JPH06299744A - 円筒形リバーシブルキーとシリンダー錠装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 〔目的〕キーの形状を円筒形のリバーシブルキーにする
と共に、鍵違いを多くしかつ不正解錠（ピッキング）を
防止することするができるようにした、円筒形リバーシ
ブルキーとシリンダー錠装置を提供することにある。 〔構成〕円筒形を有する円筒形リバーシブルキーＫは、
この円筒形の長手方向に沿って、２列に一定の間隔を有
し、かつガイド凹溝１０と複数の凹部１１、１１’と摘
子１２を形成している。またシリンダー錠ＢのケースＣ
は、円筒形リバーシブルキーＫが挿脱されるキー挿入口
２１と、このキー挿入口２１に円形状の中心軸２２を臨
ませたロータ２０を回動可能に嵌挿するケースＣとから
成るシリンダー錠Ｂとの組合わせるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は各種のシリンダー錠の中
でも、特に円筒形のキーとピンシリンダー錠との使用に
おいて組合わせができるようにした、所謂円筒形リバー
シブルキーとシリンダー錠装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、シリンダー錠に設られるロータ内
には、キーの挿入により作動する複数の係止部材が設け
られているが、この係止部材はシリンダー錠の用途によ
って異なっていね、例えば大きく分けると自動車の殆ど
に使用されるシリンダー錠は、所謂ディスクタンブラー
が多く、また事務機やロッカー、あるいは建築金物等は
ピンタンブラーを使用するものが多と言える。またディ
スクタンブラーの場合は、ピンタンブラーに対し比較的
キーが短くできるので、スペースのない装置に有効であ
り、鍵違いも多くすることができるが、その反面ピッキ
ング工具（合い鍵以外の工具）を使って不正に解錠され
易いという欠陥が残されている。

【０００３】またピンタンブラーの場合は、ある一定の
間隔を有して、シリンダー錠のロータの長手方向に沿
い、ピンタンブラーが入る複数の孔を設けるようにして
いるので、キーが比較的長くなりやすいことから、鍵違
いも少なくなる傾向にある。このような問題を解決する
シリンダー錠においては、前記のようにロータの長手方
向に沿ってピンタンブラーを設けるのではなく、シリン
ダー錠のロータの円周側に配列し、かつこのピンタンブ
ラーを押圧するドライバーピンがロータの軸方向に収容
するとともに、このドライバーピンを小さなコイルスプ
リングで付勢するようにしている。このような構造にす
ると前記ディスクタンブラー錠よりも、さらにシリンダ
ー錠の全体を短くすることができるようにしている。さ
らに鍵違いを多くしたシリンダー錠においては、前記ピ
ンタンブラーを有するシリンダー錠の特徴を採用してい
る。つまりピンタンプラーをロータの長手方向と円周側
に配列した構造にしてあり、前記両者を組合わせること
により鍵違いの多いシリンダー錠を得ることができ、こ
のようなシリンダー錠に使用するキーは、円形の棒また
は円筒状になっていて、これに複数の凹部を形成して鍵
違いとしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記するように、如何
に多くのピンタンブラーを設けいても、キーの挿入口が
従来のように開放していたのでは、前記したようにピッ
キング工具を使用すれば、簡単な手段で解錠されるとい
う問題があり、このピッキング工具を不法に使用される
と盗難を防止できないという大きな欠点が残されてい
る。

【０００５】さらに、シリンダー錠に使用されるキーは
殆ど板状であり、また自動車や電子機器に使用されてい
るキーは、使用する頻度が多いのでキーが１８０度反転
されても、キーをシリンダー錠のロータに挿入すること
ができるが、前記するようにキーが円形の棒または円筒
状になっている場合でも、所謂１８０度反転させても、
シリンダー錠のロータに挿入することができるキー（リ
バーシブル）の形状になっていない。したがって一般の
住宅や慈雨販売機等に使用されているキーと同様に、キ
ーが１８０度反転されたとき、キーをシリンダー錠のロ
ータに挿入することができない形状であるから、キーの
使用時においてその都度、キーの向きを確認しなければ
ならないという煩わしい欠点があつた。

