JPH06298035A - エアバッグ展開用ガス発生器 - Google Patents

エアバッグ展開用ガス発生器

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Publication number
JPH06298035A
JPH06298035A JP5093376A JP9337693A JPH06298035A JP H06298035 A JPH06298035 A JP H06298035A JP 5093376 A JP5093376 A JP 5093376A JP 9337693 A JP9337693 A JP 9337693A JP H06298035 A JPH06298035 A JP H06298035A
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JP
Japan
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gas
housing
ignition
agent
generating agent
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Application number
JP5093376A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Minoguchi
智之 蓑口
Katsuhiko Shimizu
勝彦 清水
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Nichiyu Giken Kogyo Co Ltd
NOF Corp
Original Assignee
Nichiyu Giken Kogyo Co Ltd
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Priority to JP5093376A priority Critical patent/JPH06298035A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 点火具の点火に基づくガス発生剤の燃焼を容
易にすることにより、ガス発生剤が着火するまでの着火
時間を短縮し、着火剤バリヤ、速火線、爆発火管などを
不要にして構造を簡易にする。 【構成】 ハウジング2は円筒状に形成され、ガス流出
孔4を有している。点火手段としての着火剤6を内包す
る収容筒体7は、ハウジング2内においてハウジング2
と同一軸心位置に設けられている。ペレット状のガス発
生剤12は収容筒体7外周の燃焼室11内に充填配置さ
れている。冷却捕集材13は燃焼室11の周壁に配置さ
れている。前記収容筒体7はニトロセルロース、パル
プ、有機バインダーなどの原料混合物を円筒状に成形し
て得られ、燃焼性を有している。そして、この収容筒体
7は着火剤6の着火により燃焼し、火炎を燃焼室11へ
伝播してガス発生剤12を燃焼させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主に衝突時の安全装
置としての空気袋、救命袋、ゴムボート、脱出シュート
などのエアバッグを燃焼ガスにより展開させるために使
用されるエアバッグ展開用ガス発生器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車特に乗用車において、衝突
時のショックから乗員を保護するための乗員安全保護装
置としては、衝突時にエアバッグを瞬時に展開させるエ
アバッグ装置が知られている。このエアバッグ装置は運
転席用としては60〜70リットルの容積をもつエアバ
ッグ、助手席用としては150〜250リットルの容積
をもつエアバッグと、このエアバッグをガスにより展開
させるためのガス発生器とよりなっている。そして、乗
用車の衝突時には点火器の発火によりガス発生剤が燃焼
し、発生したガスによってエアバッグが瞬時に展開し
て、乗員が衝突時の衝撃から保護される。
【0003】運転席用エアバッグ装置に使用されるガス
発生器は、ハンドル中央部のパッドカバー内に収容する
必要があり、その大きさや形状が制約されることから、
現在は大部分のガス発生器が円盤型の圧力容器形状とな
っている。一方、助手席用エアバッグ装置に使用される
ガス発生器は、ガス発生剤を多く使用する必要があり、
容器が大きくなること及び助手席前部のパネル内への収
