JPH06304452A - 液体の処理方法及びこの方法において使用する電着析出装置 - Google Patents
液体の処理方法及びこの方法において使用する電着析出装置Info
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- JPH06304452A JPH06304452A JP12338293A JP12338293A JPH06304452A JP H06304452 A JPH06304452 A JP H06304452A JP 12338293 A JP12338293 A JP 12338293A JP 12338293 A JP12338293 A JP 12338293A JP H06304452 A JPH06304452 A JP H06304452A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】膜モジュ−ル法と他の分離法との組合せによ
り、膜モジュ−ルの分離進行に伴う透過流量の低下をよ
く防止でき、しかも、懸濁質を連続的に低含水率で取り
出し得、回収の自動化、焼却による処理を容易に行い得
る液体の処理方法等を提供する。 【構成】懸濁質を含む原液を膜モジュ−ル4に送り、透
過液を系外に排出し、懸濁質が濃縮された非透過液を、
補助装置7により処理して懸濁質を可動電極73に電着
析出させ、可動電極73の液面上への移動によりその電
着析出物を水切りして系外に排出し、この排出により懸
濁質が希釈された原液を、再び膜モジュ−ル4に送って
循環させ、以後、この循環を繰り返す。
り、膜モジュ−ルの分離進行に伴う透過流量の低下をよ
く防止でき、しかも、懸濁質を連続的に低含水率で取り
出し得、回収の自動化、焼却による処理を容易に行い得
る液体の処理方法等を提供する。 【構成】懸濁質を含む原液を膜モジュ−ル4に送り、透
過液を系外に排出し、懸濁質が濃縮された非透過液を、
補助装置7により処理して懸濁質を可動電極73に電着
析出させ、可動電極73の液面上への移動によりその電
着析出物を水切りして系外に排出し、この排出により懸
濁質が希釈された原液を、再び膜モジュ−ル4に送って
循環させ、以後、この循環を繰り返す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は膜モジュ−ル法と電気泳
動法との併用により、濃度分極等等による膜モジュ−ル
の透過流量の低下を防止つつ原液から懸濁質をケ−キ
状、スラッジ状で回収できる液体の処理方法に関し、高
分子ラテックス、エマルジョン、電着塗料、水溶性の潤
滑油や工作油、水系洗浄液、無機コロイド等の回収、排
水処理に有用である。
動法との併用により、濃度分極等等による膜モジュ−ル
の透過流量の低下を防止つつ原液から懸濁質をケ−キ
状、スラッジ状で回収できる液体の処理方法に関し、高
分子ラテックス、エマルジョン、電着塗料、水溶性の潤
滑油や工作油、水系洗浄液、無機コロイド等の回収、排
水処理に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、沈降分離、浮上分離、遠心分離等
の不利を膜モジュ−ルで補完するために、懸濁液を膜モ
ジュ−ルに通液して濃縮し、この濃縮液(懸濁質が濃縮
された非透過液)をさらに、沈降分離、浮上分離、遠心
分離等によって濃縮し、この濃縮液を排出し、残液を再
度膜モジュ−ルに送ることが提案されている(特開昭5
2−125476号公報)。
の不利を膜モジュ−ルで補完するために、懸濁液を膜モ
ジュ−ルに通液して濃縮し、この濃縮液(懸濁質が濃縮
された非透過液)をさらに、沈降分離、浮上分離、遠心
分離等によって濃縮し、この濃縮液を排出し、残液を再
度膜モジュ−ルに送ることが提案されている(特開昭5
2−125476号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この方法に対して、沈
降分離、浮上分離、遠心分離等の処理を省略した膜モジ
ュ−ルの通常の回分方式においては、分離が進行するに
つれて、膜モジュ−ルに送られる液の懸濁質濃度が高く
なり、濃度分極により透過流量が低下し、処理速度の低
速化が惹起され、また、懸濁質が不安定となって膜面の
