JPH06296665A - 燻蒸用ホルムアルデヒドガスの発生装置 - Google Patents

燻蒸用ホルムアルデヒドガスの発生装置

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JPH06296665A
JPH06296665A JP5091154A JP9115493A JPH06296665A JP H06296665 A JPH06296665 A JP H06296665A JP 5091154 A JP5091154 A JP 5091154A JP 9115493 A JP9115493 A JP 9115493A JP H06296665 A JPH06296665 A JP H06296665A
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formaldehyde
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formaldehyde gas
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Tsutomu Kobayashi
勉 小林
Toru Oi
亨 大井
Masayuki Imafuku
正幸 今福
Tetsuo Jinbo
哲夫 神保
Hideaki Ono
英明 小野
Tomohide Seta
智秀 瀬田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バイオクリンルーム等の燻蒸される空間内に、
水分をほとんど含まないホルムアルデヒドガスを供給す
ることのできるガス発生装置を提供する。 【構成】筒状の容器1内に粒状のパラホルムアルデヒド
2を充填した。この容器1は外筒3内の所定位置に固定
してあり、外筒3の外周はヒーター6で覆ってある。こ
の外筒3の上端は燻蒸ガス導入用ダクト4に接続してあ
り、外筒3の下部には、窒素ガスを導入する気体導入口
3dが設けてある。ヒーター6の作動により、容器1内
のパラホルムアルデヒド2が分解温度まで加熱されて、
ホルムアルデヒドガスが発生する。そして、このホルム
アルデヒドガスはほとんど水分を含まないものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】バイオクリンルーム等の燻蒸され
る空間内に、水分をほとんど含まないホルムアルデヒド
ガスを供給することのできる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バイオクリンルームは使用前に消毒され
る必要があり、一般的にホルムアルデヒドガスによる燻
蒸処理が行われている。従来、このような燻蒸処理時に
は、ホルマリン(ホルムアルデヒドの水溶液)を加熱し
て蒸発させるか、メチルアルコールを加熱して気体と
し、これを酸化触媒に接触させて酸化することにより、
ホルムアルデヒドガスを発生させることが行われてい
た。
【0003】そして、ホルムアルデヒドガスによる燻蒸
処理は、相対湿度が高い(例えば、80%以上の)雰囲
気において特に効果的になされるという観点から、ホル
マリンの蒸発時に、ホルムアルデヒドだけでなく水も一
緒に蒸発させること等により、水蒸気を高い濃度で含有
するホルムアルデヒドガスをバイオクリンルーム内に供
給していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水蒸気
を高い割合で含有するホルムアルデヒドガスがバイオク
リンルーム内に供給されると、室内の壁面に結露が生じ
て、燻蒸後に白い粉末(ホルムアルデヒド重合体の結
晶)が付着するという問題があった。また、ホルムアル
デヒドは水に非常によく溶解するため、室内で結露が生
じた場合に、結露により発生した水分にホルムアルデヒ
ドが溶解して、室内のホルムアルデヒドガス濃度が変化
することから、燻蒸条件が一定に保持できないという不
具合もあった。
【0005】さらに、燻蒸処理終了後にホルムアルデヒ
ドガスを室外に排出するが、結露が生じた場合には、結
露により発生した水分にホルムアルデヒドが含まれてい
るため、ホルムアルデヒドガスが室内に残留しないよう
にこの水分を完全に蒸発させる必要があり、排気時間が
