JPH06296369A - サイクロコンバータの並列運転装置 - Google Patents

サイクロコンバータの並列運転装置

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JPH06296369A
JPH06296369A JP8326893A JP8326893A JPH06296369A JP H06296369 A JPH06296369 A JP H06296369A JP 8326893 A JP8326893 A JP 8326893A JP 8326893 A JP8326893 A JP 8326893A JP H06296369 A JPH06296369 A JP H06296369A
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Masaru Toyoda
勝 豊田
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 循環電流式サイクロコンバータの並列運転装
置において、総合無効電力制御の応答を速くすることが
できるようにする。 【構成】 交流電源の総合無効電力を検出する回路2
7、この総合無効電力検出値Qtと総合無効電力の管理
値Qt*および目標値Qo*との偏差に基づき個別発生無
効電力指令値Qi*を作成する手段23、個別の無効電
力を検出する回路39、および個別発生無効電力指令値
Qi*と個別無効電力検出値との偏差に基づき個別循環
電流指令値Io1 *を作成する手段41を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、可変電圧可変周波数
電源装置であるサイクロコンバータ装置の並列運転技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図32は、例えば特開昭61−1572
66号公報に示された従来のサイクロコンバータの並列
運転装置を示す構成図である。図において、BUSは交
流電源である電源母線、1〜3は電源母線BUSに並列
に接続された循環電流式のサイクロコンバータで、サイ
リスタ等のスイッチング素子を用いた主回路C/C1m
ain等と、出力電流Ilc1等および循環電流Ioc
1等を制御する制御回路PHC1とから構成されてい
る。4〜6はサイクロコンバータ1〜3のそれぞれの出
力側に接続された負荷となる交流電動機、7〜9は電源
母線BUSと各並列運転装置1〜3との間に挿入された
入力変圧器、10は電源母線BUSに接続された力率改
善用の進相コンデンサである。
【0003】18は電源母線BUSの受電端の電圧を検
出する計器用変圧器(PT)、19は電源母線BUSの
受電端の全体の電流を検出する計器用変流器(CT)、
95はPT18とCT19との出力から総合無効電力Q
tを検出する回路、96は総合無効電力を制御するため
各サイクロコンバータの循環電流制御手段に循環電流指
令値Io1 *等を与える総合無効電力制御回路、97はサ
イクロコンバータの並列運転装置の全体を示す。
【0004】次に、図33は3相出力サイクロコンバー
タの主回路例を示す。図において、TR1U,TR1
V,TR1Wは入力変圧器TR1(7)を構成する各相
変圧器、C/C1U,C/C1V,C/C1Wはサイク
ロコンバータC/C1(1)を構成する各相サイクロコ
ンバータ、U,V,Wは交流電動機M1(4)を構成す
る各相の電機子巻線である。更に、U相のサイクロコン
バータC/C1Uは、正群コンバータTHYp98、負
群コンバータTHYn99、中間タップ付リアクトルL
1104、L2105から構成されている。また、制御回
路PHC1は、負荷電流検出器CTlu112、正群コ
ンバータの出力電流検出器CTp110、負群コンバー
タの出力電流検出器CTn111および図示しない加算
器、比較器、演算増幅器、位相制御回路から構成されて
いる。V相、W相のサイクロコンバータも同様に構成さ
れている。
【0005】次に動作について説明する。先ず、循環電
流式サイクロコンバータの負荷電流制御の動作をU相を
例にとって説明する。負荷電流指令Iu*と実際に流れ
る負荷電流Iuの検出値とを比較し、その偏差ε2=I
*−Iuに比較した電圧をサイクロコンバータC/C
1Uから発生するように図示していない位相制御回路を
制御する。V相、W相の負荷電流Iv,Iwも同様に制
御される。
【0006】次に循環電流Ioの制御動作を説明する。
ここでも、U相のサイクロコンバータを例にとって説明
する。循環電流Iouは次のように検出する。すなわ
ち、正群コンバータTHYp98の出力電流Ipuの検
出値と負群コンバータTHYn99の出力電流Inuの
検出値とを比較し少ない方が循環電流である。このよう
にして求めた循環電流Iouは、その指令値Iou*
比較される。そして、その偏差ε3=Iou*−Iou
が位相制御回路に加算され、その偏差に比例した分だけ
正群コンバータTHYp98の出力電圧Vpと負群コン
バータTHYn99の出力電圧Vnとが不平衡になる。
その差電圧がリアクトルL1104、L2105に印加さ
れ、循環電流Iouが流れる。循環電流Iouが指令値
Iou*より流れ過ぎると、偏差ε3が負となり、Vp
<VnとなってIouを減少させる。結果的には循環電
流Iouはその指令値Iou*に等しくなるように制御
される。
【0007】V相、W相のサイクロコンバータの循環電
流IovおよびIowもその指令値Iov*およびIo
*に従って同様に制御される。通常、上記循環電流指
令Iou*、Iov*、Iow*は同一値で与えられる。
しかし、必ずしも同一とは限らず変化させる方法もあ
る。以上、図32のサイクロコンバータC/C1の基本
動作を説明した。他のサイクロコンバータC/C2、・
・・C/Cnも同様に動作する。
【0008】次に、図32の装置97の受電端における
無効電力制御の動作説明を行う。図34は図32の装置
97の総合無効電力制御回路TQC96を示すものであ
る。図中、119は比較器C1、120は制御補償回路
Hq(s)、121〜124は演算増幅器G1〜Gn、
125〜128はリミッタ回路LM1〜LMn、129
〜132は加算器and1〜andnである。
【0009】まず、装置97全体の受電端における無効
電力Qtを検出する。図32の3相電流検出器CT19
および3相電圧検出器PT18によって受電端の電流、
