JPH06302291A - 電子ビーム源 - Google Patents

電子ビーム源

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JPH06302291A
JPH06302291A JP5110983A JP11098393A JPH06302291A JP H06302291 A JPH06302291 A JP H06302291A JP 5110983 A JP5110983 A JP 5110983A JP 11098393 A JP11098393 A JP 11098393A JP H06302291 A JPH06302291 A JP H06302291A
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JP
Japan
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plasma
porous
electron beam
generating
cathode
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Application number
JP5110983A
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English (en)
Inventor
Manabu Hamagaki
学 浜垣
Tamio Hara
民夫 原
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】プラズマ発生用多孔陽極の電子が透過する多孔
部位のみが放電電極となるようにして、この多孔部位の
みにプラズマを集中発生させ、電子ビームの引き出し効
率を向上させる。 【構成】プラズマ発生用陰極18と、プラズマ発生用陰
極18との間でプラズマを発生するとともに発生された
プラズマの電子を透過するための透過孔14aが多数穿
設された多孔部位Aを備えたプラズマ発生用多孔陽極1
4と、プラズマ発生用多孔陽極14の透過孔14aから
電子を引き出して加速するとともに引き出して加速した
電子を透過するための透過孔16aが多数穿設された多
孔部位を備えた電子加速用多孔電極16とを順に配置し
た電子ビーム源であって、プラズマ発生用多孔陽極14
のプラズマ発生用陰極側18の表面を、多孔部位Aを除
いて絶縁部材50により被覆した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子ビーム源に関し、
さらに詳細には、半導体などのドライ・エッチング、成
膜ならびに電子ビーム励起イオン源などに用いられる電
子ビーム源に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体などのドライ・エッチン
グ、成膜ならびに電子ビーム励起イオン源などに用いら
れる電子ビーム源として、例えば、特開昭62−278
736号公報に開示された電子ビーム源がある。
【0003】上記特開昭62−278736号公報に開
示された電子ビーム源は、電子ビームを用いてイオンを
生成する電子ビーム励起イオン源に用いられた電子ビー
ム源であって、電子ビームの電流とエネルギーとを独立
して制御することができるものであった。
【0004】図9は、特開昭62−278736号公報
に開示された電子ビーム源を備えた電子ビーム励起イオ
ン源の構成を示しており、カソード(プラズマ発生用陰
極)102と透過孔104aを多数穿設した多孔状アノ
ード(プラズマ発生用多孔陽極)104との間で、放電
プラズマが発生されることになる。そして、この放電プ
ラズマのプラズマ電子が、プラズマ発生用多孔陽極10
4の透過孔104aから、透過孔106aを多数形成し
た多孔状の電子ビーム加速用電極(電子ビーム加速用多
孔電極)106により引き出されて加速され、電子ビー
ムを形成することになるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭62−278736号公報に開示された従来の電子
ビーム源にあっては、図10(電子ビーム電流の放電電
流に対する依存性を示すグラフであり、「Id」は放電
電流、「IA1」は電子ビーム電流、「VAC」は加速電圧
であり、プラズマ発生用多孔陽極104と電子ビーム加
速用多孔電極106との間の電子加速領域のガス圧は
「0.03Torr」である。なお、特開昭62−27