容、取付けなどを考慮して円筒型の圧力容器を用いるの
が一般的である。このような形状のガス発生器は、今後
自動車に搭載されると考えられている後部座席用、側面
衝突用エアバッグ装置に使用されるガス発生器において
も同様である。
【0004】このような従来の助手席用のガス発生器と
して、例えば特公平2−19020号公報に開示されて
いる構造のものが知られている。すなわち、図4に示す
ように、ハウジング31は円筒状に形成され、両端が密
閉されるとともに、その軸心位置には支持体32により
支持された電気点火具33、点火剤プラグ34及び鉄製
の着火剤のチューブ35が貫通支持されている。ボロン
硝石などの着火剤36はこのチューブ35内に収容さ
れ、アルミニウム箔などで形成された着火剤バリヤ37
はこのチューブ35の外周に被覆形成されている。な
お、チューブ35には図示しない孔が透設され、この孔
から着火剤36の火炎がその外方へ伝播されるようにな
っている。
【0005】この燃焼室38はチューブ35の外周に設
けられ、ペレット状のガス発生剤39が充填されてい
る。冷却捕集材40,41は燃焼室38の内周壁及びハ
ウジング31の内周壁に配置され、ガス発生剤39の燃
焼により発生したガスを冷却するとともに、燃焼による
副生物である固体の残渣を濾過する。
【0006】そして、点火具33に通電されると、点火
具33が発火した後に点火剤プラグ34が破壊され、着
火剤36が燃焼してチューブ35の孔を通して火炎が放
出される。この火炎はチューブ35に貼付けられた着火
剤バリヤ37を破って伝播され、ガス発生剤39が着
火、燃焼される。このガス発生剤39の燃焼により発生
したガスは、2つの冷却捕集材40,41によって冷却
されるとともに、固体の燃焼残渣が濾過される。そし
て、浄化されたガスはガス流通孔を通り、エアバッグ内
に流入してエアバッグを展開させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来のガス発生器では、電気点火具33からガス発生
剤39に至る経路において、着火剤36を収容したチュ
ーブ35に孔が設けられるとともに、その外周に着火剤
バリヤ37が被覆形成されている。そのため、点火具3
3の点火により着火した着火剤36の火炎はチューブ3
5の孔を通って着火剤バリヤ37を破り、燃焼室38内
のガス発生剤39を燃焼させることになる。従って、点
火具33への通電からガス発生剤39の燃焼までに時間
がかかるという問題があった。そして、極端な場合に
は、必要とされる通常5ミリ秒以内という時間内にガス
発生器からのガス放出が行われないという致命的な欠陥
を有するという問題があった。
【0008】そのため、チューブ35の中心に点火具3
3側から他端までにわたって火炎の伝播を早めるための
速火線又は爆発火管を埋設した例もあるが、これらは構
造がさらに複雑になる上に、製造コストが増大するとい
う問題があった。
【0009】この発明はこのような従来技術の問題に着
目してなされたものである。その目的は点火具の点火に
基づくガス発生剤の燃焼を容易にすることにより、ガス
発生剤が着火するまでの着火時間を短縮できるととも
に、着火剤バリヤ、速火線、爆発火管などを不要にして
構造を簡易にしたエアバッグ展開用ガス発生器を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載のエアバッグ展開用ガス発生器の発
明では、ガス流出孔を有するハウジングと、ハウジング
内に装着され着火剤を内包する収容筒体等よりなる点火
手段と、点火手段の外側に配置され燃焼によりガスを発
生するガス発生剤と、発生したガスを冷却する冷却捕集
材とを備えるとともに、前記収容筒体が燃焼性の材料で
形成されていることを特徴とする。また、請求項2に記
載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記ハ
ウジングを筒状に形成するとともに、点火手段をハウジ
ングの軸心とほぼ同一の軸心位置に設けたことを特徴と
する。
【0011】さらに、請求項3に記載の発明では、請求
項1に記載の発明において、筒状をなすハウジング内の
一端においてハウジングの軸心とほぼ同一軸心上に点火
手段を設け、その外周にガス発生剤を収容した燃焼室を
設けるとともに、ハウジングの他端においてガス発生剤
より発生したガスを冷却する冷却室を設けたことを特徴
とする。また、請求項4に記載の発明では、請求項1に
記載の発明において、筒状をなすハウジング内の中間部