電圧を検出し、無効電力演算回路VAR95に入力す
る。Qt演算回路VAR95では3相検出電圧を90゜
だけ位相をずらし、その値に各相検出電流を乗ずる。そ
して、これら3相分を加えたものが受電端の無効電力検
出値(瞬時値)Qtとなる。
【0010】図34の回路では上記無効電力検出値Qt
とその指令値Qt*とを比較器C1119に入力し、その
偏差ε1=Qt*−Qtを求める。当該偏差ε1を次の
制御補償回路Hq(s)120に入力し比例増幅あるい
は積分増幅を行う。Hq(s)の出力Io*がサイクロ
コンバータの循環電流指令となるのであるが、各サイク
ロコンバータの出力容量に比例して循環電流を配分させ
るため、また、循環電流を途切らさないようにするた
め、次の処理がなされる。すなわち、演算増幅器(G1
〜Gn)121〜124は各サイクロコンバータの容量
に比例した配分系倍数の増幅器で、全て同一容量なら、
1=G2=G3=・・・・=Gn=1となる。例えばサ
イクロコンバータC/C2の容量だけが少なく、他のサ
イクロコンバータの(1/10)の容量であった場合に
は、G2=0.1、G1=G3=・・・・=Gn=1とな
る。
【0011】リミッタ回路LM1125は図35に示す
ような特性を持つもので、入力信号eiが正のとき、出
力信号eoはそのまま出力され、eo=eiとなる。し
かし、入力信号eiが負の値になった場合、出力信号e
oは零に制限され、eo=0となる。すなわち、循環電
流指令値Io1 *は常に正の値になるようにしている。さ
らに、リミッタ回路LM1125の出力eoは加算器a
nd1129によって別に設定された最小循環電流指令
値ΔIo*と加え合わされる。故にIo1 *としては、次
の値になる。 Io1 *=eo+ΔIo* 他のサイクロコンバータの循環電流指令値Io2 *、Io
3 *、・・・Ion*も同様に与えられる。
【0012】受電端の無効電力の検出値(遅れを正とす
る)Qtがその指令値Qt*より小さい場合、偏差ε1
=Qt*−Qtは正の値となり、制御補償回路120の
出力Io*を増加させる。故に、各サイクロコンバータ
に与える循環電流指令値Io1 *、Io2 *、Io3 *、・・
・Ion*も増大し実循環電流を増加させる。サイクロ
コンバータの循環電流が増加すれば受電端の遅れ無効電
力Qtが非線形であるが増大し、最終的にQt=Qt*
となる。逆にQt*<Qtとなった場合、偏差ε1は負
の値となり各サイクロコンバータの循環電流を減らして
Qtを減少させる。結果的にQt=Qt*となるように
制御される。
【0013】偏差ε1は負の値で大きくなった場合、制
御補償回路Hq(s)120の出力Io*は負の値にな
る。しかし、リミッタ回路LM1125、LM2126、
LM3127、・・・、LMn128の出力eoは負に
はならずeo=0となる。故に各サイクロコンバータの
最終的な循環電流指令値は Io1 *=Io2 *=Io3 *=・・・=Ion*=ΔIo* となって最小限の循環電流が流れ続ける。すなわち、循
環電流は途切れることないので循環電流式サイクロコン
バータの特性を維持できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来のサイクロコンバ
ータの並列運転装置は以上のように構成されており、受
電端の総合無効電力制御において総合無効電力の指令値
と検出値との偏差から各サイクロコンバータの循環電流
指令を直接作り出しているので、以下のような不具合が
あった。即ち、サイクロコンバータの発生無効電力が負
荷電流と関係することから発生無効電力と循環電流との
関係が比例関係にならず非線形の関係となり無効電力偏
差から循環電流指令を作り出す総合無効電力制御の応答
を大きく上げられないという問題点があった。
【0015】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、この発生無効電力と循環電流と
の非線形を考慮に入れ全体として制御応答を大きく上げ
ることができるサイクロコンバータの並列運転装置を得
ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るサイクロコンバータの並列運転装置は、交流電源の受
電端の総合無効電力を検出する手段、この総合無効電力
検出値と総合無効電力管理値との偏差に基づき各サイク
ロコンバータが個別に発生する無効電力指令を作成する
手段、上記各サイクロコンバータ毎にその入力側での無
効電力を個別に検出する手段、および上記個別発生無効
電力指令値と個別無効電力検出値との偏差に基づき各サ
イクロコンバータ個別の循環電流指令を作成する手段を
備えたものである。
【0017】また、この発明の請求項2に係るサイクロ
コンバータの並列運転装置は、上記個別発生無効電力指
令作成手段を、総合無効電力検出値と総合無効電力管理
値とを比較し前者が後者より大となったとき減用パルス
信号を発生する手段、上記総合無効電力検出値と上記総
合無効電力管理値より低い範囲で設定された総合無効電
力目標値とを比較し前者が後者より小となったとき増用
パルス信号を発生する手段、上記両パルス信号を入力し
て動作するアップダウンカウンタ、およびこのアップダ
ウンカウンタの出力を基に各サイクロコンバータ毎の個
別発生無効電力指令を作成する傾斜信号発生器から構成
したものである。
【0018】また、この発明の請求項3に係るサイクロ
コンバータの並列運転装置は、上記進相コンデンサを、
各サイクロコンバータの入力側に接続され当該サイクロ
コンバータが発生する遅れ無効電力の最低量を打ち消す
ための複数台の個別進相コンデンサおよび交流電源の受
電端に一括して接続された一括進相コンデンサにより構
成し、個別無効電力検出手段は、各サイクロコンバータ
と上記各個別進相コンデンサとの合成無効電力を検出す
るようにしたものである。
【0019】また、この発明の請求項4に係るサイクロ
コンバータの並列運転装置は、上記進相コンデンサを、
各サイクロコンバータの入力側に接続され当該サイクロ
コンバータが発生する遅れ無効電力の最低量を打ち消す
ための複数台の個別進相コンデンサおよび交流電源の受
電端に一括して接続された一括進相コンデンサにより構
成し、個別無効電力検出手段は、各サイクロコンバータ
が発生する無効電力を検出するようにしたものである。
【0020】また、この発明の請求項5に係るサイクロ