ファリングが生じ、膜寿命の短縮が招来される。
降分離、浮上分離、遠心分離等の処理を省略した膜モジ
ュ−ルの通常の回分方式においては、分離が進行するに
つれて、膜モジュ−ルに送られる液の懸濁質濃度が高く
なり、濃度分極により透過流量が低下し、処理速度の低
速化が惹起され、また、懸濁質が不安定となって膜面の
ファリングが生じ、膜寿命の短縮が招来される。
【0004】而るに、上記の遠心分離法においては、コ
ロイド領域の微粒子の分離は至難であり、かかる微粒子
を含む液を対象とする場合、上記特開昭52−1254
76号公報の方法では、上記分離の進行に伴う透過流量
の低下等を防止することは困難である。
ロイド領域の微粒子の分離は至難であり、かかる微粒子
を含む液を対象とする場合、上記特開昭52−1254
76号公報の方法では、上記分離の進行に伴う透過流量
の低下等を防止することは困難である。
【0005】また、遠心分離に代え、沈降分離、浮上分
離等を使用する場合でも、多量の凝集剤を添加する必要
があり、この凝集剤による膜モジュ−ルの目詰まりの促
進、塩分の増加による水質低下が懸念され、この場合
も、上記分離の進行に伴う透過流量の低下等を効果的に
防止することは困難である。
離等を使用する場合でも、多量の凝集剤を添加する必要
があり、この凝集剤による膜モジュ−ルの目詰まりの促
進、塩分の増加による水質低下が懸念され、この場合
も、上記分離の進行に伴う透過流量の低下等を効果的に
防止することは困難である。
【0006】上記膜モジュ−ルの通常の回分方式におい
ては、一回の操作が終了した後でなければ、濃縮液を取
り出し得ず、懸濁質の回収処理の自動化が困難であり、
また、濃縮液の含水量が高いために、焼却等の排気処分
が容易ではない。而るに、上記特開昭52−12547
6号公報の方法では、遠心分離器から濃縮懸濁質を常時
取り出すことが可能であるが(ただし、安定なコロイド
では困難)、その濃縮懸濁質の含水率が高く、やはり焼
却処理は困難である。
ては、一回の操作が終了した後でなければ、濃縮液を取
り出し得ず、懸濁質の回収処理の自動化が困難であり、
また、濃縮液の含水量が高いために、焼却等の排気処分
が容易ではない。而るに、上記特開昭52−12547
6号公報の方法では、遠心分離器から濃縮懸濁質を常時
取り出すことが可能であるが(ただし、安定なコロイド
では困難)、その濃縮懸濁質の含水率が高く、やはり焼
却処理は困難である。
【0007】本発明の目的は、膜モジュ−ル法と他の分
離法との組合せにより、膜モジュ−ルの分離進行に伴う
透過流量の低下をよく防止でき、しかも、懸濁質を連続
的に低含水率で取り出し得、回収の自動化、焼却による
処理を容易に行い得る液体の処理方法等を提供すること
にある。
離法との組合せにより、膜モジュ−ルの分離進行に伴う
透過流量の低下をよく防止でき、しかも、懸濁質を連続
的に低含水率で取り出し得、回収の自動化、焼却による
処理を容易に行い得る液体の処理方法等を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の液体の処理方法
は、懸濁質を含む原液を膜モジュ−ルに送り、透過液を
系外に排出し、懸濁質が濃縮された非透過液を、補助装
置により処理して懸濁質を可動電極に電着析出させ、可
動電極の液面上への移動によりその電着析出物を水切り
して系外に排出し、この排出により懸濁質が希釈された
原液を、再び膜モジュ−ルに送って循環させ、以後、こ
の循環を繰り返すことを特徴とする構成であり、補助装
置は、液面に垂直に配設し、上端を液面上空間において
駆動プ−リ−で支持したエンドレスベルトにより可動電
極を形成し、液面上におけるエンドレスベルト電極部分
の表面に接して電着析出物の剥ぎ取り手段を設けたこと
を特徴とする構成とすることができる。
は、懸濁質を含む原液を膜モジュ−ルに送り、透過液を
系外に排出し、懸濁質が濃縮された非透過液を、補助装
置により処理して懸濁質を可動電極に電着析出させ、可
動電極の液面上への移動によりその電着析出物を水切り
して系外に排出し、この排出により懸濁質が希釈された
原液を、再び膜モジュ−ルに送って循環させ、以後、こ
の循環を繰り返すことを特徴とする構成であり、補助装
置は、液面に垂直に配設し、上端を液面上空間において