8736号公報第4図に対応する。)に示されているよ
うに、放電電流の約1割程度しか電子ビーム電流を取り
出すことができないものであって、電子ビームの引き出
し効率があまり良くないという問題点が指摘されてい
た。
【0006】ところで、電子ビームとしてプラズマ発生
用多孔陽極から引き出される電子の数は、放電電流のう
ちプラズマ発生用多孔陽極の透過孔を透過した電子の数
に等しいものであるから、電子ビーム電流はプラズマ発
生用多孔陽極の透過孔の全面積に比例することになる。
【0007】即ち、プラズマ発生用陰極とプラズマ発生
用多孔陽極との間のプラズマ発生領域から電子を引き出
して加速する場合、プラズマ発生用多孔陽極の透過孔か
ら引き出される電子ビーム電流の放電電流に対する割合
は、プラズマと接するプラズマ発生用多孔陽極の全面積
と電子透過部位(透過孔の全面積)との割合(以下、
「開口率」と称する。)に等しくなる。
【0008】図11(a)(b)には、上記した特開昭
62−278736号公報に示される従来の電子ビーム
源において用いられる、プラズマ発生用多孔陽極104
ならびに電子ビーム加速用多孔電極106が示されてい
るが、プラズマ発生用陰極102とプラズマ発生用多孔
陽極104との間のプラズマ発生領域において発生され
たプラズマは、プラズマ発生用多孔陽極104のプラズ
マ発生用陰極側102の表面の全面に広がって発生され
ることになる。
【0009】このため、従来の電子ビーム源においては
開口率が低いものとなり、プラズマ発生用多孔陽極10
4の透過孔104aから引き出される電子ビーム電流の
放電電流に対する割合も低いものとなっていた。
【0010】即ち、プラズマ発生用多孔陽極104の透
過孔104aが存在する多孔部位A(図11(a)にお
いて、破線で示す中央の円形部分の内部である。)に位
置するプラズマ電子だけが、電子ビーム加速用多孔電極
106によって透過孔104aから引き出されて加速さ
れ、電子ビームを形成することになるので、多孔部位A
の周縁部に位置する周部Bには引き出されないプラズマ
電子が残存することになり、電子ビームの引き出し効率
があまり良くないものとなっていた。なお、符号104
b(106b)は、固定用ならびに位置決め用の貫通孔
である。
【0011】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、プラズマ発生用多孔陽極の電子が透過する多孔
部位のみが放電電極となるようにして、この多孔部位の
みにプラズマを集中発生させ、電子ビームの引き出し効
率を向上させた電子ビーム源を提供しようとするもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による電子ビーム源は、プラズマ発生用陰極
と、上記プラズマ発生用陰極との間でプラズマを発生す
るとともに発生されたプラズマの電子を透過するための
透過孔が多数穿設された多孔部位を備えたプラズマ発生
用多孔陽極と、上記プラズマ発生用多孔陽極の上記透過
孔から電子を引き出して加速するとともに引き出して加
速した電子を透過するための透過孔が多数穿設された多
孔部位を備えた電子加速用多孔電極とを順に配置した電
子ビーム源において、上記プラズマ発生用多孔陽極の上
記プラズマ発生用陰極側の表面を、上記多孔部位を除い
て絶縁部材により被覆するようにした。
【0013】また、本発明による電子ビーム源は、プラ
ズマ発生用陰極と、上記プラズマ発生用陰極との間でプ
ラズマを発生するとともに発生されたプラズマの電子を
透過するための透過孔が多数穿設された多孔部位を備え
たプラズマ発生用多孔陽極と、上記プラズマ発生用多孔
陽極の上記透過孔から電子を引き出して加速するととも
に引き出して加速した電子を透過するための透過孔が多
数穿設された多孔部位を備えた電子加速用多孔電極とを
順に配置した電子ビーム源において、上記プラズマ発生
用陰極と上記プラズマ発生用多孔陽極との間のプラズマ
発生領域の軸方向距離を短縮化した。
【0014】
【作用】プラズマ発生用多孔陽極のプラズマ発生用陰極
側の表面が、多孔部位を除いて絶縁部材により被覆され
ているので、放電プラズマが多孔部位のみに集中するよ
うになる。
【0015】また、プラズマ発生用陰極とプラズマ発生
用多孔陽極との間のプラズマ発生領域の軸方向距離を短
縮化したので、プラズマが径方向に広がることなく、多
孔部位に集中するようになる。
【0016】このため、上記いずれの場合においても、