コンバータの並列運転装置は、上記進相コンデンサを、
交流電源の受電端に一括して接続された一括進相コンデ
ンサにより構成したものである。
【0021】また、この発明の請求項6に係るサイクロ
コンバータの並列運転装置は、上記個別発生無効電力指
令作成手段の出力の上限を規制する上限規制手段を備え
たものである。
【0022】また、この発明の請求項7に係るサイクロ
コンバータの並列運転装置は、上記個別発生無効電力指
令作成手段の出力の下限を規制する下限規制手段を備え
たものである。
【0023】また、この発明の請求項8に係るサイクロ
コンバータの並列運転装置は、上記個別発生無効電力指
令作成手段の出力の上限および下限を規制する上下限規
制手段を備えたものである。
【0024】また、この発明の請求項9に係るサイクロ
コンバータの並列運転装置は、上記個別循環電流指令作
成手段の出力の上限を規制する上限規制手段を備えたも
のである。
【0025】また、この発明の請求項10に係るサイク
ロコンバータの並列運転装置は、上記個別循環電流指令
作成手段の出力の下限を規制する下限規制手段を備えた
ものである。
【0026】また、この発明の請求項11に係るサイク
ロコンバータの並列運転装置は、上記個別循環電流指令
作成手段の出力の上限および下限を規制する上下限規制
手段を備えたものである。
【0027】
【作用】この発明の請求項1においては、総合無効電力
検出値と総合無効電力管理値との偏差に基づき各サイク
ロコンバータに個別発生無効電力指令を送り、各サイク
ロコンバータではこの個別発生無効電力指令値と当該サ
イクロコンバータでの個別無効電力検出値との偏差に基
づき自らの循環電流指令を作成し、この指令値に一致す
るよう循環電流を出力する。従って、個々のサイクロコ
ンバータの負荷条件により決まる無効電力の変化を考慮
に入れた適切な循環電流の指令が作成され、全体の無効
電力制御の応答を上げることが可能となる。
【0028】また、この発明の請求項2においては、総
合無効電力検出値との偏差をとる対象を、総合無効電力
管理値と総合無効電力目標値との2レベルで設定したの
で、個別発生無効電力指令を作成する制御系の動作が安
定する。
【0029】また、この発明の請求項3においては、各
サイクロコンバータ自体の発生無効電力と個別進相コン
デンサの発生無効電力との合成電力を個別無効電力検出
値とし、この検出値と個別発生無効電力指令値との偏差
に基づき各サイクロコンバータ個別の循環電流指令を作
成する。
【0030】また、この発明の請求項4においては、個
別進相コンデンサの発生無効電力は個別無効電力検出値
に含めず、各サイクロコンバータ自体の発生無効電力の
検出値と個別発生無効電力指令値との偏差に基づき各サ
イクロコンバータ個別の循環電流指令を作成する。
【0031】また、この発明の請求項5においては、各
サイクロコンバータの発生無効電力検出値と個別発生無
効電力指令値との偏差に基づき各サイクロコンバータ個
別の循環電流指令を作成する。
【0032】また、この発明の請求項6においては、個
別発生無効電力指令の上限を規制するので、最大の無効
電力補償量を制限することができ、サイクロコンバータ
を負荷に対して必要以上に大きくしなくて済む。
【0033】また、この発明の請求項7においては、個
別発生無効電力指令の下限を規制するので、最低限の無
効電力補償量を確保することができ、循環電流が途切れ
る条件が解消される。
【0034】また、この発明の請求項8においては、個
別発生無効電力指令の上限および下限を規制するので、
無効電力補償量を一定の範囲内に制限することができ
る。
【0035】また、この発明の請求項9においては、個
別循環電流指令の上限を規制するので、循環電流の最大
値を確実に制限することができる。
【0036】また、この発明の請求項10においては、
個別循環電流指令の下限を規制するので、循環電流がそ
の必要最小値を下回ることはない。
【0037】また、この発明の請求項11においては、
個別循環電流指令の上限および下限を規制するので、循
環電流を必要な範囲内に確実に制限することができる。
【0038】
【実施例】
実施例1.図1はこの発明の実施例1によるサイクロコ
ンバータの並列運転装置を示す構成図である。図におい
て、従来と同一部分には同一の符号を付して説明を省略
する。11,12,13は各サイクロコンバータ毎に設
置された個別進相コンデンサで、各サイクロコンバータ
の発生する最低の遅れの無効電力を打ち消すための容量
に設定されている。10は個別進相コンデンサ11,1
2,13とともに、全体としての遅れ無効電力を補償す
るため受電端に一括して設置された一括進相コンデンサ
である。14,15,16,17は開閉器、20,2
1,22は各サイクロコンバータの入力電流を検出する
ための計器用変流器で、各サイクロコンバータ自体に加
えて個別進相コンデンサの電流を含めた電流を検出す
る。23,24,25は総合無効電力量と個別の発生無
効電力量とを制御するための循環電流指令制御回路で、
その詳細は図2で説明する。26は本発明によるサイク
ロコンバータの並列運転装置である。
【0039】図2は、サイクロコンバータC/C1を中
心にその制御回路23,35の詳細を示すブロック図で
ある。図において、27はPT18とCT19との出力
から総合無効電力Qtを検出する回路、28は総合無効
電力検出回路27の出力が正の場合はそのまま出力し負
の場合は零を出力するリミッタ回路、29は図示の極性
でリミッタ回路28の出力である総合遅れ無効電力検出
値Qtfと総合無効電力管理値Qt*との偏差をとる加
算器である。ここで、総合無効電力管理値Qt*は、装
置の設備容量から多少の余裕分を差し引いた最大発生無
効電力と全進相コンデンサの容量との差が該当する。
【0040】従って、無効電力検出値Qtfが上記管理
値を越えると発生無効電力を減少させる必要がある。即
ち、加算器29の出力が正の場合、リレー駆動回路30
にてリレーD31をONし、各サイクロコンバータの個
別発生無効電力指令用のアップダウンカウンタ37のダ
ウン側に発信器36からパルス信号(減用パルス信号)
を入力させる。
【0041】また、32は図示の極性でリミッタ回路2
8の出力である総合遅れ無効電力検出値Qtfと総合無
効電力目標値Qo*との偏差をとる加算器である。ここ
で、総合無効電力目標値Qo*は、目標とする力率から
設定される。無効電力検出値Qtfが目標値Qo*より
