JPH06300555A - 力センサーおよび原子間力顕微鏡 - Google Patents
力センサーおよび原子間力顕微鏡Info
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- JPH06300555A JPH06300555A JP8852093A JP8852093A JPH06300555A JP H06300555 A JPH06300555 A JP H06300555A JP 8852093 A JP8852093 A JP 8852093A JP 8852093 A JP8852093 A JP 8852093A JP H06300555 A JPH06300555 A JP H06300555A
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- force sensor
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、力センサーおよび原子間力顕微鏡
に関するもので、特に、光素子等を必要としない力セン
サーとそれを備えた原子間力顕微鏡を提供することを目
的とする。 【構成】 基部から先端までの長さが約100μmのテ
トラポッド状の酸化亜鉛ウィスカを作製後、このウィス
カの3本の針状結晶1の先端部を絶縁体基板2上に作製
した金電極3上に導電性接着剤4を用いて取り付け、さ
らに、このウィスカの基部5に金属線6を取り付けた。
この金属線6と金電極3間の電圧を電圧計7により測定
した。この酸化亜鉛ウィスカの金電極面に垂直な針状結
晶8にマイクロメータを用いて針状結晶8の軸方向に力
を加えたところ、残りの針状結晶に歪が生じ、圧電効果
により結晶内部に電圧が発生し、電圧計でこの電圧を検
出することができた。
に関するもので、特に、光素子等を必要としない力セン
サーとそれを備えた原子間力顕微鏡を提供することを目
的とする。 【構成】 基部から先端までの長さが約100μmのテ
トラポッド状の酸化亜鉛ウィスカを作製後、このウィス
カの3本の針状結晶1の先端部を絶縁体基板2上に作製
した金電極3上に導電性接着剤4を用いて取り付け、さ
らに、このウィスカの基部5に金属線6を取り付けた。
この金属線6と金電極3間の電圧を電圧計7により測定
した。この酸化亜鉛ウィスカの金電極面に垂直な針状結
晶8にマイクロメータを用いて針状結晶8の軸方向に力
を加えたところ、残りの針状結晶に歪が生じ、圧電効果
により結晶内部に電圧が発生し、電圧計でこの電圧を検
出することができた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、引力や斥力を高感度に
検出するセンサーおよび前記センサーを備えた原子間力
顕微鏡に関するものである。
検出するセンサーおよび前記センサーを備えた原子間力
顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、固体表面を原子オーダで観察でき
る装置として原子間力顕微鏡(以後AFMと呼ぶ)が開
発されている。AFMでは微小な力を検出するために、
図4に示すような探針26を有する長さlが100μm
から200μm程度のカンチレバー27が必要である。
る装置として原子間力顕微鏡(以後AFMと呼ぶ)が開
発されている。AFMでは微小な力を検出するために、
図4に示すような探針26を有する長さlが100μm
から200μm程度のカンチレバー27が必要である。
【0003】試料表面の原子または分子に探針先端部が
接近したときに受ける力は、前記カンチレバーのたわみ
を測定することで検出される。このたわみの測定方法と
して光てこ法や、光干渉法などがある。試料と探針間の
距離の制御および走査のための微動機構には、トライポ
ッド型やチューブ型の圧電体が用いられている。前記圧
電体は、探針側にはカンチレバーのたわみ測定機構があ
るため、通常試料側に設けられている。また前記探針と
しては、カンチレバー先端のエッジ部分を探針として用
いたもの、結晶のエッチピットを鋳型として利用し作製
したもの、異方性エッチングにより作製したもの等が使
