えるとスラグの粘性が低下し過ぎるた
めスラグの流出を起こし易くなり不安定になり易い。し
かしCaF2 +SiO2 の合計は50%以上が必要であ
り、50%未満ではエレクトロスラグ溶接へ移行する
際、再溶融するのに時間がかかり溶接部内部に凝固スラ
グ噛み込み状の欠陥を発生する可能性がある。
【0018】
【実施例】上述した構成および手順に従い鉄道用レール
50kgN レールをI型開先で突き合わせ溶接した例を述
べる。本発明の構成による実施例を実施例1〜4に、比
較例を1〜2に示す。実施例1〜4においては順調に欠
陥のない溶接を実施できた。比較例1においては、溶融
型フラックスの添加速度が本発明の範囲を外れており、
開先内のレール足部2層目溶接開始側に片寄って添加さ
れたため、レール足部2層目のサブマージアーク溶接に
おいて溶接が進行途中で可視アーク状態となり、連続し
てレール足部3層目においてエレクトロスラグ溶接への
移行途中でレール足部2層目で形成された凝固スラグを
再溶融しきれずに溶接ワイヤが凝固スラグに乗り上げ溶
接が中断してしまった。また比較例2では、溶融型フラ
ックスの添加量は本発明に従い、組成を本発明から外し
て溶接した。この結果溶接はレール足部3層目において
レール足部2層目で形成された凝固スラグを再溶融しき
れずに比較例1同様溶接が中断してしまった。以下に各
実施例および比較例の溶接方法および条件を示す。
【0019】〔実施例1〕 開先形状 :I型開先、幅16mm 溶接ワイヤ:φ1.6mm(ソリッドワイヤ) フラックス:溶融型フラックス CaF2 :35%、TiO2 :10%、CaO :20
%、SiO2 :30% レール足部フラックス添加量:140g(添加速度:2
80g/min、固定当金枠体内27W ×150L ) シールドガス:CO2 100%(消耗式外筒からの供
給:45l/min、防風壁からの供給:30l/min×2) 溶接電源:直流定電圧特性、定格出力 500A
【表1】
【0020】〔実施例2〕 開先形状 :I型開先、幅18mm 溶接ワイヤ:φ1.6mm(ソリッドワイヤ) フラックス:溶融型フラックス CaF2 :35%、TiO2 :7%、CaO :25
%、SiO2 :25% レール足部フラックス添加量:140g(添加速度:4
20g/min、固定当金枠体内27W ×150L ) シールドガス:CO2 100%(消耗式外筒からの供
給:45l/min、防風壁からの供給:30l/min×2) 溶接電源:直流定電圧特性、定格出力 500A
【表2】
【0021】〔実施例3〕 開先形状 :I型開先、幅15mm 溶接ワイヤ:φ1.2mm(ソリッドワイヤ) フラックス:溶融型フラックス CaF2 :40%、TiO2 :12%、CaO:18
%、SiO2 :25%、MgO:5% レール足部フラックス添加量:120g(添加速度:9
60g/min、固定当金枠体内27W ×150L ) シールドガス:CO2 100%(消耗式外筒からの供
給:45l/min、防風壁からの供給:30l/min×2) 溶接電源:直流定電圧特性、定格出力 500A
【表3】
【0022】〔実施例4〕 開先形状 :I型開先、幅16mm 溶接ワイヤ:φ2.0mm(ソリッドワイヤ) フラックス:溶融型フラックス CaF2 :40%、TiO2 :15%、CaO:10
%、SiO2 :22%、MgO:5% レール足部フラックス添加量:160g(添加速度:8
0g/min、固定当金枠体内27W ×150L ) シールドガス:CO2 100%(消耗式外筒からの供
給:45l/min、防風壁からの供給:30l/min×2) 溶接電源:直流定電圧特性、定格出力 500A
【表4】
【0023】〔比較例1〕 開先形状 :I型開先、幅18mm 溶接ワイヤ:φ1.6mm(ソリッドワイヤ) フラックス:溶融型フラックス CaF2 :34%、TiO2 :8%、CaO :24
%、SiO2 :30% レール足部フラックス添加量:350g(添加速度:1
200g/min、固定当金枠体内27W ×150L ) シールドガス:CO2 100%(消耗式外筒からの供
給:45l/min、防風壁からの供給:30l/min×2) 溶接電源:直流定電圧特性、定格出力 500A
【表5】
【0024】〔比較例2〕 開先形状 :I型開先、幅16mm 溶接ワイヤ:φ1.6mm(ソリッドワイヤ) フラックス:溶融型フラックス CaF2 :15%、TiO2 :25%、CaO:10
%、SiO2 :15%、Al2 3 :30% レール足部フラックス添加量:140g(固定当金枠体
内27W ×150L ) シールドガス:CO2 100%(消耗式外筒からの供