においてハウジングの軸心とほぼ同一軸心上に点火手段
を設け、その外周にガス発生剤を収容した燃焼室を設け
るとともに、ハウジングの両端にガス発生剤より発生し
たガスを冷却する冷却室を設けたことを特徴とする。
【0012】次に、この発明の第1の実施態様につい
て、図1に従って説明する。図1はエアバッグ展開用の
ガス発生器1の一例を示す縦断面図である。この図にお
いて、ハウジング2は有底円筒状をなし、その開口端部
には蓋体3が嵌着されて密閉状に構成されている。ガス
流出孔4はハウジング2の周壁2aに所定間隔をおいて
多数穿設されている。なお、このガス流出孔4にはハウ
ジング2の周壁2a内面において金属箔5が貼付けら
れ、ハウジング2内が密閉状態に保持されている。着火
剤6を収容する収容筒体7はハウジング2の軸心位置に
おいて、一端が蓋体3に他端がハウジング2の底壁2b
に係合支持されている。
【0013】この収容筒体7は例えばセルロースを硝化
して得られる綿薬(ニトロセルロース)、パルプ、有機
バインダー及び安定剤などの添加剤よりなる原料を成形
して得られ、燃焼性を有している。すなわち、収容筒体
7はこれらの原料を加圧プレスなどで円筒状に成形さ
れ、後述する電気点火具8単独の火炎又は点火具8と着
火剤6の燃焼火炎によって短時間で燃焼し尽きる。この
原料は通常、綿薬40〜70重量部、パルプ15〜40
重量部、有機バインダー1〜15重量部、添加剤0〜5
重量部よりなるものが用いられる。なお、収容筒体7
は、フルオロカーボンとマグネシウムの粉状混合物を円
筒状に成形したものなどでもよい。
【0014】電気点火具8は蓋体3の中心位置に取付け
られ、その本体8aが着火剤6の収容筒体7内に嵌入固
定されるとともに、リード線9が接続されている。そし
て、リード線9を介して電気点火具8に通電されると点
火具8が点火される。仕切板10は収容筒体7内のほぼ
中央に設けられている。ボロン硝石などよりなる粉末状
の着火剤6は収容筒体7内の仕切板10より先端側に充
填され、点火具8の点火により仕切板10が破壊されて
着火する。点火手段は、これら電気点火具8、収容筒体
7、着火剤6などにより構成されている。
【0015】燃焼室11はハウジング2内において収容
筒体7の外周に形成され、燃焼室11内にはペレット状
をなすガス発生剤12が多数個充填配置されている。ガ
ス発生剤12としてはアジ化ナトリウムに代表されるア
ルカリ金属やアルカリ土類金属のアジ化物と金属酸化物
の組合せよりなるものや、ビテトラゾール化合物の金属
塩と酸化剤との組合せよりなるものなどいずれのものも
使用される。また、ガス発生剤12の形状はペレット
状、ディスク状等いずれの形状であってもよい。このガ
ス発生剤12は着火剤6の着火によって収容筒体7が燃
焼することにより燃焼してガスを発生する。冷却捕集材
13はハウジング2の周壁2a内周面に所定の厚みをも
って配置され、ガス発生剤12の燃焼により発生するガ
スを冷却するとともに、ガス中の燃焼残渣を濾過する。
【0016】さて、この実施態様においては、車両の衝
突などによる信号によりリード線9を介して点火具8に
所定の電流が通電されると、点火具8が点火される。こ
の点火具8の点火による火炎が仕切板10を破って着火
剤6に伝播され、着火剤6が着火される。この着火剤6
の着火、燃焼により、収容筒体7が燃焼されて火炎が燃
焼室11へ伝播される。そして、この火炎により燃焼室
11内のガス発生剤12が燃焼して窒素ガスなどのガス
を発生する。発生したガスは冷却捕集材13を介してガ
ス流出孔4から流出され、図示しないエアバッグを膨張
させる。
【0017】このように、このガス発生器1は着火剤6
を収容する収容筒体7が燃焼性の材料で構成され、所定
の強度を有することから、この収容筒体7は従来の着火
剤のチューブと同等の機能を発揮できる。しかも、この
収容筒体7は孔を開ける必要がなく、従って従来用いら
れていた着火剤バリヤは不要となる。さらに、収容筒体
7それ自体が着火剤6の燃焼による火炎を短時間に伝播
するので、従来の速火線や爆発火管などを必要としな
い。
【0018】従って、ガス発生剤12への迅速な着火を
得ることが可能になるとともに、ガス発生器1の構造を
簡素化することができ、ひいては製造コストの低減を図
ることができる。また、点火手段がハウジング2の軸心
と同一の軸心位置に設けられ、着火剤6の着火によるガ
ス発生剤12の燃焼を燃焼室11内の中心位置から行う
ことができるため、ガス発生剤12の燃焼をより均一化
できる。加えて、点火手段とハウジング2の軸心を同一