用されている。
接近したときに受ける力は、前記カンチレバーのたわみ
を測定することで検出される。このたわみの測定方法と
して光てこ法や、光干渉法などがある。試料と探針間の
距離の制御および走査のための微動機構には、トライポ
ッド型やチューブ型の圧電体が用いられている。前記圧
電体は、探針側にはカンチレバーのたわみ測定機構があ
るため、通常試料側に設けられている。また前記探針と
しては、カンチレバー先端のエッジ部分を探針として用
いたもの、結晶のエッチピットを鋳型として利用し作製
したもの、異方性エッチングにより作製したもの等が使
用されている。
【0004】AFMの分解能は前記探針の先端曲率半径
に依存し、曲率半径が小さいほど分解能は上がる。現在
のところ200から300オングストロームの曲率の探
針が作製され、このカンチレバーを用いてマイカ等の原
子像が観察されている。
に依存し、曲率半径が小さいほど分解能は上がる。現在
のところ200から300オングストロームの曲率の探
針が作製され、このカンチレバーを用いてマイカ等の原
子像が観察されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】通常AFMでは、装置
を小型化するほど分解能は向上するが、カンチレバーの
たわみを検出するための光てこなどの検出機構が必要な
ため小型化にも限界がある。また、三次元の微動機構
(圧電体)を試料側に設けた場合、試料の大きさに制約
がでる。さらに、AFMを真空中で用いる場合、光てこ
や光干渉に用いるレーザー光源や、フォトダイオード等
の素子が、高温環境下では破壊されるため、チャンバー
のベーキング温度を高くできず、超高真空度を達成する
のに長時間かかるという問題があった。
を小型化するほど分解能は向上するが、カンチレバーの
たわみを検出するための光てこなどの検出機構が必要な
ため小型化にも限界がある。また、三次元の微動機構
(圧電体)を試料側に設けた場合、試料の大きさに制約
がでる。さらに、AFMを真空中で用いる場合、光てこ
や光干渉に用いるレーザー光源や、フォトダイオード等
の素子が、高温環境下では破壊されるため、チャンバー
のベーキング温度を高くできず、超高真空度を達成する
のに長時間かかるという問題があった。
【0006】さらに、垂直に近い壁面を有する試料を正
確に形状観察するためには、探針の側面が試料壁面に接
触しないようなアスペクト比の大きい探針を有するカン
チレバーが必要となる。しかし、このような高アスペク
ト比探針を有するカンチレバーを作製するには、複雑な
プロセスが必要であった。
確に形状観察するためには、探針の側面が試料壁面に接
触しないようなアスペクト比の大きい探針を有するカン
チレバーが必要となる。しかし、このような高アスペク
ト比探針を有するカンチレバーを作製するには、複雑な
プロセスが必要であった。
【0007】本発明は、このような従来のAFMの課題
を考慮し、カンチレバーやカンチレバーの変位検出機構
を必要とせず、高感度に力を検出でき、しかも製作が比
較的容易な力センサーと、前記センサーを有し、しかも
高アスペクト比探針を有するAFMを提供することを目
的とする。
を考慮し、カンチレバーやカンチレバーの変位検出機構
を必要とせず、高感度に力を検出でき、しかも製作が比
較的容易な力センサーと、前記センサーを有し、しかも
高アスペクト比探針を有するAFMを提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の力センサーは、多面体の中心付近から各頂
点方向に針状結晶が延びた酸化亜鉛ウィスカと、前記酸
化亜鉛ウィスカの少なくとも2カ所に設けた電極と、前
記電極間の電圧または抵抗値を測定する装置とを備えた
ものである。
に、本発明の力センサーは、多面体の中心付近から各頂
点方向に針状結晶が延びた酸化亜鉛ウィスカと、前記酸
化亜鉛ウィスカの少なくとも2カ所に設けた電極と、前
記電極間の電圧または抵抗値を測定する装置とを備えた
ものである。
【0009】前記構成においては、酸化亜鉛ウィスカが
四面体の中心付近から4頂点方向に針状結晶が延びたテ