駆動プ−リ−で支持したエンドレスベルトにより可動電
極を形成し、液面上におけるエンドレスベルト電極部分
の表面に接して電着析出物の剥ぎ取り手段を設けたこと
を特徴とする構成とすることができる。
【0009】
【作用】膜モジュ−ルの非透過液、すなわち、液媒体の
透過により懸濁質が濃縮された原液中の懸濁質が系外に
排出され、膜モジュ−ルにそれだけ懸濁質低濃度の原液
が再送されるから、濃度分極を抑制でき透過流量の低下
をよく軽減でき、また、ファリングによる膜寿命の短縮
もよく排除できる。
透過により懸濁質が濃縮された原液中の懸濁質が系外に
排出され、膜モジュ−ルにそれだけ懸濁質低濃度の原液
が再送されるから、濃度分極を抑制でき透過流量の低下
をよく軽減でき、また、ファリングによる膜寿命の短縮
もよく排除できる。
【0010】懸濁質が可動電極(エンドレスベルト電
極)に電着析出され、該電極の液面上への走行により水
切りされつつ系外に排出されるから、懸濁質を低含水率
で回収でき、焼却処理が容易となる。
極)に電着析出され、該電極の液面上への走行により水
切りされつつ系外に排出されるから、懸濁質を低含水率
で回収でき、焼却処理が容易となる。
【0011】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例を説明す
る。図1は本発明において使用する処理装置を示してい
る。図1において、1は原液槽を、2は液送配管を、3
は加圧ポンプを、4は膜モジュ−ルを、5は透過液配管
を、6は非透過液の戻し配管をそれぞれ示している。7
は原液槽に設けた電着析出装置、8は電着析出物受取容
器であり、電着析出装置には、例えば、図2に示すもの
を使用することができる。
る。図1は本発明において使用する処理装置を示してい
る。図1において、1は原液槽を、2は液送配管を、3
は加圧ポンプを、4は膜モジュ−ルを、5は透過液配管
を、6は非透過液の戻し配管をそれぞれ示している。7
は原液槽に設けた電着析出装置、8は電着析出物受取容
器であり、電着析出装置には、例えば、図2に示すもの
を使用することができる。
【0012】図2において、、71は原液槽の上部空間
に取り付けたフレ−ム、72はフレ−ムに軸支した駆動
プ−リ−、721はプ−リ−駆動モ−タである。73はエ
ンドレスベルト陽極であり、上記の駆動プ−リ−72に
吊支し、垂直に配設してある。722は液中のエンドレス
ベルト陽極下端に載設したアイドリングプ−リ−であ
る。74は固定式の陰極であり、エンドレスベルト陽極
73の両側に所定の距離を隔てて上記フレ−ム71に支
持してある。
に取り付けたフレ−ム、72はフレ−ムに軸支した駆動
プ−リ−、721はプ−リ−駆動モ−タである。73はエ
ンドレスベルト陽極であり、上記の駆動プ−リ−72に
吊支し、垂直に配設してある。722は液中のエンドレス
ベルト陽極下端に載設したアイドリングプ−リ−であ
る。74は固定式の陰極であり、エンドレスベルト陽極
73の両側に所定の距離を隔てて上記フレ−ム71に支
持してある。
【0013】75は液面上において、エンドレスベルト
陽極73の降下走行側の表面に接して設けた導電製のス
クレ−パ(例えば、導電ゴムまたはプラスチック製)、
751はシュ−トである。76は直流電源であり、各極を
陰極74に直接並びにスクレ−パ75を介してエンドレ
スベルト陽極73に接続してある。
陽極73の降下走行側の表面に接して設けた導電製のス
クレ−パ(例えば、導電ゴムまたはプラスチック製)、
751はシュ−トである。76は直流電源であり、各極を
陰極74に直接並びにスクレ−パ75を介してエンドレ
スベルト陽極73に接続してある。
【0014】本発明の方法により、原液(コロイド粒
子、固体微粒子等の懸濁質を分散・懸濁させた液)を処
理するには、図1において、原液槽1に一回で処理する
量の原液を入れ、ポンプ3の駆動により原液を、原液槽
1⇒液送配管2⇒ポンプ3⇒膜モジュ−ル4⇒戻し配管
6⇒原液槽1の経路で循環させると共に電極73,74
間に電圧を課電し、エンドレスベルト陽極73を矢印方
向に走行させる。
子、固体微粒子等の懸濁質を分散・懸濁させた液)を処
理するには、図1において、原液槽1に一回で処理する
量の原液を入れ、ポンプ3の駆動により原液を、原液槽