にしたことから、ガス発生器1の構成をより簡素化でき
る。
【0019】次に、この発明の第2の実施態様につい
て、図2に従って説明する。この図において、ハウジン
グ2は2つの有底円筒状の容器15,16が両開口端部
間にて溶接により接合固定されることにより構成されて
いる。区画板17は両容器15,16の接合部分に介装
され、燃焼室11及びガスを冷却する冷却捕集室18を
区画形成している。収容筒体7は燃焼室11内において
ハウジング2の軸心と同一軸心上に支持固定されてい
る。電気点火具8は収容筒体7内の一端に配設され、リ
ード線9が接続されるとともに、このリード線9を介し
て点火具8に通電されると点火具8が点火される。
【0020】仕切板10は収容筒体7内のほぼ中央及び
区画板17側に設けられている。着火剤6は収容筒体7
内の両仕切板10間に充填され、点火具8の点火により
着火する。点火手段は、これら電気点火具8、収容筒体
7、着火剤6などにより構成されている。ペレット状の
ガス発生剤12は燃焼室11内に多数充填配置されてい
る。通気孔19は区画板17に透設され、ガス発生剤1
2の燃焼で発生したガスを冷却捕集室18へ誘導する。
【0021】冷却捕集材13は冷却捕集室18内の周壁
に所定厚みをもって配置されている。ガス流出孔4は容
器16に透設され、冷却捕集室18内のガスをエアバッ
グに導入する。
【0022】さて、この実施態様においては、点火具8
の点火による火炎が仕切板10を破って着火剤6に伝播
され、着火剤6が着火される。この着火剤6の着火によ
り、収容筒体7が燃焼されて火炎が燃焼室11へ伝播さ
れる。そして、この火炎により燃焼室11内のガス発生
剤12が燃焼して窒素ガスなどのガスを発生する。
【0023】発生したガスは通気孔19を介して冷却捕
集室18に流入する。さらに、このガスは冷却捕集材1
3を介してガス流出孔4から流出され、エアバッグを膨
張させる。
【0024】このように、この実施態様では燃焼室11
と冷却捕集室18とを区画板17により区画形成したこ
とから、ガス発生剤12と冷却捕集材13を位置をずら
して配置でき、ハウジング2の直径を小さくすることが
できる。また、冷却捕集室18に加わる圧力は、燃焼室
11の圧力より小さくなるため、冷却捕集室18の壁厚
を薄くすることができ、ガス発生器1の軽量化を図るこ
とができる。さらに、前記第1の実施態様の作用、効果
に加え、ガスの冷却及び燃焼残渣の捕集が確実に行われ
る。
【0025】次に、この発明の第3の実施態様につい
て、図3に従って説明する。この図において、ハウジン
グ2は円筒状をなす容器本体21の両端に有底円筒状を
なす容器22,23の各開口端部が溶接により接合固定
されて構成されている。区画板24,25は容器本体2
1の両端に設けられ、容器本体21内の燃焼室11と両
容器22,23内の冷却捕集室26,27とを区画して
いる。収容筒体7は燃焼室11内においてハウジング2
の軸心と同一軸心上に支持固定されている。電気点火具
8は容器本体21の中央位置に収容筒体7と直交する方
向に支持固定されるとともに、リード線9が接続されて
いる。
【0026】着火剤6は収容筒体7内に充填され、点火
具8の点火による火炎が収容筒体7の一部を燃焼させて
伝播されることにより着火する。点火手段は、これら電
気点火具8、収容筒体7、着火剤6などにより構成され
ている。ペレット状のガス発生剤12は燃焼室11内に
多数充填配置されている。通気孔28,29は両区画板
24,25に透設され、ガス発生剤12の燃焼で発生し
たガスを各冷却捕集室26,27へ誘導する。
【0027】冷却捕集材13は両冷却捕集室26,27
内の周壁に所定厚みをもって配置されている。ガス流出
孔4は容器22,23の周壁に透設され、冷却捕集室2
6,27内のガスをエアバッグに導入する。
【0028】さて、この実施態様においては、点火具8
の点火による火炎が収容筒体7の中央部分を燃焼させて
着火剤6に伝播され、着火剤6が着火される。この着火
剤6の着火により、収容筒体7が燃焼されて火炎が燃焼
室11へ伝播される。そして、この火炎により燃焼室1
1内のガス発生剤12が燃焼して窒素ガスなどのガスを
発生する。
【0029】発生したガスは燃焼室11両側に配設され
た区画板24,25の通気孔28,29を介して両冷却
捕集室26,27に流入する。さらに、このガスは各冷
却捕集室26,27の冷却捕集材13を介してガス流出
孔4から流出され、エアバッグを膨張させる。
【0030】このように、この実施態様では燃焼室11