トラポッド形状の酸化亜鉛ウイスカであることが好まし
い。また、前記構成においては、少なくとも針状結晶の
一部が105 Ω・cm以上の抵抗率を有することが好ま
しい。
四面体の中心付近から4頂点方向に針状結晶が延びたテ
トラポッド形状の酸化亜鉛ウイスカであることが好まし
い。また、前記構成においては、少なくとも針状結晶の
一部が105 Ω・cm以上の抵抗率を有することが好ま
しい。
【0010】また、前記構成においては、少なくとも針
状結晶の一部に、一価の金属のうち少なくとも一種が不
純物として含まれることが好ましい。さらに、本発明の
原子間力顕微鏡は、多面体の中心付近から各頂点方向に
針状結晶が延びた酸化亜鉛ウイスカからなる力センサー
を具備し、前記酸化亜鉛ウィスカの1本の針状結晶を探
針として用いるものである。
状結晶の一部に、一価の金属のうち少なくとも一種が不
純物として含まれることが好ましい。さらに、本発明の
原子間力顕微鏡は、多面体の中心付近から各頂点方向に
針状結晶が延びた酸化亜鉛ウイスカからなる力センサー
を具備し、前記酸化亜鉛ウィスカの1本の針状結晶を探
針として用いるものである。
【0011】前記構成においては、酸化亜鉛ウィスカが
四面体の中心付近から4頂点方向に針状結晶が延びたテ
トラポッド形状の酸化亜鉛ウィスカであることが好まし
い。
四面体の中心付近から4頂点方向に針状結晶が延びたテ
トラポッド形状の酸化亜鉛ウィスカであることが好まし
い。
【0012】
【作用】前記本発明の力センサーによれば、多面体の中
心付近から各頂点方向に針状結晶が延びた酸化亜鉛ウィ
スカと、前記酸化亜鉛ウィスカの少なくとも2カ所に設
けた電極と、前記電極間の電圧または抵抗値を測定する
装置とを備えることにより、高感度の力センサーが得ら
れる。すなわち、酸化亜鉛結晶は圧電効果を有するた
め、酸化亜鉛ウィスカに引力や斥力が作用した時に、結
晶内部に電圧が発生する。したがって、前記酸化亜鉛ウ
ィスカに電極と取り付け、電圧あるいは抵抗の変化を検
出することにより、高感度の力センサーが得られる。
心付近から各頂点方向に針状結晶が延びた酸化亜鉛ウィ
スカと、前記酸化亜鉛ウィスカの少なくとも2カ所に設
けた電極と、前記電極間の電圧または抵抗値を測定する
装置とを備えることにより、高感度の力センサーが得ら
れる。すなわち、酸化亜鉛結晶は圧電効果を有するた
め、酸化亜鉛ウィスカに引力や斥力が作用した時に、結
晶内部に電圧が発生する。したがって、前記酸化亜鉛ウ
ィスカに電極と取り付け、電圧あるいは抵抗の変化を検
出することにより、高感度の力センサーが得られる。
【0013】また、酸化亜鉛ウィスカが四面体の中心付
近から4頂点方向に針状結晶が延びたテトラポッド形状
の酸化亜鉛ウイスカであるという本発明の好ましい構成
によれば、製作が比較的容易な力センサーが得られる。
近から4頂点方向に針状結晶が延びたテトラポッド形状
の酸化亜鉛ウイスカであるという本発明の好ましい構成
によれば、製作が比較的容易な力センサーが得られる。
【0014】また、少なくとも針状結晶の一部が105
Ω・cm以上の抵抗率を有するという本発明の好ましい
構成によれば、力の検出が容易になる。すなわち、2カ
所に設けた電極にはさまれた酸化亜鉛ウィスカの少なく
とも一部分に105 Ω・cm以上の抵抗率部分が存在す
れば、検出可能な電圧が発生し、力の検出が容易にな
る。
Ω・cm以上の抵抗率を有するという本発明の好ましい
構成によれば、力の検出が容易になる。すなわち、2カ
所に設けた電極にはさまれた酸化亜鉛ウィスカの少なく
とも一部分に105 Ω・cm以上の抵抗率部分が存在す
れば、検出可能な電圧が発生し、力の検出が容易にな
る。
【0015】また、少なくとも針状結晶の一部に、一価
の金属のうち少なくとも一種が不純物として含まれると
いう本発明の好ましい構成によれば、力の検出がより容
易になる。すなわち、純粋な酸化亜鉛ウィスカの抵抗率
は10Ω・cm程度であるが、一価の金属を不純物とし
て混入させれば、抵抗率を105 Ω・cm以上にあげる
ことが可能になる。
の金属のうち少なくとも一種が不純物として含まれると
いう本発明の好ましい構成によれば、力の検出がより容