著しく長くなるという不具合もあった。本発明は、この
ような従来技術の問題点に着目してなされたものであ
り、バイオクリンルーム等の燻蒸される空間内に、水分
をほとんど含まないホルムアルデヒドガスを供給するこ
とのできるガス発生装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、低分子量のホルムアルデヒド重合体が入
った容器と、この容器内のホルムアルデヒド重合体を所
定温度以上に保持する加熱装置と、燻蒸される空間に向
かう発生気体出口と、不活性ガスを導入する気体導入口
とを備えたことを特徴とする燻蒸用ホルムアルデヒドガ
スの発生装置を提供する。
【0007】ここで、低分子量のホルムアルデヒド重合
体とは、重合度が低く、熱に不安定なホルムアルデヒド
重合体であって、パラホルムアルデヒド、β−ポリオキ
シメチレン等が挙げられる。また、前記所定温度とは、
ホルムアルデヒド重合体がホルムアルデヒドに分解され
る温度であり、ホルムアルデヒド重合体の種類により異
なる。
【0008】
【作用】本発明の装置においては、加熱装置によりホル
ムアルデヒド重合体が所定温度以上に加熱されることに
より、ホルムアルデヒドガスが発生する。ここで、気体
導入口から装置内に不活性ガスを導入して、このホルム
アルデヒドガスの発生を不活性ガス中で行えば、発生し
たホルムアルデヒドガスは、ホルマリンを加熱して気化
させたものと異なり、水分をほとんど含まないものとな
る。
【0009】図4に、同じ空間に、本発明の装置により
発生したホルムアルデヒドガスを導入した場合(乾式)
と、従来のようにホルマリンを加熱して発生させたホル
ムアルデヒドガスを導入した場合(湿式)とにおける、
空間内の絶対湿度とガスの導入時間との関係を調べたグ
ラフを示す。このグラフから、本発明の装置による場合
には、湿度の変化がほとんど見られないことが分かる。
【0010】したがって、この装置の発生気体出口を燻
蒸される空間と接続することにより、前記空間内に水分
をほとんど含まないホルムアルデヒドガスを供給するこ
とができる。そして、本発明の装置により発生したホル
ムアルデヒドガスが燻蒸される空間内に供給されても、
この空間内の湿度は増加しないため、従来のように、水
蒸気を高い濃度で含むホルムアルデヒドガスが供給され
ることにより、前記空間内の湿度が上昇して結露が生じ
ることを防止できる。
【0011】なお、本発明者等の検討により、燻蒸処理
の際に、燻蒸ガス濃度と燻蒸時間とを適切に設定すれ
ば、従来のように、80%以上の高い湿度雰囲気でなく
ても十分な燻蒸効果が得られることが確認された。その
一例を図5のグラフに示す。このグラフは、燻蒸時間を
2時間として、燻蒸されるバイオクリンルームの相対湿
度とホルムアルデヒドガス濃度とを変化させた時に、そ
れぞれの条件において所定の燻蒸効果が得られるかどう
かを調べたものである。このグラフから、ホルムアルデ
ヒドガス濃度1200ppmで2時間の燻蒸処理によ
り、バイオクリンルームの通常の湿度範囲(40〜60
%)においても、十分な燻蒸効果が得られていることが
分かる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1および図2は本発明の装置の各実施例を示す概
要図であり、図3はこれらの装置が組み込まれたホルム
アルデヒドガス供給装置を示す概要図である。図1のホ
ルムアルデヒドガス発生装置は、次のような構造になっ
ている。
【0013】ステンレスの金網で形成された筒状の容器
1内に、粒状のパラホルムアルデヒド2を充填した。こ
の容器1は外筒3内に設置されていて、この容器1の底
部11は、外筒3の内断面形状に対応した円形に形成し
てあり、その外周と外筒3下部の内面とが溶接により固
定されている。この外筒3の上端面にはフランジ3aが
設けてあり、このフランジ3aと、燻蒸ガス導入用ダク
ト4に向かう短管4aのフランジ4bとが接続してあ
る。また、この外筒3の底部には、中心に穴を設けた底
部材3bがあり、その穴に差し込み蓋3cを差し込んで
底面を塞いである。さらに、底部に近い下部に気体導入
口3dが開けてあって、ここに不活性ガス導入用の配管
5が接続してある。
【0014】そして、この外筒3の容器1が配置された
部分の外周はヒーター6で覆ってあり、外筒3内の上部
には、外筒3内の温度を所定温度に制御するサーモスタ