とその両側に設けられた冷却捕集室26,27とを区画
板24,25により区画形成した。そのため、燃焼室1
1内で発生したガスは両冷却捕集室26,27に分配さ
れて流出される。従って、ハウジング2の直径を小さく
でき、また軽量化を図ることができるとともに、ガスの
流出が効果的に行われ、かつガスの冷却及び燃焼残渣の
捕集がさらに確実に行われる。なお、上記各実施態様
は、ガス発生器1の用途に応じて適宜使い分けられる。
【0031】
【作用】例えば車両の衝突などにより点火手段に所定の
電流が通電されると、点火手段が点火される。この点火
手段の点火による火炎が着火剤に伝播され、着火剤が着
火される。この着火剤の着火により、収容筒体が燃焼さ
れて火炎が燃焼室へ伝播される。そして、この火炎によ
り燃焼室内のガス発生剤が燃焼して窒素ガスなどのガス
を発生する。発生したガスは冷却捕集材を介して濾過さ
れ、清浄化されてガス流出孔から流出され、エアバッグ
を膨張させる。
【0032】このように、着火剤を内包する収容筒体が
燃焼性の材料で構成されていることから、この収容筒体
は従来の着火剤のチューブと同等の機能を発揮すること
ができる。しかも、この収容筒体は孔を開ける必要がな
く、そのため従来用いられていた着火剤バリヤは不要と
なる。加えて、収容筒体それ自体が着火剤の燃焼による
火炎を短時間に伝播するので、従来の速火線や爆発火管
などを必要としない。その結果、ガス発生剤への迅速な
着火を得ることが可能になるとともに、構造を簡素化す
るすることができ、ひいては製造コストの低減を図るこ
とができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例をあげて、この発明
を具体的に説明する。 (実施例1)この実施例では前述した第1の実施態様を
具体化したものである。すなわち、ハウジング2はアル
ミニウムの鍛造により単一に成形され、外径50mm、長
さ200mmの有底円筒状をなしている。燃焼性の収容筒
体7は圧縮成形により外径10mm、内径6mm、密度1.
0g/ccに形成されている。その原料は綿薬50重量
部、製紙用クラフトパルプ35重量部、有機バインダー
としてスチレン−ブタジエンラテックス14重量部、添
加剤としてカーバマイト1重量部の割合の混合物であ
る。
【0034】着火剤6はボロン硝石であり、その3.0
gが収容筒体7内に収容されている。冷却捕集材13は
細目の平織り金網と、細目の畳織り金網と、セラミック
繊維紙とから構成されている。ガス発生剤12はアジ化
ナトリウムに代表されるアルカリ金属やアルカリ土類金
属のアジ化物と金属酸化物の組合せよりなっている。こ
のガス発生剤12の形状はペレット状である。そして、
ガス発生剤12は燃焼室11内に120g収容されてい
る。
【0035】次に、このガス発生器1を60リットルの
タンク試験器に取付け、タンク試験器内の圧力を測定し
た。その結果、点火具8への通電から3.3msでガス発
生器1からのガス放出が始まり、タンク内圧は20msに
て1.5kgf/cm2 、58msで最大圧力となり3.5kgf/
cm2 であった。この結果から、速火線や爆発火管などの
部材を用いずに、迅速な着火が行われたことが確認され
た。 (実施例2)次に、この発明を具体化した別の実施例に
ついて説明する。
【0036】実施例1において、ハウジング2の長さが
300mm、着火剤6としてボロン硝石5.0g、ガス発
生剤12を180gとした以外は実施例1と同様に構成
して試験を行った。その結果、点火具8への通電から
3.3msでガス発生器1からのガス放出が始まり、タン
ク内圧は20msにて2.2kgf/cm2 、60msで最大圧力
となり5.6kgf/cm2 を示した。 (比較例1)実施例1において、燃焼性の収容筒体7に
代えて、ステンレス製パイプに直径3mmの孔を24個開
け、その周囲に着火剤バリヤとして厚さ0.2mmのアル
ミニウム箔を貼付けたものを使用した。それ以外は実施
例1と同様の構成とし、同様の試験を行った。
【0037】その結果、ガス発生器からのガス放出の開
始は点火具への通電から4.5msとやや遅く、タンク内
圧は20msにて0.2kgf/cm2 と低く、最大圧力3.1
kgf/cm2 に達するまでの時間は89msと非常に遅かっ
た。
【0038】この発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のよう
に構成を任意に変更して具体化してもよい。 (a)図1において、収容筒体7内に仕切板10を設け