給:45l/min、防風壁からの供給:30l/min×2) 溶接電源:直流定電圧特性、定格出力 500A
【表6】
【0025】以上の要領で溶接した結果、実施例1〜4
は、溶接前の段取りと溶接後の処理を除いて溶接開始の
スイッチをONしてから15min 〜18min で溶接を終
了し、後日の調査で溶接継手の欠陥もなく、機械試験性
能も十分であることが確認された。
【0026】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によればレールの
現地溶接において、レール足部からレール頭部までの自
動溶接をCO2 ガスシールドアーク溶接方法とサブマー
ジアーク溶接方法とエレクトロスラグ溶接方法を併用し
て高能率に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施態様を示す斜視図。
【図2】同レール端面方向から見た断面図。
【図3】本発明によりレール足部初層を溶接中の断面
図。
【図4】レール足部初層溶接後、折り返し2層目サブマ
ージアーク溶接を行うための溶融型フラックスを散布中
の断面図。
【図5】レール足部2層目溶接中の断面図。
【図6】レール足部3層目以降を溶接中の断面図。
【図7】レール柱部および頭部を溶接中の断面図。
【符号の説明】
1a,1b レール 2a,2b 固定当金 3a,3b 移動当金 4a,4c シールドガス供給腔付き防風壁 4b,4d 防風壁 5a,5b レール足先当金 6 裏当材収納枠体 7 裏当材 8a,8b シールドガス供給口 9a,9b シールドガス吹出口 10,11 移動当金移動方向 12 溶接フィラーワイヤ 13 非消耗ノズル 14 消耗式外筒 15 分岐口 16 ホルダー 17 横行装置 18 横行用モーター 19 横行移動方向 20 昇降装置 21 昇降用モーター 22 昇降移動方向 23 溶融型フラックス 24 ガスシールド用CO2 ガス 25 初層溶接ビード 26 2層目溶接ビード 27 3層目以降溶接ビード 28,29,30 溶融スラグ 31 溶接フィラーワイヤ先端の軌跡 32 フラックスホッパーと送給機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥村 誠 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 狩峰 健一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 杉野 和男 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 内野 耕一 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レールを突き合わせ溶接する自動溶接方
    法において、レール足部初層をCO2 ガスシールドアー
    ク溶接方法にて裏波溶接し、一時的に溶接を停止して溶
    接終端位置から非消耗ノズルの横行を反転し、レール足
    部初層の溶接開始側に横行しつつ溶融型フラックスを5
    0g/min以上、1kg/min以下の添加速度で開先内に添加
    し、その後溶接ワイヤの送給を開始してレール足部2層
    目をサブマージアーク溶接方法で溶接し、連続してレー
    ル足部3層目においてレール足部2層目で形成された凝
    固スラグを再溶融させつつエレクトロスラグ溶接方法に
    移行し、移行後は非消耗ノズルを溶接電流検知による自
    動上昇とレール足部での溶接層数対応またはレール柱部
    からレール頭部におけるレール高さ位置対応の横行幅を
    記憶装置により制御することでレール形状に合わせて上
    昇または反復横行させ、レール頭頂面までの溶接を行う
    溶接方法であり、一連の溶接において、レール足部上面
    に載置した枠体型固定当金および非消耗ノズルの外筒を
    用いて、CO2 ガスまたはフラックスの自動供給を行う
    と共に、溶融スラグまたは溶融金属の流出を防止し、さ
    らに定電圧特性を有する直流電源と溶接ワイヤ径φ1.
    2mmからφ2.0mmと低融点で低粘性な溶融型フラック
    スとしてフラックスの重量%で、CaF2 が25〜40
    %、SiO2 が20〜35%、TiO2 が5〜15%
    で、かつCaF2 +SiO2 が50%以上含有されるC
    aF2 −SiO2 −TiO2 を主成分とした溶融型フラ
    ックスを用いて溶接することを特徴とするレールの自動
    溶接方法。
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