易になる。すなわち、純粋な酸化亜鉛ウィスカの抵抗率
は10Ω・cm程度であるが、一価の金属を不純物とし
て混入させれば、抵抗率を105 Ω・cm以上にあげる
ことが可能になる。
【0016】さらに、本発明の原子間力顕微鏡によれ
ば、多面体の中心付近から各頂点方向に針状結晶が延び
た酸化亜鉛ウイスカからなる力センサーを具備し、前記
酸化亜鉛ウィスカの1本の針状結晶を探針として用いる
ことにより、高アスペクト比探針を有する原子間力顕微
鏡が得られる。すなわち、針状結晶の基部から先端まで
の長さが1mm以下の酸化亜鉛ウィスカで構成される高
感度な力センサーを有するために、カンチレバーと、前
記カンチレバーの変位を検出するためのレーザーや光検
出器が不要である。したがって、AFM装置を小型化で
き、分解能が向上するとともに、三次元の微動機構(圧
電体)を探針(酸化亜鉛ウィスカ)側に設けることによ
り、試料の大きさに制約がなくなり、自由な場所の観察
が可能となる。さらに、光学素子が無いため、高温環境
下での使用も可能となり、真空型のAFMを作製する上
で非常に有利な構成となる。
ば、多面体の中心付近から各頂点方向に針状結晶が延び
た酸化亜鉛ウイスカからなる力センサーを具備し、前記
酸化亜鉛ウィスカの1本の針状結晶を探針として用いる
ことにより、高アスペクト比探針を有する原子間力顕微
鏡が得られる。すなわち、針状結晶の基部から先端まで
の長さが1mm以下の酸化亜鉛ウィスカで構成される高
感度な力センサーを有するために、カンチレバーと、前
記カンチレバーの変位を検出するためのレーザーや光検
出器が不要である。したがって、AFM装置を小型化で
き、分解能が向上するとともに、三次元の微動機構(圧
電体)を探針(酸化亜鉛ウィスカ)側に設けることによ
り、試料の大きさに制約がなくなり、自由な場所の観察
が可能となる。さらに、光学素子が無いため、高温環境
下での使用も可能となり、真空型のAFMを作製する上
で非常に有利な構成となる。
【0017】また、酸化亜鉛ウィスカは、高アスペクト
比を有した針状結晶である。1本の針状結晶をAFM探
針として用いれば、従来の探針では探針側面等が溝上部
の角に接触し測定できなかったような深い溝形状でも、
底面まで探針が届き、精度よく観察できる原子間力顕微
鏡が得られる。
比を有した針状結晶である。1本の針状結晶をAFM探
針として用いれば、従来の探針では探針側面等が溝上部
の角に接触し測定できなかったような深い溝形状でも、
底面まで探針が届き、精度よく観察できる原子間力顕微
鏡が得られる。
【0018】また、酸化亜鉛ウィスカが四面体の中心付
近から4頂点方向に針状結晶が延びたテトラポッド形状
の酸化亜鉛ウィスカであるという本発明の好ましい構成
によれば、力センサーが比較的容易に製作できるので都
合が良い。
近から4頂点方向に針状結晶が延びたテトラポッド形状
の酸化亜鉛ウィスカであるという本発明の好ましい構成
によれば、力センサーが比較的容易に製作できるので都
合が良い。
【0019】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。テトラポッド状の酸化亜鉛ウィスカを作製
すること自体は、たとえば金属亜鉛微粒子表面を水中で
酸化後、酸素雰囲気中で加熱する方法[ジャーナル・オ
ブ・クリスタル・グロース102(1990年) 第96
5頁から第973頁(J. Crystal Growth 102,19
90,965−973)]などが知られているが、本発
明方法はこのような公知の技術を広く応用することもで
きる。酸化亜鉛ウィスカの大きさは、基部から先端まで
の長さが5〜300μmであることが好ましい。
に説明する。テトラポッド状の酸化亜鉛ウィスカを作製
すること自体は、たとえば金属亜鉛微粒子表面を水中で
酸化後、酸素雰囲気中で加熱する方法[ジャーナル・オ
ブ・クリスタル・グロース102(1990年) 第96
5頁から第973頁(J. Crystal Growth 102,19
90,965−973)]などが知られているが、本発
明方法はこのような公知の技術を広く応用することもで
きる。酸化亜鉛ウィスカの大きさは、基部から先端まで