多孔部位から効率よく電子を引き出せることになり、電
子の引き出し効率を、多孔部位における開口率と同等ま
で改善することができる。
【0017】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明による電子ビ
ーム源の実施例を詳細に説明するものとする。
【0018】図1には、本発明の第一の実施例による電
子ビーム源を備えた電子ビーム励起イオン源が示されて
いる。
【0019】この電子ビーム源を備えた電子ビーム励起
イオン源は、内径(φd)60mmで全長110mmの
密閉容器12内に、例えば、タングステンやモリブデン
などの高融点金属などからなるプラズマ発生用多孔陽極
14および電子ビーム加速用多孔電極16を、約1mm
の間隔で配設している。これらプラズマ発生用多孔陽極
14および電子ビーム加速用多孔電極16は、従来の電
子ビーム源に使用されたものと同様に図11(a)
(b)に示されるような構成をしており、多孔部位Aの
直径は25mmであり、直径1mmの透過孔14a(1
6a)が211個穿設されている。
【0020】密閉容器12内のプラズマ発生用多孔陽極
14と対向する一方の側壁12aには、熱フィラメント
よりなるプラズマ発生用陰極18が、プラズマ発生用多
孔陽極14に向けて突出するように配設されている。
【0021】また、プラズマ発生用陰極18とプラズマ
発生用多孔陽極14との間には、貫通孔20aが穿設さ
れた中間電極20が設けられている。中間電極20は、
熱フィラメントよりなるプラズマ発生用陰極18領域の
ガス圧を高めることにより、プラズマ発生用陰極18と
プラズマ発生用多孔陽極14との間の放電を安定にした
り、後述するイオン生成領域におけるイオン生成のため
の作動ガスとして酸素などの活性ガスを用いた場合に、
プラズマ発生用陰極18領域に導入されるAr(アルゴ
ン)ガスのガス圧を高めて、酸素などの活性ガスが流入
することを防止し、プラズマ発生用陰極18の熱フィラ
メントを保護するための隔壁としての作用をする。
【0022】なお、プラズマ発生用陰極18領域のAr
のガス圧は、0.1Torr程度に設定される。
【0023】さらに、電子ビーム加速用多孔電極16と
対向する他方の側壁12bとの間のイオン生成室12c
内には、半導体チップなどの被処理材22が、電気的に
絶縁された状態で配置されることになる。
【0024】電源としては、プラズマ発生用陰極18と
してのフィラメントから熱電子を放出させるために、こ
れを約1500°C乃至1600°Cに加熱するための
電圧Vhを印加する直流あるいは交流のヒータ電源26
と、プラズマ発生用陰極18とプラズマ発生用多孔陽極
14との間に放電電圧Vdを印加するための放電電源2
8と、電子ビーム加速用多孔電極16に電子ビームの加
速電圧Vaを印加するための電子ビーム加速用電源30
とが設定されている。
【0025】また、プラズマ発生用多孔陽極14のプラ
ズマ発生用陰極18側の表面は、多孔部位Aを除いた残
存部位たる周部B全体に、絶縁部材50が被覆されてい
る。
【0026】なお、密閉容器12とプラズマ発生用多孔
陽極14、電子ビーム加速用多孔電極16、中間電極2
0ならびにプラズマ発生用陰極18とは、従来の技術と
同様に絶縁部材50を介して接続されていて、密閉容器
12は電気的に絶縁された状態とされている。
【0027】また、図11(a)において、符号14a
(16a)は、固定用ならびに位置決め用の貫通孔であ
る。
【0028】以上の構成において、密閉容器12の側壁
12aと中間電極20との間に配設されたバルブ(図示
せず)を介して、密閉容器12内に放電用ガスとしての
Arガスが、上記したように0.1Torr程度のガス
圧となるように導入される。プラズマ発生用陰極18と
プラズマ発生用多孔陽極14との間には、放電電源28
から約60V乃至100Vの低エネルギーの放電電圧V
dが印加されて放電が起こされ、プラズマ発生用陰極1
8とプラズマ発生用多孔陽極14との間で放電プラズマ
が生成される。
【0029】この際に、プラズマ発生用陰極18は加熱
電源26からの加熱電圧Vhにより約1500°C乃至
1600°Cに加熱されて熱電子を放出しており、プラ
ズマ発生用陰極18とプラズマ発生用多孔陽極14との
間の放電開始を容易にしている。このために、放電電源
28からの約60V乃至100Vの低エネルギーの放電
電圧Vdにより放電を開始することができる。
【0030】上記したように、プラズマ発生用陰極18