ット7が取り付けてある。図2のホルムアルデヒドガス
発生装置は、次のような構造になっている。ステンレス
製のトレイ1a内に、粒状のパラホルムアルデヒド2を
入れた。このトレイ1aは、対向する一対の板材12で
構成され、各板材12の内面に図示されないスライド溝
を設けてある側部材の間に、スライド溝にトレイ1aの
両側部を嵌め込むことで取り付けられるものであり、こ
こでは、三つのトレイ1aが上下方向に等間隔で取り付
けてある。そして、このトレイ1aが側部材ごと加温室
31内に設置されている。
【0015】この加温室31の内側の側面全体にヒータ
ー6が設置してあり、このヒーター6によりトレイ1a
内のパラホルムアルデヒドを加熱する。また、加温室3
1の底部中央には気体導入口3dが開けてあって、ここ
に不活性ガス導入用の配管5が接続してある。そして、
加温室31の上部には発生気体出口3Aが設けてあり、
この発生気体出口3Aに、燻蒸ガス導入用ダクト4に向
かう短管4aが接続してある。さらに、この加温室31
内の上部には、内部を所定温度に保持するサーモスタッ
ト7が取り付けてある。
【0016】したがって、各ヒーター6を作動させるこ
とにより、外筒3または加温室31内をパラホルムアル
デヒドの分解温度である150〜250℃に保持すれ
ば、ホルムアルデヒドガスが発生する。そして、発生し
たホルムアルデヒドガスは、配管5から導入されたガス
に運ばれて、燻蒸ガス導入用ダクト4に向かう。これに
より、燻蒸ガス導入用ダクト4が接続されている燻蒸さ
れる空間(例えばバイオクリンルーム)内に、水分をほ
とんど含まないホルムアルデヒドガスを供給することが
できる。そして、このホルムアルデヒドガスの供給によ
り、前記空間内の湿度は増加しないため、従来のよう
に、水蒸気を高い濃度で含むホルムアルデヒドガスが供
給されて室内に結露が生じることがない。
【0017】ここで、空気中ではホルムアルデヒドガス
の濃度が7%を超えると爆発する可能性が高くなるた
め、配管5から導入されるガスとしては、人体に無害
で、化学的に不活性な二酸化炭素、アルゴン、窒素等を
使用することが好ましい。また、下記の表1から分かる
ように、このようなガスとして窒素を使用すると、ホル
ムアルデヒドガス発生量が空気の場合と比べて約二倍に
なり、効率的にホルムアルデヒドガスを供給できること
になるため好ましい。なお、表1におけるガス発生量は
パラホルムアルデヒド2g当たりの発生量を示してい
る。
【0018】
【表1】
【0019】このような燻蒸用ホルムアルデヒドガス発
生装置Aを、図3に示すような、バイオクリンルーム
(BCR)への燻蒸用ホルムアルデヒドガス供給装置に
組み込んで、各種条件の違いによるバイオクリンルーム
内の燻蒸効果の違いを調べる実験を行った。このガス供
給装置は、窒素ガスボンベ51と、これに接続された流
量計52と、その下流に接続された図1の燻蒸用ホルム
アルデヒドガス発生装置Aと、その下流に接続された加
湿装置8とを備えている。
【0020】この加湿装置8には湿度制御装置8aが設
置してあり、これに接続された湿度計8bがバイオクリ
ンルームへ向かう側のダクト41内に設置してある。そ
して、湿度計8bにより検知された気体の湿度に応じ
て、湿度制御装置8aにより、加湿装置8においてホル
ムアルデヒドガスに加える水蒸気量を制御し、バイオク
リンルームへ向かう気体の湿度を所定の値にすることが
できるようになっている。
【0021】このようなガス供給装置を床面積20m2
のバイオクリンルームに接続した。このバイオクリンル
ームの床面に、燻蒸処理に対する抵抗性が最も高いこと
で知られている枯草菌(Bacillus subti
lls)の芽胞を一定量だけ濾紙にしみ込ませ、乾燥さ
せることにより得られた判定用濾紙を置いて、下記の表
2に示す各条件で燻蒸処理を行った。
【0022】そして、燻蒸処理終了後に、判定用濾紙を
滅菌水で洗浄することにより残留している枯草菌を滅菌
水に溶け込ませ、この滅菌水を培地に塗布して37℃7
2時間の条件で培養し、洗浄後の判定用濾紙も同じ培地
の上に乗せて同じ条件により培養し、滅菌水と判定用濾
紙との両方において発生したコロニー数の合計で燻蒸効
果を判定した。その結果も表2に併せて示す。
【0023】
【表2】
【0024】表2の結果より、この条件においては、相
