JPH06303877A - まき網漁法 - Google Patents

まき網漁法

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JPH06303877A
JPH06303877A JP12090793A JP12090793A JPH06303877A JP H06303877 A JPH06303877 A JP H06303877A JP 12090793 A JP12090793 A JP 12090793A JP 12090793 A JP12090793 A JP 12090793A JP H06303877 A JPH06303877 A JP H06303877A
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fish
carrier
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Katsuichi Yoshida
勝一 吉田
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YOSHIKATSU GYOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 漁獲物の収納を行なう際の網船の安定性、安
全性を高め、作業能率を向上させたまき網漁法を提供す
る。 【構成】 漁獲物の収納を、接近した網船Aと運搬船B
との間まで縮小させたまき網1の魚捕部分12より行な
う形式のまき網漁法において、投網が完了し網船A単独
による揚網が進んだ後であって、残余の網がおおよそ魚
捕部分12だけとなるより前の段階に、運搬船Bの舷3
1側に該網1を取りつけるに際して、該網船Aの船尾2
2両側のそれぞれと該運搬船Bの片舷31の前後それぞ
れとをロープ15、16で繋留し、その後更に揚網を進
め、網船Aの船尾22が運搬船Bの舷31側に対向する
という両船の配置とした後に漁獲物の収納を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、まき網漁法の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】まき網漁業(漁法)とは、魚群を包囲し
てその逃路を断ち、次第に包囲形を縮小してこれを採取
する漁法、と定義されている。そしてその時使用する網
具を総称して「まき網」という。まき網は、海中に投じ
てこれを張りながら魚群を取り囲む筒状体とするもので
あるため、基本的に、その長手方向に沿った一端には浮
子が、他端には沈子がそれぞれ固定された帯状のもので
ある。また、網船についても魚群を取り巻きながらまき
網を迅速に張るものであるので機動性のある漁船が採用
される。
【0003】また、まき網漁業はすべて許可漁業として
制限されているが、これはこの漁法による漁獲効果が非
常に高いものであるため、釣り漁業、刺網漁業、定置網
漁業等他種漁業との調整を行なう必要があるからにほか
ならない。
【0004】次に、従来漁法の一例を経時的に説明して
みる。 網船1隻、燈船2隻、運搬船2隻を1か統として船
団を組み、漁労長が指揮をとって漁場へ向かう。 予定漁場に近づいた船団は、網船を中心としその左
右に燈船、さらにその左右に運搬船という配置で300
〜1000m間隔に展開し、各船とも魚群探知機を作動
し魚群の探索を行なう。 濃密魚群を発見すると、漁労長の指示を得て燈船を
当該位置に停泊させ、集魚燈を点じ集魚を開始する。こ
の時網船並びに運搬船はその周辺の魚群探知或いは他船
の操業状況等を調査した後操業開始まで燈船の周囲に漂
流し待機する。 燈船C1に魚群が集魚され、漁労長により操業開始
が指示されると、付属船(集魚作業をしていない燈船C
2)は網船Aの船尾部に回り、魚網1の一端11を受け
取る(図3)。 網船Aは魚網1の一端11を船C2に保持させた状
態で、燈船C1を中心として搭載魚網1を海中に投下し
つつ円形を描いて投網する(図4)。なお魚網1は、そ
の長手方向に沿って一端には浮子6が、他端には沈子7
が固定されたものであり、これらによって魚網1は海中
に垂直に展開できるものとなっている。また、両端には
網本体を1か所にまとめるロープ8が多数結着されてお
り、その最も下側のものは環締綱4と呼ばれるもので、
これのみを単独で締め、まき網の底を絞ることができる
ようになっている。 投網が終了し付属船C2に近接したら、該付属船C
2より預けていた魚網1の一端11を受け取り(図
5)、まず環締綱を締め上げた後揚網を開始する(図
6)。 揚網が進み魚捕部分12のみとなると、運搬船Bの
中の1隻が、網船Aの船首部より該魚捕部分12に近づ
きその一端を自船に取りつけて漁獲物の収納作業をする
(図7)。 収納作業が終了すると、当該運搬船Bは漁場を離脱
し水揚港に直行する。網船Aは残余の魚捕部分12を格
納し、残った船と共に次の操業に備える。