1⇒液送配管2⇒ポンプ3⇒膜モジュ−ル4⇒戻し配管
6⇒原液槽1の経路で循環させると共に電極73,74
間に電圧を課電し、エンドレスベルト陽極73を矢印方
向に走行させる。
【0015】而して、原液が膜モジュ−ル4を通過する
間、原液の液媒体が膜を透過し、透過液として透過液配
管5から系外に排出され、この液媒体の透過により懸濁
質の濃縮された非透過液が原液槽1に戻される。そし
て、この原液槽において、両電極73,74間での電界
の作用下、原液中の懸濁質が陰性イオンに、液媒体が陽
性イオンになり、懸濁質がエンドレスベルト陽極73
に、液媒体が陰極74に向かってそれぞれ移動し、液中
において、陽極73の表面に懸濁質が電着・析出されて
いく。この場合、電解作用のために、陽極面にガスが発
生するが、この陽極面が垂直面であるから、発生ガスは
速やかに浮上し、ガスの滞留がなく高効率の懸濁質の電
着・析出を保障できる。
間、原液の液媒体が膜を透過し、透過液として透過液配
管5から系外に排出され、この液媒体の透過により懸濁
質の濃縮された非透過液が原液槽1に戻される。そし
て、この原液槽において、両電極73,74間での電界
の作用下、原液中の懸濁質が陰性イオンに、液媒体が陽
性イオンになり、懸濁質がエンドレスベルト陽極73
に、液媒体が陰極74に向かってそれぞれ移動し、液中
において、陽極73の表面に懸濁質が電着・析出されて
いく。この場合、電解作用のために、陽極面にガスが発
生するが、この陽極面が垂直面であるから、発生ガスは
速やかに浮上し、ガスの滞留がなく高効率の懸濁質の電
着・析出を保障できる。
【0016】上記のエンドレスベルト陽極73上に電着
・析出された懸濁質の液中での状態は、多含水状態であ
ってスラリ−状である。このスラリ−がエンドレスベル
ト陽極73の走行に伴い液面上に移送されると、エンド
レスベルト陽極73の上昇中に脱水されつつ、固まって
スラッジ状乃至は保形性のよいケ−キ状になっていく。
・析出された懸濁質の液中での状態は、多含水状態であ
ってスラリ−状である。このスラリ−がエンドレスベル
ト陽極73の走行に伴い液面上に移送されると、エンド
レスベルト陽極73の上昇中に脱水されつつ、固まって
スラッジ状乃至は保形性のよいケ−キ状になっていく。
【0017】電着析出物が除去され、表面が元の良電着
性に回復されたエンドレスベルト陽極73は、更に液面
上から液中に侵入して再度、電着析出を繰り返してい
く。(なお、上記の実施例においては、懸濁質が陰性イ
オンになる場合について説明したが、懸濁質が陽性イオ
ンになる場合もあり、この場合、エンドレスベルト電極
73が陰極とされ、固定電極74が陽極とされる。)
性に回復されたエンドレスベルト陽極73は、更に液面
上から液中に侵入して再度、電着析出を繰り返してい
く。(なお、上記の実施例においては、懸濁質が陰性イ
オンになる場合について説明したが、懸濁質が陽性イオ
ンになる場合もあり、この場合、エンドレスベルト電極
73が陰極とされ、固定電極74が陽極とされる。)
【0018】本発明の液体の処理方法においては、膜モ
ジュ−ルの非透過液を、液中の懸濁質を電着析出により
系外に排除しつつ膜モジュ−ルに再送入しており、膜モ
ジュ−ルに送入する原液の懸濁質濃度をそれだけ低濃度
にできるから、濃度分極を抑制でき透過流量の低下をよ
く軽減でき、また、ファリングによる膜寿命の短縮もよ
く排除できる。
ジュ−ルの非透過液を、液中の懸濁質を電着析出により
系外に排除しつつ膜モジュ−ルに再送入しており、膜モ
ジュ−ルに送入する原液の懸濁質濃度をそれだけ低濃度
にできるから、濃度分極を抑制でき透過流量の低下をよ
く軽減でき、また、ファリングによる膜寿命の短縮もよ
く排除できる。
【0019】また、原液中の懸濁質を電着析出し、これ
を電極の走行に伴い脱水して連続的に低含水率のケ−キ
乃至はスラッジ状として系外に排出しており、従来の回
分式とは異なり、懸濁質を連続方式で排出でき、排出作
業の自動化が容易になり、また、懸濁質が低含水である
ため、焼却処理も容易に行うことができる。
を電極の走行に伴い脱水して連続的に低含水率のケ−キ
乃至はスラッジ状として系外に排出しており、従来の回
分式とは異なり、懸濁質を連続方式で排出でき、排出作