低くなると、加算器32の出力が正となり、リレー駆動
回路33にてリレーU34をONし、各サイクロコンバ
ータの個別発生無効電力指令用のアップダウンカウンタ
37のアップ側に発信器36からパルス信号(増用パル
ス信号)を入力させる。
【0042】38はアップダウンカウンタ37からの信
号を積分して傾斜時間に従い個別発生無効電力指令値Q
*を増減させる個別発生無効電力指令作成回路として
の傾斜信号発生器である。なお、アップダウンカウンタ
37には初期値として予め設定した無負荷時の無効電力
補償量を与えている。
【0043】39は個別無効電力検出回路で、PT18
とCT20との出力から個別無効電力Qiを検出する回
路、40は傾斜信号発生器38からの個別発生無効電力
指令値Qi*と個別無効電力検出回路39からの個別無
効電力検出値Qiとの偏差ε1をとる加算器、41は加
算器40からの偏差ε1を比例積分して個別循環電流指
令値Io1 *を作成する個別循環電流指令作成回路であ
る。
【0044】なお、以上で、個別発生無効電力指令Qi
*を制御するのに、総合無効電力検出値との偏差をとる
対象を総合無効電力管理値Qt*と総合無効電力目標値
Qo*との2レベルで設定したのは、無効電力検出値の
変動が激しい場合に一定の不感帯を設けて制御系の動作
を安定させる意図である。従って、場合により1レベル
で偏差をとる方式としてもよい。
【0045】また、上記偏差に基づく出力をパルス信号
を介して各個別の循環電流指令制御回路23に伝送する
ようにしたのは、伝送系におけるノイズ対策を考慮した
ものである。即ち、傾斜信号発生器38の出力はアナロ
グ信号であり、この形態での信号を各サイクロコンバー
タへの伝送系に流すとノイズを拾い易いが、上記実施例
のように、パルス信号、従ってディジタル信号でサイク
ロコンバータへ伝送することによりノイズの影響を低減
することができる。
【0046】また、進相コンデンサに関しては、図1,
図2に示す通り、各サイクロコンバータ毎に個別進相コ
ンデンサ11等を設置し、各入力変圧器7等と並列にし
て開閉器15等を介して電源母線BUSに接続する構成
としたので、例えば、サイクロコンバータ1が異常とな
り開閉器15を開放した場合、その進相コンデンサ11
も同時に切り離されるので、残った正常サイクロコンバ
ータの無効電力補償量に異常サイクロコンバータの無効
電力補償量が加わってその負担が増大するという不具合
が解消される。従って、サイクロコンバータの循環電流
容量として、特別に余裕をもたせる必要はなく、開閉器
とあわせその必要容量を低減させることができる。
【0047】次に、負荷として特定のパターンを一例と
して仮定し、その場合の無効電力制御の動作を図3によ
り説明する。図3(a)において、Qcapは全進相コン
デンサ10〜13の容量、即ち総合進み無効電力、Q
C/CLは総合遅れ無効電力で、無効電力補償をしていない
場合の特性を示す。QC/CL(max)はその最大値を示す。
【0048】そして、この総合遅れ無効電力QC/CLの変
化は、主として、図3(c)に示すサイクロコンバータ
1の負荷電流Il1の変化に基づくものである。このケー
スでは図3(d)に示すように、サイクロコンバータn
の負荷電流Ilnは一定で変化していない。なお、この動
作例では、加算器29または32で無効電力検出値Qt
との偏差を演算する基準である総合無効電力管理値Qt
*および同目標値Qo*は共に力率1、従って、無効電力
零に設定しているように図示しているが、厳密にはQt
*>Qo*>0の関係が成立しており、図2に示した構成
に基づき以下に説明する動作が得られる。
【0049】次に時刻の経過を追って動作を説明する。
先ず、時刻t=0〜t1では、図3(a)に示す個別発
生無効電力指令値Qi*に基づきサイクロコンバータ1
およびnの個別循環電流指令値Io1 *、Ion*(図3
(c)(d))が出力され、この結果として、図3
(a)に示すmax.ΔQの遅れ無効電力を補償して力
率1となる(図3(b))定常状態となっている。
【0050】時刻t=t1でサイクロコンバータ1の負
荷電流Il1が急速に立ち上がると、個別発生無効電力指
令値Qi*は一定であるが個別無効電力検出回路39に
入力されるサイクロコンバータ1の個別無効電力検出値
Qiが変化するので、加算器40の偏差ε1が出力され
個別循環電流指令値Io1 *を押し下げる。換言すると、
負荷電流が変化したサイクロコンバータ1の循環電流が
急速に応答して当該負荷電流の変化に伴う無効電力補償
量の変化を吸収し、個別発生無効電力指令値Qi*が変
化する迄には至っていない状態といえる。また、サイク
ロコンバータnではその負荷電流に変化がないので次の
時刻t=t2までは変化がない。
【0051】しかし、時刻t=t2に至ると、遂にこの
均衡が破れ、負荷電流Il1増大の影響で総合無効電力検
出値Qtが遅れの極性となり、加算器29の偏差出力に
基づきリレーD31がONし傾斜信号発生器38の出力
である個別発生無効電力指令値Qi*が減少する。サイ
クロコンバータnではその負荷電流Ilnの変化はない
が、指令値Qi*が減少するので、それに伴って個別循
環電流Ion*を押し下げる。
【0052】時刻t=t3になると、サイクロコンバー
タ1の負荷電流Il1の上限が止まり、それ以上の遅れ無
効電力の増大はなくなる。しかし、リレーD31の出力
が続いているので、個別発生無効電力指令値Qi*は下
降を続けるはずであるが、実際には傾斜信号発生器38
内のリミッタ要素でその下限値を保持することになる
(図3(a))。従って、サイクロコンバータ1および
nの個別循環電流指令値Io1 *,Ion*も変化しな
い。
【0053】次に、時刻t=t4からサイクロコンバー
タ1の負荷電流Il1が急減して発生遅れ無効電力が減少
する。そして、時刻t=t5に至ると、総合無効電力検
出値Qtが進み極性になろうとし、リレーU34がON
となって傾斜信号発生器38の出力である個別発生無効
電力指令値Qi*が上昇に転じる。サイクロコンバータ
1ではその負荷電流Il1の減少と上記した指令値Qi*
の上昇とが相乗的に作用してその個別循環電流指令値I
1 *を急激に立ち上がらせる。また、サイクロコンバー
タnでも、指令値Qi*の上昇でその個別循環電流指令
値Ion*を増大させる。以上は、サイクロコンバータ
1の負荷電流Il1の下降が止まる時刻t=t6に至って