【０００６】本発明の目的は斯かる欠点を除去するため
に、キーの形状を円筒形のリバーシブルキーにすると共
に、鍵違いを多くしかつ不正解錠（ピッキング）を防止
することするができるようにした、円筒形リバーシブル
キーとシリンダー錠装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は斯かる目的を達
成するために、円筒形の長手方向に沿って、２列に一定
の間隔を有し、かつガイド凹溝と複数の凹部と摘子を形
成する円筒形リバーシブルキーと、この円筒形リバーシ
ブルキーが挿脱されるキー挿入口を有し、かつこのキー
挿入口に円形状の中心軸を臨ませたロータと、このロー
タを回動可能に嵌挿するケースから成るシリンダー錠と
の組合わせにより構成され、前記円筒形筒形リバーシブ
ルキーに形成する凹部はリバーシブルキーの円筒部の対
角線上において個々に同一サイズに穿設され、一方ロー
タはキー挿入口の周縁部に突条を形成し、かつロータが
有する複数のコードピンはそれぞれ傾斜させ中心軸に載
置すると共に、ケース内のドライバーピンはコードピン
の一端とそれぞれ接触させ、かつ他端をコイルスプリン
グにより付勢されたドライバーピンを内設させ、前記円
筒形リバーシブルキーがキー挿入口より挿入されると
き、円筒形リバーシブルキーのガイド凹溝と嵌合するロ
ータの突条が、円筒形リバーシブルキーのガイドとな
り、かつロータの中心軸をキー挿入口に臨ませると共
に、突条に近接させ、不正解錠（ピッキング）を防止す
ることにある。

【０００８】

【作用】円筒形リバーシブルキーがキー挿入口より挿入
されるとき、円筒リバーシブルキーのガイド凹溝と嵌合
するロータの突条が、キーのガイドとなり、またロータ
の中心軸をキー挿入口に臨ませると共に突条に近接させ
ることにより、ピッキングの工具を挿入しずらくし、さ
らに解錠操作の繰返しを困難にすることができるので、
不正なピッキング操作よる解錠を未然に防止することが
できる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明における円筒形リバーシブルキ
ーと、シリンダー錠装置について、その実施例を図面に
基づき説明する。図は本発明における円筒形リバーシブ
ルキーＫと、シリンダー錠Ｂの一実施例であって、図１
は本発明のシリンダー錠Ｂのを図示した斜視図であり、
図２は本発明のシリンダー錠Ｂの内部を仮想線で図示し
たシリンダー錠Ｂの正面図、図３は本発明の円筒形リバ
ーシブルキーＫの上部外観を図示した斜視図、図４は本
発明の円筒形リバーシブルキーＫの下部外観を図示した
斜視図、図５は本発明の円筒形リバーシブルキーＫの先
端側を図示した説明図である。

【００１０】図１ないし図４において、本発明の円筒形
リバーシブルキーＫと、シリンダー錠Ｂをそれぞれ分説
すると、円筒形を有する円筒形リバーシブルキーＫは、
この円筒形の長手方向に沿って、２列に一定の間隔を有
し、かつガイド凹溝１０と複数の凹部１１、１１’と摘
子１２を形成している。またシリンダー錠ＢのケースＣ
は、円筒形リバーシブルキーＫが挿脱されるキー挿入口
２１と、このキー挿入口２１に円形状の中心軸２２を臨
ませたロータ２０を回動可能に嵌挿するケースＣとから
成るシリンダー錠Ｂとの組合わせにより構成されもので
ある。

【００１１】また前記の円筒形リバーシブルキーＫに形
成する凹部１１、１１’は、円筒形リバーシブルキーＫ
の円筒部Ｋ’の対角線ａ、ｂ上において個々に同一サイ
ズに穿設されている（図５参照）。一方ロータ２０はキ
ー挿入口２１の周縁部２１’に突条２３を形成してい
る。またロータ２０が有する複数のコードピン３０はそ
れぞれ傾斜させ中心軸２２に載置し抜脱しないようにす
ると共に、ケースＣ内のドライバーピン４０はコードピ
ン３０の一端３０ａとそれぞれ接触させている。

【００１２】またケースＣには、コイルスプリング５０
に付勢されるドライバーピン４０を内設させている。前
記円筒形リバーシブルキーＫがキー挿入口１２より挿入
されるとき、円筒形リバーシブルキーＫのガイド凹溝１
０と嵌合するロータ２０の突条２３が、円筒形リバーシ
ブルキーＫのガイドとなっている。またロータ２０の中
心軸２２をキー挿入口１２に臨ませると共に突条２３に
近接させ、不正解錠（ピッキング）を防止するようにし
ている。

【００１３】さらに詳しく本発明の円筒形リバーシブル
キーＫと、シリンダー錠Ｂをそれぞれ説明すると、円筒
形リバーシブルキーＫのガイド凹溝１０は、円筒形リバ
ーシブルキーＫの円筒部Ｋ’外側に形成され、かつこの
ガイド凹溝１０は左右一対であり、さらに複数の凹部１
１、１１’が円筒形リバーシブルキーＫの円筒部Ｋ’の
対角線上において個々に同一サイズに穿設することによ
り、複数のコードピン３０がそれぞれロータ２０のケー
スＣ傾斜させてあっても、前記のようなリバーシブルの
形状を以て、円筒形リバーシブルキーＫの反転による使
用を可能にしている。したがって、円筒形リバーシブル
キーＫの挿入時において挿入位置の方向に対し、その都
度確認をするという煩わしさが解消されるのである。