業の自動化が容易になり、また、懸濁質が低含水である
ため、焼却処理も容易に行うことができる。
【0020】本発明において、膜モジュ−ル4には、懸
濁質を実質的に阻止できる膜モジュ−ルであれば、逆浸
透膜モジュ−ル、限外濾過膜モジュ−ル、または精密濾
過膜電着析出の何れをも使用でき、その形式は、チュ−
ブラ型、スパイラル型、キャピラリ−型、プレ−ト型や
回転円盤型等の平膜型の何れであってもよい。膜モジュ
−ルの透過分離に必要な膜間差圧は、原液側の加圧また
は透過側の減圧によって得ることができる。
濁質を実質的に阻止できる膜モジュ−ルであれば、逆浸
透膜モジュ−ル、限外濾過膜モジュ−ル、または精密濾
過膜電着析出の何れをも使用でき、その形式は、チュ−
ブラ型、スパイラル型、キャピラリ−型、プレ−ト型や
回転円盤型等の平膜型の何れであってもよい。膜モジュ
−ルの透過分離に必要な膜間差圧は、原液側の加圧また
は透過側の減圧によって得ることができる。
【0021】また、回路方式としては、膜モジュ−ルの
非透過液を膜モジュ−ルに再送入する方式であれば適宜
の方式を使用でき、上記の回分方式(原液槽に一定水位
で原液を入れ、液量が規定水位に減少するまで一回の操
作を続ける)の他、原液を連続的に供給し、水位を一定
に保持しつつ循環させる供給循環方式、膜モジュ−ルを
多段に配列し、各段毎にポンプで循環させるカスケ−ド
方式等も使用できる。
非透過液を膜モジュ−ルに再送入する方式であれば適宜
の方式を使用でき、上記の回分方式(原液槽に一定水位
で原液を入れ、液量が規定水位に減少するまで一回の操
作を続ける)の他、原液を連続的に供給し、水位を一定
に保持しつつ循環させる供給循環方式、膜モジュ−ルを
多段に配列し、各段毎にポンプで循環させるカスケ−ド
方式等も使用できる。
【0022】上記の電着析出装置7において、エンドレ
スベルト電極73の液中面積は、単位時間に回収すべき
電着析出量に応じて設定される。また、その走行速度は
電極単位面積当たりの電着析出速度によって調整される
が、3m/minとすることが、電着析出に対する充分な
水切りを確保するうえに適切である。陽極と陰極との間
の距離は、装置の大きさ、液の懸濁質濃度、電気伝導
度、浮遊析出物の発生、適正電流密度や電圧等に応じて
設定され、通常、3cm〜100cmの範囲内で設定さ
れる。また、固定電極への固体ケ−キの堆積、固定電極
の腐食による被処理液の汚損等を防止するために、固定
電極の近傍(固定電極から5cm〜1mm程度の位置)
に電極膜を設けることが好ましい。
スベルト電極73の液中面積は、単位時間に回収すべき
電着析出量に応じて設定される。また、その走行速度は
電極単位面積当たりの電着析出速度によって調整される
が、3m/minとすることが、電着析出に対する充分な
水切りを確保するうえに適切である。陽極と陰極との間
の距離は、装置の大きさ、液の懸濁質濃度、電気伝導
度、浮遊析出物の発生、適正電流密度や電圧等に応じて
設定され、通常、3cm〜100cmの範囲内で設定さ
れる。また、固定電極への固体ケ−キの堆積、固定電極
の腐食による被処理液の汚損等を防止するために、固定
電極の近傍(固定電極から5cm〜1mm程度の位置)
に電極膜を設けることが好ましい。
【0023】上記電着析出装置においては、懸濁質を電
着析出させ、これを系外に排出する可動電極として、エ
ンドレスベルトを使用しているが、回転式ドラム、回転
子器円盤、走行ル−プワイヤ−等の使用も可能である。
着析出させ、これを系外に排出する可動電極として、エ
ンドレスベルトを使用しているが、回転式ドラム、回転
子器円盤、走行ル−プワイヤ−等の使用も可能である。
【0024】本発明の液体の処理方法は、懸濁液からの
固体微粒子、コロイド粒子の分離以外に、油分が分散さ
れた乳濁液からの油分の分離・回収にも使用できる。こ
の場合、上記のエンドレスベルト電極に同じくプ−リ−
駆動式で無課電のスチ−ルエンドレスベルトまたは油付
着性のゴムまたはプラスチックエンドレスベルトを補助
的にオイルスキマ−として並設することもできる。
固体微粒子、コロイド粒子の分離以外に、油分が分散さ
れた乳濁液からの油分の分離・回収にも使用できる。こ
の場合、上記のエンドレスベルト電極に同じくプ−リ−
駆動式で無課電のスチ−ルエンドレスベルトまたは油付