【0005】勿論、漁場や対象魚、或いは漁業規模によ
って種々の漁法が存在するが、漁獲を網船と運搬船とに
よって行なうという形式の場合、ほとんど上記例になら
ったものであるといって良い。
【0006】このような手順に従って漁獲を行なうので
あるが、海中に投じられている網が魚捕部分だけとな
り、その一端を運搬船が受け取った時(図7の状態)の
次の段階では、図8の如く網船Aは運搬船Bとそれぞれ
の舷21、31を対向させるような位置関係に置かれ
る。つまり魚網1の魚捕部分12は双方の船A、Bに掛
止されて、平面視矩形状又は台形状に張られている形と
なる。
【0007】図8の状態で、網船Aはその舷21側より
揚網を行なうので、作業中は両船は接近することになる
し、且つ該舷21側に大きく傾くことになる。従って、
一般的には燈船等を利用して他方側の舷より該網船Aを
曳航(うらこぎ)し、両船の距離を一定に保つと共に、
安定を図るようにしている。或いは、近時ウォータージ
ェット式のサイドスラスターを網船に設置し、うらこぎ
船を省略し得るものも見られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】即ち、いずれの場合で
も、網船が左右方向(ローリング方向)に傾きすぎるの
を、他船或いは自船の設備で、反対方向に力をかけてや
るという方法であって、揚網が進み重量の大きくなった
網船にとって、安心できる方策ではなかった。特に総ト
ン数が小さい、40トン程度以下の網船の場合、うらこ
ぎ船を付けてもローリングは強く残りしばしば危険な状
況となっているし、またそのような大きさの船ではサイ
ドスラスターを具備したものはほとんどないというのが
実情であった。
【0009】更に、揚網作業を機械化するについても、
例えば船曳網漁業における揚網作業の際にしばしば利用
される揚網ローラーは、舷側からの揚網には直接利用し
にくく、従って従来の揚網は多数の人手を要する効率の
悪い作業とならざるを得なかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、上記
諸点に鑑み長年鋭意研究の結果遂に本発明のまき網漁法
を開発したものであり、その特徴とするところは、漁獲
物の収納を、接近した網船と運搬船との間まで縮小させ
たまき網の魚捕部分より行なう形式のまき網漁法におい
て、投網が完了し網船単独による揚網が進んだ後であっ
て、残余の網がおおよそ魚捕部分だけとなるより前の段
階に、運搬船の舷側に該網を取りつけるに際して、該網
船の船尾両側のそれぞれと該運搬船の片舷の前後それぞ
れとをロープで繋留し、その後更に揚網を進め、網船の
船尾が運搬船の舷側に対向するという両船の配置とした
後に漁獲物の収納を行なう点にある。
【0011】即ち、網船と運搬船が近接した状態にあっ
て、俊敏性が求められるが故に小型であることが多い網
船を、従来のように両船の舷を揃えるという位置関係で
収納作業を行なわず、直交させることが本発明の目的で
あり、そのために利用したのが、両船を繋留しておくロ
ープである。
【0012】このロープ繋留までについては、従来漁法
と同様で良く何ら限定するものではない。ロープは従
来、網船と運搬船の対向する側舷同士を結んでいたが、
本発明方法の場合には網船の船尾両端と、該船尾と対向
する運搬船の舷の前後とを連結する。
【0013】そして、回動したい方向にあるロープを引
き、場合によっては逆側のロープを緩めるといった調整
をしながら揚網を進めてゆくと自動的に網船は運搬船に
対して直角な位置まで回動することになる。この段階で
は網船は、揚網してもローリングすることもないという
理想的な配置状態に置かれることになる。また、すべて
の作業が一貫して船尾で行なわれているので、舷側に魚
網を移動させるための労力が必要なく、作業者にとって
比較的楽で安全な仕事となっている。
【0014】揚網作業についても、揚網ローラーの巻き
上げ力を好適に利用することができるので、必要人員を
少なくすることもできるという効果もある。
【0015】
【実施例】以下本発明方法を、更に詳細に説明する。但
し、網船が投網を完了し、揚網もある程度進んだ状態ま
では、本発明方法は従来漁法と変わるところがないの
で、従来漁法の説明の乃至までに相当する本発明方
法の説明は既に済ませたものとし、その次の段階から詳
細に説明を行なう。
【0016】図1は、揚網が進み、近接した網船Aと運
搬船Bを2本のロープ15、16を結着した後、海中に
存在している魚網1が魚捕部分12だけとなった状態を
示すものである。図より明らかなようにロープ15は、
網船Aの船尾22の右端側と運搬船Bの後端側とに連結
されており、ロープ16は網船Aの船尾22の左端側と
運搬船Bの前端側とに連結されている。図の状態では網
船Aと運搬船BはT字状に配列している。これより前の
状態では、漁獲物の収納作業をすべく運搬船Bは網船A
の船首部より該魚捕部分12に近づいているわけである
が、このとき既に網船Aと運搬船Bとの位置関係がT字