の長さが5〜300μmであることが好ましい。
【0020】実施例1 第1実施例における力センサーの構成図を図1に示す。
基部から先端までの長さが約100μmのテトラポッド
状の酸化亜鉛ウィスカを作製後、このウィスカの3本の
針状結晶1の先端部を絶縁体基板2上に作製した金電極
3上に導電性接着剤4を用いて取り付けた。また、この
ウィスカの基部5に金属線6を取り付けた。この金属線
6と金電極3間の電圧を電圧計7により測定した。この
酸化亜鉛ウィスカの金電極面に垂直な針状結晶8にマイ
クロメータを用いてこの針状結晶8の軸方向に力を加え
たところ、残りの針状結晶に歪が生じ、その結果、圧電
効果により結晶内部に電圧が発生し、電圧計でこの電圧
を検出することができた。検出した電圧は、マイクロメ
ータにより加える力を大きくすると増大し、力に高感度
な電圧特性を示した。
基部から先端までの長さが約100μmのテトラポッド
状の酸化亜鉛ウィスカを作製後、このウィスカの3本の
針状結晶1の先端部を絶縁体基板2上に作製した金電極
3上に導電性接着剤4を用いて取り付けた。また、この
ウィスカの基部5に金属線6を取り付けた。この金属線
6と金電極3間の電圧を電圧計7により測定した。この
酸化亜鉛ウィスカの金電極面に垂直な針状結晶8にマイ
クロメータを用いてこの針状結晶8の軸方向に力を加え
たところ、残りの針状結晶に歪が生じ、その結果、圧電
効果により結晶内部に電圧が発生し、電圧計でこの電圧
を検出することができた。検出した電圧は、マイクロメ
ータにより加える力を大きくすると増大し、力に高感度
な電圧特性を示した。
【0021】本実施例では、金属線と金電極間の電圧を
検出することで、力センサーを構成したが、この電極間
の抵抗値を測定したところ、金電極面に垂直な針状結晶
8に力を加えることにより、抵抗値が大きく変化し、力
センサーの機能を有することが判明した。
検出することで、力センサーを構成したが、この電極間
の抵抗値を測定したところ、金電極面に垂直な針状結晶
8に力を加えることにより、抵抗値が大きく変化し、力
センサーの機能を有することが判明した。
【0022】実施例2 第2実施例における力センサーの構成図を図2に示す。
基部から先端までの長さが約100μmのテトラポッド
状の酸化亜鉛ウィスカを作製後、このウィスカの2本の
針状結晶9、10の先端部を絶縁体基板11上に作製し
た2カ所の金電極12、13上に導電性接着剤14を用
いて取り付けた。接着後、このウィスカの針状結晶9
に、真空中でリチウムをイオン注入した。イオン注入さ
れた針状結晶9は、抵抗率が約1010Ω・cmに上がっ
た。その後、金電極間の電圧を電圧計15により測定し
た。この酸化亜鉛ウィスカの1本の針状結晶8に力を加
えたところ、力に高感度な電圧特性を示した。
基部から先端までの長さが約100μmのテトラポッド
状の酸化亜鉛ウィスカを作製後、このウィスカの2本の
針状結晶9、10の先端部を絶縁体基板11上に作製し
た2カ所の金電極12、13上に導電性接着剤14を用
いて取り付けた。接着後、このウィスカの針状結晶9
に、真空中でリチウムをイオン注入した。イオン注入さ
れた針状結晶9は、抵抗率が約1010Ω・cmに上がっ
た。その後、金電極間の電圧を電圧計15により測定し
た。この酸化亜鉛ウィスカの1本の針状結晶8に力を加
えたところ、力に高感度な電圧特性を示した。
【0023】なお、リチウムイオン注入による酸化亜鉛
ウィスカの抵抗率の変化は、注入量により制御できる。
本実施例の構成では、105 Ω・cm以上の抵抗率で、
力の検出能力が顕著になるが、特に108 〜1012Ω・
cmの抵抗率が効果的であった。
ウィスカの抵抗率の変化は、注入量により制御できる。
本実施例の構成では、105 Ω・cm以上の抵抗率で、
力の検出能力が顕著になるが、特に108 〜1012Ω・
cmの抵抗率が効果的であった。
【0024】さらに、酸化亜鉛ウィスカの抵抗率を変化
させるには、リチウム、ナトリウム、カリウム、銅、銀
等の一価の金属元素を、一種以上適切な方法でドープし
たり、ウィスカ製造時の焼成条件を選択したり、還元焼
成処理を施すことにより、所望の値とすることができ