着性のゴムまたはプラスチックエンドレスベルトを補助
的にオイルスキマ−として並設することもできる。
【0025】本発明によれば、通常の微粒子、油分を含
有する懸濁液またはエマルジヨンは勿論のこと、コロイ
ド粒子のような超微粒子懸濁質であっても、懸濁質を低
含水率で連続的に、高い透過水量を保持しつつ低電力で
回収できる。このことは次の試験結果からも確認でき
る。
有する懸濁液またはエマルジヨンは勿論のこと、コロイ
ド粒子のような超微粒子懸濁質であっても、懸濁質を低
含水率で連続的に、高い透過水量を保持しつつ低電力で
回収できる。このことは次の試験結果からも確認でき
る。
【0026】試験例1 膜モジュ−ルに膜面積1.6m2,分画分子量2000
0の限外濾過膜モジュ−ルを使用し、ブタジェン系ラテ
ックスを主成分として約0.2%を含む洗浄排水を20
00リツトルの原液槽に溜め、ポンプ送液量15L/min
にて電着析出なしの回分式で処理した。この場合、初期
透過流量は43L/m2・hであったが、25倍まで濃縮した
ところ、透過流量は7L/m2・hにまで減少し、実質上これ
以上の濃縮は困難であった。
0の限外濾過膜モジュ−ルを使用し、ブタジェン系ラテ
ックスを主成分として約0.2%を含む洗浄排水を20
00リツトルの原液槽に溜め、ポンプ送液量15L/min
にて電着析出なしの回分式で処理した。この場合、初期
透過流量は43L/m2・hであったが、25倍まで濃縮した
ところ、透過流量は7L/m2・hにまで減少し、実質上これ
以上の濃縮は困難であった。
【0027】そこで、図1において、エンドレスベルト
電極73の接液面積が0.2m2の電着析出装置7を原
液槽1に隣接して設け、濃縮倍率が10倍となった時点
で、電極73,74間に直流電圧40Vをエンドレスベ
ルト電極73を陽極として課電し、エンドレスベルト電
極73を速度30cm/minで走行させた。初期での電着析
出物の回収量は、毎時1.22kgであり、その含水量は
56%であった。乾燥固形物1kg当たりの電力消費量は
2.1kwHであった。
電極73の接液面積が0.2m2の電着析出装置7を原
液槽1に隣接して設け、濃縮倍率が10倍となった時点
で、電極73,74間に直流電圧40Vをエンドレスベ
ルト電極73を陽極として課電し、エンドレスベルト電
極73を速度30cm/minで走行させた。初期での電着析
出物の回収量は、毎時1.22kgであり、その含水量は
56%であった。乾燥固形物1kg当たりの電力消費量は
2.1kwHであった。
【0028】25倍濃縮相当の透過液量となった時点で
の透過流量は32L/m2・hであり、時間は30%の減少で
あった。この残液に更に原液を加えて同様な処理を繰り
返すことができ、濃厚廃液の発生はない。
の透過流量は32L/m2・hであり、時間は30%の減少で
あった。この残液に更に原液を加えて同様な処理を繰り
返すことができ、濃厚廃液の発生はない。
【0029】試験例2 COD2700ppmの含油排水を試験例1と同一の膜モジュ
−ル、原液量並びにポンプ送液量、同一の電着析出なし
を使用し、同一の回分式で処理したところ、初期透過流
量は30L/m2・hであった。20倍濃縮後の透過流量は、
5L/m2・hとなり、透過流速の低下と粘度上昇による圧力
損失の増大並びに浮上油の発生が観察され、それ以上の
濃縮は困難であった。20倍濃縮液を焼却処理したとこ
ろ、1m3当たり、50000円の費用を必要とした。
−ル、原液量並びにポンプ送液量、同一の電着析出なし
を使用し、同一の回分式で処理したところ、初期透過流
量は30L/m2・hであった。20倍濃縮後の透過流量は、
5L/m2・hとなり、透過流速の低下と粘度上昇による圧力
損失の増大並びに浮上油の発生が観察され、それ以上の
濃縮は困難であった。20倍濃縮液を焼却処理したとこ
ろ、1m3当たり、50000円の費用を必要とした。
【0030】そこで、試験例1の電着析出装置を使用
し、直流課電電圧を60V、エンドレスベルト電極の走
行速度を20cm/minとし、最初より電着析出装置を作動
させて処理した。油の回収速度は毎時1.3kgであり、
油分1kg当たりの消費電力量は1.28kwHであった。
油分を連続的に回収できるために、処理のやっかいな濃
