JPH06293809A - 感温性ポリマー材料 - Google Patents

感温性ポリマー材料

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JPH06293809A
JPH06293809A JP12651492A JP12651492A JPH06293809A JP H06293809 A JPH06293809 A JP H06293809A JP 12651492 A JP12651492 A JP 12651492A JP 12651492 A JP12651492 A JP 12651492A JP H06293809 A JPH06293809 A JP H06293809A
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JP
Japan
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temperature
metallocene
acrylamide
polymer material
polymer
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JP12651492A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Kuramoto
憲幸 倉本
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 N−環状体置換アクリルアミド系ポリマー構
造にメタロセンが含有されてなる感温性ポリマー材料。 【効果】 表示、記録、アクチュエーター等に有用な、
非常に大きな曇点の変化を持つ感温性ポリマー材料が提
供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、感温性ポリマー材料
に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、表
示素子、記録素子、アクチュエータなどに有用な、新し
い感温性ポリマー材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来よ
り、ポリアクリルアミド系高分子はその水溶液におい
て、低温では溶解した均一溶液状態となり、高温では析
出して不均一溶液状態となる感温性ポリマーであること
が知られている。また、臨界温度である曇点は、このよ
うな感温性ポリマーにたとえばメタロセンなどを組み合
わせ、酸化還元を行うことによって、変化させることが
可能となることも知られている。
【0003】この曇点が変化する感温性ポリマーの一例
として、従来からイソプロピルアクリルアミドとフェロ
センなどのメタロセンとの共重合体がある。しかしなが
ら、従来のアクリルアミドとメタロセンの共重合体にお
ける曇点の変化は非常に小さく、たとえば、イソプロピ
ルアクリルアミドにビニルフェロセンを5モルパーセン
ト混入しても、高々5℃程度の変化であり、このような
感温性高分子の工業的利用はかなり限定されたものであ
った。
【0004】酸化還元によってその感温性を制御するこ
とのできるポリマーは、表示、記録等の諸分野への応用
が期待されるものであるが、これまでの技術によって
は、その実用化へのアプローチはほとんど不可能であっ
た。この発明は以上の通りの事情に鑑みてなされたもの
であり、従来の方法の欠点を克服し、曇点そのものを大
きく変化させることができ、実用的利用価値の高い新し
い感温性ポリマー材料を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、N−環状体置換アクリルアミド
系ポリマー構造にメタロセンが含有されてなることを特
徴とする感温性ポリマー材料を提供する。この発明にお
いては、メタロセンは第4周期遷移金属の金属錯体であ
って、フェロセン、チタノセン、バナドセン、クロモセ
ン、マンガノセン、コバルトセン、ニッケロセン、さら
に、第5周期、第6周期遷移金属の金属錯体であるジル
コノセン、ルテノセン、オスモセンなどの各種のものが
その対象となる。
【0006】そしてこの金属錯体は、この発明において
はどのような誘導体の形でもよく、たとえば、メタロセ
ンが共重合体の成分となし、または、側鎖に結合されて
いてもよい。つまりメタロセンが感温性高分子中に含ま
れていることが必要であり、その形態はどのような形で
あってもかまわない。たとえば共重合性モノマーとし
て、メタロセンの炭素環に、ビニル基、イソプロピレニ
ル基、ブラニル基等のアルケニル基や、シアノビニル
基、アシルオキシビニル基、アルコキシビニル基等の環
状アルケニル基等を有していてもよい。
【0007】また、N−環状体置換アクリシアミドとし
ては、アミド基のN原子に、環状の炭素鎖や、その置換
体が結合しているものや、このN原子そのものが環構成
原子を構成していてもよい。たとえばこの前者の例とし
ては、N−シクロヘキシル−アクリルアミド、N−アリ
ール−アクリルアミド、N−ピロリジン−アクリルアミ
ド等が、また、後者の例としては、N−アクリロイルピ
ロリジン、N−アクリロイルピペラジンやその各種置換
体がある。
【0008】
【作用】ポリマー中へメタロセンを取り込むことによっ
てポリマーの特性とメタロセンの特徴を結びつけること
ができる。N−置換アクリルアミド系ポリマーは非極性
の疎水性基、極性の親水性基をもつ両親媒性ポリマーで
あり、水中で温度が上昇するにつれて溶解性が低下し、
ある特定の温度(曇点)でポリマーが析出する特異的な
感温性を持つ。また、フェロセンは化学的または電気的
に酸化還元され、その性質が疎水性と親水性に可逆的に