た。
させるには、リチウム、ナトリウム、カリウム、銅、銀
等の一価の金属元素を、一種以上適切な方法でドープし
たり、ウィスカ製造時の焼成条件を選択したり、還元焼
成処理を施すことにより、所望の値とすることができ
た。
【0025】実施例3 第3実施例における原子間力顕微鏡の構成図を図3に示
す。実施例2の構成の酸化亜鉛ウィスカ16を、X,
Y,Zの3方向の圧電体17、18、19で形成された
トライポッド型の微動機構上に作製した2カ所の金電極
20に取り付けた。この酸化亜鉛ウィスカ16のZ方向
に向いた針状結晶をAFM探針21として用いた。探針
21の走査は、X、Y方向の圧電体17、18により行
った。また、探針21のZ方向の制御は、試料22と探
針21間に発生する力によりウィスカ16内部に発生す
る電圧を電圧計23で検出し、この電圧が一定になるよ
うに、すなわち、探針21に作用する力が一定になるよ
うに、フィードバック信号発生回路24で発生した制御
電圧をZ方向の圧電体19に印加することで行った。試
料表面のAFM像は上記の制御電圧をコンピュータ25
あるいはストレージオシロスコープにより画像化するこ
とにより得られた。
す。実施例2の構成の酸化亜鉛ウィスカ16を、X,
Y,Zの3方向の圧電体17、18、19で形成された
トライポッド型の微動機構上に作製した2カ所の金電極
20に取り付けた。この酸化亜鉛ウィスカ16のZ方向
に向いた針状結晶をAFM探針21として用いた。探針
21の走査は、X、Y方向の圧電体17、18により行
った。また、探針21のZ方向の制御は、試料22と探
針21間に発生する力によりウィスカ16内部に発生す
る電圧を電圧計23で検出し、この電圧が一定になるよ
うに、すなわち、探針21に作用する力が一定になるよ
うに、フィードバック信号発生回路24で発生した制御
電圧をZ方向の圧電体19に印加することで行った。試
料表面のAFM像は上記の制御電圧をコンピュータ25
あるいはストレージオシロスコープにより画像化するこ
とにより得られた。
【0026】このAFMで、深さ1μm、幅1μmの溝
形状を有する試料の観察を行ったところ、アスペクト比
の大きい針状結晶を探針としているため、針状結晶の探
針が溝の底まで達し、試料の表面形状に忠実な像が得ら
れた。
形状を有する試料の観察を行ったところ、アスペクト比
の大きい針状結晶を探針としているため、針状結晶の探
針が溝の底まで達し、試料の表面形状に忠実な像が得ら
れた。
【0027】また、このAFM装置では、トライポッド
微動機構が探針側に設置されているため、走査トンネル
顕微鏡のようにコンパクトな構成になり、真空容器中に
も簡単に設置でき、また大きな試料でも、測定したい部
分にこの装置を置くことで測定可能になるなどの利点が
あった。
微動機構が探針側に設置されているため、走査トンネル
顕微鏡のようにコンパクトな構成になり、真空容器中に
も簡単に設置でき、また大きな試料でも、測定したい部
分にこの装置を置くことで測定可能になるなどの利点が
あった。
【0028】なお、本実施例では、ウィスカに発生した
電圧を検出することで、Z方向制御を行ったが、抵抗値
の変化を利用してZ方向の制御を行うことも可能であ
る。この場合、例えば、実施例1の力センサーを利用
し、2カ所の電極間にバイアス電圧を印加し、この電極
間に流れる電流を検出し、この電流値が一定になるよう
に、フィードバック信号発生回路で発生した制御電圧を
Z方向の圧電体に印加することで制御できる。
電圧を検出することで、Z方向制御を行ったが、抵抗値
の変化を利用してZ方向の制御を行うことも可能であ
る。この場合、例えば、実施例1の力センサーを利用
し、2カ所の電極間にバイアス電圧を印加し、この電極
間に流れる電流を検出し、この電流値が一定になるよう
に、フィードバック信号発生回路で発生した制御電圧を
Z方向の圧電体に印加することで制御できる。
【0029】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明によれば、高感度でコンパクトな力センサーが得
られ、この力センサーを用いることでカンチレバーやカ