状となっている必要はない。何故なら、例えば運搬船B
が網船の舷の方向に揃う方向(平行)に近接してきたと
しても、ロープ16側の網1を重点的に巻き上げるよう
にすれば、自動的に網船Aは運搬船Bに対して回動し、
適当な位置関係となるからである。
【0017】まき揚げ作業は人手に頼る部分も多いが、
本発明方法の場合には揚網用ネットローラー5が船尾2
2に設置されておりこれを使用することができるため、
人手は、魚捕部分12を台形状に大きく展開するために
要する(ネットローラー5のみでは三角形状にしか展開
できない)だけであるので、人員に求められる労力が少
なくて済む。なお、揚網用ネットローラー5は、小型底
曳漁業に使用しているものと基本的に同様のものであ
る。
【0018】図2は、本実施例で使用した魚網1を示し
たもので、その長手方向に沿って一端には浮子6が、他
端には沈子7が、それぞれ多数固定されている状態が明
らかになっている。これらによって魚網1は海中に垂直
に展開できるものとなっている。また、両端には網本体
を1か所にまとめるロープ8が多数結着されており、そ
の最も下側のものは環締綱4と呼ばれるものである。こ
れは、網本体部分より下方に設けられた多数のパースリ
ング9に通されるワイヤで、これのみを単独で締めれ
ば、まき網の底を絞ることができるようになっている。
また魚捕部分12は、網本体の少なくとも片側に設けら
れたものであり、網が袋状に湾曲し、揚網中海中に没し
ている部分が多いので漁獲物が傷みにくくなっている。
そして、この魚捕部分12が、網船Aと運搬船Bとの間
に展開されることになる。なお漁獲物の収納自体は、従
来と全く同様に行なう。
【0019】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明方法
は、漁獲物の収納を、接近した網船と運搬船との間まで
縮小させたまき網の魚捕部分より行なう形式のまき網漁
法において、投網が完了し網船単独による揚網が進んだ
後であって、残余の網がおおよそ魚捕部分だけとなるよ
り前の段階に、運搬船の舷側に該網を取りつけるに際し
て、該網船の船尾両側のそれぞれと該運搬船の片舷の前
後それぞれとをロープで繋留し、その後更に揚網を進
め、網船の船尾が運搬船の舷側に対向するという両船の
配置とした後に漁獲物の収納を行なうことを特徴とする
まき網漁法であり、以下述べる如き種々の効果を有する
極めて高度な発明である。 網船の船尾にて揚網作業を行なうため、船が左右に
動揺して危険な状態となる可能性が小さい。 揚網機の巻き上げ力を充分利用することができるの
で、労力を軽減することができる。 舷側での揚網作業がないため、網船に設置しなけれ
ばならない設備が少なくて済む。即ち、設備投資額が格
段に軽減できる。 作業者は、投網の段階から漁獲の段階に到るまでほ
とんど船尾にいれば良いので、作業は楽で早くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施している一状態を示す概略平
面図である。
【図2】本発明方法に使用する魚網の一例を示す概略平
面図である。
【図3】まき網漁法の一例を示す概略斜視図である。
【図4】まき網漁法の一例を示す概略斜視図である。
【図5】まき網漁法の一例を示す概略斜視図である。
【図6】まき網漁法の一例を示す概略斜視図である。
【図7】まき網漁法の一例を示す概略斜視図である。
【図8】まき網漁法の従来例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
A 網船 B 運搬船 C1 燈船 C2 燈船(付属船) 1 魚網 11 魚網の一端 12 魚網の魚捕部分 13 魚網の浮子側端 14 魚網の沈子側端 21 網船の舷 22 網船の船尾 31 運搬船の舷 4 環締綱 5 揚網用ネットローラー 6 浮子 7 沈子 8 ロープ 9 パースリング 15 ロープ 16 ロープ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 漁獲物の収納を、接近した網船と運搬船
    との間まで縮小させたまき網の魚捕部分より行なう形式
    のまき網漁法において、投網が完了し網船単独による揚
    網が進んだ後であって、残余の網がおおよそ魚捕部分だ
    けとなるより前の段階に、運搬船の舷側に該網を取りつ
    けるに際して、該網船の船尾両側のそれぞれと該運搬船
    の片舷の前後それぞれとをロープで繋留し、その後更に
    揚網を進め、網船の船尾が運搬船の舷側に対向するとい
    う両船の配置とした後に漁獲物の収納を行なうことを特
    徴とするまき網漁法。
JP12090793A 1993-04-23 1993-04-23 まき網漁法 Expired - Lifetime JPH0755117B2 (ja)

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