【００１４】またシリンダー錠Ｂ側においては、突条２
３がそれぞれ中心軸２２の中心線上に位置し、円筒形リ
バーシブルキーＫの挿入を可能にするだけでなく、ぞぞ
れの突条２３がコードピン３０を挾むようにしている。
また円筒形リバーシブルキーＫを挿入するロータ２０の
後部には、ロータ２０と一体に矩形錠の突出軸２４が形
成され、この突出軸２４にカム（不図示）を固定するも
のである。

【発明の効果】以上の如く本発明は、円筒形の長手方向
に沿って、２列に一定の間隔を有し、かつガイド凹溝と
複数の凹部と摘子を形成する円筒形リバーシブルキー
と、この円筒形リバーシブルキーが挿脱されるキー挿入
口を有し、かつこのキー挿入口に円形状の中心軸を臨ま
せたロータと、このロータを回動可能に嵌挿するケース
から成るシリンダー錠との組合わせにより、前記円筒形
リバーシブルキーに形成する凹部はリバーシブルキーの
円筒部の対角線上において個々に同一サイズに穿設さ
れ、一方ロータはキー挿入口の周縁部に突条を形成し、
かつロータが有する複数のコードピンはそれぞれ傾斜さ
せ中心軸に載置すると共に、ケース内のドライバーピン
はコードピンの一端とそれぞれ接触させ、かつ他端をコ
イルスプリングにより付勢されたドライバーピンを内設
させ、前記円筒形リバーシブルキーがキー挿入口より挿
入されるとき、円筒形リバーシブルキーのガイド凹溝と
嵌合するロータの突条が、円筒形リバーシブルキーのガ
イドとなり、かつロータの中心軸をキー挿入口に臨ませ
ると共に、突条に近接させ、不正解錠（ピッキング）を
防止することができるので、盗難防止が向上しかつキー
の挿入時においても煩わしさが解消され、さらに鍵違い
が多くなる等実用的であり、有用性に優れた効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図は本発明における本発明の円筒形リバーシブルキー
と、シリンダー錠装置の一実施例を図示するものでる。

【図１】本発明のシリンダー錠を図示した斜視図。

【図２】本発明のシリンダー錠の正面図。

【図３】本発明の円筒形リバーシブルキーの上部外観を
図示した斜視図。

【図４】本発明の円筒形リバーシブルキーの下部外観を
図示した斜視図。

【図５】本発明の円筒形リバーシブルキーの先端側を図
示した説明図図。

【符号の説明】

ａ…対角線 ｂ…対角線 Ｂ…シリンダー錠 Ｃ…ケース Ｋ…円筒形リバーシブルキー １０…ガイド凹溝 １１…凹部 １１’…凹部 １２…摘子 ２０…ロータ ２１…キー挿入口 Ｋ’…円筒部 ２１’…周縁部 ２２…中心軸 ２３…突条 ２４…突出軸 ３０…コードピン ３０ａ…一端 ４０…ドライバーピン ５０…コイルスプリング

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒形の長手方向に沿って、２列に一定の
   間隔を有し、かつガイド凹溝と複数の凹部と摘子を形成
   する円筒形リバーシブルキーと、この円筒形リバーシブ
   ルキーが挿脱されるキー挿入口を有し、かつこのキー挿
   入口に円形状の中心軸を臨ませたロータと、このロータ
   を回動可能に嵌挿するケースから成るシリンダー錠との
   組合わせにより構成され、前記円筒形リバーシブルキー
   に形成する凹部はリバーシブルキーの円筒部の対角線上
   において個々に同一サイズに穿設され、一方ロータはキ
   ー挿入口の周縁部に突条を形成し、かつロータが有する
   複数のコードピンはそれぞれ傾斜させ中心軸に載置する
   と共に、ケース内のドライバーピンはコードピンの一端
   とそれぞれ接触させ、かつ他端をコイルスプリングによ
   り付勢されたドライバーピンを内設させ、前記円筒形リ
   バーシブルキーがキー挿入口より挿入されるとき、円筒
   形リバーシブルキーのガイド凹溝と嵌合するロータの突
   条が、円筒形リバーシブルキーのガイドとなり、かつロ
   ータの中心軸をキー挿入口に臨ませると共に、突条に近
   接させ、不正解錠（ピッキング）を防止することを特徴
   とする円筒形リバーシブルキーとシリンダー錠装置。