変わる。
【0009】感温性を支配するものは、その高分子の持
っている疎水性と親水性のバランスである。親水性を大
く持つものほど、その曇点の変化は大きい。感温性ポリ
マーの種類によってその性質は異なり、従来から一般的
に用いられていたイソプロピルアクリルアミドとビニル
フェロセンの共重合体においては、ビニルフェロセンの
酸化によってもイソプロピルアクリルアミドの親水性が
大きく変化せず、酸化による曇点の変化は大きくならな
い。
【0010】しかしながら、この発明においては、イソ
プロピルアクリルアミドよりも疎水性の小さなN−環状
体置換アクリルアミドとメタロセンを共重合させ、メタ
ロセンを酸化させることにより、親水性の付与が起こ
り、曇点を大きく上昇させることが可能となる。以下、
実施例を示し、さらに詳しくこの発明について説明す
る。
【0011】
【実施例】実施例1 次式に示すように、フェロセンの誘導体であるビニルフ
ェロセン(VFc)とN−アクリロイルピロリジン(A
PR)から両親媒性のコポリマーを合成し、そのコポリ
マーに化学的な酸化還元を行い、親水性と疎水性をコン
トロールすることにより感温特性の検討を行なった。
【0012】
【化1】
【0013】コック付き重合管にVFc、APRとアゾ
イソブチロニトリル(AIBN)2wt%をジオキサン
に溶解し凍結脱気後窒素置換し、70℃の恒温槽で24
時間重合した。重合後、ジエチルエーテルに注いでコポ
リマーを析出単離し、室温で真空乾燥した。1.0g/dl の
コポリマー水溶液に硫酸セリウムを加えて酸化を行い、
また同じ溶液にL−アスコルビン酸を加えて還元を行な
った。所定濃度(1.0g/dl)の溶液を分光光度計のセルに
入れ、循環水により、セルの温度を上昇させながら、75
0nmでの透過率の温度に対する変化を測定した。透明な
時の透過率(最大透過率)と不透明で平衡にしたときの
透過率(最小透過率)の中間値に相当する温度を曇点と
した。図1に示すように、ビニルフェロセンの含有量を
変化させて、その曇点を測定した。
【0014】コポリマーは化学的に酸化することにより
水溶液が黄色から青色に変化し、その曇点が上昇した。
たとえば、ビニルフェロセンの含有量5.5モルパーセン
トにおいては、曇点の差は、約55℃にもなった。さら
に、フェロセン含量が増加すると酸化前と酸化後の曇点
の差が大きくなるという傾向が見られた。実施例2 実施例1で用いたコポリマーを含んだ溶液を、導電性ガ
ラスのサンドイッチ構造にしたセル内に挟み込んで電気
的な酸化を行なった。その結果、曇点が変化して曇ガラ
ス状から透明青色溶液に変化した。
【0015】この曇点の変化は、たとえばビニルフェロ
センの含有量が、8モルパーセントを含む高分子では、
40℃であった。
【0016】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、N−環状体置換アクリルアミドとメタロセンとの
共重合を行なうことで、化学的または電気的にその曇点
の変化を約50℃まで制御することができる感温性高分
子を合成することが可能となる。
【0017】その結果として、この感温性高分子を表示
素子に利用することが可能となる。水溶液は、なんら電
気的操作を行なわない状態では、黄色に着色された曇っ
た状態であるが、電圧を加えて酸化させると透明な青色
均一溶液に変化する。この変化は可逆的に起こり、電圧
をコントロールすることで繰り返し変化させることがで
きる。つまり、黄色の不透明状態から青色透明な均一溶
液へと変化する新しいタイプの表示素子が作成できる。
【0018】さらに、その変化は外部から電気刺激を与
えない限り起こらないため、この感温性高分子を記録素
子としても応用することが可能となる。またこの電気応
答性高分子を架橋させて架橋ゲルを合成することができ
るが、この架橋ゲルは電気的に酸化することで膨潤し、
還元することで収縮するゲルとなる。このゲルは膨潤と
収縮を電気的にコントロールすることで電気を仕事に変
換する新しいタイプのアクチュエータとして利用するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例としての曇点とビニルフェロ
セン含有量との相関図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−環状体置換アクリルアミド系ポリマー
    構造にメタロセンが含有されてなることを特徴とする感
    温性ポリマー材料。
  2. 【請求項2】メタロセン化合物との共重合体からなる請
    求項1の感温性ポリマー材料。
  3. 【請求項3】請求項1のポリマー材料からなる表示素
    子。
  4. 【請求項4】請求項1のポリマー材料からなる記録素
    子。
  5. 【請求項5】請求項1のポリマー材料を架橋させてなる
    架橋ゲル。
  6. 【請求項6】請求項5のゲルを電気的に膨潤収縮させる
    アクチュエーター。
JP12651492A 1992-05-19 1992-05-19 感温性ポリマー材料 Pending JPH06293809A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011161940A1 (ja) * 2010-06-25 2011-12-29 国立大学法人東京工業大学 サーモクロミック樹脂組成物、及びサーモクロミック樹脂組成物の曇点の調整方法、並びに調光装置
CN116425920A (zh) * 2023-06-09 2023-07-14 河南博源新材料有限公司 一种茂金属改性聚丙烯酰胺及其制备方法

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