厚廃液の処理の問題がなく、処分費用を節減できるばか
りか、回収油を重油に混ぜて燃料として使用できた。
し、直流課電電圧を60V、エンドレスベルト電極の走
行速度を20cm/minとし、最初より電着析出装置を作動
させて処理した。油の回収速度は毎時1.3kgであり、
油分1kg当たりの消費電力量は1.28kwHであった。
油分を連続的に回収できるために、処理のやっかいな濃
厚廃液の処理の問題がなく、処分費用を節減できるばか
りか、回収油を重油に混ぜて燃料として使用できた。
【0031】試験例3 膜モジュ−ルに外径1.1mm,長さ1077mmの中
空糸膜膜を3600本集束した中空糸膜限外膜モジュ−
ルを使用し、コロイド状の金属シリコン微粒子を約30
0ppm含むウエハダイシリング排水を2000リツトル
の原液槽に平均0.9m3/hにて供給しつつ、ポンプ送液
量15L/minにて供給循環式で処理した。次第に、原液
槽中の金属シリコン微粒子濃度が上昇しほぼ50000
ppmになると、金属シリコン微粒子が膜面にケ-キ層とな
って堆積し、膜閉塞のために濾過不能の状態となった。
空糸膜膜を3600本集束した中空糸膜限外膜モジュ−
ルを使用し、コロイド状の金属シリコン微粒子を約30
0ppm含むウエハダイシリング排水を2000リツトル
の原液槽に平均0.9m3/hにて供給しつつ、ポンプ送液
量15L/minにて供給循環式で処理した。次第に、原液
槽中の金属シリコン微粒子濃度が上昇しほぼ50000
ppmになると、金属シリコン微粒子が膜面にケ-キ層とな
って堆積し、膜閉塞のために濾過不能の状態となった。
【0032】そこで、図1において、エンドレスベルト
電極73の接液面積が0.5m2の電着析出装置7を原
液槽1に隣接して設け、電極73,74間に直流電圧8
0Vをエンドレスベルト電極73を陽極として課電し、
エンドレスベルト電極73を速度50cm/minとし、最初
より電着析出装置を作動させて処理した。
電極73の接液面積が0.5m2の電着析出装置7を原
液槽1に隣接して設け、電極73,74間に直流電圧8
0Vをエンドレスベルト電極73を陽極として課電し、
エンドレスベルト電極73を速度50cm/minとし、最初
より電着析出装置を作動させて処理した。
【0033】その結果、膜面にケ−キ層の生成もなく、
透過流速の低下も発生することなく、ほぼ流入量に等し
い金属シリコンを連続的に回収できた。また、透過水
は、溶解シリカ等の微量の不純物をイオン交換等で除去
すれば、純水として再利用でき、回収したシリコンはセ
ラミック原料として利用可能である。
透過流速の低下も発生することなく、ほぼ流入量に等し
い金属シリコンを連続的に回収できた。また、透過水
は、溶解シリカ等の微量の不純物をイオン交換等で除去
すれば、純水として再利用でき、回収したシリコンはセ
ラミック原料として利用可能である。
【0034】
【発明の効果】本発明の液体の処理方法においては、膜
モジュ−ルの非透過液の懸濁質が系外に排出され、膜モ
ジュ−ルにそれだけ懸濁質低濃度の原液が再送され、特
に、懸濁質を系外に排出する手段に電着析出装置を使用
しているから、コロイド領域の超微粒子であっても、系
外への排出を可能とし、また、凝集剤等を必要とせず、
膜の目詰まりをよく防止でき、濃度分極の抑制による透
過流量の低下軽減、ファリング軽減による膜寿命の向上
を効果的に達成できる。
モジュ−ルの非透過液の懸濁質が系外に排出され、膜モ
ジュ−ルにそれだけ懸濁質低濃度の原液が再送され、特
に、懸濁質を系外に排出する手段に電着析出装置を使用
しているから、コロイド領域の超微粒子であっても、系
外への排出を可能とし、また、凝集剤等を必要とせず、
膜の目詰まりをよく防止でき、濃度分極の抑制による透
過流量の低下軽減、ファリング軽減による膜寿命の向上
を効果的に達成できる。
【0035】また、懸濁質が可動電極(エンドレスベル
ト電極)に電着析出され、該電極の液面上への走行によ
り水切りされつつ系外に連続的に排出されるから、懸濁
質を低含水率で回収でき、焼却処理が容易となり、ま
た、懸濁質廃棄の自動化も容易となる。
ト電極)に電着析出され、該電極の液面上への走行によ
り水切りされつつ系外に連続的に排出されるから、懸濁
質を低含水率で回収でき、焼却処理が容易となり、ま