定常状態に移行する。
【0054】以上のように、負荷電流の変化に対して、
先ず個別の無効電力制御系が速やかに応答してその循環
電流指令を制御し、更に、共通の無効電力指令を制御し
て高速応答で高精度な総合無効電力補償特性が達成され
る。
【0055】実施例2.図4はこの発明の実施例2にお
けるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブロック
図である。実施例1の図2と異なるのは傾斜信号発生器
38と加算器40との間に、個別発生無効電力指令値Q
*の上限を規制する上限規制手段としての上限リミッ
タ回路42を挿入した点である。この結果、最大の無効
電力補償量を制限することができ、サイクロコンバータ
を負荷に対して必要以上に大きくしなくて済み、設備容
量をその分節減して安価な設備とすることができる。
【0056】図5はその場合の動作例を示したもので、
個別無効電力検出値Qiとの偏差をとる対象である個別
発生無効電力指令値Qi*の上限が図5(a)に破線で
示すように一定値に制限される。この結果、同図(c)
(d)に示すように発生する遅れ無効電力も一定の制限
値内に抑えられる。
【0057】実施例3.図6はこの発明の実施例3にお
けるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブロック
図である。実施例1の図2と異なるのは傾斜信号発生器
38と加算器40との間に、個別発生無効電力指令値Q
*の下限を規制する下限規制手段としての下限リミッ
タ回路45を挿入した点である。この結果、最低限の無
効電力補償量を確保することができ、循環電流が途切れ
てサイクロコンバータの円滑な運転特性が損なわれると
いう事態が解消される。
【0058】図7はその場合の動作例を示したもので、
個別発生無効電力指令値Qi*の下限が図7(a)に破
線で示すように一定値に制限される。この結果、同図
(c)(d)に示すように、実質的に循環電流が途切れ
ることはなくなる。
【0059】実施例4.図8はこの発明の実施例4にお
けるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブロック
図である。実施例1の図2と異なるのは傾斜信号発生器
38と加算器40との間に、個別発生無効電力指令値Q
*の上限および下限を規制する上下限規制手段として
の上下限リミッタ回路48を挿入した点である。この結
果、最大の無効電力補償量を制限することができ、サイ
クロコンバータの設備容量を節減して安価な設備とする
ことができるとともに、最低減の無効電力補償量を確保
することができ、循環電流が途切れることなくサイクロ
コンバータの円滑な運転特性が得られる。
【0060】図9はその場合の動作例を示したもので、
個別発生無効電力指令値Qi*の上限および下限が図9
(a)に破線で示すようにそれぞれ一定値に制限され
る。この結果、同図(c)(d)に示すように、発生す
る遅れ無効電力も一定の範囲内に抑えられる。
【0061】なお、上記各実施例においては、各リミッ
タ回路で設定する上限値、下限値自体の大きさについて
は触れていないが、装置や回路の条件を加味して任意に
とり得ることは勿論、各サイクロコンバータの回路に応
じて異なる値に設定するようにしてもよい。
【0062】実施例5.図10はこの発明の実施例5に
おけるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブロッ
ク図である。実施例1の図2と異なるのは個別循環電流
指令作成回路41の出力側に、個別循環電流指令値Io
1 *の下限を規制する下限規制手段としての下限リミッタ
回路51を設けた点である。この結果、各サイクロコン
バータの循環電流はそれぞれ設定された最小値を下回る
ことが確実になくなり、安定した運転特性が確保され
る。
【0063】図11はその場合の動作例を示したもので
ある。図から判る通り、ここでは既述の実施例の場合と
異なり、サイクロコンバータ1の負荷電流Il1に加えて
サイクロコンバータnの負荷電流Ilnも急激に変化して
いるものと想定しているが、これら負荷電流の急変にも
かかわらず、個別循環電流指令値Io1 *、Ion*はそ
の必要な最低値Iob1,Iobnの通流を確実に保持してい
る。
【0064】即ち、個別発生無効電力指令値Qi*の下
限値を規制するのみでは、その後段の個別無効電力検出
値でフィードバックをとる個別制御系のため、個別の負
荷電流の変化量によっては循環電流の必要最小値を維持
し得ない可能性も残るがこの下限リミッタ回路51を設
けることによって、上記懸念が解消される訳である。
【0065】実施例6.図12はこの発明の実施例6に
おけるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブロッ
ク図である。実施例1の図2と異なるのは個別循環電流
指令作成回路41の出力側に、個別循環電流指令値Io
1 *の上限を規制する上限規制手段としての上限リミッタ
回路54を設けた点である。従って、循環電流の最大値
を確実に制限することができる。
【0066】図13はその場合の動作例を示したもの
で、同図(c)(d)より、各個別循環電流指令値Io
1 *、Ion*がそれぞれ設定された上限値に抑えられて
いることが判る。
【0067】実施例7.図14はこの発明の実施例7に
おけるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブロッ
ク図である。実施例1の図2と異なるのは個別循環電流
指令作成回路41の出力側に、個別循環電流指令値Io
1 *の上限および下限を規制する上下限規制手段としての
上下限リミッタ回路57を設けた点である。従って、循
環電流を必要な範囲内に確実に制限することができる。
【0068】図15はその場合の動作例を示したもの
で、この場合も図11と同様、各サイクロコンバータ1
およびnの負荷電流Il1,In1が共に激しく変化する場
合を想定しているが、これら負荷電流の変化にかかわら
ず、各サイクロコンバータ1およびnの個別循環電流指
令値Io1 *、Ion*は設定された上限値および下限値
の範囲内に規制されている(図15(c)(d))。
【0069】実施例8.図16はこの発明の実施例8に
おけるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブロッ
ク図で、上限および下限をそれぞれ異なる指令値で規制
したものである。即ち、傾斜信号発生器38と加算器4
0との間に上限リミッタ回路60を挿入して個別発生無
効電力指令値Qi*の上限を規制するとともに、個別循
環電流指令作成回路41の出力側に下限リミッタ回路6
1を設けて個別循環電流指令値Io1 *の下限を規制して
いる。
【0070】図17はその場合の動作例を示したもので
ある。
【0071】実施例9.図18はこの発明の実施例9に
おけるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブロッ
ク図で、図10で説明した個別循環電流指令値の下限を
規制する下限規制手段の変形例である。即ち、図に示す
ように、個別循環電流指令作成回路41の出力側にダイ
オード64a,64bを設け、更に循環電流基底値設定
器65を設けていわゆるMAXOR回路を構成してい
る。
【0072】図19はその場合の動作例を示したもので
ある。同図(c)に示すように、個別循環電流指令作成
回路41から出力されたサイクロコンバータ1の個別循
環電流指令値Io1 *が、その負荷電流Il1の急増に伴っ
て急減しその基底値Iob1以下となると、循環電流基底
値設定器65からダイオード64bを経て最低限必要な
循環電流値Iob1が指令値Io1 *として供給される。こ
の間、ダイオード64aは逆電圧が印加されブロック状
態となる。
【0073】実施例10.図20はこの発明の実施例1
0におけるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブ
ロック図で、同じく図10で説明した個別循環電流指令
値の下限を規制する下限規制手段の変形例である。即
ち、図に示すように、個別循環電流指令作成回路41か
らの出力が正の時はそのまま出力し、負の時は零とする
リミッタ回路68、循環電流基底値設定器69および加
算器70を設けている。
【0074】従って、個別循環電流指令作成回路41か
ら出力される個別循環電流指令値Io1 *に常に基底値I
ob1が加えられ、指令値Io1 **となって出力される。従
って、個別循環電流指令値として最低限の値Iob1が確
保される。図21はその動作例を示す。
【0075】実施例11.図22はこの発明の実施例1
1におけるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブ
ロック図で、上述した図16の実施例の変形例である。
即ち、傾斜信号発生器38と加算器40との間に上限リ
ミッタ回路73を挿入して個別発生無効電力指令値Qi
*の上限を規制するとともに、個別循環電流指令作成回
路41の出力側にダイオード74a、74bと循環電流
基底値設定器75とからなるMAXOR回路を設けて個
別循環電流指令値Io1 *の下限を規制している。
【0076】図23にその動作例を示すが、上述した内
容と重複するのでその説明は省略する。
【0077】実施例12.図24はこの発明の実施例1
2におけるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブ
ロック図で、同じく図16の実施例の変形例である。即
ち、傾斜信号発生器38と加算器40との間に上限リミ
ッタ回路78を挿入して個別発生無効電力指令値Qi*
の上限を規制するとともに、個別循環電流指令作成回路
41の出力側に下限リミッタ回路79、循環電流基底値
設定器80および加算器81を設けて個別循環電流指令
値の下限を規制している。
【0078】図25にその動作例を示すが、上述した内
容と重複するのでその説明は省略する。
【0079】実施例13.図26はこの発明の実施例1
3におけるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブ
ロック図である。ここでは、傾斜信号発生器38と加算
器40との間に上下限リミッタ回路84を挿入して個別
発生無効電力指令値Qi*の上限および下限を規制する
とともに、個別循環電流指令作成回路41の出力側にダ
イオード85a,85bと循環電流基底値設定器86と
からなるMAXOR回路を設けて個別循環電流指令値I
1 *の下限を確保している。
【0080】図27にその動作例を示すが、上述した内
容と重複するのでその説明は省略する。
【0081】実施例14.図28はこの発明の実施例1
4におけるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブ
ロック図で、上述した図26の実施例の変形例である。
即ち、傾斜信号発生器38と加算器40との間に上下限
リミッタ回路89を挿入して個別発生無効電力指令値Q
*の上限および下限を規制するとともに、個別循環電
流指令作成回路41の出力側に下限リミッタ回路90、
循環電流基底値設定器91および加算器92を設けて個
別循環電流指令値の下限を確保している。
【0082】図29にその動作例を示すが、上述した内
容と重複するのでその説明は省略する。
【0083】実施例15.図30はこの発明の実施例1
5におけるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブ
ロック図である。実施例1〜14とは、個別無効電力検
出回路39に取り込むCT20等の挿入個所が異なる。
即ち、上述実施例では、CT20は個別進相コンデンサ
11の進み無効電流を含めて検出していたのに対し、こ
の実施例15では、進相コンデンサ11を含めずサイク
ロコンバータ1のみの電流を検出している。従って、無
効電力の制御範囲に広狭の差が生じることになるが、こ
の発明の適用上、特に支障を来す内容ではない。また、
加算器40で偏差を演算する指令値Qi*の基準レベル
を変える必要があるが、これはアップダウンカウンタ3
7の初期値の設定を調整することにより行えばよい。更
に、図30の装置に、各指令値の上限や下限を規制する
回路を付加することは、実施例2〜14と同様、可能な
ことは言うまでもない。
【0084】実施例16.図31はこの発明の実施例1
6におけるサイクロコンバータの並列運転装置を示すブ
ロック図である。ここでは進相コンデンサはすべて一括
進相コンデンサ10に集中して設けられている。従っ
て、上述した各実施例のように、サイクロコンバータ毎
の個別進相コンデンサをも含めて複数群に分割して設備