対湿度が40%以上であれば十分な燻蒸効果が得られる
ことが分かる。なお、本発明のホルムアルデヒドガス発
生装置が組み込まれるホルムアルデヒドガス供給装置に
おいては、必ずしも、図3に示すような加湿装置8を設
ける必要はない。
【0025】しかし、ホルムアルデヒドガス濃度を低く
して燻蒸処理したい場合や、燻蒸処理時間を短くしたい
場合、または燻蒸されるバイオクリンルーム内の相対湿
度が低すぎる場合(例えば、40%未満)には、このよ
うな加湿装置8により、バイオクリンルーム内に結露が
生じない範囲で、ホルムアルデヒドガスに水蒸気を加え
てから供給することが好ましい。
【0026】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の装置
によれば、水分をほとんど含まないホルムアルデヒドガ
スを発生させることができるため、これをバイオクリン
ルーム等の燻蒸される空間内に導入すれば、前記空間内
の湿度を増加させることがない。したがって、ホルムア
ルデヒドガスの導入時に、燻蒸される空間内に結露が生
じることを防止できる。
【0027】その結果、燻蒸後の室内に白い粉末が付着
したり、結露により発生した水分にホルムアルデヒドが
溶解して燻蒸ガス濃度が変化したりすることがなくな
り、燻蒸処理後の排気時間を著しく長く取る必要もなく
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホルムアルデヒドガス発生装置の一実
施例を示す概要図である。
【図2】本発明のホルムアルデヒドガス発生装置の別の
実施例を示す概要図である。
【図3】本発明のホルムアルデヒドガス発生装置が組み
込まれたホルムアルデヒドガス供給装置を示す概要図で
ある。
【図4】本発明の作用を説明するためのグラフである。
【図5】燻蒸される空間内の、相対湿度とホルムアルデ
ヒドガス濃度とを変えた場合における、燻蒸処理効果を
調べた結果を示すグラフである。
【符号の説明】
A ホルムアルデヒドガス発生装置 1 容器 2 パラホルムアルデヒド(ホルムアルデヒド重合
体) 3A 発生気体出口 3d 気体導入口 6 ヒーター(加熱装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今福 正幸 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 神保 哲夫 東京都大田区南蒲田1丁目1番25号 株式 会社巴商会内 (72)発明者 小野 英明 東京都大田区南蒲田1丁目1番25号 株式 会社巴商会内 (72)発明者 瀬田 智秀 東京都大田区南蒲田1丁目1番25号 株式 会社巴商会内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子量のホルムアルデヒド重合体が入
    った容器と、この容器内のホルムアルデヒド重合体を所
    定温度以上に保持する加熱装置と、燻蒸される空間に向
    かう発生気体出口と、不活性ガスを導入する気体導入口
    とを備えたことを特徴とする燻蒸用ホルムアルデヒドガ
    スの発生装置。
JP5091154A 1993-04-19 1993-04-19 燻蒸用ホルムアルデヒドガスの発生装置 Expired - Fee Related JP2574111B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009028553A (ja) * 2008-09-19 2009-02-12 Taikisha Ltd 空調対象空間の燻蒸方法
CN106478396A (zh) * 2015-09-02 2017-03-08 苏州阿洛斯环境发生器有限公司 一种便携催化式甲醛发生器
JP2019056705A (ja) * 2017-09-20 2019-04-11 レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード ホルムアルデヒドモノマー蒸気を発生させる方法
CN112156723A (zh) * 2020-10-20 2021-01-01 天津大学 一种基于低聚甲醛散发解聚型的甲醛气体发生装置

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