とプラズマ発生用多孔陽極14との間が、放電電源28
により電子ビーム源となる電子を含むプラズマを生成す
る領域たるプラズマ発生領域となるが、このプラズマ発
生領域で生成されたプラズマは、多孔部位Aを除いたプ
ラズマ発生用多孔陽極14のプラズマ発生用陰極18側
の表面が絶縁部材50により被覆されているため、多孔
部位Aのみに集中するようになる。
【0031】また、プラズマ発生用多孔陽極14に対し
て約1mmの間隔で設けられた電子ビーム加速用多孔電
極16には、電子ビーム加速用電源30により加速電圧
Vaが印加されていて、プラズマ発生領域で生成された
プラズマから電子を引き出して加速し、電子ビームをイ
オン生成室12c内に入射する。従って、プラズマ発生
用多孔陽極14と電子ビーム加速用多孔電極16との間
が、電子ビーム加速用電源30により電子を加速する領
域たる電子ビーム加速領域となる。
【0032】なお、プラズマ発生用多孔陽極14と電子
ビーム加速用多孔電極16との間は、例えば、0.03
Torr程度のガス圧とされている。
【0033】イオン生成室12cには、イオン生成のた
めの作動ガスとして、例えば、酸素(O2)あるいはA
rガスが供給されている。そして、イオン生成室12c
内に導入された電子ビームは、イオン生成のための作動
ガスのガス分子に衝突し、濃いプラズマを発生する。こ
うして、電離断面積の大きなエネルギーを有する電子ビ
ームを用いて、ガス圧の少ない領域でプラズマが発生さ
れる。
【0034】即ち、イオン生成室12c内のガス分子に
高速の電子を衝突させ、ガス分子をプラズマ化してイオ
ンを生成することになる。従って、電子ビーム加速用多
孔電極16から側壁12cまでの領域が、電子ビームに
よりプラズマを生成する領域たるイオン生成領域とな
る。
【0035】なお、イオン生成領域のガス圧は、真空ポ
ンプによって10-4Torr乃至0.1Torr程度に
設定される。
【0036】上記のようにしてイオン生成室12c内で
発生されたプラズマ中のイオンが、被処理材22に衝突
することになって、被処理材22に対するエッチングな
どの処理が行われる。
【0037】ところで、電子ビーム加速用多孔電極16
に電子ビーム加速用電源30により加速電圧Vaを印加
することにより、電子ビームとしてプラズマ発生領域か
ら引き出される電子の数は、上記したように「開口率」
に等しくなる。本実施例においては、プラズマ発生用多
孔陽極14の多孔部位A以外は絶縁部材50によって被
覆されているため、プラズマは多孔部位Aのみと接する
ことになる。
【0038】従って、本実施例においては、透過孔14
aを穿設した多孔部位Aの直径が25mmであるため、
この多孔部位Aの面積は156.25πmm2となる。
さらにまた、透過孔14aの直径は1mmであり、透過
孔14aは211個穿設されているため、透過孔14a
の全面積は52.75πmm2となる。
【0039】上記したように放電プラズマは多孔部位A
に集中するため、電子が引き出される面積の割合は、
「52.75πmm2/156.25πmm2」となり、
約34%となる。
【0040】一方、プラズマ発生用多孔陽極14の多孔
部位A以外に絶縁部材50を被覆しない従来の技術の場
合には、放電プラズマはプラズマ発生用多孔陽極14の
全面に接触することになる。この場合には、dφ=60
mmであるため、プラズマ発生用多孔陽極14の全面の
面積は900πmm2となり、電子が引き出される面積
の割合は、「52.75πmm2/900πmm2」とな
り、約6%という極めて小さい値となる。
【0041】図2および図3は、発明者による第一の実
施例を使用した実験の結果を示すグラフであり、放電電
流Idの3割以上の電流が、電子ビーム電流Iaとして
引き出せることが確認されている。
【0042】なお、プラズマ発生用多孔陽極14の各透
過孔14aの中心間の間隔については、加工限界ならび
に強度限界があり、全透過孔14a部分の面積割合は、
多孔部位Aの全面積の約4割乃至5割が限界と考えられ
る。
【0043】図4は、プラズマ発生用多孔陽極14領域
のガス圧を変化させて、引き出される電子ビーム電流を
測定した結果を示すグラフである。この図4から明らか
なように、低いガス圧においても、空間電荷制限電流以
上の電子ビーム電流が引き出されていることが理解され
る。なお、ガス圧が高くなると、プラズマ中のイオンや
電子の寄与により、見かけ上の電流が増加している。
【0044】上記のようにして、電子ビームの引き出し