た、懸濁質廃棄の自動化も容易となる。
【図1】本発明において使用する処理装置を示す説明図
である。
である。
【図2】本発明において使用する電着析出装置を示す説
明図である。
明図である。
1 原液槽 4 膜モジュ−ル 6 非透過液戻し配管 7 電着析出装置 72 駆動プ−リ− 73 エンドレスベルト電極 74 固定電極 75 電着析出物の剥ぎ取り手段
Claims (2)
- 【請求項1】懸濁質を含む原液を膜モジュ−ルに送り、
透過液を系外に排出し、懸濁質が濃縮された非透過液
を、電着補助装置により処理して懸濁質を可動電極に電
着析出させ、可動電極の液面上への移動によりその電着
析出物を水切りして系外に排出し、この排出により懸濁
質が希釈された原液を、再び膜モジュ−ルに送って循環
させ、以後、この循環を繰り返すことを特徴とする液体
の処理方法。 - 【請求項2】請求項1において、使用する電着補助装置
であり、液面に垂直に配設し、上端を液面上空間におい
て駆動プ−リ−で支持したエンドレスベルトにより可動
電極を形成し、液面上におけるエンドレスベルト電極部
分の表面に接して電着析出物の剥ぎ取り手段を設けたこ
とを特徴とする電着析出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12338293A JPH06304452A (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | 液体の処理方法及びこの方法において使用する電着析出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12338293A JPH06304452A (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | 液体の処理方法及びこの方法において使用する電着析出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06304452A true JPH06304452A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14859202
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12338293A Pending JPH06304452A (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | 液体の処理方法及びこの方法において使用する電着析出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06304452A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004195364A (ja) * | 2002-12-18 | 2004-07-15 | Sasakura Engineering Co Ltd | エマルジョン化した油を含む被処理水の油水分離方法及びその装置 |
WO2009122847A1 (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-08 | 株式会社神鋼環境ソリューション | 金属成分含有水の浄化処理方法及び浄化処理装置 |
-
1993
- 1993-04-26 JP JP12338293A patent/JPH06304452A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004195364A (ja) * | 2002-12-18 | 2004-07-15 | Sasakura Engineering Co Ltd | エマルジョン化した油を含む被処理水の油水分離方法及びその装置 |
WO2009122847A1 (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-08 | 株式会社神鋼環境ソリューション | 金属成分含有水の浄化処理方法及び浄化処理装置 |
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