を構成する場合に比較して、機器構成が簡単となり、接
続部分の減少とも合わせその分設備が安価となりスペー
スも低減するという利点がある。
【0085】しかし、いずれかのサイクロコンバータが
故障で回路から切り離された場合、残りのサイクロコン
バータで必要な遅れ無効電力を補償することになるので
その分サイクロコンバータの設備容量を増大する必要が
ある。なお、無効電力の制御範囲等については実施例1
5の場合と同様である。
【0086】
【発明の効果】この発明の請求項1に係るサイクロコン
バータの並列運転装置においては、総合無効電力検出値
と総合無効電力管理値との偏差に基づき各サイクロコン
バータに個別発生無効電力指令を送り、各サイクロコン
バータではこの個別発生無効電力指令値と当該サイクロ
コンバータでの個別無効電力検出値との偏差に基づき自
らの循環電流指令を作成し、この指令値に一致するよう
循環電流を出力するようにしたので、個々のサイクロコ
ンバータの負荷条件により決まる無効電力の変化を考慮
に入れた適切な循環電流の指令が作成され、全体の無効
電力制御の応答を上げることが可能となる。
【0087】また、この発明の請求項2に係るサイクロ
コンバータの並列運転装置においては、更に、総合無効
電力検出値との偏差をとる対象を、総合無効電力管理値
と総合無効電力目標値との2レベルで設定したので、個
別発生無効電力指令を作成する制御系の動作が安定す
る。
【0088】また、この発明の請求項3または4に係る
サイクロコンバータの並列運転装置においては、進相コ
ンデンサを所定の個別進相コンデンサと一括進相コンデ
ンサとで構成するようにしたので、特定のサイクロコン
バータが異常で回路から切り離された場合、残りのサイ
クロコンバータの無効電力補償量の負担が増大するとい
う不具合がない。
【0089】また、この発明の請求項5に係るサイクロ
コンバータの並列運転装置においては、進相コンデンサ
を一括進相コンデンサに集中する構成としたので、機器
構成が簡単となり設備が安価となる。
【0090】また、この発明の請求項6に係るサイクロ
コンバータの並列運転装置においては、個別発生無効電
力指令の上限を規制するので、最大の無効電力補償量を
制限することができ、サイクロコンバータを負荷に対し
て必要以上に大きくしなくて済む。
【0091】また、この発明の請求項7に係るサイクロ
コンバータの並列運転装置においては、個別発生無効電
力指令の下限を規制するので、最低限の無効電力補償量
を確保することができ、循環電流が途切れる条件が解消
される。
【0092】また、この発明の請求項8に係るサイクロ
コンバータの並列運転装置においては、個別発生無効電
力指令の上限および下限を規制するので、無効電力補償
量を一定の範囲内に制限することができる。
【0093】また、この発明の請求項9に係るサイクロ
コンバータの並列運転装置においては、個別循環電流指
令の上限を規制するので、循環電流の最大値を確実に制
限することができる。
【0094】また、この発明の請求項10に係るサイク
ロコンバータの並列運転装置においては、個別循環電流
指令の下限を規制するので、循環電流がその必要最小値
を下回ることはない。
【0095】また、この発明の請求項11に係るサイク
ロコンバータの並列運転装置においては、個別循環電流
指令の上限および下限を規制するので、循環電流を必要
な範囲内に確実に制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1におけるサイクロコンバー
タの並列運転装置を示す構成図である。
【図2】同実施例1の制御回路を示すブロック図であ
る。
【図3】同実施例1の動作を説明するためのタイムチャ
ートである。
【図4】この発明の実施例2の制御回路を示すブロック
図である。
【図5】同実施例2の動作を説明するためのタイムチャ
ートである。
【図6】この発明の実施例3の制御回路を示すブロック
図である。
【図7】同実施例3の動作を説明するためのタイムチャ
ートである。
【図8】この発明の実施例4の制御回路を示すブロック
図である。
【図9】同実施例4の動作を説明するためのタイムチャ
ートである。
【図10】この発明の実施例5の制御回路を示すブロッ
ク図である。
【図11】同実施例5の動作を説明するためのタイムチ
ャートである。
【図12】この発明の実施例6の制御回路を示すブロッ
ク図である。
【図13】同実施例6の動作を説明するためのタイムチ
ャートである。
【図14】この発明の実施例7の制御回路を示すブロッ
ク図である。
【図15】同実施例7の動作を説明するためのタイムチ
ャートである。
【図16】この発明の実施例8の制御回路を示すブロッ
ク図である。
【図17】同実施例8の動作を説明するためのタイムチ
ャートである。
【図18】この発明の実施例9の制御回路を示すブロッ
ク図である。
【図19】同実施例9の動作を説明するためのタイムチ
ャートである。
【図20】この発明の実施例10の制御回路を示すブロ
ック図である。
【図21】同実施例10の動作を説明するためのタイム
チャートである。
【図22】この発明の実施例11の制御回路を示すブロ
ック図である。
【図23】同実施例11の動作を説明するためのタイム
チャートである。
【図24】この発明の実施例12の制御回路を示すブロ
ック図である。
【図25】同実施例12の動作を説明するためのタイム
チャートである。
【図26】この発明の実施例13の制御回路を示すブロ
ック図である。
【図27】同実施例13の動作を説明するためのタイム
チャートである。
【図28】この発明の実施例14の制御回路を示すブロ
ック図である。
【図29】同実施例14の動作を説明するためのタイム
チャートである。
【図30】この発明の実施例15の制御回路を示すブロ
ック図である。
【図31】この発明の実施例16の制御回路を示すブロ
ック図である。
【図32】従来のサイクロコンバータの並列運転装置を
示す構成図である。
【図33】従来のサイクロコンバータの主回路構成を示
す図である。
【図34】従来の総合無効電力制御回路を示すブロック
図である。
【図35】従来の総合無効電力制御回路内のリミッタ特
性を示す図である。
【符号の説明】
1〜3 サイクロコンバータ 4〜6 負荷としての交流電動機 10 一括進相コンデンサ 11〜13 個別進相コンデンサ 14〜17 開閉器 18 PT 19,20〜22 CT 23〜25 循環電流指令制御回路 26等 サイクロコンバータの並列運転装置 27 総合無効電力検出回路 28,42,45,48,51,54,57,60 リ