ず、着火剤6を収容筒体7内の全体に充填すること。な
お、着火剤6の充填量は、着火剤6の種類、着火剤6の
着火の速さ、収容筒体7の大きさ、ガス発生剤12の種
類、形状等に応じ、即ち要求される着火性能に応じ適宜
選択される。 (b)図1〜3の各実施態様において、収容筒体7の軸
心をハウジング2の軸心と直交する方向や交差する方向
に設けること。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明のエアバッグ展開用ガス発生器によれば、点火具の
点火に基づくガス発生剤の燃焼を容易にすることによ
り、ガス発生剤が着火するまでの着火時間を短縮できる
とともに、着火剤バリヤ、速火線、爆発火管などを不要
にしてガス発生器の構造を簡易にでき、製造コストの低
減を図ることができるという優れた効果を奏する。
【0040】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明の効果に加え、着火剤の着火による
ガス発生剤の燃焼をより均一化できるとともに、ガス発
生器の構造をより簡素化できるという優れた効果が得ら
れる。さらに、請求項3及び4に記載の発明によれば、
請求項1に記載の発明の効果に加えて、ハウジングの直
径を小さくでき、軽量化を図ることができるとともに、
発生したガスの冷却及び燃焼残渣の捕集を確実に行うこ
とができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した第1の実施態様を示すガ
ス発生器の断面図である。
【図2】この発明を具体化した第2の実施態様を示すガ
ス発生器の断面図である。
【図3】この発明を具体化した第3の実施態様を示すガ
ス発生器の断面図である。
【図4】従来例を示すガス発生器の断面図である。
【符号の説明】
1…エアバッグ展開用ガス発生器、2…ハウジング、4
…ガス流出孔、6…着火剤、7…収容筒体、12…ガス
発生剤、13…冷却捕集材、18…冷却捕集室。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス流出孔を有するハウジングと、ハウ
    ジング内に装着され着火剤を内包する収容筒体等よりな
    る点火手段と、点火手段の外側に配置され燃焼によりガ
    スを発生するガス発生剤と、発生したガスを冷却する冷
    却捕集材とを備えるとともに、前記収容筒体が燃焼性の
    材料で形成されていることを特徴とするエアバッグ展開
    用ガス発生器。
  2. 【請求項2】 前記ハウジングを筒状に形成するととも
    に、点火手段をハウジングの軸心とほぼ同一の軸心位置
    に設けたことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ
    展開用ガス発生器。
  3. 【請求項3】 筒状をなすハウジング内の一端において
    ハウジングの軸心とほぼ同一軸心上に点火手段を設け、
    その外周にガス発生剤を収容した燃焼室を設けるととも
    に、ハウジングの他端においてガス発生剤より発生した
    ガスを冷却する冷却室を設けたことを特徴とする請求項
    1に記載のエアバッグ展開用ガス発生器。
  4. 【請求項4】 筒状をなすハウジング内の中間部におい
    てハウジングの軸心とほぼ同一軸心上に点火手段を設
    け、その外周にガス発生剤を収容した燃焼室を設けると
    ともに、ハウジングの両端にガス発生剤より発生したガ
    スを冷却する冷却室を設けたことを特徴とする請求項1
    に記載のエアバッグ展開用ガス発生器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6068290A (en) * 1997-12-23 2000-05-30 Trw Vehicle Safety System Inc. Inflator structure
WO2002036394A1 (fr) * 2000-10-30 2002-05-10 Nippon Kayaku Kabushiki-Kaisha Generateur de gaz
US7950692B2 (en) * 2007-12-14 2011-05-31 Autoliv Asp, Inc. Gas generation device with consumable ignitor tube

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