効率が改善されるようになるので、図5に示すように放
電電流4A乃至5Aにおいて、イオン生成領域に1011
cm-3以上の高密度プラズマを発生できるようになっ
た。この高密度プラズマ中に被処理材22を配置するこ
とにより、ドライ・エッチング、プラズマCVD、表面
処理などを容易に行うことができるものである。
【0045】図6は、本発明の第二の実施例による電子
ビーム源を備えた電子ビーム励起イオン源を示してお
り、多孔部位Aの外径に合わせた絶縁材料より構成され
た筒状絶縁部材60を、中間電極20と多孔部位Aとの
間に配置したものである。
【0046】この第二の実施例においては、筒状絶縁部
材60によってプラズマの径方向への広がりが制限され
るため、プラズマが強制的に多孔部位Aに集中されるよ
うになり、極めて効率のよい電子ビームの引き出しを行
うことができる。
【0047】図7は、本発明の第三の実施例による電子
ビーム源を備えた電子ビーム励起イオン源を示してお
り、中間電極20とプラズマ発生用多孔陽極14との軸
方向距離を極めて短く設定している。この第三の実施例
にあっては、プラズマが径方向に広がらないうちに多孔
部位Aに到達することになり、上記第一の実施例および
第二の実施例と同様に、多孔部位Aにプラズマを集中さ
せることができる。
【0048】この第三の実施例においては、中間電極2
0とプラズマ発生用多孔陽極14との軸方向距離が短く
なるので、装置全体をコンパクトに構成することがで
き、また絶縁部材50をプラズマ発生用多孔陽極14に
被覆したり、中間電極20と多孔部位Aとの間に筒状絶
縁部材60を配置したりしなくてもよいため、構成部品
点数ならびに加工工数が大幅に低減される。
【0049】図8は、本発明の第四の実施例による電子
ビーム源を備えた電子ビーム励起イオン源を示してお
り、大口径プラズマを生成する場合を示している。
【0050】近年、産業界においては、直径が20cm
以上の大口径プラズマを、均一に生成することが要望さ
れている。しかしながら、プラズマ発生用多孔陽極14
ならびに電子ビーム加速用多孔電極16を大口径化し
て、均一な大口径プラズマを発生させることは、製造技
術上極めて困難である。
【0051】このため、図8に示すように、図1に示す
ような小口径のプラズマ発生用多孔陽極14ならびに電
子ビーム加速用多孔電極16を複数並置して、大口径プ
ラズマを発生させればよい。この際にも、多孔部位A以
外の部位は、絶縁部材50で被覆することにより、電子
ビームの引き出し効率を改善することができる。
【0052】この図8に示す第四の実施例においては生
成されたプラズマは、電子の透過部位たる多孔部位Aの
範囲においては空間電位、浮動電位、プラズマ密度は均
一であり、結果として、均一な大口径プラズマにより被
処理材22を処理できる。
【0053】なお、上記各実施例において、イオン生成
領域における作動ガスに不活性ガスを用いるときは、熱
フィラメントよりなるプラズマ発生用陰極18を保護す
る必要がないので、中間電極20を設けなくともよい。
【0054】また、上記各実施例においては、プラズマ
発生領域で生成される放電プラズマとして、直流の放電
電源28により生成される直流放電プラズマを用いた
が、プラズマ領域から電子を引き出して電子ビーム加速
領域において電子を加速できればよいものであるため、
高周波(RF)放電プラズマ、マイクロ波放電プラズマ
あるいはECR(Electron Cyclotro
n Lesonance)プラズマ(電子サイクロトロ
ン共鳴プラズマ)などを用いてもよい。
【0055】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0056】プラズマ発生用陰極と、上記プラズマ発生
用陰極との間でプラズマを発生するとともに発生された
プラズマの電子を透過するための透過孔が多数穿設され
た多孔部位を備えたプラズマ発生用多孔陽極と、上記プ
ラズマ発生用多孔陽極の上記透過孔から電子を引き出し
て加速するとともに引き出して加速した電子を透過する
ための透過孔が多数穿設された多孔部位を備えた電子加
速用多孔電極とを順に配置した電子ビーム源において、
上記プラズマ発生用多孔陽極の上記プラズマ発生用陰極
側の表面を、上記多孔部位を除いて絶縁部材により被覆
するようにしたり、上記プラズマ発生用陰極と上記プラ
ズマ発生用多孔陽極との間のプラズマ発生領域の軸方向
距離を短縮化するようにしたため、プラズマを多孔部位
のみに集中することができるようになる。