ンチレバーの変位検出機構を必要とせず、しかも高アス
ペクト比探針を有し、グレーティング等の深い溝形状
や、垂直に近い壁面を有する試料でも、精度よく測定で
きる原子間力顕微鏡が得られる。
本発明によれば、高感度でコンパクトな力センサーが得
られ、この力センサーを用いることでカンチレバーやカ
ンチレバーの変位検出機構を必要とせず、しかも高アス
ペクト比探針を有し、グレーティング等の深い溝形状
や、垂直に近い壁面を有する試料でも、精度よく測定で
きる原子間力顕微鏡が得られる。
【図1】本発明の第1実施例の力センサーの構成図であ
る。
る。
【図2】本発明の第2実施例の力センサーの構成図であ
る。
る。
【図3】本発明の第3実施例の原子間力顕微鏡の構成図
である。
である。
【図4】従来の原子間力顕微鏡用カンチレバーの概略図
である。
である。
1、8、10 酸化亜鉛ウィスカの針状結晶 2、11 絶縁体基板 3、12、13、20 金電極 4、14 導電性接着剤 5 酸化亜鉛ウィスカ基部 6 金属線 7、15、23 電圧計 9 イオン注入した針状結晶 16 酸化亜鉛ウィスカ 17 X方向圧電体 18 Y方向圧電体 19 Z方向圧電体 21、26 AFM探針 22 試料 24 フィードバック信号発生回路 25 コンピュータ 27 カンチレバー
Claims (6)
- 【請求項1】 多面体の中心付近から各頂点方向に針状
結晶が延びた酸化亜鉛ウィスカと、前記酸化亜鉛ウィス
カの少なくとも2カ所に設けた電極と、前記電極間の電
圧または抵抗値を測定をする装置とを備えた力センサ
ー。 - 【請求項2】 酸化亜鉛ウィスカが四面体の中心付近か
ら4頂点方向に針状結晶が延びたテトラポッド形状の酸
化亜鉛ウイスカである請求項1に記載の力センサー。 - 【請求項3】 少なくとも針状結晶の一部が105 Ω・
cm以上の抵抗率を有する請求項1または2に記載の力
センサー。 - 【請求項4】 少なくとも針状結晶の一部に、一価の金
属のうち少なくとも一種が不純物として含まれる請求項
1または2に記載の力センサー。 - 【請求項5】 多面体の中心付近から各頂点方向に針状
結晶が延びた酸化亜鉛ウイスカからなる力センサーを具
備し、前記酸化亜鉛ウィスカの1本の針状結晶を探針と
して用いる原子間力顕微鏡。 - 【請求項6】 酸化亜鉛ウィスカが四面体の中心付近か
ら4頂点方向に針状結晶が延びたテトラポッド形状の酸
化亜鉛ウィスカである請求項5に記載の原子間力顕微
鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8852093A JPH06300555A (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | 力センサーおよび原子間力顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8852093A JPH06300555A (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | 力センサーおよび原子間力顕微鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06300555A true JPH06300555A (ja) | 1994-10-28 |
Family
ID=13945112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8852093A Pending JPH06300555A (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | 力センサーおよび原子間力顕微鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06300555A (ja) |
-
1993
- 1993-04-15 JP JP8852093A patent/JPH06300555A/ja active Pending
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