ミッタ回路 61,68,73,78,79,84,89,90 リ
ミッタ回路 29,32,40 加算器 30,33 リレー駆動回路 37 アップダウンカウンタ 38 傾斜信号発生器 39 個別無効電力検出回路 41 個別循環電流指令作成回路 Qt 総合無効電力検出値 Qt* 総合無効電力管理値 Qo* 総合無効電力目標値 Qi* 個別発生無効電力指令値 Io1 *等 個別循環電流指令値

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源にそれぞれ開閉器を介して互い
    に並列に接続されそれぞれの出力側に接続された負荷に
    変換した電力を供給する複数台の循環電流式のサイクロ
    コンバータ、進み無効電力を供給する進相コンデンサ、
    および遅れ無効電力を調整するため上記各サイクロコン
    バータの循環電流を制御する手段を備えたサイクロコン
    バータの並列運転装置において、 上記交流電源の受電端の総合無効電力を検出する手段、
    この総合無効電力検出値と総合無効電力管理値との偏差
    に基づき上記各サイクロコンバータが個別に発生する無
    効電力指令を作成する手段、上記各サイクロコンバータ
    毎にその入力側での無効電力を個別に検出する手段、お
    よび上記個別発生無効電力指令値と個別無効電力検出値
    との偏差に基づき各サイクロコンバータ個別の循環電流
    指令を作成する手段を備えたことを特徴とするサイクロ
    コンバータの並列運転装置。
  2. 【請求項2】 交流電源にそれぞれ開閉器を介して互い
    に並列に接続されそれぞれの出力側に接続された負荷に
    変換した電力を供給する複数台の循環電流式のサイクロ
    コンバータ、進み無効電力を供給する進相コンデンサ、
    および遅れ無効電力を調整するため上記各サイクロコン
    バータの循環電流を制御する手段を備えたサイクロコン
    バータの並列運転装置において、 上記交流電源の受電端の総合無効電力を検出する手段、
    この総合無効電力検出値と総合無効電力管理値とを比較
    し前者が後者より大となったとき減用パルス信号を発生
    する手段、上記総合無効電力検出値と上記総合無効電力
    管理値より低い範囲で設定された総合無効電力目標値と
    を比較し前者が後者より小となったとき増用パルス信号
    を発生する手段、上記両パルス信号を入力して動作する
    アップダウンカウンタ、このアップダウンカウンタの出
    力を基に各サイクロコンバータ毎の個別発生無効電力指
    令を作成する傾斜信号発生器、上記各サイクロコンバー
    タ毎にその入力側での無効電力を個別に検出する手段、
    および上記個別発生無効電力指令値と個別無効電力検出
    値との偏差に基づき各サイクロコンバータ個別の循環電
    流指令を作成する手段を備えたことを特徴とするサイク
    ロコンバータの並列運転装置。
  3. 【請求項3】 進相コンデンサを、各サイクロコンバー
    タの入力側に接続され当該サイクロコンバータが発生す
    る遅れ無効電力の最低量を打ち消すための複数台の個別
    進相コンデンサおよび交流電源の受電端に一括して接続
    された一括進相コンデンサにより構成し、個別無効電力
    検出手段は、各サイクロコンバータと上記各個別進相コ
    ンデンサとの合成無効電力を検出するようにしたことを
    特徴とする請求項1または2記載のサイクロコンバータ
    の並列運転装置。
  4. 【請求項4】 進相コンデンサを、各サイクロコンバー
    タの入力側に接続され当該サイクロコンバータが発生す
    る遅れ無効電力の最低量を打ち消すための複数台の個別
    進相コンデンサおよび交流電源の受電端に一括して接続
    された一括進相コンデンサにより構成し、個別無効電力
    検出手段は、各サイクロコンバータが発生する無効電力
    を検出するようにしたことを特徴とする請求項1または
    2記載のサイクロコンバータの並列運転装置。
  5. 【請求項5】 進相コンデンサを、交流電源の受電端に
    一括して接続された一括進相コンデンサにより構成した
    ことを特徴とする請求項1または2記載のサイクロコン
    バータの並列運転装置。
  6. 【請求項6】 個別発生無効電力指令作成手段の出力の
    上限を規制する上限規制手段を備えたことを特徴とする
    請求項1ないし5のいずれかに記載のサイクロコンバー
    タの並列運転装置。
  7. 【請求項7】 個別発生無効電力指令作成手段の出力の
    下限を規制する下限規制手段を備えたことを特徴とする
    請求項1ないし5のいずれかに記載のサイクロコンバー
    タの並列運転装置。
  8. 【請求項8】 個別発生無効電力指令作成手段の出力の
    上限および下限を規制する上下限規制手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のサイ
    クロコンバータの並列運転装置。
  9. 【請求項9】 個別循環電流指令作成手段の出力の上限
    を規制する上限規制手段を備えたことを特徴とする請求
    項1ないし8のいずれかに記載のサイクロコンバータの
    並列運転装置。
  10. 【請求項10】 個別循環電流指令作成手段の出力の下
    限を規制する下限規制手段を備えたことを特徴とする請
    求項1ないし8のいずれかに記載のサイクロコンバータ
    の並列運転装置。
  11. 【請求項11】 個別循環電流指令作成手段の出力の上
    限および下限を規制する上下限規制手段を備えたことを
    特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のサイク
    ロコンバータの並列運転装置。
JP8326893A 1993-04-09 1993-04-09 サイクロコンバータの並列運転装置 Pending JPH06296369A (ja)

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