【0057】このため、上記いずれの場合においても、
多孔部位から効率よく電子を引き出せることになり、電
子の引き出し効率は、多孔部位における開口率と同等ま
で向上されることになる。
【0058】従って、本発明によれば、プラズマ発生用
多孔陽極の電子が透過する多孔部位のみが放電電極とな
るので、この多孔部位のみにプラズマが集中し、電子ビ
ームの引き出し効率を著しく向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例による電子ビーム源を備
えた電子ビーム励起イオン源の全体構成概略側断説明図
である。
【図2】放電電流と電子ビーム電流との関係を示すグラ
フである。
【図3】加速電圧と電子ビーム電流との関係を示すグラ
フである。
【図4】ガス圧と電子ビーム電流との関係を示すグラフ
である。
【図5】放電電流とプラズマ密度との関係を示すグラフ
である。
【図6】本発明の第二の実施例による電子ビーム源を備
えた電子ビーム励起イオン源の全体構成概略側断説明図
である。
【図7】本発明の第三の実施例による電子ビーム源を備
えた電子ビーム励起イオン源の全体構成概略側断説明図
である。
【図8】本発明の第四の実施例による電子ビーム源を備
えた電子ビーム励起イオン源の全体構成概略側断説明図
である。
【図9】従来の電子ビーム源を備えた電子ビーム励起イ
オン源の全体構成概略側断説明図である。
【図10】放電電流と電子ビーム電流との関係を示すグ
ラフである。
【図11】プラズマ発生用多孔陽極ならびに電子ビーム
加速用多孔電極を示し、(a)は正面図、(b)は多孔
部位Aの拡大説明図である。
【符号の説明】
12 密閉容器 14 プラズマ発生用多孔陽極 14a 透過孔 16 電子ビーム加速用多孔電極 16a 透過孔 18 プラズマ発生用陰極 20 中間電極 20a 貫通孔 22 被処理材 26 加熱電源 28 放電電源 30 加速電源 50 絶縁部材 60 筒状絶縁部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ発生用陰極と、 前記プラズマ発生用陰極との間でプラズマを発生すると
    ともに発生されたプラズマの電子を透過するための透過
    孔が多数穿設された多孔部位を備えたプラズマ発生用多
    孔陽極と、 前記プラズマ発生用多孔陽極の前記透過孔から電子を引
    き出して加速するとともに引き出して加速した電子を透
    過するための透過孔が多数穿設された多孔部位を備えた
    電子加速用多孔電極とを順に配置した電子ビーム源にお
    いて、 前記プラズマ発生用多孔陽極の前記プラズマ発生用陰極
    側の表面を、前記多孔部位を除いて絶縁部材により被覆
    したことを特徴とする電子ビーム源。
  2. 【請求項2】 プラズマ発生用陰極と、 前記プラズマ発生用陰極との間でプラズマを発生すると
    ともに発生されたプラズマの電子を透過するための透過
    孔が多数穿設された多孔部位を備えたプラズマ発生用多
    孔陽極と、 前記プラズマ発生用多孔陽極の前記透過孔から電子を引
    き出して加速するとともに引き出して加速した電子を透
    過するための透過孔が多数穿設された多孔部位を備えた
    電子加速用多孔電極とを順に配置した電子ビーム源にお
    いて、 前記プラズマ発生用陰極と前記プラズマ発生用多孔陽極
    との間のプラズマ発生領域の軸方向距離を短縮化したこ
    とを特徴とする電子ビーム源。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009195711A (ja) * 2009-03-30 2009-09-03 Fujitsu Ltd ダイオキシン含有被処理物質の浄化方法及びダイオキシン含有被処理物質の浄化装置
JP2010040417A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Toyota Motor Corp 電子ビーム発生装置

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JP2010040417A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Toyota Motor Corp 電子ビーム発生装置
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